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G 1323-3:2017  

(1) 

目 次 

ページ 

1 適用範囲 1 

2 引用規格 1 

3 一般事項 1 

4 定量方法の区分  1 

5 モリブドりん酸青吸光光度法  1 

5.1 要旨  1 

5.2 試薬  1 

5.3 試料はかりとり量  2 

5.4 操作  2 

5.5 空試験  3 

5.6 検量線の作成  3 

5.7 計算  3 

6 モリブドりん酸抽出分離モリブドりん酸青吸光光度法  3 

6.1 要旨  3 

6.2 試薬  3 

6.3 試料はかりとり量  4 

6.4 操作  4 

6.5 空試験  4 

6.6 検量線の作成  5 

6.7 計算  5 

 

 


 

G 1323-3:2017  

(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本フェロアロイ協会(JFA)及び一般財団

法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本

工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

これによって,JIS G 1323:1989は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS G 1323の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS G 1323-1 第1部:炭素定量方法 

JIS G 1323-2 第2部:けい素定量方法 

JIS G 1323-3 第3部:りん定量方法 

JIS G 1323-4 第4部:硫黄定量方法 

JIS G 1323-5 第5部:鉄定量方法 

JIS G 1323-6 第6部:アルミニウム定量方法 

JIS G 1326-7 第7部:多元素定量方法−ICP発光分光分析方法 

 

 


 

 

日本工業規格          JIS 

 

G 1323-3:2017 

 

金属クロム分析方法−第3部:りん定量方法 

Method for chemical analysis of chromium metal- 

Part 3: Determination of phosphorus content 

 

適用範囲 

この規格は,金属クロム中のりんの定量方法について規定する。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用

規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS G 1301 フェロアロイ−分析方法通則 

 

一般事項 

分析方法に共通な一般事項は,JIS G 1301による。 

 

定量方法の区分 

りんの定量方法は,次のいずれかによる。 

a) モリブドりん酸青吸光光度法 この方法は,りん含有率0.005 %(質量分率)以上0.08 %(質量分率)

以下の試料に適用する。 

b) モリブドりん酸抽出分離モリブドりん酸青吸光光度法 この方法は,りん含有率0.001 %(質量分率)

以上0.03 %(質量分率)以下の試料に適用する。 

 

モリブドりん酸青吸光光度法 

5.1 

要旨 

試料を過塩素酸で分解した後,加熱して過塩素酸の白煙を発生させる。亜硫酸水素ナトリウムでクロム,

鉄などを還元した後,七モリブデン酸六アンモニウムを加えて,りん酸をモリブドりん酸とし,硫酸ヒド

ラジニウムで還元してモリブドりん酸青を生成させ,分光光度計を用いてその吸光度を測定する。 

5.2 

試薬 

試薬は,次による。 

5.2.1 

過塩素酸 

5.2.2 

亜硫酸水素ナトリウム溶液(100 g/L) 

5.2.3 

呈色試薬溶液 あらかじめa)及びb)の溶液を調製しておき,使用の都度,a)のA液(七モリブデ

ン酸六アンモニウム溶液)5,b)のB液(硫酸ヒドラジニウム溶液)2及び水8の割合で混合する。 

a) A液(七モリブデン酸六アンモニウム溶液) 七モリブデン酸六アンモニウム四水和物20 gを水300 


G 1323-3:2017  

 

mLに溶解し,溶液を流水中に浸して冷却しつつかき混ぜながら硫酸(1+1)650 mLを加えて冷却し

た後,水で液量を1 000 mLにうすめる。 

b) B液(硫酸ヒドラジニウム溶液) 硫酸ヒドラジニウム1.5 gを水に溶解して水で1 000 mLにうすめ

る。 

5.2.4 

硫酸ヒドラジニウム硫酸溶液 5.2.3 b)のB液(硫酸ヒドラジニウム溶液)2,硫酸(7+13)5及び

水8の割合で混合する。 

5.2.5 

りん標準液(P:100 μg/mL) りん酸二水素カリウム約2 gを110 ℃で乾燥し,デシケーター中で

室温まで放冷して,質量を測定する操作を恒量(質量差が0.3 mg以下)となるまで繰り返した後,その

0.439 4 gをはかりとってビーカー(300 mL)に移し入れ,水に溶解する。溶液を1 000 mLの全量フラス

コに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。 

5.3 

試料はかりとり量 

試料はかりとり量は,1.0 gとする。 

5.4 

操作 

警告 過塩素酸の蒸気は,アンモニア,亜硝酸蒸気又は有機物が存在すると爆発する危険がある。蒸

気は,過塩素酸を使用しても安全な排気設備を備えた場所で処理しなければならない。 

5.4.1 

試料溶液の調製 

試料溶液の調製は,次の手順によって行う。 

a) 試料をはかりとってビーカー(300 mL)に移し入れ,時計皿で覆う。 

b) 過塩素酸20 mLを加え加熱して分解する。 

c) 加熱を続け,過塩素酸の白煙を発生させ,過塩素酸の蒸気がビーカーの内壁を伝わって還流する状態

で約10分間加熱を継続する。 

d) 放冷した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,温水約100 mLを加えて可溶性塩類を溶

解する。 

e) 溶液を,ろ紙(5種A)を用いて250 mLの全量フラスコにろ過し,温水で4,5回洗浄し,洗液をろ

液に合わせる。 

f) 

常温まで冷却した後,水で標線までうすめる。 

5.4.2 

呈色 

呈色は,次の手順によって行う。 

a) 5.4.1 f)で得た試料溶液を25 mLずつ分取して2個の100 mL全量フラスコに移し入れる。 

なお,新しい全量フラスコを使用する場合は,水を標線まで加えて沸騰水浴中で約10分間加熱した

後,流水中に全量フラスコを浸して冷却する。この操作を繰り返し,冷却後の全量フラスコの容量の

変化が僅かになってから使用する。 

b) それぞれの全量フラスコに亜硫酸水素ナトリウム溶液10 mLを加えて振り混ぜ,沸騰水浴中に浸して

溶液の色が鮮やかな青緑になるまで加熱する。 

c) 第1の全量フラスコに呈色試薬溶液(5.2.3)25 mLを加え,第2の全量フラスコに硫酸ヒドラジニウ

ム硫酸溶液(5.2.4)25 mLを加えて振り混ぜ,沸騰水浴中に浸して約40分間加熱する。 

d) 流水中に浸して常温まで冷却した後,水で標線までうすめる。 

5.4.3 

吸光度の測定 

5.4.2 d)で得た第1の全量フラスコの溶液の一部を分光光度計の吸収セル(10 mm)にとり,第2の全量

フラスコの溶液を対照液として波長825 nm付近の吸光度を測定する。 


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5.5 

空試験 

試料を用いないで,5.4.1〜5.4.3の手順に従って,試料と同じ操作を試料と併行して行う。ただし,5.4.2 

b)の沸騰水浴中での加熱時間は,青緑への溶液の色の変化にかかわらず,試料溶液の場合と同程度とする。 

5.6 

検量線の作成 

検量線の作成は,次の手順によって行う。 

a) 数個のビーカー(300 mL)を用意し,これに段階的にりん標準液(5.2.5)0〜8.0 mL(りんとして0

〜800 μg)を正確に加え,時計皿で覆う。 

b) それぞれに過塩素酸5 mLを加えて加熱し,過塩素酸の白煙を発生させ,ビーカー内部が透明になり,

過塩素酸の蒸気がビーカー内壁を伝わって還流する状態で約10分間加熱を継続する。 

c) 放冷した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,温水約50 mLを加えて,溶液を水を用い

て250 mL全量フラスコに移し入れる。常温まで冷却した後,水で標線までうすめる。以下,5.4.2〜

5.4.3の手順に従って操作する。ただし,5.4.2 b)の沸騰水浴中での加熱は,青緑への溶液の色の判定を

せず,試料溶液の場合と同程度の加熱時間とする。 

d) 得た吸光度とりん量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。 

5.7 

計算 

5.4.3で得た吸光度及び5.5で得た吸光度と,5.6で作成した検量線とから,りん量を求め,試料中のりん

含有率を,次の式によって算出する。 

100

250

25

1

2

1

m

A

A

P

 

ここに, 

P: 試料中のりん含有率[%(質量分率)] 

 

A1: 分取した試料溶液中のりん検出量(g) 

 

A2: 空試験で得られたりん検出量(g) 

 

m1: 試料はかりとり量(g) 

 

モリブドりん酸抽出分離モリブドりん酸青吸光光度法 

6.1 

要旨 

試料を過塩素酸で分解した後,加熱して過塩素酸の白煙を発生させる。亜硫酸水素ナトリウムでクロム,

鉄などを還元した後,七モリブデン酸六アンモニウムを加え,生じたモリブドりん酸錯体を混合溶媒で抽

出し,これを塩化すず(II)で還元して生成したモリブドりん酸青を水相に逆抽出した後,分光光度計を

用いてその吸光度を測定する。 

6.2 

試薬 

試薬は,次による。 

6.2.1 

過塩素酸 

6.2.2 

亜硫酸水素ナトリウム溶液(100 g/L) 

6.2.3 

七モリブデン酸六アンモニウム溶液(80 g/L) 

6.2.4 

塩化すず(II)溶液 塩化すず(II)二水和物5 gを塩酸160 mLに溶解し,水で500 mLにうすめ

て原液とする。この原液を使用の都度,水で5倍にうすめる。 

6.2.5 

混合溶媒 クロロホルム3に,1-ブタノール(n-ブチルアルコール)1を加えてよく振り混ぜる。 

6.2.6 

りん標準液(P:20 μg/mL) りん酸二水素カリウム約2 gを110 ℃で乾燥し,デシケーター中で


G 1323-3:2017  

 

室温まで放冷して,質量を測定する操作を恒量(質量差が0.3 mg以下)となるまで繰り返した後,その

0.439 4 gをはかりとってビーカー(300 mL)に移し入れ,水に溶解する。常温まで冷却した後,溶液を1 000 

mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめてりん標準原液(P:100 μg/mL)とする。

この原液を使用の都度,水で正確に5倍にうすめて,りん標準液とする。 

6.3 

試料はかりとり量 

試料はかりとり量は,1.0 gとする。 

6.4 

操作 

警告 過塩素酸の蒸気は,アンモニア,亜硝酸蒸気又は有機物が存在すると爆発する危険がある。蒸

気は,過塩素酸を使用しても安全な排気設備を備えた場所で処理しなければならない。 

6.4.1 

試料溶液の調製 

試料溶液の調製は,次の手順によって行う。 

a) 試料をはかりとってビーカー(300 mL)に移し入れ,時計皿で覆う。 

b) 過塩素酸20 mLを加え加熱して分解する。 

c) 加熱を続け,過塩素酸の白煙を発生させ,ビーカーの内部が透明になり,過塩素酸の蒸気がビーカー

の内壁を伝わって還流する状態で約10分間加熱を継続する。 

d) 放冷した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,温水約100 mLを加えて可溶性塩類を溶

解する。 

e) 溶液を,ろ紙(5種A)を用いて250 mLの全量フラスコにろ過し,温水で4,5回洗浄し,洗液をろ

液に合わせる。 

f) 

常温まで冷却した後,水で標線までうすめる。 

6.4.2 

りん錯体の抽出 

りん錯体の抽出は,次の手順によって行う。 

a) 6.4.1 f)で得た試料溶液を分析漏斗(100 mL)に25 mL分取する。 

b) 過塩素酸5 mLを加えた後,溶液が緑色を呈するまで亜硫酸水素ナトリウム溶液を振り混ぜながら加

え,更にその過剰1 mLを加える。 

c) 七モリブデン酸六アンモニウム溶液(6.2.3)5 mLを加えて振り混ぜる。 

d) 混合溶媒(6.2.5)20 mLを加えて約2分間激しく振り混ぜ,しばらく静置して2層に分離させ,下層

の有機相を別の分液漏斗(100 mL)に移し入れて保存する。 

e) 水相に再び混合溶媒(6.2.5)5 mLを加えて約30秒間激しく振り混ぜ,しばらく静置して2層に分離

させ,下層の有機相を先に保存した有機相に合わせる。上層は,捨てる。 

6.4.3 

呈色 

6.4.2 e)で得た有機相に塩化すず(II)溶液(6.2.4)を正確に20 mL加えて約30秒間激しく振り混ぜ,し

ばらく静置して2層に分離させた後,直ちに下層を捨てる1)。 

注1) 長時間両相を接触させておくと低値を示す。 

6.4.4 

吸光度の測定 

6.4.3で得た呈色溶液の一部を吸収セル(10 mm)にとり,水を対照液として波長700 nm付近の吸光度

を測定する。 

6.5 

空試験 

試料を用いないで,6.4.1〜6.4.4の手順に従って試料と同じ操作を試料と併行して行う。ただし,6.4.2 b)

の亜硫酸水素ナトリウム溶液の添加量は,緑色の判定はせず,試料溶液の場合と同程度とする。 


G 1323-3:2017  

 

6.6 

検量線の作成 

検量線の作成は,次の手順によって行う。 

a) 数個のビーカー(300 mL)を用意し,これに段階的にりん標準液(6.2.6)0〜15.0 mL(りんとして0

〜300 μg)を正確に加え,時計皿で覆う。 

b) それぞれに過塩素酸15 mLを加えて加熱し,過塩素酸の白煙を発生させ,ビーカー内部が透明になり,

過塩素酸の蒸気がビーカー内壁を伝わって還流する状態で約10分間加熱を継続する。 

c) 放冷した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,温水約100 mLを加えて,溶液を水を用

いて250 mL全量フラスコに移し入れる。常温まで冷却した後,水で標線までうすめる。以下,6.4.2

〜6.4.4の手順に従って操作する。ただし,6.4.2 b)の亜硫酸水素ナトリウム溶液の添加量は,緑色の判

定はせず,試料溶液の場合と同程度とする。 

d) 得た吸光度とりん量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。 

6.7 

計算 

6.4.4で得た吸光度及び6.5で得た吸光度と,6.6で作成した検量線とから,りん量を求め,試料中のりん

含有率を,次の式によって算出する。 

100

250

25

2

4

3

m

A

A

P

 

ここに, 

P: 試料中のりん含有率[%(質量分率)] 

 

A3: 分取した試料溶液中のりん検出量(g) 

 

A4: 空試験で得られたりん検出量(g) 

 

m2: 試料はかりとり量(g)