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G 1317 : 1998

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって JIS G 1317 は改正され,この規格によって置き換えられる。

今回の改正では,国際規格と整合させる目的で,ISO 規格を翻訳し,

附属書 として採用するとともに,

各成分の定量方法を

附属書方式で表現した。

JIS G 1317

には,次に示す

附属書がある。

附属書 1(規定)  モリブデン定量方法−鉄分離亜鉛アマルガム還元過マンガン酸カリウム滴定法

附属書 2(規定)  モリブデン定量方法−8−キノリノールモリブデン重量法  (ISO 4173)

附属書 3(規定)  炭素定量方法−燃焼−ガス容量法

附属書 4(規定)  炭素定量方法−燃焼−赤外線吸収法

附属書 5(規定)  けい素定量方法−二酸化けい素重量法

附属書 6(規定)  けい素定量方法−ICP 発光分光法

附属書 7(規定)  りん定量方法−水酸化ベリリウム共沈分離モリブドりん酸青吸光光度法

附属書 8(規定)  りん定量方法−水酸化ベリリウム共沈分離 ICP 発光分光法

附属書 9(規定)  硫黄定量方法−燃焼−よう素酸カリウム滴定法

附属書 10(規定)  硫黄定量方法−燃焼−赤外線吸収法

附属書 11(規定)  銅定量方法−原子吸光法

附属書 12(規定)  銅定量方法−ICP 発光分光法

附属書 13(規定)  アルミニウム定量方法−原子吸光法

附属書 14(規定)  アルミニウム定量方法−ICP 発光分光法


日本工業規格

JIS

 G

1317

: 1998

フェロモリブデン分析方法

Method for chemical analysis of ferromolybdenum

序文  規格を適用するに当たっては,その規格が引用している規格も同時に参照しなければならない。フ

ェロモリブデンは,鉄鋼製造の副原料として使用される場合が多いので,その主成分であるモリブデンの

定量方法のほか,鉄鋼製造上問題となる炭素など 6 成分の定量方法についても規定し,JIS G 1317 が 1953

年に制定された。

附属書 は,1980 年に第 1 版として発行された ISO 4173 (Ferromolybdenum-Determination

of molybdenum content-Gravi metricmethod)

を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作

成した日本工業規格である。

なお,この

附属書 で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲  この規格は,フェロモリブデン中のモリブデン,炭素,けい素,りん,硫黄,銅及びアル

ミニウムの定量方法について規定する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。

JIS G 1301

  フェロアロイ分析方法の通則

JIS K 0116

  発光分光分析通則

JIS K 0121

  原子吸光分析通則

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

JIS Z 2615

  金属材料の炭素定量方法通則

JIS Z 2616

  金属材料の硫黄定量方法通則

JIS Z 8402

  分析・試験の許容差通則

3.

一般事項  定量方法に共通な一般事項は,JIS G 1301JIS K 0116 及び JIS K 0121 による。ただし,

附属書 には適用しない。

4.

定量方法の区分  フェロモリブデン中の各種成分の定量方法は,表 による。


2

G 1317 : 1998

表 1  フェロモリブデン中の各種成分の定量方法

成分

定量方法

適用含有率範囲

% (m/m)

附属書(規定)

番号

鉄分離亜鉛アマルガム還元過マンガン
酸カリウム滴定法

50

以上 80 以下

1

モリブデン

8

− キ ノ リ ノ ー ル モ リ ブ デ ン 重 量 法

(ISO 4173)

50

以上 80 以下

2

燃焼−ガス容量法 0.05 以上 6.0 以下

3

炭素

燃焼−赤外線吸収法 0.001 以上 6.0 以下

4

二酸化けい素重量法 0.05 以上 3.0 以下

5

けい素

ICP

発光分光法 0.02 以上 1.0 以下

6

水酸化ベリリウム共沈分離モリブドり

ん酸青吸光光度法

0.002

以上 0.10 以下

7

りん

水酸化ベリリウム共沈分離 ICP 発光分

光法

0.002

以上 0.10 以下

8

燃焼−よう素酸カリウム滴定法 0.005 以上 0.20 以下

9

硫黄

燃焼−赤外線吸収法 0.001 以上 0.20 以下

10

原子吸光法 0.01 以上 0.50 以下

11

ICP

発光分光法 0.01 以上 0.50 以下

12

原子吸光法 0.005 以上 0.20 以下

13

アルミニウム

ICP

発光分光法 0.005 以上 0.20 以下

14


3

G 1317 : 1998

附属書 1(規定)  モリブデン定量方法− 

鉄分離亜鉛アマルガム還元過マンガン酸カリウム滴定法

1.

要旨  試料を硫酸と硝酸とで分解し,加熱して濃縮し,硫酸の白煙を発生させて硝酸を除去し,水酸

化ナトリウムを加えて鉄などを水酸化物として分離する。硫酸で酸濃度を調節し,亜鉛アマルガムを加え

て振り混ぜ,モリブデンを還元した後,過マンガン酸カリウム標準溶液で滴定する。

2.

試薬  試薬は,次による。

a)

硝酸 (11)

b)

硫酸 (11)

c)

二酸化炭素

d)

融解合剤[炭酸ナトリウム 1+炭酸カリウム 1

e)

亜鉛アマルガム  水銀 450g を三角フラスコ (300ml) に移し入れ,これに硫酸 (1+10)  で表面の酸化

皮膜を除いた粒状亜鉛 10g を加え,その表面を少量の硫酸 (1+10)  で覆い,ときどき振り動かしなが

ら水浴上で加熱して粒状亜鉛を溶解させ,室温まで冷却し,少量の硫酸 (1+10)  でアマルガムの表面

を覆って保存する。

安全上の警告  亜鉛アマルガムは猛毒であるので,この試薬及びこの試薬を添加した溶液の取扱い

に注意しなければならない。 

f)

水酸化ナトリウム溶液 (200g/l)

g)

硫酸アンモニウム鉄 (III) 溶液  硫酸アンモニウム鉄 (III) 12 水和物 100g を適量の水に溶解し,溶液

を振り混ぜながら硫酸 (1+1) 50ml 及びりん酸 400ml を少量ずつ加え,水で液量を 1 000ml とする。

h)  0.02mol/l

過マンガン酸カリウム標準溶液  調製及び標定方法は,JIS K 8001 の 4.5(滴定用溶液)(7)

による。

3.

器具  還元器は原則として附属書 付図 のものを用い,下方のコック以下には,沸騰させて空気を

除去し,冷却した水を満たしておく。

4.

試料はかり採り量  試料はかり採り量は,0.50g とし,0.1mg のけたまで読み取る。

5.

操作

5.1

試料の分解  試料の分解は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかり採ってビーカー (300ml) に移し入れ,時計皿で覆う。

b)

硫酸 (1+1) 20ml 及び硝酸 (1+1) 5ml を加え,加熱して分解する。

c)

放冷した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,硫酸の白煙が発生するまで加熱する。

d)

引き続き,硫酸の白煙を発生させた状態で 15∼20 分間加熱して硝酸を完全に追い出す。

e)

放冷した後,温水約 100ml を加え,加熱して可溶性塩類を溶解する(

1

)

f)

ろ紙(5 種 B)でこし分け,温水で洗浄し,ろ液及び洗液は,ビーカー (300ml) に受け,主液として


4

G 1317 : 1998

保存する。残さは,ろ紙とともにニッケルるつぼ(30 番)に移し入れ,600℃以下でろ紙を灰化した

後,残さの約 10 倍量の融解合剤  [2.d)]  を加え,加熱して融解し,放冷した後,融成物を水に溶解し

て主液に合わせる。

(

1

)

未溶解残さが認められない場合には,次の f)の操作は行わない。

5.2

鉄などの分離  鉄などの分離は,次の手順によって行う。

a)

5.1e)

又は f)で得た溶液をかき混ぜながら水酸化ナトリウム溶液を少量ずつ加え,水酸化鉄 (III) の沈

殿がわずかに生成するまで中和し,さらにその過剰 20ml を加える。

b)

加熱して 3∼5 分間穏やかに沸騰させた後,常温まで冷却して水を用いて 250ml の全量フラスコに移

し入れ,水で標線まで薄める。

c)

溶液を乾いたろ紙(5 種 B)を用いて乾いたビーカー (300ml) にろ過する。

d)

初めのろ液を捨て,次のろ液から 50ml を分取してビーカー (100ml) に移し入れる。

5.3

モリブデンの還元  モリブデンの還元は,次の手順によって行う。

a)

5.2d)

で分取した溶液に硫酸 (1+1) 6ml を加えてかき混ぜる。

b)

溶液を亜鉛アマルガム  [2.e)]  約 200g を入れた還元器  [3.]  に少量の水(

2

)

で洗い移す。

c)

還元器に二酸化炭素を約 3 分間通じて空気を置換した後,約 5 分間激しく振り混ぜ,モリブデンを完

全に還元する。

(

2

)

還元時の硫酸濃度は,約0.75mol/が適当であるため,移し入れに使用する水の量は15ml 以下で

行う。

5.4

滴定  滴定は,還元器中の亜鉛アマルガムを受器中に注意して完全に移し,還元器内に空気が入ら

ないように注意しながら,直ちに 0.02mol/過マンガン酸カリウム標準溶液で  [2.h

)]  滴定し(

3

)(

4

)

,溶液が

微紅色に変わる点を終点とする。

(

3

)

還元器に

附属書1付図1(b)を用いたときは,二酸化炭素を通じながら滴定する。

(

4

)

還元したモリブデンは比較的酸化されやすいので,還元した後は溶液が空気に触れないように

注意して操作する。

なお,モリブデンの酸化を防止するため,モリブデンを還元して亜鉛アマルガムを除去した

後,硫酸アンモニウム鉄 (III) 溶液  [2.g)]  を加えてモリブデンを酸化し,還元した鉄 (II) を滴

定してもよい。

6.

空試験  空試験は,行わない。

7.

計算  計算は,試料中のモリブデン含有率を,次の式によって算出する。

100

5

1

198

003

.

0

×

×

×

×

=

m

F

V

M

o

ここに,  Mo

試料中のモリブデン含有率 [% (m/m)]

V

5.4

で得た 0.02mol/過マンガン酸カリウム標準溶液の使用量 (ml)

F

0.02mol/l

過マンガン酸カリウム標準溶液のファクター

m

試料はかり採り量 (g)

8.

許容差  許容差(

5

)

は,

附属書 表 による。


5

G 1317 : 1998

附属書 表 1  許容差

単位 % (m/m)

種類

室内再現許容差

室間再現許容差

低炭素フェロモリブデン

D (n) [0.14]

D (n) [0.18]

高炭素フェロモリブデン

D (n) [0.15]

D (n) [0.32]

(

5

)

許容差計算式中の D (n)  は,D (n, 0.95)  を意味し,その値は,JIS Z 8402

4による。の値は,

室内再現許容差の場合は同一分析室内における分析回数,室間再現許容差の場合は分析に関与

した分析室数である。

参考  この許容差は,モリブデン含有率 60.8% (m/m)  の低炭素フェロモリブデン及びモリブデン含有

率 60.4% (m/m)  の高炭素フェロモリブデンの試料を用いて共同実験した結果から求めたもので

ある。

附属書 付図 1  還元器


6

G 1317 : 1998

附属書 2(規定)  モリブデン定量方法− 

8

−キノリノールモリブデン重量法 (ISO 4173)

1.

適用範囲

この

附属書 は,フェロモリブデン中のモリブデンを,8−キノリノールモリブデン重量法で定量する方

法について規定する。

この方法は,モリブデン含有率 50% (m/m)  以上 80% (m/m)  以下のフェロモリブデンに適用する。

参考1

原文には,単に“重量法”と記載されているが,JIS の定量方法の名称に準拠して“8−キノ

リノールモリブデン重量法”とした。

なお,原文における試薬名は,

“8−ヒドロキシキノリン”と記載されているが,IUPAC 

名法に従って,JIS 試薬名の“8−キノリノール”を使用した。

参考2

原文には,

“フェロモリブデン中に含まれる標準的なモリブデン含有率”と記載されているが,

フェロモリブデンの製品規格に規定されているモリブデンの含有率範囲から具体的に数値を

記載することにした。

2.

引用規格

ISO 3713, Ferroalloys

−Sampling and preparation of samples−General rules(脚注

1

参考  原文には,脚注

1

として“現在規格案文作成中”と記載してあるが,この規格は,1987 年に発

行されている。

3.

原理

試料を分解し,水酸化ナトリウムで鉄を分離する。モリブデンをエチレンジアミン四酢酸二水素二ナト

リウム二水和物(以下,EDTA2Na という。

)及びしゅう酸アンモニウムを共存させて,8−キノリノール塩

として沈殿させる。こし分け,乾燥して 8−キノリノールモリブデン塩の無水物 [MoO

2

 (C

9

H

6

NO)

2

]

とし

てひょう量する。

4.

試薬

分析に際しては,特に規定しない限り,認証された分析級の試薬及び蒸留水又はそれに相当する純度の

水だけを使用する。

4.1

硫酸  50% (V/V)  溶液

水 400ml を冷却しながら,その中に硫酸(

ρ

1.84g/ml) 500ml

を少量ずつ注ぎ入れながら,かき混ぜて冷

却し,水で液量を 1 000ml とする。

4.2

硝酸  25% (V/V)  溶液

硝酸(

ρ

1.42g/ml) 250ml

に水を加え,水で液量を 1 000ml とする。

4.3

ふっ化水素酸  (

ρ

1.14g/ml)

4.4

塩酸  50% (V/V)  溶液

塩酸(

ρ

1.16

∼1.18g/ml) 500ml に水を加え,水で液量を 1 000ml とする。


7

G 1317 : 1998

4.5

水酸化ナトリウム溶液   (460∼480g/l)

ポリエチレンビーカーに水酸化ナトリウム 460∼480g をはかり採って加え,ビーカーの外側を流水で冷

却しながら水に溶解し,水で液量を 1 000ml とする。この溶液は,ポリエチレン瓶に貯蔵する。

4.6

EDTA2Na

溶液   (10g/l)

EDTA2Na10g

を水に溶解し,水で液量を 1 000ml とする。

4.7

アンモニア水溶液  50% (V/V)

アンモニア水(

ρ

0.91g/ml) 500ml

に水を加え,水で液量を 1 000ml とする。

4.8

8

−キノリノール溶液   (30g/l)  中性溶液

8

−キノリノール 3g を酢酸 12ml に溶解し,水 60ml を加え,約 40℃に加熱する。アンモニア水(4.7)を滴

加してこれ以上変化しない沈殿をわずかに生じさせる。

次に酢酸を,

加え過ぎないように注意して滴加し,

沈殿を再溶解する。冷却し,水で液量を 100ml とする。

4.9

硝酸

ρ

1.42g/ml

4.10

塩酸

ρ

1.16

∼1.18g/ml

4.11

しゅう酸アンモニウム

5.

装置及び器具

通常の分析室で使用する装置及び器具を使用する。

6.

試料

試料は,ISO 3713 に従って調製された 160

µ

m

のふるい目を通過した粉末のものを使用する。

7.

操作

7.1

試料のはかり採り量

フェロモリブデンは,不均質であるので,160

µ

m

のふるいを通過した試料を更に 75∼80

µ

m

のふるいで

ふる(篩)って,分析にはふるい上及びふるい下を比例配分して使用する。

試料は,75% (m/m)  フェロモリブデンの場合は 1g を,50% (m/m)  フェロモリブデンの場合は 1.25g をは

かり採る。

7.2

定量

はかり採った試料(7.1)をポリテトラフルオロエチレン (PTFE) ビーカー (150ml) に移し入れ,硫酸

(4.1)10ml

を加え,沸騰しないように加熱する。硝酸(4.9)を試料が分解するまで滴加し,更にその 0.5ml を

過剰に加える。ふっ化水素酸(4.3)5ml を加え,硫酸白煙が発生するまで濃縮する。白煙の発生を 15 分間継

続した後,冷却し,塩酸(4.10)5ml 及び硝酸(4.9)5ml を加え,10 分間加熱して約 50ml に薄める。

トールビーカー(体積 650∼800ml)に水酸化ナトリウム溶液(4.5)50ml 及び水 50ml を入れ,沸騰させ,

ビーカーの口に漏斗を置く。

注− 75mm 漏斗の脚部を,直径約 1mm の噴射型にするように引き伸ばしたものが望ましい。

試料溶液を漏斗を通して,沸騰している水酸化ナトリウム溶液が入っているビーカーの中に少しずつ移

し入れる。PTFE ビーカーを熱水 (85∼90℃)  で洗浄し,洗液を漏斗に移す。漏斗及びトールビーカーの上

部表面を洗浄し,溶液を 2∼3 分間沸騰させ,約 450ml に薄めて冷却する。

溶液を 500ml の全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。元のトールビーカーを乾燥し,全量フ

ラスコ内の溶液を移し入れ,15∼20 分間静置する。


8

G 1317 : 1998

溶液の一部を乾いた迅速ろ紙を用いてろ過し,その 100ml を分取してビーカー (400ml) に移し入れる。

水で液量を約 200ml とし,EDTA2Na 溶液(4.6)10ml 及びしゅう酸アンモニウム(4.11)3g を加える。穏やかに

加熱してしゅう酸アンモニウムを溶解し,室温まで冷却する。塩酸(4.4)及びアンモニア水(4.7)を添加して

pH

メーターを使用して pH を 4.0 に調節する。

溶液を沸騰させながら 8−キノリノール溶液(4.8)20ml を添加する。

注− 沈殿の生成は,沸騰溶液中で行うことを原則としている。もし,沈殿の生成が沸騰点以下で行わ

れれば,生成される沈殿は洗浄しにくくなり,最初は高値が得られ,恒量まで乾燥すると(2∼3

日かかる)

,低値が得られる結果となる。

5

∼10 分間,80∼90℃に,ときどきかき混ぜて静置し,質量既知のガラスろ過器(多孔質,5∼10

µ

m

(こ

の質量を m

2

とする。

)を用い,穏やかに吸引してろ過する。ビーカー壁に付着した沈殿は,ゴム付きガラ

ス棒でこすり落とし,ろ過器に移し,ろ過器内の沈殿を熱水 (80∼90℃)  約 100ml で洗浄する。

参考  原文の表現では,理解しにくいのでこの文章を追加した。

注−  ろ過をしている間,つねに,ろ過器の半分程度を溶液で満たしておく必要がある。このことは,

ろ過器の洗浄を効率的にし,しかも可溶性塩類を含まない沈殿とするためである。

−  夜間,125℃で乾燥し,冷却した後,ひょう量する。再び乾燥して恒量とし,8−キノリノール

モリブデン塩の無水物として質量を測定する。この質量を m

1

とする。

参考  原文の表現では,理解しにくいのでこの文章を追加した。

注  −ガラスろ過器の取扱い及び冷却については,次のような処置をするのがよい。

a)

吸引洗浄した後,ろ過器の外壁は,熱水で洗浄し,ろ紙の上に置いて乾燥し,この時点から

素手で触らないようにする。ろ過器は,ピンセットで取り扱うか又は手袋をはめた手で最短

期間取り扱うようにする。

b)

乾燥器で乾燥した後,空のろ過器及び 8−キノリノール塩を含むろ過器を適切なデシケータ

ーの中に置き,ひょう量前に 1 時間室温に静置する。

c)

ろ過器は,使用する前に熱水,硝酸(4.2),最後に水で数回洗浄し,125℃で乾燥する。適切な

デシケーター中で室温まで放冷して,恒量となったことを確認して質量既知のろ過器として

使用する。

参考  質量既知のろ過器を理解しやすくするために,この文章を追加した。

使用した後のろ過器は,水流で沈殿の固形物を取り除き,硫酸(4.1)が 5∼10ml 入っている小型ビーカー

に移し入れ,硝酸(4.9)をろ過器に満たす。ビーカーを加熱し,硫酸白煙が発生するまで濃縮し,冷却する。

ろ過器をビーカーから取り出し,熱水約 100ml を穏やかに吸引してろ過器を通す。洗浄したろ過器は,上

述 a)及び b)のように処理する。

8.

結果の表示

試料中のモリブデン含有率 [% (m/m)] を,次の式によって算出する。

0

2

1

05

.

23

)

(

m

m

m

×

ここに,

m

1

8

−キノリノールモリブデン塩の無水物を含むガラスろ過器

の質量 (g)

m

2

使用したガラスろ過器の質量 (g) [

注 c)参照]

m

0

最終的に分取した溶液中の試料の質量 (g)


9

G 1317 : 1998

参考  原文の表現では理解しにくいので,この表現を追加した。

9.

再現精度

この方法の共同実験は,異なった 7 分析室で実施した。各分析者が 2 個の試料について 5 回の分析を行

った。得られた結果から,95%信頼限界 (2s) を求めて表示した。

表−アロイの品種に応じた再現精度

標準偏差

アロイの品種

モリブデン含有率

% (m/m)

S

b

S

w

室間再現許容差

指標 2s

50% (m/m)

フ ェ ロ モ リ

ブデン

50.33 0.081

0.090  0.24

75% (m/m)

フ ェ ロ モ リ

ブデン

75.34 0.085

0.100  0.26

10.

試験結果の報告

試験結果の報告書には,次の情報を記載する。

a)

この

附属書に準拠した事項

b)

試料の識別に関する事項

c)

分析結果

d)

定量時に注目された非定常的な事項

e)

この

附属書に規定されていない操作又は任意的な操作の詳細な事項


10

G 1317 : 1998

附属書 3(規定)  炭素定量方法−燃焼−ガス容量法

1.

要旨  試料を酸素気流中で高温に加熱し,炭素を十分に酸化して二酸化炭素とし,これを酸素ととも

にビュレットに捕集してガスの体積を測定し,次に二酸化炭素をアルカリに吸収させて除き,残りのガス

の体積を測定する。

2.

装置  装置は,JIS Z 2615 の 6.3(ガス容量法)の 6.3.2(装置)による。

3.

器具及び材料  器具及び材料は,JIS Z 2615 の 5.(器具及び材料)による。

4.

試料はかり採り量及び助燃剤添加量  試料はかり採り量は,附属書 表 によって,0.1mg のけたま

で読み取る。

附属書 表 1  試料はかり採り量

炭素含有率

% (m/m)

試料はかり採り量

g

0.01

以上 0.1 未満 2.0

 0.1

以上 1.0 未満 1.0

 1.0

以上 3.0 未満 0.50

 3.0

以上 6.0 以下 0.25

5.

操作

安全上の警告  燃焼操作においては,高温に加熱された磁器燃焼ボート又は磁器燃焼るつぼの取扱いは

必ずるつぼ挟みなどを使用してやけどをしないように注意しなければならない。 

また,過剰の酸素排気の取扱いに留意して火災発生の防止に努めなければならない。 

5.1

準備操作  準備操作は,JIS Z 2615 の 6.3 の 6.3.3(予備操作)による。

なお,管状電気抵抗加熱炉を用いる場合は,燃焼管内温度を 1 300∼1 400℃(

1

)

に保つ。

また,高周波誘導加熱炉を用いる場合は,高周波誘導加熱に関する条件を設定する(

2

)

(

1

)

高温計の温度指示と燃焼管内温度との差に注意して補正する。

(

2

)

例えば,高周波発信機の陽極電流及び格子電流などを使用する装置の仕様に応じて決められた

条件のことである。

5.2

定量操作  定量操作は,次のいずれかの手順によって行う(

3

)

。いずれの場合にも,JIS Z 2615 

図 2(その 1)を参照。

(

3

)

日常作業にあっては,作業時間の初期,中期及び終期に,必ず炭素含有率既知の試料を用いて

分析試料と同じ操作を行い,装置及びその他が正常に作動しているかどうかを試験しなければ

ならない。

a)

管状電気抵抗加熱炉を使用する場合

1)

試料をはかり採って磁器燃焼ボートに移し入れる(

4

)

2)

管状電気抵抗加熱炉の燃焼管の入口部を開いて試料が入っている磁器燃焼ボートを燃焼管内に入れ,


11

G 1317 : 1998

燃焼管の中央部に挿入して直ちに気密に栓をする。

3)

三方コック(f)を炉側に開いて酸素の送入量を調節しながら約 2 分間放置する。

4)

以下,JIS Z 2615 の 6.3 の 6.3.4(定量操作)の(2)(6)の手順に従って操作する。

(

4

)

助燃剤は,JIS Z 26155.(13)(助燃剤)に示されたものから最も適したもの(例えば,鉄,す

ず,タングステンなど)を選び,使用する装置に最も適した量を添加する。添加した助燃剤は,

試料とよく混合する。

b)

高周波誘導加熱炉を使用する場合

1)

試料をはかり採って磁器燃焼るつぼに移し入れる(

4

)

2)

装置を連結して気密を確認した後,三方コック (m) を閉じ,三方コック (l) を外気側に開く。

3)

1)

で得た試料が入っている磁器燃焼るつぼを高周波誘導加熱炉の受台上に置き,操作ハンドルを操

作して加熱コイルの中心部に挿入し,燃焼管を閉じる。

4)

酸素を送入して燃焼管内の空気を置換する。

5)

三方コック (l) を閉じて高周波誘導加熱炉を作動させる。

6) 10

∼20 秒間経過してから三方コック (m) を炉側に開き,次に三方コック (l) をわずかに炉側に開

いて燃焼ガスを脱硫管 (j) 及び冷却管 (k) を通して徐々にビュレット (n) に導く。

7)

1

分間程度経過して試料の燃焼がほぼ完了した後,混合ガスを急速にビュレット (n) の目盛の下部

近くまで捕集する。

8)

三方コック (l) 及び三方コック (m) を閉じ,高周波誘導加熱を止めて約 1 分間放置する。

9)

以下,JIS Z 2615 の 6.3 の 6.3.4(定量操作)の(4)(6)の手順によって操作する。

6.

空試験  空試験は,JIS Z 2615 の 6.3 の 6.3.5(空試験)による。ただし,高周波誘導加熱炉を使用す

る場合には,空の磁器燃焼るつぼだけでは高周波が誘導されないので,炭素含有率が低く,かつ,その含

有率が既知の鉄鋼試料を試料と同量用いて空試験を行い,空試験で得た炭素量から空試験に用いた炭素含

有率既知の鉄鋼試料中の炭素量を差し引いて得られる炭素量を空試験値とする。

7.

計算  計算は,JIS Z 2615 の 6.3 の 6.3.6(計算)による。


12

G 1317 : 1998

附属書 4(規定)  炭素定量方法−燃焼−赤外線吸収法

1.

要旨  試料を酸素気流中で高温に加熱し,炭素を酸化して二酸化炭素及び一酸化炭素とする。これを

酸素とともに赤外線吸収セルに送り,二酸化炭素及び一酸化炭素による赤外線吸収量を測定する。

2.

装置  装置は,JIS Z 2615 の 6.9[赤外線吸収法(積分法)]又は 6.10[赤外線吸収法(循環法)]の装

置による。ただし,積分法における試料燃焼部には,管状電気抵抗加熱炉も使用できる。

3.

器具及び材料  器具及び材料は,JIS Z 2615 の 5.(器具及び材料)による。

4.

試料はかり採り量  試料はかり採り量は,使用する装置に最も適した量とし,0.1mg のけたまで読み

取る。

参考  試料はかり採り量は,一般的には 0.50g 又は 1.0g である。

5.

操作

安全上の警告  燃焼操作においては,高温に加熱された磁器燃焼ボート又は磁器燃焼るつぼの取扱いは

必ずるつぼ挟みなどを使用してやけどをしないように注意しなければならない。 

また,過剰の酸素排気の取扱いに留意して火災発生の防止に努めなければならない。 

5.1

準備操作  準備操作は,JIS Z 2615 の 6.9 又は 6.10 の予備操作による。ただし,管状電気抵抗加熱

炉を用いる場合は,燃焼管内温度を 1 200∼1 300℃とする。

5.2

定量操作  定量操作は,次のいずれかの手順によって行う(

1

)

(

1

)

日常作業にあっては,作業時間の初期,中期及び終期に,必ず炭素含有率既知の試料を用いて

分析試料と同じ操作を行い,装置及びその他が正常に作動しているかどうかを試験しなければ

ならない。

a)

管状電気抵抗加熱炉を使用す積分法の場合

1)

試料をはかり採って磁器燃焼ボートに移し入れる。

2)

助燃剤(

2

)1

∼2g を正確にはかり採って 1)の磁器燃焼ボート中の試料の上に載せる。

3)

燃焼管の入口部を開いて試料及び助燃剤の入った磁器燃焼ボートを燃焼管内の適切な部位に挿入し,

直ちに気密に栓をする。

4)

適切な量の酸素を流し,生成した燃焼生成ガスを酸素とともに赤外線検出器に送り込む。

5)

燃焼生成ガス中の二酸化炭素及び一酸化炭素含有量に相当する赤外線吸収量の積分値を指示値とし

て読み取る。

b)

高周波誘導加熱炉を使用する積分法の場合

1)

試料をはかり採って磁器燃焼るつぼに移し入れる。

2)

助燃剤(

3

)1

∼2g を正確にはかり採って 1)の磁器燃焼るつぼ中の試料の上に載せる。

3)

試料及び助燃剤の入った磁器燃焼るつぼを高周波誘導加熱炉の受台上に載せ,操作ハンドルを操作

して加熱コイルの中心部に挿入し,燃焼管を閉じる。

4)

以下,JIS Z 2615 の 6.9 の 6.9.5(定量操作)の(2)及び(3)の手順によって操作する。


13

G 1317 : 1998

c)

高周波誘導加熱炉を使用する循環法の場合  循環法による定量操作は,JIS Z 2615 の 6.10 の 6.10.4(定

量操作)の手順に従って操作する。

(

2

)

助燃剤は,銅又はすずを使用するのがよく,その使用量は,使用する装置に最適な量をあらか

じめ調査しておく。

(

3

)

助燃剤は,タングステンとすずとの当量混合物又は銅を使用するのがよい。その使用量は,使

用する装置に最適な量をあらかじめ調査しておく。

6.

空試験  空試験は,試料に添加するのと同量の助燃剤だけを用いて,試料と同じ操作を,試料と併行

して行う。

7.

計算  計算は,JIS Z 2615 の 6.9 の 6.9.7(計算)又は 6.10 の 6.10.6(計算)による。


14

G 1317 : 1998

附属書 5(規定)  けい素定量方法−二酸化けい素重量法

1.

要旨  試料を硝酸と塩酸とで分解し,硫酸を加え加熱し,硫酸の白煙を発生させてけい素を不溶性け

い素とし,こし分けた後,強熱して恒量とし,その質量をはかる。硫酸とふっ化水素酸を加え,加熱して

二酸化けい素を四ふっ化けい素として揮散させ,強熱して恒量とした後,その質量をはかる。

2.

試薬  試薬は,次による。

a)

塩酸

b)

塩酸 (14, 110)

c)

硝酸 (11)

d)

ふっ化水素酸

e)

硫酸 (11)

f)

モリブデン(粉末)  できるだけ純度の高いモリブデンで,けい素を含まないか又はけい素含有率が

できるだけ低く,既知であるもの。

g)

鉄  できるだけ純度の高い鉄で,けい素を含まないか又はけい素含有率ができるだけ低く,既知であ

るもの。

3.

試料はかり採り量  試料はかり採り量は,1.0g とし,0.1mg のけたまで読み取る。

4.

操作

4.1

試料の分解及び脱水処理  試料の分解及び脱水処理は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかり採ってビーカー (300ml) に移し入れ,時計皿で覆う。

b)

硝酸 (1+1) 20ml 及び塩酸 5ml を加え,穏やかに加熱して分解する。

c)

放冷した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除く。

d)

硫酸 (1+1) 20ml を加えて加熱し,約 15 分間硫酸の白煙を発生させた後,放冷する。

4.2

ろ過及び洗浄  ろ過及び洗浄は,次の手順によって行う。

a)

4.1d)

で得た塩類に塩酸 (1+4) 50ml を加え,加熱して(

1

)

可溶性塩類を溶解する。

b)

直ちに沈殿をろ紙(5 種 B)を用いてこし分け,ビーカー内壁に付着した沈殿をゴム付きガラス棒で

こすってろ紙上に移す。

c) 40

∼60℃に加熱した塩酸 (1+10)  で鉄 (III) イオンが認められなくなるまで,次に温水で酸が消失す

るまで洗浄する。ろ液及び洗液は捨てる。

(

1

)

長時間加熱すると含水二酸化けい素は再び可溶性になるので,可溶性塩類の溶解はなるべく短

時間で行い,直ちにろ過するように注意する。

4.3

灰化及びひょう量  灰化及びひょう量は,次の手順によって行う。

a)

4.2c)

で得た沈殿をろ紙とともに白金るつぼ(30 番)に移し入れる。

b)

乾燥した後,低温で加熱してろ紙を灰化する。

c)

約 1 100℃以上で約 30 分間強熱し,デシケーター中で室温まで放冷してその質量をはかる。

d)

恒量となるまで c)の操作を繰り返す。


15

G 1317 : 1998

4.4

ふっ化水素酸処理及びひょう量  ふっ化水素酸処理及びひょう量は,次の手順によって行う。

a)

4.3d)

で得た白金るつぼ内の残さを硫酸 (1+1) 2,3 滴で湿し,ふっ化水素酸約 5ml を加え,飛まつが

飛ばないように注意しながら硫酸の白煙が発生しなくなるまで加熱して二酸化けい素及び硫酸を揮散

させる。

b)

白金るつぼを再び 1 100℃以上で約 15 分間強熱して,デシケーター中で常温まで放冷してその質量を

はかる。

c)

恒量となるまで b)の操作を繰り返す。

5.

空試験  空試験は,試料の代わりにモリブデン  [2.f)] 0.60g 及び鉄  [2.g)] 0.40g をはかり採ってビーカ

ー (300ml) に移し入れ,時計皿で覆う。以下,4.1b)

4.4c)の手順に従って試料と同じ操作を試料と併行し

て行う。

6.

計算  計算は,試料中のけい素含有率を,次の式によって算出する。

C

m

m

m

m

m

Si

+

×

×

=

100

4

467

.

0

)]

(

)

[(

4

3

2

1

ここに,

Si

:  試料中のけい素含有率 [% (m/m)]

m

1

:  試料について 4.3d)で得た白金るつぼの質量 (g)

m

2

:  試料について 4.4c)で得た白金るつぼの質量 (g)

m

3

:  空試験において 4.3d)で得た白金るつぼの質量 (g)

m

4

:  空試験において 4.4c)で得た白金るつぼの質量 (g)

m

:  試料はかり採り量 (g)

C

:  空試験において使用したモリブデン  [2.f)]  及び鉄  [2.g)]  中

に含まれるけい素含有率 [% (m/m)] の加重合計で,次の式に
よって算出する。

C

a×0.60+b×0.40

ここに,

a

:  モリブデン  [2.f)]  中に含まれるけい素含有率 [% (m/m)]

b

:  鉄  [2.g)]  中に含まれるけい素含有率 [% (m/m)]


16

G 1317 : 1998

附属書 6(規定)  けい素定量方法−ICP 発光分光法

1.

要旨  試料を硫酸と硝酸とで分解する。溶液をろ過し,残さを炭酸ナトリウムで融解して融成物をろ

液に溶解する。溶液を ICP 発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,その発光強度を測定する。

2.

試薬  試薬は,次による。ただし,イットリウム溶液及び標準けい素溶液は,ポリエチレン製の容器

に保存する。

a)

塩酸 (11, 150)

b)

硝酸 (11)

c)

硫酸 (11)

d)

炭酸ナトリウム

e)

モリブデン(粉末)  できるだけ純度の高いモリブデンで,けい素を含まないか又はけい素含有率が

できるだけ低く,既知であるもの。

f)

鉄  できるだけ純度の高い鉄で,けい素を含まないか又はけい素含有率ができるだけ低く,既知であ

るもの。

g)

イットリウム溶液 (1mgY/ml)   酸化イットリウム (III) [99.9% (m/m)  以上]1.269 9g に塩酸 (1+1)

50ml

を加え,加熱して分解し,常温まで冷却した後,溶液を 1 000ml の全量フラスコに水を用いて移

し入れ,水で標線まで薄める。

h)

標準けい素溶液 (0.10mgSi/ml)   あらかじめ 1 000℃で 1 時間強熱し,デシケーター中で常温まで放冷

した二酸化けい素[99.95% (m/m)  以上]0.213 9g をはかり採って,白金るつぼ(30 番)に移し入れる。

炭酸ナトリウム 1g を混和し,加熱して融解する。放冷した後,白金るつぼを温水 100ml を入れた白

金皿(150 番)又はポリエチレンビーカー (200ml) 中に浸して融成物を完全に溶解し,白金るつぼを

水で洗って取り出す。常温まで放冷した後,水を用いて 1 000ml の全量フラスコに移し入れ,水で標

線まで薄める。

3.

試料はかり採り量  試料はかり採り量は,0.20g とし,0.1mg のけたまで読み取る。

4.

操作

4.1

試料の分解  試料の分解は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかり採ってビーカー (300ml) に移し入れ,時計皿で覆う。

b)

硫酸 (1+1) 5ml を加えた後,硝酸 (1+1) 10ml を少量ずつ加え,加熱して分解する。

c)

放冷した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除く。

d)

水約 30ml を加え,溶液をろ紙(5 種 B)を用いてろ過し,ビーカー内壁に付着した未溶解残さはゴム

付きガラス棒でこすってろ紙上に移す。

e)

ろ紙上を,初めは 40∼60℃に加熱した塩酸 (1+50)  で,洗液に鉄 (III) イオンが認められなくなるま

で洗浄する。温水で酸が消失するまで洗浄し,ろ液及び洗液はビーカー (200ml) に集める。

f)

ろ液及び洗液を加熱して液量が約 50ml になるまで濃縮する。

4.2

未溶解残さの処理  未溶解残さの処理は,次の手順によって行う。


17

G 1317 : 1998

a)

4.1e)

で得た未溶解残さをろ紙とともに白金るつぼ(30 番)に移し入れ,低温で加熱してろ紙を灰化す

る。

b)

放冷した後,炭酸ナトリウム 1.0g を加え,混合した後ふたをする。

c)

加熱し,次第に温度を上げ,約 900℃で残さを完全に融解する。

d)

放冷した後,白金るつぼとふたを 4.1f)で得た溶液中に移し入れる。

e)

穏やかに加熱して融成物を溶解し,白金るつぼとふたを水で洗って取り出す。

f)

溶液を常温まで冷却した後,水を用いて 100ml の全量フラスコに移し入れる。

4.3

発光強度測定用溶液の調製  発光強度測定溶液の調製は,次のいずれかによる。

a)

発光強度法を適用する場合  4.2f)で得た溶液に,水を加えて標線まで薄める。

b)

強度比法を適用する場合  4.2f)で得た溶液にイットリウム溶液  [2.g)]  を正確に 10ml 加えた後,水で

標線まで薄める。

4.4

発光強度の測定  発光強度の測定は,次のいずれかによる(

1

)

a)

発光強度法を適用する場合  4.3a)で得た溶液の一部を ICP 発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に

噴霧し,波長 288.16nm におけるけい素の発光強度を測定する。

b)

強度比法を適用する場合  4.3b)で得た溶液の一部を ICP 発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴

霧し,波長 288.16nm におけるけい素の発光強度と波長 371.03nm におけるイットリウムの発光強度を

測定し,イットリウムの発光強度に対するけい素の発光強度の比を求める。

(

1

)

基本的な測定操作は,JIS K 01165.(ICP 発光分光分析)による。

5.

空試験  空試験は,6.の検量線の作成において得られる標準けい素溶液を添加しない溶液の発光強度

又は強度比を,空試験の発光強度又は強度比とする。

6.

検量線の作成  検量線の作成は,次の手順によって試料と併行して行う。

a)

モリブデン  [2.e)] 0.12g 及び鉄  [2.f)] 0.08g をはかり採って数個のビーカー (300ml) に移し入れ,時計

皿で覆う。

b)

  4.1

の b)

4.2 の f)の手順に従って試料と同じ操作を行う。

c)

それぞれに,標準けい素溶液 0∼20ml(けい素として 0∼2.0mg に相当する。

)を段階的に正確に加え

る。

d)

  4.3

及び 4.4 の手順に従って試料と同じ操作を行う。

e)

得た発光強度又は強度比と c)で標準けい素溶液として添加したけい素量及び a)で添加したモリブデン

並びに鉄中のけい素量の合計量との関係線を作成して検量線とする。

7.

計算  計算は,試料中のけい素含有率を,次の式によって算出する。

C

m

B

A

Si

+

×

=

100

ここに,  Si:  試料中のけい素含有率 [% (m/m)] 

A

:  試料溶液中のけい素検出量 (g)

B

:  空試験液中のけい素検出量 (g)

m

:  試料はかり採り量 (g)

C

:  空試験において使用したモリブデン  [2.e)]  及び鉄  [2.f)]  中

に含まれるけい素含有率 [% (m/m)] の加重合計で,次の式に


18

G 1317 : 1998

よって算出する。

C

a×0.12+b×0.08

ここに,  a:  モリブデン  [2.e)]  中に含まれるけい素含有率 [% (m/m)] 

b

:  鉄  [2.f)]  中に含まれるけい素含有率 [% (m/m)]


19

G 1317 : 1998

附属書 7(規定)  りん定量方法− 

水酸化ベリリウム共沈分離モリブドりん酸青吸光光度法

1.

要旨  試料を硝酸とふっ化水素酸とで分解し,硫酸を加え,加熱して硫酸の白煙を発生させ,塩類を

塩酸に溶解し,硫酸ベリリウムを加え,アンモニア水で水酸化ベリリウムとともにりんを共沈させてこし

分ける。沈殿を硝酸に溶解し,過塩素酸を加え,加熱して過塩素酸の白煙を発生させ,亜硫酸水素ナトリ

ウムを加えて鉄を還元し,七モリブデン酸六アンモニウムと硫酸ヒドラジニウムとを加えてモリブドりん

酸青を生成させる。光度計を用いてその吸光度を測定する。

2.

試薬  試薬は,次による。

a)

塩酸 (1112150)

b)

硝酸 (1112150)

c)

過塩素酸

d)

ふっ化水素酸

e)

硫酸 (11)

f)

臭化水素酸

g)

アンモニア水

h)

モリブデン(粉末)  できるだけ純度の高いモリブデンで,りんを含まないか又はりん含有率ができ

るだけ低く,既知であるもの。

i)

鉄  できるだけ純度の高い鉄で,りんを含まないか又はりん含有率ができるだけ低く,既知であるも

の。

j)

エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物  (以下,EDTA2Na という。)

k)

硫酸ベリリウム溶液  硫酸ベリリウム四水和物 19.7g を硫酸 (1+3) 20ml に溶解し,水で液量を 1

000ml

とする。

安全上の警告  硫酸ベリリウムは,猛毒であるので,この試薬,その溶液及びそれらを添加した溶液の

取扱いには注意が必要である。 

l)

亜硫酸水素ナトリウム溶液 (100g/l)

m)

呈色試薬溶液  次に示す 2 溶液をあらかじめ調製しておき,使用の都度,A 液 25ml,B 液 10ml 及び

水 65ml の割合で混ぜ合わせる。

A

液  七モリブデン酸六アンモニウム四水和物 20g を温水 100ml に溶解し,これに硫酸 (1+1) 700ml

を加え,室温まで冷却した後,水で液量を 1 000ml とする。

B

液  硫酸ヒドラジニウム溶液 (1.5g/l)

n)

標準りん溶液 (0.10mgP/ml)   あらかじめりん酸二水素カリウムを 110℃で恒量となるまで乾燥した

後,デシケーター中で放冷して保存したものから 0.439 4g をはかり採って水に溶解し,水を用いて 1

000ml

の全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。

3.

試料はかり採り量  試料はかり採り量は,0.50g とし,0.1mg のけたまで読み取る。


20

G 1317 : 1998

4.

操作

安全上の警告  過塩素酸の蒸気は,アンモニア,亜硝酸蒸気又は有磯物が存在すると爆発する危険があ

る。蒸気は,過塩素酸を使用しても安全な排気設備を備えた場所で処理しなければなら

ない。 

4.1

試料の分解  試料の分解は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかり採って白金皿(100 番)に移し入れ,ふたをする。

b)

硝酸 (1+1) 10ml を加え,ふっ化水素酸を滴加し,反応が激しければ,水で冷却しながら分解する。

c)

激しい反応が終わった後,

さらにふっ化水素酸 5ml を加え,

ふたの下面を水で洗ってふたを取り除く。

d)

硫酸 (1+1) 10ml を加え,加熱して硫酸の白煙がほとんど出なくなるまで加熱を続ける。

e)

放冷した後,塩酸 (1+2) 35ml を加え,加熱して可溶性塩類を溶解する。

f)

温水で液量を約 50ml とし,ろ紙(5 種 B)を用いてろ過し,40∼60℃に加熱した塩酸 (1+50)  で鉄 (III)

イオンが認められなくなるまで洗浄する。温水で 3,4 回洗浄してろ液及び洗液をビーカー (300ml) に

集め,水で液量を約 100ml とする。

4.2

りんの分離  りんの分離は,次の手順によって行う。

a)

4.1f)

で得た溶液に EDTA2Na4.0g を加え,時計皿で覆って穏やかに加熱して溶解する。

b)

冷却した後,硫酸ベリリウム溶液  [2.k)] 5ml を加え,pH メーターを用いてアンモニア水を加え,溶液

の pH を 10 として,水酸化ベリリウムの沈殿を生成させる。

c)

加熱して 2 分間沸騰させた後,室温まで冷却して時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除く。

d)

沈殿をろ紙(5 種 B)を用いてこし分け,温水で 4,5 回洗浄する。

e)

ろ紙上の沈殿を射水して先のビーカーに洗い落とし,このビーカーを漏斗の下に置き,ろ紙に付着し

た沈殿に 40∼60℃に加熱した硝酸 (1+2) 20ml を少量ずつ滴加して溶解する。

f)

ろ紙を 40∼60℃に加熱した硝酸 (1+50)  で洗浄する。

g)

溶液に過塩素酸 10ml を加え,時計皿で覆い,加熱して過塩素酸の蒸気がビーカーの内壁を逆流する

状態で約 10 分間加熱を続ける(

1

)

h)

放冷した後,温水約 50ml を加え,加熱して可溶性塩類を溶解し,時計皿の下面を水で洗って時計皿

を取り除く。

i)

溶液をろ紙(5 種 A)を用いてろ過し,温水で十分に洗浄し,ろ液と洗液を合わせる。

j)

常温まで冷却した後,水を用いて 250ml の全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。

(

1

)

溶液中にひ素が0.5mg 以上共存する場合は,放冷した後,塩酸 (1+1)  及び臭化水素酸5ml を加

え,再び過塩素酸の白煙を発生させて h)の手順に移る。

4.3

呈色  呈色は,次の手順によって行う。

a)

4.2j)

で得た溶液から 25ml を分取して 100ml の全量フラスコに移し入れる。

b)

亜硫酸水素ナトリウム溶液 10ml を加え,溶液が無色になるまで沸騰した水浴中で加熱し,直ちに呈

色試薬溶液  [2.m)] 25ml を加え,再び沸騰した水浴中で約 15 分間加熱する。

c)

溶液を流水中で常温まで冷却した後,水で標線まで薄める。

4.4

吸光度の測定  吸光度の測定は,4.3c)で得た呈色溶液の一部を光度計の吸収セル (10mm) に移して,

波長 825nm 付近における吸光度を測定する。


21

G 1317 : 1998

5.

空試験  空試験は,試料の代わりにモリブデン  [2.h)] 0.30g 及び鉄  [2.i)] 0.20g をはかり採って白金皿

(100 番)に移し入れ,ふたで覆う。以下,4.1b)4.4 の手順に従って,試料と同じ操作を試料と併行して

行う。

6.

検量線の作成  検量線の作成は,次の手順によって行う。

a)

標準りん溶液  [2.n)] 0∼5.0ml(りんとして 0∼0.5mg に相当する。

)を段階的に正確に数個のビーカー

(100ml)

に加える。

b)

過塩素酸 5ml をそれぞれに加え,加熱して過塩素酸の白煙を発生させる。

c)

放冷した後,温水約 30ml を加えて可溶性塩類を溶解する。

d)

水を用いて 250ml の全量フラスコに移し入れて,常温まで冷却した後,水で標線まで薄める。

e)

以下,4.3 及び 4.4 の手順に従って試料と同じ操作を行う。

f)

吸光度と標準りん溶液として添加したりん量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平

行移動して検量線とする。

7.

計算  計算は,試料中のりん含有率を,次の式によって算出する。

C

m

B

A

P

+

×

×

=

100

10

1

ここに,

P

:  試料中のりん含有率 [% (m/m)]

A

:  分取した試料溶液中のりん検出量 (g)

B

:  分取した空試験液中のりん検出量 (g)

m

:  試料はかり採り量 (g)

C

:  空試験において使用したモリブデン  [2.h)]  及び鉄  [2.i)]  中

に含まれるりん含有率 [% (m/m)] の加重合計で,次の式によ
って算出する。

C

a×0.30+b×0.20

ここに,  a:  モリブデン  [2.h)]  中に含まれるりん含有率 [% (m/m)] 

b

:  鉄  [2.i)]  中に含まれるりん含有率 [% (m/m)]


22

G 1317 : 1998

附属書 8(規定)  りん定量方法− 

水酸化ベリリウム共沈分離 ICP 発光分光法

1.

要旨  試料を硝酸とふっ化水素酸とで分解し,硫酸を加え,加熱して硫酸の白煙を発生させた後,塩

酸に溶解し,硫酸ベリリウムを加え,アンモニア水を加え,水酸化ベリリウムとともにりんを共沈させて

こし分け,沈殿を硝酸に溶解する。溶液を ICP 発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,その発

光強度を測定する。

2.

試薬  試薬は,次による。

a)

塩酸 (11, 150)

b)

硝酸 (11)

c)

過塩素酸

d)

ふっ化水素酸

e)

硫酸 (11)

f)

アンモニア水

g)

モリブデン(粉末)  できるだけ純度の高いモリブデンで,りんを含まないか又はりん含有率ができ

るだけ低く,既知であるもの。

h)

鉄  できるだけ純度の高い鉄で,りんを含まないか又はりん含有率ができるだけ低く,既知であるも

の。

i)

エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(以下,EDTA2Na という。)

j)

硫酸ベリリウム溶液  硫酸ベリリウム四水和物 19.7g を硫酸 (1+3) 20ml に溶解し,水で液量を 1

000ml

とする。

安全上の警告  硫酸ベリリウムは,猛毒であるので,この試薬とその溶液並びにそれらを添加した溶液

の取扱いについては注意しなければならない。 

k)

イットリウム溶液 (1mgY/ml)   酸化イットリウム (III) [99.9% (m/m)  以上]1.269 9g に塩酸 (1+1)

50ml

を加え,加熱して分解し,常温まで冷却した後,溶液を水を用いて 1 000ml の全量フラスコに移

し入れ,水で標線まで薄める。

l)

標準りん溶液 (0.10mgP/ml)   あらかじめりん酸二水素カリウムを 110℃で恒量となるまで乾燥した

後,デシケーター中で放冷して保存したものから 0.439 4g をはかり採って水に溶解し,水を用いて 1

000ml

の全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。

3.

試料はかり採り量  試料はかり採り量は,1.0g とし,0.1mg のけたまで読み取る。

4.

操作

安全上の警告  過塩素酸の蒸気は,アンモニア,亜硝酸蒸気又は有機物が存在すると爆発する危険があ

る。蒸気は,過塩素酸を使用しても安全な排気設備を備えた場所で処理しなければなら

ない。


23

G 1317 : 1998

4.1

試料の分解  試料の分解は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかり採って白金皿(100 番)に移し入れ,ふたをする。

b)

硝酸 (1+1) 20ml を加え,ふっ化水素酸を滴加する。反応が激しければ,水で冷却しながら分解する。

c)

激しい反応が終わった後,さらにふっ化水素酸 5ml を加える。

d)

ふたの下面を水で洗ってふたを取り除く。

e)

硫酸 (1+1) 10ml を加え,加熱して硫酸の白煙がほとんど出なくなるまで蒸発する。

f)

放冷した後,塩酸 (1+2) 35ml を加え,加熱して可溶性塩類を溶解する。

g)

温水で液量を約 50ml とし,溶液をろ紙(5 種 B)を用いてろ過し,40∼60℃に加熱した塩酸 (1+50)  で

鉄 (III) イオンが認められなくなるまで洗浄する。温水で 3,4 回洗浄してろ液及び洗液をビーカー

(300ml)

に集め,水で液量を約 100ml とする。

4.2

りんの分離  りんの分離は,次の手順によって行う。

a)

4.1

の g)で得た溶液に EDTA2Na4.0g を加え,時計皿で覆って穏やかに加熱して溶解する。

b)

冷却した後,硫酸ベリリウム溶液  [2.j)] 5ml を加え,pH メーターを用いてアンモニア水を加え,溶液

の pH を 10 として,水酸化ベリリウムの沈殿を生成させる。

c)

加熱して 2 分間沸騰させた後,室温まで冷却して時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除く。

d)

沈殿をろ紙(5 種 B)を用いてこし分け,温水で 4,5 回洗浄する。

e)

ろ紙上の沈殿を射水して先のビーカーに洗い落とし,このビーカーを漏斗の下に置き,ろ紙に付着し

た沈殿に 40∼60℃に加熱した硝酸 (1+2) 20ml を少量ずつ滴加して溶解する。

f)

ろ紙を 40∼60℃に加熱した硝酸 (1+50)  で洗浄する。

g)

溶液に過塩素酸 10ml を加え,時計皿で覆う。

h)

加熱して過塩素酸の蒸気がビーカーの内壁を逆流する状態で約 10 分間加熱を続ける(

1

)

i)

放冷した後,温水約 50ml を加え,加熱して可溶性塩類を溶解し,時計皿の下面を水で洗って時計皿

を取り除く。

j)

溶液をろ紙(5 種 A)を用いてろ過し,温水で十分に洗浄し,ろ液及び洗液を合わせる。

k)

ろ液及び洗液を常温まで冷却した後,水を用いて 100ml の全量フラスコに移し入れる。

(

1

)

溶液中にひ素が0.5mg 以上共存する場合は,放冷した後,塩酸 (1+1)  及び臭化水素酸5ml を加

え,再び過塩素酸の白煙を発生させてから i)の手順に移る。

4.3

発光強度測定用溶液の調製  発光強度測定用溶液の調製は,次のいずれかによる。

a)

発光強度法を適用する場合  4.2h)で得た溶液に水を加えて標線まで薄める。

b)

強度比法を適用する場合  4.2h)で得た溶液にイットリウム溶液  [2.k)]  を正確に 10ml 加えた後,水で

標線まで薄める。

4.4

発光強度の測定  発光強度の測定は,次のいずれかによる(

2

)

a)

発光強度法を適用する場合  4.3a)で得た溶液の一部を ICP 発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に

噴霧し,波長 213.62nm におけるりんの発光強度を測定する。

b)

強度比法を適用する場合  4.3b)で得た溶液の一部を ICP 発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴

霧し,波長 213.62nm におけるりんの発光強度と波長 371.03nm におけるイットリウムの発光強度を測

定し,イットリウムの発光強度に対するりんの発光強度の比を求める。

(

2

)

基本的な測定操作は,JIS K 01165.(ICP 発光分光分析)による。


24

G 1317 : 1998

5.

空試験  空試験は,6.の検量線の作成において得られる標準りん溶液を添加しない溶液の発光強度又

は強度比を,空試験の発光強度又は強度比とする。

6.

検量線の作成  検量線の作成は,次の手順によって試料と併行して行う。

a)

モリブデン  [2.g)] 0.60g 及び鉄  [2.h)] 0.40g をはかり採って数個の白金皿(100 番)に移し入れ,ふた

で覆う。

b)

  4.1b)

4.2k)の手順に従って操作した後,標準りん溶液  [2.l)] 0∼20ml(りんとして 0∼1.0mg に相当す

る。

)を段階的に正確に加える。

c)

4.3

及び 4.4 の手順に従って操作する。

d)

得た発光強度又は強度比とで標準りん溶液として添加したりん量及びモリブデン並びに鉄中のりん量

の合計量との関係線を作成して検量線とする。

7.

計算  計算は,試料中のりん含有率を,次の式によって算出する。

C

m

B

A

P

+

×

=

100

ここに,

P

:  試料中のりん含有率 [% (m/m)]

A

:  試料溶液中のりん検出量 (g)

B

:  空試験液中のりん検出量 (g)

m

:  試料はかり採り量 (g)

C

:  空試験において使用したモリブデン  [2.g)]  及び鉄  [2.h)]  中

に含まれるりん含有率 [% (m/m)] の加重合計で,次の式によ
って算出する。

C

a×0.60+b×0.40

ここに,

a

:  モリブデン  [2.g)]  中に含まれるりん含有率 [% (m/m)]

b

:  鉄  [2.h)]  中に含まれるりん含有率 [% (m/m)]


25

G 1317 : 1998

附属書 9(規定)  硫黄定量方法−燃焼−よう素酸カリウム滴定法

1.

要旨  試料を酸素気流中で高温に加熱して,硫黄を二酸化硫黄などに酸化し,これを塩酸吸収液に吸

収させ,よう化カリウムを含むでんぷん溶液を指示薬としてよう素酸カリウム標準溶液で滴定する。

2.

試薬  試薬は,JIS Z 2616 の 7.3(よう素酸カリウム滴定法)(2)(試薬)による。

3.

装置  装置は,JIS Z 2616 の 5.(装置)による。

4.

器具及び材料  器具及び材料は,JIS Z 2616 の 6.(器具及び材料)による。

5.

試料はかり採り量  試料はかり採り量は,1.0g とし,0.1mg のけたまで読み取る。ただし,高周波誘

導加熱炉を用いる場合は,試料はかり採り量を 0.50g としてもよい。

6.

操作

安全上の警告  燃焼操作においては,高温に加熱された磁器燃焼ボート又は磁器燃焼るつぼの取扱いは

必ずるつぼ挟みなどを使用してやけどをしないように注意しなければならない。 

また,過剰の酸素排気の取扱いに留意して火災発生の防止に努めなければならない。 

6.1

準備操作  準備操作は,JIS Z 2616 の 7.3 (4)(予備操作)による。

なお,管状電気抵抗加熱炉を用いる場合は,燃焼管内温度を 1 400∼1 450℃(

1

)

に保つ。

また,高周波誘導加熱炉を用いる場合は,高周波誘導加熱に関する条件を設定する(

2

)

(

1

)

高温計の温度指示と燃焼管内温度との差に注意して補正する。

(

2

)

例えば,高周波発振機の陽極電流及び格子電流などを使用する装置の仕様に応じて決められた

条件のことである。

6.2

定量操作  定量操作は,JIS Z 2616 の 7.3 (5)(定量操作)による(

3

)

なお,高周波誘導加熱炉を用いることもできる。ただし,この場合はるつぼを使用し,酸素を毎分 1 500ml

の割合で通じる。

(

3

)

必要に応じて JIS Z 26166.12(助燃剤)から選択した助燃剤(助燃剤の種類及び量は,使用す

る装置に最も適したものを選ぶ。

)を試料の1∼5倍量加える。

7.

空試験  空試験は,JIS Z 2616 の 7.3 (6)(空試験)による。

なお,高周波誘導加熱炉を用いる場合において高周波を誘導しない助燃剤を用いる場合は,硫黄含有率

が既知で,できるだけ低い鉄 0.5∼1.0g を追加して行い,追加した鉄などの空試験値を差し引く。

8.

計算  計算は,JIS Z 2616 の 7.3 (7)(計算)による。


26

G 1317 : 1998

附属書 10(規定)  硫黄定量方法−燃焼−赤外線吸収法

1.

要旨  試料を酸素気流中で高温に加熱して硫黄を二酸化硫黄に酸化し,これを酸素とともに赤外線吸

収検出器に送り,二酸化硫黄による赤外線吸収量を測定する。

2.

装置  装置は,JIS Z 2616 の 7.7[赤外線吸収法(積分法)](2)(装置)又は 7.8[赤外線吸収法(循

環法)

(2)(装置)による。

3.

器具及び材料  器具及び材料は,JIS Z 2616 の 6.(器具及び材料)による。

4.

試料はかり採り量  試料はかり採り量は,使用する装置に最も適した量とする。

参考  試料はかり採り量は,一般的には 0.5∼1.0g である。

5.

操作

安全上の警告  燃焼操作においては,高温に加熱された磁器燃焼ボート又は磁器燃焼るつぼの取扱いは

必ずるつぼ挟みなどを使用してやけどをしないように注意しなければならない。 

また,過剰の酸素排気の取扱いに留意して火災発生の防止に努めなければならない。 

5.1

準備操作  準備操作は,JIS Z 2616 の 7.7 (3)(予備操作)又は 7.8 (3)(予備操作)による。ただ

し,指示値当たりの硫黄量の算出には,鉄鋼の標準物質を用いてもよい。

5.2

定量操作  定量操作は,JIS Z 2616 の 7.7 (4)(定量操作)又は 7.8 (4)(定量操作)による(

1

)

(

1

)

助燃剤を添加する。助燃剤は,JIS Z 26166.12(助燃剤)に示されたものから最も適したもの

を選び,試料の2∼4倍量を添加してよく混合するか試料の上を覆うようにする。

6.

空試験  空試験は,JIS Z 2616 の 7.7 (5)(空試験)又は 7.8 (5)(空試験)による。

7.

計算  計算は,JIS Z 2616 の 7.7 (6)(計算)又は 7.8 (6)(計算)による。


27

G 1317 : 1998

附属書 11(規定)  銅定量方法−原子吸光法

1.

要旨  試料を硫酸と硝酸とで分解し,加熱して硫酸の白煙を発生させる。塩類を塩酸に溶解し,原子

吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,その吸光度を測定する。

2.

試薬  試薬は,次による。

a)

塩酸 (11, 150)

b)

硝酸 (11)

c)

硫酸 (11)

d)

モリブデン(粉末)  できるだけ純度の高いモリブデンで,銅を含まないか又は銅含有率ができるだ

け低く,既知であるもの。

e)

鉄  できるだけ純度の高い鉄で,銅を含まないか又は銅含有率ができるだけ低く,既知であるもの。

f)

標準銅溶液 (0.50mgCu/ml)   銅[99.9% (m/m)  以上]0.500g をはかり採って,ビーカー (300ml) に移

し入れ,時計皿で覆い,硫酸 (1+1) 10ml 及び硝酸 (1+1) 20ml を加え,穏やかに加熱して分解する。

放冷した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除く。加熱して硫酸の白煙を発生させる。放冷

した後,ビーカー内壁を少量の水で洗浄し,再び加熱して硫酸の白煙を発生させて放冷する。水約 50ml

を加えて可溶性塩類を溶解し,水を用いて 1 000ml の全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。

3.

試料はかり採り量  試料はかり採り量は,0.50g とし,0.1mg のけたまで読み取る。

4.

操作

4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかり採ってビーカー (200ml) に移し入れ,時計皿で覆う。

b)

硫酸 (1+1) 10ml 及び硝酸 (1+1) 20ml を加え,加熱して分解する。

c)

時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,引き続いて硫酸の白煙がほとんど出なくなるまで加熱

する。

d)

放冷した後,塩酸 (1+1) 20ml を加え,加熱して可溶性塩類を溶解する。

e)

溶液をろ紙(5 種 A)を用いてろ過し,40∼60℃に加熱した塩酸 (1+50)  で十分洗浄する。

f)

ろ液及び洗液は,水を用いて 100ml の全量フラスコに移し入れ,常温まで冷却した後,水で標線まで

薄める。

4.2

吸光度の測定  吸光度の測定は,4.1f)で得た溶液の一部を,水を噴霧してゼロ点を調節した原子吸

光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長 324.7nm における銅の吸光度を測定する。

5.

空試験  空試験は,6.の検量線の作成において標準銅溶液を添加しない溶液の吸光度を,空試験の吸

光度とする。

6.

検量線の作成  検量線の作成は,次の手順によって試料と併行して行う。

a)

モリブデン  [2.d)] 0.30g 及び鉄  [2.e)] 0.20g をはかり採って数個のビーカー (300ml) に移し入れ,時計


28

G 1317 : 1998

皿で覆う。

b)

  4.1b)

f)の手順に従って試料と同じ操作を行う。

c)

標準銅溶液  [2.f)] 0∼5.0ml(銅として 0∼25mg に相当する。

)を段階的に正確に加え,水で標線まで薄

める。

d)

以下,4.2)の手順に従って試料と同じ操作を行う。

e)

得た吸光度と標準銅溶液として添加した銅量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平

行移動して検量線とする。

7.

計算  計算は,試料中の銅含有率を,次の式によって算出する。

C

m

B

A

Cu

+

×

=

100

ここに,  Cu:  試料中の銅含有率 [% (m/m)] 

A

:  試料溶液中の銅検出量 (g)

B

:  空試験液中の銅検出量 (g)

m

:  試料はかり採り量 (g)

C

:  空試験において使用したモリブデン  [2.d)]  及び鉄  [2.e)]  中

に含まれる銅含有率 [% (m/m)] の加重合計で,次の式によ
って算出する。

C

a×0.30+b×0.20

ここに,

a

:  モリブデン  [2.d)]  中に含まれる銅含有率 [% (m/m)]

b

:  鉄  [2.e)]  中に含まれる銅含有率 [% (m/m)]


29

G 1317 : 1998

附属書 12(規定)  銅定量方法−ICP 発光分光法

1.

要旨  試料を硫酸と硝酸とで分解し,加熱して硫酸の白煙を発生させる。塩酸に溶解してろ過し,未

溶解残さを二硫酸カリウムで融解してろ液に溶解する。溶液を ICP 発光分光分析装置のアルゴンプラズマ

中に噴霧し,その発光強度を測定する。

2.

試薬  試薬は,次による。

a)

塩酸 (11, 150)

b)

硝酸 (11)

c)

ふっ化水素酸

d)

硫酸 (11)

e)

二硫酸カリウム

f)

モリブデン(粉末)  できるだけ純度の高いモリブデンで,銅を含まないか又は銅含有率ができるだ

け低く,既知であるもの。

g)

鉄  できるだけ純度の高い鉄で,銅を含まないか又は銅含有率ができるだけ低く,既知であるもの。

h)

イットリウム溶液 (1mgY/ml)   酸化イットリウム (III) [99.9% (m/m)  以上]1.269 9g に塩酸 (1+1)

50ml

を加え,加熱して分解し,常温まで冷却した後,溶液を水を用いて 1 000ml の全量フラスコに移

し入れ,水で標線まで薄める。

i)

標準銅溶液 (1.0mgCu/ml)   銅[99.9% (m/m)  以上]1.000g をはかり採り,ビーカー (300ml) に移し

入れ,時計皿で覆い,硫酸 (1+1) 10ml 及び硝酸 (1+1) 20ml を加え,穏やかに加熱して分解する。放

冷した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除く。加熱して硫酸の白煙を発生させる。放冷し

た後,ビーカー内壁を少量の水で洗浄して,再び加熱して硫酸の白煙を発生させて放冷する。水約 50ml

を加えて可溶性塩類を溶解し,水を用いて 1 000ml の全量フラスコに移し入れて,水で標線まで薄め

る。

3.

試料はかり採り量  試料はかり採り量は,1.0g とし,0.1mg のけたまで読み取る。

4.

操作

4.1

試料の分解  試料の分解は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかり採って,ポリテトラフルオロエチレン(以下,PTFE という。

)ビーカー (200ml) 又は白

金皿(100 番)に移し入れ,ふたをする。

b)

硫酸 (1+1) 10ml を加え,更に硝酸 (1+1) 20ml を少量ずつ加え,加熱して分解し,放冷する。ふたの

下面を水で洗ってふたを取り除く。

c)

ふっ化水素酸 5ml を加え,加熱して硫酸の白煙を約 15 分間発生させる。

d)

放冷した後,水約 30ml 及び塩酸 5ml を加え,加熱して可溶性塩類を溶解する。

e)

溶液をろ紙(5 種 B)を用いてろ過し,ビーカー内壁に付着した未溶解残さはゴム付きガラス棒でこ

すってろ紙上に移す。

f)

ろ紙を初めは 40∼60℃に加熱した塩酸 (1+50)  で,洗液に鉄 (III) イオンが認められなくなるまで洗


30

G 1317 : 1998

浄し,次に温水で酸が消失するまで洗浄する。

g)

ろ液及び洗液をビーカー (200ml) に集め,加熱して液量が約 50ml となるまで濃縮する。

4.2

未溶解残さの処理  未溶解残さの処理は,次の手順によって行う(

1

)

a)

4.1f)

で得た未溶解残さをろ紙とともに白金るつぼ(30 番)に移し入れ,低温で加熱してろ紙を灰化す

る。

b)

放冷した後,白金るつぼ中の残さを硫酸 (1+1) 2,3 滴で湿し,ふっ化水素酸約 5ml を加え,飛まつ

が飛ばないように注意しながら加熱して二酸化けい素及び硫酸を揮散させる。

c)

放冷した後,二硫酸カリウム 1.0g を加えてふたをし,加熱して次第に温度を上げ,約 700℃で加熱し

て残さを完全に融解する。

d)

放冷した後,白金るつぼとふたを 4.1g)で得た溶液中に入れ,穏やかに加熱して融成物を溶解し,白金

るつぼとふたを水で洗って取り除く。

e)

溶液を常温まで冷却した後,水を用いて 100ml の全量フラスコに移し入れる。

(

1

)

未溶解残さがない場合は,4.2(未溶解残さの処理)を省略できる。この場合には,4.1g)で得た

溶液を4.2e)の手順に従って操作する。また,検量線溶液も同一操作によって行う。

4.3

発光強度測定用溶液の調製  発光強度測定用溶液の調製は,次のいずれかによって調製する。

a)

発光強度法を適用する場合  4.2e)で得た溶液に水を加えて標線まで薄める。

b)

強度比法を適用する場合  4.2e)で得た溶液にイットリウム溶液  [2.h)]  を正確に 10ml 加えた後,水で

標線まで薄める。

4.4

発光強度の測定  発光強度の測定は,次のいずれかによる(

2

)

a)

発光強度法を適用する場合  4.3a)で得た溶液の一部を ICP 発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に

噴霧し,波長 327.40nm における銅の発光強度を測定する。

b)

強度比法を適用する場合  4.3b)で得た溶液の一部を ICP 発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴

霧し,波長 327.40nm における銅の発光強度と波長 371.03nm におけるイットリウムの発光強度を測定

し,イットリウムの発光強度に対する銅の発光強度の強度比を求める。

(

2

)

基本的な測定操作は,JIS K 01165.(ICP 発光分光分析)による。

5.

空試験  空試験は,6.の検量線の作成において標準銅溶液を添加しない溶液の発光強度又は発光強度

比を,空試験の発光強度又は強度比とする。

6.

検量線の作成  検量線の作成は,次の手順によって試料と併行して行う。

a)

モリブデン  [2.f)] 0.60g 及び鉄  [2.g)] 0.40g をはかり採って数個の PTFE ビーカー (200ml) 又は白金皿

(100 番)に移し入れ,ふたをする。

b)

  4.1b)

4.2e)の手順に従って試料と同じ操作を行い,標準銅溶液  [2.i)] 0∼5ml(銅として 0∼5mg に相

当する。

)を段階的に正確に加える。

c)

4.3

及び 4.4 の手順に従って試料と同じ操作を行う。

d)

得た発光強度又は強度比と標準銅溶液として添加した銅量及び添加したモリブデン並びに鉄中の銅量

の合計量との関係線を作成して検量線とする。


31

G 1317 : 1998

7.

計算  計算は,試料中の銅含有率を,次の式によって算出する。

C

m

B

A

Cu

+

×

=

100

ここに,  Cu:  試料中の銅含有率 [% (m/m)] 

A

:  試料溶液中の銅検出量 (g)

B

:  空試験液中の銅検出量 (g)

m

:  試料はかり採り量 (g)

C

:  空試験において使用したモリブデン  [2.f)]  及び鉄  [2.g)]  中

に含まれる銅含有率 [% (m/m)] の加重合計で,次の式によ
って算出する。

C

a×0.60+b×0.40

ここに,

a

:  モリブデン  [2.f)]  中に含まれる銅含有率 [% (m/m)]

b

:  鉄  [2.g)]  中に含まれる銅含有率 [% (m/m)]


32

G 1317 : 1998

附属書 13(規定)  アルミニウム定量方法−原子吸光法

1.

要旨  試料を塩酸,硝酸と硫酸とで分解し,加熱して硫酸の白煙を発生させてほとんど乾固するまで

濃縮し,塩類を塩酸に溶解してろ過する。未溶解残さは,二硫酸カリウムで融解し,ろ液及び洗液に溶解

する。この溶液を原子吸光光度計の一酸化二窒素・アセチレンフレーム中に噴霧し,その吸光度を測定す

る。

2.

試薬  試薬は,次による。

a)

塩酸 (11, 150)

b)

硝酸

c)

ふっ化水素酸

d)

硫酸 (11)

e)

モリブデン(粉末)  できるだけ純度の高いモリブデンで,アルミニウムを含まないか又はアルミニ

ウム含有率ができるだけ低く,既知であるもの。

f)

鉄  できるだけ純度の高い鉄で,アルミニウムを含まないか又はアルミニウム含有率ができるだけ低

く,既知であるもの。

g)

二硫酸カリウム

h)

標準アルミニウム溶液 (0.10mgAl/ml)   アルミニウム[99.95% (m/m)  以上]0.100g をはかり採り,三

角フラスコ (300ml) に移し入れ,フラスコの口に漏斗をはめ,塩酸 (1+1) 5ml を加え,穏やかに加熱

して分解する。常温まで冷却した後,水を用いて 1 000ml の全量フラスコに移し入れ,水で標線まで

薄める。

3.

試料はかり採り量  試料はかり採り量は,0.50g とし,0.1mg のけたまで読み取る。

4.

操作

4.1

試料の分解  試料の分解は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかり採ってビーカー (200ml) に移し入れ,時計皿で覆う。

b)

塩酸 (1+1) 20ml 及び硝酸 5ml を加え,穏やかに加熱して分解し,放冷する。時計皿の下面を洗って

時計皿を取り除く。

c)

硫酸 (1+1) 10ml を加え,硫酸の白煙がほとんど出なくなるまで加熱する。

d)

放冷した後,塩酸 (1+1) 20ml を加え,加熱して可溶性塩類を溶解した後,温水を加えて液量を約 50ml

とする。

e)

溶液をろ紙(5 種 B)を用いてろ過し,ビーカー内壁に付着した未溶解残さはゴム付きガラス棒でこ

すってろ紙上に移す。

f)

ろ紙を初めは約 40∼60℃に加熱した塩酸 (1+50)  で,洗液に鉄 (III) イオンが認められなくなるまで

洗浄し,次に温水で酸が消失するまで洗浄する。

g)

ろ液及び洗液をビーカー (200ml) に集め,液量が約 50ml になるまで加熱して濃縮する。

4.2

未溶解残さの処理  未溶解残さの処理は,次の手順によって行う。


33

G 1317 : 1998

a)

4.1f)

で得た未溶解残さをろ紙とともに白金るつぼ(30 番)に移し入れ,低温で加熱してろ紙を灰化す

る。

b)

放冷した後,白金るつぼ中の残さ硫酸 (1+1) 2,3 滴で湿し,ふっ化水素酸約 5ml を加え,飛まつが

飛ばないように注意しながら加熱して二酸化けい素及び硫酸を揮散させる。

c)

放冷した後,二硫酸カリウム 1.0g を加えてふたをし,少しずつ温度を上げ,約 700℃で加熱して残さ

を完全に融解する。

d)

放冷した後,白金るつぼとふたを 4.1g)で得た溶液中に入れ,穏やかに加熱して融成物を溶解し,白金

るつぼとふたを水で洗って取り除く。

e)

溶液を常温まで冷却した後,水を用いて 100ml の全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。

4.3

吸光度の測定  吸光度の測定は,4.2e)で得た溶液の一部を,水を噴霧してゼロ点を調節した原子吸

光光度計の一酸化二窒素・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長 309.3nm 又は 396.2nm におけるアルミニ

ウムの吸光度を測定する。

5.

空試験  空試験は,6.の検量線の作成において標準アルミニウム溶液を添加しない溶液の吸光度を,

空試験の吸光度とする。

6.

検量線の作成  検量線の作成は,次の手順に従って試料と併行して行う。

a)

モリブデン  [2.e)] 0.30g 及び鉄  [2.f)] 0.20g をはかり採って数個のビーカー (200ml) に移し入れ,時計

皿で覆う。

b)

  4.1b)2)

4.2d)の手順に従って試料と同じ操作を行う。

c)

溶液を水を用いて 100ml の全量フラスコに移し入れ,標準アルミニウム溶液  [2.h)] 0∼10ml(アルミ

ニウムとして 0∼1.0mg に相当する。

)を段階的に正確に加え,水で標線まで薄める。

d)

以下,4.3 の手順に従って試料と同じ操作を行う。

e)

得た吸光度と標準アルミニウム溶液として添加したアルミニウム量の関係線を作成し,その関係線を

原点を通るように平行移動して検量線とする。

7.

計算  計算は,試料中のアルミニウム含有率を,次の式によって算出する。

C

m

B

A

Al

+

×

=

100

ここに,  Al:  試料中のアルミニウム含有率 [% (m/m)] 

A

:  試料溶液中のアルミニウム検出量 (g)

B

:  空試験液中のアルミニウム検出量 (g)

m

:  試料はかり採り量 (g)

C

:  空試験において使用したモリブデン  [2.e)]  及び鉄  [2.f)]  中

に含まれるアルミニウム含有率 [% (m/m)] の加重合計で,次
の式によって算出する。

C

a×0.30+b×0.20

ここに,

a

:  モリブデン  [2.e)]  中に含まれるアルミニウム含有率 [%

(m/m)]

b

:  鉄  [2.f)]  中に含まれるアルミニウム含有率 [% (m/m)]


34

G 1317 : 1998

附属書 14(規定)  アルミニウム定量方法−ICP 発光分光法

1.

要旨  試料を硫酸と硝酸とで分解し,加熱して硫酸の白煙を発生させ,塩酸に溶解してろ過する。未

溶解残さは,二硫酸カリウムで融解してろ液に溶解する。溶液を ICP 発光分光分析装置のアルゴンプラズ

マ中に噴霧し,その発光強度を測定する。

2.

試薬  試薬は,次による。

a)

塩酸 (11, 150)

b)

硝酸 (11)

c)

ふっ化水素酸

d)

硫酸 (11)

e)

二硫酸カリウム

f)

モリブデン(粉末)  できるだけ純度の高いモリブデンで,アルミニウムを含まないか又はアルミニ

ウム含有率ができるだけ低く,既知であるもの。

g)

鉄  できるだけ純度の高い鉄で,アルミニウムを含まないか又はアルミニウム含有率ができるだけ低

く,既知であるもの。

h)

イットリウム溶液 (1mgY/ml)   酸化イットリウム (III) [99.9% (m/m) 以上]1.2699g に塩酸 (1+1)

50ml

を加え,加熱して分解し,常温まで冷却した後,水を用いて 1 000ml の全量フラスコに移し入れ,

水で標線まで薄める。

i)

標準アルミニウム溶液 (0.10mgAl/ml)   アルミニウム[99.95% (m/m)  以上]0.100g をはかり採って三

角フラスコ (300ml) に移し入れ,フラスコの口に漏斗をはめ,塩酸 (1+1) 50ml を加え,穏やかに加

熱して分解する。常温まで冷却した後,水を用いて 1 000ml の全量フラスコに移し入れ,水で標線ま

で薄める。

3.

試料はかり採り量  試料はかり採り量は,1.0g とし,0.1mg のけたまで読み取る。

4.

操作

4.1

試料の分解  試料の分解は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかり採ってポリテトラフルオロエチレン(以下,PTFE という。

)ビーカー (200ml) 又は白金

皿(100 番)に移し入れる。

b)

ふたをし,硫酸 (1+1) 10ml を加え,さらに硝酸 (1+1) 20ml を少しずつ加え,加熱して分解し,放冷

する。ふたの下面を水で洗って蓋を取り除く。

c)

ふっ化水素酸 5ml を加え,加熱して硫酸の白煙を約 15 分間発生させる。

d)

放冷した後,水約 30ml 及び塩酸 5ml を加え,加熱して可溶性塩類を溶解する。

e)

溶液をろ紙(5 種 B)を用いてろ過し,ビーカー内壁に付着した未溶解残さはゴム付きガラス棒でこ

すってろ紙上に移す。

f)

ろ紙上を初めは 40∼60℃に加熱した塩酸 (1+50)  で洗液に鉄 (III) イオンが認められなくなるまで洗

浄し,次に温水で酸が消失するまで洗浄する。


35

G 1317 : 1998

g)

ろ液及び洗液は,ビーカー (200ml) に集め,加熱して液量が約 50ml になるまで濃縮する。

4.2

未溶解残さの処理  未溶解残さの処理は,次の手順によって行う。

a)

4.1f)

で得た未溶解残さ及びろ紙をともに白金るつぼ(30 番)に移し入れ,低温で加熱してろ紙を灰化

する。

b)

放冷した後,白金るつぼ中の残さを硫酸 (1+1) 2,3 滴で湿し,ふっ化水素酸約 5ml を加え,飛まつ

が飛ばないように注意しながら加熱して二酸化けい素及び硫酸を揮散させる。

c)

放冷した後,二硫酸カリウム 1.0g を加えてふたをし,加熱して少しずつ温度を上げ,約 700℃で残さ

を完全に融解する。

d)

放冷した後,白金るつぼとふたを 4.1g)で得た溶液中に入れる。

e)

穏やかに加熱して融成物を溶解し,白金るつぼとふたを水で洗って取り除く。

f)

常温まで冷却した後,水を用いて 100ml の全量フラスコに移し入れる。

4.3

発光強度測定用溶液の調製  発光強度測定用溶液の調製は,次のいずれかによる。

a)

発光強度法を適用する場合  4.2f)で得た溶液に水を加えて標線まで薄める。

b)

強度比法を適用する場合  4.2f)で得た溶液にイットリウム溶液  [2.h)]  を正確に 10ml 加えた後,水で

標線まで薄める。

4.4

発光強度の測定  発光強度の測定は,次のいずれかによる(

1

)

a)

発光強度法を適用する場合  4.3a)で得た溶液の一部を ICP 発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に

噴霧し,波長 237.34nm におけるアルミニウムの発光強度を測定する。

b)

強度比法を適用する場合  4.3b)で得た溶液の一部を ICP 発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴

霧し,波長 237.34nm におけるアルミニウムと波長 371.03nm におけるイットリウムの発光強度を測定

し,イットリウムの発光強度に対するアルミニウムの発光強度の強度比を求める。

(

1

)

基本的な測定操作は,JIS K 01165.(ICP 発光分光分析)による。

5.

空試験  空試験は,6.の検量線の作成において標準アルミニウム溶液を添加しない溶液の発光強度又

は強度比を,空試験の発光強度又は強度比とする。

6.

検量線の作成  検量線の作成は,次の手順に従って試料と併行して行う。

a)

モリブデン  [2.f)] 0.60g 及び鉄  [2.g)] 0.40g をはかり採って数個の PTFE ビーカー (200ml) 又は白金皿

(100 番)に移し入れる。

b)

  4.1b)

4.2f)の手順に従って試料と同じ操作を行う。

c)

標準アルミニウム溶液  [2.i)] 0∼20ml(アルミニウムとして 0∼2.0mg に相当する。

)を段階的に正確に

加える。

d)

以下,4.3 及び 4.4 の手順に従って試料と同じ操作を行う。

e)

得た発光強度又は強度比と標準アルミニウム溶液として添加したアルミニウム量と添加したモリブデ

ン並びに鉄中のアルミニウム量の合計量との関係線を作成して検量線とする。

7.

計算  計算は,試料中のアルミニウム含有率を,次の式によって算出する。

C

m

B

A

Al

+

×

=

100

ここに,  Al:  試料中のアルミニウム含有率 [% (m/m)]


36

G 1317 : 1998

A

:  試料溶液中のアルミニウム検出量 (g)

B

:  空試験液中のアルミニウム検出量 (g)

m

:  試料はかり採り量 (g)

C

:  空試験において使用したモリブデン  [2.f)]  及び鉄  [2.g)]  中

に含まれるアルミニウム含有率 [% (m/m)] の加重合計で,次
の式によって算出する。

C

a×0.60+b×0.40

ここに,  a:  モリブデン  [2.f)]  中に含まれるアルミニウム含有率 [%

(m/m)]

b

:  鉄  [2.g)]  中に含まれるアルミニウム含有率 [% (m/m)]

フェロモリブデン分析方法 JIS 改正原案作成委員会

氏名

所属

(主査)

*

鈴  木  邦  輝

日本重化学工業株式会社

(委員)

青  木  純  一

昭和電工株式会社

*

稲  本      勇

新日本製鐵株式会社

岩  田  英  夫

日本鋼管株式会社

上  埜  秀  明

中央電気工業株式会社

*

大  槻      孝

社団法人日本鉄鋼連盟

*

金  築  宏  治

株式会社神戸製鋼所

*

唐  島  英  夫

日本電工株式会社

佐  藤  正  文

昭和電工株式会社 (1996∼)

*

見  持  洋  司

日本重化学工業株式会社

杉  山  鉄  男

大平洋金属株式会社

*

戸  館      一

社団法人日本海事検定協会

*

紅  谷  紀  生

日本鋼管株式会社

松  本      誠

中央電気工業株式会社 (1996∼)

小  島      彰

通商産業省基礎産業局

林      明  夫

通商産業省基礎産業局 (1996∼)

天  野      徹

通商産業省工業技術院

大  嶋  清  治

通商産業省工業技術院 (1996∼)

橋  本  繁  晴

財団法人日本規格協会 (1996∼)

(関係者)

増  田  正  純

通商産業省工業技術院 (1996∼)

(事務局)

*

今  野  尚  雄

日本フェロアロイ協会

*

奥  山  満  之

日本フェロアロイ協会 (1996∼)

*

印は,小委員会委員