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G 1312-5

:2011

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1  適用範囲

1

2  引用規格

1

3  一般事項

1

4  定量方法の区分 

1

5  鉄分離エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム・銅逆滴定法 

2

5.1  要旨

2

5.2  試薬

2

5.3  試料はかりとり量

3

5.4  操作

3

5.5  空試験

4

5.6  計算

4

6  原子吸光法 

5

6.1  要旨

5

6.2  試薬

5

6.3  試料はかりとり量

5

6.4  操作

5

6.5  空試験

6

6.6  検量線の作成 

6

6.7  計算

7

7  ICP 発光分光法 

7

7.1  要旨

7

7.2  試薬

7

7.3  試料はかりとり量

8

7.4  操作

8

7.5  空試験

8

7.6  検量線の作成 

8

7.7  計算

9

附属書 JA(参考)JIS と対応国際規格との対比表 

10


G 1312-5

:2011

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本フェロアロイ協会(JFA)及び財団法人

日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業

標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

これによって,JIS G 1312:1998 は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS G 1312 の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS G 1312-1  第 1 部:けい素定量方法

JIS G 1312-2  第 2 部:炭素定量方法

JIS G 1312-3  第 3 部:りん定量方法

JIS G 1312-4  第 4 部:硫黄定量方法

JIS G 1312-5  第 5 部:アルミニウム定量方法

JIS G 1312-6  第 6 部:チタン定量方法


日本工業規格

JIS

 G

1312-5

:2011

フェロシリコン分析方法−

第 5 部:アルミニウム定量方法

Method for chemical analysis of ferrosilicon-

Part 5: Methods for determination of aluminium content

序文 

JIS G 1312 は,1953 年に制定され,その後 1998 年に 5 回目の改正が行われた。今回,分析技術の進展

に対応するために,JIS G 1312:1998 を廃止し,その規格の一部を分割して,アルミニウム定量方法として

制定した。

この規格は,1979 年に第 1 版として発行された ISO 4139 を基とし,国内の実状に合わせ技術的内容を

変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。変

更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

適用範囲 

この規格は,フェロシリコン中のアルミニウムの定量方法について規定する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 4139:1979 , Ferrosilicon − Determination of aluminium content − Flame atomic absorption

spectrometric method

(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS G 1301  フェロアロイ−分析方法通則 
JIS K 8001  試薬試験方法通則

一般事項 

分析方法に共通な一般事項は,JIS G 1301 による。

定量方法の区分 

アルミニウム定量方法は,次のいずれかによる。

a)  鉄分離エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム・銅逆滴定法  この方法は,アルミニウム含有率


2

G 1312-5

:2011

0.05 %

(質量分率)以上 3.0 %(質量分率)以下の試料に適用する。

b)  原子吸光法  この方法は,アルミニウム含有率 0.02 %(質量分率)以上 5.0 %(質量分率)以下の試

料に適用する。

c)  ICP 発光分光法  この方法は,アルミニウム含有率 0.01 %(質量分率)以上 3.0 %(質量分率)以下

の試料に適用する。

鉄分離エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム・銅逆滴定法 

5.1 

要旨 

試料を硝酸及びふっ化水素酸で分解し,硫酸を加え,加熱して硫酸の白煙を発生させて硝酸及びふっ化

水素酸を除去する。

塩酸を加えて塩類を溶解した後,

4-

メチル-2-ペンタノンで大部分の鉄を抽出除去する。

pH

を調節し,スルホサリチル酸を指示薬として残った鉄をエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム

(以下,EDTA2Na という。

)溶液を加えてマスキングする。pH を調節し,一定量の EDTA2Na 溶液を加え

てアルミニウムの EDTA 錯体を生成させた後,

過剰の EDTA2Na を 1-ピリジルアゾ-2-ナフトール銅

(以下,

Cu-PAN

という。

)を指示薬として銅溶液で滴定する。

5.2 

試薬 

試薬は,次による。

5.2.1 

塩酸(75 

5.2.2 

硝酸 

5.2.3 

硝酸(11 

5.2.4 

過塩素酸 

5.2.5 

ふっ化水素酸 

5.2.6 

硫酸(11 

5.2.7 

鉄  アルミニウム含有率が 0.001 %(質量分率)以下のもの。 

5.2.8 

二硫酸ナトリウム 

5.2.9 

炭酸ナトリウム 

5.2.10  ほう酸 
5.2.11  
酢酸アンモニウム溶液(50 g/L 
5.2.12  
スルホサリチル酸溶液(10 g/L 
5.2.13 4-
メチル-2-ペンタノン塩酸混合溶液  4-メチル-2-ペンタノン 940 mL と塩酸 60 mL とを混合する。 
5.2.14  0.01 mol/L EDTA2Na 
溶液  調製方法は,JIS K 8001 の JA.5.2(滴定用溶液の調製,標定及び計算)
c) 3.1)  による。ただし,この溶液の標定は,次の手順によって行う。 

0.01 mol/L

アルミニウム溶液(5.2.15)20.0 mL をビーカー(300 mL)にとり,水約 100 mL を加え,酢

酸アンモニウム溶液(50 g/L)を滴加して pH を 2.9∼3.1 に調節する。溶液を 90  ℃以上に加熱し,直ちに,

Cu-PAN

溶液(5.2.17)2,3 滴を指示薬として加え,0.01 mol/L EDTA2Na 溶液で滴定し,溶液の色が赤紫

から黄に変わったら滴定を止め,溶液を加熱沸騰させる。再び赤紫に変わったならば,引き続き 0.01 mol/L

EDTA2Na

溶液で滴定する。この操作を繰り返し,滴定した後に沸騰させても溶液の色が赤紫に変わらな

いで黄を保つ点を終点として 0.01 mol/L EDTA2Na 溶液の使用量を求め,次の式によって 0.01 mol/L

EDTA2Na

溶液のファクターを求める。

1

1

20

V

f

=


3

G 1312-5

:2011

ここに,

f

1

0.01 mol/L EDTA2Na

溶液のファクター

V

1

0.01 mol/L EDTA2Na

溶液の使用量(

mL

5.2.15 0.01 

mol/L アルミニウム溶液  アルミニウム[

99.9 %

(質量分率)以上]

0.269 8 g

はかりとって三

角フラスコ(

300 mL

)に移し入れ,口に漏斗をはめて塩酸(

1

1

30 mL

を加え,加熱分解する。常温ま

で冷却した後,

1 000 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。 

5.2.16 0.01 

mol/L 銅溶液  硫酸銅(

II

)五水和物

2.50 g

を水に溶解し,溶液を

1 000 mL

の全量フラスコに

水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。この溶液の標定は,次の手順による。 

ビーカー(

300 mL

)に

0.01 mol/L EDTA2Na

溶液(5.2.14)を正確に

20 mL

とり,水約

100 mL

及び酢酸

アンモニウム溶液(

50 g/L

20 mL

を加え,塩酸(

1

4

)又はアンモニア水で

pH

計を用いて

pH

2.9

3.1

に調節する。溶液を

90

℃以上に加熱し,直ちに

Cu-PAN

溶液(5.2.17

2

3

滴を指示薬として加え,

0.01

mol/L

銅溶液で滴定し,溶液の色が黄から微紅となる点を終点とし,次の式によって,

0.01 mol/L

銅溶液の

ファクターを求める。

2

1

2

20

V

f

f

×

=

ここに,

f

2

0.01 mol/L

銅溶液のファクター

V

2

0.01 mol/L

銅溶液の使用量(

mL

f

1

0.01 mol/L EDTA2Na

溶液のファクター

5.2.17 Cu-PAN 溶液

1-

ピリジルアゾ

-2-

ナフト−ル(以下,

PAN

という。

0.1 g

及びエチレンジアミン四

酢酸銅(

II

)二ナトリウム(以下,

Cu-EDTA2Na

という。

1.3 g

1,4-

ジオキサン[純度

99.5 %

(質量分率)

以上]

100 mL

に溶解するか,又は市販の

Cu-EDTA2Na

PAN

混合製剤

1 g

1,4-

ジオキサン[純度

99.5 %

(質量分率)以上]

100 mL

に溶解する。 

5.3 

試料はかりとり量 

試料はかりとり量は,

表 に従って,

0.1 mg

の桁まではかる。

表 1−試料はかりとり量 

試料中のアルミニウム含有率

%

(質量分率)

試料はかりとり量

g

 0.05

以上 0.5 未満 1.0

 0.5

以上 3.0 以下 0.50

5.4 

操作 

5.4.1 

試料の分解 

試料の分解は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかりとって白金皿(

100

番)又はポリテトラフルオロエチレン(以下,

PTFE

という。

)製ビ

ーカー(

200 mL

)に移し入れ,白金又は

PTFE

製の蓋で覆う。

b)

蓋を少しずらして硝酸

10 mL

を加え,

ふっ化水素酸

10 mL

を滴加して分解する。

反応が激しい場合は,

容器の外側を水で冷却しながら分解する。

c)

蓋の下面を水で洗って蓋を取り除き,硫酸(

1+1

5 mL

を加え振り混ぜる。硫酸の白煙の発生が少な

くなるまで加熱蒸発した後,放冷する。

d)

蓋で覆い,蓋を少しずらして塩酸(

7

5

10 mL

を加え,加熱して可溶性塩類を溶解する。

e)

蓋の下面を温水で洗って取り除き,溶液をろ紙(

5

B

)を用いてろ過し,温水で数回洗浄する。ろ

液及び洗液をビーカー(

300 mL

)に受けて主液として保存する。


4

G 1312-5

:2011

なお,不溶解残さが認められない場合は,5.4.1 e)5.4.2 の操作は行わなくてもよい。

5.4.2 

不溶解残さの処理 

不溶解残さの処理は,次の手順によって行う。

a)

5.4.1 e)で得た不溶解残さはろ紙とともに白金るつぼ(

30

番)に移し入れ,灰化する。

b)

放冷した後,二硫酸ナトリウム約

2 g

又は炭酸ナトリウム

1 g

とほう酸

0.5 g

を加え,加熱して融解す

る。放冷した後,先に保存した主液に白金るつぼごと入れ,加熱して融成物を溶解する。白金るつぼ

を少量の水で洗って取り出す。

5.4.3 

鉄の除去 

鉄の除去は,次の手順で行う。

a)

5.4.1 d)又は 5.4.2 b)で得た溶液を,加熱して液量が約

10 mL

になるまで濃縮し,塩酸(

7

5

)約

10 mL

を用いて分液漏斗(

100 mL

)に移し入れる。

b)

 4-

メチル

-2-

ペンタノン塩酸混合溶液(5.2.13

20 mL

を加えて

1

分間激しく振り混ぜる。

c)

しばらく静置して二層に分離した後,下層の水相をビーカー(

300 mL

)に移し入れる。

d)

元の分液漏斗(

100 mL

)に塩酸(

7

5

5 mL

を加え,再び

1

分間振り混ぜ,しばらく静置して二層

に分離した後,下層の水相を c)の水相が入っているビーカーに移し入れ,時計皿で覆う。上層の有機

相は捨てる。

5.4.4 

鉄のマスキング 

鉄のマスキングは,次の手順によって行う。

a)

5.4.3 d)で得た溶液を煮沸し,溶存している

4-

メチル

-2-

ペンタノンを追い出した後,時計皿の下面を少

量の水で洗って時計皿を取り除く。

b)

硝酸

5 mL

及び過塩素酸

10 mL

を加え,液量が約

3 mL

になるまで加熱濃縮した後,放冷する。

c)

水約

150 mL

を加えて塩類を溶解し,酢酸アンモニウム溶液(

50 g/L

)を滴加して

pH

1.9

2.1

に調

節する。

d)

スルホサリチル酸溶液

10 g/L

1 mL

を指示薬として加えて振り混ぜ,

0.01 mol/L EDTA2Na

溶液

5.2.14

を,溶液が紫紅色から淡黄色又は無色になるまで滴加し,鉄をマスキングする。

5.4.5 

滴定 

滴定は,次の手順によって行う。

a)

5.4.4 d)で得た溶液に酢酸アンモニウム溶液を滴加して

pH

2.9

3.1

に調節した後,

90

℃以上に加熱

し,

直ちに

Cu-PAN

溶液

5.2.17

2

3

滴を指示薬として加え,

溶液が黄色になるまで

0.01 mol/L EDTA2Na

溶液(5.2.14)を加え,更に,その約

1 mL

を過剰に加え,

0.01 mol/L EDTA2Na

溶液の使用量を求める。

b)

再び

90

℃以上に加熱し,直ちに

0.01 mol/L

銅溶液(5.2.16)で滴定し,溶液の色が黄から微紅に変わ

る点を終点とし,

0.01 mol/L

銅溶液(5.2.16)の使用量を求める。

5.5 

空試験 

試料中に含まれている鉄の量と同量の鉄を白金皿(

100

番)又は

PTFE

製ビーカー(

200 mL

)にとり,

白金又は

PTFE

製の蓋で覆う。5.4.1 b)5.4.5 の手順に従って,試料と並行して行う。

5.6 

計算 

試料中のアルミニウム含有率を,次の式によって算出する。

(

) (

)

[

]

100

8

269

000

.

0

1

2

6

1

5

2

4

1

3

×

×

×

×

×

×

=

m

f

V

f

V

f

V

f

V

Al

ここに,

Al

試料中のアルミニウム含有率[

%

(質量分率)


5

G 1312-5

:2011

V

3

試料溶液において,5.4.5 a)で得た

0.01 mol/L EDTA2Na

溶液の

使用量(

mL

V

4

試料溶液において,5.4.5 b)で得た

0.01 mol/L

銅溶液の使用量

mL

V

5

空試験において,5.4.5 a)で得た

0.01 mol/L EDTA2Na

溶液の使

用量(

mL

V

6

空試験において,5.4.5 b)で得た

0.01 mol/L

銅溶液の使用量

mL

f

1

0.01 mol/L EDTA2Na

溶液のファクター

f

2

0.01 mol/L

銅溶液のファクター

m

1

試料はかりとり量(

g

原子吸光法 

6.1 

要旨 

試料を硝酸及びふっ化水素酸で分解し,過塩素酸を加えて白煙を発生させた後,原子吸光光度計を用い

てアルミニウムの吸光度を測定する。

6.2 

試薬 

試薬は,次による。

6.2.1 

塩酸(13 

6.2.2 

硝酸 

6.2.3 

過塩素酸 

6.2.4 

ふっ化水素酸 

6.2.5 

二硫酸ナトリウム 

6.2.6 

炭酸ナトリウム 

6.2.7 

ほう酸 

6.2.8 

鉄溶液(Fe25 mg/mL  アルミニウム含有率

0.001 %

(質量分率)以下の鉄

2.5 g

をはかりとって

ビーカー(

300 mL

)に移し入れ,過塩素酸

20 mL

を加え,加熱して鉄を分解した後,引き続き加熱して過

塩素酸の白煙を発生させる。放冷した後,温水約

50 mL

を加え,加熱して塩類を溶解し,室温まで冷却し

た後,

100 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。 

6.2.9 

アルミニウム標準液(Al500  μg/mL  アルミニウム[

99.9 %

(質量分率)以上]

1.000 g

をはか

りとってビーカー(

200 mL

)に移し入れ,塩酸

15 mL

と硝酸

5 mL

を加え,加熱してアルミニウムを分解

し,過塩素酸

10 mL

を加え,加熱して過塩素酸の白煙を発生させる。放冷した後,温水約

50 mL

を加え,

加熱して塩類を溶解し,室温まで冷却した後,

200 mL

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線ま

で薄める(

Al

5 mg/mL

。これを,水で正確に

10

倍に希釈し,アルミニウム標準液とする。

6.3 

試料はかりとり量 

試料はかりとり量は,

1.0 g

とし,

0.1 mg

の桁まではかる。

6.4 

操作 

警告

過塩素酸の蒸気は,アンモニア,亜硝酸蒸気又は有機物が存在すると爆発する危険がある。蒸気は,

過塩素酸を使用しても安全な排気設備を備えた場所で処理しなければならない。

6.4.1 

試料の分解 

試料の分解は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかりとって白金皿(

100

番)又は

PTFE

製ビーカー(

200 mL

)に移し入れ,白金又は

PTFE


6

G 1312-5

:2011

製の蓋で覆う。

b)

蓋を少しずらして硝酸

10 mL

を加え,

ふっ化水素酸

10 mL

を滴加して分解する。

反応が激しい場合は,

容器の外を水で冷却しながら分解する。

過塩素酸

15 mL

を加え,

蓋の下面を水で洗って蓋を取り除き,

加熱して過塩素酸の濃厚な白煙を約

10

分間発生させる。

c)

放冷した後,蓋で覆い,塩酸(

1

3

20 mL

を加え,加熱して可溶性塩類を溶解する。

d)

蓋の下面を温水で洗って蓋を取り除き,溶液をろ紙(

5

B

)を用いてろ過し,温水で数回洗浄する。

ろ液及び洗液はビーカー(

300 mL

)に受けて主液として保存する。

なお,不溶解残さが認められない場合は,不溶解残さの処理は行わなくてもよい。ただし,不溶解

残さの処理を行わない場合は,6.4.1 d)

100 mL

全量フラスコにろ過し,常温まで冷却した後,水で

標線まで薄める。

6.4.2 

不溶解残さの処理 

不溶解残さの処理は,次の手順によって行う。

a)

6.4.1 d)で得た不溶解残さはろ紙とともに白金るつぼ(

30

番)に移し入れ,灰化する。

b)

放冷した後,二硫酸ナトリウム約

2 g

又は炭酸ナトリウム

1 g

とほう酸

0.5 g

を加え,加熱して融解す

る。放冷した後,先に保存した主液に白金るつぼごと入れ,加熱して融成物を溶解する。白金るつぼ

を少量の水で洗って取り出す。常温まで冷却した後,

100 mL

全量フラスコに水を用いて移し入れ,水

で標線まで薄める。

6.4.3 

測定溶液の調製 

測定溶液の調製は,次のいずれかによる。

a)

試料中のアルミニウム含有率が 0.50 %(質量分率)未満の場合  6.4.1 d)又は 6.4.2 b)で得た溶液を用

いる。

b)

試料中のアルミニウム含有率が 0.50 %(質量分率)以上 1.25 %(質量分率)未満の場合  6.4.1 d)

は 6.4.2 b)で得た溶液を

20.0 mL

分取して

100 mL

の全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。

c)

試料中のアルミニウム含有率が 1.25 %(質量分率)以上 5.0 %(質量分率)以下の場合  6.4.1 d)又は

6.4.2 b)で得た溶液を

5.0 mL

分取して

100 mL

の全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。

6.4.4 

吸光度の測定 

原子吸光光度計を用いて,6.4.3 a)b)又は c)で得た溶液をアセチレン−一酸化二窒素フレーム中に噴霧

し,波長

309.2 nm

又は

396.2 nm

におけるアルミニウムの吸光度を測定する。

6.5 

空試験 

試薬だけを用いて,6.4.1 b)6.4.4 の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行う。

6.6 

検量線の作成 

検量線の作成は,試料と並行して,次の手順によって行う。

a)

数個の白金皿(

100

番)又は

PTFE

製ビーカー(

200 mL

)を準備し,それぞれに試料中に含まれる鉄

の量と同量の鉄溶液(6.2.8)を加える。これに

表 のアルミニウム標準液添加量に従って,アルミニ

ウム標準液(6.2.9)を段階的にとり,白金又は

PTFE

製の蓋で覆う。6.4.1 b)6.4.2 b)の手順に従って

試料と同じ操作を行う。

b)

この溶液を試料溶液と同量分取し,

100 mL

の全量フラスコに移し入れる。以下,6.4.4 の手順に従っ

て試料と同じ操作を行う。

c)

得た吸光度とアルミニウム量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量

線とする。


7

G 1312-5

:2011

表 2−アルミニウム標準液添加量 

試料中のアルミニウム含有率

%

(質量分率)

アルミニウム標準液添加量

mL

 0.02

以上 0.50 未満

0

∼1.0

 0.50

以上 1.25 未満

0

∼3.0

 1.25

以上 5.0 以下

0

∼10.0

6.7 

計算 

計算は,次のいずれかによる。

a)

測定溶液の調製を 6.4.3 a)で行った場合  6.6 で作成した検量線から 6.4.4 及び 6.5 で得た吸光度に対応

するアルミニウム量を求め,試料中のアルミニウム含有率を,次の式によって算出する。

100

)

(

2

2

1

×

=

m

A

A

Al

ここに,

Al

試料中のアルミニウム含有率[

%

(質量分率)

A

1

試料溶液中のアルミニウム検出量(

g

A

2

空試験液中のアルミニウム検出量(

g

m

2

試料はかりとり量(

g

b)

測定溶液の調製を 6.4.3 b)又は 6.4.3 c)で行った場合  6.6 で作成した検量線から 6.4.4 及び 6.5 で得た吸

光度に対応するアルミニウム量を求め,試料中のアルミニウム含有率を,次の式によって算出する。

(

)

100

100

7

3

4

3

×

×

=

V

m

A

A

Al

ここに,

Al

試料中のアルミニウム含有率[%(質量分率)

A

3

分取した試料溶液中のアルミニウム検出量(g)

A

4

分取した空試験液中のアルミニウム検出量(g)

V

7

試料溶液及び空試験液の分取量(mL)

m

3

試料はかりとり量(g)

7 ICP 発光分光法 
7.1 

要旨 

試料を硝酸及びふっ化水素酸で分解し,過塩素酸を加え過塩素酸の白煙を発生させた後,溶液を ICP 発

光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,アルミニウムの発光強度を測定する。

7.2 

試薬 

試薬は,次による。

7.2.1 

塩酸(13 

7.2.2 

硝酸 

7.2.3 

過塩素酸 

7.2.4 

ふっ化水素酸 

7.2.5 

二硫酸ナトリウム 

7.2.6 

炭酸ナトリウム 

7.2.7 

ほう酸 

7.2.8 

鉄溶液(Fe25 mg/mL 6.2.8 による。 

7.2.9 

アルミニウム標準液(Al500 μg/mL  アルミニウム[99.9 %(質量分率)以上]1.000 g をはか


8

G 1312-5

:2011

りとってビーカー(200 mL)に移し入れ,塩酸 15 mL と硝酸 5 mL を加え,加熱してアルミニウムを分解

し,過塩素酸 10 mL を加え,加熱して過塩素酸の白煙を発生させる。放冷した後,温水約 50 mL を加え,

加熱して塩類を溶解し,室温まで冷却した後,200 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線ま

で薄める(Al:5 mg/mL)

。これを,水で正確に 10 倍に希釈し,アルミニウム標準液とする。 

7.3 

試料はかりとり量 

試料はかりとり量は,0.5 g とし,0.1 mg の桁まではかる。

7.4 

操作 

警告  過塩素酸の蒸気は,アンモニア,亜硝酸蒸気又は有機物が存在すると爆発する危険がある。蒸気は,

過塩素酸を使用しても安全な排気設備を備えた場所で処理しなければならない。

7.4.1 

試料の分解 

試料の分解は,次の手順によって行う。

a)  6.4.1 a)の操作を行う。

b)  6.4.1 b)d)の操作を行う。

7.4.2 

不溶解残さの処理 

不溶解残さの処理は,6.4.2 による。

7.4.3 

測定溶液の調製 

測定溶液の調製は,次のいずれかによる。

a)  試料中のアルミニウム含有率が 0.10 %(質量分率)未満の場合  7.4.1 b)又は 7.4.2 で得た溶液を用い

る。

b)  試料中のアルミニウム含有率が 0.10 %(質量分率)以上の場合  7.4.1 b)又は 7.4.2 で得た溶液を 10.0

mL

分取して 100 mL の全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。

7.4.4 

発光強度の測定 

7.4.3 a)又は b)で得た溶液の一部を ICP 発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長 396.1 nm

又は 394.4 nm におけるアルミニウムの発光強度を測定する。

7.5 

空試験 

試料の代わりに,試料中に含まれる鉄の量と同量の鉄溶液(7.2.8)を加え,白金又は PTFE 製の蓋で覆

う。7.4.1 b)7.4.4 の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行う。

7.6 

検量線の作成 

検量線の作成は,試料と並行して,次の手順によって行う。

a)  数個の白金皿(100 番)又は PTFE 製ビーカー(200 mL)を準備し,それぞれに試料中に含まれる鉄

の量と同量の鉄溶液(7.2.8)を加える。これに

表 のアルミニウム標準液添加量に従って,アルミニ

ウム標準液(7.2.9)を段階的にとり,白金又は PTFE 製の蓋で覆う。7.4.1 b)7.4.2 の手順に従って試

料と同じ操作を行う。

b)  この溶液を試料溶液と同量分取し,100 mL の全量フラスコに移し入れる。以下,7.4.4 の手順に従っ

て試料と同じ操作を行う。

c)  得た発光強度とアルミニウム量との関係線を作成して検量線とする。


9

G 1312-5

:2011

表 3−アルミニウム標準液添加量 

試料中のアルミニウム含有率

%

(質量分率)

アルミニウム標準液添加量

mL

 0.01

以上 0.10 未満

0

∼1.0

 0.10

以上 3.0 以下

0

∼30.0

7.7 

計算 

計算は,次のいずれかによる。

a)  測定溶液の調製を 7.4.3 a)で行った場合  7.6 で作成した検量線から 7.4.4 及び 7.5 で得た発光強度に対

応するアルミニウム量を求め,試料中のアルミニウム含有率を,次の式によって算出する。

100

)

(

4

6

5

×

=

m

A

A

Al

ここに,

Al

試料中のアルミニウム含有率[%(質量分率)

A

5

試料溶液中のアルミニウム検出量(g)

A

6

空試験液中のアルミニウム検出量(g)

m

4

試料はかりとり量(g)

b)  測定溶液の調製を 7.4.3 b)で行った場合  7.6 で作成した検量線から 7.4.4 及び 7.5 で得た発光強度に対

応するアルミニウム量を求め,試料中のアルミニウム含有率を,次の式によって算出する。

(

)

100

100

10

5

8

7

×

×

=

m

A

A

Al

ここに,

Al

試料中のアルミニウム含有率[%(質量分率)

A

7

分取した試料溶液中のアルミニウム検出量(g)

A

8

分取した空試験液中のアルミニウム検出量(g)

m

5

試料はかりとり量(g)


10

G 1312-5

:2011

附属書 JA

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS G 1312-5:2011  フェロシリコン分析方法−第 5 部:アルミニウム定量方法

ISO 4139:1979   Ferrosilicon − Determination of aluminium content − Flame atomic 
absorption spectrometric method 

(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの
評価及びその内容

箇条番号 
及び題名

内容

(II) 
国際

規格
番号

箇条
番号

内容

箇条ごと
の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

1

適用範囲

フェロシリコン中のアル
ミニウム定量方法につい
て規定

 1

フェロシリコン中のアル
ミニウム定量方法につい
て規定

一致

2

引用規格

3

一般事項

JIS G 1301 による。 

追加

ISO 規格は,規定されていない。

ISO 規格への提案を検討する。

4

定量方法

の区分

鉄分離エチレンジアミン
四酢酸二水素二ナトリウ

ム・銅逆滴定法,原子吸
光法,ICP 発光分光法

追加

ISO 規格は,原子吸光法だけを規定。
JIS は,鉄分離エチレンジアミン四酢
酸二水素二ナトリウム・銅逆滴定法,

ICP

発光分光法も規定している。

鉄分離エチレンジアミン四酢酸
二水素二ナトリウム・銅逆滴定

法,ICP 発光分光法を ISO 規格
への提案を検討する。

5

鉄分離エチレンジアミン

四酢酸二水素二ナトリウ
ム・銅逆滴定法

追加

ISO 規格への提案を検討する。

6

原子吸光

6.1

要旨

3

原理

一致

6.2

試薬

4

試薬

一致

6.3

試料は

かりとり量

7.1

試料はかりとり量

一致

6.4

操作

7

操作

追加

不溶解分処理の際,JIS はほう酸と炭
酸ナトリウム,又は二硫酸ナトリウム
が使用できるが ISO 規格はほう酸と

炭酸ナトリウムだけである。

二硫酸ナトリウムは国内では使
用されているため追加した。

10

G

 1312-5


201

1


11

G 1312-5

:2011

(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの
評価及びその内容

箇条番号

及び題名

内容

(II) 
国際
規格

番号

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

6.5

空試験

7.2

空試験

変更

ISO 規格は,鉄溶液を添加している。
空試験溶液は検量線溶液に使用され
ている。

鉄溶液に関しては 6.6 で対応し

ている。

6.6

検量線

の作成

7.4

検量線の作成

一致

6.7

計算

7.4

検量線の作成

変更

ISO 規格は,検量線の作成で述べられ
ているだけで詳細について規定され

ていない。

計算の詳細を規定するよう ISO
規格への提案を検討する。

7 ICP

発光分光法

追加

アンケートの結果,多くの事業所で採
用されている ICP 発光分光法を規定

した。

ICP

発光分光法を ISO 規格への

提案を検討する。

JIS と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 4139:1979,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

−  一致 技術的差異がない。

−  追加 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

−  変更 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

−  MOD 国際規格を修正している。 

11

G

 1312-5


201

1