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G 1311-5

:2012

(1)

目  次

ページ

1  適用範囲  

1

2  引用規格  

1

3  一般事項  

1

4  定量方法の区分  

1

5  燃焼−水酸化ナトリウム滴定法  

1

5.1  要旨  

1

5.2  試薬  

1

5.3  装置の組立て  

1

5.4  試料はかりとり量及び助燃剤  

2

5.5  予備操作  

2

5.6  定量操作  

2

5.7  空試験  

2

5.8  計算  

2

6  燃焼−赤外線吸収法(積分法)  

2

6.1  要旨  

2

6.2  装置の組立て  

3

6.3  試料はかりとり量及び助燃剤  

3

6.4  予備操作  

3

6.5  定量操作  

3

6.6  空試験  

3

6.7  計算  

3

7  還元蒸留−メチレンブルー吸光光度法  

3

7.1  要旨  

3

7.2  試薬  

3

7.3  装置  

4

7.4  試料はかりとり量  

5

7.5  操作  

5

7.6  空試験  

6

7.7  検量線の作成  

6

7.8  計算  

6


G 1311-5

:2012

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本フェロアロイ協会(JFA)及び一般財団

法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本

工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

これによって,JIS G 1311:1998 は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS G 1311 の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

G

1311-1  第 1 部:マンガン定量方法

JIS

G

1311-2  第 2 部:炭素定量方法

JIS

G

1311-3  第 3 部:けい素定量方法

JIS

G

1311-4  第 4 部:りん定量方法

JIS

G

1311-5  第 5 部:硫黄定量方法

JIS

G

1311-6  第 6 部:ほう素定量方法

JIS

G

1311-7  第 7 部:窒素定量方法


日本工業規格

JIS

 G

1311-5

:2012

フェロマンガン分析方法−第 5 部:硫黄定量方法

Method for chemical analysis of ferromanganese-

Part 5: Determination of sulfur content

適用範囲 

この規格は,フェロマンガン中の硫黄の定量方法について規定する。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS G 1301  フェロアロイ−分析方法通則

JIS Z 2616  金属材料の硫黄定量方法通則

一般事項 

分析方法に共通な一般事項は,JIS G 1301 及び JIS Z 2616 による。

定量方法の区分 

硫黄の定量方法は,次のいずれかによる。

a)  燃焼−水酸化ナトリウム滴定法  この方法は,硫黄含有率 0.005 %(質量分率)以上 0.05 %(質量分

率)以下の試料に適用する。

b)  燃焼−赤外線吸収法(積分法)  この方法は,硫黄含有率 0.005 %(質量分率)以上 0.05 %(質量分

率)以下の試料に適用する。

c)  還元蒸留−メチレンブルー吸光光度法  この方法は,硫黄含有率 0.001 %(質量分率)以上 0.05 %(質

量分率)以下の試料に適用する。

燃焼−水酸化ナトリウム滴定法 

5.1 

要旨 

試料を酸素気流中で加熱し,硫黄を十分に酸化して二酸化硫黄などにし,これを過酸化水素に吸収させ

て硫酸を生成させ,水酸化ナトリウム溶液で滴定する。

5.2 

試薬 

試薬は,JIS Z 2616 の 9.1.2(試薬)による。

5.3 

装置の組立て 

装置の組立ては,JIS Z 2616 の 9.1.3(装置の組立て)による。


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G 1311-5

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5.4 

試料はかりとり量及び助燃剤 

5.4.1 

試料はかりとり量 

試料はかりとり量は,0.5∼1.0 g の適切な量とし,0.1 mg の桁まではかる。

5.4.2 

助燃剤 

助燃剤は,JIS Z 2616 の 8.12(助燃剤)に規定するものから最も適したものを選び,使用する装置に最

も適した量を添加する。

加熱炉(管状電気抵抗加熱炉及び高周波誘導加熱炉)及び助燃剤の一般的な添加量の関係の例を,

表 1

に示す。

表 1−加熱炉及び助燃剤の例

加熱炉

助燃剤

種類

添加量

g

添加方法

管状電気抵抗加熱炉

酸化鉄(III) 

2.0 
2.0

酸化鉄(III)・試料・酸化鉄(III)の順で
層状に置き,その上を鉛で覆う。

鉄 
すず

1.0 
1.5

試料と助燃剤とを混合する。

高周波誘導加熱炉

a)

鉄 
タングステン

1.0 
1.5

試料と鉄とを混合し,その上をタングステ
ンで覆う。

鉄 
タングステン 
すず

1.0 
1.5 
0.5

試料と鉄とを混合し,その上をタングステ
ン・すずの混合物

b)

で覆う。

a)

  事前に,用いる分析装置で試料が完全燃焼できる最適な測定条件を試験しておく。

b)

  混合物は,市販品を用いてもよい。

5.5 

予備操作 

予備操作は,JIS Z 2616 の 9.1.4(予備操作)による。ただし,管状電気抵抗加熱炉を使用する場合には,

燃焼管内温度を 1 350∼1 450  ℃とする。

5.6 

定量操作 

定量操作は,JIS Z 2616 の 9.1.5(定量操作)による。

警告  燃焼操作においては,高温に加熱された磁器燃焼ボート又は磁器燃焼るつぼの取扱いは,必ず

るつぼ挟みなどを使用してやけどをしないように注意しなければならない。さらに,過剰の酸

素排気の取扱いに留意して火災発生の防止に努めなければならない。

5.7 

空試験 

空試験は,JIS Z 2616 の 9.1.6(空試験)による。

5.8 

計算 

計算は,JIS Z 2616 の 9.1.7(計算)による。

燃焼−赤外線吸収法(積分法) 

6.1 

要旨 

試料を酸素気流中で加熱し,硫黄を酸化して二酸化硫黄とし,これを酸素とともに赤外線吸収検出器に

送り,二酸化硫黄による赤外線吸収量を測定する。


3

G 1311-5

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6.2 

装置の組立て 

装置の組立ては,JIS Z 2616 の 9.5.2(装置の組立て)による。ただし,燃焼管加熱炉は,JIS Z 2616 

8.6(燃焼管加熱炉)による。

6.3 

試料はかりとり量及び助燃剤 

6.3.1 

試料はかりとり量 

試料はかりとり量は,0.1∼0.3 g の適切な量とし,0.1 mg の桁まではかる。

6.3.2 

助燃剤 

5.4.2 による。

6.4 

予備操作 

予備操作は,JIS Z 2616 の 9.5.3(予備操作)による。

6.5 

定量操作 

定量操作は,JIS Z 2616 の 9.5.4(定量操作)による。

警告  燃焼操作においては,高温に加熱された磁器燃焼ボート又は磁器燃焼るつぼの取扱いは,必ず

るつぼ挟みなどを使用してやけどをしないように注意しなければならない。さらに,過剰の酸

素排気の取扱いに留意して火災発生の防止に努めなければならない。

6.6 

空試験 

空試験は,JIS Z 2616 の 9.5.5(空試験)による。

6.7 

計算 

計算は,JIS Z 2616 の 9.5.6(計算)による。

還元蒸留−メチレンブルー吸光光度法 

7.1 

要旨 

試料を塩酸及び硝酸で分解して硫黄を酸化して硫酸塩とする。過塩素酸を加え,加熱して過塩素酸の白

煙を発生させて硝酸を除去した後,更に乾固して過塩素酸を除去した後,塩酸溶液とする。よう化水素酸

及びホスフィン酸を加えて鉄を還元し,不活性ガス気流中で加熱して硫酸塩を還元し,硫化水素を発生さ

せ,酢酸亜鉛溶液に吸収させた後,NN-ジメチル-p-フェニレンジアミンと硫酸アンモニウム鉄(III)を加

えてメチレンブルーを生成させ,分光光度計を用いて,その吸光度を測定する。

7.2 

試薬 

試薬は,次による。ただし,硫酸塩以外の試薬は,全て硫黄含有率の低いものを使用する。

7.2.1 

塩酸 

7.2.2 

硝酸 

7.2.3 

過塩素酸 

7.2.4

還元混液  よう化水素酸(55∼58 %)4 及びホスフィン酸(45∼55 %)1 の割合で混合し,不活性

ガスを流しながら穏やかに沸騰する程度に約 30 分間加熱した後,室温まで放冷する。この溶液は,褐色瓶

に入れて保存する。

7.2.5

洗浄液  塩酸(1+60)3 及びヒドラジン二塩酸塩溶液(5 g/L)1 の割合で混合する。この溶液は

使用の都度,必要量を調製する。

7.2.6

吸収液  酢酸亜鉛二水和物 55 g 及び酢酸ナトリウム三水和物 14 g を水に溶解し,酢酸 2 mL を加

え,水で液量を 1 000 mL として原液とする。この原液を使用の都度,必要量だけ,水で 5 倍に薄めて吸収

液とする。


4

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7.2.7

不活性ガス  純度の高い窒素(99.995 %以上)又はアルゴン(99.995 %以上)を使用する。

7.2.8

鉄溶液(Fe10 mg/mL)  硫黄含有率が 0.000 2 %(質量分率)以下の鉄 1.00 g をはかりとり,ビ

ーカー(300 mL)に移し入れて時計皿で覆い,塩酸(1+1)20 mL を加えて溶解し,穏やかに加熱して約

10 分間沸騰させる。これに硝酸 5 mL を少量ずつ加えて鉄を酸化し,沸騰させて窒素酸化物を追い出す。

常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 100 mL の全量フラスコに水

を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

7.2.9

硫酸アンモニウム鉄(III)溶液  硫酸アンモニウム鉄(III)12 水和物 30 g を水に溶解し,液量を

250 mL とする。

7.2.10  NN-ジメチル-p-フェニレンジアミン溶液  硫酸 180 mL を水約 500 mL 中に少量ずつかき混ぜなが

ら加え,室温まで冷却した後,これに N,  N-ジメチル-p-フェニレンジアミン硫酸塩 1.0 g を加えて溶解し,

水で液量を 1 000 mL とする。

7.2.11  硫黄標準液(S10 μg/mL)  あらかじめ 110  ℃で 2 時間乾燥し,デシケーター中で放冷した硫酸

カリウム 5.44 g を水に溶解し,溶液を 1 000 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄め

て原液(S:1 mg/mL)とする。この原液を,使用の都度,水で正確に 100 倍に薄めて硫黄標準液とする。

7.3 

装置 

装置は,通常,次の器具を連結して構成する。各器具の連結部分は,全てすり合わせとする。

図 に装

置の例を示す。

なお,装置は,新たに組んだとき又は長時間使用しなかった後に使用するときは,空試験操作を繰り返

し行って空試験値が安定してから試験に使用する。

7.3.1

蒸留フラスコ  容積約 300 mL のもの。

7.3.2

還流冷却管  長さ約 150 mm のもの。

7.3.3

洗浄瓶  容積約 150 mL のもの。

7.3.4

吸収容器  容積約 150 mL のもの。


5

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a  蒸留フラスコ 
b  還流冷却管 
c  洗浄瓶 
d  吸収容器 
e  不活性ガス 
f

1

,f

2

  コック

図 1−還元蒸留装置の例 

7.4 

試料はかりとり量 

試料はかりとり量は,

表 に従って,0.1 mg の桁まではかる。

表 2−試料はかりとり量

試料中の硫黄含有率

%(質量分率)

試料はかりとり量

g

0.001 以上  0.010 未満 0.50 
0.010 以上  0.025 未満 0.20 
0.025 以上  0.050 以下 0.10

7.5 

操作 

警告  過塩素酸の蒸気は,アンモニア,亜硝酸蒸気又は有機物が存在すると爆発する危険がある。蒸

気は,過塩素酸を使用しても安全な排気設備を備えた場所で処理しなければならない。

7.5.1 

試料溶液の調製 

試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a)  試料をはかりとって蒸留フラスコ(7.3.1)に移し入れる。

b)  硝酸 5 mL 及び塩酸 5 mL を加え,室温で 5∼20 分間放置して大部分の試料を分解した後,加熱して完

全に分解する。

c)  過塩素酸 3 mL を加え,更に鉄溶液(Fe:10 mg/mL)(7.2.8)を正確に 1.0 mL 加え,加熱濃縮して過

塩素酸の濃厚な白煙を発生させた後,放冷する。


6

G 1311-5

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d)  塩酸 5 mL を加え,再び加熱して過塩素酸の濃厚な白煙を発生させ,引き続き 250∼350  ℃の熱板上に

移して加熱し,過塩素酸の白煙が出なくなるまで加熱する。

e)  熱板から降ろし,放冷した後,塩酸 10 mL を加え,加熱して塩類を溶解し,室温まで冷却する。

7.5.2 

還元蒸留 

還元蒸留は,次の手順によって行う。

a)  7.5.1 e)  で得た試料溶液に還元混液(7.2.4)15 mL を加え,10 分間放置して鉄(III)などを還元した

後,更に還元混液 5 mL を蒸留フラスコの内壁を洗浄するようにして加える。

b)  装置を図 のように組み立てた後,洗浄瓶(7.3.3)に洗浄液(7.2.5)を 30∼80 mL 及び吸収容器(7.3.4

に吸収液(7.2.6)50 mL を入れ,還流冷却管(7.3.2)に水道水を流す。

なお,洗浄液の量は,洗浄瓶の内径によって異なるので,液層の高さが 30∼50 mm 程度になるよう

に入れる。蒸留の都度,洗浄液は新しいものと入れ換える。

c)  装置に不活性ガス(7.2.7)を毎分 100 mL の流量

1)

で流す。

d)  あらかじめ約 250  ℃に加熱してある熱板上で蒸留フラスコ内の試料溶液を約 30 分間

1)

加熱し,発生

するガスを不活性ガスとともに洗浄瓶を経由して吸収液中に導いて吸収させる。

1)

  不活性ガスの流量と溶液の加熱時間とは相互に関係があり,装置内の全容積によって,最適

な流量は若干異なるため,使用する装置によって適切な条件をあらかじめ求めておくとよい。

7.5.3 

呈色 

呈色は,次の手順によって行う。

なお,この呈色反応は,化学量論的ではないため,使用する装置及び試薬によって再現性のよい値が得

られる条件をあらかじめ求めておき,その条件を厳守する。特に呈色時の液温及び振り混ぜ条件は,でき

るだけ一定になるようにしなければならない。

a)  7.5.2 d)で得た吸収液を 100 mL 全量フラスコに水を用いて移し入れる。

b)  液温を 20  ℃以下になるように冷却し,N,  N-ジメチル-p-フェニレンジアミン溶液(7.2.10)を 10 mL

加え,穏やかに振り混ぜた後,直ちに硫酸アンモニウム鉄(III)溶液(7.2.9)を正確に 2.0 mL 加えて

1 分間激しく振り混ぜ,水で標線まで薄める。

7.5.4 

吸光度の測定 

7.5.3 で得た呈色溶液を 15 分間放置した後,その一部を分光光度計の吸収セル(10 mm)に取り,水を

対照液として 665 nm 付近の吸光度を測定する。

7.6 

空試験 

試薬だけを用いて,7.5.17.5.4 の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行う

2)

2)

  7.7 の硫黄標準液(S:10 μg/mL)(7.2.11)を添加しない溶液を用いてもよい。

7.7 

検量線の作成 

検量線の作成は,次の手順によって行う。

a)  数個の白金皿(100 番)に硫黄標準液(S:10 μg/mL)(7.2.11)を 0∼5 mL(硫黄として 0∼50 μg)を

段階的に取り,7.5.1 b)  ∼7.5.4 の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行う。

b)  7.5.4 で得た吸光度と硫黄量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線

とする。

7.8 

計算 

7.7 で作成した検量線から 7.5.4 で得た吸光度に対応する硫黄量を求め,試料中の硫黄含有率を,次の式

によって算出する。


7

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100

2

1

×


m

A

A

S

ここに,

S

試料中の硫黄含有率[%(質量分率)

A

1

試料溶液中の硫黄検出量(g)

A

2

空試験で得られた硫黄検出量(g)

m

試料はかりとり量(g)