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G 1258-6

:2007

(1) 

目  次

ページ

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  一般事項

2

4

  要旨

2

5

  試薬

2

6

  ICP 発光分光分析装置

2

6.1

  性能基準

2

6.2

  短時間安定性

2

6.3

  性能基準の調査頻度

3

7

  試料はかりとり量

3

8

  操作

3

8.1

  試料溶液の調製

3

8.2

  発光強度の測定

3

9

  空試験

4

10

  共存成分のスペクトル重なり係数

4

11

  検量線の作成

4

11.1

  検量線用溶液の調製

4

11.2

  検量線の作成

5

12

  検量線の校正

5

13

  計算

5

14

  許容差

5


G 1258-6

:2007

(2) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本鉄鋼連盟(JISF)から,工業標準

原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大

臣が制定した日本工業規格である。

これによって,JIS G 1258:2005 は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。

JIS G 1258

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS G 1258-0

  第 0 部:一般事項

JIS G 1258-1

  第 1 部:けい素,マンガン,りん,ニッケル,クロム,モリブデン,銅,バナジウム,

コバルト,チタン及びアルミニウム定量方法−酸分解・二硫酸カリウム融解法

JIS G 1258-2

  第 2 部:マンガン,ニッケル,クロム,モリブデン,銅,タングステン,バナジウム,

コバルト,チタン及びニオブ定量方法−硫酸りん酸分解法

JIS G 1258-3

  第 3 部:けい素,マンガン,りん,ニッケル,クロム,モリブデン,銅,バナジウム,

コバルト,チタン及びアルミニウム定量方法−酸分解・炭酸ナトリウム融解法

JIS G 1258-4

  第 4 部:ニオブ定量方法−硫酸りん酸分解法又は酸分解・二硫酸カリウム融解法

JIS G 1258-5

  第 5 部:ほう素定量方法−硫酸りん酸分解法

JIS G 1258-6

  第 6 部:ほう素定量方法−酸分解・炭酸ナトリウム融解法

JIS G 1258-7

  第 7 部:ほう素定量方法−ほう酸トリメチル蒸留分離法


   

日本工業規格

JIS

 G

1258-6

:2007

鉄及び鋼−ICP 発光分光分析方法−

第 6 部:ほう素定量方法−

酸分解・炭酸ナトリウム融解法

Iron and steel

−ICP atomic emission spectrometric method−

Part 6 : Determination of boron content

Dissolution in acids and fusion with sodium carbonate

1

適用範囲

この規格は,ICP 発光分光分析方法による鋼中のほう素定量方法のうち,酸分解・炭酸ナトリウム融解法

について規定する。この方法は,ほう素含有率(質量分率)0.001

%以上 0.010

%以下の定量に適用する。

ただし,この方法は,共存する各成分の含有率が 1 成分でも

表 の含有率上限値を超える鋼には適用しな

い。

表 1−共存成分の含有率上限値

共存成分

含有率上限値[質量分率(%)

けい素 2.0

マンガン 20.0

りん 0.10

ニッケル 10.0

クロム 35.0

モリブデン 3.0

銅 5.0

バナジウム 1.0

コバルト 1.0

チタン 2.5

アルミニウム 1.5

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS G 1258-0

  鉄及び鋼−ICP 発光分光分析方法−第 0 部:一般事項

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS Z 8402-6

  測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第 6 部:精確さに関する値の実用的

な使い方


2

G 1258-6

:2007

   

3

一般事項

定量方法に共通な一般事項は,JIS G 1258-0 による。

4

要旨

試料を塩酸と硝酸とで分解した後,溶液をろ過する。不溶解残さは,炭酸ナトリウムで融解してろ液に

合わせる。定量を発光強度法による場合は,この溶液を ICP 発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴

霧してほう素の発光強度を測定する。定量を強度比法による場合には,この溶液に内標準元素

1)

としてイ

ットリウムを添加して,ICP 発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,ほう素及びイットリウム

の分析線の発光強度を測定して,ほう素発光強度のイットリウム発光強度に対する比を算出する。

注記  発光強度を測定する分析線については,JIS G 1258-0 の 5.1 に規格群共通規定が記載されてい

る。この規格に適したほう素の分析線としては,182.59 nm,182.64 nm,208.96 nm,249.68 nm

などがあり,イットリウムの分析線としては 371.03 nm が挙げられる。

1)

内標準元素及びその添加量については,JIS G 1258-0 の 5.2 に規格群共通規定が記載されてい

る。

5

試薬

試薬は,次による。

注記  試薬のうち,標準液については,JIS G 1258-0 の 5.3 に規格群共通規定が記載されている。

5.1

塩酸(1+1,2+100)

5.2

混酸(塩酸 1,硝酸 1,水 2)

5.3

炭酸ナトリウム

5.4

鉄  純度の高い鉄で,ほう素を含有しないか,又はほう素の含有率が低くて既知のもの。

5.5

イットリウム溶液(Y 1 mg/mL)  三酸化二イットリウム(質量分率 99.9

%以上)1.270 g をはかり

とってビーカー(200 mL)に移し入れ,塩酸(1+1)50 mL を加えて穏やかに加熱して分解する。常温ま

で冷却した後,溶液を 1 000 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

5.6

ほう素標準液原液(B 100 µg/mL)  ほう酸 0.572 0 g をはかりとってビーカー(200 mL)に移し入

れ,水約 50 mL を加えて溶解する。溶液を 1 000 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線ま

で薄めて原液とする。

5.7

ほう素標準液 A(B 10 µg/mL)  ほう素標準液原液(5.6)を使用の都度,必要量だけ水で正確に 10

倍に薄めてほう素標準液 A とする。

5.8

ほう素標準液 B(B 1 µg/mL)  ほう素標準液原液(5.6)を使用の都度,必要量だけ水で正確に 100

倍に薄めてほう素標準液 B とする。

6

ICP

発光分光分析装置

6.1

性能基準

この規格で用いる ICP 発光分光分析装置は,6.2 で規定する短時間安定性を満足するように分析線,励

起条件,測光条件などを選定しなければならない。

6.2

短時間安定性

表 の検量線用溶液の No.2 液及び No.7 液について,8.2 の操作を連続 10 回行ってほう素の発光強度,

又は定量を強度比法による場合にはイットリウム発光強度との比[以下,発光強度(比)という。

]を 10 個


3

G 1258-6

:2007

求める。箇条 11 によって作成した検量線を用いて 10 個のほう素の発光強度(比)をほう素量に換算し,

ほう素量を試料 0.5 g 中のほう素含有率[質量分率(%)

]に換算する。短時間安定性として,各液で得ら

れた 10 個の含有率換算値の標準偏差が,いずれも

表 に規定する評価基準値以下でなければならない。

表 2−短時間安定性の評価基準値

調査溶液 No.2 液 No.7 液

評価基準値[質量分率(%)

] 0.000

1 0.000

2

6.3

性能基準の調査頻度

性能基準の調査は,期間を定めて定期的に行う。分析条件の変更,オーバーホールなど,装置の状態が

変わる可能性がある場合には,必ず行わなければならない,

7

試料はかりとり量

試料のはかりとり量は,0.50 g とする。

8

操作

8.1

試料溶液の調製

試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかりとって石英ガラス製ビーカー(200 mL)に移し入れ,石英ガラス製時計皿で覆う。

b)

混酸(5.2)25 mL を加え,穏やかに加熱して分解し,引き続き加熱して窒素酸化物などを追い出す。

冷却した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除く。

c)

少量のろ紙パルプを加えてかき混ぜ,不溶解残さをろ紙(5 種 C)を用いてこし分け,ビーカー内壁

に付着した残さを,ポリスマン(ゴム付きガラス棒)を用いてこすり落としてろ紙上に移し,40∼60

に温めた塩酸(2+100)及び温水を用いてろ紙に塩化鉄(Ⅲ)による黄色が認められなくなるまで洗浄

する。ろ液及び洗液は石英ガラス製ビーカー(200 mL)に集めて主液として保存する。

d)  c)

の不溶解残さをろ紙とともに白金るつぼ(30 番)に移し入れ,加熱して乾燥し,550

℃で灰化する。

放冷した後,炭酸ナトリウム 1.0 g を加え,白金製のふたをして初めは徐々に加熱し,次第に温度を高

めて強熱し,るつぼの内容物を融解する。

e)

放冷した後,白金るつぼに少量の温水及び塩酸(1+1)5 mL を加え,穏やかに加熱して融成物を溶解

し,溶液を c)

で保存しておいた主液に合わせる。

f)

常温まで冷却した後,溶液を,あらかじめ JIS K 0050 

附属書 の 3.(全量フラスコの校正方法)に

従って校正した 100 mL のポリエチレン製全量フラスコに,水を用いて移し入れ,水で標線まで薄め

る。定量法として強度比法を適用する場合は,内標準元素

1)

としてイットリウム溶液(5.5)を正確に

10 mL

添加した後に,水で標線まで薄める。

8.2

発光強度の測定

8.1 f)

で得た溶液の一部を ICP 発光分光分析装置(箇条 6)のアルゴンプラズマ中に噴霧し,ほう素の発

光強度を測定する。強度比法を適用する場合は,内標準元素

1)

のイットリウムの発光強度を同時に測定し,

ほう素発光強度のイットリウム発光強度に対する比を算出する。溶液に残さがある場合は,溶液の一部を

ろ紙(5 種 C)でろ過してアルゴンプラズマ中に噴霧する。

ほう素は,他の成分に比べスプレーチャンバー内に滞留する時間が長いため,洗浄時間及び/又は予備

噴霧時間を通常より長くとって測定する。また,各試料溶液の発光強度の測定の間に洗浄液の発光強度を


4

G 1258-6

:2007

   

測定し,その強度が定常状態の強度まで下がって前試料溶液の影響がなくなったことを確認するのが望ま

しい。

9

空試験

鉄(5.4)0.500 g を石英ガラス製ビーカー(200 mL)に移し入れ,石英ガラス製時計皿で覆う。以下,

8.1

の b)∼f)

及び 8.2 の手順に従って,試料と同じ操作を試料と併行して行う。

10

共存成分のスペクトル重なり係数

あらかじめ各共存成分 j の発光スペクトルとほう素の分析線との重なりについて調べ,スペクトルの重

なりがある場合には,スペクトル重なり補正係数 L

j

を次の手順によって求める。

注記  共存成分のスペクトル重なり係数については,JIS G 1258-0 の 5.4 に規格群共通規定が記載さ

れている。

a)

箇条 11 の手順に従ってほう素の検量線を作成する。

b)

共存成分 j を段階的に添加した鉄と共存成分 j の二元系溶液を 3 又は 4 水準調製した後,8.2 によって

発光強度(比)を測定する。

c)

b)

で得た各発光強度(比)から,a)

で作成した検量線を用いて鉄−j 二元系溶液中の見かけのほう素

量を求め,その量から見かけのほう素含有率換算値[質量分率(%)

]を算出する。

d)

各溶液において,共存成分添加量の含有率換算値[質量分率(%)

]を X,その液での見かけのほう素

含有率換算値[質量分率(%)

]を として,共存成分 j を添加した液全体(添加量ゼロを含む。

)の

データによって,両者の一次回帰式(aX b)の係数 及び の値を求める。

e)

d)

で得た一次回帰式のこう配 を,ほう素に対する共存成分 j のスペクトル重なり補正係数 L

j

とする。

11

検量線の作成

注記  検量線の作成については,JIS G 1258-0 の 5.5 に規格群共通規定が記載されている。

11.1

検量線用溶液の調製

検量線用溶液は,次の手順で調製する。検量線用溶液は,試料と同じ手順で調製するが,試料と併行に

は調製しなくてもよい。

a) 7

個の石英ガラス製三角フラスコ(200 mL)を準備し,それぞれに鉄(5.4)0.500 g をはかりとって移

し入れる。

b)

表 に従ってほう素標準液を正確に加える。

c)

8.1 b)

8.1 f)

の操作を行う。

表 3−検量線用溶液へのほう素標準液添加量

検量線用溶液 No.

使用ほう素標準液

添加量

mL

ほう素添加量

µg

試料中含有率換算値

[質量分率(%)

1

(ゼロメンバー)

 0

 0

0

2

ほう素標準液 B(5.8

 5

 5

0.001

3

ほう素標準液 B(5.8) 10

10

0.002

4

ほう素標準液 A(5.7

2

20

0.004

5

ほう素標準液 A(5.7

3

30

0.006

6

ほう素標準液 A(5.7

4

40

0.008

7

ほう素標準液 A(5.7

5

50

0.010


5

G 1258-6

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11.2

検量線の作成

11.1

で調製した各検量線用溶液について 8.2 の操作を行い,得た各検量線用溶液の発光強度(比)と添

加したほう素量との関係線を作成して検量線とする。発光強度の測定は,検量線の校正を行う場合には,

試料と併行に測定しなくてもよい。

12

検量線の校正

試料溶液の発光強度(比)測定時に,作成した検量線に経時変化があるときは,ほう素添加量が異なる

2

個の検量線用溶液

2)

を用意し,8.2 によって発光強度(比)を測定し,得た発光強度(比)の検出量換算

値が検量線作成時におけるそれら溶液の検出量換算値と一致するように,検量線を校正する。

2)

例えば,検量線用溶液の上限及び下限の 2 個を用いる。

13

計算

計算は,次の手順によって行う。

注記  計算については,JIS G 1258-0 の 5.6 に規格群共通規定が記載されている。

a)

未補正含有率の算出  8.2 及び空試験(箇条 9)で得た発光強度(比)を,箇条 11 で作成した検量線

又は箇条 12 で校正した検量線によってほう素量に換算し,試料中のほう素の未補正含有率を式

(2)

よって算出する。

100

3

2

1

×

+

m

m

m

m

'

B

 (2)

ここに,

B'

: 試料中のほう素の未補正含有率[質量分率(%)

m

1

: 試料溶液中のほう素検出量(g)

m

2

: 空試験液中のほう素検出量(g)

m

3

: 空試験ではかりとった鉄(

5.4

)中のほう素量(g)

m

: 試料はかりとり量(g)

b

)

定量値の算出

a

)

で得た未補正含有率(B'

,箇条

10 e

)

で求めたスペクトル重なり補正係数(L

j

)及

び他の方法又は ICP 発光分光分析方法で得た共存成分の含有率(W

j

)から,試料中のほう素の含有率

を式

(3)

によって算出する。

B

B'

Σ

(L

j

×W

j

)  (3)

ここに,

B

:  試料中のほう素含有率[質量分率(%)

B'

a

)

で得たほう素の未補正含有率[質量分率(%)

L

j

:  箇条

10 e

)

で得た共存成分 j のスペクトル重なり補正係数

W

j

:  試料中の共存成分 j の含有率[質量分率(%)

14

許容差

この規格による鋼中のほう素定量の許容差は,

表 4

による。


6

G 1258-6

:2007

   

表 4

許容差

ほう素定量値の平均値

[質量分率(%)

併行許容差

[質量分率(%)

室内再現許容差

[質量分率(%)

室間再現許容差

[質量分率(%)

0.001

以上  0.010 以下

(n)

×[0.005 7×(B)+0.000 053]

(n)

×[0.007 4×(B)+0.000 094]

(n)

×0.000 203

許容差計算式中の f(n)

の値は,JIS Z 8402-6 

表 1(許容範囲の係数)による。の値は,併行許容差の場合は併

行分析回数,室内再現許容差の場合は,同一分析室内における独立分析回数,室間再現許容差の場合は,分析に関
与した分析室数である。また,

B)は,許容差を求めるほう素定量値の平均値[質量分率(%)

]である。