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G 1257-17-2

:2013 (ISO 10698:1994)

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  原理 

2

4

  試薬 

2

5

  装置及び器具  

2

6

  サンプリング  

3

7

  操作 

3

7.1

  試料はかりとり量  

3

7.2

  空試験  

3

7.3

  定量  

3

8

  結果の表示  

6

8.1

  計算方法  

6

8.2

  許容差  

7

9

  特殊な場合  

8

10

  操作上の注意  

8

11

  分析報告書  

8

附属書 A(規定)装置基準の求め方  

9

附属書 B(参考)国際共同実験での追加情報  

13

附属書 C(参考)許容差データの図  

14


G 1257-17-2

:2013 (ISO 10698:1994)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本鉄鋼連盟(JISF)から,工

業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済

産業大臣が制定した日本工業規格である。

これによって,JIS G 1257:2000 は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS G 1257

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

G

1257-0

  第 0 部:一般事項

JIS

G

1257-1

  第 1 部:マンガン定量方法−酸分解フレーム法

JIS

G

1257-2

  第 2 部:りん定量方法−モリブドりん酸抽出間接フレーム法

JIS

G

1257-3

  第 3 部:ニッケル定量方法−酸分解フレーム法

JIS

G

1257-4

  第 4 部:クロム定量方法−酸分解フレーム法

JIS

G

1257-5

  第 5 部:モリブデン定量方法−酸分解フレーム法

JIS

G

1257-6

  第 6 部:銅定量方法−酸分解フレーム法

JIS

G

1257-7

  第 7 部:バナジウム定量方法−酸分解フレーム法

JIS

G

1257-8

  第 8 部:コバルト定量方法−酸分解フレーム法

JIS

G

1257-9

  第 9 部:チタン定量方法−酸分解フレーム法

JIS

G

1257-10-1

  第 10 部:アルミニウム定量方法−第 1 節:酸分解フレーム法

JIS

G

1257-10-2

  第 10 部:アルミニウム定量方法−第 2 節:酸可溶性アルミニウム定量方法

JIS

G

1257-10-3

  第 10 部:アルミニウム定量方法−第 3 節:鉄分離フレーム法

JIS

G

1257-10-4

  第 10 部:アルミニウム定量方法−第 4 節:電気加熱法

JIS

G

1257-11-1

  第 11 部:すず定量方法−第 1 節:よう化物抽出フレーム法

JIS

G

1257-11-2

  第 11 部:すず定量方法−第 2 節:電気加熱法

JIS

G

1257-12-1

  第 12 部:鉛定量方法−第 1 節:酸分解フレーム法

JIS

G

1257-12-2

  第 12 部:鉛定量方法−第 2 節:よう化物抽出フレーム法

JIS

G

1257-12-3

  第 12 部:鉛定量方法−第 3 節:電気加熱法

JIS

G

1257-13

  第 13 部:マグネシウム定量方法−酸分解フレーム法

JIS

G

1257-14

  第 14 部:カルシウム定量方法−酸分解フレーム法

JIS

G

1257-15-1

  第 15 部:亜鉛定量方法−第 1 節:酸分解フレーム法

JIS

G

1257-15-2

  第 15 部:亜鉛定量方法−第 2 節:よう化テトラヘキシルアンモニウム・トリオクチ

ルアミン抽出フレーム法

JIS

G

1257-16-1

  第 16 部:ビスマス定量方法−第 1 節:よう化物抽出フレーム法

JIS

G

1257-16-2

  第 16 部:ビスマス定量方法−第 2 節:電気加熱法

JIS

G

1257-17-1

  第 17 部:アンチモン定量方法−第 1 節:よう化物抽出フレーム法


G 1257-17-2

:2013 (ISO 10698:1994)

(3)

JIS

G

1257-17-2

  第 17 部:アンチモン定量方法−第 2 節:電気加熱法

JIS

G

1257-18-1

  第 18 部:テルル定量方法−第 1 節:よう化物抽出フレーム法

JIS

G

1257-18-2

  第 18 部:テルル定量方法−第 2 節:電気加熱法

JIS

G

1257-19-1

  第 19 部:ひ素定量方法−第 1 節:電気加熱法

JIS

G

1257-19-2

  第 19 部:ひ素定量方法−第 2 節:水素化物発生法(予定)

JIS

G

1257-20

  第 20 部:セレン定量方法−電気加熱法


日本工業規格

JIS

 G

1257-17-2

:2013

(ISO 10698

:1994

)

鉄及び鋼−原子吸光分析方法−

第 17 部:アンチモン定量方法−第 2 節:電気加熱法

Iron and steel-Atomic absorption spectrometric method-

Part 17: Determination of antimony-Section 2: Electrothermal atomization

序文 

この規格は,1994 年に第 1 版として発行された ISO 10698 を基に,技術的内容及び構成を変更すること

なく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。

適用範囲 

この規格は,鋼中のアンチモン含有率を,電気加熱原子吸光分析によって定量する方法について規定す

る。この方法は,アンチモン含有率(質量分率)0.000 5 %以上 0.010 %以下の定量に適用する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 10698:1994

, Steel − Determination of antimony content − Electrothermal atomic absorption

spectrometric method(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”こ

とを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS G 0417

  鉄及び鋼−化学成分定量用試料の採取及び調製

注記  対応国際規格では,ISO 377-2:1989,Selection and preparation of samples and test pieces of

wrought steels−Part 2: Samples for the determination of the chemical composition が引用されてい

るが,この規格は,ISO 14284,Steel and iron−Sampling and preparation of samples for the

determination of chemical composition が最新版となっているので,その国際一致規格である JIS 

G 0417

を引用規格とした。

JIS G 1201

  鉄及び鋼−分析方法通則

JIS K 0557

  用水・排水の試験に用いる水

JIS R 3505

  ガラス製体積計

ISO 385-1:1984

,Laboratory glassware−Burettes−Part 1: General requirements

ISO 648:1977

,Laboratory glassware−One-mark pipettes


2

G 1257-17-2

:2013 (ISO 10698:1994)

ISO 1042

,Laboratory glassware−One-mark volumetric flasks

ISO 3696

,Water for analytical laboratory use−Specification and test methods

ISO 5725:1986

,Precision of test methods−Determination of repeatability and reproducibility for a standard

test method by inter-laboratory tests

原理 

試料を塩酸及び硝酸で分解した後,一定量に薄める。一定量の溶液を,原子吸光分析装置の電気加熱方

式の原子化部に注入する。アンチモン中空陰極ランプ又はアンチモン無電極放電ランプから放射される,

波長 217.6 nm の光のバックグラウンド補正を行った吸光度を測定する。

試料溶液及び空試験液の標準添加法によって定量する。

注記  この規格では,試料溶液に標準添加して調製する(調製した)液を試料添加溶液,空試験液に

標準添加して調製した液を空試験添加溶液としている。

試薬 

分析においては,特に規定しない限り,分析用保証試薬及び ISO 3696 に規定された等級 2 の水を使用す

る。ISO 3696 に規定された等級 2 の水の代わりに,JIS K 0557 に規定する種別 A3 又は A4 の水を用いて

もよい。

4.1 

硝酸  密度約 1.40 g/mL

4.2 

塩酸  密度約 1.19 g/mL

4.3 

りん酸  密度約 1.71 g/mL

4.4 

硝酸  密度約 1.40 g/mL の希釈 1+1

4.5 

アンチモン標準液 

4.5.1 

アンチモン原液(Sb:1.00 g/L)

アンチモン(質量分率 99.9 %以上)0.100 g を 0.1 mg の桁まではかりとり,ビーカー(100 mL)に移し

入れる。塩酸(4.2)30 mL 及び硝酸(4.1)5 mL を加え,時計皿で覆い,アンチモンが完全に溶解するま

で加熱し,更に穏やかに沸騰させて窒素酸化物を追い出す。常温まで冷却した後,時計皿の下面を硝酸(4.4

で洗って時計皿を取り除く。洗液は,ビーカーに入れる。溶液を硝酸(4.4)を用いて 100 mL の全量フラ

スコに移し入れ,硝酸(4.4)で標線まで薄める。ポリエチレン製容器に入れて保存する。

この原液 1 mL は,アンチモン 1.00 mg を含有する。

4.5.2 

アンチモン標準液(Sb:0.010 g/L)

アンチモン原液(4.5.1)1.0 mL を分取して 100 mL の全量フラスコに入れ,硝酸(4.4)で標線まで薄め

る。この標準液は,使用の都度調製する。

この標準液 1 mL は,アンチモン 10

μg を含有する。

装置及び器具 

ガラス体積計は,全て ISO 385-1ISO 648 又は ISO 1042 に規定されたもので,等級 A のものを使用す

る。ISO 385-1 に規定されたビュレットの代わりに,JIS R 3505 に規定するビュレットを用いてもよい。ISO 

648

に規定された全量ピペットの代わりに,JIS R 3505 に規定する全量ピペットを用いてもよい。ISO 1042

に規定された全量フラスコの代わりに,JIS R 3505 に規定する全量フラスコを用いてもよい。

その他の器具は,通常の分析用器具及び次のものを使用する。


3

G 1257-17-2

:2013 (ISO 10698:1994)

5.1 

マイクロピペット  容積 100∼500 μL のもの。

5.2 

自動サンプラ  原子吸光分析装置に備えられたもので,10∼50 μL の範囲内の指定液量(整数値)を

採取・注入する機構を備えたもの。

注記  対応国際規格では,マイクロピペットを備えたものとなっているが,現在では,マイクロピペ

ットを備えた装置は製造されていないため字句を修正した。

5.3 

原子吸光分析装置及び電気加熱方式原子化部  バックグラウンド補正機構,及び高速度記録計又は

コンピュータ化された読取り装置を備えたもの。

装置は,ランプ及び装置の製造業者が推奨する電流値によって,単元素中空陰極ランプ又は無電極放電

ランプを使用できるものでなければならない。

使用する原子吸光分析装置及び電気加熱方式原子化部は,7.3.4.2 に従って適正化した後,5.3.15.3.3 

示した装置基準を満たせば,十分な性能をもつものとみなせる。

また,5.3.4 に示した基準を満足することが望ましい。

5.3.1 1 

%

吸収質量 

1 %吸収質量は,A.1 によって求め,アンチモンの 1 %吸収質量の値は,25 pg 以下でなければならない。

5.3.2 

短時間安定性 

短時間安定性は,A.2 によって求め,最高濃度の空試験添加溶液(

表 の B

5

)の短時間安定性は,同溶

液の平均吸光度の 10 %を,また,最低濃度の空試験添加溶液(B

1

溶液を除く。

)の短時間安定性は,最高

濃度空試験添加溶液の平均吸光度の 4 %を超えてはならない。

5.3.3 

検出下限 

検出下限は,A.3 によって求め,アンチモンの検出下限の値は,20 pg 以下でなければならない。

5.3.4 

検量線の直線性 

検量線の直線性は,A.4 によって求め,その値は,0.95 以上でなければならない。

サンプリング 

サンプリングは,JIS G 0417 による。

操作 

7.1 

試料はかりとり量 

試料はかりとり量は,アンチモンの含有率に応じて,次による。

a) 

アンチモン含有率(質量分率)0.000 5 %以上 0.005 0 %未満の場合 

1.00 g を,0.1 mg の桁まではかりとる。

b) 

アンチモン含有率(質量分率)0.005 0 %以上 0.010 0 %以下の場合 

0.25 g を,0.1 mg の桁まではかりとる。

7.2 

空試験 

試料と併行して,全試薬の同量を用いて試料と同じ操作による空試験を行う。試料を入れずに 7.3.1 の操

作によって得られる溶液が空試験液である。空試験液中のアンチモン含有量は,10 ng/mL 以上であっては

ならない。

7.3 

定量 

7.3.1 

試料溶液の調製(箇条 10 参照)

はかりとった試料(7.1 参照)をビーカー(250 mL)に移し入れる。塩酸(4.2)5 mL 及び硝酸(4.1)5


4

G 1257-17-2

:2013 (ISO 10698:1994)

mL を加え,時計皿で覆い,分解反応が終了するまで穏やかに加熱し,1 分間沸騰させて窒素酸化物を追い

出す。

試料溶液(この溶液は炭化物を含むことがある。

)を,常温まで放冷する。時計皿の下面を水で洗って時

計皿を取り除く。洗液は,ビーカーに入れる。水約 15 mL を加え,ろ紙(5 種 B)でろ過して 200 mL の全

量フラスコに集める。ろ紙は,温水で数回洗浄し,洗液は全量フラスコに集める。残さは捨てる。溶液を

水で標線まで薄め,試料溶液とする。

7.3.2 

試料添加溶液の調製 

100 mL の全量フラスコ 5 個を準備し,それぞれに試料溶液(7.3.1 参照)20.0 mL を分取して移し入れる。

次に,マイクロピペット(5.1)を用いて

表 に従ってアンチモン標準液(4.5.2)を添加し,水で標線まで

薄める。これらの溶液を,それぞれ S

1

,S

2

,S

3

,S

4

及び S

5

とする。

表 1−試料添加溶液の調製 

溶液の名称

アンチモン標準液

4.5.2)添加量

μL

試料添加溶液中に添加し

たアンチモン濃度

ng/mL

原子化部に注入した試料溶液中に添加

したアンチモン量

ng

注入量

10 μL 50

μL

S

1

a)

  0

 0

0

0

S

2

 100

10

0.1

0.5

S

3

 200

20

0.2

1.0

S

4

 400

40

0.4

2.0

S

5

 500

50

0.5

2.5

a)

  ゼロメンバー

7.3.3 

空試験添加溶液の調製 

100 mL の全量フラスコ 5 個を準備し,それぞれに空試験液(7.2 参照)20.0 mL を分取して移し入れる。

次に,マイクロピペット(5.1)を用いて

表 に従ってアンチモン標準液(4.5.2)を添加し,水で標線まで

薄める。これらの溶液を,それぞれ B

1

,B

2

,B

3

,B

4

及び B

5

とする。

表 2−空試験添加溶液の調製 

溶液の名称

アンチモン標準液

4.5.2)添加量

μL

空試験添加溶液中に添加

したアンチモン濃度

ng/mL

原子化部に注入したアンチモン量

ng

注入量

10 μL 50

μL

B

1

a)

  0

 0

0

0

B

2

 100

10

0.1  0.5

B

3

 200

20

0.2  1.0

B

4

 400

40

0.4  2.0

B

5

 500

50

0.5  2.5

a)

  ゼロメンバー

7.3.4 

測定 

7.3.4.1 

原子吸光分析装置の調整 

表 を参照して調整する。


5

G 1257-17-2

:2013 (ISO 10698:1994)

表 3−原子吸光分析装置の調整 

項目

指標

ランプの型式

アンチモンの中空陰極ランプ又は無電極放電ランプ

波長 217.6

nm

ランプ電流

装置製造業者の推奨値に従う。

バンド幅

装置製造業者の推奨値に従う。

バックグラウンド補正

アンチモンの波長 217.6 nm は,鉄の波長 217.8 nm と近接している。 
ゼロメンバーの吸光度が最低濃度添加溶液の精度と同等の値を示すなら

ば,バックグラウンド補正を行う必要がある。

7.3.4.2 

原子吸光分析装置のパラメータ及び電気加熱方式原子化部の最適化 

装置製造業者の指示書に従って必要とする装置のパラメータを調節し,電気加熱方式原子化部を装着す

1)

1)

  各操作パラメータの最適条件は,装置ごとに異なる。スケール拡大機構は,必要な読取りを行

うために使用した方がよいかもしれない。

特別な形式の電気加熱方式原子化部のパラメータ最適条件及び試料溶液注入量は,装置製造業者の推奨

か又は分析室で通常実施している値を基に決定する。

装置のゼロ点調節を行い,記録計のベースラインを設定する。

事前加熱プログラムの作動によって黒鉛原子化部の黒鉛管を加熱し,ゼロ点の安定性と原子化機構内に

分光干渉のないことを確認する。ベースラインが安定するまで黒鉛管の加熱操作を繰り返す。

分析用の新しい黒鉛管は,少なくとも 2 回加熱して空試験値を低減させる。

5.3.1

5.3.3 の装置基準に対する評価及び 5.3.4 に示す追加基準に対する評価を行い,装置が分析に適し

ているかどうかを確認する。

7.3.4.3 

吸光度の測定 

自動サンプラ(5.2)を使用して,試料添加溶液及び空試験添加溶液のあらかじめ決めた一定量

2)

を,装

置の応答信号が増大していく順番で原子化部に注入する。

2)

  原子化部に注入する量は,10∼50 μL の間で,感度,マトリックスの影響及び直線性の範囲を考

慮して決めるのが望ましい。

各溶液を 3 回ずつ原子化する。ピーク高さ測定によって 3 回の読み値を記録する。

得た値を値が増加していく順に並べ(x

1

x

2

x

3

,最も小さい値(x

1

)と最も大きい値(x

3

)のいずれが

異常値として疑わしいかを決めて Dixon の棄却検定を適用する。

)

/(

)

(

1

3

2

3

x

x

x

x

  (

x

3

が疑わしいとき)

又は

)

/(

)

(

1

3

1

2

x

x

x

x

  (

x

1

が疑わしいとき)

もし,上記計算値が

0.970

以下であれば,

3

個の平均値を求める。

0.970

を超えた場合は,異常値として

棄却し,残った

2

個の値を平均する。

メモリー効果,特に高濃度レベルでのメモリー効果については,装置ブランクテストを行ってチェック

する。必要ならベースラインを再設定する。定量において測定した全てのピーク高さ値を記録する。

7.3.5 

添加グラフの作成

3)

各空試験添加溶液

B

i

(溶液

B

1

B

5

)における

3

回の読み値の平均を計算する。

平均読み値と空試験添加溶液に添加したアンチモンの質量(

ng

)との関係線を描く。


6

G 1257-17-2

:2013 (ISO 10698:1994)

各試料添加溶液

S

i

(溶液

S

1

S

5

)における

3

回の読み値の平均を計算する。

平均読み値と試料添加溶液に添加したアンチモンの質量(

ng

)との関係線を描く。

3)

標準添加法では,装置のバックグラウンド補正によって全ての非特性吸収効果(

non-specific

absorption effects

(干渉)を除去することができる。

アンチモンは,試薬の中に存在する可能性がある。この空試験値は,添加グラフの中に包含

しているので,添加グラフは原点を通ることはない。

空試験と試料の標準添加グラフは,平行であることが望ましい。

結果の表示 

8.1 

計算方法 

2

本の添加グラフ(7.3.5 参照)における直線を延長して質量を示す横軸との

2

個の交点から,試料添加

溶液及び空試験添加溶液中のアンチモン

m

Sb, 1

及び

m

Sb, 0

の質量(

ng

)を求める。その差(

m

Sb, 1

m

Sb, 0

)が,

試料添加溶液(溶液

S

1

)中のアンチモン

m

Sb

の真の質量である。

アンチモンの真の質量

m

Sb

は,空試験添加溶液

B

i

(溶液

B

1

B

5

)及び試料添加溶液

S

i

(溶液

S

1

S

5

)の

2

本の直線に最小二乗法を適用して計算することができる。

直線の計算式は,次の式による。

bm

a

y

+

=

ここに,

  a

及び

b

は,それぞれ,

y

軸との交点及び直線の傾斜を示す

2

個の定数

である。

b

及び

a

は,次に示す最小二乗法を用いて計算する。

2

2

)

(

 

=

i

i

i

i

i

i

m

m

n

y

m

y

m

n

b

=

)

(

1

i

i

m

b

y

n

a

傾斜

b

の直線と

x

軸との交点は,

(

a/b)

であり,この値がアンチモンの質量となる。よって,試料添加

溶液及び空試験添加溶液中のアンチモン

m

Sb, 1

及び

m

Sb, 0

の質量(

ng

)は,次の式による。

)

(

1

1

1

,

1

1

Sb,

=

i

i

m

b

y

nb

m

=

)

(

1

0

0

,

0

0

,

Sb

i

i

m

b

y

nb

m

0

,

Sb

1

,

Sb

Sb

m

m

m

=

ここに,

b

方程式の係数

n

分析した溶液の数

a

y

軸との交点

m

i

試料添加溶液

S

i

又は空試験添加溶液

B

i

に添加したアン

チモンの質量(

ng

y

i

試料添加溶液

S

i

又は空試験添加溶液

B

i

の吸光度

y

i, 1

試料添加溶液

S

i

の吸光度

y

i, 0

空試験添加溶液

B

i

の吸光度

m

Sb, 1

試料添加溶液から求めたアンチモンの質量(

ng

m

Sb, 0

空試験添加溶液から求めたアンチモンの質量(

ng

試料中のアンチモンの含有率は,次の式を用いて計算する。


7

G 1257-17-2

:2013 (ISO 10698:1994)

100

10

10

9

3

4

1

3

2

Sb

Sb

×

×

×

×

×

=

m

V

V

V

V

m

w

1

Sb

9

2

1

5

Sb

1

.

0

10

10

20

200

10

V

m

m

m

V

m

×

×

=

×

×

×

×

=

ここに,

w

Sb

試料中のアンチモン含有率[質量分率(%)

m

Sb

試料添加溶液(S

1

)中のアンチモンの真の質量(ng)

V

1

試料添加溶液及び空試験添加溶液シリーズ(

表 及び表

2

参照)の注入量(mL)

V

2

試料添加溶液及び空試験添加溶液シリーズ(7.3.2 及び
7.3.3

参照)の調製液量(mL)

V

3

試料溶液及び空試験液の分取量(7.3.2 及び 7.3.3 参照)
(mL)

V

4

試料溶液及び空試験液の調製液量(7.3.1 参照)

(mL)

m

試料のはかりとり量(7.1 参照)

(g)

8.2 

許容差 

この方法の共同実験は,7 水準のアンチモン含有率試料を用いて,18 分析室で実験し,各水準の試料に

ついて 3 回ずつ定量した

4) 5)

。使用した試料は,

表 B.1 に表示した。

得た結果は,ISO 5725:1986 によって統計的に処理した。

得たデータは,アンチモン含有率と分析結果の併行許容差(r)及び再現許容差(R

w

及び R

6)

との間に

対数的比例関係があり,

表 にその結果を要約した。このグラフを図 C.1 に図示した。

4)

  3 回の定量のうち 2 回は,ISO 5725:1986 に定義している併行測定条件のもとで実験した。すな

わち,一人の分析者が同じ装置,同一操作条件で短時間内に行った。

5)

  3 回目の定量は,同じ分析者によって同じ装置を使用して,異なった時間(異なった日)に行

った。

6)

  第 1 日に得た結果から ISO 5725:1986 の定義に伴い併行許容差(r)及び室間再現許容差(R

を計算した。1 日目の最初に得た結果と 2 日目に得た結果から室内再現許容差(R

w

)を計算し

た。

表 4−併行許容差及び再現許容差 

単位  質量分率(%)

アンチモン含有率

併行許容差

再現許容差

R

w

0.000 5

0.000 20

0.000 18

0.000 35

0.001 0

0.000 28

0.000 27

0.000 54

0.002 0

0.000 41

0.000 41

0.000 83

0.005 0

0.000 65

0.000 71

0.001 5

0.010 0

0.000 92

0.001 1

0.002 2

注記  許容差の取扱いは,JIS G 1201 参照。


8

G 1257-17-2

:2013 (ISO 10698:1994)

特殊な場合 

タングステン及び/又はニオブが含有する試料の場合は,次のように操作する。

はかりとった試料(7.1 参照)をビーカー(100 mL)に移し入れる。りん酸(4.3)1 mL,塩酸(4.2)15

mL 及び硝酸(4.1)5 mL を加え,時計皿で覆い,分解反応が終了するまで穏やかに加熱する。溶液の液量

が 2∼3 mL になるまで濃縮した後,硝酸(4.4)25 mL を加えて加熱し,1 分間沸騰させて窒素酸化物を追

い出す。

7.3.1

の第 2 段落に記した手順に従って操作する。

空試験(7.2 参照)を,この操作に従って行う。

10 

操作上の注意 

電気加熱方式原子吸光分析法は高感度であるため,全ガラス器具の洗浄,並びに試料,標準液及び添加

溶液への他の物質及び実験室内の粉じんからの汚染の回避について厳重な処置をとらなければならない。

11 

分析報告書 

分析報告書には,次の情報を記載しなければならない。

a)

試料,分析室及び分析日時を証明するのに必要な全ての情報

b)

この規格(JIS G 1257-17-2)の引用

c)

分析結果及び表示様式

d)

定量時に注目された異常な特徴

e)

この規格に規定されていない操作,又は結果に影響を与えるような任意の操作


9

G 1257-17-2

:2013 (ISO 10698:1994)

附属書 A

(規定)

装置基準の求め方

電気加熱原子吸光分析を使用する分析方法規格を作成する際には,次の値は担当する作業グループに委

託して室間共同実験の結果から決定するのが望ましい。

A.1 1 

%

吸収質量 m

c

の求め方 

空試験液と同じマトリックスを含有し,対象元素について次に示す濃度を含む溶液を調製する。

あらかじめ設定した注入液量(以下,設定注入量という。

)で吸光度約 0.1 付近の吸光度 を与えるよう

な濃度

ρ

ng/mL。

この溶液の設定注入量を原子化部に注入し,次に同じ量の空試験液を注入して,スケール拡大なしに吸

光度 及び A

0

を測定する。

1 %吸収質量 m

c

(pg)は,次の式によって計算する。

0

1

c

4

0.004

A

A

V

m

×

×

= ρ

ここに,

V

1

注入した濃度

ρ(ng/mL)の溶液の量(µL)

A

0

空試験液の吸光度

A.2 

短時間安定性の求め方 

最高濃度の添加溶液の設定注入量を 10 回原子化部に注入し,個々の吸光度の読み A

Ai

を求めて,平均値

A

A

を計算する。

最低濃度の添加溶液(ゼロメンバーを除く。

)の事前決定注入液量を 10 回原子化部に注入し,個々の吸

光度の読み A

Bi

を求めて,平均値

B

A

を計算する。

最高及び最低濃度の添加溶液の標準偏差 s

A

及び s

B

を,次の式によって計算する。

9

)

(

2

A

A

A

=

A

A

s

i

9

)

(

2

B

B

B

=

A

A

s

i

最高及び最低濃度の添加溶液の各々の短時間安定性は,

A

A

/

100 A

s

×

及び

A

B

/

100 A

s

×

の式で計算する。

A.3 

検出下限 m

min

の求め方 

空試験液と同じ組成の溶液を 2 個調製する。それぞれに対象元素について次に示す濃度を含有させる。

−  設定注入量中に,吸光度約 0.01 付近の吸光度(A)を与えるような濃度

ρ' ng/mL

−  無添加(空試験液の組成のままの液)で,吸光度は A

0

となる。

ρ' ng/mL 濃度溶液及び空試験液の設定注入量を,それぞれ 10 回ずつ原子化部に注入し,シグナルの変動

が明瞭に分かるように十分にスケール拡大をかけて測定する。

平均吸光度の読み '

A

,及び

0

A

を求める。


10

G 1257-17-2

:2013 (ISO 10698:1994)

標準偏差 s

A'

を,次の式によって計算する。

9

)

(

2

A

=

A

A

s

i

ここに,

A'

i

測定した個々の吸光度の読み

A

A'

i

の平均値

検出下限 m

min

(pg)は,次の式によって計算する。

0

A

1

min

A

A

k

s

V

m

×

×

×

=

ρ

ここに,

V

1

注入した溶液の量(

μL)

k

通常は 3

A.4 

標準添加法の直線性の基準 

標準添加法の場合は,グラフの直線性(A

A

/A

B

)は,A.4.1 及び A.4.2 に規定した手順に従って確認する

のが望ましく,その値は,0.95 以上でなければならない。

A.4.1 

空試験添加溶液グラフの直線性 

空試験添加溶液グラフを作成したとき,質量範囲上部 20 %域(B

4

から B

5

の間)のグラフの傾きの値(吸

光度の差で表現)は,質量範囲下部 20 %域(B

1

から B

2

の間)のグラフの傾きの値(吸光度の差で表現)

の 0.95 倍以上でなければならない(

図 A.1 参照)。

a)

  注入した空試験添加溶液中のアンチモンの質量(ng)

図 A.1−空試験添加溶液グラフ 


11

G 1257-17-2

:2013 (ISO 10698:1994)

A.4.2 

試料添加溶液グラフの直線性 

試料添加溶液グラフを作成したとき,質量範囲上部 20 %域(S

4

から S

5

の間)のグラフの傾きの値(吸

光度の差で表現)は,質量範囲下部 20 %域(S

1

から S

2

の間)のグラフの傾きの値(吸光度の差で表現)

の 0.95 倍以上でなければならない(

図 A.2 参照)。

a)

  注入した試料添加溶液中のアンチモンの質量(ng)

図 A.2−試料添加溶液グラフ 

A.4.3 

全質量範囲を通してのグラフの直線性 

A.4.3.1 

全質量範囲の直線性確認溶液の調製 

試料溶液中のアンチモンの予備実験質量 m

Sb, x

を求める。

図 A.2 において,直線を延長して得られた質量

軸との交点がアンチモンの質量である。

4 個の 100 mL の全量フラスコを準備し,それぞれに空試験液 20.0 mL ずつを分取して加え,マイクロピ

ペットを用いて,次に示すアンチモン標準液の量(

μL)をそれぞれ加える。

溶液 C

1

:0

溶液 C

2

10

5

/

1

]

10

)

/

10

[(

3

y

Sb,

1

5

 x

Sb,

×

×

+

×

m

V

m

溶液 C

3

10

5

/

4

]

10

)

/

10

[(

3

y

Sb,

1

5

 x

Sb,

×

×

+

×

m

V

m

溶液 C

4

10

]

10

)

/

10

[(

3

y

Sb,

1

5

 x

Sb,

×

+

×

m

V

m

ここに,

V

1

注入液量(

μL)

m

Sb, x

アンチモンの予備実験質量(ng)

(この量は,5 の倍数に

近い数字であることが望ましい。


12

G 1257-17-2

:2013 (ISO 10698:1994)

m

Sb, y

最高濃度溶液 100 mL 中のアンチモンの質量(

μg)(表 1

又は

表 中で,m

Sb, y

=5

μg)。

水で標線まで薄めて混合する。

A.4.3.2 

添加グラフの作成 

これらの溶液(C

1

から C

4

)をそれぞれ 7.3.4 に従って原子化し,それぞれ 3 回の読みを求める。

4 種の溶液について,3 回の読みの平均値を計算する。

読みの平均値とアンチモン質量(ng)との関係線を描く(

図 A.3 参照)。

a)

アンチモンの事前決定量を注入した空試験添加溶液及び試料添加溶液中のアンチモンの質量(ng)

図 A.3−全質量範囲を通してのグラフ 

A.4.3.3 

グラフの直線性の確認 

図 A.3 のグラフで,全質量範囲を通して,質量範囲上部 20 %域(C

3

から C

4

の間)のグラフの傾きの値

(吸光度の差で表現)は,質量範囲下部 20 %域(C

1

から C

2

の間)のグラフの傾きの値(吸光度の差で表

現)の 0.95 倍以上であることが望ましい。

直線性がこの傾斜の 0.95 倍未満の場合は,原子化部に注入する液量を,上述の数値を満足するように調

節するのが望ましい。もし,注入する液量が 10

μL 未満になるようであれば,試料添加溶液及び空試験添

加溶液に添加するアンチモン標準液の添加量(

表 及び表 参照)を減少させるのが望ましい。


13

G 1257-17-2

:2013 (ISO 10698:1994)

附属書 B

(参考)

国際共同実験での追加情報

表 は,1987 年に 7 か国,16 分析室で,7 個の鋼試料を用いて実施した国際共同実験の結果から求めた。

国際共同実験結果は,1991 年 7 月に発行された ISO/TC 17/SC 1 N 886 の文書に報告されている。許容差

のデータを

附属書 に図示する。

使用した試料を,

表 B.1 に示した。

表 B.1−使用した試料及び実験結果 

単位  質量分率(%)

試料

アンチモン含有率

許容差データ

認証値

分析値

併行許容差

r

再現許容差

1

Sb,

w

2

Sb,

w

R

w

R

25Ni-20Cr-4.5Mo 0.000

25

a)

0.000 30

0.000 30

0.000 15

0.000 16

0.000 42

11Ni-17Cr-8Mo

b)

0.000 5

0.000 53

0.000 52

0.000 29

0.000 19

0.000 33

13Ni-17Cr-3Mo 0.001

4

a)

0.001 31

0.001 31

0.000 29

0.000 35

0.000 44

30Ni 0.002

4

a)

0.002 25

0.002 22

0.000 28

0.000 27

0.000 72

ECRM087-1(炭素鋼)  0.004 6

0.004 24

0.004 25

0.000 54

0.000 82

0.001 03

ECRM085-1(炭素鋼)  0.007 3

0.006 91

0.006 84

0.000 80

0.000 66

0.001 89

BCS456/1(炭素鋼)  0.012

0.012 4

0.012 5

0.001 32

0.001 62

0.003 90

1

Sb,

w

:日内総平均

2

Sb,

w

:日間総平均

a)

  非認証値

b)

  スウェーデン CRM : JK 8F


14

G 1257-17-2

:2013 (ISO 10698:1994)

附属書 C 
(参考)

許容差データの図

8

461

.

1

log

1

616

.

0

log

7

784

.

1

log

2

592

.

0

log

7

008

.

2

log

7

512

.

0

log

1

Sb,

2

Sb,

w

1

Sb,

=

=

=

w

R

w

R

w

r

ここに,

1

Sb,

w

:日内で得たアンチモン含有率[質量分率(%)

]の平均値

2

Sb,

w

:日間で得たアンチモン含有率[質量分率(%)

]の平均値

図 C.1−アンチモン含有率(W

Sb

)と併行許容差(r)及び再現許容差(R

w

及び R)との間の 

対数的比例関係