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日本工業規格

JIS

 G

1226

-1994

鉄及び鋼−すず定量方法

Iron and steel

−Method for determination of tin content

1.

適用範囲  この規格は,鉄及び鋼中のすず定量方法について規定する。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS G 1201

  鉄及び鋼の分析方法通則

JIS Z 8402

  分析・試験の許容差通則

2.

一般事項  定量方法に共通な一般事項は,JIS G 1201 による。

3.

定量方法  すずの定量方法は,よう化物抽出分離フェニルフルオロン吸光光度法による。この方法は,

すず含有率 0.001% (m/m)  以上 0.10% (m/m)  以下の試料に適用するもので

附属書 による。

ただし,

この方法は,

すず含有率 0.001% (m/m)  以上 0.01% (m/m)  未満の場合にはモリブデン含有率 3.5%

(m/m)

以上及び,又はチタン含有率 0.3% (m/m)  以上の試料には適用できない。

また,すず含有率 0.01% (m/m)  以上 0.10% (m/m)  以下の場合にはモリブデン含有率 7.0% (m/m)  以上又

はチタン含有率 0.6% (m/m)  以上の試料には適用できない。


2

G 1226-1994

附属書  よう化物抽出分離フェニルフルオロン吸光光度法

1.

要旨  試料を適切な酸で分解し,硫酸溶液とした後,よう化カリウムを加え,生成するよう化すずを

ベンゼンに抽出し,希硫酸に逆抽出する。溶液の pH を調整し,ポリビニルアルコール及びフェニルフル

オロンを加え,フェニルフルオロンとすずの錯体を生成させ,光度計を用いて,その吸光度を測定する。

2.

試薬  試薬は,次による。

(1)

硫酸  (3+1, 2+1, 1+1, 1+3, 1+9, 1+70)

(2)

王水(塩酸 3,硝酸 1)

(3)

過酸化水素

(4)

よう化カリウム溶液  (780g/l, 600g/l)    この溶液は,使用の都度調製する。

(5)

亜硫酸ナトリウム溶液  亜硫酸ナトリウム七水和物 20g を水に溶解し,水で液量を 100ml とする。こ

の溶液は,使用の都度調製する。

(6)

緩衝溶液  フタル酸水素カリウム [C

6

H

4

 (COOK) (COOH)] 5.0g

を水に溶解し,塩酸 (1mol/l)  を正確に

17.5ml

加え,水で液量を 1 000ml とする。

(7)

ポリビニルアルコール溶液  (10g/l)    重合度 1 400∼1 700 のポリビニルアルコールを使用する。

(8)

フェニルフルオロン溶液  フェニルフルオロン (C

19

H

12

O

5

)

(正式名称は,2,6,7−トリヒドロキシ

-9-

フェニル-3H-キサンテン-3-オンという。

0.01g

を,

塩酸 (1+1) 1ml を加えたエタノール (99.5) 100ml

に溶解する。この溶液は,使用の都度調製する。

(9)

ベンゼン

(10)

標準すず溶液  (10

µgSn/ml)    すず[99.9% (m/m) 以上]0.250g をはかり採って白金蒸発皿(100 番)

に移し入れる。時計皿で覆い,硫酸 (1+1) 10ml を加え,加熱して分解する。常温まで冷却した後,

時計皿の下面を硫酸 (1+6)  で洗って時計皿を取り除き,溶液を 500ml の全量フラスコに硫酸 (1+6)

を用いて移し入れ,硫酸 (1+6)  で標線まで薄めて原液 (500

µgSn/ml)  とする。この原液を使用の都度,

硫酸 (1+50)  を用いて正しく 50 倍に薄めて標準すず溶液とする。

3.

試料  はかり採り量試料はかり採り量は,附属書表 による。

附属書表 1  試料はかり採り量及び試料溶液の分取量

すず含有率

% (m/m)

試料はかり採り量

g

試料溶液の分取量

ml

0.001

以上 0.01 未満

1.0 20

0.01

以上 0.05 未満

 10

0.05

以上 0.10 以下

0.50

4.

操作

4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次のいずれかによる。

(1)

硫酸と過酸化水素で分解容易な試料  試料をはかり採ってビーカー (200ml) に移し入れ,時計皿で覆

い,硫酸 (1+9) 20ml 及び過酸化水素 5ml を加える。しばらく放置して試料がほとんど分解した後(

1

)

穏やかに加熱して完全に分解し,細かい気泡が大粒の気泡に変わるまで煮沸する。室温まで冷却した


3

G 1226-1994

後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を 100ml の全量フラスコに,ろ紙(5 種 A)

を用いてろ過する(

2

)

。残さ及びろ紙を温水で洗浄して洗液をろ液に合わせる。室温まで冷却した後,

水で標線まで薄める。残さは捨てる。

(

1

)

過酸化水素が不足の場合には,1∼2ml ずつ追加する。

(

2

)

遊離炭素や残さが認められない場合は,ろ過操作を省略する。

(2)

硫酸と過酸化水素で分解困難な試料  試料をはかり採ってビーカー (200ml) に移し入れ,時計皿で覆

い,王水 20ml を加え,加熱して分解する。硫酸 (1+1) 20ml を加えて加熱して蒸発する(

3

)

。時計皿の

下面を水で洗って時計皿を取り除き,再び加熱して 4∼5 分間硫酸の白煙を発生させる(

4

)

。放冷した後,

温水 30ml を加えてときどき混ぜながら加熱し,塩類を溶解する。室温まで冷却した後,溶液を 100ml

の全量フラスコに,ろ紙(5 種 A)を用いてろ過する(

2

)

。残さ及びろ紙を温水で洗浄して洗液をろ液

に合わせる。常温まで冷却した後,水で標線まで薄める。残さは捨てる。

(

3

)

硫酸塩が析出し始めた直後は突沸しやすいので,熱板の低温部に移して注意して加熱する。

(

4

)

試料中のけい素含有率が 1% (m/m)  以上の場合には,

濃厚な硫酸の白煙を約 10 分間発生させる。

4.2

よう化すずの抽出分離  よう化すずの抽出分離は,次の手順によって行う。

(1)  4.1

(1)又は(2)で得た溶液を,すず含有率によって

附属書表 に従って分取し,分液漏斗 (100ml) に

移し入れる。試料溶液を 4.1(1)によって調製した場合は,硫酸 (3+1)  を

附属書表 に従って加え,試

料溶液を 4.1(2)によって調製した場合は,硫酸 (2+1)  を

附属書表 に従って加える。振り混ぜた後,

30

℃程度まで冷却する。これに,試料溶液調製方法に応じて,それぞれよう化カリウム溶液  [2.(4)]  を

附属書表 又は附属書表 に従って加えた後,ベンゼン 5ml を加え,液温を 20∼30℃に保って約 2 分

間激しく振り混ぜる。

しばらく静置して二層に分離した後,下層の水相を捨てる。有機相に硫酸 (1+3) 15ml 及びよう化

カリウム溶液 (600g/l) [2.(4)] 5ml を加え,液温を 20∼30℃に保って約 1 分間激しく振り混ぜる。しば

らく静置して二層に分離した後,下層の水相を捨てる。

(2)

有機相に硫酸 (1+70) 5ml を加え,約 1 分間激しく振り混ぜ,しばらく静置して二層に分離した後,

下層の水相を 100ml の全量フラスコに移し入れ,再び,有機相に水 5ml を加え,約 5 秒間振り混ぜる。

しばらく静置して二層に分離した後,下層の水相を同じ全量フラスコに移し入れる。亜硫酸ナトリウ

ム溶液  [2.(5)]  を 1 滴ずつ振り混ぜながら滴加してよう素による着色を消失させる。

附属書表 2  試料溶液の調製を 4.1(1)によって行う場合の 

硫酸及びよう化カリウム溶液の添加量

分取量

ml

硫酸 (3+1)  の添加量

ml

よう化カリウム溶液 (780g/l) [2.-(4)]  の添加量

ml

20 10

8

10 5

5

附属書表 3  試料溶液の調製を 4.1(2)によって行う場合の 

硫酸及びよう化カリウム溶液の添加量

分取量

ml

硫酸 (2+1)  の添加量

ml

よう化カリウム溶液 (780g/l) [2.(4)]  の添加量

ml

20 8

8

10 4

4


4

G 1226-1994

4.3

呈色  4.2(2)で得た溶液に,緩衝溶液  [2.(6)] 30ml,ポリビニルアルコール溶液  [2.(7)] 2ml を加えて

振り混ぜ,更に,フェニルフルオロン溶液  [2.(8)]  を正確に 10ml 加えて振り混ぜる。約 20 分間静置した

後,硫酸 (1+70)  で標線まで薄める。

4.4

吸光度の測定  4.3 で得た呈色溶液の一部を光度計の吸収セル (10mm) に取り,水を対照液として波

長 510nm 付近における吸光度を測定する。

5.

空試験  試薬だけを用いて試料と同じ操作を試料と併行して行う。

6.

検量線の作成  分液漏斗 (100ml) 7 個を準備してそれぞれに標準すず溶液  [2.(10)]  を正しく 0,0.5,1,

2

,3,4,5ml(すずとして 0∼50

µg)を加えた後,水で液量を 20ml とする。硫酸 (3+1) 10ml を加えて振

り混ぜた後,30℃程度まで冷却する。よう化カリウム溶液 (780g/l) [2.(4)] 8ml 及びベンゼン 5ml を加え,

液温を 20∼30℃に保って約 2 分間激しく振り混ぜる。しばらく静置して二層に分離した後,下層の水相を

捨てる。有機相に硫酸 (1+3) 15ml 及びよう化カリウム溶液 (600g/l) [2.(4)] 5ml を加え,液温を 20∼30℃

に保って約 1 分間激しく振り混ぜる。しばらく静置して二層に分離した後,下層の水相を捨てる。以下,

4.2(2)

4.4 の手順に従って試料と併行して操作し,得た吸光度と呈色溶液中のすずの量との関係線を作成

し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

7.

計算  4.4 及び 5.で得た吸光度と 6.で作成した検量線とからすず量を求め,試料中のすず含有率  [Sn%

(m/m)]

を次の式によって算出する。

Sn % (m/m) =

100

100

0

1

×

×

B

m

m

m

ここに,  m

1

:  分取した試料溶液中のすず検出量 (g)

m

0

:  分取した空試験溶液中のすず検出量 (g)

m

:  試料はかり採り量 (g)

B

:  試料溶液及び空試験溶液の分取量 (ml)

8.

許容差  許容差(

5

)

は,

附属書表 による。

附属書表 4  許容差

単位%(m/m)

すず含有率

室内再現許容差

室間再現許容差

0.007

以上 0.10 未満

D [0.010 9

×  (Sn)  +0.000 41]

D [0.033 2

×  (Sn)  +0.000 3]

(

5

)

許容差計算式中の は,D  (n, 0.95)  を意味し,JIS Z 8402

4D (n, 0.95)  の値]による。n

の値は,室内再現許容差の場合は同一分析室内における分析回数,室間再現許容差の場合は分

析に関与した分析室数である。

また,  (Sn)  は,許容差を求めるすず含有率 [% (m/m)] である。

参考  この許容差は,すず含有率 0.007% (m/m) 以上 0.10 未満の試料を用い,共同実験した結果から

求めたものである。


5

G 1226-1994

社団法人日本鉄鋼協会標準化委員会 JE4 分科会  構成表

氏名

所属

(主査)

佐  伯  正  夫

新日本製鐵株式会社

(委員)

大  磯  義  和

工業技術院標準部

大  野  義  信

新日本製鐵株式会社

土  屋  武  久

新日本製鐵株式会社

船  曳  佳  弘

日本鋼管株式会社

磯  部      健

日本鋼管株式会社

岡  野  輝  雄

川崎製鉄株式会社(編集 WG 兼務)

滝  沢  佳  郎

川鉄テクノリサーチ株式会社

蔵  保  浩  文

住友金属工業株式会社

山  下  良  一

住友金属工業株式会社

金  子  晃  司

株式会社神戸製鋼所

河  村  恒  夫

株式会社コベルコ科研

伊  藤  清  孝

大同特殊鋼株式会社

藤  田  昇  平

日新製鋼株式会社

余  語  英  俊

愛知製鋼株式会社

永  井  宣太郎

日本冶金工業株式会社

(編集 WG)

稲  本      勇

新日本製鐵株式会社

吉  川  裕  泰

日本鋼管株式会社

(幹事)

小  野  昭  紘

新日本製鐵株式会社(編集 WG 兼務)

柿  田  和  俊

社団法人日本鉄鋼協会(編集 WG 兼務)

大  槻      孝

社団法人日本鉄鋼協会(編集 WG 兼務)

社団法人日本鉄鋼協会鉄鋼 JIS 三者委員会鉄鋼分析 JIS 三者小委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

大河内  春  乃

科学技術庁金属材料技術研究所

(委員)

青  柳  挂  一

通商産業省基礎産業局

服  部  幹  雄

工業技術院標準部

加  山  英  男

財団法人日本規格協会

藤  貫      正

社団法人日本分析化学会

広  川  吉之助

東北大学金属材料研究所

永  山      宏

日立マテリアルエンジニアリング株式会社

束  原      巌

古河電気工業株式会社

橋  本      勝

株式会社日産アーク

岩  田  英  夫

日本鋼管株式会社

岡  野  輝  雄

川崎製鉄株式会社

蔵  保  浩  文

住友金属工業株式会社

河  村  恒  夫

株式会社コベルコ科研

成  田  正  尚

大同特殊鋼株式会社

藤  田  昇  平

日新製鋼株式会社

(幹事)

佐  伯  正  夫

新日本製鐵株式会社

(事務局)

柿  田  和  俊

社団法人日本鉄鋼協会

大  槻      孝

社団法人日本鉄鋼協会