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G 1217

:2005

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本鉄鋼

連盟(JISF)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の

審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

今改正は,

1

JIS G 1238:1992(ISO 4937:1986)“鉄及び鋼−クロムの定量方法−電位差又は目視滴定法”をこの規

格に統合し,クロムの定量方法についての規格を一つにまとめて利用者の便を図ること。

2

ISO 15355:1999 Steel and iron - Determination of chromium content - Indirect titration method を取り入れ国

際的整合性を図ること。

3

JIS G 1217:1992 に規定されているクロム定量方法のうち,操作性及び分析精度の劣る過マンガン酸

カリウム酸化過マンガン酸カリウム滴定法及び過塩素酸酸化過マンガン酸カリウム滴定法を廃止して規格

の簡明化を図ること。

を主旨として行ったものである。

これによって JIS G 1217:1992 は改正され,また,JIS G 1238:1992 は廃止・統合され,この規格に置き

換えられる。

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 15355:1999,Steel and iron -

Determination of chromium content - Indirect titration method

及び ISO 4937:1986,Steel and iron - Determination

of chromium content - Potentiometric or visual titration method

を基礎として用いた。

JIS G 1217

には,次に示す附属書がある。

附属書 1(規定)ペルオキソ二硫酸アンモニウム酸化過マンガン酸カリウム滴定法

附属書 2(規定)電位差又は目視滴定法

附属書 3(規定)間接滴定法

附属書 4(規定)1,5-ジフェニルカルボノヒドラジド吸光光度法

附属書 5(参考)JIS と対応する国際規格との対比表


G 1217

:2005

(2) 

目  次

ページ

本文1

附属書 1(規定)ペルオキソ二硫酸アンモニウム酸化過マンガン酸カリウム滴定法5

附属書 2(規定)電位差又は目視滴定法 9

附属書 3(規定)間接滴定法 17

附属書 4(規定)1,5-ジフェニルカルボノヒドラジド吸光光度法 24

附属書 5(参考)JIS と対応する国際規格との対比表 27


     

日本工業規格

JIS

 G

1217

:2005

鉄及び鋼−クロム定量方法

Iron and steel-Methods for determination of chromium content

序文  この規格は,鉄及び鋼のクロム定量方法について,関連する既存の日本工業規格及び ISO を次の通

り再編してとりまとめた日本工業規格である。

  a)  JIS G 1217:1992 の方法の区分のうち,下記の 2 方法について削除した。

      1)  過マンガン酸カリウム酸化過マンガン酸カリウム滴定法

      2)  過塩素酸酸化過マンガン酸カリウム滴定法

  b)  JIS G 1217:1992 の方法の区分のうち,下記の 2 方法について附属書の規定に変更した。

      1)  ペルオキソ二硫酸アンモニウム酸化過マンガン酸カリウム滴定法

      2)  ジフェニルカルバジド吸光光度法(1,5-ジフェニルカルボノヒドラジド吸光光度法と改称)

  c)  次の JIS  及び ISO を統合し,附属書として追加規定した。

   1)  JIS G 1238:1992(鉄及び鋼−クロムの定量方法−電位差又は目視滴定法)(ISO 4937:1986 に IDT)

    2)  ISO 15355:1999 Steel and iron - Determination of chromium content - Indirect titration method

なお,この規格で

附属書 は ISO 4937(附属書 2)を変更している規格とみなせるため,変更の一覧表

をその説明を付けて,

附属書 5(参考)に示す。

1. 

適用範囲  この規格は,鉄及び鋼中のクロム定量方法について規定する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD(修

正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 4937:1986

,Steel and iron - Determination of chromium content - Potentiometric or visual titration

method (MOD)

ISO 15355:1999

,Steel and iron - Determination of chromium content - Indirect titration method (IDT)

2. 

引用規格  付表 に示す規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成

する。これらの引用規格のうちで、発効年又は発行年を付記してあるものは、記載の年の版だけがこの規

格の規定を構成するものであって、その後の改正版・追補には適用しない。発効年又は発行年を付記して

いない引用規格は,その最新版(追補を含む)を適用する。

3.

一般事項  定量方法に共通な一般事項は,JIS G 1201 による。

4. 

定量方法の区分  クロムの定量方法は,次のいずれかによる。定量方法の選択は、クロム含有率及び

共存元素含有率や要求される分析精度等を考慮して行う。


2

G 1217

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a)

ペルオキソ二硫酸アンモニウム酸化過マンガン酸カリウム滴定法  この方法は,クロム含有率質量分

率 0.1%以上 35%以下の試料に適用するもので

附属書 による。

b)

電位差又は目視滴定法(ISO 4937)  この方法は,クロム含有率質量分率 0.25%以上 35%以下の試料に

適用するもので

附属書 による。ただし,目視滴定法は,はかりとった試料中にバナジウムが 3mg 以

上含有する場合は,適用できない。

c)

間接滴定法(ISO 15355)  この方法は,クロム含有率質量分率 1%以上 35%以下の試料に適用するもの

附属書 による。ただし,クロム含有率質量分率 10%以上でバナジウム含有率質量分率 1%以上の

試料及びクロム含有率質量分率 10%未満でバナジウム含有率質量分率 0.2%以上の試料には適用でき

ない。

d)  1

5-ジフェニルカルボノヒドラジド吸光光度法  この方法は,クロム含有率質量分率 0.020%以上 2.0%

以下の試料に適用するもので

附属書 による。


3

G 1217

:2005

     

付表  1  引用規格

JIS G 0417;1999

  鉄及び鋼−化学成分定量用試料の採取及び調製

備考 ISO 

14284;1996

  Steel and iron - Sampling and preparation of samples for the determination of

chemical composition

が,この規格と一致している。

JIS G 1201

  鉄及び鋼−分析方法通則

JIS G 1221;1998

  鉄及び鋼−バナジウム定量方法

備考 ISO 

4947;1986

  Steel and iron - Determination of vanadium content - Potentiometric titration

method

が,この規格の附属書 2  過マンガン酸カリウム酸化硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)電

位差滴定法と一致している。

備考 ISO 

4942;1988

  Steel and iron - Determination of vanadium content - N-BPHA

spectrophotometric method

が,この規格の附属書 4  N-ベンゾイルフェニルヒドロキシル

アミン抽出吸光光度法と一致している。

JIS G 1257;1994

  鉄及び鋼−原子吸光分析方法  附属書 11  バナジウム定量方法−酸分解直接

備考 ISO 

9647;1989

  Steel and iron - Determination of vanadium content - Flame atomic absorption

spectrometric method

が,この規格と一致している。

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

JIS K 8005

  容量分析用標準物質

JIS K 8102

  エタノール(95)(試薬)

JIS Z 8402-1;1999

  測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第 1 部:一般的な原理及

び定義

備考 ISO 

5725-1;1994

  Accuracy (trueness and precision) of measurement methods and results -

Part 1: General principles and definitions

が,この規格と一致している。

JIS Z 8402-2;1999

  測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第 2 部:標準測定方法の

併行精度及び再現精度を求めるための基本的方法

備考 ISO 

5725-2;1994

  Accuracy (trueness and precision) of measurement methods and results -

Part 2: Basic method for the determination of repeatability and reproducibility of a standard

measurement method

が,この規格と一致している。

JIS Z 8402-3;1999

  測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第 3 部標準測定方法の中

間精度

備考 ISO 

5725-3;1994

  Accuracy (trueness and precision) of measurement methods and results -

Part 3: Intermediate measures of the precision of a standard measurement method

が,この規格

と一致している。

JIS Z 8402-6

  測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第 6 部:精確さに関する値の実

用的な使い方

ISO 385-1    Laboratory glassware - Burettes - Part1: General requirements

ISO 648

    Laboratory glassware - One-mark pipettes

ISO 1042

  Laboratory glassware - One-mark volumetric flasks


4

G 1217

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ISO 3696;1987    Water for analytical laboratory use - Specification and test methods

ISO 5725    Precision of test methods - Determination of repeatability and reproducibility for a standard

test method by inter-laboratory tests


5

G 1217

:2005

     

附属書 1(規定)ペルオキソ二硫酸アンモニウム酸化過マンガン酸カリウム

滴定法

序文  この附属書は,鉄及び鋼中のクロムを目視滴定法によって定量する方法について規定している。ISO 

4937 Steel and iron

−Determination of chromium content−Potentiometric or visual titration method の目視滴定法

と対応し、対応の程度は(MOD)である。  なお、この附属書で側線を施してある箇所は、原国際規格を変

更している事項である。

1. 

要旨  試料を適切な酸で分解して硫酸,りん酸溶液とする。硝酸銀を触媒として,クロムをペルオキ

ソ二硫酸アンモニウムで二クロム酸に酸化し,同時に酸化された過マンガン酸を塩酸で分解し,発生した

塩素を硫酸マンガンで除去する。溶液中の二クロム酸を硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)標準溶液の過剰で還元し,

過剰の硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)を過マンガン酸カリウム標準溶液で逆滴定する。 

2. 

試薬  試薬は,次による。

a)

塩酸

b)

塩酸(1+3)

c)

硝酸

d)

硫酸(1+21+41+102+100)

e)

りん酸

f)

王水(塩酸 3,硝酸 1

g)

鉄  できるだけ純度が高い鉄で,クロム含有率質量分率 0.003%以下のもの。

h)

二硫酸カリウム

i)

ニッケル溶液(0.02gNi/ml)  硫酸ニッケル六水和物 10g を水約 70ml に溶解し,水で液量を 100ml とす

る。

j)

ペルオキソ二硫酸アンモニウム溶液(250g/L)  使用の都度,調製する。

k)

過マンガン酸カリウム溶液(20g/L)

l)

硫酸マンガン溶液  硫酸マンガン(四∼六水和物)100g を水約 800ml に溶解し,水で液量を 1000ml と

する。

m)

硝酸銀溶液(5g/L)

n)  0.1mol/L

硫酸アンモニウム鉄(II)標準溶液  調製,標定及び計算は,JIS K 8001 の 4.5(滴定用溶液)(27)

による。

なお,標定及び計算は,使用の都度行う。

o)  0.02mol/L

過マンガン酸カリウム標準溶液  調製,標定,計算及び保存方法は,JIS K 8001 の 4.5(滴定

用溶液)(7)による。

3. 

試料はかりとり量  試料はかりとり量は,附属書 表 による。


6

G 1217

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附属書   1  試料はかりとり量

クロム含有率 
質量分率 (%)

試料はかりとり量

g

0.1

以上  1 未満

2.0

1

以上  3 未満

1.0

3

以上 10 未満

0.50

10

以上 35 以下

0.20

4. 

操作

4.1 

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次のいずれかの手順によって行う。

a)

硫酸,りん酸及び硝酸で分解容易な試料

1)

はかりとった試料を三角フラスコ(500ml)に移し入れる。

2)

硫酸(1+4)40ml 及びりん酸 5ml を加えて加熱して分解する。

3)

硝酸約 3ml を加え,煮沸して鉄などを酸化し,炭化物を分解する。引き続き加熱して酸化窒素など

を追い出す。

b)

硫酸,りん酸及び硝酸で分解容易であるが炭化物が残留する試料

1)

はかりとった試料をビーカー(300ml)に移し入れる。

2)

時計皿で覆い,硫酸(1+4)40ml 及びりん酸 5ml を加えて加熱して分解する。

3)

時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,引き続き加熱して三酸化硫黄の白煙が発生し始め,

溶液がコロイド状になったならば,硝酸約 3ml を加える。

4)

加熱を続けて三酸化硫黄の白煙を発生させる。

5)

放冷した後,温水約 100ml を加え,加熱して塩類を溶解し,ろ紙(5 種 A)でろ過する。ろ紙及び不溶

解残さを硫酸(2+100)で洗浄し,ろ液及び洗液を三角フラスコ(500ml)に集める。残さは,捨てる。

c)

タングステン又はバナジウムを含む試料

1)  b)1)

4)の操作(

1

)を行う。

注(

1

)  b)1)の操作を行った後,時計皿で覆い,塩酸 40ml を加えて加熱分解し,硫酸(1+2)25ml 及びり

ん酸 5ml を加えて引き続き加熱分解してから,b)

の 3)及び 4)の操作を行ってもよい。

2)

放冷した後,温水約 100ml を加え,加熱して塩類を溶解し,ろ紙パルプを加えたろ紙(5 種 B)でろ過

する。ろ紙及び不溶解残さを硫酸(2+100)で洗浄し,ろ液及び洗液を三角フラスコ(500ml)に集める。

残さは,捨てる。

d) 

多量のニッケルを含む試料

1)  a)1)

の操作を行う。

2)

王水 30ml を加えて加熱して分解し,硫酸(1+2)25ml 及びりん酸 5ml を加え,引き続き加熱して三酸

化硫黄の白煙を発生させる。

3)

放冷した後,温水約 100ml を加えて塩類を溶解する。

e)

酸で分解困難な試料

1)

はかりとった試料をビーカー(300ml)に移し入れる。

2)  a)

の 2)及び 3)の操作を行う。

3)

溶液を水で約 2 倍に薄め,ろ紙(5 種 B)でろ過し,硫酸(2+100)及び温水で洗浄する。ろ液及び洗液

は,三角フラスコ(500ml)に集め,主液として保存する。


7

G 1217

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4)

不溶解残さは,ろ紙と共に白金るつぼ(30 番)に移し入れ,乾燥した後,低温で加熱してろ紙を灰化

する。放冷した後,二硫酸カリウム約 2g を加えて加熱して残さを融解する。

5)

放冷した後,融成物を少量の温水及び硫酸(1+10)約 1ml で溶解し,ろ紙(5 種 B)でろ過し,ろ紙を温

水で洗浄する。ろ液及び洗液は,3)で保存した主液に合わせる。残さは,捨てる。

4.2 

クロムの酸化  クロムの酸化は,次の手順によって行う。

a)  4.1

の a)3)b)5)c)2)d)3)又は e)5)で得た溶液を温水で液量約 150ml とし,硝酸銀溶液 10ml を加え

る。加熱して煮沸し始めたらペルオキソ二硫酸アンモニウム溶液[2.j)]20ml を少しづつ加え,3∼5 分

間煮沸を続けてクロムを完全に酸化し,ペルオキソ二硫酸アンモニウムを分解する(

2

)。

注(

2

)    試料中のマンガン含有量が少なく,過マンガン酸の赤紫の色が生じない場合は,過マンガン

酸カリウム溶液を滴加してわずかに赤紫を呈するようにする。

b)

塩酸(1+3)5ml を加えて過マンガン酸を分解し(

3

)

,次に硫酸マンガン溶液[2.l)]5ml を加え,加熱を続け

て 2∼3 分間煮沸し,発生した塩素を完全に除去する。

注(

3

)  溶液がなお赤紫を呈しているか,二酸化マンガンの沈殿が残存している場合は,塩酸(1+3)2∼

3ml

を追加する。この場合,以後の煮沸時間が 3 分間を超えると低値となるので煮沸時間に注

意する。

c)

水を加えて液量を約 300ml とし,流水中で室温まで冷却する。

4.3 

滴定  4.2 の c)で得た溶液に,ビュレットを用いて 0.1mol/L 硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)標準溶液[2.n)]

を加えて二クロム酸を還元し,更に過剰に 5∼10ml を加えて 0.1mol/L 硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)標準溶液

[2.n)]

の使用量を読み取る。直ちに 0.02mol/L 過マンガン酸カリウム標準溶液[2.o)]で滴定し,最後の 1 滴で

溶液がわずかに赤紫を呈した点を終点とし(

4

)(

5

),0.02mol/L 過マンガン酸カリウム標準溶液[2.o)]の使用量

を求める。

注(

4

)  バナジウムを含む試料では,過マンガン酸の赤紫が約 1 分間保持される点を終点とする。

(

5

)  多量のコバルトを含む試料では,滴定時にニッケル溶液[2.i)]をコバルト含有量の約 1.5 倍にな

るように加える。

5. 

空試験  試料はかりとり量と同じ量の鉄[2.g)]をはかりとり,試料と同じ操作を試料と併行して行う。

ただし,0.1mol/L 硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)標準溶液[2.n)]の使用量は,5ml とする。 

6. 

計算  試料中のクロム含有率質量分率(%)を,次の式によって算出する。

[

]

100

001733

.

0

)

(

)

(

4

2

3

1

2

2

1

1

×

×

×

×

×

×

=

m

V

F

V

F

V

F

V

F

Cr

      ここに,Cr:試料中のクロム含有率質量分率(%)

              F

1

:0.1mol/L 硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)標準溶液[2.n)]のファクター

              F

2

:0.02mol/L 過マンガン酸カリウム標準溶液[2.o)]のファクター

              V

1

:試料溶液の滴定における 0.1mol/L 硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)標準溶液[2.n)]の使用量(ml)

              V

2

:試料溶液の滴定における 0.02mol/L 過マンガン酸カリウム標準溶液[2.o)]の使用量(ml)

              V

3

:空試験液の滴定における 0.1mol/L 硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)標準溶液[2.n)]の使用量(ml)

              V

4

:空試験液の滴定における 0.02mol/L 過マンガン酸カリウム標準溶液[2.o)]の使用量(ml)

m

:はかりとった試料の質量(g)

7. 

許容差  許容差(

6

)は,

附属書 表 による。


8

G 1217

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附属書   2  許容差

クロム含有率

質量分率(%)

室内再現許容差

質量分率(%)

室間再現許容差

質量分率(%)

0.1

以上 24.85 以下

f(n)

×[0.0019×(Cr)+0.0068]

f(n)

×[0.0047×(Cr)+0.0188]

注(

6

)  許容差計算式中の f(n)は,JIS Z 8402-6 

表 による。n の値は,室内再現許容差の場合は同一

室内における分析回数,室間再現許容差の場合は分析に関与した分析室数である[n=2 のとき,

f(n)=2.8

である]。また,(Cr)は,許容差を求める試料中のクロム含有率質量分率(%)である。


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G 1217

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附属書 2(規定)電位差又は目視滴定法

序文  この附属書は,1986 年に第 1 版として発行された ISO 4937 Steel and iron−Determination of chromium

content

−Potentiometric or visual titration method を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく

作成したものである。

1. 

適用範囲  この附属書は,鉄及び鋼中のクロムを電位差又は目視滴定法によって定量する方法につい

て規定する。この方法は,クロム含有率質量分率 0.25∼35%の範囲のものに適用する。

  もし,バナジウムが共存する場合は,目視滴定は,はかりとった試料中にバナジウムが 3mg 以下含まれ

る場合にだけ適用する。

2. 

引用規格  本体の付表1による。

3. 

原理  はかりとった試料を適切な酸で分解する。

  硫酸銀が共存した酸性溶液中でペルオキソ二硫酸アンモニウムを用いてクロム(Ⅲ)をクロム(Ⅵ)に酸化

する。塩酸を加えてマンガン(Ⅶ)を還元する。

  硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)でクロム(Ⅵ)を還元する。

  電位差滴定の場合は,硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)を添加している際の電位の変化から等量点を求める。

  目視滴定の場合は,指示薬としての働きもする過マンガン酸カリウム標準溶液で過剰の硫酸アンモニウ

ム鉄(Ⅱ)を滴定する。

4. 

試薬  試薬は次による。定量の際は,特に規定しない限り,認定された分析級の試薬及び還元性物質

を含まない蒸留水又はそれに準じる純度をもつ水だけを使用する。

4.1 

尿素

4.2 

過塩素酸(密度約 1.67 g/ml)

4.3 

ふっ化水素酸

4.4 

りん酸

4.5 

硝酸(密度約 1.40 g/ml)

4.6 

塩酸(1+1)

4.7 

塩酸(1+10)

4.8 

硫酸(1+1)

4.9 

硫酸(1+5)

4.10 

硫酸(1+19)

4.11 

硫酸銀溶液  5g/L

4.12 

ペルオキソ二硫酸アンモニウム溶液[(NH

4

)

2

S

2

O

8

]

  500 g/L  この溶液は,使用の直前に調製する。

4.13 

硫酸マンガン溶液[MnSO

4

H

2

O]

  4 g/L  

4.14 

硫酸マンガン溶液[MnSO

4

H

2

O]

  100 g/L

4.15 

過マンガン酸カリウム溶液  5g/L

4.16 

亜硝酸ナトリウム溶液  3g/L  この溶液は,使用の直前に調製する。


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G 1217

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4.17 

アミド硫酸溶液[NH

2

SO

3

H]

  100g/L  この溶液は,1 週間だけ安定である。

4.18 

過マンガン酸カリウム標準溶液

4.18.1 

溶液の調製    過マンガン酸カリウム 3.2g を,水 1000ml に溶解する。2 週間完全な暗所に貯蔵し

た後,水洗しない厚手のガラスろ過器でろ過する。この溶液を着色ガラス瓶に貯蔵し,有機物との接触を

避ける。

4.18.2 

溶液の標定  ビーカーR600ml 中で硫酸(1+19)250ml を 10 分間煮沸して冷却する。この中に,あら

かじめ 105℃で乾燥してデシケータ中で放冷したしゅう酸ナトリウム[(COONa)

2

]0.3000g

を 0.0001g のけた

まではかりとって加え,溶解する。これに過マンガン酸カリウム溶液(4.18.1)の 39∼40ml を 25~35ml/min

の速度で加えて穏やかにかき混ぜる。この際,過マンガン酸塩の紫は約 45 秒で消滅する。70∼75℃に加熱

して滴定を完結させる。

  滴定の際,終点に近づいたら滴加の速度を緩め,1 滴ごとに色が消失するのを確かめながら次を滴加す

る。

  空試験は,並行して硫酸(1+19)250ml を上述のように滴定して求める。

  過マンガン酸カリウム標準溶液(4.18)のクロム相当量(mg/ml)(c

2

)は,次の式で求める。

(

)

0

1

2

700

.

6

733

.

1

0

.

300

V

V

c

×

×

=

  ここに,V

1

:しゅう酸ナトリウムを滴定するのに使用した過マンガン酸カリウム溶液(4.18.1)の容量(ml)

                V

2

:硫酸((1+19)の空試験を滴定するのに使用した過マンガン酸カリウム溶液(4.18.1)の容量(ml)

                6.700:20 で除したしゅう酸ナトリウムの式量

          300.0:はかりとったしゅう酸ナトリウムの質量(mg)

                1.733:二クロム酸カリウム標準溶液(4.20)1ml に含まれるクロム(Ⅵ)の質量(mg)

4.19 

硫酸アンモニウム鉄()[Fe(NH

4

)

2

(SO

4

)

2

6H

2

O]

標準溶液  この溶液の 1ml は,クロム約 2mg に相当

する。

4.19.1 

溶液の調製  硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)六水和物 46g を水約 500ml に溶解し,硫酸(1+1)110ml を添加

して冷却し,液量が 1000ml になるまで水で薄めて混合する。

4.19.2 

溶液の電位差滴定による標定(使用の直前に行う。)  二クロム酸カリウム標準溶液(4.20)30.0ml を

分取し,ビーカーR600ml に移し入れて硫酸(1+5)45ml を加え,水で約 400ml に薄める。

  滴定は 7.3.3.1 に記述した条件で行う。

  硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)溶液(4.19)のクロム相当量(mg/ml)(c

1

)は,次の式で求める。

2

1

733

.

1

0

.

30

V

c

×

=

    ここに,V

2

:標定した硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)溶液(4.19)の容量(ml)

          30.0:標定用に分取した二クロム酸カリウム標準溶液(4.20)の容量(ml)

          1.733:二クロム酸カリウム標準溶液(4.20) 1ml に含まれるクロム(Ⅵ)の質量(mg)

4.19.3 

溶液の目視滴定による標定(使用の直前に行う。)  硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)溶液(4.19)25.0ml を分取

し,硫酸(1+19)325ml を加える。過マンガン酸カリウム標準溶液(4.18)を用いてわずかに紫が生じるまで滴

定する。

  空試験は,水 25ml と硫酸(1+19)325ml の混合溶液を過マンガン酸カリウム標準溶液(4.18)を用いて滴定

して求める。

  硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)溶液(4.19)のクロム相当量(mg/ml)(c

1

)

は,次の式で求める。


11

G 1217

:2005

     

0

.

25

'

0

3

2

1

V

V

c

c

×

=

  ここに,c

2

:過マンガン酸カリウム標準溶液(4.18)のクロム相当量(mg/ml)

          V

3

:硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)溶液(4.19)25ml を酸化するのに必要とした過マンガン酸カリウム標

準溶液(4.18)の容量(ml)

          V

0

:硫酸(1+19)の空試験に使用した過マンガン酸カリウム標準溶液(4.18)の容量(ml)

          25.0:標定に使用した硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)溶液(4.19)の容量(ml)

4.20 

二クロム酸カリウム標準溶液  あらかじめ 150℃で恒量になるまで乾燥し,デシケータ中で放冷した

二クロム酸カリウム 4.9031g を 0.0001g のけたまではかりとる。

  水に溶解し,1000ml の全量フラスコに定量的に移し入れ,水で標線まで薄めて混合する。

  この標準溶液 1ml は,クロムの 1.733mg を含有する。

5. 

装置  通常の分析器具(

1

)

を用いる。

5.1 

電位差滴定装置  白金−飽和カロメル電極で電位差を測定可能なものを用いる。

(

1

)

すべての体積用ガラス器具は,ISO 385-1 ISO 648 又は ISO 1042 に適合した A クラスのもの

を使用しなければならない。

6. 

サンプリング  サンプリングは,JIS G0417 に従って実施する。

7. 

操作

警告  過塩素酸は,一般にアンモニア,亜硝酸の蒸気又は有機物の存在で爆発の危険がある。

7.1 

試料のはかりとり  予想されるクロム含有率に従って次に示す質量(m)を 0.0001g のけたまではかり

とる。

a

)クロム含有率質量分率 0.25∼2%までは,約 2g

b

)クロム含有率質量分率 2∼10%までは,約 1g

c

)クロム含有率質量分率 10∼25%までは,約 0.5g

d

)クロム含有率質量分率 25∼35%までは,約 0.25g

7.2 

空試験  空試験は,試料を用いないで同じ操作を試料と併行して行う。

7.3 

定量

7.3.1 

試料溶液の調製

7.3.1.1 

合金成分の入っていない鉄及び鋼  はかりとった試料(7.1)をビーカーR600ml に入れ,硫酸

(1+5)60ml

及びりん酸 10ml を加え,加熱して分解し,次に硝酸(4.5)15ml を加えて酸化する。濃厚な白煙が

発生するまで加熱し,放冷した後,水 100ml を加える。

  高けい素含有試料の場合は,分解を促進させるため,ふっ化水素酸数滴を加えるとよい(

2

)。

7.3.1.2 

クロム及び/又はニッケルを合金成分として含有する鉄及び鋼  はかりとった試料(7.1)をビー

カーR600ml に入れ,塩酸(1+1)25ml を加えて加熱して分解し,次に硝酸(4.5)15ml を加えて酸化する。もし,

分解が著しく困難であれば,ふっ化水素酸 1∼2ml を加える。次に硫酸(1+1)20ml 及びりん酸 10ml を加え,

濃厚な白煙が発生するまで加熱する。

  放冷した後,更に硝酸(4.5)15ml を白煙を発生させた溶液に加え,必要があれば,更に添加して炭化物を

完全に分解する。白煙を引き続き発生させて窒素酸化物などを完全に除去し,放冷して水 100ml を加える


12

G 1217

:2005

     

(

2

)。

7.3.1.3 

タングステンを含む鋼  はかりとった試料(7.1)をビーカーR600ml に入れ,塩酸(1+1)25ml を加え,

次に硫酸(1+1)20ml 及びりん酸 10ml を加え,反応が完了するまで加熱する。もし,分解が著しく困難な場

合は,ふっ化水素酸 1∼2ml を加える。硝酸(4.5)15ml を加えて酸化し,白煙が発生するまで加熱する。

  放冷した後,更に硝酸(4.5)15ml を白煙を発生させた溶液に加え,必要があれば,更に添加して炭化物を

完全に分解する。白煙を引き続き発生させて窒素酸化物などを完全に除去し,放冷して水 100ml を加える

(

2

)。

7.3.1.4 

高合金成分を含む鉄及び鋼又は高けい素含有の鉄及び鋼  はかりとった試料(7.1)をコニカルビ

ーカー750ml に入れ,塩酸(1+1)20ml,硝酸(4.5)10ml 及びふっ化水素酸 1ml を加える。

  反応が完了したら,過塩素酸(4.2)30ml を加える。白煙が発生するまで加熱し,時計皿で覆い,引き続き

試料が完全に分解するまで(白煙がフラスコ内で保持されている状態)加熱し,放冷する。

  水 30ml を加え,5 分間煮沸して冷却する(

2

)。ビーカーR600ml に定量的に移し入れ,硫酸(1+1)20ml,

りん酸 10ml 及び水 70ml を加える。

注(

2

)  分解操作(7.3.1)は,特殊な試料(例えば,クロム及び炭素の高含有試料)では不完全な場合がある。

このような場合は,残さの融解が必要であり,融解生成物は試料溶液に加えなければならない。

7.3.2 

クロムの酸化と滴定の準備  黒鉛を除去する必要があれば,試料溶液を繊維パルプを薄く敷いたろ

紙でろ過し,硫酸(1+19)で洗浄する。温水で約 350ml に薄め,硫酸銀溶液(4.11)20ml 及びペルオキソ二硫酸

アンモニウム溶液(4.12)10ml を加える。ビーカーを時計皿で覆い,10 分間煮沸する(

3

)。

  次に,沸騰状態になったらまず塩酸(1+10)15ml を加え,約 3 分後,必要があれば更に塩酸(1+10)の量を

追加して紫を消失させるまで一滴ずつ加える(

4

)。生成した塩素化合物の臭気がなくなるまで 10 分間煮沸

する(

5

)。速やかに室温まで冷却する。

注(

3

)  このとき過マンガン酸の紫が観察される。もし,はかりとった試料中にマンガンの含有率が非

常に少ない場合は,硫酸マンガン溶液(4.13)約 5ml を加えると過マンガン酸の紫が目視できる。

(

4

)  塩酸(4.7)の添加は,酸化が完全になって過マンガン酸の紫が目視できてからにする。

(

5

)  目視滴定(7.3.3.2)の場合は,過マンガン酸を分解した後,10 分間煮沸し,硫酸マンガン溶液

(4.14)4ml

を加えて更に 3 分間煮沸する必要がある。

7.3.3 

滴定

7.3.3.1 

電位差滴定

7.3.3.1.1 

バナジウムが存在しない場合  電位差滴定装置(5.1)の電極を滴定する溶液(7.3.2)が入っている

ビーカー中に入れる。

  できれば,磁気かき混ぜ機でかき混ぜ,電位の低下が生じるまで硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)標準溶液(4.19)

をビュレットから滴加する(

6

)。この点付近では滴定はゆっくり行う。この容積を V

4

ml

とする。

  白金−飽和カロメル電極で電位の低下は 300mV のオーダーであり,等量点は 700∼900mV で生じる。

注(

6

)  溶液中のクロム含有量が 40mg 以下の場合は 20ml のビュレットを,40mg 以上の場合は 50ml の

ビュレットを使用する。

7.3.3.1.2 

バナジウムが存在する場合  7.3.3.1.1 に規定するように滴定する。この場合,バナジウムはク

ロムとともに測定される。この容積を V

5

ml

とする。クロムとともに測定されたバナジウムは,過マンガ

ン酸カリウム溶液(4.15)で酸化する。バナジウムだけを酸化するため,過マンガン酸カリウム溶液(4.15)を

加える間,白金−飽和カロメル電極で酸化電位を測定する。1000∼1160mV の電位が得られるまで過マン

ガン酸カリウム溶液(4.15)を一滴ずつ加える。


13

G 1217

:2005

     

  この電位を 2 分間保持し,その後,次のいずれかによって操作する。

(1)亜硝酸ナトリウム溶液(4.16)約 10ml を添加して過剰の過マンガン酸を除去し,約 1 分後に尿素 3g を

加え,電位が 800mV 付近で安定した後,かき混ぜ,7.3.3.1.1 に示すように滴定する。又は,

(2)電位が 770mV 付近で安定するまで亜硝酸ナトリウム溶液(4.16)を一滴ずつを加えて,過剰の過マンガ

ン酸を除去し,アミド硫酸溶液(4.17)5ml を加え(電位 780mV),次に,りん酸 30ml を加えてかき混

ぜ,7.3.3.1.1 に規定するように滴定する。

  この容積を V

6

ml

とする。

7.3.3.2 

目視滴定(

7

)

  かき混ぜながら,硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)標準溶液(4.19)の正確な既知量を,溶液の

色が橙黄から青緑に変化するまでビュレットを用いて加える。更に,硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)標準溶液

(4.19)5ml

を加え,5 秒間かき混ぜを続ける。

  この容積を

V

7

ml とする。

  直ちに,過剰の硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)を過マンガン酸カリウム標準溶液(4.18)で滴定する。滴定の終点

は,薄緑がかすかに持続する暗色になり始めた点とする。これは経験をつんだ実験者には非常に明りょう

で分かりやすい。

  この容積を

V

8

ml とする。

  さらに,過マンガン酸カリウム標準溶液(4.18)2 滴を加える。過剰の過マンガン酸カリウムによる紫の色

合いを少なくとも 5 分間持続させる。

(

7

)

目視滴定は,はかりとった試料中にバナジウム含有量が 3mg 以下の場合にだけ適用する。

8. 

結果の表示

8.1 

計算方法

8.1.1 

電位差滴定

8.1.1.1 

バナジウムが存在しない場合  クロム(Cr)の含有率質量分率(%)は,次の式で求める。

(

)

(

)

10

100

1000

1

0

4

1

0

4

×

×

=

×

×

×

m

c

V

V

m

c

V

V

  ここに,V

0

:空試験の滴定(7.2)に使用した硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)標準溶液(4.19)の容量(ml)

          V

4

:クロムの滴定(7.3.3.1.1)に使用した硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)標準溶液(4.19)の容量(ml)

          c

1

:硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)標準溶液(4.19)のクロム相当量(mg/ml)

          m:はかりとった試料の質量(g)

8.1.1.2 

バナジウムが存在する場合  クロム(Cr)の含有率質量分率%は,次の式で求める。

(

)

(

)

10

100

1000

1

6

5

1

6

5

×

×

=

×

×

×

m

c

V

V

m

c

V

V

  ここに,V

5

:クロムとバナジウムの滴定に使用した硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)標準溶液(4.19)の容量(ml)

          V

6

:バナジウムの滴定に使用した硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)標準溶液(4.19)の容量(ml)

          c

1

:硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)標準溶液(4.19)のクロム相当量(mg/ml)

          m:はかりとった試料の質量(g)

8.1.2 

目視滴定  クロム(Cr)の含有率質量分率%は,次の式で求める。

(

) (

)

[

]

(

) (

)

10

'

1000

100

'

2

8

1

7

2

8

1

7

×

×

×

=

×

×

×

×

m

c

V

c

V

m

c

V

c

V


14

G 1217

:2005

     

  ここに,V

7

:クロムの還元に添加した硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)標準溶液(4.19)の容量(ml)

          V

8

:逆滴定に使用した過マンガン酸カリウム標準溶液(4.18)の容量(ml)

          c’

1

:硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)標準溶液(4.19)のクロム相当量(mg/ml)

c

2

:過マンガン酸カリウム標準溶液(4.18)のクロム相当量(mg/ml)

          m:はかりとった試料の質量(g)

8.2 

精度  この方法の共同実験は,10 水準のクロム含有試料について 11 分析所での 2 回定量によって行

われた。  使用した実験試料の詳細を

附属書 2A に示す。

  共同実験結果を ISO 5725 に従って統計処理し、得られた許容差と含有率との対数関係式から算出された

併行許容差(r)及び室間再現許容差(R)の各クロム含有率での値を

附属書 表 及び附属書 表 に示す。ま

た、含有率と許容差の関係を

附属書 2B に図示する。

附属書 表 1  電位差滴定

クロム含有率

質量分率(%)

併行許容差  r

質量分率(%) 

室間再現許容差  R

質量分率(%) 

     0.250 
     0.500 
          1.00 
          2.5 
          5.0 
    10.0 
    15.0 
    20.0 
    25.0 
    35.0

0.013 
0.019 
0.027 
0.044 
0.064 
0.092 
0.114 
0.132 
0.149 
0.178

0.019 
0.028 
0.041 
0.067 
0.098 
0.143 
0.179 
0.209 
0.236 
0.284

附属書   2  目視滴定

クロム含有率

質量分率(%)

併行許容差  r

質量分率(%) 

室間再現許容差  R

質量分率(%) 

     0.250 
     0.500 
          1.00 
          2.5 
          5.0 
    10.0 
    15.0 
    20.0 
    25.0 
    35.0

0.017 
0.025 
0.038 
0.063 
0.093 
0.138 
0.174 
0.205 
0.233 
0.281

0.030 
0.044 
0.065 
0.108 
0.159 
0.234 
0.294 
0.345 
0.391 
0.471

9. 

分析報告書  分析報告書には,次の事項を記載する。

a)この附属書を引用しての使用した方法。 
b)定量結果及び表示した形態。 
c)定量時に注目された非定常的なすべての特筆すべき事項。 
d)この附属書に規定されていないすべての操作,又は結果に影響を与えそうなすべての任意操作。


15

G 1217

:2005

     

附属書 2A(参考)国際共同実験についての追加情報

(この附属書は附属書2を補足するものであり,規定の一部ではない)

附属書 の 8.2 の附属書 表 及び附属書 表 は,1983 年から 1984 年にかけて 4 か国,11 分析所で

10

個の鉄及び鋼試料を用いて行われた国際共同実験結果から導かれた(

1

)

  実験結果は,1984 年に発行された ISO/TC17/SC1 の報告書(文書 No.578, 588, 599)に記載されている。

  使用されている試料の化学組成は,

附属書 2A 表 のとおりである。

  附属書 2A 表 1

試料の組成

化学組成    質量分率(%)

試料(

2

)

Cr C Si Mn Mo Ni  V  W Co

IRSID102-1 
BAM 182-1 
IRSID110-1 
IRSID210-1 
IRSID276-1 
IRSID201-1 
IRSID279-2 
CTIF A 
IRSID B 
NBS 890

0.261 
0.591

1.54 
3.92 
5.29

12.33 
15.64

(19.5) 
(27.0)

32.4

0.389 
0.790 
0.987 
0.762 
0.364 
0.291 
0.088

(2.5)

(0.02)

2.91

0.281
0.368
0.446
0.200
0.985
0.843
0.516

(0.45)
(0.27)

0.67

0.367
0.389
0.367
0.250
0.368
0.363
0.258

(0.655)
(0.115)

0.62

1.2

--- 
---

8.15 
1.47

--- 
---

(1.4)

(0.016)

0.018

4.4

0.152
0.378

---

0.178
0.202
1.603

(1.2)

(0.15)

0.397

---

0.177 
0.259 
1.650 
0.541

(0.02) 
(0.02) 
(0.02)

(0.014)

0.45

--- 
--- 
---

1.54

--- 
--- 
--- 
--- 
--- 
---

--- 
---

0.185

--- 
--- 
--- 
---

(0.32)

--- 
---

    (    )

:参考値

注(

1

)  統計解析は,ISO 5725 に従って実施した。

(

2

)  目視滴定は,はかりとった試料中にバナジウムが 3mg 以下の場合だけに適用できるので,

附属

書 2B 図 には 6 点だけが図示されている(試料 182-1,110-1,276-1,210-1 のデータを除く。)


16

G 1217

:2005

     

附属書 2B(参考)精度データのグラフ表示

(この附属書は附属書2を補足するものであり,規定の一部ではない)

附属書 2B   1  電位差滴定−クロム含有率と併行許容差(r)及び室間再現許容差(R)との対数関係

附属書 2B   2  目視滴定−クロム含有率と併行許容差(

r

)及び室間再現許容差(

R

)との対数関係


17

G 1217

:2005

     

附属書 3(規定)間接滴定法

序文  この附属書は 1999 年に第 1 版として発行された ISO 15355 (Steel and iron  ― Determination of 
chromium content  ― Indirect titration method) を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することな

く作成したものである。

  なお,この附属書で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。

1. 

適用範囲  この附属書は,鉄及び鋼中のクロムを電位差滴定によって定量する方法について規定する。

この方法は,クロム含有率質量分率 1%∼35%の範囲に適用する。

  鉄及び鋼中のバナジウム含有率質量分率は,質量分率 10%以上のクロム含有率については 1%未満,質

量分率 10%未満のクロム含有率については 0.2%未満の場合に適用する。

2. 

引用規格  本体の付表1による。

3.

原理  試料を過酸化ナトリウムで融解し,硫酸で酸性にする。触媒として銀を用い,ペルオキソ二硫

酸塩でクロム(Ⅲ)を二クロム酸に酸化する。過剰の固体状の第二鉄塩で二クロム酸を還元し,過剰量を二

クロム酸溶液で電位差逆滴定する。バナジウムの影響は数学的に補正する。

4.  

試薬  分析に際しては,特に記述しない限り分析用保証試薬及び ISO 3696 に規定する等級 2 の水だ

けを使用する。

4.1 

硫酸

4.2 

硫酸(1+6)

4.3 

硫酸(1+1)

4.4 

塩酸(1+1)

4.5 

過酸化ナトリウム  Na

2

O

2

備考  可能な限り微粒粉を用いることが望ましい。

4.6 

硝酸銀溶液  約 1%  硝酸銀 5g を,水 300ml に溶解する。500ml に薄めて,混合する。

4.7 

ペルオキソ二硫酸アンモニウム溶液  約 20%  (NH

4

)

2

S

2

O

8

100g

を,水 300ml に溶解する。500ml に

薄めて,混合する。

4.8 

二クロム酸カリウム  K

2

Cr

2

O

7

  99.5%以上で純度既知のもの。使用する直前に,少なくとも 2 時間

以上 105℃で乾燥する。デシケータ中で室温まで放冷する。

4.9 

二クロム酸カリウム溶液  0.1N  二クロム酸カリウム(4.8)4.9g を 0.1mg のけたまではかりとり,

1000ml

の全量フラスコに水 500ml で溶解する。塩が完全に溶解するまで,全量フラスコを 6 時間そのまま

にしておく。20℃に溶液を調節し,水で標線まで希釈して注意深く混合する。

溶液の規定度 N を計算する。

100

6

×

×

×

=

M

p

m

N

  ここに,m:はかりとった二クロム酸カリウムの質量(g)

          p:二クロム酸カリウムの純度(%)


18

G 1217

:2005

     

M

:二クロム酸カリウムのモル質量(294.185g/mol)

参考  モル質量は原文では 294.1918 であるが,1991 年の原子量表では 294.1846 となってずれがある

ため,JIS K 8005 の  8.8 二クロム酸カリウムの式量(FW)に合わせた。

4.10 

硫酸アンモニウム鉄()六水和物  Fe (NH

4

)

2

(SO

4

)

2

6H

2

O

参考  原文では Ferroammonium disulfate (NH

4

)

2

Fe(SO

4

)

2

・6H

2

O

となっているが,JIS K 8979 の表記;硫

酸アンモニウム鉄(Ⅱ)六水和物 Fe(NH

4

)

2

(SO

4

)

2

・6H

2

O

に従った。

硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)六水和物のファクターは,使用の都度決定しなければならない。300g から 400g

の硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)六水和物を,大きな結晶粒が残らないように,完全に粉砕する。その硫酸アン

モニウム鉄(Ⅱ)六水和物を,密栓できる瓶に貯蔵する。5 個のビーカーR400ml に,二クロム酸カリウム(4.8)

約 300mg を 0.01mg のけたまではかりとって入れ,水 200ml 及び硫酸(1+6)35ml で溶解する。

それぞれのビーカーに,粉にした硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)六水和物約 2700mg を 0.01mg のけたまではか

りとって加える。ガラス棒でかき混ぜてすべての結晶を溶解する。この溶液を,二クロム酸カリウム(4.9)

で滴定する。

ファクター

R

を計算する。

(

) (

)

E

D

C

A

R

×

+

×

=

B

  ここに,A:式で与えられる係数:

100

×

×

×

=

M

H

G

A

F

          B:クロムを硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)六水和物に換算する係数(22.6252g/g)

          C:式で与えられる係数:C=L×N

          D:滴定で添加した二クロム酸カリウム溶液(4.9)の容量(ml)

          E:はかりとって入れた硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)六水和物の質量(mg)

          F:クロムに対するモル質量の 2 倍(103.9922g/mol)

          G:使用した二クロム酸カリウム(4.8)の純度(%)

          H:はかりとって入れた二クロム酸カリウムの質量(mg)

          M:二クロム酸カリウムのモル質量(294.185g/mol)

          L:二クロム酸カリウムを硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)に変換する係数(392.1401mg/mg 当量)

          N:規定で表示された二クロム酸カリウム溶液(4.9)の濃度

参考  上記各記号の説明文での下線部は,原文での表示からの修正及び理解を容易とするための追加

説明である。

5

個の値の平均と相対標準偏差を計算する。その相対標準偏差は,0.03%を超えてはならない。

5. 

装置  すべての体積用ガラス器具は,ISO 648 又は ISO 1042 に適合したクラス A のものを用いる。通

常の実験室器具,及び以下の装置・器具類による。

5.1

電位差滴定装置  以下の構成による。

5.1.1 

酸化還元電極  Pt-Ag/AgCl を結合させたもの

5.1.2 

滴定装置  ビーカーR400ml と,ISO 385-1 のクラス A に要求に従った 10ml ビュレット,及び磁気

式かき混ぜ機で構成したもの


19

G 1217

:2005

     

5.1.3 

高インピーダンス電圧計  通常,pH 計が電圧計として使用できるが,市販の自動滴定装置又は電

位グラフが,滴定曲線がプロットされ,終点を 1 次又は 2 次微分を計算するよりむしろその曲線の変極点

によって推定することができる点で手動システムより有利である。9

.を参照する。

5.2

マッフル炉  650℃で恒温を保持し,アルゴン雰囲気が可能なもの

5.3 

ジルコニウムるつぼ(50ml)  るつぼは,ジルコニウムの汚染を避けるために,清浄で,使い古してい

ないものでなければならない。

5.4 

ジルコニウムのふた  ふたは,ジルコニウムの汚染を避けるために,清浄で,使い古していないも

のでなければならない。

5.5 

ガラス小粒  突沸防止用

6.

サンプリング及び試料  JIS G 0417 (ISO 14284)に従ってサンプリングを行う。

7. 

操作

7.1 

試料溶液の調製

7.1.1 

試料 0.25g を 0.01mg のけたまではかりとり,ジルコニウムるつぼ(50ml)(5.3)に入れる。5g の過酸

化ナトリウムを加え,よく混合し,ジルコニウムのふた(5.4)で覆う。試料は,2000μm 未満のチップ又は

粉状でなければならない。

7.1.2 

マッフル炉(5.2)にるつぼを入れ,650℃アルゴン雰囲気で,2 時間から 3.5 時間加熱する。融成物が

適切に混合するように,1,2 回るつぼをゆるやかに旋回する。

備考  温度を正確にすることが重要である。より高い温度は,正の誤差原因となる。

7.1.3 

炉からるつぼを取り出し,放冷する。

7.1.4 

ふたをとり,るつぼを(その壁面を上にして)ビーカーR400ml に入れる。

7.1.5 

ビーカーを時計皿で覆い,数 ml の水を注意深くゆっくりるつぼの中に加える。反応は激しいので

ビーカー外への飛び跳ねがないよう注意する。激しい反応が止むまで水を加え続け,更に約 100ml まで加

える。時計皿の下面を水で洗い,硫酸(4.3)24ml を加える。溶液を加熱し,すべての水酸化物を溶解する。

注意深く溶液を観察し,不溶解物がないようにする。

7.1.6 

るつぼとふたを取り除き,注意深くそれらを水で洗う。

7.1.7 

るつぼを乾燥し,硫酸 5ml を滴下する。硫酸白煙が発生するまで加熱する。るつぼを旋回し,すべ

ての塩を溶解する。酸を放冷して注意深く 7.1.4 のビーカーに加える。水で洗って,ビーカー内の容量を約

200ml

とする。

7.1.8 

数個のガラス小粒(5.5)を入れ,少なくとも 5 分間溶液を煮沸する。

7.2 

滴定

7.2.1 

試料溶液(7.1.8 に示されたもの)に,硝酸銀溶液(4.6)5ml 及びペルオキソ二硫酸アンモニウム溶液

(4.7)60ml

を加える。沸騰するまで加熱し,20 分間煮沸する。

7.2.2 

塩酸(1+1)7ml を加えて,更に 2 分間煮沸し,放冷する。

7.2.3 

試料溶液に添加する硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)六水和物の量 E(mg)を計算する。

(

)

300

10

+

×

×

×

=

i

M

E

B

  ここに,i:試料の質量(g)

          B:クロムを硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)六水塩に変換する係数(22.6252g/g)

          M:試料中のクロム予想含有率質量分率(%)


20

G 1217

:2005

     

7.2.4 

計算された硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)六水和物を 0.01mg のけたまではかり,

溶液に定量的に加える。

すべての塩が溶解するように,ガラス棒で注意深くかき混ぜる。

7.2.5 

ビーカーを磁気式かき混ぜ機の上へ置き,かき混ぜ機を動かす。二クロム酸カリウム溶液(4.9)を終

点に近づくまでゆっくり滴定する。0.1ml 又は 1 滴単位による滴加の滴定を続け,滴加後平衡状態になっ

た時のビュレット及び電位の読みを記録する。終点をかなり過ぎるまで滴定を続ける。終点を補間法によ

ってか又は滴定曲線から決定する。9.を参照する。 

8. 

結果の表示

8.1 

計算方法  試料中のクロム含有率 Cr

T

(質量分率%)は,次式によって求める。

(

)

2

1

m

N

v

R

m

Cr

T

×

×

×

×

=

B

L

  ここに,m

1

:添加した硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)六水和物(4.10)の量(mg)

          R:硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)六水和物(4.10)のファクター

          v:添加した二クロム酸カリウムの容量(ml)

          L:二クロム酸カリウムを二硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)に換算する係数(392.1401mg/mg 当量)

          N:規定で表示された二クロム酸カリウム溶液(4.9)の濃度

          B:クロムを二硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)六水塩に換算する係数(22,6252g/mol)

          m

2

:試料量(g)

8.2 

バナジウムの干渉の補正  バナジウムの干渉を補正するため,試料中のバナジウム含有率を求めて

おく必要がある。バナジウム含有率は,JIS G 1221 

附属書 2JIS G 1221 の附属書 4,又は JIS G 1257

附属書 11 で規定されている手順で定量できる。

参考  バナジウム定量方法は,JIS G 1221JIS G 1257 及び JIS G 1258 に規定されている。

試料中のバナジウムの含有率質量分率が 0.03%未満であればその干渉は無視できる。

試料中のバナジウム含有率質量分率が 0.03%から 1%の場合,次式によって補正する。

(

)

34

.

0

×

=

V

Cr

Cr

T

  ここに,Cr

T

:滴定から計算されたクロム含有率質量分率(%)

          V:試料中のバナジウム含有率質量分率(%)

8.3 

精度  この方法の共同実験は,7 水準のクロム含有試料について 6 分析所での 3 回定量によって行わ

れた(

1

)(

2

)。実験試料の詳細と実験結果を

附属書 3A 表 及び附属書 3A 表 に示す。

注(

1

)  3 回の定量のうち 2 回は,JIS Z 8402-1 で定義している併行測定条件すなわち一人の分析者が

同一装置,同一操作条件,同一校正によって最小時間で行った。

  (

2

)  3 回目の定量は,同じ分析者が同じ装置で,新しい校正によって別の時間(別の日)に行った。

  共同実験結果を JIS Z 8402-1JIS Z 8402-2 及び JIS Z 8402-3 に従って統計処理し(

3

)、得られた許容差

と含有率との対数関係式から算出された併行許容差(r)並びに再現許容差(Rw 及び R)の各クロム含有率での

値を

附属書 表 に示す。また、含有率と許容差の関係を附属書 3B に図示する。

(

3

)

  1

日目で得られた 2 個の結果から,JIS Z 8402-2 に従い,併行分析許容差(r)及び室間再現許容差

(R)

を計算した。第 1 日目の最初の値及び第 2 日目の値から,JIS Z 8402-3 に従い,室内再現許

容差(Rw)を計算した。


21

G 1217

:2005

     

附属書   1  併行許容差及び再現許容差の結果

クロム含有率 
質量分率 (%)

併行許容差  r

質量分率 (%)

室内再現許容差  R

W

質量分率 (%)

室間再現許容差  R

質量分率 (%)

         1

0.019

0.018

0.040

         2

0.026

0.027

0.057

         5

0.038

0.048

0.092

        10

0.051

0.074

0.132

        20

0.068

0.114

0.190

        35

0.086

0.161

0.254

9. 

結果の解釈

9.1 

電位差滴定の終点について正確で再現性の高い判定は,滴定が等量点を超えて行われる点で,通常の

目視滴定と異なる。古典的な S 形滴定曲線は,等量点の近くで電位の急激な上昇を示す。曲線の急な部分

の中点は通常は変曲点で,対称的な滴定曲線の等量点と一致する。  非対称的な滴定曲線において真の等量

点は中点と一致しないが,電位の変化は通常滴定誤差が無視できるくらいの大きさである。

9.2 

手動の電位差滴定は,滴定液添加ごとに電位が平衡になるまで待って記録するので時間がかかる。

等量点の近くでは,滴定液を少量ずつ加え,大きい電位変化が観測される測定を少なくとも 3 点取らなく

てはならない。

  終点は記録データから滴定曲線をプロットし,曲線の急峻な部分から内挿して決定する。しかし,当量

点で最大となる値をとる 1 次微分(dE/dV)を計算するほうが望ましい。正確な終点の容量は電位の容量

に対する 2 次微分の値がゼロとなる点によって求められる。もし,大きな電位変化の直前直後に滴定液を

等量ずつ添加したら,2 次微分関数において添加の間で符号が変化するのを見つけるのは容易である。し

たがって 2 次微分関数の内挿でゼロ点を容易に見つけられる。

9.3 

直接滴定曲線を記録するか,又はデジタル形式でデータを処理する自動滴定装置の使用は大きな利

点がある。この附属書の適用にはそのような装置を推奨する。 

10.

分析報告書  分析報告書には,次の情報を記載しなければならない。

a)

試料,分析室及び分析データを識別させるため必要なすべての情報

b)

この附属書の引用

c)

結果及び表示した形態

d)

定量の際に注目された異常な特徴

e)

この附属書に規定されていないすべての操作,又は結果に影響を与えそうなすべての任意操作。


22

G 1217

:2005

     

附属書 3A(参考)国際共同実験についての追加情報

附属書 表 は 1996 年に 5 か国 6 分析室で,7 試料を用いて実施した国際共同実験の結果から求めた。

共同実験の結果は 1996 年 8 月発行の ISO/TC 17/SC 1 N1141 の文書に報告されていて,

附属書 3A 表 

示す。精度のグラフ表示を

附属書 3B に示す。

使用した試料を

附属書 3A 表 に示す。

附属書 3A 表 1  共同実験に用いた試料

化学組成  質量分率(%)

試料

Cr C Si

Mn

Ni

Mo

W Co V Ti

Nb

NBS362

(

非合金鋼)

 0.3

0.16

0.39  1.04

 0.59

0.07

 0.20

0.30

0.041  0.08  0.29

JK 7A

(

低合金鋼)

1.15 0.35  0.21 0.56

3.28

0.25

0.010

JSS607-8

(

高速度鋼)

 3.97  0.78

0.3

0.35

 0.05

0.54

17.48

4.59

0.84

NBS 892

(

鋳鉄)

10.18 3.33  0.76 0.05

5.53

0.20

0.05

0.31  0.041 0.02

JK 8F

(

高合金鋼)

16.91 0.039 0.42 1.55

11

2.78

0.13  0.022

0.001

JK 37

(

高合金鋼)

26.72 0.013 0.14 1.73

30.8  3.55

0.02

0.06  0.075

0.002

NBS 890

(

鋳鉄)

32.4 2.91 0.67

0.62

0.4 0.02

0.03 0.45

附属書 3A 表 2  共同実験で得られた結果の詳細

精度  質量分率(%)

クロム含有率

質量分率(%)

併行精度

再現精度

試料

認証値

分析値 w

Cr

R

W

 

NBS362

(

非合金鋼)

 0.3

    0.345

    0.016

    0.027

    0.109

JK 7A

(

低合金鋼)

 1.15

    1.17

    0.029

    0.026

    0.057

JSS607-8

(

高速度鋼)

 3.97

    3.97

    0.017

    0.02

    0.046

NBS 892

(

鋳鉄)

10.18

   10.22

    0.09

    0.12

    0.14

JK 8F

(

高合金鋼)

16.91

   16.87

    0.037

    0.10

    0.22

JK 37

(

高合金鋼)

26.72

   26.68

    0.11

    0.17

    0.23

NBS 890

(

鋳鉄)

32.4

   32.54

    0.08

    0.12

    0.23


23

G 1217

:2005

     

附属書 3B(参考)精度データのグラフ表示

  附属書 3B 図 はクロム含有率(Cr)と繰り返し許容差(r)及び再現許容差(R

W

と R)の対数関係を示してい

る。

7136

.

1

log

4202

.

0

log

=

Cr

w

r

7528

.

1

log

6220

.

0

log

=

Cr

W

w

R

401

.

1

log

5225

.

0

log

=

Cr

w

R

  ここに,

Cr

w

:各実験所 3 定量値の平均の Cr 含有率(質量分率%)

附属書 3B 図 1  クロム含有率(Cr)と繰り返し許容差(r)及び再現許容差(R

W

と R)の対数関係 


24

G 1217

:2005

     

附属書 4(規定)1,5-ジフェニルカルボノヒドラジド吸光光度法

1. 

要旨  試料を硝酸,硫酸及びりん酸の混酸で分解し,過マンガン酸カリウムでクロムを二クロム酸に

酸化し,過剰の過マンガン酸を亜硝酸ナトリウムで分解し,残った亜硝酸を尿素で分解した後,二クロム

酸と 1,5-ジフェニルカルボノヒドラジドとの反応で赤紫を呈色させ,鉄の影響をふっ化水素酸で除いて吸

光度を測定する。 

2. 

試薬  試薬は,次による。

a)

硝酸

b)

ふっ化水素酸(1+11)

c)

硫酸(1+100)

d)

混酸 A (硝酸 1,硫酸 4,りん酸 3,水 22)

e)

混酸 B (混酸 A 3,水 37)

f)

鉄  できるだけ純度が高い鉄で,クロムを含有しないか,又はクロム含有率ができるだけ少なく既知

であるもの。

g)

亜硝酸ナトリウム溶液(100g/L)

h)

過マンガン酸カリウム溶液(5g/L)

i)

尿素溶液(200g/L)

j)

ジフェニルカルボノヒドラジド溶液  1,5-ジフェニルカルボノヒドラジド 0.2g をエタノール(95)(JIS 

K 8102

)

約 80ml によくかき混ぜて溶解し,エタノール(95)で 100ml とする。又は,アセトン 100ml に

よくかき混ぜて溶解する。これらの溶液は使用の都度調製し,褐色瓶に入れる。

k)

標準クロム溶液(100μgCr/ml)  二クロム酸カリウム(JIS K 8005)約 2g を,JIS K 8005 の 5.(乾燥方法)

に従って乾燥し,これから 1.4145g をはかりとってビーカー(200ml)に移し入れ,水約 100ml に溶解す

る。溶液を 1000ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液(500μgCr/ml)と

する。この原液を使用の都度,必要量だけ水で正確に 5 倍に薄めて標準クロム溶液とする。

3. 

試料はかりとり量  試料はかりとり量は,附属書 表 による。

附属書   1  試料はかりとり量

クロム含有率 
質量分率 (%)

試料はかりとり量

g

 0.020

以上 0.25 未満

0.20

 0.25

以上 2.0 以下

0.10

4. 

操作

4.1 

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a)

はかりとった試料を三角フラスコ(300ml)に移し入れる。

b)

混酸 A20ml を加えて穏やかに加熱して分解する。

c)

引き続き加熱して三酸化硫黄の白煙を発生させ,硝酸約 1ml を添加して炭化物などを分解した後,更

に白煙を発生させ炭化物などを十分に分解する(

1

)。


25

G 1217

:2005

     

注(

1

)  試料が混酸 A だけで分解する場合は,三酸化硫黄の白煙発生と硝酸の添加を省略できる。

d)

放冷した後,水で液量を約 60ml とし,ろ紙(5 種 A)を用いてろ過し(

2

)

,なるべく少量の硫酸(1+100)で

ろ紙及び残さを洗浄する。ろ液及び洗液は,三角フラスコ(300ml)に集め,加熱蒸発して液量を約 60ml

とする。残さは捨てる。

注(

2

)  溶液中に残さが認められない場合は,ろ過操作を省略できる。

4.2 

クロムの酸化  クロムの酸化は,次の手順によって行う。

a)

  4.1d)

で得た溶液を加熱して穏やかに煮沸し,過マンガン酸カリウム溶液 2ml を加え(

3

)

,2~3 分間煮沸

する。

注(

3

)  赤紫が速やかに消える場合は,過マンガン酸カリウム溶液約 1ml ずつを消えなくなるまで追加

する。

b)

水約 50ml を加え,室温まで冷却した後,尿素溶液 10ml を加えて振り混ぜ,亜硝酸ナトリウム溶液を

1

滴ずつ加えて,その都度よく振り混ぜ,過マンガン酸の赤紫が消えるまで,この操作を繰り返す。

赤紫が消えたら尿素と亜硝酸の反応による泡立ちがやむまで振り混ぜる。

c)

クロムの予想含有率に応じて

附属書 表 に示す全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで

薄める(

4

)

注(

4

)  この溶液を長時間放置すると負誤差の原因となるので,できるだけ早く次の操作に移るように

しなければならない。

附属書   2  溶液の希釈と分取量及び混酸 B 添加量

クロム含有率

質量分率%

使用する全量フラスコ

ml

分取量

ml

混酸 B[2.e)]添加量

ml

 0.020

以上 0.25 未満

250

50

        0

 0.25

以上 0.50 未満

250

50

        0

 0.50

以上 2.0  以下

200

10

       40

4.3 

呈色  4.2c)で得た溶液から,クロムの予想される含有率に応じて附属書 表 に従って,その一部

を 100ml の全量フラスコに分取し,更に分取量に応じて混酸 B を添加した後,ジフェニルカルボノヒドラ

ジド溶液[2.j)]3ml を正確に加え,約 1 分間静置してから,ふっ化水素酸(1+11)5ml を加え,水で標線まで薄

める。

4.4 

吸光度の測定  4.3 で得た呈色溶液の一部を光度計の吸収セル(1cm)に取り,水を対照液として波長

540nm

付近の吸光度を測定する(

5

)

(

5

)

吸光度の測定は,呈色後 5 分以内に行う。

5. 

空試験  試料の代わりに試料と同量の鉄[2.f)]をはかりとり,試料と同じ操作を試料と併行して行う。

6. 

検量線の作成  検量線の作成は,次の手順によって行う。

a)

附属書 表 のクロム含有率範囲ごとに 6 個の三角フラスコ(300ml)を準備し,それぞれに附属書 

3

に従って鉄[2.f)]をはかりとって移し入れる。

b)

  4.1b)

の操作を行う。

c)

放冷した後,それぞれに

附属書 表 に従って標準クロム溶液[2.k)]を正確に添加した後,水で液量を

約 60ml とする。

d)

  4.2

4.4 の操作を試料と併行して行う。


26

G 1217

:2005

     

e)

得た吸光度と標準クロム溶液として加えたクロム量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るよ

うに平行移動して検量線とする。

附属書   3  検量線溶液

クロム含有率

質量分率%

鉄[2.f)]はかりとり量

g

標準クロム溶液[2.k)]添加量

ml

0.01

以上 0.25 未満

0.200

  0

, 1.0, 2.0, 3.0, 4.0, 5.0

0.25

以上 0.50 未満

0.100

  0

, 1.0, 2.0, 3.0, 4.0, 5.0

0.50

以上 2.0  以下

0.100

  0

, 2.0, 5.0, 10.0, 15.0,

20.0

7. 

計算  4.4 及び 5.で得た吸光度と 6.で作成した検量線とからクロム量を求め,試料中のクロム含有率を

次の式によって算出する。

C

B

m

C

B

A

A

A

Cr

×

÷

ø

ö

ç

è

æ

×

=

3

2

1

ここに,

Cr

:試料中のクロム含有率質量分率(%)

A

1

:分取した試料溶液中のクロム検出量(g)

A

2

:分取した空試験液中のクロム検出量(g)

A

3

5.ではかりとった鉄[2.f)]中に含まれるクロムの量(g)

B

:試料溶液の分取量(ml)

C

:使用した全量フラスコの容積(ml)

m

:試料はかりとり量(g)

8. 

許容差  許容差(

6

)

は,

附属書 表 による。

附属書   4  許容差

クロム含有率

質量分率(%)

室内再現許容差

質量分率(%)

室間再現許容差

質量分率(%)

0.020

以上 0.50 未満

f

(n)

×[0.0057×(

Cr

)

+0.0015]

f

(n)

×[0.0108×(

Cr

)

+0.0020]

0.50

以上 2.0 以下

f

(n)

×[0.0040×(

Cr

)

+0.0076]

f

(n)

×[0.0196×(

Cr

)

+0.0060]

(

6

)

許容差計算式中の

f

(n)

は,JIS Z 8402-6 の表 による。n の値は,室内再現許容差の場合は同一

室内における分析回数,室間再現許容差の場合は分析に関与した分析室数である[n=2 のとき,

f

(n)=2.8

である]。また,(

Cr

)

は,許容差を求める試料中のクロム含有率質量分率(%)である。


27

G 1217

:2005

     

附属書 5(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS G 1217:2005 鉄及び鋼−クロム定量方法 
附属書 1

ISO 4937:1986 鋼及び鉄−クロム定量方法−電位
差又は目視滴定法

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技
術的差異の項目ごとの評
価及びその内容

項 目 番

内容

項目番

内容

項目ごと
の評価

技 術 的 差 異 の
内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との
技術的差異の理由及び
今後の対策

本 体 の
4. 定 量
方 法 の
区分

定量範囲:
質 量 分 率
0.1% 以 上
35%以下

1.適用
範囲

質量分率 0.25%
以上 35%以下

MOD/ 追

JIS は定量下
限値が低い。

差異は共同実験試料の
濃度範囲による。 
ISO 改訂での再共同実
験時に適用範囲拡大を
提案。

本 体 の
4. 定 量
方 法 の
区分

定量範囲:
質 量 分 率
0.1% 以 上
35%以下

1.適用
範囲

目視滴定は,は
かりとった試料
中にバナジウム
3mg 以 下 含 有
する場合にだけ
適用する。

MOD/ 削

JIS は目視法
で あ る が バ ナ
ジ ウ ム 量 の 制
約 を 外 し て い
る。

ISO では目視法は電位
差法の補助の位置付け
のため細かな規定をせ
ず,適用範囲を狭めた。
JIS では操作性の利点
から目視法での V 補正
法を残す。

4.3 滴

目 視 滴 定
規定。

コバ

ル ト 及 び
バ ナ ジ ウ
ム の 影 響
対 策 を 規
定。

7.3.3
滴定

電位差滴定及び
目 視 滴 定 を 規
定。

MOD/ 追

ISO の目視滴
定 で は コ バ ル
ト 及 び バ ナ ジ
ウ ム の 共 存 時
対 策 を 規 定 し
ていない。

ISO では目視法は電位
差法の補助の位置付け
のため細かな規定をし
ていない。 
JIS では操作性の利点
から目視法での共存元
素補正法を残す。

7. 許 容

室 内 再 現
許 容 差 及
び 室 間 再
現 許 容 差
を規定。

8.2 精

併行許容差及び
室間再現許容差
を規定。

MOD/ 変

JIS の許容差
は ISO 目視法
で の 許 容 差 よ
り小さい。

ISO では目視法による
滴定に熟練していない
ため精度劣る。電位差
法では JIS と同等以上。

JIS と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD

備考 1.項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

        −MOD/削除・・・・国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

        −MOD/追加・・・・国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

        −MOD/変更・・・・国際規格の規定内容を変更している。

    2.JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

        −MOD・・・・・・国際規格を修正している。