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G 1215-4

:2010

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  一般事項  

2

4

  要旨 

2

5

  試薬 

2

6

  装置及び器具  

3

7

  操作 

3

7.1

  装置の調整  

3

7.2

  試料はかりとり  

4

7.3

  空試験  

4

7.4

  鉄(5.2)中の硫黄含有率  

4

7.5

  定量  

5

7.6

  検量線の作成  

5

8

  結果の表示  

8

8.1

  計算方法  

8

8.2

  許容差  

8

9

  結果の整理及び分析報告書  

9

附属書 JA(参考)JIS と対応国際規格との対比表  

10


G 1215-4

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まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本鉄鋼連盟(JISF)から,工業標

準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業

大臣が制定した日本工業規格である。

これによって,JIS G 1215:1999 は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。

JIS G 1215

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

G

1215-1

  第 1 部:鉄分離硫酸バリウム重量法

JIS

G

1215-2

  第 2 部:クロマトグラフ分離硫酸バリウム重量法

JIS

G

1215-3

  第 3 部:硫化水素気化分離メチレンブルー吸光光度法

JIS

G

1215-4

  第 4 部:高周波誘導加熱燃焼−赤外線吸収法


日本工業規格

JIS

 G

1215-4

:2010

鉄及び鋼−硫黄定量方法−

第 4 部:高周波誘導加熱燃焼−赤外線吸収法

Iron and steel-Determination of sulfur content-

Part 4: Infrared absorption method after combustion in an induction furnace

序文 

この規格は,1989 年に第 1 版として発行された ISO 4935,1997 年に第 1 版として発行された ISO 13902

及び 2000 年に第 1 版として発行された ISO 15350 を基に,上記 3 規格の技術的内容を一つの規格としてま

とめ,

更に JIS G 1215:1999 の

附属書 に規定されていた燃焼−赤外線吸収法の技術的内容を取り込むため,

技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

適用範囲 

この規格は,鉄及び鋼の硫黄定量方法のうち,高周波誘導加熱燃焼−赤外線吸収法について規定する。

この方法は,銑鉄及び鋳鉄中の硫黄含有率(質量分率)0.002 %以上 0.35 %以下の定量並びに鋼中の硫黄含

有率(質量分率)0.000 5 %以上 0.35 %以下の定量に適用する。

ただし,硫黄標準液による検量線作成時は,鉄及び鋼中の硫黄含有率(質量分率)0.002 %以上 0.10 %以

下の定量に,硫酸バリウムによる検量線作成時は,鉄及び鋼中の硫黄含有率(質量分率)0.10 %以上 0.35 %

以下の定量に,鉄鋼標準物質による検量線作成時は,銑鉄及び鋳鉄中の硫黄含有率(質量分率)0.003 0 %

以上 0.20 %以下の定量並びに鋼中の硫黄含有率(質量分率)0.000 5 %以上 0.35 %以下の定量に適用する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 4935:1989

,Steel and iron−Determination of sulfur content−Infrared absorption method after

combustion in an induction furnace

ISO 13902:1997

,Steel and iron−Determination of high sulfur content−Infrared absorption method

after combustion in an induction furnace

ISO 15350:2000

,Steel and iron−Determination of total carbon and sulfur content−Infrared absorption

method after combustion in an induction furnace (routine method)(全体評価:MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。


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G 1215-4

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JIS G 1201

  鉄及び鋼−分析方法通則

JIS K 1101

  酸素

JIS Z 2616

  金属材料の硫黄定量方法通則

JIS Z 8402-6

  測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第 6 部:精確さに関する値の実用的

な使い方

一般事項 

定量方法に共通な一般事項は,JIS G 1201 及び JIS Z 2616 による。

要旨 

試料を,助燃剤とともに高周波誘導加熱炉中で酸素を流しながら高温に加熱して燃焼させ,硫黄を二酸

化硫黄に変換させる。

二酸化硫黄を,酸素気流で検出器に搬送してその赤外線吸収量を測定する。

試薬 

試薬は,次による。

5.1 

酸素  酸素は JIS K 1101 による。 

5.2 

鉄  硫黄含有率(質量分率)が 0.000 5 %以下で,既知又は 7.4 の操作によって硫黄含有率を求めた

もの。 

5.3 

不活性セラミックス(粘土焼結粒子)  粒径 0.7∼1.2 mm のもので,水酸化ナトリウムを浸透させ

たもの。

5.4 

過塩素酸マグネシウム [Mg(ClO

4

)

2

  粒径 0.3∼2.3 mm のもの。 

5.5 

助燃剤  助燃剤は,JIS Z 2616 の 8.12(助燃剤)c)タングステン又は c)タングステンと b)すずとの

混合物とする。助燃剤の種類及び量は,硫黄含有率既知の試料を分析して確認し,使用する装置及び試料

の鋼種に最も適したものを選ぶ。 

5.6 

硫黄標準液(硫酸カリウム溶液)  あらかじめ 105∼110  ℃で 1 時間,又は恒量まで乾燥してデシケ

ーター中で放冷した硫酸カリウム(質量分率 99.9 %以上)を

表 に記載した質量だけ,0.1 mg のけたまで

はかりとる。 

それぞれを 7 個の 100 mL のビーカーに移し入れて水で溶解する。

これらを 7 個の各々の 100 mL の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。 

表 1−硫黄標準液の調製

硫黄標準液の

番号

硫酸カリウムの質量

g

硫黄の濃度

mg/mL

5.6.1 

0.217 4

0.40

5.6.2 

0.380 4

0.70

5.6.3 

0.543 4

1.00

5.6.4 

1.086 9

2.00

5.6.5 

1.902 2

3.50

5.6.6 

2.717 2

5.00

5.6.7 

4.347 5

8.00


3

G 1215-4

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5.7 

硫酸バリウム(質量分率 99.5 %以上)  使用前に 105∼110  ℃で 3 時間乾燥し,デシケーター中で

放冷したもの。 

5.8 

鉄鋼標準物質  硫黄含有率の認証値が得られていて,組成が分析試料と類似した標準物質。 

5.9 

検量線校正用標準物質  組成が分析試料と類似した十分に均質な標準物質で,硫黄含有率が使用す

る検量線範囲の上限に近いもの。検量線作成に用いた鉄鋼標準物質をこれに当ててもよい。 

装置及び器具 

高周波誘導加熱炉の燃焼装置及びそれに接続する発生した二酸化硫黄の赤外線吸収測定装置は,多数の

製造業者で商品化している。機器の操作については,製造業者の指示書に従う。

6.1 

高周波誘導加熱炉  高周波誘導加熱炉は,JIS Z 2616 の 8.6(燃焼管加熱炉)b)(高周波誘導加熱炉)

による。 

6.2 

硫黄酸化物定量部  高周波誘導加熱炉に接続し,発生した二酸化硫黄を定量する装置は,JIS Z 2616

の 9.5[赤外線吸収法(積分法)

]の 9.5.2(装置の組立て)による。 

6.3 

微量化学天びん  0.001 mg まで読み取れるもの。 

6.4 

マイクロピペット  50 μL 及び 100 μL,誤差の限度は 1 μL 以下でなければならない。 

6.5 

すずカプセル  直径 6 mm,高さ 18 mm,質量 0.3 g で体積約 0.4 mL のもの。 

6.6 

るつぼ  磁器製で,高周波誘導加熱炉での燃焼に耐え得るもの。 

るつぼは,電気炉に入れて空気中又は酸素気流中で,1 100  ℃

1)

で 2 時間以上強熱し,使用直前までデシ

ケーター中に保存する。

1)

  低硫黄含有率の試料を定量するときは,るつぼは酸素気流中で 1 350  ℃に強熱するのがよい。

6.7 

グラスファイバーフィルター  るつぼの直径に合わせて切断し,450 ℃で 12 時間以上加熱する。 

操作 

警告  燃焼分析に関する危険は,多くはるつぼの事前強熱と融解の際のやけどである。すべての場合,

るつぼばさみを使用する。使用済のるつぼは,高温になっているが,その高温に耐え,かつ外

部に熱の影響を及ぼさない適切な容器に入れて,室温付近まで放冷する。酸素ボンベの操作に

ついては,正規の予防策を取らなければならない。燃焼過程から排出される酸素は,閉鎖され

た室の中で酸素濃度が高くなり,火事の危険が増すので,装置から外気に効果的に排除させな

ければならない。

7.1 

装置の調整 

不活性セラミックス(粘土焼結粒子)

5.3)及び過塩素酸マグネシウム(5.4)のそれぞれを詰めた管を

用いて供給する酸素を精製し,待機中はガスを流さないでおく。ダスト捕集器として,ガラス綿フィルタ

ー又はステンレス鋼網を設ける。必要があれば,清掃又は交換をする。炉室,受台及びフィルタートラッ

プは,付着した酸化物を取り除くため,頻繁に清掃しなければならない。

長時間装置を使用しなかった後は,主電源を入れたときに装置の各部が安定化するまで装置製造業者が

推奨する時間だけ待機する。

炉室を清浄にした後,及び/又はフィルターを交換した後,又は装置を長期間使用しなかった後は,分

析を始める前に分析試料と同種類の数個の試料を燃焼させて装置を安定化させる。

装置に酸素を流してゼロ合わせを行う。

使用する装置が硫黄含有率の直読方式であるならば,次のように各検量線範囲に対して装置の読みを調


4

G 1215-4

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整する。

検量線シリーズの最大硫黄含有率に近い硫黄含有率の鉄鋼標準物質(5.8)を選んで,7.5 に規定する手

順に従って分析値(分析計の読み)を求める。

分析計の読みを認証値に合わせる。

この調整は,7.6 に規定する検量線の作成の前に行わなければならない。また,この調整で検量線を代用

したり,修正をすることはできない。

7.2 

試料はかりとり 

分析試料は,用いる検量線ごとに次に指定される量を 1 mg のけたまではかりとる。

a)

硫黄標準液による検量線のうち,硫黄含有率(質量分率)0.040 %未満までの検量線を用いる場合:1 g

b)

硫黄標準液による検量線のうち,硫黄含有率(質量分率)0.040 %以上の検量線を用いる場合:0.5 g

c)

硫酸バリウムによる検量線を用いる場合:0.5 g

これに更に鉄(5.2

(0.500±0.001)g を加えたものをはかりとった試料とする。

d)

鉄鋼標準物質による検量線を用いる場合:採用する検量線作成に用いた鉄鋼標準物質のはかりとり量

とほぼ同等となる量。

注記  鉄鋼標準物質のはかりとり量は,0.5 g 又は 1 g とする場合が多い。

炭素と硫黄の同時定量を行う機構の装置を用い,鉄鋼標準物質による検量線を使用する場合で,はかり

とり量による検量線作成範囲が重複している場合は,炭素の定量を考慮してはかりとり量を決めてよい。

7.3 

空試験 

定量する前に,空試験を次の手順で行う。空試験は複数回行うのが好ましい。ただし,空試験値が安定

している場合は,空試験は 1 回だけでよい。

空試験は,検量線の校正時には再測定することが望ましい。ただし,空試験値が安定している場合は,

省略して直近に行った空試験値で代用してもよい。

はかりとった試料(7.2)と同量の鉄(5.2)をるつぼ(6.6)に入れて,助燃剤(5.5)で覆う

2)

るつぼと内容物を,7.5 の第 2 段落及び第 3 段落に規定してあるように処理する。

空試験の読みを求めて,それらを検量線(7.6)を用いて硫黄の質量(mg)に変換する。

空試験値は,空試験から求めた硫黄の質量(mg)から使用した鉄(5.2)中の硫黄の質量(mg)を差し

引いて求める。

鉄(5.2)の代わりに,検量線作成用鉄鋼標準物質を用いて空試験値を求めてもよい。

鉄(5.2)を入れた空試験値と,鉄を入れずに助燃剤(5.5)だけを入れて求めた空試験値との差が,分析

試料の定量値に影響を及ぼさないレベルであることが確認できた場合は,鉄(5.2)を入れずに空試験を行

ってもよい。

空試験値(m

0

)は,測定した空試験値

3)

の平均値とする。

2)

  硫黄標準液による検量線を用いて分析する場合は,すずカプセル(6.5)をるつぼ(6.6)に入れ

て,カプセルをるつぼの底の方へ軽く押さえつけた後に,鉄(5.2)及び助燃剤(5.5)を加える。

3)

  空試験値は,硫黄量として 5 µg を超えてはならない。また,空試験値の差が,硫黄量として 3 µg

を超えてはならない。もし,この値が異常に高い場合には,汚染の原因を調査して排除しなけ

ればならない。

7.4 

鉄(5.2)中の硫黄含有率 

含有率が不明の鉄(5.2)中の硫黄含有率(質量分率)は,次のようにして定量する。

2 個のるつぼ(6.6)を準備する。


5

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鉄(5.2)を 1 個のるつぼに 0.500 g,他の 1 個に 1.000 g 加え,助燃剤(5.5)で覆う

2)

るつぼ及び内容物を,7.5 の第 2 段落及び第 3 段落の手順に従って処理する。得られた値を検量線(7.6

を用いて硫黄の質量(mg)に変換する。

鉄(5.2)0.500 g の硫黄の質量(m

2

(mg)は,るつぼに鉄(5.2)1.000 g を加えて測定した硫黄の質量

m

4

(mg)から,るつぼに鉄(5.2)0.500 g を加えて測定した硫黄の質量(m

3

(mg)を差し引いて求め

る。鉄(5.2)1.000 g の硫黄の質量(m

5

(mg)は,鉄(5.2)0.500 g 中の硫黄の質量(m

2

(mg)の 2 倍

である。

m

5

=2×m

2

=2×(m

4

m

3

)

7.5 

定量 

はかりとった試料(7.2)をるつぼ(6.6)に入れて,助燃剤(5.5)で覆う

2)

るつぼ及び内容物を受台に乗せ,燃焼位置まで上昇させてシステムを閉じる。炉の操作は,製造業者の

指示書に従う。

燃焼及び測定のサイクルが終了した後,るつぼを取り除いて分析計の読みを記録する。

7.6 

検量線の作成 

7.6.1 

硫黄標準液による検量線の作成 

7.6.1.1 

硫黄含有率(質量分率)が 0.005 0 %未満の定量の場合 

7.6.1.1.1 

検量線作成用試料(カプセル)の調製 

50

μL のマイクロピペット(6.4)を用いて,水(ゼロメンバー)及び硫黄標準液(5.6)を表 に示すよ

うに分取して,4 個の別々のすずカプセル(6.5)の中に移し入れる。

完全に乾燥するまで 90  ℃で徐々に蒸発し,デシケーター中で室温まで放冷する。

乾燥後,すずカプセル(6.5)はピンセットでつぶし,小さく折りたたむ。

7.6.1.1.2 

測定 

7.6.1.1.1

にて調製した検量線作成用試料(カプセル)をるつぼ(6.6)へ入れ,カプセルをるつぼの底の

方へ軽く押さえつけ,鉄(5.2)1.000 g を加えて,助燃剤(5.5)で覆う。

るつぼ及び内容物を 7.5 の第 2 段落及び第 3 段落の手順に従って処理し,各試料の読み値を求める。

表 2−検量線作成用試料[硫黄含有率(質量分率)0.005 0 %未満対応]

硫黄標準液の

番号

硫黄添加量

μg

試料 1 g 中の

硫黄含有率換算値

質量分率(%)

水 0 0.000

0

5.6.1 

20 0.002

0

5.6.2 

35 0.003

5

5.6.3 

50 0.005

0

7.6.1.1.3 

検量線の作成 

7.6.1.1.2

にて求めた各試料の読みからゼロメンバー(硫黄添加量がゼロの検量線作成用試料)の読みを

差し引いて,正味の読みを求める。

各試料の硫黄の質量(mg)に対して正味の読みをプロットして,検量線を作成する。


6

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7.6.1.2 

硫黄含有率(質量分率)が 0.005 0 %以上 0.040 %未満の定量の場合 

7.6.1.2.1 

検量線作成用試料(カプセル)の調製 

50

μL のマイクロピペット(6.4)を用いて,水(ゼロメンバー)及び硫黄標準液(5.6)を表 に示すよ

うに分取して,5 個の別々のすずカプセルに移し入れる。

完全に乾燥するまで 90  ℃で徐々に蒸発し,デシケーター中で室温まで放冷する。

乾燥後,すずカプセル(6.5)はピンセットでつぶし,小さく折りたたむ。

7.6.1.2.2 

測定 

7.6.1.1.2

の手順に従って処理する。

7.6.1.2.3 

検量線の作成 

7.6.1.1.3

の手順に従って処理する。

表 3−検量線作成用試料[硫黄含有率(質量分率)0.005 0 %以上 0.040 %未満対応]

硫黄標準液の

番号

硫黄添加量

μg

試料 1 g 中の

硫黄含有率換算値

質量分率(%)

水 0 0.000

0

5.6.3 

50 0.005

0

5.6.4 

100 0.010

0

5.6.6 

250 0.025

0

5.6.7 

400 0.040

0

7.6.1.3 

硫黄含有率(質量分率)が 0.040 %以上 0.10 %以下の定量の場合 

7.6.1.3.1 

検量線作成用試料(カプセル)の調製 

100

μL のマイクロピペット(6.4)を用いて,水(ゼロメンバー)及び硫黄標準液(5.6)を表 に示す

ように分取して,5 個の別々のすずカプセルに移し入れる。

完全に乾燥するまで 90  ℃で徐々に蒸発し,デシケーター中で室温まで放冷する。

乾燥後,すずカプセル(6.5)はピンセットでつぶし,小さく折りたたむ。

7.6.1.3.2 

測定 

7.6.1.3.1

にて調製した検量線作成用試料(カプセル)をるつぼ(6.6)へ入れ,カプセルをるつぼの底の

方へ軽く押さえつけ,鉄(5.2)0.500 g を加えて,助燃剤(5.5)で覆う。

るつぼ及び内容物を 7.5 の第 2 段落及び第 3 段落の手順に従って処理し,各試料の読み値を求める。

表 4−検量線作成用試料[硫黄含有率(質量分率)0.040 %以上 0.10 %以下対応] 

硫黄標準液の

番号

硫黄添加量

μg

試料 0.5 g 中の

硫黄含有率換算値

質量分率(%)

水 0

0.000

0

5.6.3 

100 0.020

0

5.6.4 

200 0.040

0

5.6.5 

350 0.070

0

5.6.6 

500 0.100

0


7

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7.6.1.3.3 

検量線の作成 

7.6.1.1.3

の手順に従って処理する。

7.6.2 

硫酸バリウムによる検量線の作成 

7.6.2.1 

検量線作成用試料の調製 

るつぼ(6.6)を 8 個準備し,小さなピンセットを用いてそれぞれの底部にグラスファイバーフィルター

6.7)を敷く。

微量化学天びん(6.3)を用いて,

表 に示した質量にできるだけ近い量の硫酸バリウム(5.7)を 0.001 mg

のけたまではかりとり,各々をるつぼ(6.6)に移し入れる。

鉄(5.2)1.000 g  を加えて,助燃剤(5.5)で覆う。

7.6.2.2 

測定 

るつぼ及び内容物を 7.5 の第 2 段落及び第 3 段落の手順に従って処理し,各試料の読み値を求める。

7.6.2.3 

検量線の作成 

7.6.1.1.3

の手順に従って処理する。

表 5−検量線作成用試料(硫酸バリウムによる検量線)

硫酸バリウム(5.7

の質量

mg

るつぼに採取した

硫黄の質量

mg

試料 0.5 g 中の

硫黄含有率換算値

質量分率(%)

0

 a)

 0  0

3.64 0.50 0.10 
5.46 0.75 0.15 
7.28 1.00 0.20 
9.10 1.25 0.25

10.92 1.50 0.30 
12.74 1.75 0.35 
14.56 2.00 0.40

a)

  ゼロメンバー

7.6.3 

鉄鋼標準物質による検量線の作成 

7.6.3.1 

検量線作成用試料の選定 

硫黄以外の成分組成が分析対象試料に類似して,硫黄含有率が段階的に変化し,選定した試料の全体の

含有率範囲が検量線範囲と一致するように,鉄鋼標準物質を少なくとも 4,5 個選定する。

注記  検量線作成用試料の選定数は,1 けたの含有率範囲で 2,3 個とする場合が多い。

7.6.3.2 

測定 

7.5

の操作を,試料の代わりに 7.6.3.1 で選んだ鉄鋼標準物質を用いて行う。また,空試験も同時に行う。

検量線作成用の鉄鋼標準物質のはかりとり量は,検量線を作成する硫黄量範囲によって区分する。はかり

とり量による検量線作成範囲の区分は装置の特性を考慮して決める。炭素と硫黄の同時定量を行う機構の

装置においては,はかりとり量による検量線作成範囲を重複させてよい。

注記  鉄鋼標準物質のはかりとり量は,0.5 g 又は 1 g とする場合が多い。

7.6.3.3 

検量線の作成 

各検量線作成用試料の認証値と試料はかりとり量とから求めた硫黄の量(mg)に対して 7.6.3.2 によっ

て求めた各検量線作成用試料の分析計の読みから空試験の読み分を差し引いた値をプロットして,検量線


8

G 1215-4

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を作成する。

7.6.3.4 

検量線の校正 

検量線校正用試料について,7.6.3.2 の操作を検量線作成用試料と併行に行い,8.1 によって検量線校正用

試料の基準含有率 S

C0

を求める。検量線に経時変化があると考えられるときは,検量線校正試料及び空試

験の測定を行い,8.1 に従って検量線校正用試料の未補正含有率 S

C

を求め,検量線の校正係数 α を次の式

によって求める。

C

0

C

S

S

=

α

検量線のこう(勾)配係数に

α

を乗じて校正する。

注記  検量線の校正の計算は,通常は装置に組み込まれていて自動計算される。

結果の表示 

8.1 

計算方法 

はかりとった試料の分析計の読みを,作成された検量線(7.6.1.1.37.6.1.2.37.6.1.3.37.6.2.37.6.3.3

又は校正された検量線(7.6.3.4)によって硫黄の質量

m

1

(mg)に変換する。

試料中の硫黄含有率は,次の式によって計算する。

100

10

)

(

3

0

1

×

×

=

m

m

m

S

m

m

m

10

)

(

0

1

=

ここに,

S

試料中の硫黄含有率[質量分率(

%

m

1

はかりとった試料からの硫黄検出量(

mg

。ただし硫酸

バリウムによる検量線を用いた場合は,

はかりとった試

料からの硫黄検出量から鉄(5.2

0.5 g

に含まれる硫黄

量(

m

2

)を差し引いた値を用いる。

m

0

空試験値(7.3

mg

m

はかりとった試料(7.2)の量(

g

。ただし,硫酸バリ

ウムによる検量線を用いた場合は,鉄(5.2

0.5 g

を加

える前の試料はかりとり量を用いる。

計算方法として,上の式と同じ結果が得られるときは,検量線作成方法を変えて,試料及び空試験の硫

黄の質量の絶対値を数値として表示せずに硫黄含有率を計算してもよい。

8.2 

許容差 

この方法の許容差は,

表 又は表 による。

表 6−許容差(試薬による検量線使用時) 

検量線作成法

併行許容差(r

質量分率(%)

室内再現許容差(R

w

質量分率(%)

室間再現許容差(R

質量分率(%)

硫黄標準液

による検量線作成

f(n)×0.003 600×S

0.622 21

f(n)×0.006 973×S

0.700 66

f(n)×0.015 260×S

0.688 78

硫酸バリウム

による検量線作成

f(n)×0.036 224×S

0.951 4

f(n)×0.023 768×S

0.392 8

f(n)×0.026 669×S

0.177 7

許容差計算式中の f(n)の値は,JIS Z 8402-6 

表 1(許容範囲の係数)による。の値は,室内再現許容差の

場合は同一分析室内における分析回数,室間再現許容差の場合は分析に関与した分析室数である。また,は,
許容差を求める硫黄定量値の平均値[質量分率(%)

]である。


9

G 1215-4

:2010

表 7−許容差(鉄鋼標準物質による検量線使用時)

対象

硫黄含有率

質量分率(%)

併行許容差(r

質量分率(%)

室内再現許容差(R

w

質量分率(%)

室間再現許容差(R

質量分率(%)

0.000 5 以上 0.008 未満

f(n)×0.003 11×S

0.361 8

f(n)×0.006 73×S

0.476 8

f(n)×0.007 12×S

0.388 2

0.008  以上 0.035 未満

f(n)×0.013 17×S

0.659 2

f(n)×0.013 89×S

0.624 9

f(n)×0.014 47×S

0.535 4

0.035  以上 0.35

以下

f(n)×0.028 5×S

0.890 7

f(n)×0.034 1×S

0.891 3

f(n)×0.039 7×S

0.834 0

銑鉄及

び鋳鉄

0.003  以上 0.025 未満

f(n)×0.008 49×S

0.450 5

f(n)×0.003 93×S

0.276 8

f(n)×0.008 90×S

0.273 0

0.025  以上 0.20

以下

f(n)×0.021 7×S

0.708 0

f(n)×0.031 5×S

0.842 0

f(n)×0.094 4×S

0.916 4

許容差計算式中の f(n)の値は,JIS Z 8402-6 

表 1(許容範囲の係数)による。の値は,室内再現許容差の場

合は同一分析室内における分析回数,室間再現許容差の場合は分析に関与した分析室数である。また,は,許

容差を求める硫黄定量値の平均値[質量分率(%)

]である。

結果の整理及び分析報告書 

定量結果には,JIS Z 2616 の箇条 10(結果の整理)の各細目及び検量線作成方法を記載するのが望まし

い。

分析報告書には,次の情報を含めなければならない。

a)

試料,分析室及び分析日時を証明するのに必要なすべての情報

b)

この規格の引用

c)

分析結果

d)

定量時に目立った異常な特徴

e)

この規格に規定されていない操作,又は結果に影響を与えるような任意の操作


附属書 JA

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS G 1215-4:2010

  鉄及び鋼−硫黄定量方法−第 4 部:高周波誘導加熱燃焼−赤外

線吸収法

ISO 4935:1989

,Steel and iron−Determination of sulfur content−Infrared absorption

method after combustion in an induction furnace 
ISO 13902:1997

,Steel and iron−Determination of high sulfur content−Infrared

absorption method after combustion in an induction furnace 
ISO 15350:2000

,Steel and iron−Determination of total carbon and sulfur content−

Infrared absorption method after combustion in an induction furnace (routine method)

(I)JIS の規定

(II)

国 際 規 格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差

異の理由及び今後の対策

箇 条 番 号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇 条 ご と

の評価

技術的差異の内容

1  適 用 範

適用範囲を規定 
鉄 0.002∼0.35 %

鋼 0.000 5∼0.35 %

ISO 4935

ISO 13902

ISO 15350



1

0.002 %以上 0.10 %以下 
0.10 %以上 0.35 %以下 
S:0.000 5∼0.33 %

追加

JIS

はすべてを包含

JIS

は,燃焼赤外法による S 定量

法規格をまとめたもので技術の本

質的な差異はない。

2  引 用 規

3  一 般 事

定量に共通な一般
事項を規定

追加

一般事項の規定であり,技術の本
質的な差異はない。

4  要旨

原理を記述

ISO 4935

ISO 13902

ISO 15350



3

原理を記述 

一致

5  試薬

使用する試薬を規

ISO 4935

ISO 13902

ISO 15350



4

試薬を規定 

追加

JIS

はすべてを包含

JIS

は,燃焼赤外法による S 定量

法規格をまとめたもので技術の本

質的な差異はない。

6  装 置 及
び器具

装置及び器具を規

ISO 4935

ISO 13902

ISO 15350



5

装置及び器具を規定 

追加

JIS

はすべてを包含

JIS

は,燃焼赤外法による S 定量

法規格をまとめたもので技術の本
質的な差異はない。

10

G 1

215

-4


201

0


(I)JIS の規定

(II) 
国 際 規 格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇 条 番 号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇 条 ご と

の評価

技術的差異の内容

(削除)

ISO 4935

ISO 13902

ISO 15350



7

試料の採取・調製を規定

削除

JIS

は試料の採取・調製を規定し

た JIS G 1201 を一般事項として引
用 し て い る の で 技 術 的 差 異 は な

い。

ISO 15350

6

装置構成を規定

削除

JIS

は引用している JIS Z 2616 

規定しているので技術的差異はな
い。

7  操作

安全上の指示を規

ISO 4935

ISO 13902

ISO 15350



8

安全上の指示を規定 

一致

7.1  装 置
の調整

装置の調整を規定

ISO 4935

ISO 13902

ISO 15350

7.1 
7.1 
8.1

装置の調整を規定 

一致

7.2  試 料
は か り と

試料はかりとり量

を規定

ISO 4935

ISO 13902

ISO 15350

7.2 
 
7.2 
8.2

1 g 又は 0.5 g をとると規
定 
0.5 g+鉄 0.5 g と規定 
適正な量をとると規定

追加

JIS

はすべてを包含

JIS

は,燃焼赤外法による S 定量

法規格をまとめたもので技術の本
質的な差異はない。

ISO 15350

8.3.1

炭素定量の操作を記載

削除

炭素定量についての規定はこの規

格の範囲外。

7.3  空 試

空試験を規定

ISO 4935

ISO 13902

ISO 15350

7.3 
7.3 
8.3.2.3

空試験を規定 

追加

JIS

は規定を緩めている。

JIS

は操作性から規定を緩めてい

るが,ISO 規格と技術の本質的な

差異はない。

7.4  鉄 中
の 硫 黄 含
有率

純鉄の硫黄含有率

の求め方を規定

ISO 4935

ISO 13902

7.3 注 
7.4 

純鉄の硫黄含有率の求め

方を規定

一致

7.5  定量

定量操作を規定

ISO 4935

ISO 13902

ISO 15350

7.4 
7.5 
8.5∼8.7

定量操作を規定 
 
定量操作及び測定値の管
理を規定

一致

一致

変更

ISO 15350

は測定値の管理も

規定

測定値の管理は引用している JIS 

G 1201

に規定しているので技術的

差異はない。

11

G 1

215

-4


201

0


(I)JIS の規定

(II) 
国 際 規 格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇 条 番 号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇 条 ご と

の評価

技術的差異の内容

7.6  検 量
線の作成

検量線の作成につ

いて 3 法を規定

ISO 4935

ISO 13902

ISO 15350

7.5 
7.6 
8.3∼8.4

検量線の作成法を規定

追加

JIS

はすべてを包含

JIS

は,燃焼赤外法による S 定量

法規格をまとめたもので技術の本
質的な差異はない。

8.1  計 算
方法

計算方法を規定

ISO 4935

ISO 13902

ISO 15350

8.1 
8.1 
9.1

計算方法を規定

一致

8.2  許 容

許容差を規定

ISO 4935

ISO 13902

ISO 15350

8.2 
8.2 
9.2

許容差を規定 
(表で表示)

変更 

JIS

は ISO 4935ISO 13902 

許容差及び JIS 独自の許容差

を規定し式で表示

JIS

は,燃焼赤外法による S 定量

法規格をまとめたもので技術の本

質的な差異はない。

9  結 果 の
整 理 及 び
分 析 報 告

分析報告書を規定

ISO 4935

ISO 13902

ISO 15350

10 
10 
10

分析報告書を規定

追加

JIS

は 3 法をまとめたために発

生した推奨記載事項について
追加規定

JIS

は,燃焼赤外法による S 定量

法規格をまとめたもので技術の本
質的な差異はない。

ISO 4935

ISO 13902

ISO 15350

附属書

附属書 
附属書

参考情報を記載

削除

附属書はいずれも参考情報なので

技術の本質的な差異はない。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:

ISO 4935:1989,ISO 13902:1997

ISO 15350:2000,MOD)

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  一致………………技術的差異がない。 
    −  削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

    −  追加………………国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

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