>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

G 1211-5

:2011

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義

1

4

  一般事項

1

5

  要旨

1

6

  試薬

2

7

  器具及び材料

2

8

  装置

2

8.1

  真空ろ過装置

3

9

  試料の調製

3

10

  試料はかりとり量

3

11

  操作

3

11.1

  燃焼に関する準備操作

3

11.2

  定量操作

3

12

  空試験

4

13

  計算

5


G 1211-5

:2011

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本鉄鋼連盟(JISF)から,工業標

準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業

大臣が制定した日本工業規格である。

これによって,JIS G 1211:1995 は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS G 1211

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

G

1211-1

  鉄及び鋼−炭素定量方法−第 1 部:燃焼−二酸化炭素重量法

JIS

G

1211-2

  鉄及び鋼−炭素定量方法−第 2 部:燃焼−ガス容量法

JIS

G

1211-3

  鉄及び鋼−炭素定量方法−第 3 部:燃焼−赤外線吸収法

JIS

G

1211-4

  鉄及び鋼−炭素定量方法−第 4 部:表面付着・吸着炭素除去−燃焼−赤外線吸収法

JIS

G

1211-5

  鉄及び鋼−炭素定量方法−第 5 部:遊離炭素定量方法


日本工業規格

JIS

 G

1211-5

:2011

鉄及び鋼−炭素定量方法−

第 5 部:遊離炭素定量方法

Iron and steel-Determination of carbon content-

Part 5: Determination of non-combined carbon

序文

この規格は,

JIS G 1211:1995

附属書 に規定されていた,遊離炭素定量方法−酸分解-燃焼法について,

技術的変更は行わず,引用規格の見直しなどを行って作成したものである。

1

適用範囲

この方法は,鉄及び鋼中の遊離炭素の定量方法について規定する。この方法は,遊離炭素含有率(質量

分率)0.3 %以上 3.0 %以下の定量に用いる。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS G 1201

  鉄及び鋼−分析方法通則

JIS G 1211-1

  鉄及び鋼−炭素定量方法−第 1 部:燃焼−二酸化炭素重量法

JIS G 1211-2

  鉄及び鋼−炭素定量方法−第 2 部:燃焼−ガス容量法

JIS G 1211-3

  鉄及び鋼−炭素定量方法−第 3 部:燃焼−赤外線吸収法

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS Z 2615

  金属材料の炭素定量方法通則

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS G 1201 によるほか,次による。

3.1

遊離炭素

鉄及び鋼中において,金属と結合せず,炭素単体(非晶質又は黒鉛の形)として存在している炭素。

4

一般事項

定量方法に共通な一般事項は,JIS G 1201 による。

5

要旨

試料をメタノール共存下で水で薄めた硝酸及び少量のふっ化水素酸によって分解し,遊離炭素をガラス


2

G 1211-5

:2011

繊維ろ紙でこし分け,ガラス繊維ろ紙とともに乾燥した後,酸素気流中で高温に加熱し,炭素を酸化して

二酸化炭素とする。この生成二酸化炭素を重量法(JIS G 1211-1

,ガス容量法(JIS G 1211-2)又は赤外線

吸収法(JIS G 1211-3)によって定量する。

6

試薬

試薬は,次による。

6.1

塩酸(11

6.2

硝酸

6.3

ふっ化水素酸

6.4

水酸化ナトリウム溶液

水酸化ナトリウム 60 g を二酸化炭素を除いた水(6.5)約 200 mL に溶解し,室温まで冷却した後,二酸

化炭素を除いた水(6.5)で 500 mL に薄めてプラスチック容器に保存する。

6.5

二酸化炭素を除いた水

二酸化炭素を除いた水は,使用直前に,次のいずれかによって調製する。

a)

水を加熱して 30 分間沸騰させ,酸素を吹き込みながら室温まで冷却し,更に 15 分間酸素を吹き込む。

b)  JIS K 0050

の E.2(二酸化炭素を除いた水の場合)による。

6.6

鉄  純度が高く,炭素含有率(質量分率)が 0.001 0 %以下で既知のもの。

6.7

助燃剤  炭素含有率(質量分率)が 0.001 0 %以下の銅,すず,タングステン又はタングステン・す

ずの混合物。

管状電気抵抗加熱炉燃焼に用いる助燃剤は,銅又はすずが望ましく,高周波誘導加熱燃焼に用いる助燃

剤は,タングステン,タングステン・すずの混合物又は銅が望ましい。それらの使用量は使用する装置に

最適な量をあらかじめ調査しておく。

なお,助燃剤は,JIS Z 2615 の 8.13(助燃剤)に示されている形状のものを用いることが望ましい。

6.8

炭酸バリウム

炭酸バリウム(質量分率 99.5 %以上)を使用前に 105∼110  ℃で約 3 時間乾燥し,グリースなどを塗ら

ないデシケーター中で放冷する。

6.9

炭酸ナトリウム

炭酸ナトリウム(質量分率 99.8 %以上)を使用前に約 300  ℃で約 2 時間乾燥し,グリースなどを塗らな

いデシケーター中で放冷する。

6.10

メタノール

7

器具及び材料

燃焼に関する器具及び材料は,適用する定量方法によって,それぞれの規格(JIS G 1211-1JIS G 1211-2

又は JIS G 1211-3)によるほか,次による。

7.1

ガラス繊維ろ紙  目開き 0.3 μm で直径 47 mm のもの。

8

装置

装置は,適用する定量方法によって,それぞれの規格(JIS G 1211-1JIS G 1211-2 又は JIS G 1211-3

によるほか,次による。


3

G 1211-5

:2011

8.1

真空ろ過装置

真空ろ過装置は,ガラス繊維ろ紙(7.1)を使用することができる耐酸性のものを用いる。

9

試料の調製

試料の調製は,次のいずれかによる。

a)

ドリルで調製できる場合は,直径 20∼25 mm,刃先角度 150°のドリルを用いて回転数 100∼120 回/

分で,試料チップの厚さ 1 mm 以上のものを切削する。

b)

コアドリルが使用できる場合は,適切なコアドリルで直径 2∼5 mm の棒状試料を採取し,試料はかり

とり量に応じて切断する。

c)

ドリルもコアドリルも使用できない場合又は特殊鋳鉄若しくは遊離炭素含有率の高い試料の場合は,

適切な工具を用いて厚さ 1∼2 mm の試料片を切り出す。

d)

切出し試料を調製できない場合には,塊状試料から平均組成を示せる適切な量の塊片を採取する。

10

試料はかりとり量

試料はかりとり量は,遊離炭素含有率(質量分率)が 1.0 %以上の試料では 0.50 g,1.0 %未満の試料で

は 1.0 g とする。

11

操作

11.1

燃焼に関する準備操作

燃焼に関する準備操作は,適用する方法によって,それぞれの規格(JIS G 1211-1JIS G 1211-2 又は JIS 

G 1211-3

)による。ただし,管状電気抵抗加熱炉を用いる場合の燃焼管内温度は,900  ℃とする。

高周波誘導加熱燃焼法を適用し,試薬を用いて検量線を作成する場合には,次のように操作する。

炭酸バリウム(6.8)又は炭酸ナトリウム(6.9)の

表 に示す量を 0.1 mg の桁まではかりとり,磁器燃

焼るつぼに移し入れる。これにガラス繊維ろ紙(7.1)2 枚,鉄(6.6)1.000 g 及び適切な助燃剤(6.7)を

試料に加えたのと同じ量を加える。以下,11.2 c)に従って処理し,指示値(A)を求める。

炭酸バリウム(6.8)又は炭酸ナトリウム(6.9)を加えないで同じ操作を行い,得た指示値を指示値(A

から差し引いて正味の指示値とする。

正味の指示値と炭素量との関係線を作成して検量線とする。

表 1−試薬を用いる検量線シリーズ

試薬のはかりとり量

mg

炭酸バリウム(6.8

炭酸ナトリウム(6.9

炭素相当量

mg

試料はかりとり量 0.5 g
に対する遊離炭素含有率

質量分率(%)

0

a)

 0

a)

 0

0

82.1 44.1

5.0  1.0

164.3 88.2

10.0  2.0

246.4 132.3

15.0  3.0

a)

  ゼロメンバー

11.2

定量操作

警告  次に示す操作は,安全上の注意を特に払わなければならない。

燃焼操作においては,高温に加熱された磁器燃焼ボート又は磁器燃焼るつぼの取扱いは必ず


4

G 1211-5

:2011

るつぼ挟みなどを使用して火傷に注意しなければならない。

また,過剰の酸素排気の取扱いに留意して火災発生の防止に努めなければならない。

メタノールと濃厚な硝酸とを混合すると爆発の危険があるので注意しなければならない。

定量操作は,次の手順によって行う。

a)

試料の分解

1)

試料をはかりとってビーカー(300 mL)に移し入れる。

2)

メタノール 25 mL を加え,次に二酸化炭素を除いた水(6.5)50 mL を,最後に硝酸 5 mL を加えて

時計皿で覆う。

3)

室温で 12∼16 時間放置する。

4)

硝酸 20 mL を加え,反応が完了するまで静置する。

5)

ビーカーを 50∼60  ℃の熱板上に移し,激しい反応が終了してからふっ化水素酸 4,5 滴を滴加し,

分解が完了するまで引き続き加熱する。

b)

遊離炭素のろ別

1)

真空ろ過装置(8.1)にガラス繊維ろ紙(7.1)2 枚を取り付けて二酸化炭素を除いた水(6.5)で湿ら

す。

2)  a)  5)

で得た溶液を穏やかに真空ろ過し,ビーカー壁をゴム付きガラス棒でこすりながら二酸化炭素

を除いた水(6.5)を用いて遊離炭素を完全にろ紙上に移す。

3)

漏斗の壁に付いた遊離炭素も二酸化炭素を除いた水(6.5)を用いてろ紙上に移す。

4)

ろ紙を塩酸(1+1)で 1 回,60∼70  ℃に加熱した二酸化炭素を除いた水(6.5)で 2 回,60∼70  ℃

に加熱した水酸化ナトリウム溶液(6.4)で 3 回,60∼70  ℃に加熱した塩酸(1+1)で 2 回,60∼

70  ℃に加熱した二酸化炭素を除いた水(6.5)で 5 回,最後にメタノールで洗浄して漏斗壁から遊

離炭素をろ紙上に移す。

5)

真空ろ過を止め,漏斗内の 1 枚目のろ紙をピンセットを用いて取り外し,折り曲げて磁器燃焼ボー

ト又は磁器燃焼るつぼに移し入れる。

6) 2

枚目のろ紙をピンセットを用いて取り外し,漏斗の内壁に付着する遊離炭素を拭き取って折り曲

げ,5)の磁器燃焼ボート又は磁器燃焼るつぼに移し入れる。

7)

ろ紙を入れた磁器燃焼ボート又は磁器燃焼るつぼを 105  ℃で 2 時間乾燥してグリースなどを塗らな

いデシケーター中に保存する。

c)

燃焼測定

b)  7)

で得たろ紙の入っている磁器燃焼ボート又は磁器燃焼るつぼを,JIS G 1211-1 の 7.4(燃焼)

JIS G 1211-2

の 8.2(定量操作)又は JIS G 1211-3 の 8.4(定量)に従って処理して分析計の指示値を

読み取る。ただし,高周波誘導加熱燃焼法を適用する場合は,b) 7)で保存した磁器燃焼るつぼの中に

更に鉄(6.6)1.000 g と適切な量の助燃剤

1)

6.7)とをはかりとって加える。

1)

  適用する方法及び/又は使用する装置によって適切な種類・量が異なるので,あらかじめ調

査しておく必要がある。

12

空試験

試薬だけを用いて試料と同じ操作を試料と併行して行う。ただし,高周波誘導加熱燃焼法を適用する場

合には,磁器燃焼るつぼの中に鉄(6.6)1.000 g と試料に加えたのと同じ量の助燃剤(6.7)とをはかりと

って加える。この場合,箇条 13 の計算に用いる空試験からの炭素検出量は,この箇条の操作で得た空試験


5

G 1211-5

:2011

炭素検出量から添加した鉄(6.6)中の炭素量を差し引いた値を用いる。

13

計算

11.2 c)

及び箇条 12 で得た指示値を,適用する方法によってそれぞれの規格(JIS G 1211-1JIS G 1211-2

又は JIS G 1211-3)で作成した検量線を用いて炭素量を求め,試料中の遊離炭素含有率を,次の式によっ

て算出する。

100

0

1

×

=

m

m

m

GC

ここに,

GC

試料中の遊離炭素含有率[質量分率(%)

m

1

試料からの遊離炭素検出量(g)

m

0

空試験からの炭素検出量(g)

m

試料はかりとり量(g)