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G0594:2004

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本鉄鋼連盟 (JISF)/社団法人日本

建材産業協会 (FECMI)/財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定

すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,

経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO/DIS 16151 : 2002,Corrosion of

metals and alloys

−Accelerated cyclic tests with exposure to acidified salt spray, ‘dry’ and ‘wet’ conditions を基礎と

して用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS G 0594 : 2004

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(参考)  混合塩水溶液(人工海水)への混酸添加量と pH との関係

附属書 B(参考)  サイクル腐食試験装置の例

附属書 C(参考)  試験条件の腐食促進性の確認方法

附属書 (参考)  JIS と対応する国際規格との対比表


G 0594

:2004

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

2

4.

  試験液

2

4.1

  水及び試薬

2

4.2

  法用試験液(酸性塩水溶液)

2

4.3

  法用試験液(中性塩水溶液)

3

5.

  試験装置

3

6.

  試験片

4

7.  

試験片の配置

4

8.

  試験条件

5

9.

  試験の継続

6

10.

  試験時間

7

11.

  試験後の試験片の取扱い

7

12.

  試験結果の評価

7

13.

  報告

7

附属書 A(参考) 混合塩水溶液(人工海水)への混酸添加量と pH との関係

9

附属書 B(参考) サイクル腐食試験装置の例

10

附属書 C(参考) 試験条件の腐食促進性の確認方法

11

附属書 (参考) JIS と対応する国際規格との対比表

13

 


日本工業規格

JIS

 G

0594

:2004

無機被覆鋼板のサイクル腐食促進試験方法

Methods of accelerated cyclic corrosion resistance tests for anodic coatings

with exposure to salt spray, dry and wet conditions

序文  この規格は,ISO/DIS 16151 : 2002,Corrosion of metals and alloys−Accelerated cyclic tests with exposure

to acidified salt spray, ‘dry’ and ‘wet’ conditions

を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格であ

る。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変

更の一覧表をその説明を付けて,

附属書 に示す。

1.

適用範囲  この規格は,酸性塩水噴霧,乾燥及び湿潤環境におけるサイクル腐食促進試験(以下,B

法という。

)及び中性塩水噴霧,乾燥及び湿潤環境におけるサイクル腐食促進試験(以下,C 法という。

並びに試験装置について規定する。

これらの腐食促進試験は,主として次の大気環境に適用する。

B

法は,海塩粒子が飛来し,かつ,酸性雨が降る大気環境。

C

法は,海塩粒子が飛来する一般的な大気環境。

参考  これらの腐食促進試験は,従来の中性塩水噴霧試験に比べ,大気環境で生じる腐食をよりよく

再現する。

これらの試験は,主として次の材料に適用する。

a)

電気化学的に卑な金属(亜鉛,亜鉛−アルミニウム合金,アルミニウム合金など)を被覆した鋼材

b)

化成処理を施した電気化学的に卑な金属を被覆した鋼材

備考1.  この規格に規定する試験方法には,有害な可能性のある化学薬品の使用を伴うので,あらゆ

る適切な安全対策を取るよう注意が必要である。

2.

この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO/DIS 16151 : 2002, Corrosion of metals and alloys

−Accelerated cyclic tests with exposure to

acidified salt spray, ‘dry’ and ‘wet’ conditions (MOD)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構

成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その

最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS G 3141

  冷間圧延鋼板及び鋼帯


2

G 0594

:2004

JIS K 8150

  塩化ナトリウム(試薬)

JIS K 8541

  硝酸(試薬)

JIS K 8951

  硫酸(試薬)

ISO 8407:1991

  Corrosion of metals and alloys− Removal of corrosion products from corrosion test

specimens

ISO 8993:1989

  Anodized aluminium and aluminium alloys−Rating system for the evaluation of pitting

corrosion

−Chart method

ISO 10289:1999

  Methods for corrosion testing of metallic and other inorganic coatings on metallic substrates

−Rating of test specimens and manufactured articles subjected to corrosion tests

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

a)

酸性雨  pH が 5.6 以下の降雨

b)

サイクル腐食促進試験  塩水噴霧,乾燥及び湿潤環境を順次繰り返すサイクル試験装置を用いて,鋼

材の腐食を促進する試験。

c)

海塩粒子  海岸の波打ち際及び/又は海上で波頭が砕けたときに発生する海水ミストが風で運ばれた

約 0.01 µm∼20 µm の粒子。

d)

噴霧液  ミスト状に噴霧された試験液

e)

照合試験片  JIS G 3141 に規定する SPCE 鋼板及び純度 99.9 %以上の亜鉛板

4.

試験液

4.1

水及び試薬  B 法又は C 法に使用する水及び試薬は,次による。

a)

水は,蒸留水又はイオン交換水を用い,その電気伝導率は,25 °C±2 °C で 20 µS/cm 以下とする。

なお,電気伝導率を 1 µS/cm 以下にすることが望ましい。

b)

試薬は,特級又はそれと同等以上のものを用いる。

4.2

B

法用試験液(酸性塩水溶液)

4.2.1

混合塩水溶液(人工海水)の調製  表 に示す試薬をそれぞれ表 の濃度になるよう水に溶解し,

塩分濃度 36.0 g/L±3.6 g/L の混合塩水溶液の原液を調製する。次に,この原液を水で 6 倍に希釈して,6.0

g/L

±0.6 g/L の混合塩水溶液を調製する。

参考  この原液の組成は,ISO 11130 : 1990,Annex A,A3 Test solution for simulating the corrosive effects

of ocean water

に示す代表的な人工海水の組成と同じである。この規格に相当する人工海水は,

市販されている。


3

G 0594

:2004

  1  混合塩水溶液原液の組成及び濃度

試薬

濃度 (g/L)

     NaCl

     24.53

     MgCl

2

      5.20

     Na

2

SO

4

      4.09

     CaCl

2

      1.16

     KCl

      0.695

     NaHCO

3

      0.201

     KBr

      0.101

      H

3

BO

3

      0.027

     SrCl

2

      0.025

     NaF

      0.003

4.2.2

混酸の調製  ガラス製などの容器に適量の水を入れた後,モル比(硝酸/硫酸)を 0.4 とするため

に,JIS K 8541 に規定する硝酸 16.2 g 及び JIS K 8951 に規定する硫酸(H

2

SO

4

,密度 1.84 g/mL,純度 96 %)

42.5 g

を混合し,更に水で希釈して液量を 1 L とする。

4.2.3

pH

の調整  4.2.1 で調製した混合塩水溶液に,溶液の pH が 25  ℃±2  ℃で 2.5±0.1 となるように

4.2.2

で調製した混酸を加える。

参考  混合塩水溶液に添加する混酸の量と pH との関係を附属書 に示す。この溶液は,pH が 2.5 近

辺では緩衝作用はない。

4.3

C

法用試験液(中性塩水溶液)  C 法で用いる試験液の調製は,試験液中の濃度が 1 g/L±0.1 g/L と

なるように,JIS K 8150 に規定する塩化ナトリウムを水に溶解する。調整した試験液の pH は,25  ℃±2  ℃

で 6.0∼7.0 とする。

5.

試験装置  試験装置は,次に示す個々の装置で構成する。試験液に触れるすべての部品は,腐食性の

材料を用いてはならない。

a)

試験槽  試験槽は,0.4 m

3

以上の容積とし,試験片が噴霧液に暴露される期間中,試験液を均一に噴

霧できる構造とする。試験槽の上部は,試験液の噴霧によって試験槽内部に生じた噴霧液の水滴が,

試験を行っている試験片上に落下しない構造とする。

参考  試験に使用する代表的な試験槽及び関連装置の例を附属書 に示す。

b)

温湿度調節装置  温湿度調節装置は,試験槽内の温度及び湿度を規定の範囲[8. a)  参照]に制御でき

る構造及びシステムを備えたものとする。また,温度の測定を,槽壁から少なくとも 100 mm 離れた

位置で行い,湿度調節器の水位を,規定の湿度を保持できるように,自動的に維持できる構造とする。

c)

噴霧装置  試験液を噴霧する装置は,圧力及び湿度を調整した清浄な空気の供給機,試験液をためる

タンク及び 1 個以上の噴霧器で構成する。噴霧装置は,油分又は固形物のすべての痕跡を除去するフ

ィルタを通過する圧縮空気を,規定の噴霧量が得られる一定の圧力{ゲージ圧 70∼170 kPa}(

1

)

 に調

節して供給できる構造とする。

注(

1

) 98

kPa

が好ましい。

噴霧器は,ガラス,プラスチックなどの化学的に不活性な材料で作製し,また,噴霧タンクは,試

験液が,試験中一定に噴霧されるように試験液の水位を自動的に維持できる構造とする。

備考  試験槽内で均一な噴霧分布が得られるように,噴霧量調整器を備えてもよい。

d)

空気飽和器  空気飽和器は,噴霧する水滴からの水分の蒸発を防ぐため,空気を試験槽内の温度より


4

G 0594

:2004

も数度高い温水の入ったタンク内を通過させ,湿気を含ませることができる構造とする。

e)

噴霧液採取容器  噴霧液採取容器は,プラスチック,ガラス又はその他の化学的に不活性な材料で出

来た採取面積が約 80 cm

2

の清浄なロートを目盛付シリンダー又は類似の容器に挿入したものとする。

噴霧量の分布の均一性を確認するために,

少なくとも 2 個の噴霧液採取容器を,試験片と同じ高さで,

一つは噴霧器の近く,一つは遠いところに設置する。噴霧液採取容器は,噴霧液だけが採取でき,試

験片及び/又は試験槽から落下する噴霧液は,採取できないように配置する。

参考  噴霧液採取容器の目的は,噴霧液の採取量が規定の範囲[8. b)  参照]にあることを確認するた

めに使用するものである。

f)

乾燥空気供給装置  乾燥空気供給装置は,“乾燥”工程で,規定の湿度をもつ乾燥空気を供給できるも

のとする(

表 及び表 参照)。

g)

排気装置  排気装置は,試験槽から屋外へ排気するためのシステムで,大気の背圧に影響されてはな

らない。また,屋外へ放出する前に,排気に含まれる噴霧液を処理する装置を備えていることが望ま

しい(

附属書 参照)。

h)

排水装置  試験液を屋外へ直接排水しないように,排水処理装置を備えなければならない。

6.

試験片  試験片は,次による。

a)

試験片の数及び寸法は,試験を行う材料又は製品の規格による。規定のない場合は,受渡当事者間の

協定による。

b)

試験片は,試験前に注意して洗浄し,試験結果に影響するような汚れ,油,その他の付着物を除去す

る。洗浄方法は,材料の特性,表面性状及び汚染の程度によるが,試験片の表面を損なうようないか

なる研磨材又は溶剤を使用してはならない。

試験片は,適切な有機溶剤(沸点が 60∼120  ℃)を用いて清浄な軟らかいブラシ又は超音波洗浄器

を使って洗浄する。洗浄は,溶剤で満たした容器の中で行い,洗浄後に新しい溶剤で試験片をすすぎ,

乾燥する。

洗浄後は,不注意な取扱いによって試験片の汚染が生じないよう注意する。

c)

大きな被覆した製品から試験片を切断する場合は,切り口近傍の被覆が損傷しないような方法で切断

する。規定のない場合は,切り口は,試験条件下で安定な被覆材,例えば,ペイント,ワックス,接

着テープなどで保護しなければならない。

7.

試験片の配置  試験片の配置は,次による。

a)

試験片は,噴霧器からの噴霧液の流れに直接当たらないように試験槽内に配置する。

b)

試験槽内が規定の試験片数で満たされていない場合は,噴霧を均一にするため,照合試験片と同一形

状の不活性で平たんな予備試験片で空きスペースを満たす。予備試験片は,試験片の腐食に影響を及

ぼさない材質,例えば,プラスチック,ガラス又はその他の化学的に不活性な材料を使用する。

c)

試験片の表面が試験槽内で噴霧にさらされる角度は,非常に重要なので,試験片は,原則として平た

んなものとし,鉛直方向に対し,20  °±5  °の範囲で,できるだけ 20  °に近い角度で上向きに置く。

参考  一体の製品のような不規則な面の場合には,この角度の範囲内にできる限り近づける。

d)

試験片は試験槽と接触しないように,かつ,試験する面が噴霧液の自然落下にさらされるように配置

する。試験片は,噴霧液が試験片又はその保持具から下方に置かれた他の試験片に落下しないときに

限り,試験槽内の異なった高さに置いてもよい。新たな又は 96 時間を超える試験では,試験片の位置


5

G 0594

:2004

換えを行ってもよい。この場合,位置換えの回数と頻度は,試験者の任意とし,報告書に記載しなけ

ればならない。

備考  試験槽内の試験片の配置位置によって噴霧液の自然落下量にばらつきがあり,噴霧液の落下量

が試験結果に影響を及ぼす可能性が高いので,試験片の位置は,一定の時間間隔で位置換えを

行うことが望ましい。

e)

試験片の保持具は,ガラス,プラスチック又はその他の化学的に不活性な材料のものを用いる。

8.

試験条件  試験条件は,次による。

a) B

法及び C 法の試験条件は,それぞれ

表 及び表 による。

  2  法による試験条件

項目

条件

1

酸性塩水溶液噴霧

(1)

  温度

(2)

  酸性塩水溶液

35

℃±1  ℃

4.2

で調製した塩濃度 6.0 g/L±0.6 g/L,

pH2.5

±0.1 の酸性塩水溶液

2

乾燥

(1)

  温度

(2)

  相対湿度

60

℃±1  ℃

30 %RH

以下

3

湿潤

(1)

  温度

(2)

  相対湿度

40

℃±1  ℃

85 %RH

±5 %RH

4 1

サイクルの時間及び内容

合計時間          8 h 
酸性塩水溶液噴霧  1 h

乾燥              4 h 
湿潤              3 h 
(それぞれ温度の移行時間を含む。

5

移行時間 
(各条件に移行後,その条件の規定の

温度及び相対湿度に達するまでの時
間。

噴霧から乾燥    30 min 未満

乾燥から湿潤    15 min 未満 
湿潤から噴霧    30 min 未満 
(噴霧開始は,通常,瞬時)

6

試験片保持角度

鉛直方向に対し  20  °±5  °


6

G 0594

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  3  法による試験条件

項目

条件

1

中性塩水溶液噴霧

(1)

  温度

(2)

  中性塩水溶液

35

℃±1  ℃

4.3

で調製した塩濃度 1 g/L±0.1 g/L,

pH6.0

∼7.0 の中性塩水溶液

2

乾燥

(1)

  温度

(2)

  相対湿度

50

℃±1  ℃

30 %RH

以下

3

湿潤

(1)

  温度

(2)

  相対湿度

40

℃±1  ℃

90 %RH

±5 %RH

4 1

サイクルの時間及び内容

合計時間          8 h

中性塩水溶液噴霧  1 h 
乾        燥      4 h 
湿        潤      3 h

(それぞれ移行時間を含む。

5

移行時間

(各条件に移行後,その条件の規定の
温度及び相対湿度に達するまでの時
間。

噴霧から乾燥  30 min 以内

乾燥から湿潤  15 min 以内 
湿潤から噴霧  30 min 以内 
(噴霧開始は,通常,瞬時)

6

試験片保持角度

鉛直方向に対し  20  °±5  °

b)

サイクル腐食試験装置の試験槽を不活性で平たんな予備試験片で満たした状態で試験装置を試験液噴

霧条件において 24 時間以上連続稼動するとき,80 cm

2

当たりの噴霧液の採取量が 1.5 mL/h±0.2 mL/h

で,かつ,その他の試験条件が規定どおりであることを確認してから試験を開始する。特に,噴霧液

採取容器に集められた液が,次の条件を満たしていることを確認する。

1) B

法:酸性塩水溶液濃度が 6.0 g/L±0.6 g/L で pH が 2.5±0.1

2) C

法:中性塩水溶液濃度が 1.0 g/L±0.1 g/L で pH が 6.0∼7.0

備考  試験液の噴霧時間は 1 サイクル当たり 1 時間だけであり,金属材料の耐食性は,塩濃度に対し

て非常に鋭敏であるため,試験液の噴霧量は,厳密に管理しなければならない。

c)

試験を開始する前に,試験槽を予備試験片で満たした状態で,

表 又は表 の試験条件で最低 3 サイ

クルの試験を実施し,各工程での乾球・湿球の温度の推移を測定し,温湿度条件を確認・記録するこ

とが望ましい。

d)

試験中に噴霧器のノズルの詰まりなどによる異常を早期発見するために,試験液タンクに目盛を付け,

試験液の水位変化を毎日定時に記録することが望ましい。

e)

一度噴霧した試験液は,再利用してはならない。

f)

試験液の噴霧中,試験槽の圧力変動があってはならない。

g)

試験槽内の湿球温度計のガーゼが乾燥しないように,定期的にガーゼの状態を管理しなければならない。

h)

試験結果の再現性を確認するため,定期的に試験の腐食性を検証しなければならない。照合試験片を

用いた試験槽の腐食性評価に適した方法を

附属書 に示す。

9.

試験の継続  試験は,原則として試験期間中連続して行わなければならない。試験片の検査のため,

やむを得ず試験を中断する場合は,その中断の時間は,できる限り短くする。


7

G 0594

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長期にわたって試験を中断する場合は,試験片を試験槽から取り出し,そのままの状態で乾燥し,試験

を再開するまで,試験片表面の付着物及び腐食生成物が脱落しないように注意しながら,デシケーター中

に保管する。

備考  試験を中断する場合,試験片の耐食性は,試験によってたい積した塩の影響を受けるので,試

験片を洗浄してはならない。

10.

試験時間  試験時間は,試験を行う材料又は製品の規格に規定された時間とする。規定のない場合は,

受渡当事者間の協定による。

備考  望ましい試験時間を,次に示す。

12

サイクル(96 時間)

,24 サイクル(192 時間)

,36 サイクル(288 時間)

,60 サイクル(480

時間)

,96  サイクル(768 時間)

,144 サイクル(1 152 時間)

,192 サイクル(1 536 時間)

11.

試験後の試験片の取扱い  試験終了後,試験片を試験槽から取り出し,乾燥してもよい。試験片に残

った噴霧液を注意深く洗浄した後,試験片を調査する。

試験片は,水洗いする前に 0.5∼1 時間乾燥してもよく,また,40  ℃以下の清浄な流水に浸せきした後,

直ちに 300 mm 程離れた位置から 200 kPa を超えない空気を当てて乾燥してもよい。

備考1.  質量の変化を評価するために,表面の腐食生成物を除去する場合は,ISO 8407 に規定する方

法で行ってもよい。

2. 55

%

アルミニウム−亜鉛めっきの腐食生成物を除去する場合は,ISO 8407 に規定する亜鉛の

腐食生成物除去方法を適用し,ISO 8407 に規定するアルミニウムの腐食生成物除去方法は,

適用しないことが望ましい。

参考  ISO 8407に規定しているアルミニウムの腐食生成物除去方法を適用すると,健全な亜鉛が

溶解し,誤差が大きくなるので注意する必要がある。

12.

試験結果の評価  試験結果を評価するために,必要に応じて適切な評価項目を採用する。評価項目の

例を次に示す。

a)

目視による試験後の外観観察

b)

表面の腐食生成物除去後の外観観察

c)

腐食欠陥(ピット,き裂,ブリスター)の数及び分布。これらは,ISO 8993 又は ISO 10289 による方

法で評価してもよい。

d)

最初に腐食現象が発現するまでの時間

e)

質量変化

f)

顕微鏡による外観観察

g)

機械的,電気的特性変化

h)

腐食生成物の分析(X 線回折など)

備考1.  被覆又は製品の仕様の中で,試験結果に対応する適切な評価項目にかかわる評価基準をあら

かじめ明確にしておくのがよい。

2.

評価項目は,a)  ∼h)  以外の項目を採用してもよい。

13.

報告  試験報告書は,次の事項のうちで,必要な項目を含まなければならない。


8

G 0594

:2004

a)

この規格の番号

b)

試験装置の名称及び形式

c)

試験材料の概要

d)

試験片の形状・寸法及び試験を行う表面の性状・評価面積

e)

試験片の調製方法(試験前の試験片の洗浄方法及び端面の保護方法を含む。

f)

試験中の噴霧,乾燥,湿潤の各条件における温度及び相対湿度

g)

試験中の各工程(噴霧から乾燥,乾燥から湿潤,湿潤から噴霧)への移行時間

h)

噴霧量の調整時における噴霧液の採取量,採取した噴霧液の塩濃度及び pH

i)

試験を中断した回数及び時間

j)

サイクル数又は試験時間

k)

試験後の試験片の腐食生成物除去方法,望ましくは,試験をしていない同一試験片による質量減少量

とその補正方法

l)

質量減,厚み減などの試験結果

m)

試験片の写真及び/又は外観の記述

n)

試験中に試験片の位置換えを行った場合の経過サイクル数

o)

定期的に行った試験の腐食性の確認結果


9

G 0594

:2004

附属書 A(参考)混合塩水溶液(人工海水)への混酸添加量と pH との関係

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

1

2

3

4

5

6

1

2

3

4

5

混合

塩水

溶液

pH

混合塩水溶液への混酸添加量

log

{混酸(本体の

4.2.2

)添加量 (

mL

)/混合塩水溶液(本体の

4.2.1

)量 (

mL

)}

 A.1

  混合塩水溶液

人工海水

への混酸添加量と

pH

との関係


10

G 0594

:2004

附属書 B(参考) サイクル腐食試験装置の例

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

カバー

噴霧量調整器

試験片保持具

噴霧塔

空気乾燥器

空気

噴霧液採取容器

( remote  from

空気

排水

噴霧器

噴霧液採取容器

( close  to  an

圧力計

試験液

試験片

排気装置

排気口

(側面図)

(正面図)

温湿度調節装置

空気飽和器

圧縮空気

 B.1

  サイクル腐食試験装置の例


11

G 0594

:2004

附属書 C(参考) 試験条件の腐食促進性の確認方法

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

1.

照合試験片

  装置の腐食特性の検証には,次の a)  又は b)  の照合試験片を 4 枚使用する。

a)  JIS G 3141

に規定する SPCE 鋼板(70 mm×150 mm,厚さ 1 mm±0.2 mm)

備考

試験を行う前に,照合試験片は JIS R 6253 に規定する P600 研磨紙で研磨するのが望ましい。

b)

  純度 99.9 %以上の亜鉛板(70 mm×150 mm)

参考

  ISO

では a)  及び b)  の両方の照合試験片を使用することになっているが,a)  又は b)  のいずれ

かで行うことを提案している。

2.

照合試験片の前処理

  照合試験片の前処理は,次による。

a)

試験を行う前に,照合試験片を洗浄し,試験結果に影響を及ぼすおそれのある汚れ,油分及びその他

の付着物のこん(痕)跡を除去した後,乾燥する。

b)

乾燥後の照合試験片を 1 mg のけたまではかる。

c)

照合試験片の裏面は,可はく性の耐水性被覆材(例えば,接着テープ)で覆う。端面を覆うためには,

表面の端部 5∼10 mm も覆うのが望ましい。

3.

照合試験片の配置

  4 枚の照合試験片は,試験片を設置する試験槽の 4 隅に,保護を施さない面を上

向きにして,鉛直方向に対し 20  °

±5  °

傾けて置く。照合試験片と同一サイズの平たんな予備試験片で試

験糟の空きスペースを満たし,噴霧量の均一性を確保する。照合試験片の下端は,噴霧液採取容器の上端

とほぼ同じ位置にする。

備考

予備試験片は,試験を行っている試験片の腐食に影響を及ぼさないプラスチック,ガラス又は

その他の化学的に不活性な材料でなければならない。

4.

試験時間

  試験時間は,12 サイクル(96 時間)とする。

5.

質量減量の測定

  質量減量の測定は,次による。

a)

試験終了後,直ちに試験槽から照合試験片を取り出し,被覆材を取り除いた後,次のいずれかの方法

によって腐食生成物を除去する。

1)  SPCE

鋼板の照合試験片

  くえん酸二アンモニウム [(NH

4

)

2

HC

6

H

5

O

7

]

(特級又はそれと同等以上)

の 20 %水溶液に 23  ℃で 10 分浸せきする。浸せきの都度,試験片を常温の流水ですすぎながら軽

くブラシをかける。その後,乾燥し,はかる。

2)

亜鉛板の照合試験片

  イオン交換水 1 L 当たり 250 g±5 g のグリシン (C

2

H

5

NO

2

)

(特級又はそれと

同等以上)を加えたグリシンの飽和溶液に 23  ℃で 5 分間浸せきする。浸せきの都度,試験片を常

温の流水ですすぎながら軽くブラシをかける。その後,乾燥し,はかる。

b)

試験前後の照合試験片の質量は±1 mg の精度まではかる。

c)

a) 

及び b)  の操作を繰り返し行い,ISO 8407 によって,照合試験片 1 m

2

当たりの質量減量を求め,そ


12

G 0594

:2004

の結果を g/m

2

単位で表示する。

備考

腐食生成物の除去を行う場合は,その都度,新しく調製した腐食生成物除去液を用いるのが望

ましい。

6.

装置運転状況の確認

  照合試験片の腐食減量(腐食度)は,各試験装置によって異なる可能性がある

ので,試験装置ごとに腐食減量の値を確認する。選ばれた研究施設で実施した B 法の結果の例を,次の表

に示す。

腐食減量

g/m

2

   

試験時間

h 

SPCE

鋼板 

亜鉛板 

96 

180

±54 

9

±5

 


13

G 0594

:2004

附属書 1(参考) JIS と対応する国際規格との対比表

JIS G 0594

:2004  無機被覆鋼板のサイクル腐食促進試験方法

ISO/DIS16151

:2002  金属及び合金の腐食−酸性塩水噴霧,乾燥及び湿潤条件による腐食促

進試験

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の項目ご
との評価及びその内容 
表示箇所:本体,附属書

表示方法:点線の下線又は実線の側線

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策

項目番号

内容

(Ⅱ)

国際
規格

番号

項目
番号

内容

項目ごとの
評価

技術的差異の内容

1.

適用範

二つの試験方法(B 法,C
法)及び評価する材料を規

定している。

 1.

2

つの試験方法

(A

法,B 法)及び評

価 す る 材 料 を 規
定している。

MOD/削除・
追加

A

法は 5 %酸性食塩水を使用し,

C

法は 0.1 %中性食塩水を使用す

る腐食促進試験である。

A

法は JIS H 8502 として制定済みであり C

法は,ISO に提案する。

2.

引用規

引用規格を規定している。

ISO 8407 : 1991

ISO 8993 : 1989

ISO 10289 : 1999

JIS G 3141

JIS K 8150

JIS K 8541

JIS K 8951

 2.

ISO 8407 : 1991

ISO 8993 : 1989

ISO 10289 : 1999

ISO4628-1

6

ISO9227

 
IDT 
 
 
MOD/追加 
 
 
MOD/削除

JIS

では,4 規格を追加した。

ISO7

規格を JIS では,削除して

いる。

照合試験片及び試薬を JIS は,個別に定義
し,ISO は,本文で一括して定義している

ため現状のままとする。

A

法に必要な引用規格であり,JIS には必

要ない

3.

定義

規格で用いる用語の定義を
規定している。

MOD/追加

ISO

には用語の定義が含まれて

いない。

JIS

で初めて使用する用語があるため,用

語を定義した。

4.

試験液

B

法及び C 法に使用する水

と試験液を規定している。

 3.

A

法及び B 法に使

用 す る 水 と 試 験
液 を 規 定 し て い

る。

MOD/ 削 除 ・
追加

A

法は,ISO だけに規定してお

り,C 法は,JIS だけに規定して
いる。

A

法は,JIS H 8502 として制定済みであり

C

法は,ISO に提案する。

5.

試験装

試験に使用する試験装置に

ついて規定している。

 4.

試 験 に 使 用 す る

試 験 装 置 に つ い
て規定している。

IDT

13

G

 0594


2004


14

G 0594

:2004

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の項目ご

との評価及びその内容 
表示箇所:本体,附属書 
表示方法:点線の下線又は実線の側線

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異の理

由及び今後の対策

項目番号

内容

(Ⅱ)

国際
規格
番号

項目
番号

内容

項目ごとの
評価

技術的差異の内容

6.

試験片

試験片について規定してい
る。

 5.

試 験 片 に つ い て
規定している。

IDT

7.

試験片

の配置

試験槽内における試験片の
配置について規定している。

 6.

試 験 槽 内 に お け
る 試 験 片 の 配 置
に つ い て 規 定 し

ている。

IDT

8.

試験条

B

法及び C 法の試験条件を

規定している。

 7.

A

法及び B 法の試

験 条 件 を 規 定 し
ている。

MOD/ 削 除 ・
追加

A

法は,ISO だけに規定してお

り,C 法は,JIS だけに規定して
いる。

A

法は,JIS H 8502 として制定済みであり

C

法は,ISO に提案する。

9.

試験の

継続

試験の継続について規定し
ている。

 8.

試 験 の 継 続 に つ
い て 規 定 し て い
る。

IDT

10.

試験

時間

試験時間について規定して
いる。

 9.

試 験 時 間 に つ い
て規定している。

MOD/追加

JIS

は,推奨試験時間に 144 サイ

クルを追加した。

C

法で 144 サイクルを推奨していることに

よる。C 法は,ISO に提案する。

11.

試験

後の試験
片の取扱

試験後の試験片の取り扱い
について規定している。

 10.

試 験 後 の 試 験 片
の 取 り 扱 い に つ
い て 規 定 し て い

る。

IDT

12.

試験

結果の評

試験結果の評価項目につい

て規定している。

 11.

試 験 結 果 の 評 価

項 目 に つ い て 規
定している。

MOD/追加

JIS

は,評価項目の例として腐食

生成物の分析を追加した。

C

法で腐食生成物の分析が必要となること

があるため追加した。C 法は,ISO に提案
する。

13.

報告

報 告 に つ い て 規 定 し て い
る。

 12.

報 告 に つ い て 規
定している。

MOD/追加

ISO

は,すべての項目を報告す

るが,JIS は,必要な項目につい
て報告する。

ISO

を修正しすべての項目ではなく必要な

項目について報告するよう提案する。

附属書 A

混合塩水溶液への混酸添加
量と pH との関係を示して
いる。

附 属
書 A

混 合 塩 水 溶 液 へ
の 混 酸 添 加 量 と

pH

との関係を示

している。

IDT

14

G

 0594


2004


15

G 0594

:2004

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の項目ご

との評価及びその内容 
表示箇所:本体,附属書 
表示方法:点線の下線又は実線の側線

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異の理

由及び今後の対策

項目番号

内容

(Ⅱ)

国際
規格
番号

項目
番号

内容

項目ごとの
評価

技術的差異の内容

附属書 B

サイクル腐食試験装置の一
例を示している。

附 属
書 B

サ イ ク ル 腐 食 試
験 装 置 の 一 例 を
示している。

IDT

附属書 C

試験条件の腐食促進性の確
認方法を記載している。

附 属
書 C

試 験 条 件 の 腐 食
促 進 性 の 確 認 方

法 を 記 載 し て い
る。

MOD/変更

ISO

は,冷延鋼板と亜鉛板との

両方を使用して評価するが,JIS

は,冷延鋼板又は亜鉛板のいず
れかで評価する。

ISO

を修正し,冷延鋼板又は亜鉛板のいず

れかで評価するよう提案する。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

− IDT………………  技術的差異がない。 
− MOD/削除………  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
− MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

− MOD/変更………  国際規格の規定内容を変更している。

2. JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

− MOD……………  国際規格を修正している。 

15

G

 0594


2004