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G 0593

:2002

(1)

著作権法により無断での複製,転載等は禁止されております。

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,ステンレス協会(JSSA)/財団法人日本規格協

会(JSA)から,工業標準原案を具して,日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の

審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

JIS G 0593

には,次に示す附属書がある。

附属書(参考)  データシート


G 0593

:2002

(2)

著作権法により無断での複製,転載等は禁止されております。

目  次

ページ

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  試験装置

1

4.

  試験材

2

4.1

  試験用伝熱管

2

4.2

  試験片

2

5.

  試験

2

5.1

  試験条件

2

5.2

  水処理

3

5.3

  水質測定項目

3

5.4

  試験方法

3

6.

  評価

4

6.1

  試験用伝熱管の評価

4

6.2

  試験片の評価

5

7.

  記録

5

附属書(参考)  データシート

7

解説

10

 


著作権法により無断での複製,転載等は禁止されております。

日本工業規格

JIS

 G

0593

:2002

水処理剤の腐食及びスケール防止評価試験方法

Testing method for corrosion and scale inhibition performance of water

treatment additives in cooling water system

1.

適用範囲  この規格は,淡水を使用する開放循環冷却水系の金属伝熱面における水処理剤の腐食及び

スケール付着の防止効果を評価する方法について規定する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS G 3141

  冷間圧延鋼板及び鋼帯

JIS G 3445

  機械構造用炭素鋼鋼管

JIS G 3459

  配管用ステンレス鋼管

JIS K 0101

  工業用水試験方法

JIS K 0116

  発光分光分析通則

JIS K 0119

  蛍光 X 線分析方法通則

JIS K 0121

  原子吸光分析通則

JIS R 6252

  研磨紙

3.

試験装置  試験装置は,次による。

a)

試験装置の全体は,

付図 に示すように,冷却塔,水温制御装置,水槽,液面制御装置,水処理剤注

入装置,循環ポンプ,電気伝導率測定・制御装置,流量計,熱交換器及び試験片保持器で構成する開

放循環冷却水系とし,水槽の水温及び電気伝導率の制御ができるものとする。

b)

熱交換器の外管には

付図 に示すガラス管を使用し,内部に試験用伝熱管を挿入する。ガラス管の寸

法は,次による。

    ガラス管寸法:外径  25.0±0.1 mm

                  内径  20.2±0.1 mm

                  長さ  310±5 mm

c)

加熱装置は,

付図 に示す電気ヒータを使用する。電気ヒータは,4.1 の試験用伝熱管内に挿入して使

用する。電気ヒータの寸法及びヒータ容量は,次による。

    電気ヒータ寸法:外径      10.0

                    発熱長    300±5 mm

    ヒータ容量:5.1

  c)  の条件を満たすものとする。

d)

冷却塔は,誘引通風向流接触型のものを使用し,冷却能力は,6 kW 以上(1.5 冷凍トン)とする。

+0.3 mm
  0  mm


2

G 0593

:2002

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e)

水槽及び配管材質は,ステンレス鋼(JIS G 3459 の SUS 304)又は耐腐食性有機材料を使用する。有機

材料を使用する場合は,60  ℃まで耐える材料とする。

f)

水槽及び配管を含む系全体の水容量は,60±5 L とする。

g)

水槽内の水位を一定に保つように液面制御装置を設置する。

h)

水温の変動は±1  ℃以内に保つ。

i)

循環水の電気伝導率を連続的に測定し,電気伝導率が設定範囲を超えた場合には,補給水を追加する

などして,その変動幅を±10  %以内に保つ。

4.

試験材   

4.1

試験用伝熱管  試験用伝熱管は,次による。

a)

材質は,炭素鋼(JIS G 3445 の STKM11A)を標準とし,必要に応じて他の材料(銅,銅合金又はス

テンレス鋼)を使用してもよい。

b)

形状及びヒータとのはめあいは,次による。

    公称外径:12.7 mm,肉厚 1.2 mm

    長さ:500∼510 mm

    試験用伝熱管内径とヒータ外径の差が,0.6 mm 以下になるようにヒータの外径を調整する。

c)

表面仕上は,JIS R 6252 に規定する 400 番研磨紙によって研磨仕上げする。ただし,表面仕上げは,

当事者間の協定によって変更してもよい。

d)

試験用伝熱管は,試験前に適切な溶剤で脱脂・洗浄後,乾燥して,質量を 0.1 mg のけたまで求め,試

験前質量(M

a

)とする。

4.2

試験片  試験片は,次による。

a)

材質は,炭素鋼(JIS G 3445 の STKM11A,又は JIS G 3141 の SPCC)を標準とし,必要に応じて他

の材料(銅,銅合金及びステンレス鋼)を使用してもよい。

b)

形状は,循環水の表面流速が,試験用伝熱管と同一になるような寸法とする。

c)

表面仕上げ及び試験前質量の測定は,4.1 に準じて行う。

5.

試験

5.1

試験条件  試験条件は,次による。

a)

試験装置の各部は,試験前に水,0.3∼0.5  %過酸化水素水溶液,0.5∼1  %クエン酸水溶液などを用い

て十分に洗浄する。

b)

水槽の水温は,30±1  ℃を標準とする。

c)

熱交換器の熱流束は,70±2 kW/m

2

を標準とする。

熱流束の計算式は,次による。

(

)

/

Q

C

D

L

π

=

⋅ ⋅

ここに,  Q:熱流束  kW/m

2

C

:ヒータ容量  kW

D

:試験用伝熱管の外径  m

L

:ヒータ発熱長  m

d)

循環水量は,350±10 L/h を,試験用伝熱管評価部の線流速は,0.5 m/s を標準とする。ただし,b),

c)

及び d)は,当事者間の合意によって変更することができる。


3

G 0593

:2002

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5.2

水処理  水処理は,次による。

a)

水処理剤の初期投入量,設定水質(電気伝導率など)及び水処理剤の設定濃度は,評価しようとする

水処理剤の使用基準による。

b)

微生物を制御する目的で処理剤を使用する場合は,その処理剤の使用基準による。

5.3

水質測定項目  水質測定項目は,次による。

試験水は,次の項目を JIS K 0101 に規定する方法によって測定し,記録する。

a) pH

b)

電気伝導率

c)

カルシウム硬度

d)

マグネシウム硬度

e)

酸消費量 (pH 4.8)

f)

塩化物イオン

g)

硫酸イオン

h)

シリカ

i)

全鉄

j)

濁度

  必要に応じて,

k) COD

Mn

l)

一般細菌数

5.4

試験方法

5.4.1

オンサイト試験  オンサイト試験は,次による。

a)

試験水は,実プラントの開放循環冷却水系に供給している水を使用する。

b)

試験用伝熱管を,

付図 に示す熱交換器に装着する。試験用伝熱管とヒータが 4.1 b)  に従って密着し

ていることを確認する。

c)

熱交換器数は

付図 に示すように,6 段とする。この際,ガラス管部は,必ず遮光する。

d)

水槽に試験水を所定水位まで加え,水処理剤を 5.2 によって投入し,水質を調整した後,水循環を開

始する。

e)

5.1

の条件で熱負荷をかけ,試験水が 5.2 で設定した電気伝導率に達するまで,測定を行いながら循環

水系を稼動させる。

f)

試験水が目標の電気伝導率に達するまでの濃縮移行期間は,7 日間を目途とする。

g)

濃縮移行期間の水質測定は,次による。

1)

水質測定は,2 日ごとに行い記録する。

2)

測定項目は,5.3 及び水処理剤濃度とする。

h)

目標電気伝導率に達したら,電気伝導率が一定となるように制御し,次の処置をとる。

1)

水質測定は,7 日ごとに行い記録する。測定項目は,5.3 及び水処理剤濃度とする。

2)

水処理剤は,設定濃度を保持するように補給する。

3)

この定常運転期間は,20 日以上とする。

4)

試験用伝熱管のスケールの付着状況は,7 日ごとに観察し記録する。

5)

汚れ係数は,温度測定結果と合わせて,7 日ごとに記録する。

6)

微生物制御を行う場合は,処理剤の使用方法及び一般細菌数の測定・記録を 7 日ごとに行う。


4

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5.4.2

オンライン試験  オンライン試験は,次による。

a)

試験水は,実プラントの熱交換器に供給している開放循環冷却水を直接流量計を介して熱交換器に通

水する。通過した試験水は排水するか,又は実際の冷却水系へ戻す。

b)

他はオンサイト試験に同じ。

ただし,試験水の温度条件は,実プラントの条件に従う。

5.4.3

試験片を用いた腐食度の測定  試験片を用いた腐食度の測定は,次による。

試験片による腐食度の測定は,試験片を熱交換器の下流に設けた試験片保持器に装着して行う。

6.

評価

6.1

試験用伝熱管の評価  試験用伝熱管の評価は,次による。

a)

付着物の質量測定及び成分分析は,次による。

1)

試験終了後,  試験用伝熱管を熱交換器から取り出し,電気ヒータを取りはずしたのち,外観を写真

撮影する。

2)

試験用伝熱管を,付着物が脱落しないように注意しながら,ドライヤ又は 105∼110  ℃の乾燥器中

で 2 時間乾燥させ,質量を 0.1 mg のけたまで求め,試験後質量  (

b

)

とする。

3)

付着物の適量をスクレーパで除去・採取し,その質量を測定し,更に 600∼900  ℃で 2 時間加熱後,

冷却して質量を測定し,その質量差を強熱減量とする。

4)

付着物の分析は,JIS K 0119 の 8.(定量分析)

JIS K 0121 の 7.(定量)又は JIS K 0116 の 6.8(定

量分析)によって,各元素を定量し,下記の酸化物として含有量(%)を算出する。

  酸化物:CaO,MgO,Fe

2

O

3

,CuO,SO

3

,SiO

2

,P

2

O

5

,ZnO,及び Al

2

O

3

(必要によって  MnO,

NiO

,Cr

2

O

3

,MoO

3

5)

試験用伝熱管は,残存している付着物を流水条件下で非金属のブラシを用いて除去し,アルコール

で洗浄後乾燥し質量を 0.1 mg のけたまで求め,付着物除去後質量(M

c

)とする。目視で付着物が残

存している場合は,市販の酸洗浄用腐食抑制剤を加えた,室温で約 15  %の塩酸に浸漬し除去する。

6)

付着物除去後の外観写真を撮影する。

b)

腐食度の算出は,次による。

(

) (

)

a

c

/

W

M

M

S

=

ここに,  W: 腐食度  mg/dm

2

・day

M

a

: 試験前質量  mg

M

c

: 付着物除去後質量  mg

S

: 表面積  dm

2

T

: 全試験期間  day

c

)

付着速度の算出は,次による。

(

) (

)

p

b

c

s

/

V

M

M

S

=

ここに,

  V

p

付着速度

mg

/

dm

2

day

M

b

試験後質量

mg

T

s

定常運転期間(全試験期間−濃縮移行期間)の日数

day

d

)

腐食度及び付着速度は,小数点以下

1

けたまで求める。

e

)

汚れ係数  汚れ係数は,次による。

(

)

s

o

/

f

H

H

Q

=

ここに,

f

:汚れ係数

m

2

・℃/

kW

H

s

:表面温度測定値  ℃


5

G 0593

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H

o

表面温度初期値  ℃

ここで,表面温度初期値は,熱負荷を開始してから

1

時間後の表面温度とする。

f

)

腐食深さは,最大腐食深さを

0.1 mm

のけたまで求める。

6.2

試験片の評価  試験片の評価を実施する場合には,6.1 に準じて行う。

7.

記録  記録は,次による。

a

)

5.1

によって設定した試験条件を記録する(

附属書表 参照)。

b

)

5.2

によって設定した水処理剤の初期投入量,水質(電気伝導率など)及び濃度を記録する(

附属書表

2

参照)

c

)

5.3

及び 5.4 によって測定した試験水の水質を記録する(

附属書表 参照)。

d

)

6.1

によって観察・測定した腐食状況を記録する(

附属書表 参照)。

e

)

6.1

によって測定した付着物の質量を記録する(

附属書表 5-1 参照)。

f

)

6.1

によって分析した成分を記録する(

附属書表 5-2 参照)。

g

)

6.1

によって外観を写真撮影によって記録する。


6

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付図  1  試験装置

単位  mm

付図  2  熱交換器

単位  mm

付図  3  電気ヒータ


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附属書(参考) データシート

この附属書(参考)は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

附属書表  1  試験条件

試験用伝熱管

番号

1 2 3 4 5 6

材質

試験片

番号

1 2 3 4 5 6

ヒータ伝熱長さ

mm

循環水流量

L

/h

評価部線流速

m

/s

熱流束

kW

/m

2

水温:入口/出口

保有水量

L

滞留時間

h

補給水速度

L

/h

ブローダウン速度

L

/h

濃縮倍数

試験期間

    全試験期間

d

    水質安定までの期間

d

附属書表  2  設定した水処理剤の条件

名称

目標投入量,濃度等 (mg/L)

試験開始期

        水処理剤 A

        水処理剤 B

        水処理剤 C

水質安定期

        水処理剤 A

        水処理剤 B

        水処理剤 C

        電気伝導率

        pH


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附属書表  3  試験水の水質測定結果

測定  日時

補給水

循環水

平均値

最大値

最小値

目標値

平均値

最大値

最小値

pH (25

℃)

電気伝導率 mS/m

カルシウム硬度(

1

) mg

CaCO

3

/L

マグネシウム硬度(

1

) mg

MgCO

3

/L

酸消費量  (pH 4.8)

mg CaCO

3

/L

塩化物イオン mg

Cl

/L

硫酸イオン mg

SO

4

/L

シリカ mg

SiO

2

/L

全鉄 mg

Fe

/L

濁度

COD

Mn

 mg

O

2

/L

一般細菌数 CFU/mL

水処理剤濃度

注(

1

) CaCO

3

濃度に換算

附属書表  4  腐食状況の測定結果

      試験用伝熱管

番号

1 2 3 4 5 6

試験前質量  (M

a

)  g

試験後質量  (M

b

)  g

付着物除去後質量  (M

c

)

g

腐食減量  (M

a

)

−(M

c

)

g

腐食度

mg

/dm

2

・d

腐食最大深さ

伝熱部         mm

非伝熱部       mm

      試験片

番号

1 2 3 4 5 6

腐食度

試験前質量  (m

a

)

g

試験後質量  (m

b

)  g

付着物除去後質量  (m

c

)

g

腐食減量  (m

a

)

−(m

c

)

g

腐食度

mg

/dm

2

・d

腐食最大深さ

mm


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附属書表 5.1  付着物の質量測定結果

試験用伝熱管

番号  1

2

3

4

5

6

付着物量  (M

b

)

−(M

c

)

g

付着速度 mg/cm

2

・d

表面温度上昇値

平均      ℃

最大      ℃

汚れ係数

        m

2

・℃/kW

附属書表 5.2  付着物の成分分析結果

物質

質量 (mass%)

マグネシウム MgO

アルミニウム Al

2

O

3

ケイ素 SiO

2

りん

P

2

O

5

硫黄 SO

3

カルシウム CaO

クロム Cr

2

O

3

マンガン MnO

鉄 Fe

2

O

3

ニッケル NiO

銅 CuO

亜鉛 ZnO

モリブデン MoO

3

炭酸 CO

2

強熱減量

(        ℃)

同定結晶

日本工業標準調査会標準部会  鉄鋼技術専門委員会  構成表

氏名

      所属

(委員長)

木  原  諄  二

姫路工業大学環境人間学部

(委員)

大河内  春  乃

東京理科大学理学部Ⅱ部化学科

大  橋      守

日本製鐵株式会社技術総括部品質保証企画グループ

國  府  勝  郎

東京都立大学大学院工学研究科

佐久間  健  人

東京大学大学院新領域創成科学研究科

中  島  正  博

日本鋼管株式会社鉄鋼技術総括部品質保証室

中  島  將  文

社団法人日本鉄道施設協会

福  永      規

住友金属工業株式会社技術部

前  原  郷  冶

社団法人日本鉄鋼連盟標準化センター事務局

松  田  邦  男

川崎製鉄株式会社技術総括部

村  上  陽  一

社団法人日本電機工業会技術部

矢  部  丈  夫

ステンレス協会

山  内      学

株式会社神戸製鋼所鉄鋼部門生産本部生産技術部