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G 0592

:2002

(1)

著作権法により無断での複製,転載等は禁止されております。

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,ステンレス協会(JSSA)/財団法人日本規格協

会(JSA)から,工業標準原案を具して,日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の

審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。


G 0592

:2002

(2)

著作権法により無断での複製,転載等は禁止されております。

目  次

ページ

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  試験方法

1

3.1

  測定装置

1

3.2

  試験溶液

1

3.3

  測定

1

4.

  評価

2

5.

  記録

2

解説

5

 


著作権法により無断での複製,転載等は禁止されております。

日本工業規格

JIS

 G

0592

:2002

ステンレス鋼の腐食すきま再不動態化電位測定方法

Method of determining the repassivation potential for

crevice corrosion of stainless steels

1.

適用範囲  この規格は,塩化物イオンを含む中性水溶液中におけるステンレス鋼の往復アノード分極

実験から,腐食すきま再不動態化電位を測定する方法について規定する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 8150

  塩化ナトリウム(試薬)

JIS R 6252

  研磨紙

JIS R 6253

  耐水研磨紙

3.

試験方法   

3.1

測定装置  測定装置は,ポテンショ・ガルバノスタット,電位掃引装置,記録計,電解槽及び恒温

槽を組み合わせたものとする。

付図 に測定装置の一例を示す。

備考  電位掃引装置及び記録計の代わりにパーソナルコンピュータを用いてもよい。

3.2

試験溶液  試験溶液は,JIS K 8150 に規定する塩化ナトリウム特級品 330 mg を蒸留水又は脱イオン

水に溶解して 1000 ml とすることによって,200 ppm 塩化物イオン (Cl

)

水溶液に調整する。試験溶液の

温度は 50±1  ℃とする。ただし,受渡当事者間の協定によって条件を定めれば,これ以外の試験環境条件

を採用してもよい。

3.3

測定  腐食すきま再不動態化電位の測定は,次による。

3.3.1

試験片  試験片は,次による。

a)

試験片は,

付図 に示すような金属・金属のすきま試験片とし,試験面が板の圧延面となるように供

試材から採取する。板以外の試験片の採取方法は,受渡当事者間の協定による。

なお,受渡当事者間の協定によって,他の寸法及び形状のすきま試験片を用いることもできる。

b)

試験片の採取方法は,のこぎり切断,切削又は研削による。せん断による場合は,試験面(すきま部)

にせん断の影響が及ばないようにするため,せん断の影響が及ぶ領域を切削,又は研磨によって除去

する。

c)

試験面は,JIS R 6252 又は JIS R 6253 に規定する研磨紙で,試験片の昇温を避けながら順次 240 番以

上まで研磨し,次いで JIS R 6253 に規定する研磨紙で順次 600 番まで湿式研磨を行う。

なお,試験対象すきま部以外の試験片表面における局部腐食を防止するため,研磨後,不動態化処

理(例えば,50  ℃の 20∼30 %硝酸に 1 時間以上浸せき)を行ってもよい。


2

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:2002

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d)

導線は,試験片の一端にはんだ付け又はスポット溶接する。

e)

試験片の最終研磨は,測定直前に試験面のすきま部だけを JIS R 6252 又は JIS R 6253 に規定する 600

番研磨紙で行い,その後,水又はアルコールで十分に洗浄する。

f)

試験片の組立は,試験面すきま部を試験溶液でぬらした状態でボルトナットで締め付け,すきまを形

成させる。

3.3.2

測定方法  測定方法は,次による(付図 参照)。

a)

試験片は,すきま部が完全に水没し,かつ導線接続部が完全に気相部にあるように,脱気した試験溶

液に半浸せきする。

b)

アノード方向への往路分極は,ポテンショスタットによって自然電極電位から電位掃引速度 30

mV

/min の動電位法でアノード電流が 200

µA に達するまで行う。ただし,装置などの都合によって,

30 mV

/min の条件が取れない場合は,これに近い掃引速度で行ってもよい。また,受渡当事者間の協

定によって条件を定めれば,自然浸せき電位よりも高い(貴な)電位からの電位掃引,又は受渡当事

者間の協定で定めた電位での定電位保持で行ってもよい。

c)

腐食すきま成長は,b)の往路分極でアノード電流が 200

µA に達した後,直ちに定電流保持に切り替え,

200

µA で 2 時間保持することによって行う。ただし,200  µA に定電流保持する代わりに定電位法を

用い,アノード電流が 200±20

µA に収まるように設定電位を制御してもよい。

d)

逆(カソード)方向への復路分極は,c)で 200

µA で 2 時間定電流保持した後,直ちにその時の電極電

位より 10 mV 低い(卑な)電極電位に定電位保持し,電流のアノード方向への増加傾向が認められた

ら,これよりもさらに 10 mV 低い電位で再び定電位保持し,2 時間の定電位保持で電流のアノード方

向への増加傾向が認められなくなるまで,この操作を繰り返す。ただし,受渡当事者間の協定によっ

て,

アノード電流が 50

µA に到達するまでは,電位掃引速度 10 mV/min の動電位法で分極してもよい。

4.

評価  評価は,次による。

a)

腐食すきま再不動態化電位は,3.3.2 d)  の 2 時間の定電位保持で電流のアノード方向への増加傾向が

認められなくなる最も高い(貴な)値(記号  E

R,CREV

)で表す。

b)

測定後の試験片は,全表面を 10 倍以上の拡大鏡などを用いて観察し,すきま部以外の場所で局部腐食

が認められた場合は,試験結果から除外する。さらに,試験対象すきま部(両面)における最大侵食

深さを光学顕微鏡又はレーザー顕微鏡などを用いて測定し,試験面における最大侵食深さが 40

µm に

達していない場合は,試験結果から除外する。ただし,同一鋼種,同一形状の試験片についての同一

条件での測定結果が十分にあって,最大侵食深さが 40

µm を確実に超えることが知られていることを

前提として,受渡当事者間の協定によって,腐食すきま深さ測定を省略することができる。

5.

記録  記録は,次による。

a)

腐食すきま再不動態化電位の単位は,ボルトで表し,小数点以下第 3 位まで記録する。

b)

照合電極について,その種類,内部溶液濃度及びその温度を記録する。

c)

腐食すきま再不動態化電位の標準水素電極基準への換算値を記録する。

d)

測定された腐食すきまの最大侵食深さを記録する。


3

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付図  1  測定装置の組立て図

単位  mm

付図  2  試験片の組立て図


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付図  3  腐食すきま再不動態化電位測定手順の模式図

日本工業標準調査会標準部会  鉄鋼技術専門委員会  構成表

氏名

      所属

(委員会長)

木  原  諄  二

姫路工業大学環境人間学部

(委員)

大河内  春  乃

東京理科大学理学部Ⅱ部化学科

大  橋      守

日本製鐵株式会社技術総括部

國  府  勝  郎

東京都立大学大学院工学研究科

佐久間  健  人

東京大学大学院新領域創成科学研究科

中  島  正  博

日本鋼管株式会社鉄鋼技術総括部品質保証室

中  島  將  文

社団法人日本鉄道施設協会

福  永      規

住友金属工業株式会社技術部

前  原  郷  治

社団法人日本鉄鋼連盟標準化センター事務局

松  田  邦  男

川崎製鉄株式会社技術総括部

村  上  陽  一

社団法人日本電機工業会技術部

矢  部  丈  夫

ステンレス協会

山  内      学

株式会社神戸製鋼所鉄鋼部門生産本部生産技術部