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G 0580

:2003

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,ステンレス協会

(JSSA)

/財団法人日本規格協会 (JSA) から工業標準原案を具して,日本工業規格を改正すべきとの申出が

あり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによって,

JIS G 0580 : 1986

は改正され,この規格に置き換えられる。


G 0580

:2003

目  次

ページ

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  測定装置

1

4.

  試験溶液

2

5.

  試験片

2

6.

  測定方法

2

7.

  再活性化率  (R)

3

 


日本工業規格

JIS

 G

0580

:2003

ステンレス鋼の電気化学的再活性化率の測定方法

Method of electrochemical potentiokinetic reactivation ratio measurement

for stainless steels

1.

適用範囲  この規格は,オーステナイト系ステンレス鋼のチオシアン酸カリウムを含む硫酸溶液中に

おける往復アノード分極曲線から,電気化学的再活性化率[以下,再活性化率  (R)  という。]を測定する

方法について規定する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS G 0551

  鋼のオーステナイト結晶粒度試験方法

JIS K 8951

  硫酸(試薬)

JIS K 9001

  チオシアン酸カリウム(試薬)

JIS R 6253

  耐水研磨紙

JIS Z 8401

  数値の丸め方

3.

測定装置  測定装置は,ポテンショスタット,電位掃引装置,記録計,照合電極,電解槽及び恒温槽

を組み合わせたものとする。照合電極は,通常,液橋や寒天橋を介してルギン管と接続する。ルギン管の

先端は,試験片の試験面中央部で表面から 1 mm 程度の位置に設置する。

図 に測定装置の一例を示す。


2

G 0580

:2003

  1  測定装置の組立図(一例)

4.

試験溶液  試験溶液は,JIS K 8951 に規定する特級品(密度約 1.84)と蒸留水又は脱イオン水によっ

て,0.5±0.05 mol/l 硫酸溶液(密度 1.032)とし,JIS K 9001 に規定する特級品 1.0 g をこの 0.5 mol/l 硫酸

溶液で溶解して 1 000 ml として 0.5 mol/l 硫酸−0.01 mol/l チオシアン酸カリウム溶液に調製する。

参考  チオシアン酸カリウムは,潮解性が高いのでひょう量瓶で,素早くひょう量する必要がある。

5.

試験片  試験片は,次による。

a)

試験面積は,通常 1 cm

2

とする。

b)

試験片の作製方法は,通常切削又は研削による。やむを得ずせん断による場合は,試験面にひずみに

よる影響が及ばないようにするため,せん断の影響の及ぶ領域を切断又は研磨によって除去する。

c)

試験面は,切断,はんだ付けなどによる熱影響のない試験片表面を用いる。

d)

試験面は JIS R 6253 に規定する研磨紙で P120 以上まで湿式で研磨し,水又はアルコールなどで十分

に洗浄する。

e)

試験片と導線との接続は,はんだ付け,スポット溶接,電導性塗料などによる。

f)

試験面以外の部分は,耐薬品性の優れた絶緑物で被覆する  (

1

)

g)

試験面又は試験面と同等の面の結晶粒度番号を,JIS G 0551 によって求める。

注(

1

)

絶緑物の選定及び被覆方法は,結果に影響することがあるので注意を要する。

6.

測定方法  測定方法は,次による。

a)

試験溶液の温度は,30±1  ℃とする。


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G 0580

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b)

試験溶液の量は,200 ml 以上とする。

c)

試験溶液は,試験ごとに新しいものを使用する。

d)

電位掃引速度は,100±5 mV/min とする。

e)

試験溶液に試験面を完全に浸し,速やかにルギン管の位置を調整し,この状態で 5 分間放置する。次

に電位計によって,試験片の自然電極電位が活性態にあることを確かめてから,ポテンショスタット

と電位掃引装置によって,自然電極電位からアノード分極する,+0.3 V(飽和甘こう電極基準)に到

達後,直ちに電位を逆方向に掃引し,再活性化後,再びアノード電流が零となる電位を終点とする。

なお,浸せきした試験片が−0.35 V(飽和甘こう電極基準)以下の自然電極電位を示さない場合に

は,−1.0 V(飽和甘こう電極基準)で 1 分間定電位に保持した後,開回路状態で 5 分間放置して活性

化させる。

参考  活性態の電位は,一般には−0.35V(飽和甘こう電極基準)以下である。

f)

記録計などによって得られた

図 に示すアノード分極曲線から往路及び復路の活性態における最大ア

ノード電流密度 i

a

i

r

を求める。

g)

試験後,試験面を 10 倍以上の拡大鏡などで観察し,被覆部に明らかな腐食が認められる場合には試験

結果から除外する。

  2  往復アノード分極曲線図

7.

再活性化率  (R)  再活性化率  (R)  は,次による。

a)

再活性化率の測定値  (R

m

)

を,次の式によって求める。

100

a

r

m

×

i

i

R

ここに,  R

m

:  再活性化率の測定値 (%)

i

r

:  復路の活性態における最大アノード電流密度

i

a

:  往路の活性態における最大アノード電流密度


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b

)

再活性化率  (R)  は,次の式によって,再活性化率の測定値  (R

m

)

を結晶粒度補正して求める。

2

/

1

5

N

3

m

)

2

(

10

×

R

R

ここに,

R

:  再活性化率 (%)

R

m

:  再活性化率の測定値

N

:  試験面の結晶粒度番号

  数値は

JIS Z 8401

によって,小数点以下第 2 位に丸めて表示する。