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G 0578 : 2000

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,ステンレス協会  (JSSA)  /財団法人日本規格

協会  (JSA)  から工業標準原案を具して,日本工業規格を改正すべきとの申し出があり,日本工業標準調査

会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日本工業規格である。これによって,JIS G 0578 : 1981 は改正

され,この規格に置き換えられる。


日本工業規格

JIS

 G

0578

 : 2000

ステンレス鋼の塩化第二鉄

腐食試験方法

Method of ferric chloride tests for stainless steels

1.

適用範囲  この規格は,ステンレス鋼の 6%塩化第二鉄溶液中の腐食度を測定して,耐孔食性を評価

する,塩化第二鉄腐食試験方法[以下,試験方法(A)という。

]及び高耐食ステンレス鋼の 6%塩化第二鉄溶

液中における,孔食発生臨界温度[以下,CPT(

1

)

という。

]を測定して,耐孔食性を評価する,孔食発生臨

界温度試験方法[以下,試験方法(B)という。

]について規定する。

(

1

) CPT

:Critical Pitting Temperature の略

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 8142

  塩化鉄(III)六水和物(試薬)

JIS K 8180

  塩酸(試薬)

JIS R 6251

  研磨布

JIS R 6252

  研磨紙

JIS R 6253

  耐水研磨紙

JIS Z 8401

  数値の丸め方

3.

試験装置  試験装置は,次による。

a)

試験容器は,ガラス製のビーカ又はフラスコを使用する。

b)

試験片のホルダは,試験片を試験溶液の中位に水平に保持でき,試験片との接触面積の小さいものを

使用する。

c)

恒温槽は,試験中の試験溶液の温度を,所定の温度に保持できるものを使用する。

4.

試験溶液  試験溶液は,JIS K 8180 に規定する塩酸と蒸留水又は脱イオン水によって調整した,N/20

塩酸溶液 900ml に JIS K 8142 に規定する塩化鉄(III)六水和物を溶解して,塩酸酸性 6%塩化第二鉄溶液に

調整する。

5.

試験片  試験片は,次による。

a)

試験片は,全表面積が 10cm

2

以上で,圧延又は鍛造方向に直角の断面積が,全表面積の

2

1

以下になる

ように,供試材から採取する。

b)

試験片を切断後,切断面を切削又は研削で再仕上げして,切断の影響部分を取り除く。


2

G 0578 : 2000

c)

試験片の表面は,JIS R 6251JIS R 6252 又は JIS R 6253 に規定する研磨布又は研磨紙で,試験片の

昇温を避けながら順次 240 番まで研磨し,その後 600 番まで湿式研磨を行う。

d)

表面仕上げした試験片は,適切な溶剤又は洗剤(非塩化物)で脱脂後乾燥する。

6.

試験方法  試験方法は,次による。

6.1

塩化第二鉄腐食試験方法−試験方法(A)  試験方法は,次による。

a)

試験前後において,試験片質量を,少なくとも 1mg のけたまではかる。

b)

試験溶液の量は,試験片の表面積 1cm

2

当たり 20ml 以上とする。

c)

試験温度は,標準として,35±1℃又は 50±1℃とする。ただし,試験温度は,受渡当事者間の協定に

よって変更することができる。

d)

恒温槽中に試験容器を入れ,試験溶液が所定の温度になるまで加熱する。

e)

試験溶液が所定の温度に達した後,試験片をホルダによって試験溶液の中位に水平に保持するように

して入れ,連続 24 時間浸せき試験を行う。

なお,試験中は時計皿などで,試験溶液の蒸発を防止する。

f)

一つの試験容器の中では,同一鋼種,同一熱処理の場合以外は,1 個の試験片だけを試験する。

g) 24

時間試験後,試験溶液から試験片を取り出し,付着している腐食生成物を除去する。洗浄し乾燥後,

質量をはかり減量を求める。

なお,孔食の深さ及び孔食の密度の測定は,受渡当事者間の協定による。

b)

試験溶液は,試験ごとに新しい溶液を使用し,一度試験した溶液を繰り返し使用してはならない。

6.2

孔食発生臨界温度試験方法−試験方法(B)  試験方法は,次による。

a)

試験前後において,試験片質量を,少なくとも 1mg のけたまではかる。

b)

試験溶液の量は,試験片の表面積 1cm

2

当たり 20ml 以上とする。

c)

試験開始温度は,特に規定しないが,開始温度の目安として,次の式を用いてもよい。

t(

℃)=2.5 (mass%Cr)  +7.6 (mass%Mo)  +31.9 (mass%N)  −41.0

d)

恒温槽中に試験容器を入れ,試験溶液が所定の温度になるまで加熱し,±1℃の範囲に保持する。

e)

試験溶液が,所定の温度に達した後,試験片をホルダによって,試験溶液の中位に水平に保持するよ

うにして入れ,連続 72 時間浸せき試験を行う。ただし,浸せき時間は,受渡当事者間の協定によって

変更することができる。

なお,試験中は時計皿などで試験溶液の蒸発を防止する。

f)

一つの試験容器の中では,同一鋼種,同一熱処理の場合以外は,1 個の試験片だけを試験する。

g)

試験後,試験溶液から試験片を取り出し,付着している腐食生成物を除去する。洗浄し乾燥後,孔食

深さを測定し,0.025mm 以上の深さの孔食が発生する,最低の温度を CPT(℃)とする。ただし,CPT(℃)

より 5℃下げた温度において,0.025mm 以上の孔食が発生しないことを確認しなければならない。

h)

試験溶液は,試験ごとに新しい溶液を使用し,一度試験した溶液を繰り返し使用してはならない。

7.

評価

7.1

試験方法(A)  腐食度は,24 時間浸せき試験後の質量減の単位面積,単位時間当たりの値を,g/m

2

・h

単位で,JIS Z 8401 によって,小数点以下 2 けたに丸めて表す。

なお,孔食の深さ及び孔食の密度の評価については,受渡当事者間の協定による。

7.2

試験方法(B)  連続浸せき時間,試験温度,最大孔食深さ及び決定された CPT(℃)を併記する。


3

G 0578 : 2000

JIS

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

柴  田  俊  夫

大阪大学院工学研究所

(幹事)

金  子  通  郎

新日本製鐵株式会社鉄鋼研究所鋼材第一研究部

釜  土  祐  一

工業技術院標準部

佐々木  英  次

物質工学工業技術研究所科学システム部

田  原      晃

金属材料技術研究所環境性能研究部

橋  本      進

財団法人日本規格協会

宇  城      工

川崎製鉄株式会社技術研究所ステンレス鋼研究部

足  立  俊  郎

日新製鋼株式会社ステンレス事業本部ステンレス高合金研究部

佐  藤  義  和

日本金属工業株式会社技術開発部

樽  谷  芳  男

住友金属工業株式会社総合技術研究所ステンレス・チタン研究部

谷  内  俊  彦

日本冶金工業株式会社技術研究所

横  田  博  史

愛知製鋼株式会社部品開発部

正  村  克  身 NKK 京浜材料研究センター

鈴  木  紹  夫

味の素株式会社生産技術開発センター

福  田  敬  則

石川島播磨重工業株式会社技術研究所構造材料部

都  島  良  治

千代田化工建設株式会社プラント設計部

笹  野      林

日揮株式会社技術開発本部材料技術部

鶴  田  孝  雄

三菱重工業株式会社高砂研究所

三  浦  健  蔵

三井造船株式会社技術本部玉野研究所

(事務局)

池  原  康  允

ステンレス協会