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G 0572

:2006

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,ステンレス協会

(JSSA)

/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があ

り,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS G 0572:1984 は改正され,この規格に置き換えられる。

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 3651-2:1998,Determination of

resistance to intergranular corrosion of stainless steels

−Part 2 : Ferritic, austenitic and ferritic-austenitic (duplex)

stainless steels

−Corrosion test in media containing sulfuric acid を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。

JIS G 0572

には,次に示す附属書がある。

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表


G 0572

:2006

(2)

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  試験装置

1

4.

  試験溶液

2

5.

  試験片

2

6.

  試験片の鋭敏化熱処理 

2

7.

  試験方法

2

8.

  腐食度

2

9.

  報告

2

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

4

 


日本工業規格

JIS

 G

0572

:2006

ステンレス鋼の硫酸・硫酸第二鉄腐食試験方法

Method of ferric sulfate-sulfuric acid test for stainless steel

序文  この規格は,1998 年に第 2 版として発行された ISO 3651-2,Determination of resistance to intergranular

corrosion of stainless steels

−Part 2 : Ferritic,austenitic and ferritic-austenitic (duplex) stainless steels−Corrosion

test in media containing sulfuric acid

を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変

更の一覧表をその説明を付けて,

附属書 1(参考)に示す。

1. 

適用範囲  この規格は,オーステナイト系ステンレス鋼の沸騰硫酸・硫酸第二鉄溶液中の腐食減量を

測定して,粒界腐食の程度を試験する方法について規定する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 3651-2

,Determination of resistance to intergranular corrosion of stainless steels−Part 2 : Ferritic,

austenitic and ferritic-austenitic (duplex) stainless steels

−Corrosion test in media containing

sulfuric acid (MOD)

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 8951

  硫酸(試薬)

JIS K 8981

  硫酸鉄(Ⅲ)水和物(試薬)*

JIS R 6251

  研磨布

JIS R 6252

  研磨紙

JIS R 6253

  耐水研磨紙

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8804

  液体比重測定方法

*

慣用名は硫酸第二鉄

3. 

試験装置  試験装置は,次による。

a)

試験容器は,十分な冷却面積をもつガラス製の立形逆流コンデンサを,テーパすり合わせで結合した

ガラス製の三角フラスコ(容量約 1 L)を用いる。

b)

試験片を,試験溶液の中に保持できる適切な形状のガラス製ホルダを使用する。

c)

加熱装置は,試験中の試験溶液を静かな沸騰状態に保持できるものを用いる。


2

G 0572

:2006

4. 

試験溶液  試験溶液は,次による。

a)  JIS K 8951

に規定する硫酸特級品(密度  約 1.84)と蒸留水又は脱イオン水とによって約 50%(質量

分率%)の硫酸溶液を調合し,その濃度を,JIS Z 8804 に規定する比重測定か,又は中和滴定によっ

て 50±0.3  %(質量分率%)の硫酸溶液に調製する。

b) 

この調整した溶液 600 mL に対し,JIS K 8981 に規定する硫酸第二鉄特級品を 25 g の割合で加え,加

温し,十分に溶解して試験溶液とする。

なお,所要試験溶液量は 7b)による。

5. 

試験片  試験片は,次による。

a)

試験片は,全表面積が 10∼35 cm

2

で,圧延又は鍛造方向に直角の断面の面積が全表面積の 1/2 以下に

なるように供試材から採取する。鋳鋼品,溶着金属などの試験片採取方法は,それぞれの規格の規定

による。

b)

試験片の切断方法は,通常,のこぎり切断による。せん断による場合は,切断面を切削又は研削で再

仕上げして,せん断の影響部分を除く。

c)

試験片にスケールが付着している場合には,切削又は研削によって除去する。

d)

試験片の表面は,JIS R 6251 又は JIS R 6252 に規定する P 120 以上で乾式研磨を行うか,又は JIS R 

6253

に規定する P 80 以上で湿式研磨を行う。

e)

表面仕上げした試験片は,適切な溶剤又は洗剤(非塩化物)で脱脂後,乾燥する。

6. 

試験片の鋭敏化熱処理  試験片の鋭敏化熱処理は,極低炭素鋼種(炭素 0.030  %以下)及び安定化鋼

種(チタン,ニオブを添加)だけについて行う。熱処理は研磨前に施し,熱処理条件は 700±10  ℃で 30

分間保持後に水冷する又は 650±10  ℃で 10 分間保持後に水冷する。ただし,受渡当事者間の協定によっ

て,これ以外の鋭敏化熱処理条件に代えてもよい。

7. 

試験方法  試験方法は,次による。

a)

沸騰試験前後において,試験片質量を少なくとも 1 mg まではかる。

b)

試験溶液を試験容器に入れ,その量は,試験片の表面積 1 cm

2

当たり 20 mL 以上とする。

c)

試験片をガラス製ホルダを用いて試験溶液の中位に保持するようにして入れ,加熱装置にて連続 120

時間の沸騰試験を行う。ただし,受渡当事者間の協定によって,連続 72 時間の沸騰試験に代えてもよ

い。

なお,一つの試験容器の中では,試験片 1 個を試験する。

d)

沸騰試験後,試験溶液から試験片を取り出し,付着している腐食生成物を流水中で柔らかいブラシな

どを用いて除去し,乾燥後,質量をはかり減量を求める。

e)

試験溶液は,試験ごとに新しいものを使用し,一度試験した液を繰り返し使用してはならない。

8. 

腐食度  腐食度は,沸騰試験後の質量減の単位面積,単位時間当たりの値を g/m

2

・h

-1

単位で,JIS Z 8401

の規則 A によって,小数点以下 2 けたに丸めて表す。


3

G 0572

:2006

9. 

報告  報告には,通常,次の項目について記載する。

a)

規格番号

b)

試験した鋼の種類の記号又は化学成分

c) 

表面仕上げの条件

d) 

鋭敏化熱処理条件(行った場合)

e) 

腐食度

f) 

試験中の特記事項(試験片面積,試験時間など)

関連規格  JIS G 0571  ステンレス鋼のしゅう酸エッチング試験方法


4

G 0572

:2006

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS G 0572 :2006

  ステンレス鋼の硫酸・硫酸第二鉄腐食試験方法

ISO 3651-2:1998

  ステンレス鋼の耐粒界腐食性試験方法  第 2 部−フェライト,オーステナイト

及びフェライト−オーステナイト(2 相)ステンレス鋼−硫酸を含む環境における腐食試験

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容 
表示箇所:本体

表示方法:点線の下線又は実線の側線

項目 
番号

内容

( Ⅱ ) 国 際
規格番号

項目 
番号

内容

項目ごと

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格と
の技術的差異の理由
及び今後の対策

1.

適 用

範囲

オーステナイト系ステンレス鋼に限

1

フェライト系,オーステナイ
ト系,二相ステンレス鋼に適

MOD

/削除

日本ではフェライト系,
二相ステンレス鋼系への

適用事例がない。

ISO

に両鋼種への適

用 事 例 を 求 め て い

く。

2.

引 用

規格

JIS K 8951

JIS K 8981JIS R 6251

JIS R 6252

JIS R 6253JIS Z 8401

JIS Z 8804 

MOD

/追加

引用規格欄を追加

実 質 的 な 差 異 は な

し。

3.

試 験

装置

試験容器,コンデンサー(立型逆流)

試験片支持方法について規定。

5

試験容器,コンデンサー(4
球アリン型),試験片支持方
法について規定。

IDT

4.

試 験

溶液

試験溶液の濃度,作成方法について
規定

6.3.1

試験溶液の濃度,作成方法に
ついて規定

MOD

/変更

試験溶液の組成が異なる

JIS

:50  %硫酸+25 g/600

mL

の硫酸第二鉄

ISO

:40  %硫酸+25 g/L

の硫酸第二鉄

共同実験の結果 ISO
条件では判定不可,
条 件 の 修 正 を 提 案

していく。

5.

試 験

試験片の採取,切断,前処理方法に
ついて規定

ISO 

3651-2 

4.2

試験片の形状,前処理方法に
ついて規定

MOD

/削除

試験片表面積が異なる

JIS

:10∼30 cm

2

ISO

:15∼35 cm

2

ISO

には溶接試験片の規

定と,前処理方法の一つ
として化学的前処理法が

ある。

試 験 片 の 表 面 積 を

ISO

と整合

2

G

 0572


2006


5

G 0572

:2006

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容 
表示箇所:本体

表示方法:点線の下線又は実線の側線

項目

番号

内容

( Ⅱ ) 国 際
規格番号

項目

番号

内容

項目ごと

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格と
の技術的差異の理由
及び今後の対策

6.

試 験

片の鋭敏

化熱処理

鋭敏化熱処理条件を規定 3

鋭敏化熱処理条件を規定 IDT

7.

試 験

方法

試験片の質量測定方法,比液量,沸

騰試験時間を規定

6.3.2

比液量,沸騰試験時間を規定

MOD

/変更

比液量,沸騰試験時間が

異なる

JIS

:20 mL/cm

2

以上,120

h

ISO

:10 mL/cm

2

以上,20

±5 h

共 同 実 験 の 結 果 ,

ISO

条件では判定不

可,条件の修正を提
案していく。

8.

腐 食

腐食度の算出方法について規定 7

曲げ試験片の粒界腐食判定
方法について規定

MOD

/削除

追加

粒界腐食性の判定基準が
異なる。JIS は腐食度だ
が,ISO は曲げによる。

共同実験の結果,曲
げでの判定は不可

9.

報告

報告の項目について規定

ISO 

3651-2

8

JIS

とほぼ同じ MOD/変更

実 質 的 な 差 異 は な
し。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  IDT………………  技術的差異がない。 
    ―  MOD/削除………  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
    ―  MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

    ―  MOD/変更………  国際規格の規定内容を変更している。

2.  JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  MOD……………  国際規格を修正している。

2

G

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2006