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G 0571

:2003

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,ステンレス協会

(JSSA)

/財団法人  日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS G 0571 : 1980 は改正され,この規格に置き換えられる。


G 0571

:2003

(2)

目  次

ページ

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  試験装置

1

4.

  試験溶液

1

5.

  試験片

1

6.

  試験片の鋭敏化熱処理

2

7.

  試験方法

2

8.

  エッチング組織の分類

2

9.

  判定

3

 


日本工業規格

JIS

 G

0571

:2003

ステンレス鋼のしゅう酸エッチング試験方法

Method of oxalic acid etching test for stainless steels

1.

適用範囲  この規格は,オーステナイト系ステンレス鋼をしゅう酸溶液中で電解エッチング(以下,

エッチングという。

)後,顕微鏡でエッチング面の組織を観察して,硫酸・硫酸第二鉄腐食試験(JIS G 0572

65

%硝酸腐食試験(JIS G 0573)又は硫酸・硫酸銅腐食試験(JIS G 0575)の熱酸腐食試験を行う必要が

あるかどうかを判別する方法について規定する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS G 0572

  ステンレス鋼の硫酸・硫酸第二鉄腐食試験方法

JIS G 0573

  ステンレス鋼の 65  %硝酸腐食試験方法

JIS G 0575

  ステンレス鋼の硫酸・硫酸銅腐食試験方法

JIS K 8252

  ペルオキソ二硫酸アンモニウム(試薬)

JIS K 8519

  しゅう酸二水和物(試薬)

3.

試験装置  試験装置は,次による。

a)

試験装置は,試験片をエッチングするのに十分な容量の電流を供給できる直流電源とエッチング回路

の電流を制御するための可変抵抗器及び電流計を使用する。

b)

陰極は,オーステナイト系ステンレス鋼製ビーカー又は十分な表面積をもつオーステナイト系ステン

レス鋼の小片を使用する。

c)

試験片を陽極として試験溶液中に保持できる適切な形状のホルダを使用する。

4.

試験溶液  試験溶液は,JIS K 8519 に規定する特級品 100 g を蒸留水又は脱イオン水 900 ml に溶解し

て 10  %しゅう酸溶液を調製する。

備考  含モリブデン鋼種で段状組織の現れにくい場合は,10  %しゅう酸溶液の代わりに 10  %ペルオ

キソ二硫酸アンモニウム溶液を使用してもよい。この場合の溶液は,JIS K 8252 に規定する特

級品 100

g を蒸留水又は脱イオン水 900 ml に溶解して,10  %ペルオキソ二硫酸アンモニウム

溶液を調製する。

5.

試験片  試験片は,次による。

a)

試験片は,エッチング・検鏡面が,加工方向に直角となるように採取する。溶接部を含む場合は,母

材,熱影響部及び溶着金属を含む断面とする。複雑形状の場合には,受渡当事者間の協定によって検


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:2003

鏡面の方向を変更してもよい。

b)

試験片の切断方法は,通常のこぎり切断による。せん断による場合は,切断面を切削又は研削で再仕

上げして,せん断の影響部分を除く。

c)

エッチングして検鏡する面は,バフ研磨を行う。

d)

エッチング・検鏡面以外は,絶縁物質によって試験溶液と絶縁する。

6.

試験片の鋭敏化熱処理  試験片の鋭敏化熱処理は,極低炭素鋼種(炭素 0.030  %以下)及び安定化鋼

種(チタン又はニオブ添加)だけについて行う。熱処理は研磨前に行い,熱処理条件は 700±10  ℃で 30

分加熱し空冷とする。ただし,受渡当事者間の協定によって,これ以外の鋭敏化熱処理条件に替えてもよ

い。 

7.

試験方法  試験方法は,次による。

a)

試験溶液の温度は,20∼50  ℃とする。

b)

  試験片のエッチング面を陽極として 10  %しゅう酸試験溶液中に入れ,エッチング面積 1 cm

2

当たりの

電流を 1 A に調整して 90 秒エッチングする。

備考 10 %ペルオキソ二硫酸アンモニウム溶液を試験溶液として使用する場合は,エッチング面積 1

cm

2

当たりの電流を 1 A に調整して 5∼10 分エッチングする。

c)

エッチング後,試験溶液から試験片を取り出し,流水で洗浄,乾燥してから,エッチング面の全域を

顕微鏡で観察して,表 及び表 2,図 1によって,エッチング組織の分類判定を行う。

なお,エッチング面の検鏡倍率は,圧延及び鍛造品では 200∼500 倍,鋳鋼品,溶接部などでは,約

250

倍とする。

8.

エッチング組織の分類  エッチング組織の分類は,次による。

a)

結晶粒界の状態を示すエッチング組織の分類は,表 による。

  1  結晶粒界の状態を示す分類

エッチング組織 

記号

名称

説明

A

段状組織

結晶方位ごとに腐食速度が異なるために現れる,結晶粒界に溝のない段状の組
織(図 1

B

混合組織

結晶粒界に部分的に溝のある組織。ただし,完全に溝で囲まれた結晶粒が一つ
もないもの(図 2

C

溝状組織

完全に溝で囲まれた結晶粒が一つ以上ある組織(図 3

D

遊離フェライト組織

鋳鋼品,溶接部などに認められるオーステナイト地とフェライトの間が段状と

なっている組織(図 4

E

樹枝状晶間溝状組織

鋳鋼品,溶接部などに認められる溝状組織が深く連続している組織(図 5

b)

ピットの状態を示すエッチング組織の分類は,表 による。

  2  ピットの状態を示す分類

エッチング組織 

記号

名称

説明

P

1

ピット組織Ⅰ

浅いピットが多く,深いピットが少ない組織(図 6

P

2

ピット組織Ⅱ

浅いピットが少なく,深いピットが多い組織(図 7


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9.

判定  熱酸腐食試験を行う必要があるかどうかの判定は,8.エッチング組織の分類(表 及び表 2

に基づき表 に従う。

参考 10 %しゅう酸エッチング試験で熱酸腐食試験の要否を判定できる鋼種及び熱酸腐食試験で検

出されるクロム炭化物と

σ

相を参考表 に示す。

  3  エッチング組織と適用すべき熱酸腐食試験

試験素材

エッチング組織

種類の記号

状態

溝状組織  C

溝状組織  C

ピット組織Ⅱ  P

2

溝状組織  C

SUS304 65

%硝酸腐食試験

JIS G 0573

SUS316

SUS316J1

SUS317

受入れのまま

(固溶化熱処理)

硫酸・硫酸第二鉄腐食試験

JIS G 0572

硫酸・硫酸銅腐食試験

JIS G 0575

SUS304L 65

%硝酸腐食試験

JIS G 0573

SUS316L

SUS316J1L

SUS317L

硫酸・硫酸第二鉄腐食試験

JIS G 0572

SUS321

SUS347

鋭敏化熱処理

硫酸・硫酸銅腐食試験

JIS G 0575

参考表  1  10  %しゅう酸エッチング試験で熱酸腐食試験の要否を判定できる鋼種

及び熱酸腐食試験で検出されるクロム炭化物と

σ

熱酸腐食試験 10

%しゅう酸エッチング試験で熱

酸腐食試験の要否を判別できるス

テンレス鋼の種類

熱酸腐食試験で検出されるクロム炭化物又

σ

硫酸・硫酸第二鉄腐食試験方法

JIS G 0572

SUS304, SUS304L

SUS316, SUS316L

SUS316J1, SUS316J1L

SUS317, SUS317L

クロム炭化物:

  SUS304, SUS304L, SUS316, SUS316L 
  SUS316J1, SUS316J1L, SUS317, SUS317L 
クロム炭化物と

σ

相:

  SUS321

65

%硝酸腐食試験方法

JIS G 0573

SUS304, SUS304L

クロム炭化物: 
  SUS304, SUS304L

クロム炭化物と

σ

相:

  SUS316, SUS316L, SUS317, SUS317L 
  SUS321, SUS347, SUS316J1, SUS316J1L

硫酸・硫酸銅腐食試験方法 
JIS G 0575

SUS304, SUS304L

SUS316, SUS316L

SUS316J1, SUS316J1L

SUS317, SUS317L

SUS321, SUS347

クロム炭化物: 
  SUS304, SUS304L, SUS316, SUS316L

  SUS316J1, SUS316J1L, SUS317, SUS317L, 
  SUS321, SUS347

 
 


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  図  1  段状組織(記号 A)×500                                          図  2  混合組織(記号 B)×500

    図  3  溝状組織(記号 C)×500                                  図  4  遊離フェライト組織(記号 D)×250

4

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0000


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  図  5  連続溝状組織(記号 E)×250                                      図  6  ピット組織Ⅰ(記号 P

1

×500

  7  ピット組織Ⅱ(記号 P

2

×500

5

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