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G 0567

:2012

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義 

2

4

  記号及び内容 

3

5

  原理

3

6

  試験片

3

7

  原断面積の測定 S

o

3

8

  原標点距離のマーキング L

o

3

9

  試験装置

3

9.1

  試験機

3

9.2

  伸び計

3

9.3

  加熱装置 

4

10

  試験条件 

4

10.1

  試験力のゼロ点調整 

4

10.2

  試験片のつかみ,伸び計の設置及び試験片の加熱 

4

10.3

  ひずみ速度制御による試験方法(方法 A

5

10.4

  ひずみ速度範囲を拡大した試験方法(方法 B

7

10.5

  方法及び速度の選択 

7

10.6

  選択した試験条件の記録 

7

11

  特性値の測定及び計算

8

12

  試験報告書 

8

13

  測定の不確かさ

8

14

  図 

8

15

  附属書

9

附属書 A(参考)JIS Z 2241 の附属書 B∼附属書 に対する追加事項 

10

附属書 B(参考)測定の不確かさ 

14

附属書 JA(参考)JIS と対応国際規格との対比表 

17


G 0567

:2012

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

鉄鋼連盟(JISF)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準

調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS G 0567:1998 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 G

0567

:2012

鉄鋼材料及び耐熱合金の高温引張試験方法

Method of elevated temperature tensile test for steels

and heat-resisting alloys

序文 

この規格は,2011 年に第 1 版として発行された ISO 6892-2 を基とし,技術的内容を変更して作成した

日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

適用範囲 

この規格は,室温を超える温度における鉄鋼材料,耐熱合金などの引張試験方法について規定する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 6892-2:2011

,Metallic materials−Tensile testing−Part 2: Method of test at elevated temperature

(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

警告  この規格に基づいて試験を行う者は,通常の試験室での作業に精通していることを前提とする。

この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。

この規格の利用者は,各自の責任において安全及び健康に対する措置をとらなければならない。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 7721

  引張試験機・圧縮試験機−力計測系の校正方法及び検証方法

注記  ISO 7500-1 , Metallic materials − Verification of static uniaxial testing machines − Part 1:

Tension/compression testing machines

−Verification and calibration of the force-measuring system

(MOD)

JIS B 7741

  一軸試験に使用する伸び計の検証方法

注記  ISO 9513,Metallic materials−Calibration of extensometers used in uniaxial testing(MOD)

JIS G 0202

  鉄鋼用語(試験)

JIS Z 2241

  金属材料引張試験方法

注記  ISO 6892-1,Metallic materials−Tensile testing−Part 1: Method of test at room temperature(MOD)

JIS Z 8401

  数値の丸め方


2

G 0567

:2012

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS G 0202 及び JIS Z 2241 によるほか,次による。

通常,試験片の全ての形状及び寸法は,室温で測定したものを基にする。伸び計の標点距離については,

例外としてもよい(3.3 及び 10.2.2 参照)

注記  次の特性については,材料規格又は受渡当事者間の協定のない限り,通常,高温での測定は,

行わない。

−  耐力(永久伸び法)

(permanent set strength)

R

r

−  永久伸び(%)

(percentage permanent elongation/extension)

−  降伏点伸び(%)

(percentage yield point extension)

A

e

−  最大試験力時全伸び(%)

(percentage total extension at maximum force)

A

gt

−  最大試験力時塑性伸び(%)

(percentage plastic extension at maximum force)

A

g

−  破断時全伸び(%)

(percentage total extension at fracture)

A

t

3.1 

原標点距離(original gauge length),L

o

試験片を加熱する前及び試験力を負荷する前に室温で測定した標点距離。

3.2 

破断伸び(%)(percentage elongation after fracture),A

破断後の室温での永久伸び(L

u

L

o

)を原標点距離 L

o

に対して百分率で表したもの。

注記  詳細は,JIS Z 2241 を参照。JIS Z 2241 では,最終標点距離 L

u

は,破断後に室温で測定する試

験片に記された標点距離と定義されている。

3.3 

伸び計標点距離(extensometer gauge length),L

e

伸び計を使って伸びの測定に用いる伸び計の標点距離。

3.4 

伸び計伸び(extension)

試験中の所定のときの伸び計標点距離 L

e

の増分。

3.4.1 

伸び計伸び(%)(percentage extension) 

伸び計標点距離 L

e

の増分を伸び計標点距離 L

e

に対して百分率で表したもの。

3.5 

絞り(percentage reduction of area),Z

試験中に発生した断面積の最大変化量(S

o

S

u

)で,原断面積 S

o

の百分率で表したもの。

S

o

及び S

u

は,室温での寸法をもとに計算する。

注記  S

u

は,破断後の最小断面積(JIS Z 2241 参照)

100

o

u

o

×

=

S

S

S

Z

3.6 

応力(

stress

R

試験中の任意の時点の試験力を試験片の原断面積

S

o

で除した値。

注記

この規格で参照する全ての応力は,室温で測定した寸法によって求めた試験片の原断面積を用


3

G 0567

:2012

いて計算した応力(

engineering stress

)である。

3.7 

均熱時間(

soaking time

t

s

試験力を負荷する前の試験片の温度を均一にするための時間。

記号及び内容 

この規格に用いる JIS Z 2241 

表 に規定する以外の記号及び内容を,表 に示す。

表 1−記号及び内容 

記号

単位

内容

試験を実施する規定温度

T

i

試験片平行部の表面の測定温度

t

s

 min

均熱時間

原理 

試験は,

箇条 に規定する一つ又はそれ以上の機械的性質を測定するために試験片に引張試験力を加え,

試験片にひずみを与える。

試験は,

35

℃を超える温度(JIS Z 2241 で規定する室温よりも高い温度)で実施する。

試験片 

試験片に関する要求事項は,JIS Z 2241 の箇条 による。

注記

追加の試験片例を,

附属書 に示す。

原断面積の測定 S

o

原断面積の測定に関する要求事項は,JIS Z 2241 の箇条 による。

注記

この値は,室温で測定したものから求められる。

原標点距離のマーキング L

o

原標点距離のマーキングに関する要求事項は,JIS Z 2241 の箇条 による。

試験装置 

9.1 

試験機 

試験機の力計測系は,JIS B 7721 による等級

1

級以上とする。

9.2 

伸び計 

耐力(オフセット法又は全伸び法)の測定に使用する伸び計は,適用する伸びの範囲で,JIS B 7741 

等級

2

級以上を用いる。

注記

ISO 6892-2

では,耐力の測定に用いる伸び計は,等級

1

級以上,その他の特性の測定には,等

2

級以上を用いることが規定されている。

伸び計標点距離は,

10 mm

以上とし,試験片の平行部の中心に相当する位置に取り付ける。

加熱炉外に出ている伸び計の部分は,風の影響を受けないように設計,又は保護をして,室温の変動が

読みに与える影響を最小限にする。試験装置の周りの温度及び通気速度を適切に安定させるのがよい。


4

G 0567

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9.3 

加熱装置 

9.3.1 

温度の許容範囲 

試験片の加熱装置は,試験片を,規定の温度

T

に加熱できるものでなければならない。

測定温度

T

i

は,試験片の平行部の表面で測定し,既知の誤差を補正した温度とする。ただし,温度測定

装置の不確かさは考慮しない。

規定温度

T

と測定温度

T

i

との間の許容差及び試験片内の許容最大温度変化を,

表 に示す。

1 100

℃を超える規定温度に対しては,許容差は,事前に受渡当事者間で決めなければならない。

表 2T

i

と との許容差及び試験片内の許容最大温度変化 

単位  ℃

規定温度  T

T

i

と との許容差

試験片内の許容最大温度変化

T≦ 600

±3 3

 600

T≦ 800

±4 4

 800

T≦1 000

±5 5

 1

000

T≦1 100

±6 6

9.3.2 

温度測定 

標点距離が

50 mm

未満の場合,平行部の両端の温度をそれぞれ一つの温度センサで測定する。標点距離

50 mm

以上の場合には,

3

個目の温度センサで,平行部の中心近傍を測定しなければならない。

加熱炉及び試験片の一般的な構成による試験片の温度が,経験上,9.3.1 で規定する許容範囲を超えるこ

とがないことが既知な場合には,温度センサの数を減らしてもよい。ただし,少なくとも一つの温度セン

サで,直接試験片の温度を測定しなければならない。

温度センサの測温接点は,試験片の表面と熱的によく接触し,加熱炉の炉壁からの放射熱を避けるよう

に適切に遮蔽しなければならない。

9.3.3 

温度測定装置の検証 

温度測定装置は,少なくとも

1

℃以内の分解能をもち,±

0.004T

℃又は±

2

℃のいずれか大きい方を

超えない精度がなければならない。

注記

温度測定装置には,測定系の全ての構成要素(センサ,ケーブル,指示装置及び測温接点)を

含む。

温度測定装置の全ての構成要素は,

1

年を超えない期間に検証及び校正をしなければならない。誤差は,

校正報告書に記録しなければならない。

用いる温度測定装置は,

国家標準にトレーサブルなものを用いる。

10 

試験条件 

10.1 

試験力のゼロ点調整 

試験力の測定装置は,試験装置の組立てが完了し,試験片をつかみ装置に実際にセットする前にゼロ点

調整を行う。一旦,ゼロ点調整を行った後は,試験力測定装置は,試験中いかなる変更も加えてはならな

い。

注記

この方法を用いることで,つかみ装置の質量が試験力の測定に及ぼす影響を相殺し,更に,試

験片をつかむことによって生じる力が,試験力のゼロ点に影響しないようにする。

10.2 

試験片のつかみ,伸び計の設置及び試験片の加熱 

次の三つの手順は,順番に行う必要はない。


5

G 0567

:2012

10.2.1 

試験片のつかみ方法 

試験片をつかむ方法に関する要求事項は,JIS Z 2241 の 10.2 による。

10.2.2 

伸び計の取付け及び標点距離の設定 

10.2.2.1 

一般 

実際には,幾つかの異なる方法が標点距離の設定に用いられる。これは,試験結果に,僅かな相違をも

たらすかもしれない。用いた方法を試験報告に記載しなければならない。

注記 1

ISO 6892-2

では,室温での伸び計標点距離の長さ(方法

1

)に加え,今回の改正で,規定さ

れた試験温度での実際の標点距離の長さを伸び計標点距離として用いる方法(方法

2

)も採

用された。試験温度での実際の標点距離を求める方法として三つの方法が提案されている。

注記 2

ここでいう試験温度は,規定温度

T

を意図している。

10.2.2.2 

室温の伸び計標点距離(方法 1)(

L

e

 based on room temperature

室温で規定の標点距離の伸び計を試験片に取り付ける。伸び計伸びは,試験温度で測定し,伸び計伸び

%

)は,室温の標点距離に対して計算する。

試験片の熱膨張を考慮しない。

10.2.2.3 

試験温度の伸び計標点距離(方法 2)(

L

e

 based on test temperature

この標点距離は,試験片の熱膨張を含む。

10.2.2.3.1 

試験温度の伸び計標点距離を用いる方法(方法 2a 

試験力を負荷する前に,試験温度になった試験片に規定の標点距離の伸び計を取り付ける。

10.2.2.3.2 

室温で標点距離を減じる方法(方法 2b 

試験温度になったときに,規定の標点距離になるように,室温であらかじめ熱膨張分を減じた標点距離

で伸び計を試験片に取り付ける。

伸び計伸び(

%

)の計算には,規定の標点距離を用いる。

10.2.2.3.3 

試験温度で標点距離を補正する方法(方法 2c 

室温で,規定の標点距離に伸び計を取り付け,伸び計伸び(

%

)の計算には,試験温度で補正した標点

距離(室温での標点距離+熱膨張分)を用いる。

10.2.3 

試験片の加熱 

試験片を規定の温度

T

に加熱し,試験力を負荷する前に少なくとも

10

分間その温度に保持しなければ

ならない(均熱時間)

。試験力の負荷は,伸び計の出力が,安定してから開始しなければならない。

注記

材料の断面全体を規定の温度までにするには,更に長い時間が,必要な場合がよくある。

加熱中,試験片の温度は,受渡当事者間の特別な協定のない限り,規定温度の許容差の範囲を超えては

ならない。

10.3 

ひずみ速度制御による試験方法(方法 A 

10.3.1 

一般 

この試験方法は,ひずみ速度の影響を受けやすい特性を測定する場合に試験速度の変動を最小化し,試

験結果の測定の不確かさを最小化しようとするものである。

ひずみ速度制御(方法

A

)による試験速度は,次の要求に従わなければならない。

a)

  R

eH

R

p

又は

R

t

の測定を行うまでの範囲では,規定ひずみ速度

e

L

e

&

JIS Z 2241 の 3.7.1 参照)を適用す

る。この範囲では,ひずみ速度を正確に制御するため,試験片に取り付けられた伸び計が必要となる。

これは,

引張試験機の剛性の影響を除去するためである。

(ひずみ速度によって試験機が制御できない

場合には,平行部の推定ひずみ速度

c

L

e

&

を用いる方法でもよい。


6

G 0567

:2012

b)

不連続な降伏を示す間は,平行部の推定ひずみ速度

c

L

e

&

JIS Z 2241 の 3.7.2 参照)

,を適用するのがよ

い。この間では,伸び計標点距離の外側で局所降伏(

local yielding

)が起こる可能性があるため,伸び

計を用いたひずみ速度制御が不可能となる。要求される平行部の推定ひずみ速度は,平行部長さから

計算したクロスヘッド変位速度

v

c

JIS Z 2241 の 3.7.3 参照)

,を一定にすることによって,十分正確

に維持することができる。要求される平行部の推定ひずみ速度は,次の式によって求める。

c

c

c

L

e

L

v

&

×

=

 (1)

ここに,

c

L

e

&

平行部の推定ひずみ速度

L

c

試験片の平行部長さ

c) 

R

p

R

t

又は降伏の終了以降(JIS Z 2241 の 3.7.2 参照)は,

e

L

e

&

又は

c

L

e

&

を使用してもよい。伸び計標点

距離の外側でネッキングが発生した場合の制御の問題を避けるため,

c

L

e

&

を適用するのがよい。

10.3.2

から 10.3.4 によるひずみ速度は,材料の特性を測定する間,保持しなければならない(

図 参照)

他のひずみ速度又は制御モードに移り変わる間,

R

m

A

g

又は

A

gt

の値が不正確となるような応力−伸び

曲線の不連続が生じないようにすることが望ましい(JIS Z 2241 

図 10 参照)。この間の速度を適切に段

階的に変化させることによって,この影響は小さくできる。

加工硬化域の応力−伸び曲線の形状も,ひずみ速度により影響される可能性がある。適用した試験速度

は,記録するとよい。

通常,室温の引張試験で測定する全ての特性を高温引張試験で測定することはない。それゆえ,測定す

る特性に対して適切な試験速度を用いなければならない(

図 参照)。

10.3.2 

上降伏応力 R

eH

又は耐力 R

p

及び要求された場合の R

t

の測定時のひずみ速度 

上降伏応力

R

eH

又は耐力

R

p

及び要求された場合の

R

t

を測定するまでの間,ひずみ速度は,できる限り一

定にしなければならない。これらの材料の測定中,ひずみ速度

e

L

e

&

は,次の二つのうちの一つの規定範囲に

しなければならない(

図 参照)。

範囲

1

e

L

e

&

0.000 07 s

1

0.004 2 min

1

に相当)±

20 %

(規定のない限り推奨する範囲)

範囲

2

e

L

e

&

0.000 25 s

1

0.015 min

1

に相当)±

20 %

試験機がひずみ速度を直接制御できない場合には,平行部の推定ひずみ速度

c

L

e

&

すなわちクロスヘッド変

位速度を用いなければならない。この変位速度は,式

(1)

を用いて計算しなければならない。

実際に試験片にかかるひずみ速度は,試験機の剛性を考慮しないので,規定のひずみ速度よりも低くな

る。JIS Z 2241 

附属書 にその解説が示されている。

10.3.3 

下降伏応力 R

eL

及び要求された場合の降伏伸び(%A

e

の測定時のひずみ速度 

上降伏応力が現れた後,下降伏応力

R

eL

及び要求された場合の降伏伸び(

%

A

e

を測定する平行部の推

定ひずみ速度

c

L

e

&

は,不連続な降伏が終わるまで次の二つのうち一つの規定範囲にしなければならない(

1

参照)

範囲

1

c

L

e

&

0.000 07 s

1

0.004 2 min

1

に相当)±

20 %

範囲

2

c

L

e

&

0.000 25 s

1

0.015 min

1

に相当)±

20 %

クロスヘッド変位速度制御が望ましい。

10.3.4 

引張強さ R

m

破断伸び(%A,及び絞り(%Z,並びに要求された場合の最大試験力時の全伸

び(%A

gt

及び最大試験力時の塑性伸び(%A

g

の測定時のひずみ速度 

要求された降伏応力/耐力の測定の後,引張強さ

R

m

,破断伸び(

%

A

,及び絞り(

%

Z

,並びに要求

された場合の最大試験力時の全伸び(

%

A

gt

,及び最大試験力時の塑性伸び(

%

A

g

を測定する平行部の


7

G 0567

:2012

推定ひずみ速度

c

L

e

&

は,次の規定範囲のうちの一つに変更しなければならない(

図 参照)。

範囲

1

c

L

e

&

0.000 07 s

1

0.004 2 min

1

に相当)±

20 %

範囲

2

c

L

e

&

0.000 25 s

1

0.015 min

1

に相当)±

20 %

範囲

3

c

L

e

&

0.001 4 s

1

0.084 min

1

に相当)±

20 %

(規定のない限り推奨する範囲)

範囲

4

c

L

e

&

0.006 7 s

1

0.4 min

1

に相当)±

20 %

クロスヘッド変位速度制御が望ましい。

引張試験の目的が引張強さだけを測定する場合は,全試験期間を通して,試験片平行部の推定ひずみ速

度を範囲

3

にしてもよい。

10.4 

ひずみ速度範囲を拡大した試験方法(方法 B 

10.4.1 

一般 

この試験方法は,通常のひずみ速度範囲で行うものである。

注記

この試験方法のひずみ速度範囲は,従来の規格と同じ速度範囲である。

金属のひずみ速度感受性は,室温よりも,高温の方がより高い可能性があることを考慮すべきである。

試験速度が,規定範囲内であっても,測定する特性の値に影響を与える場合がある。

10.4.2 

降伏強さ又は耐力の測定時の速度 

上降伏応力,下降伏応力及び耐力を対象とする。

試験開始から測定する降伏応力までの試験片の平行部のひずみ速度は,

0.000 016 7 s

1

から

0.000 083 3

s

1

0.001

0.005 min

1

)までの間とする。

試験装置がひずみ速度を表示できない場合は,弾性域の応力速度をひずみ速度が

0.000 05 s

1

0.003

min

1

)未満になるように設定しなければならない。いかなる場合も,弾性域で

5 MPa

s

1

300 MPa

min

1

を超えてはならない。

10.4.3 

引張強さの測定時の速度 

引張強さだけを測定する場合には,試験片のひずみ速度は,

0.000 33 s

1

から

0.003 3 s

1

0.02

0.20 min

1

までの間とする。

降伏応力も同じ試験片で測定する場合には,10.4.2 で規定する試験速度からの変化は,滑らかに,又規

定のひずみ速度を超えない(オーバーシュートしない)ようにしなければならない。

10.5 

方法及び速度の選択 

受渡当事者間の協定のない限り,方法(

A

又は

B

)及び試験速度の選択は,この規格の要求に適合する

限り,製造業者又は製造業者によって指名された試験室が任意に行う。

10.6 

選択した試験条件の記録 

試験の制御モード及び試験速度を簡略化した様式で記録するために,次の略号を用いてもよい。

JIS G 0567 Annn

,又は

JIS G 0567 Bn

ここで,

A

は方法

A

(ひずみ速度制御)を,

B

は方法

B

(拡大したひずみ速度範囲)を表す。

図 で定

義されるように,

nnn

は,試験の各段階で用いた速度を参照する三つまでの一連の数字である。また,

n

は,選択したひずみ速度(

s

1

)を加えてもよい。

例 1

JIS G 0567 A 113

は,範囲

1

1

及び

3

を用いたひずみ速度制御による試験。

例 

JIS G 0567 B

は,10.4.2 に従った応力に対応した拡大したひずみ速度による試験。


8

G 0567

:2012

11 

特性値の測定及び計算 

JIS Z 2241

に従って行う。

12 

試験報告書 

試験報告書が必要な場合には,受渡当事者間の協定のない限り,少なくとも次の事項を含む。

なお,受渡当事者間の協定によって,次の項目の一部を省略してもよい。

a)

この規格で試験をした旨及び 10.6 で規定する試験条件の表示:例えば,

JIS G 0567 A113

b)

試験片の識別

c)

材料の種類(分かっている場合)

d)

試験片の形状

e)

試験片の採取位置及び採取方向(分かっている場合)

f)

10.3

及び 10.4 で示す推奨試験方法及び推奨速度と異なる場合,試験の制御,及び試験速度又は試験速

度範囲(10.6 参照)

g)

均熱時間

h)

試験温度

i)

伸び計標点距離

L

e

の設定方法

j)

試験結果

試験結果は,材料規格に規定のない限り,次に示す精度以上に,JIS Z 8401 に従って丸めることが望ま

しい。

強度値:

MPa

の整数

降伏伸び(

%

A

e

0.1 %

その他の全ての伸び(

%

0.5 %

絞り

Z

1 %

13 

測定の不確かさ 

測定の不確かさに関する要求事項及び参考情報は,JIS Z 2241 の箇条 23 及びこの規格の

附属書 によ

る。

14 

 

JIS Z 2241

図 1∼図 及び図 10∼図 15 は,そのまま有効である。JIS Z 2241 の図 を次の図 に置き

換える。


9

G 0567

:2012

a)

方法 A

b)

方法 B

ė:ひずみ速度 
t:引張試験の経過時間 
t

C

:クロスヘッド変位制御時間

t

eC

:伸び計による制御時間又はクロスヘッド変位制御時間

t

el

:記載された特性を測定する時間範囲(弾性挙動)

(定義については,JIS Z 2241 

表 参照)

t

f

:記載された特性を測定する時間範囲(通常,破断まで)

(定義については,JIS Z 2241 

表 参照)

1

  範囲 1:ė=0.000 07 s

1

(0.004 2 min

1

)±20 %

2

  範囲 2:ė=0.000 25 s

1

(0.015 min

1

)±20 %

3

  範囲 3:ė=0.001 4 s

1

(0.084 min

1

)±20 %

4

  範囲 4:ė=0.006 7 s

1

(0.4 min

1

)±20 %

a)

推奨

図 1R

eH

R

eL

R

p

R

m

A

及び を測定する場合の引張試験中に用いるひずみ速度の説明図 

15 

附属書 

次の JIS Z 2241 の附属書は,この規格でも有効である。

JIS Z 2241

附属書 B:厚さ

0.1

3 mm

(未満)の薄板材料に使用される試験片の種類

JIS Z 2241

附属書 C:径又は辺が

4 mm

未満の線及び棒に使用される線状又は棒状試験片の種類

JIS Z 2241

附属書 D:厚さ

3 mm

以上の板及び径又は辺が

4 mm

以上の線及び棒の試験片の種類

JIS Z 2241

附属書 E:管に使用する試験片の種類

JIS Z 2241

附属書 F:試験機の剛性を考慮したクロスヘッド変位速度の見積り

この規格の

附属書 には,試験片の形状及び可能性のある試験片のつかみ方法についての追加情報があ

る。


10

G 0567

:2012

附属書 A

(参考)

JIS Z 2241

の附属書 B∼附属書 E に対する追加事項

A.1 

一般 

通常,JIS Z 2241 

附属書 B∼附属書 の規定に従う全ての試験片形状は使用できる。次に,試験片形

状に関する詳細な情報を幾つかの例とともに記載する。

A.2 

厚さ 0.13 mm(未満)の薄板材料に使用される試験片 

実際には,異なるつかみの方法が適用可能である。例えば,くさび形(

wedge grip

,平行形(

parallel grip

肩付き(

shoulder grip

)など。高温(

T

250

℃)では,くさび形,平行形(

friction gripping

)は,非常に

問題となる可能性がある。それゆえ,しばしば,試験片は,

図 A.1 にその一つを示すようなボルト又は肩

部(

form fit

)でつかむ。

試験片を肩部(

form fit

)でつかむ場合は,穴は,不要である。肩部の半径の許容差は,±

0.1mm

が望ま

しい。

薄板材料に使用される試験片の例を

図 A.1 及び表 A.1 に示す。

注記

穴が裂けたり,部分的な座屈をしたりすることを防止するために穴の周りを補強するのは,よ

い方法である。

a

o

試験前の試験片の厚さ

L

o

原標点距離(L

o

=50 mm)

b

o

試験前の平行部の幅

L

c

平行部長さ(L

c

L

o

b

o

r

肩部半径

L

t

試験片の全長

B

つかみ部の幅

D

穴の直径

C

つかみ部の長さ

E

試験片端から穴までの距離

図 A.1−厚さ 0.13 mm(未満)の薄板材料に使用される試験片の例 

表 A.1−厚さ 0.13 mm(未満)の薄板材料に使用される試験片の例 

単位  mm

a

o

b

o

L

o

r B C D E L

c

min.

L

t

min.

a)

0.1

以上 3.0 以下

12.5 50 25 35 50 15 17 62.5

205

a)

平行部長さ L

c

が規定の下限値の場合,試験片の全長 L

t

も下限値でよい。


11

G 0567

:2012

A.3 

厚さ 3 mm 以上の板に使用される試験片 

実際には,異なるつかみの方法が適用可能である。例えば,くさび形(

wedge grip

,平行形(

parallel grip

肩付き(

shoulder grip

)など。高温(

T

250

℃)では,くさび形,平行形(

friction gripping

)は,非常に

問題となる可能性がある。それゆえ,試験片は,

図 A.2 にその一つを示すようなボルト又は肩部(

form fit

でつかむことがよくある。

試験片を肩部(

form fit

)でつかむ場合は,穴は,不要である。肩部の半径の許容差は,±

0.1 mm

が望ま

しい。

厚さ

3 mm

以上の板に使用される試験片の例を

図 A.2 及び表 A.2 に示す。

a

o

試験前の試験片の厚さ

L

o

原標点距離(L

o

=50 mm)

b

o

試験前の平行部の幅

L

c

平行部長さ(L

c

L

o

b

o

r

肩部半径

L

t

試験片の全長

B  つかみ部の幅

D

穴の直径

C  つかみ部の長さ

E

試験片端から穴までの距離

図 A.2−厚さ 3 mm 以上の板に使用される試験片の例 

表 A.2−厚さ 3 mm 以上の板に使用される試験片の例 

単位  mm

a

o

b

o

L

o

r B C D E L

c

min.

L

t

min.

a)

3

を超え 3.5 以下 35

48

190

3.5

を超え 4.5 以下 40

54

196

4.5

を超え 5.7 以下 45

61

203

5.7

を超え 6.9 以下 50

67

209

6.9

を超え 8.3 以下

12.5

55

25 35 50 15 17

73 215

a)

平行部長さ L

c

が規定の下限値の場合は,試験片の全長 L

t

も下限値でよい。

A.4 

径又は辺が 4 mm 以上の線及び棒の試験片 

これらの試験片には,ねじ付きのグリップがよく用いられる(

図 A.3 及び表 A.3 参照)。


12

G 0567

:2012

d

o

試験前の平行部の径

L

o

原標点距離(L

o

=5d

o

d

1

メートルねじの径

L

c

平行部長さ(L

c

L

o

d

o

r

肩部の半径

L

t

試験片の全長

h

つかみ部の長さ

図 A.3−ねじ付きのつかみ部をもった棒状試験片の例 

表 A.3−ねじ付きのつかみ部をもった棒状試験片の例 

単位  mm

d

o

L

o

d

1

min.

h

min.

L

c

min.

L

t

min.

a)

4 20 M6  3  6  24 41

5 25 M8  4  7  30 51

6 30

M10 5  8  36 60

8 40

M12 6 10  48 77

10 50

M16 8 12  60 97

12 60

M18 9 15  72

116

14 70

M20

11 17  84

134

16 80

M24

12 20  96

154

18 90

M27

14 22 108

173

20 100 M30 15  24  120 191

25 125 M33 20  30  150 234

a)

肩部の半径 r,つかみ部の長さ 及び平行部長さ L

c

が規定の下限値の場合は,

試験片の全長 L

t

も下限値でよい。

加熱装置によっては,試験片が大きいために,試験片内の温度差が規定を満足できない場合がある。こ

のような場合には,より小さな試験片を使用することが望ましい。


13

G 0567

:2012

A.5 

つば付き(環状のナイフエッジをもつ)試験片 

つば付き試験片の例を

図 A.4 及び表 A.4 に示す。

注記  A 部の詳細な個々の部分に関する目標値は,次による。

d

2

d

o

+0.2

d

3

d

o

+1.8

d

4

d

o

+2.0

r

2

=0.5

θ=90°

図 A.4−つば付き(環状のナイフエッジをもった)棒状試験片の例 

表 A.4−つば付き(環状のナイフエッジをもった)棒状試験片の例 

単位  mm

d

o

L

o

d

1

a) 

min.

b)

h

min.

L

c

L

t

min.

c)

 6

30

M10

4.5

 8

5.5 d

o

∼7.5 d

o

 57

 8

40

M12

6

10

5.5 d

o

∼7.5 d

o

 73

10 50 M16

7.5 12

5.5

d

o

∼7.5 d

o

 91

12 60 M18

9  15

5.5

d

o

∼7.5 d

o

 110

a)

最小メートルねじ

b)

  JIS Z 2241

による下限値

c)

肩部の半径 及びつかみ部の長さ が規定の下限値で,かつ,平行部長
さ L

c

が 5.5 d

o

の場合は,試験片の全長 L

t

も下限値でよい。


14

G 0567

:2012

附属書 B

(参考)

測定の不確かさ

試験結果の測定の不確かさを見積もる場合には,ISO 6892-1

:2009

附属書 及び次の情報を参照する。

表 B.1 は,ISO 6892-1

:2009

附属書 に温度及びひずみ速度の成分を追加して作り直したものである。

温度及びひずみ速度のばらつきは,室温におけるよりも,高温においてこれらの成分の影響はより大きく

なる可能性がある。それゆえ,試験結果の測定の不確かさを見積もる場合には,試験中の温度及びひずみ

速度のばらつきに関する不確かさの成分を考慮することが望ましい。

表 B.1 に示すように,温度及びひず

み速度は,表にある全ての材料特性の結果に影響する可能性がある。

表 B.1−測定結果に寄与する不確かさ 

試験結果

因子

R

eH

R

eL

R

m

R

p

A Z 

試験力

X X X X

伸び

− X  X −

標点距離

− X  X −

S

o

X X X X

− X

S

u

− X

温度

X X X X X X

ひずみ速度  X X X X X X

注記  X:関連する 

−:関連しない

表 B.1 に記載された試験結果の不確かさを決定するために,試験装置に関連する不確かさの寄与は,試

験結果の測定に用いた装置の校正証明書の値を用いる(ISO 6892-1

:2009

の J.3 を参照)

。しかしながら,

温度及びひずみ速度のばらつきによって影響を受ける試験結果の不確かさは,これらの不確かさの値が材

料に非常に大きく左右されるため,試験によって決めなければならない。この理由から,現時点で,例と

して用いる,温度及びひずみ速度成分に対する予測値を与えることはできない。

図 B.1 及び B.2 に一つの

特定の合金に対する,二つの異なる試験温度における応力−ひずみ曲線への異なるひずみ速度の影響例を

示す。

試験結果の測定の拡張不確かさを見積もるために,不確かさの成分の決定,数学的な結合及び表し方を

どのようにするかは,ISO 6892-1

:2009

附属書 を参照する。


15

G 0567

:2012

R  応力(MPa)

e  伸び(%)(ひずみ)

図 B.1−室温における異なるひずみ速度に対する応力−ひずみ曲線の例 

図 B.1 は , 室 温 で , 異 な る ひ ず み 速 度 に 対 し て 示 し て い る 。 材 料 特 性 へ の 影 響 は 小 さ い

5

4

3

2

1

e

e

e

e

e

&

&

&

&

&

>

>

>

>

R  応力(MPa)

e  伸び(%)(ひずみ)

図 B.2850  ℃における異なるひずみ速度での応力−ひずみ曲線の例 

図 B.2 は,高温で,異なるひずみ速度に対して示している。材料特性は大きく異なる(

5

4

3

2

1

e

e

e

e

e

&

&

&

&

&

>

>

>

>


16

G 0567

:2012

R  応力(MPa)

e  伸び(%)(ひずみ)

図 B.3−異なる温度及び所定のひずみ速度での応力−ひずみ曲線の例 

図 B.3 は,所定のひずみ速度及び異なる温度に関するものである。材料特性は,大きく異なる(

T

1

T

2

T

3

T

4

T

5

参考文献

[1]

ISO 377

Steel and steel products

Location and preparation of samples and test pieces for mechanical testing

[2]

ISO 2142

Wrought aluminium, magnesium and their alloys

Selection of specimens and test pieces for

mechanical testing

[3]

ISO 2566-1

Steel

Conversion of elongation values

Part 1: Carbon and low alloy steels

[4]

ISO 2566-2

Steel

Conversion of elongation values

Part 2: Austenitic steels


附属書 JA

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS G 0567:2012

  鉄鋼材料及び耐熱合金の高温引張試験方法

ISO 6892-2:2011

  Metallic materials−Tensile testing−Part 2: Method of test at

elevated temperature

(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇条番号
及び題名

内容

(II) 
国際規格

番号

箇条番号

内容

箇条ごと
の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

9.2

伸 び

JIS B 7741

の等級 2

級以上を使用する。

 9.2

耐力の測定は,等級 1 級
以上とし,その他の特性
は,等級 2 級以上とする。

変更

耐 力 測 定 時 の 伸 び 計 の等 級が

JIS

は,2 級も認めている。

国内の実態を考慮し,将来 JIS 
改正を行う。

12

試 験

報告書

試験報告項目を規定

12

試験報告項目を規定

追加

JIS

では,試験報告書は,必要

な場合にだけ発行することを明

記し,更に受渡当事者間の協定
で項目を削除してよいことを追
記した。

技術的な差異は,軽微である。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 6892-2:2011,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

17

G

 05

67

201

2