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G 0559

:2008

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義 

1

4

  測定方法の種類及びその原理

2

5

  試験片

2

6

  硬さ試験による測定方法 

2

7

  マクロ組織試験による測定方法

3

8

  表示

4

9

  報告

4

附属書 JA(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

5


G 0559

:2008

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本鉄鋼

連盟(JISF)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の

審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS G 0559:1996 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。


日本工業規格

JIS

 G

0559

:2008

鋼の炎焼入及び高周波焼入硬化層深さ測定方法

Steel

Determination of case depth after flame hardening or induction hardening

序文 

この規格は,1976 年に第 1 版として発行された ISO 3754 を基に作成した日本工業規格であるが,技術

的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

適用範囲 

この規格は,通常,0.3 mm を超える鋼の炎焼入れ及び高周波焼入れによる硬化層深さ(以下,硬化層深

さという。

)を測定する方法について規定する。ただし,受渡当事者間の協定によって,0.3 mm 以下の硬

化層深さの測定に使用してもよい。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 3754:1976

,Steel−Determination of effective depth of hardening after flame or induction

hardening (MOD)

なお,対応の程度を表す記号(MOD)は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,修正していることを示

す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS G 0201

  鉄鋼用語(熱処理)

JIS G 0202

  鉄鋼用語(試験)

JIS Z 2244

  ビッカース硬さ試験−試験方法

JIS Z 2245

  ロックウェル硬さ試験−試験方法

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS G 0201 及び JIS G 0202 によるほか,次による。

3.1 

有効硬化層深さ 

焼入れのまま,又は焼入焼戻しした鋼材の表面から,

表 の限界硬さの位置までの距離。通常,焼戻し

温度は,200  ℃以下とする。


2

G 0559

:2008

なお,受渡当事者間の協定によって,次の式によった限界硬さの位置までの距離としてもよい。また,

他の限界硬さを適用してもよい。

H

limit

=0.80×H

min

ここに,  H

limit

限界硬さ

H

min

最小表面硬さ(最小表面硬さとは,要求された表面硬さを
いい,その値については,受渡当事者間の協定による。

表 1−有効硬化層の限界硬さ 

ロックウェルスーパーフィシャル硬さ

鋼の炭素含有率

a)

ビッカース硬さ

HV

ロックウェル硬さ

C

スケール

HRC

HR15N HR30N HR45N

0.23

以上  0.33 未満

0.33

以上  0.43 未満

0.43

以上  0.53 未満

0.53

以上

350

400

450

500

36

41

45

49

78

81

83

85

56

60

64

68

38

44

49

54

a)

鋼の炭素含有率は,測定する鋼の規格に規定された炭素含有率範囲の中央値とする。

3.2 

全硬化層深さ 

鋼材の表面から,硬化層と生地との物理的又は化学的性質の差異が,もはや区別できない位置までの距

離。

ここでいう物理的性質は硬さで,化学的性質はマクロ組織で判定する。

3.3 

硬さ推移曲線 

鋼材の表面からの垂直距離と硬さとの関係を表す曲線。

測定方法の種類及びその原理 

測定方法は,次のいずれかによる。

a)

硬さ試験による測定方法  試験片の切断面について,硬さ試験を行って,硬さ推移曲線から硬化層深

さを測定する。

b)

マクロ組織試験による測定方法  試験片の切断面を腐食して,低倍率の拡大鏡で観察し,硬化層深さ

を測定する。簡便法としてマクロ組織試験による測定方法が用いられる。

試験片 

試験片は,通常,炎焼入れ又は高周波焼入れした鋼材から採取する。ただし,やむを得ない場合は,対

象となる鋼材の硬化部と同一形状,

寸法及び同一種類の鋼材を同一条件で熱処理したものを用いてもよい。

硬さ試験による測定方法 

受渡当事者間の協定のない限り,硬さ試験による硬化層深さの測定は,次による。

a)

試験片を硬化面に垂直に切断し,切断面を研磨仕上げして被検面とする。切断又は研磨を行う場合に

は,被検面の硬さに影響を及ぼさないよう,また,端部が丸くならないように,十分注意する。

b)

被検面について JIS Z 2244 のビッカース硬さ試験を行い,硬さ推移曲線を作成して,その曲線から有


3

G 0559

:2008

効硬化層深さ又は全硬化層深さを測定する。この場合,ビッカース硬さ試験の試験力は,通常 2.9 N

とし,必要に応じて 0.98∼98.1 N を使用してもよい。

c)

被検面の測定しようとする位置について,その表面に対して垂直な直線に沿って順次硬さを測定し,

硬さ推移曲線を作る。ただし,必要のある場合は,表面の 1.5 mm の範囲内に二つ以上の点から表面

に垂直な直線上で硬さ測定を行い,1 本の硬さ推移曲線を作ってもよい(

図 参照)。

単位  mm

注記  l

2

-l

1

l

3

-l

2

l

4

-l

3

,……は,通常,0.1 mm 以下とする。

図 1−硬さ測定点の配置 

d)

ビッカース硬さ試験による硬さ推移曲線を作る場合の測定点の間隔は,通常,0.1 mm 以下とする。た

だし,表面硬化層が深い場合は,限界硬さ近傍を除き,0.1 mm 以上としてもよい。

e)

ビッカース硬さ試験を行う場合の隣り合うくぼみの中心の間隔は,くぼみの対角線の長さの 3 倍以上

とする。

f) JIS 

2245

のロックウェル硬さ試験又はロックウェルスーパーフィシャル硬さ試験を行い,硬さ推移

曲線を作る場合は,受渡当事者間で協定した方法によって行う。

g)

硬さ試験の一般事項は,JIS Z 2244 又は JIS Z 2245 による。

マクロ組織試験による測定方法 

マクロ組織試験による測定は,次の手順によって行う。

a)

試験片を硬化面に垂直に切断し,切断面を研磨仕上げして被検面とする。切断又は研磨に当たって,

被検面の組織に影響を及ぼさないように,十分注意をしなければならない。被検面は,通常,研磨材

の粒度 P240 以上の研磨紙で仕上げる。

注記  研磨材の粒度 P240 で仕上げたとき,最大高さ粗さ Rz は 6.3

µm 程度となる。

b)

被検面を 5  %ナイタル

1)

又は硝酸(1+19)

2)

で明りょうな着色状態が得られるように適切な時間腐食

し,この腐食面をエタノール又は水で洗浄した後,20 倍を超えない倍率の拡大鏡で腐食による着色状

況を調べる。

1)

硝酸とエタノールとを体積比で約 1 : 19 の比で混合する。

2)

硝酸と水とを体積比で約 1 : 19 の比で混合する。

c)

生地と異なった着色をした部分の表面からの深さを測定し,全硬化層深さとする。


4

G 0559

:2008

表示 

硬化層深さの表示方法は,次による。

a)

硬化層深さは,ミリメートルで示し,小数点以下 1 位までとする。

b)

硬化層深さの表示記号は,

表 による。

表 2−硬化層深さの表示記号 

測定方法

硬さ試験による測定方法

a)

硬化層深さ

適用限界硬さ

ビッカース硬さの場合

ロックウェル硬さの場合

マクロ組織試験
による測定方法

表 による限界硬さ HD-H△-E(  ) HD-H□-E(  )

高周波焼入 
有効硬化層深さ

最小表面硬さの 80  % DS-H△-H(  ) DS-H□-H(  )

表 による限界硬さ FD-H△-E(  ) FD-H□-E(  )

炎焼入 
有効硬化層深さ

最小表面硬さの 80  % DS-H△-F(  ) DS-H□-F(  )

高周波焼入 
全硬化層深さ

− HD-H△-T HD-H□-T HD-M-T

炎焼入 
全硬化層深さ

− FD-H△-T FD-H□-T FD-M-T

a)

△には JIS Z 2244 

表 2(硬さ記号と試験力)における硬さ記号の数字,□には JIS Z 2245 の表 1(ロックウ

ェル硬さ及びロックウェルスーパーフィシャル硬さのスケール及び関連事項)におけるスケール,及び(  )

内には

表 の限界硬さ,受渡当事者間で協定した値,又は最小表面硬さの 80  %の限界硬さの値を記入する。

例 1 HD-H0.3-E(450)1.5:箇条 のビッカース硬さ試験によって試験力 2.9 N で測定し,450 HV までの高周波焼入有

効硬化層深さ 1.5 mm の場合

例 2 FD-HC-E(41)1.8:箇条 のロックウェル硬さ C スケール試験によって測定し,41 HRC までの炎焼入有効硬化

層深さ 1.8 mm の場合

例 3 HD-H30N-E(60)1.0:箇条 のロックウェルスーパーフィシャル硬さ試験によって測定し,60 HR30N までの高

周波焼入有効硬化層深さ 1.0 mm の場合

例 4 HD-M-T3.2:箇条 のマクロ組織試験によって測定し,高周波焼入全硬化層深さ 3.2 mm の場合 
例 5 DS-H0.3-H(500)1.5:箇条 のビッカース硬さ試験によって試験力 2.9 N で測定し,500 HV までの高周波焼入有

効硬化層深さ 1.5 mm の場合

例 6 DS-HC-H(50)1.8:箇条 のロックウェル硬さ C スケール試験によって測定し,50 HRC までの高周波焼入有効

硬化層深さ 1.8 mm の場合

報告 

試験報告書が必要な場合には,報告する事項は,次のうちから,受渡当事者間の協定によって選択する。

a)

鋼種又は化学成分

b)

試験片の識別

c)

熱処理条件

d)

測定位置

e) 

試験結果 


5

G 0559

:2008

附属書 JA

(参考)

JIS

と対応する国際規格との対比表

JIS G 0559:2008

  鋼の炎焼入及び高周波焼入硬化層深さ測定方法

ISO 3754:1976

,Steel−Determination of effective depth of hardening after flame or

induction hardening

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの評
価及びその内容

箇 条 番 号 及
び名称

内容

(Ⅱ)
国際

規格
番号

箇条
番号

内容

箇条ごと 
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技
術的 差異 の理 由及 び今 後

の対策

1

適用範囲 0.3

mm

を超える硬化

層 深 さ を 測 定 す る 方
法を規定

 1

2

0.3 mm

を超える硬化層深さ

を測定する方法を規定 
有効硬化層深さの 3 倍の位置

が限界硬さより 100 HV 小さ
くない場合は協定で行う。

削除

有効硬化層深さの 3 倍の位置の規定
は,国内ではなじみがなく,また ISO
規格でもこの規定を無視してもよいこ

とになっていることから,大きな技術
的差異にはならない。

2

引用規格

3

用 語 及 び

定義

−  有効硬化層深さ 
−  全硬化層深さ

−  硬さ推移曲線 
を定義

 3

−  有効硬化層深さ 
を定義

追加

JIS

で従来から使用している全硬化層

深さ及び硬さ推移曲線の定義を追加

ISO

への提案を検討する。

4

測 定 方 法

の 種 類 及 び
その原理

硬 さ 試 験 に よ る 測 定
方 法 及 び マ ク ロ 組 織
試験による測定方法

 4

硬さ試験による方法を規定

選択

JIS

では,簡便法としてマクロ組織試

験による方法を追加

ISO

への提案を検討する。

5

試験片

通常,炎焼入れ又は高
周 波 焼 入 れ し た 鋼 材
から採取。同一条件で

処 理 し た も の も 可 と
する。

追加

ISO

規格には規定されていない。

ISO

への提案を検討する。

6

硬 さ 試 験

に よ る 測 定
方法

試 験 片 の 調 整 及 び 硬
さ 測 定 の 手 順 の 詳 細
を規定

 4

試験片の調整及び硬さ測定の
手順の詳細を規定

追加

ISO

規格には,硬さ試験方法(ビッカ

ース硬さ試験方法及びロックウェル硬
さ試験方法)の規定がない。

ISO

への提案を検討する。

5

G

 05

59

200

8


6

G 0559

:2008

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの評
価及びその内容

箇 条 番 号 及

び名称

内容

(Ⅱ)
国際
規格

番号

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技
術的 差異 の理 由及 び今 後
の対策

7

マ ク ロ 組

織 試 験 に よ
る測定方法

マ ク ロ 組 織 試 験 の 試

験 片 の 調 整 及 び 測 定
の手順を規定

追加

JIS

では,箇条 6 に代わる簡便法とし

てマクロ組織試験による方法を追加

ISO

への提案を検討する。

8

表示

試 験 方 法 及 び 硬 化 層

深 さ の 種 類 に よ っ て
表記の方法を規定

追加

ISO

規格には,表示方法についての規

定はない。ただし,定義などに有効硬
化層深さとして DS の表記がある。

ISO

への提案を検討する。

9

報告

−  鋼種又は化学成分 
−  試験片の識別 
−  熱処理条件

−  測定位置 
−  試験結果 
を協定で選択

 5

−  試験片識別及び熱処理条

−  測定位置

−  有効硬化層深さ 
を報告

追加

JIS

では,より詳細に報告項目を規定

しているが,特に大きな技術的差異は
ない。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 3754:1976,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  削除  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

    −  追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    −  選択  国際規格の規定内容とは異なる規定内容を追加し,それらのいずれかを選択するとしている。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD 国際規格を修正している。

6

G 0

5

5

9


200

8