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F 8821 : 2000  

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,運輸大臣が改正した日本工

業規格である。 

これによって,JIS F 8821 : 1983は改正され,この規格に置き換えられる。

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

F 8821 : 2000 

船用防水形小形接続箱 

Shipbuilding−Watertight type joint boxes 

1. 適用範囲 この規格は,船内の主として電圧500V以下の電気回路においてケーブルの接続,分岐又

は接続に使用するJIS C 2805の規定による銅線用絶縁被覆付圧着端子を用いる防水形小形接続箱(以下,

接続箱という。)について規定する。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。 

JIS C 2805 銅線用圧着端子 

JIS F 0701 船用電気器具のプラスチック選定基準 

JIS F 0808 船用電気器具環境試験通則 

JIS F 8006 船用電気器具の振動検査通則 

JIS F 8007 船用電気器具の外被の保護形式及び検査通則 

JIS F 8801 船用電線貫通金物−箱用 

JIS F 8813 船用圧着端子用端子盤 

JIS Z 8721 色の表示方法−三属性による表示 

3. 種類 接続箱の種類は,形式,端子盤の形式,端子数,定格電圧及び定格電流によって,表1による。 

表1 接続箱の種類 

形式 

端子盤の形式 

端子数 

定格電圧V 

定格電流A 

保護等級 

付図 

1形 
1M形 

C10 

500 

10 

IP56 

C20 

20 

− 

2形 
2M形 

C10 

3又は4 

10 

C20 

20 

− 

備考1. 1形は電線貫通金物2個付きのもの,2形は電線貫通金物4個付きのものを示し,数字

の後のMは,体及びふたの材料が合成樹脂のものを示す。 

2. 形式末尾の記号Cは,JIS F 8813の端子盤,Fはこれ以外の端子盤を使用したもの

を示す。 

4. 性能 接続箱は,次に規定する諸性能を備えていなければならない。 

a) 耐振性 耐振性は,次による。 

1) 共振 振動数5〜16.7Hzの間で複振幅0.75mmの振動を3軸(上下,左右,前後)方向に加え,有

害な共振点があってはならない。

F 8821 : 2000 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2) 定振動 1)において,接続箱に共振が認められる軸方向については,最も有害と認められる共振振

動数で複振幅0.75mmの振動を15分間,また,共振が認められない軸方向については,振動数16.7Hz

で複振幅1mmの振動を30分加え,各部に緩みなどの異状があってはならない。 

b) 外被の保護性能 接続箱は,表1に規定する保護等級に対応し,JIS F 8007に規定する性能を満足し

なければならない。 

c) 絶縁抵抗 接続箱は,JIS F 0808の4.17.3(厳しさ)の試験電圧500Vによって試験したとき,絶縁抵

抗は20MΩ以上でなければならない。 

d) 耐電圧 接続箱は,JIS F 0808の4.16.3(厳しさ)の試験電圧2 000Vの性能を満足しなければならな

い。 

5. 構造,形状及び寸法 接続箱の構造,形状及び寸法は,付図1及び付図2によるほか,次による。 

a) 端子盤は,JIS F 8813の規定によるか又はこれと同等以上の性能のものとする。 

なお,感電防止カバーを設けない場合は,受渡当事者間の協議による。 

b) 接続箱の体には,保護接地端子を設けるか確実に保護接地できる構造としなければならない。ただし,

合成樹脂の場合は,設けなくてもよい。 

なお,保護接地端子を設ける場合は,保護接地の図記号を表示するのがよい。 

c) 電線貫通金物は,JIS F 8801による。 

d) 体及びふたが金属の場合には,容易に腐食又はさびを生じないような塗装を施す。塗装色は,JIS Z 

8721の7.5BG7/2とする。 

なお,これ以外の塗装色については,受渡当事者間の協議による。 

6. 材料 接続箱の材料は,付図1及び付図2のとおりとする。 

7. 検査 

7.1 

検査項目及び検査順序 接続箱の検査は,次の検査項目及び順序によって同一製品について行う。

ただし,*印がある検査項目は,同一製造業者の同一設計による最初の製品について行い,次回以降は省略

することができる。 

a) 構造及び材料検査 

*b) 振動検査 

c) 外被の保護性能検査 

*1) 危険な箇所への接近・外来固形物に対する保護性能検査 

2) 液体に対する保護性能検査 

d) 絶縁抵抗検査 

e) 耐電圧検査 

7.2 

構造及び材料検査 構造及び材料検査は,構造,形状,寸法及び材料について行い,4.及び5.の規定

に適合しなければならない。 

7.3 

振動検査 振動検査は,JIS F 8006のA1−B1・0.5級・1.5Hによって行い,4.a)の規定に適合しなけ

ればならない。 

7.4 

外被の保護性能検査 外被の保護性能検査は次による。 

a) 危険な箇所への接近・外来固形物に対する保護性能検査 危険な箇所への接近・外来固形物に対する

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

保護性能検査は,JIS F 8007の規定によって行い,IP5Xの性能を満足しなければならない。 

b) 液体に対する保護性能検査 液体に対する保護性能検査は,JIS F 8007の規定によって行い,IPX6の

性能を満足しなければならない。 

7.5 

絶縁抵抗検査 絶縁抵抗検査は,JIS F 0808の4.17(絶縁抵抗試験)の規定によって行い,4.c)の規

定に適合しなければならない。 

7.6 

耐電圧検査 耐電圧検査は,JIS F 0808の4.16(耐電圧試験)の規定によって行い,4.d)の規定に適

合しなければならない。 

8. 製品の呼び方 接続箱の呼び方は,規格の名称又は規格番号及び形式による。 

例 船用防水形小形接続箱1形又はJIS F 8821-1形 

9. 表示 接続箱の見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の事項を表示する。 

a) 規格の名称及び形式 

b) 定格電圧及び定格電流 

c) 保護等級 

d) 製造業者名又はその略号 

e) 製造年 

10. 取扱い上の注意事項 接続箱には,点検整備時における感電などの人的障害を起こさないための注意

事項を記載した取扱説明書,施工説明書などを添付する。 

参考 JMS 0071(船用電気器具の警告表示に関する指針)参照 

11. 警告表示 端子盤に感電防止カバーを設けない場合には,接続箱の見やすい場所に警告ラベルをはり

付けるのがよい。 

なお,警告ラベルの例を参考図1に示す。 

参考図1 警告ラベルの例 

参考 JMS 0071(船用電気器具の警告表示に関する指針)参照 

関連規格 JMS 0071 財団法人日本船舶標準協会規格,船用電気器具の警告表示に関する指針 

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部品番号 

部品名称 

材料 

体 

黄銅鋳物,鋳鉄又はJIS F 0701の等級02-25-42-51-65-72-81によ
る合成樹脂 

ふた 

黄銅鋳物,鋳鉄,黄銅板,鋼板又はJIS F 0701の等級
02-25-42-51-65-72-81による合成樹脂 

ガスケット 

合成ゴム 

ふた締付けねじ 

黄銅又はステンレス鋼 

締付けグランド 

JIS F 8801の規定による。 

端子盤 

JIS F 8813のC10若しくはC20によるか又はこれと同等以上のもの 

備考1. 構造及び形状は,一例を示す。 

2. 括弧内の寸法は,参考として示す。 

付図1 1形及び1M形 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

部品番号 

部品名称 

材料 

体 

黄銅鋳物,鋳鉄又はJIS F 0701の等級02-25-42-51-65-72-81によ
る合成樹脂 

ふた 

黄銅鋳物,鋳鉄,黄銅板,鋼板又はJIS F 0701の等級
02-25-42-51-65-72-81による合成樹脂 

ガスケット 

合成ゴム 

ふた締付けねじ 

黄銅又はステンレス鋼 

締付けグランド 

JIS F 8801の規定による。 

端子盤 

JIS F 8813のC10若しくはC20によるか又はこれと同等以上のもの 

備考1. 構造及び形状は,一例を示す。 

2. 括弧内の寸法は,参考として示す。 

付図2 2形及び2M形 

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配線器具専門分科会 構成表 

氏名 

所属 

(専門分科会長)    

進   健 一 

住友重機械工業株式会社 

(委員)    

那 口 行 輝 

石川島播磨重工業株式会社 

大 石 幸 明 

大石電機工業株式会社 

北 澤 昇 次 

株式会社北澤電機製作所 

塩 飽   誠 

株式会社高工社 

外 川 哲 男 

三信船舶電具株式会社 

(事務局)    

冨 永 恵 仁 

財団法人日本船舶標準協会