>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

日本工業規格

JIS

 F

8447

-1985

船用高圧水銀灯安定器

Marine Ballasts for High Pressure Mercury Vapour Lamp

1.

適用範囲  この規格は,JIS C 7604(高圧水銀ランプ)に規定する高圧水銀ランプ(以下,ランプと

いう。

)の点灯に使用する定格周波数 60Hz,電源電圧 250V 以下の船用高圧水銀灯安定器(以下,安定器

という。

)について規定する。

引用規格:

JIS C 2353

  電気絶縁用コイル含浸ワニス

JIS C 4908

  電気機器用コンデンサ

JIS C 7604

  高圧水銀ランプ

JIS C 8110

  高圧水銀燈安定器及び低圧ナトリウム燈安定器

JIS F 8006

  船用電気器具の振動検査通則

JIS F 8007

  船用電気器具の外被の保護形式及び検査通則

JIS F 8801

  船用電線貫通金物(箱用)

JIS F 8812

  船用端子盤

JIS F 8813

  船用圧着端子用端子盤

JIS Z 8113

  照明用語

2.

用語の意味  この規格で用いる主な用語の意味は,JIS Z 8113(照明用語)によるほか次による。

(1)

試験用安定器  安定器の検査及び試験用ランプの選定のために使用する基準となるチョークコイル形

安定器[JIS C 8110(高圧水銀燈安定器及び低圧ナトリウム燈安定器)の

附属書による。]。

(2)

試験用ランプ  安定器を検査する場合に,負荷として使用するエージングによって性能が安定した水

銀ランプ(JIS C 8110 

附属書による。)。

(3)

定格入力電圧  安定器とランプを含む回路の入力端子間に加えられる電圧の基準値。

(4)

定格入力電流  周囲温度 25℃において,試験用ランプを負荷とし,入力端子間に定格周波数の定格入

力電圧を加え,安定した状態のときの入力電流の基準値。

(5)

定格入力電力  周囲温度 25℃において,試験用ランプを負荷とし,入力端子間に定格周波数の定格入

力電圧を加え,安定した状態のときの入力電力の基準値。

(6)

定格二次電圧  変圧器を含む安定器の入力端子間に,定格周波数の定格入力電圧を加えたときの二次

無負荷電圧の基準値。

(7)

定格二次短絡電流  変圧器を含む安定器の入力端子間に,定格周波数の定格入力電圧を加えたときの

二次短絡電流の基準値。


2

F 8447-1985

3.

種類  安定器の種類は,形式,適合ランプの大きさ,定格入力電圧,力率及び外被の保護形式によっ

表 のとおりとする。

表 1

形式

適合ランプの大きさ

(W)

定格入力電圧

(V)

力率

外被の保護形式

HBM

−C 220

HBM

−T 100 又は 115

L

又は H

HBM

−R

 250, 300,

400, 700

又は 1 000

100, 115

又は 220 H

IP22

又は

IP44

備考1.  定格周波数は,60Hz とする。

2.

形式の C はチョークコイル形,T は変圧器形,R は定電力形を示す(

付図

1

3

3.  2

灯用の安定器は,形式の後に 2 を付けて表す。

4.

力率の記号 L は低力率形,H は高力率形を示す。

5.

外被の保護形式は,JIS F 8007(船用電気器具の外被の保護形式及び検査通
則)による。

4.

性能  安定器は,次に規定する諸性能を備えていなければならない。

(1)

耐振性  耐振性は,次による。

(a)

共振  振動数 5∼16.7Hz の間で複振幅 0.75mm の振動を 3 軸(上下,左右,前後)方向に加え,有

害な共振点がないこと。

(b)

定振動  (a)において,安定器に共振が認められる軸方向については,最も有害と認められる共振振

動数で,複振幅 0.75mm の振動を 15 分間,また共振が認められない軸方向については,16.7Hz で複

振幅 1mm の振動を 30 分間加え,各部に異状がないこと。

(2)

外被の保護性能  外被の保護性能は,次による。

(a)

外来物・感電に対する保護性能  保護形式 IP 22 のものは,指などの外来物に対する保護が施され

ていること。

また,保護形式 IP 44 のものは,鋼線など直径 1mm 以上の外来物が入らないこと。

(b)

液体に対する保護性能  保護形式 IP 22 のものは,鉛直から 15°の範囲で落ちてくる水滴によって

有害な影響がないこと。

また,保護形式 IP 44 のものは,いかなる方向からの水の飛まつを受けても有害な影響がないこ

と。

(3)

二次電圧  二次電圧は,定格二次電圧の 90∼110%の範囲内であること。

(4)

始動電圧  始動電圧は,定格入力電圧が 100V 及び 115V の場合はその 94%,また,220V の場合はそ

の 90%の入力電圧を加えたとき,180V 以上であること。

(5)

二次短絡電流  二次短絡電流は,定格二次短絡電流の 115%以下であること。

(6)

出力電流,出力電力及び出力電力変動率  出力電流,出力電力及び出力電力変動率は,表 による。

表 2

区分

試験用安定器に対する比

出力電流 110%以下

出力電力 92.5%以上

定格入力電圧の 90%

85%

以上

出力電力変動率

定格入力電圧の 110% 115%以上

(7)

入力電流及び入力電力  入力電流及び入力電力は,それぞれ定格入力電流及び定格入力電力の 90∼


3

F 8447-1985

110%

の範囲であること。

(8)

力率  高力率形安定器の力率は,0.85 以上であること。

(9)

温度上昇  安定器の温度上昇の限度は,表 の値であること。

表 3

単位  ℃

測定箇所

温度上昇の限度

A

種絶縁

55

E

種絶縁

70

巻線

B

種絶縁

80

H(

1

) 35

コンデンサ

表面

Z(

1

) 40

外被 45

端子盤端子 40

(

1

)

記号 H 及び Z は,JIS C 4908(電気機器用

コンデンサ)に規定する最高許容温度の区
分を示す記号で,それぞれ80℃,85℃であ
る。

(10)

絶縁抵抗  充電部と非充電金属部との間の絶縁抵抗値は,30M

Ω以上であること。ただし,温度上

昇直後に計測する場合は,10M

Ω以上であること。

(11)  

耐電圧  充電部と非充電金属部との間の耐電圧は,1 500V とし,これに 1 分間耐えること。

5.

構造  安定器の構造は,次による。

(1)

構造一般  安定器各部は,良質の材料を使い,丈夫な構造で,かつ,次に適合すること。

(a)

充電部(端子は除く。

)及び鉄心部は,耐火性をもつ外被の中に納める。

(b)

金属性外被は,材料の公称厚さが 0.8mm 以上とする。

(c)

巻線及び巻線に接して用いる繊維質絶縁物は,JIS C 2353(電気絶縁用コイル含浸ワニス)による

ワニス又はこれと同等以上の性能をもつワニスで完全に処理する。

(d)

外被の内部は,耐水性の充てん物を満たすこと。ただし,コンデンサを内蔵する場合,この部分を

除いてもよい。

また,この充てん物は,使用中にひび割れを生じたり漏出するおそれがあってはならない。

(e)

鋼又は鉄製の部品(鉄心は除く。

)には,さび止めを施す。

(f)

絶縁距離は,

表 の値以上とする。ただし,コンデンサの端子部については,この限りではない。

表 4

単位 mm

絶縁距離

異極裸充電部間

裸充電部と大地間

絶縁間げき 3

6

沿面距離 4

6

(g)

端子盤は,JIS F 8812(船用端子盤)又は JIS F 8813(船用圧着端子用端子盤)の規定によるもの又

はこれらと同等以上の性能をもつものとする。

(h)

外被の適当な位置に接地用端子を設ける。また,接地用端子の付近には,E 又は図記号  (

)

を表

示する。

(i)

電線導入口は,JIS F 8801[船用電線貫通金物(箱用)

]の規定による電線貫通金物を用いる。ただ

し,IP22 の電線導入口は,コーミングでもよい。


4

F 8447-1985

(2)

内部配線  内部配線は,電圧 600V,公称断面積 1.25mm

2

以上の耐熱絶縁より銅線を用いる。

(3)

コンデンサ  コンデンサは,次に適合すること。

(a)

安定器に使用する力率改善用コンデンサは,JIS C 4908 に規定されたもの又はこれと同等以上のも

のとする。

(b)

安定器に定格周波数の定格入力電圧を加えたとき,コンデンサの端子電圧は,その定格電圧を超え

てはならない。

(c)

力率改善用コンデンサには,適当な放電装置を設けて,電源回路が遮断してから 1 分以内にコンデ

ンサの端子電圧が 50V 以下になるようにする。ただし,安定器の回路特性上この時間内に 50V 以下

になるものはこの限りでない。

6.

検査

6.1

検査項目及び順序  安定器の検査は,次の項目及び順序によって同一品について行う。ただし,※

印が付けてある検査項目は,同一製造業者の同一設計による最初の製品について行い,次回以降のものは

省略することができる。

なお,検査場所は,室温 20∼27℃,湿度 65±20%の無風状態とする。

(1)

構造検査

(2)  振動検査

(3)  外被の保護性能検査 

(a)

外来物・感電に対する保護性能検査

(b)

液体に対する保護性能検査

(4)

二次電圧検査(変圧器を含む安定器の場合)

(5)  始動電圧検査 

(6)  二次短絡電流検査

(7)  出力電流,出力電力及び出力変動率検査

(8)  入力電流及び入力電力検査

(9)  力率検査

(10) 温度上昇検査

(11)

絶縁抵抗検査

(12)

耐電圧検査

6.2

構造検査  構造検査は,構造,寸法,材料について行い,5.の規定に適合しなければならない。

6.3

振動検査  振動検査は,JIS F 8006(船用電気器具の振動検査通則)の A1−B1・0.5 級・1.5H によ

って行い,4.(1)の規定に適合しなければならない。

6.4

外被の保護性能検査  外被の保護性能検査は,次による。

(1)

外来物・感電に対する保護性能検査  外来物・感電に対する保護性能検査は,IP 22 のものは JIS F 8007

の 4.1(3)によって,また,IP44 のものは JIS F 8007 の 4.1(5)によって行い,4.(2)(a)の規定に適合しな

ければならない。

(2)

液体に対する保護性能検査  液体に対する保護性能検査は,IP 22 のものは JIS F 8007 の 4.2(3)によっ

て,また,IP 44 のものは JIS F 8007 の 4.2(5)によって行い,4.(2)(b)の規定に適合しなければならない。

6.5

二次電圧検査  二次電圧検査は,入力端子間に定格周波数の定格入力電圧を加え,無負荷の状態に

おける二次端子電圧を測定し,4.(3)の規定に適合しなければならない。


5

F 8447-1985

6.6

始動電圧検査  始動電圧検査は,入力端子間に定格周波数で定格入力電圧が 100V 及び 115V のもの

はその 94%の電圧を,また,220V のものは,その 90%の電圧を加え,無負荷状態における二次端子間の

電圧を測定したとき,4.(4)の規定に適合しなければならない。

6.7

二次短絡電流検査  二次短絡電流検査は,入力端子間に定格周波数の定格入力電圧を加え,二次端

子間を電流計で短絡して電流を測定したとき,4.(5)の規定に適合しなければならない。

6.8

出力電流,出力電力及び出力電力変動率検査  出力電流,出力電力及び出力電力変動率検査は,次

による。

(1)

出力電流及び出力電力は,供試安定器及び試験用安定器を

図 のように接続し,それぞれの安定器に

定格周波数の定格入力電圧を切り替えて加えたとき,安定器の出力電流及び出力電力は,

表 の規定

に適合しなければならない。

図 1

(2)

出力電力変動率は,(1)の検査において入力電圧を定格入力電圧の 90%及び 110%の電圧として加えた

とき,安定器の出力電力は,それぞれ

表 の規定に適合しなければならない。

6.9

入力電流及び入力電力検査  入力電流及び入力電力検査は,試験用ランプを負荷として図 のよう

に接続し,供試安定器に定格周波数の定格入力電圧を加えたとき,入力電流及び入力電力は 4.(7)の規定に

適合しなければならない。

図 2

6.10

力率検査  力率検査は,6.9 の検査結果から,次の式で力率を計算し,4.(8)に適合しなければならな

い。ただし,高力率の安定器だけに適用する。

入力電流

定格入力電圧

入力電力

力率=

×


6

F 8447-1985

6.11

温度上昇検査  温度上昇検査は,安定器を周囲温度 45±2℃の範囲に保ち,試験用ランプを負荷とし,

安定器に定格周波数の定格入力電圧を加えて,各部の温度がほぼ一定になった後,巻線温度は抵抗法で,

また,外被,コンデンサの表面及び端子盤端子の温度は,熱電対で測定し,4.(9)の規定に適合しなければ

ならない。

6.12

絶縁抵抗検査  絶縁抵抗検査は,充電部を一括したものと非充電金属部との間の絶縁抵抗を直流

500V

の絶縁抵抗計で測定し,4.(10)の規定に適合しなければならない。

6.13

耐電圧検査  耐電圧検査は,充電部を一括したものと非充電金属部との間に商用周波数で正弦波に

近い電圧を徐々に加えて行い,4.(11)の規定に適合しなければならない。

7.

製品の呼び方  安定器の呼び方は,規格名称,形式,適合ランプの大きさ,定格入力電圧及び力率に

よる。ただし,規格名称の代わりに規格番号を用いてもよい。

例: 船用高圧水銀灯安定器  HBM−C  250W  220VL

又は JIS F 8447

      HBM−C  250−220L

8.

表示  安定器の見やすい所に容易に消えない方法で次の事項を表示しなければならない。

(1)

規格名称及び形式

(2)

定格入力電圧 (V)  

(3)

定格周波数 60 (Hz)  

(4)

定格入力電流 (A)  

(5)

定格入力電力 (W)  

(6)

力率による区分(高力率のものだけ“高力率”と表示する。

(7)

定格二次短絡電流 (A) (チョーク形は除く。

(8)

定格二次電圧 (V) (チョーク形は除く。

(9)

定格二次電流 (A) (チョーク形は除く。

(10)

適合ランプの定格消費電力 (W)  

(11)

外被の保護形式

(12)

絶縁物の種類(A 種以外のものについてだけ表示する。

(13)

接続図及び口出線の色別(単一チョークコイルのものは省略してもよい。

(14)

製造業者名(又はその略号)

(15)

製造年(又はその略号)

付図 1  HBMの回路


7

F 8447-1985

付図 2  HBMの回路

付図 3  HBMの回路

備考1.  一点鎖線内は,安定器を示す。

2.

付図 1とも,回路は一例を示す。

3.

破線の回路は,高力率形の場合を示す。


8

F 8447-1985

船舶部会  船用照明器具専門委員会  構成表

氏名

所属

(委員会長)

大  沼  清  秀

財団法人日本海事協会

土  井  平  孝

運輸省海上技術安全局

横  溝  眞一郎

工業技術院標準部

福  島      彰

財団法人日本船舶標準協会

大  石  幸  明

大石電機工業株式会社

平  川  武  治

森尾電機株式会社

神  谷  鍵  次

株式会社三英電機製作所

森  下  幸  作

株式会社高工社

靏  谷  幸  雄

小糸工業株式会社電機技術部

佐  藤  泰  司

三信電具製造株式会社

泉      武  夫

ヘルメス電機株式会社

北  澤      毅

株式会社北澤電機製作所

竹  貫  登志雄

船舶整備公団

神  浦  恒  男

日本鋼管株式会社海洋・鉄構事業部鶴見製作所

大須賀      実

川崎重工業株式会社船舶事業本部

岡  野  益  弘

三菱重工業株式会社本社船舶技術部

荒  川  康  一

日立造船株式会社船舶営業本部

栂  野  尚  幹

石川島播磨重工業株式会社船舶海洋事業本部

津  田  宏  司

三井造船株式会社千葉事業所

藤  本  正  俊

住友重機械工業株式会社追浜造船所

(事務局)

黒  河  亀千代

工業技術院標準部機械規格課

武  藤  晃  雄

工業技術院標準部機械規格課