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F 8075

:2010 (IEC 60092-503:2007)

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義

2

4

  一般要求事項

3

4.1

  電圧及び周波数

3

4.2

  警告表示

4

4.3

  アクセス

4

4.4

  絶縁階級

4

4.5

  空間距離及び沿面距離

4

4.6

  接地

5

4.7

  配電方式

5

4.8

  発電機及び変圧器の中性点

7

4.9

  電気的保護

7

5

  機器

8

5.1

  交流発電機及び交流電動機

8

5.2

  変圧器

9

5.3

  開閉制御装置(配電盤)

10

5.4

  開閉装置及び制御装置並びにヒューズ

11

5.5

  ケーブル

11


F 8075

:2010 (IEC 60092-503:2007)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人日本船舶

技術研究協会(JSTRA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工

業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS F 8075:1986 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。

この規格には,次に示す規格群がある。

JIS

F

8061:2005

  船用電気設備−第 101 部:定義及び一般要求事項

JIS

F

8062:1996

  船用電気設備  第 201 部  システム設計−一般

JIS

F

8063:2006

  船用電気設備−第 202 部:システム設計−保護

JIS

F

8064:2000

  船用電気設備  第 301 部  機器−発電機及び電動機

JIS

F

8065:2003

  船用電気設備−第 302 部:低圧配電盤及び制御盤

JIS

F

8066:2005

  船用電気設備−第 303 部:機器−動力及び照明用変圧器

JIS

F

8067:2000

  船用電気設備  第 304 部  機器−半導体コンバータ

JIS

F

8068:1996

  船用電気設備  第 305 部  機器−蓄電池

JIS

F

8069:1986

  船用電気設備  第 306 部  機器−照明器具及び配線器具

JIS

F

8070:1986

  船用電気設備  第 307 部  機器−電熱器及び調理器具

JIS

F

8071:2008

  船用電気設備−第 352 部:電力系統用ケーブルの選択及び敷設

JIS

F

8072:2006

  船用電気設備−第 401 部:装備基準及び完成試験

JIS

F

8073:2010

  船用電気設備−第 501 部:個別規定−電気推進装置

JIS

F

8074:2003

  船用電気設備−第 502 部:タンカー−個別規定

JIS

F

8075:2010

  船用電気設備−第 503 部:個別規定−1 kV を超え 15 kV 以下の交流配電系統

JIS

F

8076:2007

  船用電気設備−第 504 部:個別規定−制御及び計装

JIS

F

8078:1987

  船用電気設備  第 203 部  システム設計−可聴及び可視信号

JIS

F

8079:1989

  船用電気設備  第 204 部  システム設計−電動及び電動油圧操だ装置

JIS

F

8080:2005

  船用電気設備−第 506 部:個別規定−特定危険物及び MHB 運搬船


   

日本工業規格

JIS

 F

8075

:2010

(IEC 60092-503

:2007

)

船用電気設備−第 503 部:個別規定−1 kV を超え

15 kV

以下の交流配電系統

Electrical installations in ships

−Part 503: Special features−AC supply

systems with voltages in the range of above 1 kV up to and including 15 kV

序文

この規格は,2007 年に第 2 版として発行された IEC 60092-503 を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

1

適用範囲

この規格は,電圧が 1 kV を超え,かつ,15 kV 以下の交流配電系統に適用する。IEC 60092 シリーズ(こ

の規格の規格群)の他の部に規定する要求事項は,この規格に規定のある事項を除いて,該当するものは

そのまま適用する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60092-503:2007

,Electrical installations in ships−Part 503: Special features−AC supply systems

with voltages in the range of above 1 kV up to and including 15 kV

(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”こ

とを示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 3411-350

  船用電気設備−第 350 部:船用電力ケーブル一般構造及び試験要求事項

注記  対応国際規格:IEC 60092-350:1988,Electrical installations in ships−Part 350: Low-voltage

shipboard power cables

−General construction and test requirements(IDT)

JIS F 8062

  船用電気設備  第 201 部  システム設計−一般

注記  対応国際規格:IEC 60092-201:1994,Electrical installations in ships−Part 201: System design−

General

(IDT)

JIS F 8063

  船用電気設備−第 202 部:システム設計−保護

注記  対応国際規格:IEC 60092-202:1994,Electrical installations in ships−Part 202: System design−

Protection

(IDT)

IEC 60034 (all parts)

,Rotating electrical machines


2

F 8075

:2010 (IEC 60092-503:2007)

   

IEC 60038:1983

,IEC standard voltages

IEC 60071-1

,Insulation co-ordination−Part 1: Definitions, principles and rules

IEC 60071-2

,Insulation co-ordination−Part 2: Application guide

IEC 60076 (all parts)

,Power transformers

IEC 60092-353

,Electrical installations in ships−Part 353: Single and multicore non-radial field power cables

with extruded solid insulation for rated voltages 1 kV and 3 kV

IEC 60092-354

,Electrical installations in ships−Part 354: Single- and three-core power cables with extruded

solid insulation for rated voltages 6 kV (U

m

=7.2 kV) up to 30 kV (U

m

=36 kV)

IEC 60265-1

,High-voltage switches−Part 1: Switches for rated voltages above 1 kV and less than 52 kV

IEC 60282-1:2005

,High-voltage fuses−Part 1: Current-limiting fuses

IEC 60502 (all parts)

,Power cables with extruded insulation and their accessories for rated voltages from 1 kV

(U

m

=1.2 kV) up to 30 kV (U

m

=36 kV)

IEC 60502-1

,Power cables with extruded insulation and their accessories for rated voltages from 1 kV (U

m

=1.2

kV) up to 30 kV (U

m

=36 kV)

−Part 1: Cables for rated voltages of 1 kV (U

m

=1.2 kV) and 3 kV (U

m

=3.6

kV)

IEC 60502-2

,Power cables with extruded insulation and their accessories for rated voltages from 1 kV (U

m

=1.2

kV) up to 30 kV (U

m

=36 kV)

−Part 2: Cables for rated voltages from 6 kV (U

m

=7.2 kV) up to 30 kV

(U

m

=36 kV)

IEC 60694:1996

,Common specifications for high-voltage switchgear and controlgear standards

IEC 62271 (all parts)

,High-voltage switchgear and controlgear

IEC 62271-200:2003

,High-voltage switchgear and controlgear−Part 200: AC metal-enclosed switchgear and

controlgear for rated voltages above 1 kV and up to and including 52 kV

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1

交流電圧(AC voltages

交流電圧の値として記載する電圧は,実効値である。

3.1.1

公称系統電圧(nominal system voltage

系統の設計基準となる電圧。

IEC 60038 の箇条 1

3.1.2

系統の最大電圧及び最小電圧(過渡的状態又は異常状態を除く。)(highest and lowest voltages of a system

3.1.2.1

系統の最大電圧(highest voltage of a system

通常運転時に,系統のいずれかの場所及びいずれかの時点において発生する電圧の最高値。

注記  電圧の過渡的変化(例えば,系統のスイッチ投入によるもの及び一時的な電圧変動)は,これ

に含まない。

IEC 60038 の 2.1 を修正]


3

F 8075

:2010 (IEC 60092-503:2007)

3.1.2.2

系統の最小電圧(lowest voltage of a system

通常運転時に,系統のいずれかの場所及びいずれかの時点において発生する電圧の最低値。

注記  電圧の過渡的変化(例えば,系統のスイッチ投入によるもの及び一時的な電圧変動)は,これ

に含まない。

IEC 60038 の 2.2 を修正]

3.1.2.3

装置に対する最大電圧(highest voltage for equipment

当該装置を使用することができる“系統の最大電圧”

3.1.2.1 参照)の最大値。

注記  一部の装置規格では“電圧範囲”という言葉が異なる意味をもつことに注意されたい。

IEC 60038 の箇条 を修正]

3.2

中性点接地(earthed neutral systems

3.2.1

中性点高抵抗接地(high-resistance earthed neutral

相と接地との間の容量性リアクタンスの 3 分の 1 に等しいか,又は若干低い絶対値の抵抗を介して中性

点が接地される系統。

3.2.2

中性点低抵抗接地(low-resistance earthed neutral

最も大きい発電機の定格電流の最低値の 20 %から最大値の 100 %の範囲内に,地絡電流を制限する抵抗

を介して中性点が接地されている系統。

3.3

絶縁(insulation

3.3.1

絶縁協調(insulation coordination

装置の絶縁耐力の選定に当たって,系統内における許容電圧及び装置に対して想定される電圧を基準と

して,動作環境及び用意された保護装置の特性を考慮して行う絶縁設計。

IEC 60071-1 の 3.1

3.3.2

定格絶縁強度(rated insulation level

絶縁体の絶縁耐力を表す,一連の定格耐電圧。

IEC 60071-1 の 3.35

4

一般要求事項

4.1

電圧及び周波数

電圧及び周波数は,IEC 60038 に従って選択しなければならない。公称系統電圧の最大値は,15 kV であ

る。船舶の配電系統に対する推奨値は,

表 による。


4

F 8075

:2010 (IEC 60092-503:2007)

   

表 11 kV を超え,かつ,15 kV 以下の公称電圧をもつ交流 相系統

公称系統電圧

a)

kV

公称周波数

Hz

装置に対する最大電圧

kV

3

3.3

6

6.6

10

11

15

50

又は60 3.6

3.6

7.2

7.2

12

12

17.5

a)

値は相間電圧を示す。

4.2

警告表示

警告表示は,容易に視認できる次の位置に取り付けなければならない。

−  高電圧室の内部及び入口の両方

−  高電圧装置

4.3

アクセス

設備の充電部分には接地した遮へい(蔽)板,接地した外被,又は該当公的機関によって承認された絶

縁体を設けなければならない。

運転又は検査を行う予定の充電部分は,危険がなく,容易に運転又は検査できる位置に設置し保護しな

ければならない。

4.4

絶縁階級

船内の条件によっては,系統の公称電圧に対する絶縁階級よりも高い絶縁階級をもつ装置が必要になる

ことがある(IEC 60071-1 及び IEC 60071-2 を参照)

。この場合は,製造業者と購入者との間に合意がなけ

ればならない。

4.5

空間距離及び沿面距離

4.5.1

空間距離

非接地の非絶縁導体は,互いに他の導電体及び壁,天井,又はそれ自体の保護カバーから少なくとも 5 cm

+動作電圧 1 kV につき 0.5 cm の空間距離で設置しなければならない。ただし,他の類似規格に従って実

施した電圧試験によって,それよりも小さい空間距離でも絶縁が十分であることが確認された場合は,そ

の限りでない。それ以外の最小空間距離をそれぞれのケースに応じて考慮することができる。

機器の最小空間距離を,

表 に示す。

表 2−装置の最小空間距離

最小空間距離

mm

公称電圧

V

主配電盤

他の装置及び発電機

<1 100

14

a)

 14

<3 300

32

26

<6 600

60

50

<11 000

100

80

≦15 000

x

b)

 x

b)

a)

主配電盤内の母線及びその他の裸導電部については 25 mm の距離が必要である。

b)

値は当事者間で協議する(製造業者と購入者との合意による。


5

F 8075

:2010 (IEC 60092-503:2007)

4.5.2

沿面距離

すべての機器は,適切な沿面距離をもたなければならない。

主配電盤及び発電機に対する最小沿面距離を

表 に,その他の装置に対する最小沿面距離を表 に示す。

表 3−主配電盤及び発電機に対する最小沿面距離

耐トラッキング指数に対する最小沿面距離

mm

公称電圧

V

300 V

375 V

500 V

>600 V

<1 100

26

a)

 24

a)

 22

a)

 20

a)

<3

300

63 59 53 48

<6 600

113

108

99

90

<11

000

183 175 162 150

≦15 000

x

b)

 x

b)

 x

b)

 x

b)

a)

主配電盤内の母線及びその他の裸導電部については 35 mm の距離が必要。

b)

値は当事者間で協議する(製造業者と購入者との合意による。

表 4−その他の装置に対する最小沿面距離

耐トラッキング指数に対する最小沿面距離

mm

公称電圧

V

300 V

375 V

500 V

>600 V

<1

100

18 17 15 14

<3

300

42 41 38 26

<6

600

83 80 75 70

<11

000

146 140 130 120

≦15 000

x

a)

 x

a)

 x

a)

 x

a)

a)

値は当事者間で協議する(製造業者と購入者との合意による。

4.6

接地

接地線は一般に銅製とし,少なくとも 35 mm

2

の面積をもたなければならない。接地導線の電流密度は

起こり得る最大地絡において 150 A/mm

2

を超えてはならない。

開閉装置外部から通電される可能性のある入力並びに出力回路に対するすべての母線及びすべての開閉

装置には,据付形の接地スイッチを設ける。信頼性の高い機械的インターロックを備える場合を除き,据

付形の接地スイッチは,系統電圧で動作するための十分な閉路容量を備えなければならない。

上記以外の位置では,据付形の接地スイッチ,携帯形の接地スイッチ又は該当公的機関によって承認さ

れたその他の適切な接地装置によって,接地及び短絡を実施しなければならない。

変流器及び計器用変圧器の二次側巻線は,接地しなければならない。接地線は銅製とし,4 mm

2

の最小

断面積をもたなければならない。接地線は,変流器若しくは変圧器の接地された外被又は接地された支持

体に直接接続することができる。

ケーブルが敷設されている場所では,局所的な安全接地が実現できる装置を設けなければならない。

4.7

配電方式

配電系統は,次による。

−  高インピーダンス中性点接地を備えた 3 相 3 線

−  低インピーダンス中性点接地を備えた 3 相 3 線


6

F 8075

:2010 (IEC 60092-503:2007)

   

−  中性点直接接地を備えた 3 相 3 線

−  中性点絶縁を備えた 3 相 3 線

注記 1  タンカーについては,JIS F 8074 参照。

注記 2  中性点絶縁方式の場合,間欠的な地絡の発生時に過渡的な過電圧が発生する可能性がある。

そのため,絶縁強度について特別な検討を行うことが望ましい。

注記 3  系統の中性点がインピーダンス(抵抗又はリアクタンス)によって接地される場合,地絡発

生時に誘起される過電圧は,中性点直接接地によって接続されているときよりも大きくなる。

中性点が直接接地されるとき,単相地絡によって生じる可能性がある地絡電流に装置が耐えることを確

認しなければならない。地絡電流の制限手段が備わっている場合,選択性に影響を与えてはならない。

中性点接地接続部には切断手段を取り付ける。ロック装置について考慮しなければならない。

4.7.1

分離系統

接地系統が複数部分に分離している場合,中性点接地のための手段は,それぞれの部分ごとに設けなけ

ればならない。

4.7.2

補助回路

スイッチの動作に補助電源が必要な場合,各配電盤に対して独立した補助電源系統を設けなければなら

ない。補助電源系統は,系統の各遮断器の少なくとも 2 台の操作が行えるだけの十分な容量をもたなけれ

ばならない。

注記  同時に切断され,かつ,補助電源回路に異常な電圧降下が発生しないか,又はスイッチの動作

に使用される油圧系統に異常な圧力降下が発生しない複数個のスイッチに対して,この要求事

項は適用される。

発電機の冷却系統に補助電源を使用する場合,補助電力が失われたときに発電機を引き外すインターロ

ック機構を備えるか,又は最高定格巻線温度において警報を発し,かつ,そこから 10 %の温度上昇によっ

て発電機を引き外す巻線温度検知器を,発電機に備えなければならない。

4.7.3

主配電盤の母線

主配電盤の母線は,少なくとも負荷時開閉に適合した定格値をもつ遮断器を用いて,少なくとも二つの

独立した部分に分割しなければならない。発電機から重要な設備までの接続は,上記の部分間で分割し,1

か所の母線が使用不能になっても,船舶の安全航行が確保されるようにしなければならない。

すべての遮断器及びヒューズ式遮断器は,母線から引き外す手段を設けなければならない。

注記  上記の手段は,目に見える引き外し距離若しくはすき間をもつか,又は各可動接触装置に対す

る信頼性の高い位置表示装置若しくは類似の可視手段(例えば,その引き外し位置へ引き出し

可能な多極遮断器)をもつ断路器とすることができる。

4.7.4

発電機用回路

発電機出力回路は,それぞれ遮断器を介して接続しなければならない。一般要求事項に加え,発電機内

部及び発電機と配電盤間とのケーブル接続部における短絡又は地絡故障に対して,発電機用遮断器の引き

外し及び発電機の消磁による保護装置を設けなければならない。

4.7.5

出力回路

給電回路は,通常は過負荷保護及び短絡保護を行う遮断器を介して接続しなければならない。

人員に危険が及ぶことがなくヒューズを交換できる場合には,ヒューズ式遮断器を用いることができる。

ヒューズを過負荷保護に用いてはならない。

下流回路に対する開閉装置は,その開閉装置が始動電流及び規定の開閉動作回数に合わせて設計されて


7

F 8075

:2010 (IEC 60092-503:2007)

いる場合に限り,モータの始動装置として使用することができる。

注記 1  ある種のヒューズは,定格負荷と短絡との間の電流において遮断容量が不十分である。

注記 2  ヒューズ式遮断器を使用するときは,遮断器の過電流保護装置が電流範囲内で動作すること

を前提にしている。

4.7.6

電力用変圧器回路

変圧器の一次側に対する給電回路は,出力回路に対する要求事項に従わなければならない。

複数の電力用変圧器が並列運転するように構成されている場合,出力回路の要求事項に準拠する開閉装

置を二次側の回路に設けなければならない。二次側の開閉装置は,一次側の開閉装置によってインターロ

ックをしなければならない。

4.7.7

船外給電回路及び他のユニットへの接続回路

製造業者と購入者との間で合意した場合には,船外給電回路を装備しなければならない。

他のユニットにつながる回路は,必要な場合に限り装備しなければならない。

4.7.8

制御及び計装回路

計器用変成器,リレー,補助スイッチなどとの短い配線を除き,制御及び計装回路は,難燃性の絶縁材

料による仕切りによって主回路から隔てて設置しなければならない。

代替的なケーブル接続を用いることができる。

装置の稼動中に注意を必要とする制御及び計装回路のヒューズは,人員に危険を及ぼすことなくアクセ

スできなければならない。

注記  仕切りに関する要求事項は,例えばケーブルコンジットの使用によって満たすことができる。

4.8

発電機及び変圧器の中性点

4.8.1

相互接続される発電機の中性点

中性点を相互接続した状態で発電機を運転することが想定されている場合,過剰な循環電流が生じない

ように機械が適切に設計されるよう,製造業者に連絡しなければならない。発電機の大きさ及び型式が異

なる場合には,特に重要である。

4.8.2

切離し

発電機が保守時に切離しできるように,各交流発電機の中性点接地接続部には,切離し装置を取り付け

なければならない。

4.9

電気的保護

4.9.1

一般

JIS F 8063

の一般要求事項によるほか,次の要求事項を適用しなければならない。

4.9.2

発電機の保護

遮断器の発電機側に発生する故障は,相−接地間又は相間の故障とみなされる。巻線間故障に対する保

護についても検討しなければならない。

4.9.3

モータの保護

バウスラスタのようにてい(逓)昇圧変圧器を介して単一の負荷に高電圧で直接給電する場合は,変圧

器の低電圧側における保護について十分に考慮しなければならない。

4.9.4

電力変圧器の保護

一次側の短絡保護には,遮断器を用いるのが望ましい。ヒューズの使用及び二次側の全出力回路におけ

る総接続負荷が変圧器の定格容量を超える場合,過負荷保護(変圧器の定格容量以内に設定した遮断器な

ど)又は過負荷警報の実施について考慮しなければならない。


8

F 8075

:2010 (IEC 60092-503:2007)

   

複数の変圧器が並列に接続される場合,一次側の保護装置の作動によって二次側に接続されるスイッチ

も自動的に引き外されなければならない。

変圧器の電流定格値の決定に当たって,負荷の不等率が使用されているときは,過電流又は過剰な温度

上昇に対する警報を保護装置に備えなければならない。

4.9.5

計器用変圧器の保護

制御及び計装に用いる計器用変圧器は,一次側及び二次側のヒューズによって短絡保護を行わなければ

ならない。発電機の電圧調整器内の電圧検知器につながる回路は,ヒューズを省略することができる。

4.9.6

過電圧保護

変圧器を介して高電圧系統から給電を受ける低電圧側の系統に対して,過電圧保護を行わなければなら

ない。変圧器の二次側巻線に保護装置(

例  中性点電圧リミッタ又は低電圧側の系統の直接接地)を取り

付けなければならない。変圧器の一次側巻線と二次側巻線との間に,接地された金属製遮へい(蔽)板の

ような代替的な保護方法を実施しなければならない。

4.9.7

地絡監視

中性点絶縁又は中性点高抵抗接地で設計したシステムにおいて,出力給電線が地絡発生時に分離されな

い場合,装置の絶縁は,相間電圧に合わせて設計しなければならない。

中性点低抵抗接地又は中性点直接接地で設計したシステムでは,故障回路を自動的に切断する対策を実

施しなければならない。

さらに,設備に絶縁異常又は地絡が発生したときに,可視及び可聴警報を発する据付形の監視装置を設

けなければならない。

5

機器

すべての機器は,関連する IEC 規格及び舶用としての変更及び補足要求に従わなければならない。

外被は,少なくとも JIS F 8062 の 26.(一般)の規定による保護等級を満足しなければならない。ただ

し,更に高位の保護等級を必要とする場合を除く。

機器に対する最大電圧は,関連する次の事項によって規定しなければならない。

a)

絶縁

b)

関連する機器の推奨事項において最大電圧が関係すると思われるその他の特性

注記  一部の装置の公称電圧において,コンデンサの損失,変圧器の磁化電流といった電圧の影響を

受けやすい特性を考慮すると,この“機器に対する最大電圧”まで装置が正常動作することは

保証できない。そのような場合,その装置の正常動作を保証できる上限値を推奨事項において

指定することが望ましい。

5.1

交流発電機及び交流電動機

交流発電機及び交流電動機は,一般に IEC 60034 の関連した部に従わなければならない。

5.1.1

外被

無許可の人員がアクセスする可能性がある場所に設置されている回転機及び中性点抵抗器は,通電部分

又は可動部分との接触に考慮して,少なくとも IP 4X の保護等級をもたなければならない。

注記 1  許可者しか入室できない室では IP 23 の保護等級とすることができる。

注記 2  機械区画は,一般に有資格者しかアクセスできない場所とみなされる。当該船舶の船員の責

任下で通常は施錠されている区画についても同様である。

接続箱の保護等級は,少なくとも IP 44 としなければならない。


9

F 8075

:2010 (IEC 60092-503:2007)

5.1.2

動作性能

5.1.2.1

温度の監視

すべての回転機の巻線には,監視及び警報のための温度検知器を設けなければならない。温度検知器回

路は,過電圧保護について考慮しなければならない。

5.1.2.2

固定子巻線回路の構成

発電機固定子巻線は,固定子保護のために,各相端末を接続できなければならない。

5.1.2.3

変圧器のスイッチ投入における発電機動作性能

大形変圧器のスイッチ投入による突入電流によって影響を受ける励磁式発電機の動作性能は,製造業者

と購入者との間で合意することが望ましい(5.2.4 参照)

5.1.3

消磁

励磁装置は,故障した発電機が自動的に消磁するように設計しなければならない。

5.1.4

機械的性能

5.1.4.1

湿気及び結露の蓄積

長期間使用しないときは,機械内部に湿気及び結露の蓄積を防止する有効な手段を備えなければならな

い。

注記  上記の目的のために,スペースヒータを用いてもよい。

5.1.4.2

水冷却器

水冷却器漏水の容易な点検方法として,警報による漏れの表示を設けなければならない。

注記  冷却器水用のチューブ(配管)の二重化について考慮することが望ましい。

5.1.4.3

端子

定格電圧が 1 kV を超える端子と 1 kV 未満の端子とを,同一の端子箱内に設置してはならない。ただし,

後者の端子への接近に対して危険なく行えるような対策が確実に取られている場合は,その限りでない。

モータの端子は,端子箱内部に配置しなければならない。

実用上可能な限り,すべての導体は適切な絶縁材料によって,効果的に被覆しなければならない。導体

が絶縁されていない場合,各相は,適切な絶縁物による離隔によって対地間及び相間を分離しなければな

らない。

効果的にケーブル接続ができるように,適切な空間を確保しなければならない。

5.2

変圧器

変圧器は,一般に IEC 60076 の関連した部に従わなければならない。

この細分箇条は,電力用変圧器,リアクトル及び中性点接地方式の変圧器に適用する。

注記  変圧器を Y-Y 結線にすると,障害に遭遇する可能性がある点に注意する。その種の障害は,地

絡条件及び第 3 高調波に関係する。

5.2.1

外被及び設置

有許可者しかアクセスできない空間に,変圧器及びリアクトルを設置するとき,それらの外被は IP 23

以上の保護等級をもたなければならない。

上記以外の空間に設置される変圧器及びリアクトルの保護等級は,IP 54 以上としなければならない。

これらの代わりに,変圧器が外被に収納されず,変圧器室が変圧器の外被の役割を果たしている場合,

変圧器室の扉は,変圧器への給電用開閉装置によってインターロックをしなければならない。

5.2.2

湿気及び結露の蓄積

長期間使用しないときは,機械内部に湿気及び結露の蓄積を防止する有効な手段を備えなければならな


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F 8075

:2010 (IEC 60092-503:2007)

   

い。

注記  上記の目的のために,スペースヒータを用いてもよい。

5.2.3

過渡的電圧条件

配電変圧器の低電圧側にある最大負荷を投入したとき,過渡的な電圧降下が 15 %を超えてはならない

(一次側の電圧降下を含む。

5.2.4

突入電流

変圧器のスイッチ投入における突入電流及びその結果によって生じる変圧器の一次側の電圧降下に対し

て,特別な注意を払わなければならない。別の変圧器を並列に投入するとき,又は発電機と変圧器との定

格値の関係が両立しない場合に,特に注意しなければならない。必要な場合,突入電流の低減手段を考慮

しなければならない。

注記  変圧器特性が不明な場合は,突入電流の非対称ピーク値が最初の半サイクル後に最高 15 I

n

に達

するとみなすことができる。

5.3

開閉制御装置(配電盤)

5.3.1

設計及び構造

配電盤は,船舶用として用いることを考慮し,一般の機器との差異及び追加要求事項を考慮するととも

に,IEC 62271-200 に準拠した金属閉鎖形構造としなければならない。

注記  上記の差異及び追加要求事項は,現在検討中である。その策定が完了するまでは,次の要求事

項が適用される。

開閉制御装置は,IP 32 以上の保護等級としなければならない。

金属以外の材料で製作した内部仕切りは,それぞれの要件ごとに検討後,該当公的機関によって承認を

受けることができる。

出力回路において負荷側からの逆通電が不可能な場合,ケーブル端子と開閉装置との間において外被は

省略できる。

開閉装置又は制御装置の外側を金属外被とし,かつ,金属閉鎖形の個別の区画内に配置された部品で構

成されているとき,その開閉装置又は制御装置は金属閉鎖形とみなされる。金属外被は,接地しなければ

ならない。

配電盤の扉には,施錠装置を設けなければならない。配電盤の安全な操作及び保守を可能にするための

十分な手段が備わっている場合は,入口に施錠可能なドアを備えた特別室又はさく(柵)で囲まれた区画

内に,配電盤を置くことができる。

計器用変成器,リレー,補助スイッチなどとの短い接続を除き,制御及び計装回路は難燃性の絶縁材料

による仕切りによって,主回路から隔てて装備しなければならない。代替的なケーブル接続は認められる。

注記  仕切りに関する要求事項は,例えばケーブルコンジットの使用によって満たすことができる。

制御及び計装回路は,金属製又は絶縁性の難燃性材料による仕切りによって主回路から隔てて装備しな

ければならない。ただし,計器用変成器,リレー,補助スイッチなどとの短い接続を除く。代替的なケー

ブル接続は認められる。

5.3.2

通路

各配電盤の前には,少なくとも幅 1 m の障害物のない通路を設けなければならない。配電盤の後方から

のアクセスが必要な場合には,配電盤の後方の通路は安全な作業上,少なくとも 1 m の幅をもつことが重

要である。

配電盤の扉が開放位置にあるとき,又は引き出し式の開閉装置が分離位置にあるとき,それらが通路を


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F 8075

:2010 (IEC 60092-503:2007)

妨害してはならない。

必要な場合,配電盤の前後両方からのアクセスが可能でなければならない。

5.4

開閉装置及び制御装置並びにヒューズ

高電圧の開閉装置及び制御装置は,一般に IEC 60265-1IEC 60694 及び IEC 62271 の関連の部の規定,

並びにヒューズは,IEC 60282-1 の規定にそれぞれ従わなければならない。

開閉装置及び制御装置は,短絡及び振動によって生じるあらゆるストレスに耐えなければならない。

5.5

ケーブル

5.5.1

一般事項

高電圧ケーブルは,一般に IEC 60502 の関連の部並びに JIS C 3411-350IEC 60092-353 及び IEC 

60092-354

に規定された船舶用高電圧ケーブルの特別な要求事項に従わなければならない。

携帯形装置に用いる可とう(撓)ケーブルは,それぞれの要件ごとに特別な検討を行わなければ使用で

きない。

公称電圧に対するケーブルの定格電圧 U

0

 / U

U

m

)は,IEC 60502-1 

表 及び IEC 60502-2 の表 に従

わなければならない。

5.5.2

敷設

高電圧用ケーブルは,低電圧用ケーブルと分離して敷設しなければならない。例えば,一つに結束しな

い又は同一コンジット内に敷設しないことである。

高電圧ケーブルを居住区内に敷設してはならない。居住区内を通過する形で高電圧ケーブルを敷設しな

ければならない場合は,閉囲したケーブル敷設装置にケーブルを入れた状態で敷設しなければならない。

高電圧用ケーブルには,特別な表示をしなければならない。

5.5.3

導線及び端末処理

接地した金属シールドによって保護されていない導線の,端末部及び接合部の空間距離は,

表 によら

なければならない。

製造業者の工事要領書に従って端末処理される場合,関係する試験成績書が用意されていれば,その要

領書は,証書として適切であることを考慮すべきである。

ケーブルの端末処理を,低電圧装置と同じ外被内で行ってはならない。

5.5.4

電流定格

JIS F 8062

表 に規定された,温度等級 85

℃のケーブルに対する要求事項は,10 %のディレーティ

ング係数の下で使用する。

5.5.5

試験

端末及び接合部を備えたケーブルには,IEC 60502 の関連の部に従った電圧試験を敷設後に実施しなけ

ればならない。このことは,少なくとも 4×U

0

の直流電圧試験を 15 分間行うことを意味する。U

0

はケー

ブルの相−接地間の定格電圧である。

ケーブル製造業者との合意がある場合,交流電圧試験を認めることができる。

5.5.6

ソケットアウトレット

ソケットアウトレットは,該当公的機関の特別な許可がある場合に限って使用できる。

参考文献  JIS F 8074  船用電気設備−第 502 部:タンカー−個別規定