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F 8072

:2006 (IEC 60092-401:1980)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人日本船舶

標準協会(JMSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調

査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS F 8072:1996 は改正され,この規格に置き換えられる。

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工 業 規 格 を 基 礎 にし た 国 際 規 格 原 案の 提 案 を 容 易 に す る た め に , IEC 60092-401:1980 , Electrical

installations in ships. Part 401: Installation and test of completed installation

を基礎として用いた。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。


F 8072

:2006 (IEC 60092-401:1980)  目次

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

2

接地)

4.

  接地が要求される部品

2

5.

  接地方法

3

6.

  接地接続

3

7.

  接地配電系統

4

8.

  船体構造物への接続

4

9.

  アルミニウム製上部構造物

4

10.

  船体帰路単線方法

4

配電盤及び制御盤)

11.

  絶縁マット

4

12.

  配電盤及び制御盤の前面通路

5

13.

  裏面の空間及び通路

5

14.

  管及びタンク類との位置関係

5

15.

  区電箱及び分電箱の位置

5

変圧器)

16.

  据付け及び配置

5

半導体コンバータ)

17.

  据付け及び配置

5

蓄電池)

18.

  配置

6

19.

  近づきやすさ

6

20.

  蓄電池区画内の電気設備

6

21.

  腐食に対する保護

7

22.

  据付け及び支持

7

23.

  換気

7

照明器具)

24.

  保護等級

8

25.

  250 V を超える放電灯照明器具

8

26.

  探照灯及びアーク灯

9

27.

  非常灯

9


F 8072

:2006 (IEC 60092-401:1980)

ページ

電熱器及び調理器具)

28.

  可燃性材料の防護

9

29.

  制御装置及び開閉装置の位置

9

30.

  暖房器具の取付け

9

31.

  可熱性ガス及びちり

9

ケーブル)

32.

  電路−一般

9

33.

  重要設備及び非常設備用のケーブル敷設

11

34.

  電磁気的障害に関連するケーブルの敷設法

12

35.

  水中に固定装備されるビルジポンプ用ケーブル

12

36.

  機械的保護

12

37.

  ケーブルの金属被覆及び機械的保護物の接地

13

38.

  曲げ半径

13

39.

  ケーブルの固定

14

40.

  隔壁及び甲板を貫通するケーブル

14

41.

  金属製の管,電線管又はトランク内のケーブル

15

42.

  非金属性の管,電線管,トランク,ダクト又はキャッピング(capping)及びケーシング内の

ケーブル

15

43.

  倉庫内のケーブル

16

44.

  冷凍区域内のケーブル

16

45.

  引張応力

16

46.

  単心ケーブルに対する特別な注意

16

47.

  ケーブル端末

17

48.

  接続及び分岐(支回路)

18

49.

  接続箱

18

雷保護)

50.

  一般

18

51.

  定義

19

52.

  一次的損傷に対する保護

19

53.

  二次的損傷に対する保護

20

完成試験)

54.

  一般

20

55.

  絶縁抵抗試験計器

21

56.

  配電盤,区電箱及び分電箱

21

57.

  照明及び動力回路

21

58.

  発電機

21

59.

  開閉装置

21

60.

  発電機及び電動機の絶縁抵抗

21

61.

  照明,電熱及び調理機器

21


F 8072

:2006 (IEC 60092-401:1980)  目次

ページ

62.

  電圧降下

21

63.

  通信装置

21

64.

  船内通信回路

22

65.

  接地

22

66.

  海上人命安全条約の要求

22

67.

  就航後の試験

22

 


JIS C 0068

:1995

日本工業規格

JIS

 F

8072

:2006

(IEC 60092-401

:1980

)

船用電気設備−第 401 部:装備基準及び完成試験

Electrical installations in ships

Part 401: Installation and test of completed installation

序文  この規格は,1980 年に第 3 版として発行された IEC 60092-401:1980,Electrical installations in ships.

Part 401: Installation and test of completed installation

並びに Amendment 1(1987)及び Amendment 2(1997)

を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格である。ただし,追補(Amendment)に

ついては,編集し,一体とした。

なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。

IEC 60092

(船用電気設備)シリーズは,航洋船の電気設備に関し,現在採用されている優れた実行手

段を極力取り入れ,また,現行規則類との調和をできるだけ図りながら,国際規格の系列を構成している。

これらの規格は,SOLAS(海上人命安全条約)の要求に対する具体的な解釈及び補充を行っている規定

であり,将来制定されるかもしれない規則類に対する指針でもある。また,船主,造船所及びその他関係

機関が採用する実行手段に対する手引となるものである。

1.

適用範囲  この規格は,船用電気設備の装備方法及び完成試験に適用する。

参考  この国際一致規格の内容と関連がある日本工業規格の内容とに相違がある場合,特に,IEC 

60092

によると指定された場合を除き,相違する内容の適用に当たっては,当事者間の協議に

よる。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

IEC 60092-401:1980

,Electrical installations in ships. Part 401: Installation and test of completed

installation (IDT)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS F 8061

  船用電気設備  第 101 部  定義及び一般要求事項

備考  IEC 60092-101:2002 , Electrical installations in ships − Part 101: Definitions and general

requirements

が,この規格と一致している。

JIS F 8062

  船用電気設備  第 201 部  システム設計−一般

備考  IEC 60092-201:1994,Electrical installations in ships−Part 201: System design−General が,この

規格と一致している。

JIS F 8064

  船用電気設備  第 301 部  機器−発電機及び電動機


F 8072

:2006 (IEC 60092-401:1980)  目次

備考  IEC 60092-301:1980,Electrical installations in ships. Part 301: Equipment−Generators and motors

が,この規格と一致している。

JIS F 8081

  船用電気設備及び電子機器−電磁両立性

備考  IEC 60533:1999,Electrical and electronic installations in ships−Electromagnetic compatibility が,

この規格と一致している。

IEC 60092-352:1997

,Electrical installations in ships−Part 352: Choice and installation of cables

for low-voltage power systems

IEC 60332-1:1993

,Tests on electric cables under fire conditions−Part 1: Test on a single vertical

insulated wire or cable

IEC 60331

  Fire-resisting characteristics of electric cables (series)

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

3.1

接地連続導体(earth-continuity conduotor)  接地連続導体とは,接地されるべき部分の相互間又は接

地されるべき部分と接地導体との間を接続する電線,ケーブル又は他の導体をいう。例えば,全部又は一

部が金属の電線管,ケーブルの金属シース又はケーブル若しくは可とう(撓)コードに含まれる連続接地

導体であってもよい。

3.2

接地導体(earthing-lead)  接地導体とは,金属船体部に接続するための導体をいう。

接地)

4.

接地が要求される部品

4.1

次に示すものを除き,電気設備の近づきやすいすべての金属は,通電部を除き接地しなければなら

ない。

除外:

−  電球口金

−  非導電材料で造られるか若しくは覆われている電球ソケット又は照明器具に取り付けられているシェ

ード,反射板及びガード。

−  非導電材料に取り付けられた金属部又は非導電材料にねじ込むか若しくは貫通するねじ。ただし,こ

れらの金属部分及びねじは,非導電材料によって通電部及び接地非通電部から分離されているもの。

−  認められた安全要求を満足するもので,二重絶縁及び/又は強化絶縁(JIS F 8061 参照)をもつ移動形

器具。

−  軸受内の循環電流を防ぐために絶縁された軸受のハウジング。

−  蛍光放電管のクリップ。

−  安全電圧で給電されている機器(JIS F 8061 の 1.3.19 参照)

−  ケーブルクリップ

備考  非通電部で近づきやすくはないが,故障時には充電され,そのため火災を起こすおそれがある

部分,例えば,木製壁に取り付けられた金属製接続箱のようなものの接地には,十分考慮を払

う。

4.2

船橋又は上甲板上の金属製ハンドル,手すりなどは無線送信機によって誘導される高周波電圧によ

る電撃を最小にするため,船体又は上部構造物と良好な電気的接続をしなければならない。


F 8072

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備考  JIS F 8081 を参照。

4.3

計器用変圧器の二次巻線は,接地しなければならない。

5.

接地方法  4.1 で除外されないもので,近づきやすい非通電金属部は,次のとおり接地しなければなら

ない。

5.1

機器の金属枠又は箱は,取り付けるとき接触面がきれいで,かつ,さび,スケール,塗料などがな

く,かつ,しっかりとボルト止めされている場合には,船体構造物と金属接触とで固定してもよい。また,

別の方法として 6.

及び 8.

による接続方法で船体に接続してもよい。

この目的のために,鉛被ケーブルの鉛シースだけに頼ってはならない。

5.2

ケーブルの金属被覆の接地及びケーブルの機械的保護被覆の接地に関する要求事項については,37.

参照。

6.

接地接続

6.1

すべての接地接続は,銅又は他の耐食性の材料としなければならない。また,しっかりと取り付け,

損傷,必要があれば,電食に対しても保護しなければならない。

6.2

すべての接地接続銅線の公称断面積は,

表 に要求されている値以上としなければならない。銅線

以外の接地接続は,銅線接地に対して規定された値以上のコンダクタンスをもたなければならない。

6.3

移動形器具の金属部分は通電部及び 4.1 で除外されている部品を除き,

表 に適合し,かつ,附属す

るプラグ及びソケットアウトレットを通して接地されるように,可とうケーブル又はコード内の接地導体

で接地しなければならない。

6.4

いかなる場合も,接地の手段としてケーブルの鉛シースだけに頼ってはならない。

  1  接地連続導体の大きさ及び接地接続

接地接続の形式

対応する通電導体の断面積

接地接続銅線の最小断面積

1.

  可とうケーブ

ル又は可とう
コード内の接

地連続導体

いずれも 16

mm

2

まで通電導体と同じ

16 mm

2

を超える場合はその半分,ただし,最小 16 mm

2

2.

  固定されたケ

ーブルに組み

込まれた接地
連続導体

いずれも

2.1

絶縁された接地連続導体をもつケーブルに対して:

2.1.1 16

mm

2

までは主導体と同一の断面積。ただし,最小 1.5 mm

2

2.1.2

主導体が 16 mm

2

を超える場合,

主導体の断面積の 50

%以上。

ただし,最小 16 mm

2

2.2

鉛シースに直接接触する裸接地電線をもつケーブルに対して:

主導体の断面積

接地導体

1

∼2.5 mm

2

4

∼6

mm

2

1

mm

2

1.5 mm

2

3.1 3 mm

2

以下

通電導体と同じ。ただし,より線の場合,最小 1.5 mm

2

,より線で

ないものは,最小 3 mm

2

3.

  個別に固定さ

れた接地導体

3.2 3 mm

2

を超え 125 mm

2

以下

通電導体の断面積の半分。ただし,最小 3 mm

2

3.3 125 mm

2

を超えるもの

64 mm

2


F 8072

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7.

接地配電系統

7.1

接地配電系統において,通常は電流を流さない接地接続を行う場合は,6.

の規定によらなければな

らない。ただし,上限値 64 mm

2

の制限は適用しない(

表 の 3.3 参照)。

7.2

接地配電系統への装置の接地は,他の非通電部の接地手段から独立した方法で有効に行わなければ

ならない。

8.

船体構造物への接続  接地連続導体又は船体構造物への接地導体の接続は,すべて,近づける場所で

行い,かつ,接地接続のためだけに使われる直径 6 mm 以上の黄銅又は他の耐食性材料でできたねじによ

ってしっかりと行われなければならない。いかなる場合にも,ねじを締める前に接触面は,金属光沢面を

保つように注意しなければならない。

9.

アルミニウム製上部構造物  アルミニウム製の上部構造物を,鋼製船体に取り付ける場合には,これ

ら異なる材質の材料間の電食を防止するために,通常は絶縁物を挿入する。このような場合には,上部構

造物と船体との間の電食を避け,かつ,接続点を容易に点検できるような方法で独立のボンディング接続

を備えなければならない。

備考  JIS F 8081 参照。

10.

船体帰路単線方法  船体帰路方式が許される場合,すべての最終支回路は 2 本の絶縁電線で行わなけ

ればならない。船体帰路は,それを行う分電箱の母線の 1 本を船体に接続することによって行うことがで

きる。

接地電線は容易に検査ができ,かつ,絶縁試験のため切離しができるように近づきやすい場所になけれ

ばならない。

直流の船体帰路方式の場合,磁気コンパス領域内のすべてのケーブルは 2 極方式に配列しなければなら

ない。すなわち,出ていく電線と帰ってくる電線は 1 本のケーブルとするか又は一体に並べて配線しなけ

ればならない。

この場合,各回路の電流値によるが,鋼製隔壁又は甲板による遮へいがなければ,磁気コンパスを中心

として次の球面半径を適用する。

電流

A

球面半径

m

10

以下 5

10

を超え 50 以下 7

50

を超える 9

無線電信設備又は方向探知機を含む他の重要な無線機器に対しては,

製造業者の資料によるものとする。

配電盤及び制御盤)

11.

絶縁マット  電圧が,JIS F 8061 の 1.3.19 に規定する安全電圧を超える場合には,配電盤及び制御盤

の前に絶縁マット若しくは含浸した木製のグレーティング又はデッキを装備しなければならない。また,

裏面に近づくようになっている場合には,ここにも同じように装備しなければならない。絶縁マット,グ

レーティング又はデッキは耐油性で,かつ,滑り止めになっているものでなければならない。


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12.

配電盤及び制御盤の前面通路  すべての装置の前面には,一番突出した部分から 1 m 以上の何の障害

物もない通路を設けなければならない。

備考  小形船では,当該公的機関の同意の下に,障害物がない通路の幅は縮小してもよい。

13.

裏面の空間及び通路  配電盤及び制御盤の裏面に空間を設ける場合には,点検整備のために十分な空

間をもたなければならない。一般に,それは 0.6 m 以上としなければならない。ただし,船体のスチフナ

及びフレームがある場合には,0.5 m にとしてもよい。500 V を超える公称電圧の場合には,この空間を更

に増やすことを推奨する。

主配電盤及び非常配電盤の裏面通路は十分な高さをもたなければならない。また,可能な場合外から施

錠され,内側からはいつでも開けられるような扉を両側に設け,かつ,その扉には恒久的ではっきり見え

る最大電圧の表示をしなければならない。

14.

管及びタンク類との位置関係  JIS F 8061 の関連する要求事項に適合するものはもとより,すべての

配電盤及び制御盤は,同じ場所内でその上部及び裏面に一切の管又はタンク類がないように配置しなけれ

ばならない。これが避けられない場合には,管は,継目がない連続のもので,かつ,その場所に開放する

箇所があってはならない。

15.

区電箱及び分電箱の位置  居住区にある開放形装置で可燃性の材料で取り囲まれている場合には,不

燃性材料の火炎仕切りを設けなければならない。

変圧器)

16.

据付け及び配置

16.1

変圧器は,乾式空冷式で充電部への偶発的な接触に対し保護されている場合には,特別な区画に設

ける必要はないが,その他の場合には,よく換気される区画に装備し,かつ,取扱担当者だけが近づくこ

とができるようにしなければならない。

16.2

液入り変圧器の場合には,漏れ液の排出に対し,十分な方法を講じた金属製区画に入れなければな

らない。

油など可燃性液体が使われている場合には,変圧器が置かれている場所は自動消火装置を備え付けなけ

ればならない。

16.3

冷却に対して適切であり,かつ,損傷したタンクから流出するすべての液を入れることができる適

切な処置を講じなければならない。また,ビルジへの混入は,適切なトレイ又は受皿を設けることによっ

て防がなければならない。

16.4

変圧器及び端子部は,考えられる機械的損傷,結露及び腐食に対し保護しなければならない。

半導体コンバータ)

17.

据付け及び配置

17.1

半導体コンバータスタック又は装置は,スタック,関連する装置又は外被(ある場合)への空気の

循環が妨げられることなく,かつ,コンバータスタックへの冷却吸入空気の温度が,スタックに規定され

た周囲温度を超えないように据え付けなければならない。


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自然空冷式のキャビネットは十分な換気口をもつか,又は全閉外被構造の整流装置の場合は,許容温度

内で作動するような十分な冷却表面をもつように設計されなければならない。

17.2

コンバータスタック及び関連する装置は,抵抗器,蒸気管及び機関排気管のような発熱源の近くに

据え付けてはならない。

17.3

半導体コンバータスタック又は半導体素子は,装置全体を取り外すことなく,これらのものだけを

取り外せるように据え付けなければならない。

17.3.1

液入りコンバータの場合には,液入り変圧器に対する 16.2 の規定と同様の装備上の注意をしなけ

ればならない。

蓄電池)

18.

配置

18.1

蓄電池は,高温,低温,噴霧,蒸気,又は特性を損なうようなもの若しくは劣化を促進するような

他の状態にさらされることがないように配置しなければならない。非常用ディーゼル機関始動用を含む非

常用蓄電池は,SOLAS に基づき,衝突,火災又は他の災害によって被る損傷から,実行可能な限り保護

された場所に配置しなければならない。

蓄電池は,その発生蒸発物で周囲の機器が損傷を受けることがないように配置しなければならない。

18.2

充電装置に接続される蓄電池は,充電器の出力(最大充電可能電流及び蓄電池の公称電圧から計算

された。

)に応じて次のとおり装備しなければならない。

− 2

kW

を超える場合,蓄電池専用の室に設けるか,それが不可能な場合,適切に換気された甲板上のロ

ッカ内に装備する。

− 0.2

kW

∼2 kW の場合,上記と同様。また,適切な場所にある箱の中若しくはロッカ内又は落下物から

保護されている場合には,機関室内又は同様の十分に換気された区画に装備してもよい。

− 0.2

kW

未満の場合,上記と同様。ただし,落下物から保護されている場合,開放された場所又は適切

な場所の蓄電池箱に装備してもよい。

備考  23.

参照。

18.3

始動用蓄電池は,大電流によるケーブルでの電圧降下を抑えるために,できるだけ機関の近くに配

置しなければならない。

18.4

蓄電池(密閉形でない場合)は,寝室区画に配置してはならない。

18.5

鉛蓄電池及びアルカリ蓄電池は,同一の蓄電池区画に配置してはならない。

18.6

蓄電池区画,ロッカ及び蓄電池箱の扉又はカバーには,これらの区画又は近くでの裸灯の使用又は

禁煙という表示をした注意銘板を確実に取り付けなければならない。

19.

近づきやすさ  蓄電池は,換装,検査,試験,注液及び清掃のために近づきやすい配置にしなければ

ならない。

20.

蓄電池区画内の電気設備

20.1

蓄電池及び蓄電池区画の照明用のものを除いて,できる限り,蓄電池区画にケーブルを通してはな

らない。ただし,ケーブルを装備しなければならない場合には,ケーブルは電極から発生する蒸気に耐え

る保護カバーを設けるか又は他の適切な保護をしなければならない。


F 8072

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20.2

照明装置は,JIS F 8062 

表 によらなければならない。

20.3

アークが生じやすい機器は,蓄電池区画に装備してはならない。

21.

腐食に対する保護

21.1

蓄電池区画の内部は,木枠,トレイ,箱,棚及びその他の構造物を含めて,次の事項を施すことに

よって電解液による劣化作用から保護しなければならない。

−  耐電解液表面処理,又は

−  耐電解液材料による内張り。例えば,鉛蓄電池に対しては鉛板,アルカリ蓄電池に対しては鋼板。

もう一つの方法として,蓄電池区画の床を全面的に耐電解液材料で内張りしてもよい。内張りは水密構

造で,かつ,全周にわたって少なくとも 150 mm の高さまで行わなければならない。また,蓄電池区画の

壁及び天井は,耐電解液表面処理で保護しなければならない。

21.2

鉛蓄電池の場合,蓄電池セルが木枠又はトレイ内に群となっているか否かにかかわらず,また,ア

ルカリ蓄電池の場合も,金属棚の内面は耐電解液材料で保護しなければならない。内張りは水密構造で,

かつ,全周にわたって少なくとも 75 mm の高さまで行わなければならない。また,内張りは鉛板の場合,

最小厚さ 1.5 mm,鋼板の場合は 0.8 mm なければならない。

金属棚の外面は,少なくとも耐電解液処理を施さなければならない。

21.3

甲板上の箱は,上記のいずれかの方法に従って内張りをしなければならない。小容量の蓄電池のた

めの箱は,21.2 の方法によって 75 mm の高さまで内張りしなければならない。

21.4

表面処理及び内張りに用いる材料は,蓄電池に有害な蒸気を発生するようなものであってはならな

い。

22.

据付け及び支持  蓄電池は,木片又は同等のもので動かないように確実にくさび止めしなければなら

ない。

トレイは,全周から空気が出入りできるように配置しなければならない。仕切り支持物は,電解液を吸

収しないようなものでなければならない。

23.

換気

23.1

すべての蓄電池室,蓄電池用ロッカ及び箱は,可燃性ガスが蓄積しないように配置及び/又は換気し

なければならない。発生ガスは,空気より軽く,かつ,その場所の頂部ポケットにたまりやすいので特に

注意しなければならない。蓄電池を 2 段以上に配置するときは,すべての棚は,空気を循環させるため前

後に 50 mm 以上の空間を設けておかなければならない。

23.2

ダクトを蓄電池室又はロッカの頂部から大気中に直接通すことができ,そのダクトのいずれの部分

も垂直から 45゜

以内の傾きである場合には自然通風としてもよい。これらのダクトには,空気及び混合ガ

スが自由に通り抜けるために妨げになるような器具(例えば,炎の通過を防ぐもの)を付けてはならない。

蓄電池用ロッカが設けられる場合,ダクトの口は,蓄電池外被の頂部から 0.9 m 以上のところに設けな

ければならない。

自然通風では実際的でなく,又は不十分である場合には,室に頂部を排気側とする機械式排気通風装置

を設けなければならない。空気入口のための十分な開口を,これらはダクトにつながっていてもいなくて

も,蓄電池室の床若しくはロッカ又は格納箱の底近くに設けなければならない。


F 8072

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23.3

いかなる場合も,空気の排気量は少なくとも次によらなければならない。

Q

=110・In

ここに,  Q:  排気量(l/h) 

I

:  ガス発生中に充電装置によって送られる最大電流(A)

ただし,最大充電電流の

1

/

4

以上の電流

n

:  直列に接続された蓄電池のセルの数

23.4  18.2

によって分類された出力の充電装置に接続された蓄電池用の室,ロッカ及び箱は,次のとおり

換気しなければならない。

− 2 kW を超える場合,23.2 及び 23.3 に基づき,他の場所の換気装置とは独立の装置によって機械的に

排気するのが望ましい。

− 0.2

kW

∼2 kW の場合,機関室の開放された場所,又はよく換気された区画に装備された場合を除き,

23.2

及び 23.3 による。

− 0.2

kW

未満の場合,蓄電池箱は,ガスを逃がすため,頂部近くに換気口を設ける。

−  甲板上の箱は,自然換気でもよい。自然換気は,十分な径をもったダクトで,グースネック形,マッ

シュルーム形又は同様なもので,少なくとも 1.25 m の高さまで伸ばしておけば十分である。

保護等級については,JIS F 8062 

表 参照。

23.5

蓄電池区画のファンは,インペラがファンケーシングに接触した場合,火花が発生しない構造で,

かつ,そのような材料のものでなければならない。鋼又はアルミニウム製のインペラは,使用してはなら

ない。

23.6

ダクトは,耐食性材質のものか,又はダクト内面が耐食性塗料を塗ったものとしなければならない。

23.7

蓄電池区画から空気を排気するためのダクトに装備するファン用の電動機は,ダクトの外側に装備

しなければならない。電動機内にガスが侵入しない構造としなければならない。また,ダクトは,大気中

に排気するように配置しなければならない。

照明器具)

24.

保護等級  装備場所によって,照明器具は少なくとも JIS F 8062 の表 5(保護等級に対する最低要求)

に示す保護等級をもたなければならない。

通常の機械的損傷を超える危険にさらされている照明器具は,そのような損傷に対し保護されている

か,又は特別に強固な構造にしなければならない。

25.  250 V

を超える放電灯照明器具

25.1

一般  250 V を超える放電灯は,固定形灯具にだけ使用しなければならない。

放電灯設備は,可能な限り次に示すような丈夫で適切な注意銘板を備えなければならない。

25.2

充電部の保護  放電灯の充電部はすべて,人が偶然に又は不注意に触れることがないように設計さ

れ,配置され,かつ,取り付けなければならない。また,ガラス管の表面の沿面距離についても十分な考

慮を,払わなければならない。


F 8072

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25.3

配線  金属シース又はがい装のいずれもない裸金属導体又はケーブルは,電圧に応じた適切な方法

で支持し,そして,少なくとも他の導体,ケーブル又は接地線から 20 mm 以上離して装備し,かつ,適切

な方法でカバーしなければならない。

他の容易に識別する方法がない場合には,ケーブル又は保護カバーに“危険”

(“DANGER”

)と書いた

タブ又はラベルを 1.5 m 以内の間隔でしっかり取り付けることによって識別できるようにしなければなら

ない。文字は,白地に赤で高さ 10 mm 以上の大きさで示さなければならない。

25.4

接地  すべての器具の非通電部は,有効に接地しなければならない。ただし,放電灯を取り付けて

いる場所から遠く離れたところにある金属製のクリップ又はクランプは,必ずしも接地する必要はない。

ただし,無線の受信障害を減じるために,これらのクリップ又はクランプを接地するのが望ましい場合が

ある。

接地)参照。

25.5

スイッチ  すべての放電灯照明器具は,近づきやすい場所に多極(全極)断路スイッチを設けなけ

ればならない。これらのスイッチは明確に印を付け,かつ,注意銘板を近くに備えなければならない。

スイッチ又は他の遮断器は,変圧器の 2 次側に装備してはならない。

26.

探照灯及びアーク灯  すべての探照灯又はアーク灯の断路は,多極(全極)断路スイッチによらなけ

ればならない。

アーク灯に直列抵抗器が使用されている場合は,断路スイッチは,それが“断”位置のとき,直列抵抗

器とアーク灯との両方が断路されるように,給電回路側に配置しなければならない。

27.

非常灯  非常灯は,容易に識別できるように,印を付けなければならない。

電熱器及び調理器具)

28.

可燃性材料の防護  電熱器及び調理器具の近くにあるすべての可燃性材料は,適切な不燃性で,かつ,

断熱性がある材料で保護しなければならない。

29.

制御装置及び開閉装置の位置  器具の内部又は近くに取り付けられたヒューズ,スイッチ及びその他

の制御用素子の位置は,それらの設計値を超える温度にさらされることなく,かつ,例えば,別個の点検

カバーを外すことによって,点検のために近づきやすいものでなければならない。

30.

暖房器具の取付け  暖房器具は,甲板,隔壁又は他の周囲のものを過熱して危険を生じることがない

ように取り付けなければならない。

31.

可熱性ガス及びちり  可熱性ガス又はちりがたまりやすい場所には,それらに点火する可能性がある

電熱器を装備してはならない。

ケーブル)

32.

電路−一般

32.1

電路は,できるだけまっすぐで,かつ,近づきやすい場所を,選ばなければならない。


F 8072

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32.2

電路は,結露及び水滴の作用を受けないように選ばなければならない。ケーブルは,ボイラ,高温

管,抵抗器などの熱源からできるだけ遠ざけ,かつ,機械的損傷の危険を避けられるように保護しなけれ

ばならない。熱源の近くにケーブルを敷設することが避けられず,そのために熱によってケーブルが損傷

する危険がある場合には,適切な熱遮へいを施さなければならない。又は,その他の予防策,例えば,特

別な通風の採用,断熱材の設置又は特殊耐熱ケーブルの使用を,過熱回避のために講じなければならない。

32.3

ケーブルは,伸縮接合部を横切って敷設してはならない。敷設することが避けられない場合には,

接合部の膨伸に比例した長さをもつケーブルの湾曲部を設けなければならない。湾曲部の最小内径は,ケ

ーブル外径の 12 倍以上でなければならない。

32.4

電路の構造については,危害を加える害虫又はねずみに対して保護されるよう考慮しなければなら

ない。

32.5

絶縁電線又はケーブルは,JIS C 3665-1 を満足していても,同様な絶縁電線又はケーブルの束が,同

様な性能を示すという仮定はできない。これは,ケーブルの束に沿った火災の拡大が,次のような幾つか

の要因によるためである。

a)

火災及びケーブルによって発生する炎にさらされる可燃性材料の量。

b)

ケーブルの束の幾何学的形状及びケーブルの束と囲いとの関係。

c)

ケーブルから発生するガスを点火させることができる温度。

d)

与えられた温度上昇に対してケーブルから放出される可燃性ガスの量。

e)

ケーブル敷設場所を通過する空気の量。

これらすべては,火災に巻き込まれた場合,ケーブルは点火されると仮定している。

IEC 60092-352

の追補(Amendment)No.1 の

附属書 は,幾つかのケーブルが一緒に束ねられた場合の

試験に関する詳細が述べられている。

試験を受けるケーブル 1 m 当たりの可燃性材料の量の違いによって,

三つのカテゴリーがある。

この試験は,ケーブルを分類し,試験において定義づけられた環境条件の下で,主に火災拡大の見地か

ら三つのカテゴリーの性質に関する指針を使用者に与えることを意図するものである。

したがって,この試験方法は,特定の敷設に当てはまる可能性のあるすべての状況における火災の危険

性を完全に評価できるものではない。また,a)∼e)

の要因に対して,絶えず認識しなければならない。

32.6

最高許容導体温度が異なる絶縁材料のケーブル[JIS F 8062 

表 6(単心ケーブルの連続使用におけ

る電流定格)参照]は,共通のクリップ,グランド,電線管,トランク又はダクトにまとめて敷設しては

ならない。

これが難しい場合には,いずれのケーブルもその定格温度より高い温度に達しないように選ばなければ

ならない。

32.7

ケーブルの保護被覆が他のきずつきやすいケーブルの被覆をいためるおそれがある場合には,これ

らのケーブルを共通のクリップ,グランド,トランク又はダクトにまとめて敷設してはならない。

32.8

裸の金属シース,金属編組又は金属がい装をもつケーブルは,他の金属と接触して電食を起こさな

い方法で敷設しなければならない。

32.9

安全電圧用のケーブルは,回路の定格電圧が 500 V を超えるケーブルと一緒に束ねたり,また,同一

管内に敷設してはならない。定格電圧が 1 kV 未満のケーブルは,それ以上のケーブルと一緒に束ねたり,

また,同一管内に敷設してはならない。

32.10

ケーブル貫通は,船内区画の耐火性を保つように行わなければならない。

32.11

電路は,できるだけ火災の拡大を防ぐように配置しなければならない。


F 8072

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IEC 60332-1

の試験には合格しているが,ケーブルを束ねた形状での試験(

附属書 参照)に合格して

いないケーブルを使用する場合,次を適用しなければならない。

a)

閉鎖又は半閉鎖区画内の垂直電路に対し,ファイアストップを次の箇所に設けなければならない。

−  全閉のケーブルトランクに設置されるものを除いて,少なくとも一つおきの甲板上で,かつ,最

大間隔が 6 m をそれほど超過しない範囲。

−  主及び非常配電盤上。

−  ケーブルが機関制御室に入るところ。

−  推進機関及び重要補機用集中制御盤上。

−  ケーブルトランクヘの入口。

b)

閉鎖又は半閉鎖区画内の水平電路に対し,a)

に規定したとおりファイアストップを設けなければなら

ない。最大間隔は,14 m まで広げてもよい。

a)

b)

の規定によるファイアストップは,次による。

1)

全閉でないトランク内の垂直電路に対して

−  トランクの全断面を覆っている,少なくとも 3 mm 厚の鋼板に装備されているケーブル貫通。

−  これに代えて,電路の全長にわたって承認された延焼防止塗料を用いてもよい。

2)

開放垂直電路に対して

−  1)

と同様の鋼板に装備されているケーブル貫通,ただし,鋼板は電路の最大寸法の 2 倍の大き

さで,全周にわたって延長する。しかし,隔壁又はトランクの側面を貫いて延長する必要はな

い。

−  これに代えて,電路の全長にわたって承認された延焼防止塗料を用いてもよい。

3)

開放水平電路に対して

−  1)  と同様の鋼板に装備されているケーブル貫通,ただし,鋼板は電路の最大寸法の 2 倍の大き

さで,全周にわたって延長する。しかし,天井,甲板,隔壁又はトランクの側面を貫いて延長

する必要はない。

−  これに代えて,電路の少なくとも 1 m の長さに承認された延焼防止塗料を用いてもよい。

備考1.  このような防火塗料の試験手順は,検討中である。

2.

ケーブルが延焼防止塗料によって保護されている場合,ケーブルの使用温度によって起こる

可能性がある影響を考慮する必要がある。

c)

貨物倉及び貨物区域内の甲板下通路には,その区画の境界にだけファイアストップを設ける必要がある。

33.

重要設備及び非常設備用のケーブル敷設

33.1

例えば,操だ(舵)機など,少なくとも二重系統で給電しなければならない重要設備の場合,電源

及び関連の制御用ケーブルは,別々の経路を敷設しなければならない。それらはできる限り垂直部,水平

部共に分離しなければならない。

二重装備の重要な電気設備の場合,その給電ケーブル及び関連する制御ケーブルは,垂直,水平の両方

向にできるだけ分離した別々の電路に敷設しなければならない。

備考1.  主機船橋制御システムと一体となっている機関室テレグラフのような重要機能に対し,相互

にスタンバイとして作動するシステムは,この点で同様に扱われなければならない。

2.

主配電盤が機関制御室のように独立した閉鎖区画に配置される場合,この項はこの区画に装

備される装置及びケーブルには適用しない。


F 8072

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33.2

船体を,幾つかの防火区画に区分することを要求されている場合には(一般に客船の場合該当する。

電路は主垂直防火区画のいずれでの火災が他の防火区画の重要な設備に支障を来さないように配置しなけ

ればならない。ただし,主給電用ケーブル及び非常給電用ケーブルが,いずれの防火区画を通過していて

も垂直部,水平部共にできるだけ離して敷設されている場合には,この要求に合致しているとみなされる。

33.3

重要用途又は非常用の動力,照明,船内通信若しくは信号用のケーブル及び配線は,できる限り調

理室,洗濯室,機関区域及びそのケーシング内並びにその他火災の危険が高い場所から離して敷設しなけ

ればならない。ただし,これらの場所にある装置に給電する場合はその限りでない。また,ケーブルは,

隣接する区域での火災による隔壁の加熱によって使用不能になるのを,できる限り防ぐように敷設しなけ

ればならない。

火災によるケーブル損傷の防止に関して,重要回路用の主ケーブル経路,例えば,機関区域と航海船橋

区域との間のケーブルなどの保護については,居住区域に存在する火災の危険性を考慮して,特別の注意

を払わなければならない。

火災中に,回路が機能しなければならないということが重要であり,そのような回路のケーブルを高危

険区域を通して敷設することが避けられない場合,そのケーブルは IEC 60331 に規定されている試験に合

格できる形式のものであるか又は火災に直接さらされることに対して十分保護されていなければならない

(例えば,非常火災消火装置及びそれに関連するシステムのための回路)

重要設備の給電用及び制御用の主電路及びケーブルは,次の場合を除いて,火災の危険性を増加させる

機械部分から離さなければならない。

−  ケーブルが,その装置に接続される。

−  ケーブルが,鋼製隔壁又は甲板で保護されている。

−  ケーブルが,その区域内で,IEC 60331 による耐燃性である。

備考1.  主電路とは,例えば

−  発電機及び推進用電動機から主及び非常配電盤までの電路。

−  主及び非常配電盤,集中電動機始動器盤,区電箱,推進用及び重要補機用集中制御盤の

直接上部又は下部にある電路。

2.

可燃物を扱う機器,機械部品又は装置は,火災の危険性を増加するものと考えられる。

34.

電磁気的障害に関連するケーブルの敷設法  好ましくない電磁気的障害の影響をできる限り避けるた

め,JIS F 8081 の規定には,十分考慮を払わなければならない。この規定は,無線装置付近のケーブル敷

設,敏感な電子制御機器及び監視システムのためのケーブル敷設について特に重要である。

35.

水中に固定装備されるビルジポンプ用ケーブル  水中に固定装備されるビルジポンプ用ケーブルは,

隔壁甲板までの水頭で作動できなければならない。

ケーブルは,防水性でがい装のある(impervious-sheathed)ものとし,かつ,隔壁甲板上部から電動機端

子部まで連続に敷設しなければならない。また,鐘状空気だまり(air bell)の下部からケーブルを導入し

なければならない。

36.

機械的保護

36.1

機械的損傷の危険にさらされるケーブルは,その保護被覆(例えば,がい装又はシース)が適切な

機械的保護をもっていない場合,適切な電線管又はケーシング内に納めなければならない。


F 8072

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36.2

例えば,船倉,貯蔵場所,貨物積付場所などのように特に機械的損傷を受ける危険にさらされるケ

ーブルは,船の構造物がケーブルに対して十分に保護できない場合には,がい装されていても,鋼製のケ

ーシング,トランク又は電線管によって保護しなければならない。

36.3

ケーブルの機械的保護に用いる金属ケーシングは,腐食に対して有効に保護しなければならない。

37.

ケーブルの金属被覆及び機械的保護物の接地(5.

参照)

37.1

ケーブルのすべての金属被覆は,46.2.1 の規定が適用される場合を除き,両端を金属船体部に電気的

に接続しなければならない。ただし,最終支回路(給電端だけで)及び技術上又は保安上の理由によって

行われる接地工事(制御・計装用ケーブル,無機絶縁ケーブル,本質安全回路,制御回路など)では,単

点接地を行うことが認められている。

37.2

接地接続は,ケーブルの電流定格に応じた断面積(

表 参照)をもつ導体又はケーブルの金属被覆

をつかむ金属クランプのような同等効果のある方法によって行われ,金属船体部に接続しなければならな

い。

ケーブルの金属被覆は,接地目的のために設け,かつ,有効な接地接続を確保するように設計されたグ

ランドによって接地してもよい。

そのグランドは,この規格に従って接地された金属構造物にしっかりと取り付け,かつ,有効な,電気

的接続をもたなければならない。

37.3

ケーブルの全長を通じて,すべての金属被覆の電気的連続性は,特に接続部及び分岐部において確

保しなければならない。

37.4

鉛シースケーブルの鉛シースは,非通電部分を接地する唯一の手段として用いてはならない(6.  

照)

37.5

金属のケーシング,管及び電線管又はトランクは,有効に接地しなければならない。

37.6

電線管は,金属外被の中でねじ止め又は金属外被の両側でナット止めすることによって接地しても

よい。ただし,その場合,接触表面は清潔で,さび,スケール,塗料が付着することなく,かつ,外被は

接地に関する推奨事項に従っていなければならない。

接続は,耐食のため,接続後すぐに塗装しなければならない。

37.7

ケーブルシース及びがい装並びに電線管は,耐食性の金属でできたクランプ又はクリップで接地し

てもよい。ただし,その場合,クランプ又はクリップは,ケーブルシース又はがい装と接地された金属に

有効に接触しているものとする。

37.8

金属製電線管及びダクト並びに接地の連続性のために使われるケーブルの金属シースの接続部は,

すべて確実に接続し,かつ,防食保護を施さなければならない。

38.

曲げ半径  ケーブル敷設の場合の曲げ半径は,ケーブル製造業者の推奨するとおりに,ケーブルの形

式によって選び,かつ,

表 に示す値以上としなければならない。


F 8072

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  2  曲げ半径

ケーブル構造

絶縁体

外部被覆

ケーブルの仕上り

外径(D

最小曲げ内半径

の倍数)

金属シース,がい装
又は編組

いずれも 6

≦25 mm

4

熱可塑性プラスチック
及び弾性ゴム

その他のもの

>25 mm

6

無機質

硬質金属シース

いずれも 6

39.

ケーブルの固定

39.1

移動器具に用いるケーブル及び管,電線管,トランク又は特殊なケーシング内に敷設されるケーブ

ルを除いて,ケーブルは,適切な耐炎性材料で作られたクリップ,サドル又は束ね帯によって固定しなけ

ればならない。これらのクリップ,サドル及び束ね帯は,ケーブルの被覆を損傷することなく,確実にケ

ーブルを保持できる大きさの表面積及び形状をもたなければならない。

39.2

支持間隔は,ケーブルの形式と振動との可能性に応じて適切に選ばなければならないが,40 cm を超

えてはならない。ただし,水平なケーブル電路で,そのケーブルがトレイ,分離した支持ブラケット又は,

はしご形のハンガに敷設される場合には,支持物の間隔が上記によることを条件として,固定点間隔は 90

cm

以内とするのがよい。この緩和は,暴露甲板上の電路で,甲板上を洗う水によってケーブルに力が加わ

るおそれがある状態で電路が配置される場合には,適用してはならない。垂直電路の場合には,支持間隔

は 50 cm に増してもよい。

備考  このケーブル支持間隔は,単心ケーブルの場合には必ずしも十分とはいえない。

39.3

支持物及びその附属品は,丈夫なものとし,かつ,耐食性材料又は取付け前に適切な耐食処理を施

したものとしなければならない。

39.4

金属以外の材料(例えば,ナイロン,PVC など)で作られたケーブルクリップ及び束ね帯を使用し

ても差し支えない。これらの材料の特性に関する要求事項は,検討中である。

39.5

ケーブルが 39.4 に規定するクリップ及び束ね帯によって固定され,かつ,これらのケーブルが水平

なケーブルトレイ及びケーブル支持物の上面に置かれていない場合には,火災のときにケーブルの脱落を

防ぐために,規則的な間隔(例えば,1∼2 m)で適切な金属製のケーブルクリップ又はサドルを付加しな

ければならない。これは,非金属電線管及び管の固定にも適用する。

備考  照明器具,警報用トランスデューサなどの配線に使われる外径の小さなケーブルで 1 本だけ又

は 2∼3 本の電路の場合には,39.5 を必ずしも適用しなくてよい。

40.

隔壁及び甲板を貫通するケーブル

40.1

水密の甲板及び隔壁の貫通には,有効な水密手段を施さなければならない。この目的のために個々

に充てんされたグランドか又は何条かのケーブルを入れて難燃性詰物を充てんした箱のいずれを用いても

よい。

いかなる形式のケーブルが使用された場合でも,グランド又は箱及び詰物は,組み立てたものがグラン

ド防水試験

に合格するものでなければならない。

                                                      
脚注

  この試験規格は,検討中である。


F 8072

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備考  詰物を選ぶ場合は,ケーブルに不利に影響すること(例えば,詰物の注入によって起こる高温

度,化学的反応など)を避けるように注意を払わなければならない。

40.2

甲板を貫通するケーブルは,甲板上の適切な高さまで保護しなければならない。

40.3

ケーブルが非水密の隔壁及び一般に鋼製構造物に開けられた穴を貫通しなければならない場合に

は,

(必要な場合,ケーブルの損傷を避けるために)適切な材料からなるグランド又はブッシングを取り付

けなければならない。

グランド及びブッシングに用いる材料は,ケーブル又は船体構造材料に,腐食又は損傷を与えるおそれ

がないものを選定しなければならない。

40.4

ケーブル用の垂直トランクは,一甲板間又は一区画から,他の甲板又は区画へ延焼しない構造とし

なければならない。

40.5

ある等級の耐火性を必要とする隔壁及び甲板をケーブルが貫通する場合には,耐火性を損なわない

ように確実な措置を施さなければならない。

41.

金属製の管,電線管又はトランク内のケーブル

41.1

金属製の管,電線管又はトランク内にケーブルを敷設する場合には,次の注意を払わなければなら

ない(ケーブルの束ねに関する 32.6 及び 32.7 も参照)

41.2

管,電線管又はトランクは,その内面が十分に平滑で,腐食に対し保護されていなければならない。

41.3

管,電線管又はトランクは,ケーブル被覆を損傷しないように,端末を成形するか又はブッシング

をはめなければならない。

41.4

管,電線管又はトランクは,その内に納めるケーブルを容易に引き込み,引出しができるような内

部寸法及び曲げ半径をもたなければならない。曲げの内部半径は,ケーブルに対して認められた値より小

さくてはならない(38.

参照)

。また,外径が 63 mm を超える管では,その外径の 2 倍より小さくてはなら

ない。

41.5

管,電線管又はトランクは,

(凝結の可能性を考慮し)その内部に水がたまらないように配置しなけ

ればならない。

41.6

引込み係数[

(ケーブル外径に相当する断面積の和)対(管,電線管又はトランクの内部断面積)の

比]は,0.4 以下としなければならない。

41.7

必要な場合,空気の流通をよくするとともに,管,電線管又はトランクのどの部分にも水がたまら

ないように,換気口を設けなければならない。その場合,最も高い点と低い点に設けるのが望ましい。こ

のような設備は,そうすることによって火災の危険が増加しない場合にだけ行ってよい。

41.8

いかなる被覆もない鉛シースケーブルを,管,電線管又はトランクに引き込むことは避けるべきで

ある。

41.9

長さの点からみて,管が破損するおそれがあると考えられる場合は,適切な伸縮継手を設けなけれ

ばならない。これは,ケーブル管を暴露甲板に沿って取り付ける場合によくあることである。

41.10

ケーブルを管,電線管又はトランク内に引き込まなければならない場合,ケーブルが敷設中に損傷

を受けることがないように,必要な場合,引込み箱を設けなければならない。

42.

非金属性の管,電線管,トランク,ダクト又はキャッピング(capping)及びケーシング内のケーブル

次の注意を守る場合,表面取付けか又は天井若しくは内張りの裏側に隠した非金属の管,電線管,トラ

ンク,ダクト又はキャッピング及びケーシング内にケーブルを納めてもよい。


F 8072

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42.1

すべてのケーブル又は絶縁電線は,耐炎性でなければならない。

42.2

キャッピングの取り付けがねじで行われる場合,ねじは,さびにくい材料のもので,かつ,ケーブ

ルを損傷しないように配置しなければならない。キャッピングは,容易に近づくことができなければなら

ない。

42.3

非金属性管,電線管,トランク,ダクト又はキャッピング及びケーシングは,JIS F 8061 による難燃

性のものでなければならない。

このような管,電線管,トランク,ダクト又はキャッピング及びケーシングを用いることによって,束

ねたケーブルの火災の延焼特性が大幅に損なわれないことを保証する必要がある。不適切な塗料又は他の

コーティングの場合も同様である(32.

及び 33.

参照)

42.4

ケーブルは,必要な場合,39.

に規定しているようにクリップで固定しなければならない。

42.5  32.6

及び 32.7 で推奨されている注意事項は,非金属のケーシング内の敷設についても守らなければ

ならない。

43.

倉庫内のケーブル  倉庫内にケーブルを敷設しなければならない場合には,それらは機械的損傷に対

して十分保護しておかなければならない。

44.

冷凍区域内のケーブル

44.1

冷凍区域に装備されるケーブルは,水密性(watertight)又は防水性(impervious)のシースをもち,

かつ,機械的損傷に対し保護されなければならない。

ビニル(PVC)の絶縁又はシースをもつケーブルは,その該当するビニルコンパウンドが予想される低

温に適切なものでない場合には,冷凍区域に用いてはならない。

がい装が非耐食性の材料で作られたものである場合,そのがい装は,耐湿及び耐低温被覆によって腐食

に対し,保護されなければならない。

44.2

冷凍区域内に敷設するケーブルは,断熱材で被覆してはならない。これらのケーブルは,穴があい

たトレイ板(例えば,めっきされた鋼鉄製)又は他の適切な支持物にしっかり取り付けなければならず,

それらの支持板は冷凍室の壁との間にすきまを残して設置しなければならない。ケーブルが熱可塑性プラ

スチック又は弾性ゴムの押出しシースをもつものである場合,冷凍室の表面に直接取り付けてもよい。物

掛けとして,ケーブルを不用意に使用することを未然に防ぐために,ケーブルの周りに防護を施さなけれ

ばならない。アルミニウム張りの場合の電食作用に関して特別な注意が払われなければならない。

44.3

ケーブルがその区画の断熱材を貫通しなければならない場合には,酸化に対して保護された材料で

作った入口を備えている管に入れて直角に通さなければならない。

45.

引張応力

45.1

ケーブルは,その質量又はその他の理由によってケーブルに加わる引張応力が最小となるように敷

設しなければならない。

45.2

この注意は,小断面積のケーブル及び垂直電路又は垂直管中に敷設されるケーブルについては,こ

の注意が特に大切である。これらのケーブルは,適切に支持しなければならない。

導体に加わる機械的応力(N/mm

2

)の最大許容限度は,検討中である。

46.

単心ケーブルに対する特別な注意


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46.1

電磁反発力  短絡事故時に発生する電磁反発力の影響から保護するために,単心ケーブルの場合は,

推定短絡電流の値に相当する力に耐える適切な強さの支持物を用いて確実に固定しなければならない。

46.2

交流配線のための単心ケーブル  交流配線は,できるだけ,2 心又は多心ケーブルで行わなければな

らない。ただし,定格 20 A を超える回路に単心ケーブルを用いる必要がある場合には,次の注意を守らな

ければならない。

46.2.1

ケーブルは,がい装がないもの又は非磁性材料でがい装したものでなければならない。電流のル

ープを避けるために,金属遮へい物は 1 点だけで接地しなければならない。

46.2.2

同一回路に属する導体は,それらを収納する管,電線管,トランク又は導体を固定するクランプ

が非磁性材料でなければ,すべての相のケーブルを共通のクランプで止めなければならない。

46.2.3

単相回路,三相回路又は中性線のある三相回路をそれぞれ構成する 2,3,4 条の単心ケーブルは,

できるだけ互いに接触させて敷設しなければならない。

いかなる場合にも,隣接する 2 条のケーブルの外部被覆間の間隔は,ケーブル外径より大であってはな

らない。

46.2.4 250

A

を超える電流定格をもつ単心ケーブルを鋼製隔壁の近くに敷設しなければならない場合は,

ケーブルと鋼製隔壁との間隔は,少なくとも 50 mm なければならない。ただし,同一交流回路に属するケ

ーブルが三葉状に敷設されている場合は,この限りでない。

46.2.5

一群の単心ケーブルの間には,磁性材料を用いてはならない。ケーブルが鋼板を貫通する場合に

は,同一回路のすべてのケーブルは,ケーブル間に磁性材料が存在しないように作られた当て板又はグラ

ンドで貫通しなければならない。ケーブルの外表面と磁性材料との間隔は,同一交流回路に属するケーブ

ルが三葉状に敷設される場合には,75 mm 以上としなければならない。

46.2.6

導体断面積が 185 mm

2

以上の単心ケーブルで,そのケーブルが相当長い場合は,三相回路のイン

ピーダンスをある程度平衡に保つために 15 m 以下の間隔で相導体のねん(撚)架を行わなければならな

い。その代わりの方法として,ケーブルを三葉状に敷設してもよい。

だたし,この注意は,電路の長さが 30 m 未満のときは必要でない。

46.2.7

各相に何条かの単心ケーブルを並列に配置する回路の場合,すべてのケーブルは,同じ経路,同

じ断面積としなければならない。

さらに,電流の不平衡分流を避けるように,同一相に属するケーブルは他の相のケーブルとできるだけ

交互に並べなければならない。例えば,各相に 2 条のケーブルを使用する場合,正しい配列は次のとおり

である。

                ①②③

①②③③②①又は

                ③②①

また,正しくない配列は,

                ①②③

①①②②③③又は

                ①②③

47.

ケーブル端末

47.1

機械的に締めるクランプが使用されない場合には,すべてのケーブル導体の端末は,その導体の全

素線が十分入る大きさのはんだ付け端子又は圧着端子を取り付けなければならない。


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はんだ方式が採用される場合は,腐食性の溶剤を用いてはならない。

47.2

すべての保護被覆は,絶縁体の端から少なくとも 13 mm はぎ取らなければならない。ただし,必要

以上にはぎ取ってはならない。無機絶縁ケーブルの場合は,47.8 参照。

47.3

ケーブルソケット及び接続端子は,それらを通して流れると予想される最大電流が絶縁体に有害な

熱を発生しないような設計と大きさのものでなければならない。一般にその温度は,絶縁体に関してケー

ブルに許容される限度を超えてはならない。

47.4

保護シースの下に補足的ベルト絶縁をもつケーブルの場合,そのベルト絶縁が取り去られた端末に

おいては,各線心の絶縁体が接地された金属に接触するか,又はそのおそれがある箇所では付加的な絶縁

を施さなければならない。

47.5

接続部及び分岐部における導体の端子への固定法は,短絡電流による熱的及び動的な作用に耐える

ものとしなければならない。

47.6

ケーブルの端末は,必要があれば,識別のために印を付けなければならない。

47.7

無機絶縁ケーブルの端末は,そのケーブル製造業者が発行する指導書に従って処理しなければなら

ない。

47.8

耐湿性の絶縁体をもたないケーブル(例えば,無機絶縁ケーブル)は,その端末から湿気が入らな

いように効果的に密封しなければならない。

48.

接続及び分岐(支回路)

48.1

ケーブルは,通常,敷設の途中に接続点があってはならない。船の修理及び分割建造の場合,ケー

ブル同士の接続が必要な場合,その接続は電気的連続性,絶縁,機械的強度と保護,接地特性,耐燃性又

は耐炎性の特性がケーブルに要求されているものよりも劣らない形式としなければならない。

48.2

分岐(支回路)は,導体を適切に絶縁し,かつ,外気の影響から保護し,また,電流定格に該当す

る大きさの端子又は母線をもつように設計された適切な箱内で行われなければならない。

48.3

接続部及び分岐部は,ケーブル及び心線を識別するために印を明りょうに付けなければならない。

49.

接続箱

49.1

充電部は,恒久的に高い絶縁耐力及び絶縁抵抗をもつ耐久性のある難燃性,耐湿性の材料に取り付

けなければならない。

49.2

充電部は,異極の導体間又は導体と接地金属との間に容易に短絡が生じないように適切な間隔をも

たせるか,絶縁物で適切な遮へいを行って配置しなければならない。

49.3

接続箱は,難燃性材料製としなければならない。接続箱は,その機能及び電圧が分かるように明り

ょうに識別できなければならない。

49.4

安全電圧用ケーブルは,それより高い電圧のケーブルと同一の接続箱内で,できるだけ接続しない

のが望ましい。1 kV までの電圧のケーブルは,それより高い電圧のケーブルと同一の接続箱内で接続して

はならない。

雷保護)

50.

一般  この箇条は,雷に起因する船及びその電気設備への損傷の危険を最小にするために取るべき対

策に関する指針を提供する。


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51.

定義  次に掲げる定義は,この箇条に適用する。

51.1

一次的構造損傷  雷電流の通過に対して接地への低い抵抗路を提供しない船。例えば,非金属製構

造の船又はしっかりした非金属製部材をもつ船への雷の一撃に起因する損傷。

51.2

二次的損傷  船又はその直近への雷の一撃の間接的な結果として生じることがある船又はその電気

設備への損傷,接地への低い抵抗路は,雷電流の通過によって生じる高い誘導又は抵抗電圧の結果として

起こり得る二次的損傷の結果を防ぐことができない可能性がある。

52.

一次的損傷に対する保護

52.1

保護装置

52.1.1

保護装置が要求される場合には,保護装置は,雷電流の通過に起因して電気ケーブルに誘導され

る電圧の可能性を最小にするように取り付けられる避雷針,導電路及び接地端子を含まなければならな

い。

52.1.2

マスト,構造部材及び船体によって接地への低抵抗の導電路が本質的に構成される金属製構造の

船には,保護装置を設ける必要はない。

52.1.3

非金属製構造の,又はかなりの非金属製部材をもつ船には,保護装置を設けなければならない。

52.1.4

金属製マスト及び金属製構造部材は,保護装置の一部又はすべてを形成するとして差し支えない。

52.1.5

ステー,シュラウドなどの金属製索具装置は,偶然の導電路として働くとして差し支えないが,

保護装置にしっかりと接合しなければならない。

52.1.6

導電路における継手は,近づきやすいものとし,偶発的な損傷を最小にするように配置又は保護

しなければならない。継手は,銅製びょう(鋲)又は締め具によって作製しなければならない。締め具は,

銅又は銅合金製として差し支えないが,のこぎり歯状の接触形とし,効果的に固定するのが望ましい。結

合は,ハンダ付継手としてはならない。

52.1.7

避雷針と接地端子間との抵抗は,0.02

Ω を超えないのが望ましい。

52.1.8

ドック内又は船台上の船が,その保護装置又は金属製船体が陸上への有効な接地に接続されるよ

うに,適切な手段を備える。

陸上接地への接続ケーブルは,その全長を通して接地から絶縁しなければならない。

52.2

避雷針

52.2.1  1

本の避雷針を,それぞれの非金属マストに取り付けなければならない。

52.2.2

避雷針は,直径 12 mm 以上の銅又は銅合金製伝導棒で作製するものとし,マスト頂部より上に少

なくとも 300 mm 突出しなければならない。その他の材料,例えば,ステンレス鋼又はアルミニウム合金,

又は腐食に対して有効に保護されている鋼製棒を,52.1.7 の要求事項に従うことで,使用して差し支えな

い。材料は,海水に対して耐腐食性がなければならない。

52.2.3

タンク船のマスト頂部に又は近くに配置されている可燃性ガスのための通気放出口は,その通気

放出口より上に少なくとも 2 m 延長される避雷針によって保護しなければならない。鋼製マストは,それ

がその放出口よりも上に 2 m 延長されている場合には,避雷針として役立つとして差し支えない。

52.3

導電路

52.3.1

導電路は,銅又は銅合金製テープ又はケーブルで作製する。ケーブルは,絶縁材及び円形形状の

両方が表面放電を抑制するので,好ましい。その他の材料,例えば,ステンレス鋼又はアルミニウム合金

を,52.1.7 の要求事項に従い,使用して差し支えない。材料は,海水に対して耐腐食性がなければならな

い。


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52.3.2

銅の導電路は,70 mm

2

の最小断面積をもつ,構造物に確実に固着されるものとし,避雷針と接地

端子との間をできる限りまっすぐ通すものとしなければならない。曲がりが必要な場合には,導電路の等

価直径の少なくとも 10 倍の最小半径をもたなければならない。

52.4

接地端子

52.4.1

厚さが 2 mm 以上で,支柱を含む表面が 0.25 m

2

以上の無塗装の雷接地板 1 組を,どのようなヒー

ル状態でも水中に没した状態となるように,軽荷状態の水線以下に取り付けなければならない。それは,

複数の誘導体導電路の結合を容易にするために支柱を備えなければならない。支柱は,接地板と同じ材料

で作製し,溶接継手によって接地板へ確実に結合しなければならない。

52.4.2

接地板は,銅又は海水に適合したその他の伝導材料,例えば,ステンレス鋼で作製し,接地への

同等の低い抵抗路をもたらすのに十分な表面積をもたなければならない。その他の没水金属部品との電食

の形成は,避けなければならない。

53.

二次的損傷に対する保護

53.1

一般  金属製又は非金属製のいずれにしても,すべての船において,設備は,電気系統への二次的

損傷の結果を最小にするように取り付けなければならない。52.2 に詳述する手順は,適用できる限り採用

しなければならない。

53.2

保護の手順

53.2.1

金属製外被は,金属製船体又は保護装置へ接地しなければならない。特別の注意が,マスト頂部

及びその他の高い構造物上の航海灯及びその他の設備に払われなければならない。

53.2.2

ケーブルスクリーン(cable screens)又はがい装(armour)は,例え信号混信抑制のために一般に

接地されていても,設備に対して接地への唯一の雷路を提供してはならない。53.2.1 によって要求される

分離した接地を備える。

53.2.3

保護装置への雷接地結合は,最も直接的な道筋をたどるものとしなければならない。

53.2.4

導電路の近くでケーブルループ又は配管のような金属製ループが形成されることは,避けなけれ

ばならない。

導電路に近接するケーブルは,金属製管の中に納めなければならない。

53.2.5

金属製船舶においては,甲板に沿うケーブルは,ケーブルと甲板間に存在するループの横断面積

を最小にするために甲板に接近して取り付けなければならない。

甲板に沿うケーブルの道筋を選定する場合には,ケーブルの近く又は上にある接地されている金属製構

造物,例えば,手すり,管などの遮断効果を利用しなければならない。

53.2.6

例えば,無線及び航海設備アンテナにおいて誘導され得る雷エネルギの接地への放電に対する手

段が,提供されるものとする。一時的な過渡電圧から保護するために,スパークギャップ(spark gaps)又

はサージダイバータ(surge diverters)のような装置を取り付けることを考慮しなければならない。

完成試験)

54.

一般  電気設備が完成された後,船が就航するのに先立ち,すべての電気設備は,試験しなければな

らない。これらの試験は,完成時における装置の一般状態を知るために行うもので,満足な試験結果は必

ずしもあらゆる点でその設備が完全であることを保証するものではない。


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55.

絶縁抵抗試験計器  絶縁抵抗は,少なくとも 500 V の電圧を発生する発電機形の直読式絶縁抵抗計の

ようなすべてを自蔵した計器で測定することを推奨する。合計キャパシタンスが 2

µF を超えるコンデンサ

を含む回路の絶縁抵抗試験を行う場合は,正確な測定結果を得るために定電圧形の絶縁抵抗試験器を用い

なければならない。

56.

配電盤,区電箱及び分電箱  配電盤,区電箱及び分電箱を使用する前において,各母線と大地との間

及び各母線間の絶縁抵抗は 1 M

Ω 以上としなければならない。

この試験は,すべての遮断器及びスイッチを開路状態とし,表示灯,接地灯,電圧計などのヒューズは

取り外し,かつ,電圧コイルは一時的に外して行わなければならない。

57.

照明及び動力回路  すべての絶縁された極と大地との間及び可能ならば各極相互間の絶縁抵抗試験

は,すべての固定配線について行わなければならない。絶縁抵抗値は,試験するときの気象状態に左右さ

れるので,最小絶縁抵抗値を規定するのは実際的でないが,ただし,通常の気象状態で最小 1 M

Ω はなけ

ればならない。最初の試験でこの値よりも低い結果が出た場合には,回路を更に分割し,かつ,器具類を

切り離して測定してもよい。

58.

発電機  すべての発電装置は,整流,電気的特性,過速度遮断,速度調整,励磁回路の制御範囲,潤

滑及び異常振動がないなどが満足であるということを立証するために十分な時間,定格負荷で運転しなけ

ればならない。並行運転を行う発電装置については,負荷分担及び並行運転が満足にできることを立証す

るために十分な負荷範囲で試験しなければならない。負荷の急激な投入,切離し時の電圧及び速度変動率

は,満足なものでなければならない(JIS F 8064 参照)

59.

開閉装置  すべての開閉装置は,接続が不完全であったり,また,間違った定格のために過熱が生じ

ないことを立証するために,できるだけ実際の負荷に近い負荷をかけなければならない。スイッチ及び遮

断器は,その適合性を試験し,かつ,過電流,低電圧,逆電流又は逆電力保護装置が電気的及び機械的に

満足に作動することを立証するために負荷をかけて動作させなければならない。

60.

発電機及び電動機の絶縁抵抗  発電機及び電動機の絶縁抵抗は,通常の負荷で運転の直後,暖機状態

で測定しなければならない。得られた結果は,絶縁材料の特性及びその適用方法だけでなく,試験状態に

よっても決まる。そのため,測定値にはこの環境条件,特に試験時の周囲温度及び湿度については十分に

記録をとる必要がある。

61.

照明,電熱及び調理機器  すべての電気機器及び回路は運転状態で,その目的に対して適切であり,

かつ,満足であることを立証するために,試験しなければならない。

62.

電圧降下  電力消費装置の電圧が過度に低下するおそれがある場合には,許容電圧降下を超えないこ

とを立証するために試験しなければならない。

63.

通信装置  各通信装置はそれが適切であり,かつ,仕様どおりの機能を発揮していることを立証する

ために,十分に試験しなければならない。


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船内の重要な電気通信装置に含まれる機械式エンジンテレグラフ,ドッキングテレグラフなど並びに信

号又は警報装置及び火災検知装置の動作試験には,特別な配慮を払わなければならない。

64.

船内通信回路  55 V 以上で作動する各回路は導体間及び各導体と大地との間の絶縁抵抗は,1 M

Ω 以

上としなければならない。55 V 未満で作動する回路の場合,絶縁抵抗は

1

/

3

M

Ω 以上としなければならな

い。必要な場合,回路につながっている一部又はすべての機器を試験中切り離してもよい。

65.

接地  すべての接地連続導体及び接地導線は,機器の枠及び船体に接続し,また,接地端子をもつソ

ケットアウトレットでは,これが大地に接続されていることを立証するために試験しなければならない。

66.

海上人命安全条約の要求  国際条約を満足するために取り付けられた装置は,すべての要求に適合し

ていることを立証するために特に試験しなければならない。非常電源から給電することを要求されている

場合には,非常電源から正しく給電されることを立証するために試験しなければならない。また,給電時

間の規定があれば,これも試験しなければならない。

67.

就航後の試験  装置の物理的状態をできるだけ初期の状態に保つように,電気装置及び回路を定期的

に点検整備することは最も重要である。起こり得る物理的劣化又は変化の進行状況を早い段階で発見する

ために,すべての機器及びケーブルに対し定期的な試験及び検査をすることを強く推奨する。絶縁抵抗値

は,機器又は回路を続けて使用できるかどうかの有効な指針となり,適時の点検は使用不能の事故を防ぐ

ことに役立つ。

劣化状態を知る最もよい方法は,そのとき測定した絶縁抵抗値と前に測定した記録値とを比較すること

である。最後の測定値からの変化が抵抗の絶対値よりはるかに重要である。測定値の比較に当たっては,

点検時の機械の状況及び気象状況,例えば,機械及び器具は暖機状態か又は冷機状態か,冷却空気温度は

どうか,また,外気は乾燥状態か又は湿気状態かなどを知ることも重要である。

“ケーブルは取り外された”

“機械は最近清掃又は換気された”

“ブラシが引き上げられた”など重要

な事項は,すべて記録しなければならない。ごみ,油気又は湿気は,しばしば,ケーブル又は機器が健全

であるにもかかわらず,低い絶縁抵抗値になる原因となる。絶縁抵抗値の大きな,かつ,突然の減少は重

要なこととして注意し,更に深く調査しなければならない。また,発見されたすべての欠陥は,速やかに

修理しなければならない。