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F 8063

:2006 (IEC 60092-202:1994)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人日本船舶

標準協会(JMSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調

査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS F 8063:1996 は改正され,この規格に置き換えられる。

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工 業 規 格 を 基 礎 にし た 国 際 規 格 原 案の 提 案 を 容 易 に す る た め に , IEC 60092-202:1994 , Electrical

installation in ships

−Part 202: System design−Protection を基礎として用いた。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。


F 8063

:2006 (IEC 60092-202:1994)

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

2

4.

  一般要求事項

4

5.

  短絡電流

4

5.1

  交流系統の短絡電流

4

5.2

  直流系統の短絡電流

4

6.

  短絡定格に関連する保護装置の特性及び選定

4

6.1

  一般

4

6.2

  定格短絡遮断容量

5

6.3

  定格短絡投入容量

5

6.4

  選択遮断要求に関連する保護装置の協調の選定

5

7.

  過負荷に関連する保護装置の選定

6

7.1

  機械的開閉装置

6

7.2

  過負荷保護用ヒューズ

6

8.

  適用に関する保護装置の選定

6

8.1

  一般

6

8.2

  発電機保護

6

8.3

  重要設備の保護

7

8.4

  変圧器の保護

7

8.5

  回路の保護

7

8.6

  電動機の保護

8

8.7

  照明回路の保護

8

8.8

  陸電接続回路の保護

8

8.9

  蓄電池の保護

8

8.10

  計器,表示灯及び制御回路の保護

8

8.11

  静止機器の保護

8

9.

  逆電力及び逆電流保護

8

9.1

  交流発電機の逆電力保護

8

9.2

  直流発電機の逆電流保護

9

10.

  不足電圧保護

9

10.1

  交流及び直流発電機

9

10.2

  交流及び直流電動機

9

11.

  過電圧保護

9


F 8063

:2006 (IEC 60092-202:1994)

ページ

11.1

  変圧器

9

11.2

  交流機

9


F 8063

:2006 (IEC 60092-202:1994)

 
 

白      紙


JIS C 0068

:1995

日本工業規格

JIS

 F

8063

:2006

(IEC 60092-202

:1994

)

船用電気設備−第 202 部:システム設計−保護

Electrical installation in ships

−Part 202: System design−Protection

序文  この規格は,1994 年に第 4 版として発行された IEC 60092-202:1994,Electrical installation in ships−

Part 202: System design

−Protection 並びに Amendment 1(1996)を翻訳し,技術的内容を変更することなく

作成した日本工業規格である。ただし,追補(Amendment)については,編集し,一体とした。

なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。

IEC 60092

シリーズ(船用電気設備)は,航洋船の電気設備に関し,現在採用されている優れた実行手

段を極力取り入れ,また,現行規則類との調和をできるだけ図りながら,国際規格の一系列を構成してい

る。

これらの規格は,SOLAS(海上人命安全条約)の要求に対する具体的な解釈及び補充を行っている規定

であり,将来制定されるかもしれない規則類に対する指針でもある。また,船主,造船所及びその他関係

機関が採用する実行手段に対する手引となるものである。

1.

適用範囲  この規格は,船内電気設備に適用する電気保護システムの主要点に適用する。

参考  この翻訳規格の内容と関連がある日本工業規格の内容とに相違がある場合,特に IEC 60092 

よると指定された場合を除き,相違する内容の適用に当たっては,当事者間の協議による。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

IEC 60092-202:1994

,Electrical installation in ships−Part 202: System design−Protection (IDT)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構

成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その

最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS F 8064

  船用電気設備  第 301 部  機器−発電機及び電動機

備考  IEC 60092-301:1980,Electrical installations in ships. Part 301: Equipment−Generators and motors

が,この規格と一致している。

IEC 60050 (151):1978

  International Electrotechnical Vocabulary−Part 151: Electrical and magnetic devices

IEC 60050 (441):1984

  International Electrotechnical Vocabulary. Switchgear, controlgear and fuses

IEC 60363:1972

  Short-circuit current evaluation with special regard to rated short-circuit capacity of

circuit-breakers in installations in ships

IEC 60947-2:1989

  Low-voltage switchgear and controlgear−Part 2: Circuit-beakers


F 8063

:2006 (IEC 60092-202:1994)

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

3.1

定格負荷(rated load)  定格状態に対して規定されている負荷の最大値をいう[IEV 151-03-16,一

部修正,IEC 60050 (151)]

3.2

過負荷(over load)  電気的損傷のない回路において,過電流を起こす運転状態をいう[IEV 441-11-08

IEC 60050 (441)

3.3

過電流(overcurrent)  定格電流を超える電流をいう[IEV 441-11-06IEC 60050 (441)]。

3.4

短絡(short circuit)  通常は異なる電圧状態の回路において,相対的に低い抵抗又はインピーダンス

によって,2 点以上の箇所の事故又は故意による接続をいう[IEV 151-03-41IEC 60050 (151)]

3.5

バックアップ保護

1)

(back-up protection)  次に掲げる事項によって,ある時間内に系統障害が除去

されない場合に,作動させようとする保護設備又はシステムをいう。

−  障害箇所に最も近接する一つの保護装置の動作不良又は動作不能,又は

−  障害箇所に最も近接する保護装置を除く,一つの保護装置の動作不良

3.6

過電流選択遮断(overcurrent discrimination)  定められた限度内で過電流が発生したときに,作動す

べき装置は作動し,それ以外の装置は作動しない,二つ以上の過電流保護装置作動特性の協調を取ること

をいう[IEV 441-17-15IEC 60050 (441)]

3.7

全体的選択遮断(全体選択性)

1)

[total discrimination(total selectivity)

]  二つ以上の過電流保護装置

が直列に装備されているときに,負荷側の保護装置が上流の保護装置を作動させることなく保護する過電

流選択遮断をいう。

3.8

部分的選択遮断(部分選択性)

1)

[partial discrimination(partial selectivity)

]  二つ以上の過電流保護

装置が直列に装備されているときに,障害箇所に最も近い保護装置が,上流の保護装置を作動させること

なく,定められた値の短絡電流まで保護する過電流選択遮断をいう。

3.9

給電の連続性

1)

(continuity of supply)  回路内の障害が継続する間及びその後においても,健全な

回路への給電が連続的に確保される状態をいう。

備考  図 の回路③を参照。

3.10

設備稼働の連続性

1)

(continuity of service)  回路内の障害が除去された後に,健全な回路への給電

が再び確立される状態をいう。

備考  図 の回路③を参照。

1)

  International Electrotechnical Vocabulary(IEV)のこれらの用語に関する定義は,この規格に適用しな

い。


F 8063

:2006 (IEC 60092-202:1994)  目次

障害発生前

障害発生中

障害除去後

給電の


設備

稼働


  1  給電の連続性・設備稼働の連続性


F 8063

:2006 (IEC 60092-202:1994)

4.

一般要求事項

4.1

電気設備は,適切な装置によって短絡事故を含めた過電流事故から保護しなければならない。各種

保護装置の選定,配置及び特性は,次の事項を確保できるように完全,かつ,協調した自動的保護ができ

なければならない。

−  いずれの場所に事故が生じたときでも,保護装置の選択遮断又は他システムの協調動作によって,健

全な重要設備回路へ給電の連続又は少なくとも設備稼働の連続を確保する(

図 を参照)。

−  システムの損傷を減少させるように事故の影響を排除し,かつ,火災の危険を除去する。

このような条件の下で,システムの部品は許容できる時間内,短絡を含め起こり得る過電流によって生

じる熱的及び電気力学的の応力に耐え得るような設計及び構造としなければならない。

4.2

過電流保護装置は,その要求に従って,特に次の事項に関連して,選定しなければならない。

−  過負荷

−  短絡

5.

短絡電流  交流及び直流の両系統の短絡電流計算例は,IEC 60363 に示す。

5.1

交流系統の短絡電流

5.1.1

推定短絡電流の計算には,その事故点からみた系統の等価インピーダンスを考慮しなければならな

い。

5.1.2

電流発生源には,同時に接続できる発電機の最大台数及び通常同時に系統に接続される電動機の最

大台数を含まなければならない。発電機及び電動機の寄与分はそれぞれの特性を基に計算しなければなら

ない。

備考  上記特性に対する正確な資料がないときは,短絡電流の最大波高値を決定するための誘導電動

機の寄与分(すなわち発電機の短絡電流の最大波高値に加える電流値)は,8  In としてよい。

ここに In(実効値)は,通常同時に運転すると推定される電動機の定格電流の合計である。

さらに,正確に計算する場合には,次の実効値を使用してもよい。

−  短絡が発生した瞬間(次過渡値) 6.25

In

−  時間 において,すなわち短絡発生してから 1 サイクル後 2.5

In

−  時間 2において,すなわち短絡発生してから 2 サイクル後

1.0

In

5.2

直流系統の短絡電流

5.2.1

系統の特定の点の推定短絡電流は,その事故点からみた系統の等価抵抗を考慮して計算しなければ

ならない。

5.2.2

短絡電流発生源には,同時に接続できる発電機の最大台数及び通常同時に系統に接続される電動機

の最大台数を含まなければならない。回転機の寄与分はその特性の関数として計算しなければならない。

正確な資料がないときは,短絡電流の最大値を決定するときの電動機の寄与分は,通常同時に運転する

と推定される電動機の定格電流の合計の 6 倍とするのがよい。

6.

短絡定格に関連する保護装置の特性及び選定

6.1

一般

6.1.1

短絡保護装置は,遮断器及びヒューズに関する IEC 規格と適合する必要があるが,船用の設備条

件として,はん(汎)用品と,特に次の点について異なる点があることを考慮しなければならない。

−  船内交流系統の短絡時の力率は,通常の配電用遮断器の短絡定格の根拠となっている値よりも低い。


F 8063

:2006 (IEC 60092-202:1994)  目次

−  交流短絡電流の次過渡分及び過渡分。

このため,配電系統の通常の条件に対応する遮断器の定格遮断容量とそれに関連する投入容量との比は

本質的に適合しない。遮断器は,IEC 60947-2 を参照する。

この場合遮断器は,通常の条件に適合しているその短絡遮断容量が実際の適用に必要な値に対して余裕

があっても,その短絡投入容量を基に選定しなければならない。

発電機回路には,カテゴリ B の遮断器(IEC 60947-2 による。

)を使用しなければならない。その他の短

絡遮断のため短限時を要する遮断器にもこれを使用するのが望ましい。これらは定格短時間耐電流容量を

考慮して選定しなければならない。

短絡遮断についての短限時を要しない遮断器は,カテゴリ A(IEC 60947-2 による。

)の遮断器を使用し

てもよい。これらは定格短絡遮断容量を考慮して選定されなければならない。

6.1.2

短絡保護は,遮断器又はヒューズによって行わなければならない。

特に 1 kV を超える交流系統などの場合は,ある形式のヒューズでは特定の過電流は関連するスイッチを

引き外すようなアレンジを必要とするような特性をもっていることに注意しなければならない。

6.1.3

その装備点における最大推定短絡電流以上の短絡遮断及び/又は投入容量をもたない保護装置で

も,必要最小限の短絡定格をもち発電機側に設けられたヒューズ又は遮断器(発電機用は除く。

)によって

バックアップされているならば,その使用が認められる。

重要負荷がない場合には,同じヒューズ又は遮断器で遮断器 2 台以上をバックアップしてよい。

これらの組合せ短絡特性は,少なくとも単一の遮断器に対する IEC 60947-2 の要求と同等なものとし,

その遮断器は,バックアップ遮断器として同じカテゴリーの短絡特性をもち,かつ,その組合せでの電源

端子における最大推定短絡電流のレベルの定格のものとする。

負荷側にヒューズを接続した遮断器を使用してもよい。ただし,ヒューズが動作するような過電流に遮

断器がさらされたとき,遮断器の極間又は金属部分に対してアークが発生しないように必要なときに確実

にヒューズが動作するようにバックアップヒューズ及び遮断器は協調のとれた設計でなければならない。

このようなバックアップ遮断の性能要求を決める場合,回路上の諸要素のインピーダンス,例えば,バ

ックアップ遮断器又はヒューズとバックアップされる遮断器間の電線のインピーダンスを考慮してもよい。

6.2

定格短絡遮断容量  交流では,定格短絡遮断容量はその装備点における推定短絡電流の交流分の実

効値以上でなければならない(例外については,6.1.3 参照)

これは遮断開始時の固有の直流分がどのような値であっても,遮断器がその定格遮断容量以下の交流分

のどんな電流でも遮断する能力があることを意味する。

船内系統では,固有の直流分を決定する回路条件は,配電用遮断器に対する通常の条件(IEC 60947-2

よりも更に厳しい。この場合定格遮断容量に相当する電流を遮断する遮断器の能力は,直流分の値には関

係なく,実際の設備の条件の下で確認しなければならない。

6.3

定格短絡投入容量  短絡を閉路しようとする各機械的開閉装置の定格短絡投入容量は,その装備点

における推定短絡電流の最大波高値に対して適切なものでなければならない(例外については,6.1.3 参照)

備考  遮断器は,必要な最大時間遅れに相当する時間内には,開路することなくその投入容量に相当

する電流を投入できるものとする。

6.4

選択遮断要求に関連する保護装置の協調の選定

6.4.1

短絡状態での健全な回路への給電の維持は,全体的な選択遮断によってなされるものとする。

すべての方式に対する要件:

−  直列接続の保護装置の引外し特性は,十分協調の取れたものでなければならない。


F 8063

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−  事故電流の流れる保護装置は,完全に事故電流がなくなるまで,関連装置の装備点における最大電流

まで損傷することなく耐えるものでなければならない。

選択遮断に対する追加要件:

−  事故に最も近い保護装置だけが事故回路を開路しなくてはならない。

−  保護装置は,その装備点における短絡電流以上の電流を,遮断器の開路に必要な時間と選択遮断に必

要な時間遅れだけ加算した時間以上,開路することなく通電し得るものでなければならない。

他の方式に対する要件:

−  直列接続の保護装置の短絡容量はもちろん引外し特性は,十分協調の取れたものでなければならない。

また,IEC 規格に従っていることがまだ承認されていないのであれば,製造業者と購入者の間とで合意

した試験方法に従った試験を行う。

6.4.2

健全な回路における設備稼働の連続性が要求される場合には,保護装置及び使用設備の動作特性は

協調が取れたものであり,かつ,検証されたものでなければならない。

6.4.3

保護装置は,全体的選択遮断に要する時間及び定められた値の短絡電流に至るまでの部分的選択遮

断に要する時間以上開路することなく,その装備点における短絡電流以上の電流を,通電し得るものとし

なければならない。

7.

過負荷に関連する保護装置の選定

7.1

機械的開閉装置  過負荷保護用の機械的開閉装置は,保護すべき系統の部品の過負荷耐力及び選択

遮断に適合する引外し特性(過電流引外し時間)をもつものが望ましい。

7.2

過負荷保護用ヒューズ  過負荷保護用のヒューズは,適切な特性のものである場合には,320 A まで

は使用が認められる。ただし,200 A を超えるときは,遮断器又は同様の装置が望ましい。高圧交流系統で

は,過負荷保護にヒューズの使用は認められない。

8.

適用に関する保護装置の選定

8.1

一般  各非接地線には,短絡保護を設けなければならない。

回路の各非接地線には,過負荷保護を設けなければならない。ただし,絶縁直流回路,絶縁単相回路及

び実質的に負荷が平衡している絶縁三相回路に対しては,一線の過負荷保護は省略してもよい。

短絡又は過負荷用の保護装置は,接地線を断路してはならない。ただし,多極開閉装置によって同時に

非接地線を全部断路する場合は除く。

8.2

発電機保護

8.2.1

一般  発電機は,多極遮断器によって短絡及び過負荷に対して保護しなければならない。

特に過負荷保護は,発電機の熱容量に適合するもので,次の要求によらなければならない。

a) 10

%未満の過負荷に対しては,発電機定格電流の 1.1 倍以下に設定され,15 分以下の限時リレーによ

って動作する可聴警報を備えるよう考慮してもよい。15 分を超える時限でも,運転条件上必要で,か

つ,発電機設計上認められるならば,適用してもよい。

b) 10

∼50

%間の過負荷に対しては,遮断器は発電機の定格電流の 1.5 倍以下で最大 2 分までの時限で引

外されなければならない。ただし,50

%という数値及び 2 分の時限は,運転条件上必要で,かつ,発

電機の構造上認められる場合には,超過してもよい。

c) 50

%を超える過電流に対しては,“瞬時”引外しは系統の選択遮断保護と協調していなければならな

い。短絡保護用に設計された“瞬時”引外し装置に選択遮断を目的として短時限を導入してもよい。


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大容量発電機及びすべての高圧発電機には,遮断器の発電機側における事故に対する保護を設けなけ

ればならない。

備考1.  発電機に関連する保護装置は,回転数が相当低下したときでもそれが有効であるように考慮

する。

2.

発電機の過負荷保護装置の選定には,過負荷保護装置の動作後直ちに電力の回復ができるよ

う考慮する。

8.2.2

発電機側の短絡に対する保護  並行運転をしようとする発電機の場合には,発電機とその遮断器と

の間に短絡が発生したとき,発電機用遮断器によって処理しなければならない事故電流について考慮する

必要がある。

備考  接地すべき系統と同期していない発電機の遮断器を投入する危険性に対しても考慮する。

容量 1 500 kVA 以上の発電機には,発電機の内部又は発電機とその遮断器との間の給電用ケーブルで短

絡した場合,発電機の励磁を止め,遮断器を開路する適切な保護装置又はシステムを備えなければならな

い。

備考  小容量の発電機についても,例えば,人員,過度に長い給電用ケーブルなどの特別な状況の場

合,類似の保護が必要である。

8.2.3

直流平複巻二線式及び三線式発電機の保護装置  並行運転する直流発電機に対しては,過負荷保護

及び短絡保護に加えて次の保護装置を設けなければならない。

a)

平複巻発電機では,

各発電機に対して均圧線スイッチ 1 個か又は全極同時に遮断する多極遮断器 1 個。

ただし,均圧線スイッチの場合には,関連の遮断器の接点より先に閉じ,かつ,遅れて開くようにイ

ンタロックする。

b)

三線式では“外側線”に接続される発電機用スイッチ又は遮断器と同時に動作するようにインタロッ

クされた中性線用スイッチ 1 個。

8.3

重要設備の保護  負荷に重要設備と非重要設備とがある場合には,いずれの発電機 1 台が過負荷に

なったときでも非重要設備を自動的に切り離して回転速度が連続して減少しないように考慮しなければな

らない。

この負荷の優先遮断は,発電機の過負荷能力に従って 1 段以上のステップで行ってよい。

8.4

変圧器の保護  変圧器の一次巻線は,6.

の要求に従って短絡に対して多極遮断器か,又はヒューズ

で保護しなければならない。並行運転するようになっている場合には,断路用リンクを二次側に設けなけ

ればならない。

備考  電力を二次巻線に給電できる場合には,二次側にも短絡保護を考慮する必要がある。

8.5

回路の保護

8.5.1

各配電回路は,6.

及び 7.

の要求に従って,多極遮断器か,又はヒューズによって過負荷保護及び

短絡保護を行わなければならない。

備考  発電機が並行運転するようになっている系統において,給電中の最小の発電機に対しても保護

装置は有効であるように注意を払う。

8.5.2

公称断面積 50 mm

2

以上の導体の並列ケーブルは,保護の見地からは 1 条のケーブルとみなしてよ

い。

8.5.3

個々に過負荷保護をもつ機器[例えば,電動機(8.6 参照)

]又は過負荷とならない機器(例えば,

固定配線の電熱器回路)に給電する回路には,短絡保護だけを備えればよい。


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:2006 (IEC 60092-202:1994)

8.6

電動機の保護

8.6.1 0.5

kW

を超える定格の電動機は,個々に過負荷保護を備えなければならない。

8.6.2

重要設備用の電動機に対しては,過負荷保護の代わりに警報装置でもよい。操だ(舵)装置用電動

機に対しては過負荷保護の代わりに警報装置としなければならない。

8.6.3

保護装置は,通常の使用状態での通常の電動機加速時間中は電流を流せるように設計しなければな

らない。電動機の過負荷保護装置の時間対電流の特性が電動機の始動時間に対して適切でないときは,加

速時間中過負荷保護装置を動作しないようにしてよい。ただし,短絡保護は作動可能な状態とし,かつ,

過負荷保護の停止は一時的としなければならない。

8.6.4

連続使用の電動機では,保護装置は過負荷状態に対して電動機の十分な熱的保護ができる限時特性

をもつものでなければならない。

8.6.5

保護装置は,最大連続電流を保護された電動機の定格電流の 105∼120

%に制限するように設定さ

れなければならない。

8.6.6

間欠使用の電動機では,保護装置の電流設定及び限時特性(時間の関数として)は,実際の運転状

態を考慮して選定しなければならない。

8.6.7

多相電動機回路の保護にヒューズを使用するときは,単相運転に対する保護を考慮しなければなら

ない。

8.7

照明回路の保護  各照明回路は,過負荷及び短絡に対して,適切な装置によって保護しなければな

らない。

8.8

陸電接続回路の保護  船外給電箱から主配電盤までの固定ケーブルは,ヒューズ又は遮断器で保護

しなければならない。どのような場合でも船外給電箱における保護を省略してはならない。

8.9

蓄電池の保護  機関始動用を除いて,蓄電池は,過負荷及び短絡に対して,できる限り蓄電池の近

くに取り付けた装置によって保護しなければならない。

重要設備に給電する非常用蓄電池は,短絡保護だけとしなければならない。

8.10

計器,表示灯及び制御回路の保護  表示及び測定装置は,ヒューズ又は限流装置で保護しなければ

ならない。

その他の回路では,電圧調整器回路のように電圧の喪失が重大な結果をもたらすような回路にはヒュー

ズを省略する。ヒューズを省略したときは,その設備の保護されていない部分での火災の危険がないよう

な措置をしなければならない。

ヒューズは,できる限り電源分岐点の近くに取り付けなければならない。

8.11

静止機器の保護  静止機器には,各セルの保護用及びセル内の内部短絡の影響に対し保護するため

に適切な限流ヒューズを組み込まなければならない。

静止機器を電源に接続する配電回路は,

遮断器で保護しなければならない。

その遮断器の引外し特性は,

すべての有害な過電流からセルを保護するようにヒューズの溶断特性に協調するような選定をしなければ

ならない。

9.

逆電力及び逆電流保護

9.1

交流発電機の逆電力保護  並行運転する交流発電機には,限時逆電力保護を設けなければならない。

その保護装置の設定は,タービンに対しては定格出力の 2∼6

%の範囲,ディーゼル機関に対しては定

格出力の 8∼15

%の範囲にすることを推奨する。

電圧が 50

%低下しても逆電力保護は,動作しなければならない。ただし,遮断器を開路するのに必要


F 8063

:2006 (IEC 60092-202:1994)  目次

な逆電力の量は,変化してもよい。

備考  適切に保護できるなら逆電力保護を他の装置に代えてもよい。

9.2

直流発電機の逆電流保護  他の直流発電機又は蓄電池と並行運転する直流発電機には,瞬時又は短

限時の逆電流保護を設けなければならない。

その保護装置の設定は,タービンに対しては定格出力の 2∼6

%の範囲,ディーゼル機関に対しては定

格出力の 8∼15

%の範囲にすることを推奨する。

電圧が 50

%低下しても逆電流保護は,動作しなければならない。ただし,遮断器を開路するのに必要

な逆電力の量は,変化してもよい。

均圧結線が設けられているとき,逆電流装置は均圧結線の一端に接続し,その端子は直巻複巻巻線が接

続されている端子とは逆側の端子としなければならない。

備考1.  逆電流保護は,船内配電網(例えば,カーゴウインチ)から発生する逆電流状態も有効に処

理するのに適切なものとするのがよい。

2.

JIS F 8064

IEC 60092-301)も参照する。

10.

不足電圧保護

10.1

交流及び直流発電機  他の発電機又は陸電と並行運転する発電機は,発電機が発電していないとき

に発電機用遮断器が閉じることがなく,また,発電機電圧低下のときには,発電機が母線に接続されたま

まにならないための処置をしなければならない。

この目的に不足電圧引外しを設ける場合には,遮断器の投入防止に対しては瞬時に動作するが,遮断器

を引き外すときは選択遮断のための時限を設けなければならない。

10.2

交流及び直流電動機

10.2.1 0.5

kW

を超える定格の電動機には,次のいずれかを備えなければならない。

a)

不足電圧保護。電圧低下又は喪失で動作し,電動機を意識的に再始動するまでは,その回路を遮断し

その状態を保つもの。

b)

不足電圧開放。電圧低下又は喪失で動作するが,電圧復活で電動機は自動的に,かつ,過大の始動電

流なしに再始動するもの。ただし,始動器(例えば,サーモスタット,空気圧,油圧の装置で制御さ

れるもの)は再始動に対して必要な接続はしたままであり,また,例えば,過度の電圧降下又は電流

サージを避けるため,必要なときはすべての電動機が同時に再始動しないようにしてあるものとする。

10.2.2

保護装置は,電圧が定格の 85

%を超えているときは,電動機が始動できるようにし,また,定格

周波数で電圧が定格の約 20

%未満であるときは,必要なら時限を付けて,必ず動作しなければならない。

備考  不足電圧保護は,操だ(舵)装置用電動機及びその他の連続的に運転する電動機には必ずしも

設けなくてもよい。

11.

過電圧保護

11.1

変圧器  変圧器を通じて給電する低圧系統が,変圧器の高圧系統からの漏れによって充電されない

ように適切な措置をしなければならない。低圧系統の接地は,適切な措置とみなされる。

11.2

交流機  高圧交流系統では,交流機を保護するため,開閉などによって生じる過電圧を制限及び/

又は対処するように適切な措置をしなければならない。