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日本工業規格

JIS

 F

8062

 : 1996

 (IEC

92-201

 : 1994

)

船用電気設備第 201 部

システム設計−一般

Electrical installations in ships Part201:

System design

−General

日本工業規格としてのまえがき 

この規格は,1994 年第 4 版として発行された IEC 92-201 (Electrical installations in ships, Part 201: System

design

−General)  を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格であ

る。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。

まえがき 

  IEC 92(船用電気設備)は,航洋船の電気設備に関し,現在採用されている優れた実行手段を極力取り

入れ,また,現行規則類との調和をできるだけ図りながら,国際規格の一系列を構成している。

  これらの規格は,SOLAS(海上人命安全条約)の要求に対する具体的な解釈及び補充を行っている規定

であり,将来制定されるかもしれない規則類に対する指針でもある。

  また,船主,造船所及びその他関係機関が採用する実行手段に対する手引となるものである。

1.

適用範囲

この規格は,船の電気設備のシステム設計の主要な事項に適用する。

参考  この国際一致規格の内容と関連がある日本工業規格の内容とに相違がある場合,特に IEC 92

によると指定された場合を除き,相違する内容の適用に当たっては,当事者間の協議による。

1.1

引用規格

次に示す引用規格は,この規格本文に引照されたことにより,この IEC 92-201 の規定を構成する規定と

なる。発行の時点では,ここに表示された版が有効であるが,すべての規格は改訂されるものであり,こ

の IEC 92-201 に基づいて合意した関係者には,次に示す規格の最新版を適用するかどうかを調査するよう

勧める。

JIS F 8007

  船用電気器具の外被の保護形式及び検査通則

JIS F 8061 (IEC 92-101 : 1980)

  船用電気設備第 101 部定義及び一般要求事項

JIS F 8064 (IEC 92-301 : 1980)

  船用電気設備第 301 部機器−発電機及び電動機

JIS F 8072 (IEC 92-401 : 1980)

  船用電気設備第 401 部装備基準及び完成試験

JIS F 8074 (IEC 92-502 : 1980)

  船用電気設備第 502 部個別規定−タンカー

JIS F 8075 (IEC 92-503 : 1975)

  船用電気設備第 503 部個別規定−1kV を超え 11 kV 以下の交流配電系


2

F 8062 : 1996 (IEC 92-201 : 1994)

JIS F 8076 (IEC 92-504 : 1974)

  船用電気設備第 504 部個別規定−制御及び計装

IEC 79-0 : 1983

  Electrical apparatus for explosive gas atmospheres, Part 0 : General requirements

IEC 204-1 : 1992

  Electrical equipment of industrial machines, Part 1 : General requirements

IEC 331 : 1970

  Fire-resisting characteristics of electric cables

IEC 332

  Tests on electric cables under fire conditions

2.

定義

2.1

一般

2.1.1

束ねたケーブル (bunched cables) 

1

本のコンジット,ダクト若しくは溝の中に納められている 2 本以上のケーブル,又は囲われていなく

ても互いに離れていない 2 本以上のケーブル。

2.1.2

分岐 (branch) 

配電網に電気負荷を接続するための一つの電気系統。

2.1.3

分岐方式 (branch system) 

一連の分岐。

2.1.4

網目回路又は環状主回路  (meshed network or ring-main)  

複数の給電点(給電節)を接続し,かつ,一つの閉回路を形成する一組の導体。

2.1.5

不等率(需要率)  [diversity factor (demand factor) ]  

一群の電力消費機器の通常の使用状態における推定総消費電力と,それらの定格値の和との比。

2.1.6

一次配電系統  (primary distribution system)  

発電機と電気的につながる系統。

2.1.7

二次配電系統  (secondary distribution system)  

発電機と電気的接続をもたない系統。例えば,二重巻線変圧器又は電動発電機によって発電機と絶縁さ

れた系統。

2.1.8

船体帰路方式 (hull-return system) 

絶縁された導体が,電源の一極又は一相に接続するために設けられ,かつ,船体又は他の恒久的に接地

された構造物が,他極又は他相に有効に接続されるために用いられる方式。

2.1.9

デッドシップ状態 (dead-ship condition) 

動力の欠如のため,主推進装置,ボイラ及び補機類が稼動していない状態。

2.2

直流配電方式  (d. c. systems of distribution)  

2.2.1

直流二線式  (two-wire d. c. system)  

2

条の導体だけから構成され,その間に負荷が接続される直流方式。

2.2.2

直流三線式  (three-wire d. c. system)  

2

条の導体と 1 条の中性線とで構成され,かつ,給電はその 2 条の外線からか又は中性線といずれか 1

条の外線から行われ,その中性線には差電流だけが流れる直流方式。

2.3

交流配電方式  (a. c. systems of distribution)  

2.3.1

交流単相二線式  (single-phase two-wire a. c. system)  

2

条の導体だけから構成され,その間に負荷が接続される交流単相方式。

2.3.2

交流単相三線式  (single-phase three-wire a. c. system)  


3

F 8062 : 1996 (IEC 92-201 : 1994)

2

条の導体と 1 条の中性線から構成され,かつ,給電はその 2 条の外線からか又は中性線といずれか 1

条の外線から行われ,その中性線には差電流だけが流れる交流単相方式。

2.3.3

三相三線式  (three-phase three-wire system)  

三相給電のために接続された 3 条の導体から構成される方式。

2.3.4

三相四線式  (three-phase four-wire system)  

4

条の導体から構成され,かつ,そのうちの 3 条は三相電源へ接続され,残りの 1 条は電源の中性点へ

接続される方式。

2.4

電源  (sources of electrical power)  

2.4.1

主電源  (main source of electrical power)  

船を正常な稼動状態及び居住状態に維持するために必要なすべての設備に配電する主配電盤へ電力を供

給する電源。

2.4.2

非常電源  (emergency source of electrical power)  

主電源からの給電が故障の際,非常配電盤に給電する電力源。

3.

安全一般

船の電気設備は,次のようでなければならない。

−  安全のために必要な設備は,さまざまな非常条件の下で点検整備できること。

−  乗客,乗組員及び船の電気的危険からの安全が保証されていること。

−  この規格で規定する安全に関する要求が考慮されていること。

−  SOLAS 規則は,できる限り満足すること。

4.

直流配電方式

4.1

直流配電方式

次の方式を標準とする。

−  絶縁二線式

−  船体帰路  単線式

−  一極接地二線式

−  船体を帰路としない中性線接地三線式

−  船体を帰路とする中性線接地三線式

4.2

電圧(直流)

表 は,船内給電方式の公称電圧の推奨値及び許容最高電圧を示す。

表 1  船内給電方式の直流電圧

適用

公称電圧 V

最高電圧 V

動力 110;220 500

調理,電熱 110;220 250 
照明及びソケットアウトレット

24

;110;220

250

5.

交流配電方式

5.1

一次交流配電方式

次の方式を一次配電方式の標準とする。

−  絶縁三相三線式


4

F 8062 : 1996 (IEC 92-201 : 1994)

−  中性点接地三相三線式

500V

以下の全電圧に対する追加として

−  船体を帰路としない中性点接地三相四線式

−  絶縁単相二線式

−  一極接地単相二線式

備考  タンカーについては,JIS F 8074 (IEC 92-502)  を参照。

5.2

二次交流配電方式

次の方式を二次配電の標準とする。

−  絶縁三相三線式

−  中性点接地三相三線式

500V

以下の全電圧に対する追加として

−  船体を帰路としない中性点接地三相四線式

−  絶縁単相二線式

−  一極接地単相二線式

−  照明装置及びソケットアウトレットに給電する中性線接地単相二線式

−  船体を帰路としない中性線接地単相三線式

5.3

交流電圧及び周波数

船内系統のための電圧及び周波数を選定する際は,その系統に接続されるであろう陸上電源の電圧及び

周波数に対し適切な考慮を払い,かつ,異なった電圧及び/又は周波数が電気機器の特性に与える影響に

ついて考慮を払わなければならない。

表 は,船内給電系統の公称電圧及び周波数の推奨値並びに最高許容電圧を示す。

表 2  船内給電方式の交流電圧と周波数

適用

公称電圧

V

公称周波数

Hz

最高電圧

V

三相

三相

三相

三相

120 50

60

000

220 50

60

000

240

(

1

50

1

000

380 50

1

000

415

(

2

50

1

000

440

− 60

1

000

660(

3

)

*

 50

60

1

000

3 000

*

/3 300

*

 50 60

11

000

6 000

*

/6 600

*

 50 60

11

000

10 000

*

/11 000

*

 50  60

単相

単相

単相

単相

120 50

60

500

220 50

60

500

1.

  確実に固定され,かつ,固定配線された動力,電熱及

び調理装置。

給電用ソケットアウトレットは,箱体接地によって恒久

的に接地するか,又は JIS F 8072 (IEC 92-401)  の

表 によ

る大きさの接地導体を仕様どおり接続して接地する。

240

(

1

50

− 500

単相

単相

単相

単相

120 50

60

250

220 50

60

250

240

(

1

50

− 250

2.

  1.及び 3.に示されていない用途で,補強絶縁又は二重

絶縁されているもの,又は JIS F 8072 (IEC 92-401)  の

表 I

に合致する大きさの接地連続導体を含む可とうコード又
はケーブルによって接続された機器のためのソケットア

ウトレットを含めた固定照明装置。


5

F 8062 : 1996 (IEC 92-201 : 1994)

適用

公称電圧

V

公称周波数

Hz

最高電圧

V

3.

  電撃に対し特に注意を要する用途のソケットアウトレ

ット

(a)

絶縁変圧器を使用するか又は使用しないで給電される
もの。

(b)  1

個の安全絶縁変圧器が 1 個の電力消費器具だけに給

電するために用いられている場合。

このような系統の電線は,いずれもアースから絶縁され

なければならない。

単相

24

120

220

240

単相

50

50

50

50

単相

60

60

60

単相

 55

250

250

250

注(

1

)

将来は,230V だけ

(

2

)

将来は,400V だけ

(

3

)

将来は,690V だけ

*

動力だけ

備考 
− 1

000V

を超えて制限されている配電については,JIS F 8075 (IEC 92-503)  を参照。

−  JIS F 8074 (IEC 92-502)  の 3.1 も参照。 
− 500V を超える電圧の配電方式における制御電圧については,5.4 を参照。

5.4

制御電圧

500V

を超える配電方式に対して,制御電圧は 250V 以下に制限される。ただし,全制御機器が当該制御

装置の中に収められ,かつ,配電電圧が 1 000V 以下のときはこの限りではない。

(電源) 

6.

補助設備用の電源

6.1

一般

電気設備は,次のようでなければならない。

6.1.1

船を正常な稼動状態及び居住状態に維持するため並びに貨物の保存のために必要なすべての電気

利用の補助設備は,非常電源に依存することなく確保されていなければならない。

6.1.2

安全のために必要な電気利用設備は,各種の非常状態の下においても確保されること。

6.1.3

交流発電機が装備される場合には,系統に接続されるかご形電動機の始動,とりわけ最大始動電流

と力率によってもたらされる過渡的電圧変動の大きさとその時間の影響に,

注意を払わなければならない。

そのような始動電流による電圧降下は,既に運転しているどの電動機も停動させてはならない。また,使

用中の他の機器に悪影響を与えてはならない。

備考  次に注意を払うこと。

−  JIS F 8061 (IEC 92-101)  の

第 節の 11.

−  JIS F 8062 (IEC 92-201)  の

第 節の 36.及び

−  JIS F 8064 (IEC 92-301)  の 4.

これらはすべて電圧及び周波数の安定性を取り扱っている。

6.2

主電源

6.2.1

すべての船は,6.1.1 に述べたすべての設備に給電するために十分な容量の主電源を備えなければ

ならない。この主電源は,少なくとも二組の発電装置から構成されなければならない。

6.2.2

これらの発電機の容量は,いずれか 1 台の発電機が停止した際に,

(a)

推進と安全の通常稼動状態

  (

1

)


6

F 8062 : 1996 (IEC 92-201 : 1994)

(b)

最低限の快適な居住性

(c)

貨物の保存性

を得るために必要な設備に給電できるものでなければならない。

最低限の快適な居住性には,少なくとも照明,調理,暖房,生活用冷凍,機械通風,衛生水及び清水の

ための適切な設備を含めなければならない。

6.2.3

船の主電源の構成は,6.1.1 に示す給電が推進機関又は軸系の回転速度及び回転方向にかかわりな

く維持できるものでなければならない。

プロペラの停止状態を含め,すべての航行状態及び操船状態の下で,発電装置の構成が,発電機の発電

容量が 6.2.2 に従い電力を供給するために十分なものであり,かつ,すべての追加要件,とりわけ,6.2.4

の要件を満たすものである場合には,推進装置によって駆動される発電機は,主電源を構成する発電機と

して認めることができる。このような発電装置は,独立の発電装置より機能及び信頼性が劣るものであっ

てはならない。

備考  Amendment No.4 : 1988 の用語に倣い,“船 (ship) ”の語を“プロペラ (propeller) ”に置き換え

た。

この 6.2.3 に従っていない推進装置駆動の発電機は,電力計算に関連して付加電源として使用できるが,

給電の中断(例えば,推進装置の突然の停止によって)の後,船を稼動状態及び安全な状態に維持するた

めに必要なすべての補助設備へ,速やかに電力を回復することに対して注意を払わなければならない。こ

の設備の機能回復に要する時間は,45 秒を超えてはならない。

6.2.4

さらに,発電装置は,いずれの 1 台の発電機又はその原動力装置が停止した場合でも,他の残りの

発電機は,デッドシップ状態から主推進装置を始動するために必要な電気設備へ給電できるものでなけれ

ばならない。非常電源は,単独又は他のいずれかの電源との組合せ容量が,当該公的機関によって要求さ

れる非常用設備に同時に給電するのに十分であるならば,デッドシップ状態からの始動に使用することが

できる。

デッドシップ状態からの始動手段が専ら電気に依存し,かつ,非常電源がこの目的のために使用できな

い場合には,デッドシップ状態からの始動に使用される発電機を始動するための手段は,少なくとも非常

発電装置の始動のために要求されるものに匹敵する始動設備を備えなければならない。

6.2.5

変圧器,コンバータ又は類似の設備が,6.2 によって要求される給電装置の不可欠な部分を構成す

る場合には,当該装置は,6.2 に規定したものと同じ給電の連続性を確保するように構成されなければなら

ない。

6.3

非常電源−一般

6.3.1

自己起電の非常電源は,当該公的機関によって要求されるように装備されなければならない。あら

ゆる状態のもとで,非常負荷への給電を確保するための適切な措置が取られている場合には,非常電源は

短時間,例外的に非常用以外の回路への給電に使用することができる。

6.3.2

非常状態における安全のために供せられる利用電力,給電時間及び負荷は,当該公的機関の要求を

満足しなければならない。

6.4

旅客船の非常電源

6.4.1

非常電源が発電機である場合には,非常発電機は次によらなければならない。

(a)

独立の燃料供給装置を備える適切な原動機によって駆動されること。

(b)

主電源から非常配電盤への給電の故障に際し自動的に始動し,かつ,非常配電盤に自動的に接続され

ること。6.4.3 に規定されている負荷は,その後自動的に非常発電機へ移されること。自動起動装置及


7

F 8062 : 1996 (IEC 92-201 : 1994)

び原動機の特性は,非常発電機が,安全,かつ,実行可能な限り速やか(最大 45 秒)に,その最大定

格で給電できること。非常発電装置を始動するための第二の独立した手段が備えられていない場合に

は,その唯一の蓄積エネルギーが,自動始動装置によって完全に消耗されることのないように,保護

されること。

(c)  6.4.3

に従い,一時つなぎの非常電源を備えること。

備考  非常発電機の原動機に影響する他の条件,例えば,環境条件に対して,更に考慮を払うべきで

ある。

6.4.2

非常電源が蓄電池である場合には,蓄電池は次によらなければならない。

(a)

再充電することなく非常時の電気的負荷に給電し,その間,全放電期間にわたって蓄電池電圧を公称

電圧からその±12%以内に維持する。

(b)

主電源からの給電が故障した際には,自動的に非常配電盤に接続される。

(c)

少なくとも,6.4.3 の一時つなぎの非常電源に要求される負荷に直ちに給電する。

6.4.3

6.4.1 (c)

で要求される一時つなぎの非常電源は,非常の際の使用に適した場所に設置された蓄電池

で構成され,再充電することなく全放電期間を通じて蓄電池電圧を公称電圧からその±12%以内に維持し

ながら給電できなければならない。また,主電源又は非常電源の故障の際に,当該公的機関によって要求

される負荷に,自動的に給電できるように装備されなければならない。容量は,少なくとも 30 分間に対し

て十分なものでなければならない。

6.4.4

全非常電気装置を定期的に試験するための措置が講じられなければならない。この措置は,自動始

動装置の試験を含まなければならない。

6.5

貨物船の非常電源

6.5.1

非常電源が発電機である場合には,非常発電機は次によらなければならない。

(a)

独立の燃料供給装置を備える適切な原動機によって駆動されること。

(b)  (c)

に適合する一時つなぎの非常電源が装備されない場合には,主電源から非常配電盤への給電の故障

によって,自動的に始動すること。

非常発電機が自動始動する場合には,非常発電機は自動的に非常配電盤に接続されること。その後,

6.5.3

に規定されている負荷は,自動的に非常発電機に接続されること。非常発電機を始動するための

第二の独立した手段が備えられていない場合には,その唯一の蓄積エネルギーが自動始動装置によっ

て完全に消耗されることのないように,保護されること。

(c)  6.5.3

に規定される負荷に給電でき,かつ,自動始動して安全かつ実行可能な限り速やか(最大 45 秒)

に要求される負荷に給電できる非常発電機が装備されない場合には,6.5.3 に規定される一時つなぎの

非常電源を装備すること。

6.5.2

非常電源が蓄電池である場合には,蓄電池は次によらなければならない。

(a)

再充電することなく非常用負荷に給電し,その間,全放電時間にわたって蓄電池電圧を公称電圧から

その±12%以内に維持すること。

(b)

主電源の故障の際に非常配電盤に自動的に接続されること。

(c)

少なくとも,6.5.3 の一時つなぎの非常電源に要求される負荷に直ちに給電すること。


8

F 8062 : 1996 (IEC 92-201 : 1994)

6.5.3

6.5.1 (c)

で要求される一時つなぎの非常電源は,非常の際の使用に適した場所に設置された蓄電池

で構成され,再充電することなく全放電期間を通じて蓄電池電圧を公称電圧からその±12%以内に維持し

ながら給電でき,かつ,主電源又は非常電源の故障の際に,当該公的機関によって要求される負荷に,自

動的に給電できるように装備されなければならない。容量は,少なくとも 30 分間に対して十分なものでな

ければならない。

6.5.4

全非常電気装置を定期的に試験するための措置が講じられなければならない。この措置は,自動始

動装置の試験を含まなければならない。

6.6

定期的に無人の状態に置かれる機関区域に対する追加要件

6.6.1

定期的に機関区域を無人とするように計画された船は,その無人とする期間の長さにかかわらず,

次の 6.6.2 から 6.6.8 までを満足していなければならない。

6.6.2

6.1.1

に示す設備用の電力が,通常,船の発電装置 1 組から供給されている場合には,負荷制限の

ような処置を行って,出入港を含むあらゆる航行状態における船の安全性が,人員が配置される機関区域

を備えた船と同等以上となることを確保できるものでなければならない。

6.6.3

稼動中の発電装置が故障した場合には,十分な容量の待機発電装置を自動的に始動し,かつ,主配

電盤に接続して,出入港を含むあらゆる航行状態における船の安全性が,人員が配置される機関区域を備

えた船と同等以上となることを確保するために必要な設備に給電する措置が講じられていなければならな

い。

6.6.4

必要に応じて,順次始動される重要補機を,すべて自動的に再始動できる措置が講じられていなけ

ればならない。

6.6.5

待機発電装置の自動始動装置及び特性は,待機発電機が,安全,かつ,実行可能な限り速やか(45

秒以内)に,その最大定格で給電できるものでなければならない。

6.6.6

短絡状態の場合は,待機発電機回路遮断器を 2 回以上自動的に投入させないような措置が講じられ

ていなければならない。

6.6.7

電力が通常,並行運転している 2 組以上の発電機により供給されている場合において,これらの発

電機の 1 組が作動を停止した場合でも,負荷制限のような手段又は配電盤母線を適切に分離することによ

って,残りの発電機が過負荷になることなく運転を維持して,推進及び操だ(舵)を可能にし,かつ,船

の安全を確保する措置が講じられていなければならない。

6.6.8

安全及び警報装置に関する要件は,JIS F 8076 (IEC 92-504)  の

附属書 に規定されている。

備考  旅客船については,当該公的機関は,この章に規定する要件以上の要件を要求することがある。

(配電方式に対する要求事項) 

7.

一般

7.1

接地式配電方式

7.1.1

系の接地は,非通電部の接地機構とは無関係な手段によってなされなければならない。

7.1.2

発電機を整備する場合の断路のように,発電機の断路手段は,各発電機の中性点接地接続部に設け

ること。

7.1.3

中性点接地式の配電方式及び中性点を相互に連結して運転する発電機においては,製造業者はそれ

らの機械が過度の循環電流を生じないように適切に設計するように指示されていなければならない。

このことは,それらについて,大きさや製造業者が異なっている場合に特に重要なことである。


9

F 8062 : 1996 (IEC 92-201 : 1994)

備考  変圧器の中性点は,すべての相当する発電機の中性点がその系統から切り離されない限り(例

えば陸上電源から給電中のように)接地してはいけない。

7.2

絶縁配電方式

7.2.1

一次,二次にかかわらず,動力,照明又は暖房用の配電方式が非接地式の場合は,対地絶縁レベル

を連続監視でき,低い絶縁値を示したとき作動する可聴又は可視表示の警報装置を備えなければならない。

タンカーについては,JIS F 8074 (IEC 92-502)  の 3.7.1 も参照のこと。

7.3

サーマルコンテナ用配電系統

多数の冷凍コンテナを運搬することを目的とした船の場合には,コンテナ内の地絡事故が主配電系統に

影響することを防止するための適切な手段を講じることに考慮を払わなければならない。

8.

配電方法

8.1

船内給電用発電機の出力は,電気機器に次のいずれかの方法で給電することができること。

(a)

分岐方式

(b)

網目回路又は環状主回路

8.2

環状主回路又は他のループ状回路(例えば区電箱を相互に接続して一つの連続回路としたもの)の

ケーブルは,あり得るいかなる負荷や給電形態に対しても十分な通電及び短絡容量をもつ導体からならな

ければならない。

9.

負荷の平衡

9.1

直流三線式における負荷の平衡

外側の導体と中性線の間に接続される電気機器は,通常状態において,その系統の各半分にかかる負荷

を,その不平衡量が主配電盤はもちろん,個々の分電箱,区電箱においてそれぞれの負荷の 15%以内で,

できるだけ平衡させるようにグループ分けしなければならない。

9.2

交流三線式又は四線式における負荷の平衡

交流三線式又は四線式に対しては電気負荷を最終支回路でグループ分けし,正常状態において,各相の

負荷が主配電盤はもちろんのこと,個々の分電箱,区電箱においても不平衡量がそれぞれの負荷の 15%以

内になるように,できる限り平衡させなければならない。

10.

船体帰路単線方式

10.1

船体帰路方式が認められる場合には,すべての最終支回路は,絶縁二線式で構成され,その船体帰

路は,最終支回路の始点となる分電箱の母線の一つを船体に結合することによってなされなければならな

い。

接地線は容易に点検でき,かつ,絶縁試験のため接続を切り離すことができるような近づきやすい場所

に設けられなければならない。

直流船体帰路方式の場合,磁気コンパス領域内のすべてのケーブルは,2 極方式に配列されなければな

らない。この場合,各回路の電流値によって,鋼製隔壁又は甲板による遮へいがなければ,磁気コンパス

を中心にして次の球面半径が適用される。

出ていく電線と帰ってくる電線は,1 本のケーブルとするか又は一体に並べて配線されていなければな

らない。


10

F 8062 : 1996 (IEC 92-201 : 1994)

電流

A

球面半径

m

10

まで 5

10

を超え 50 まで 7

50

を超えるとき 9

無線電信設備又は方向探知機を含む他の重要な無線機器に対しては,

製造業者の資料によるものとする。

10.2

船体帰路方式は,JIS F 8074 (IEC 92-502)  を適用するタンカーには使用してはならない。

11.

最終支回路

11.1

一般

重要設備のためのすべての電動機及び 1kW 以上の全電動機に対して,別々の最終支回路を設けなければ

ならない。16A を超える定格の最終支回路は,2 個以上の装置に給電してはならない。

11.2

照明用最終支回路

照明用最終支回路は,小形調理機器(例えば,トースタ,ミキサ,コーヒーひき)

,小形雑用電動機(例

えば,卓上及び室内扇風機,冷蔵庫)

,衣装たんす用ヒータ及び類似のものを除いて,電熱用及び動力用の

装置に給電してはならない。

16A

以下の電流定格の最終支回路では,それに接続される負荷の合計が,最終支回路の保護装置の設定

電流値の 80%を超えてはならない。

16A

以下の電流定格の最終支回路によって給電される照明点の数は,次の最大値を超えてはならない。

電圧

照明点の最大数

55V

以下 10

56

∼120V 以下 14

121

∼250V 24

コルニス照明 (cornice-lighting),パネル照明及び電気信号においては,ソケットが互いに近接して集め

られ,かつ,固定配線で回路に接続される場合,最終支回路の最大使用電流が 10A 以下ならば,上に規定

するより多くの照明点を一つの最終支回路に接続してよい。

11.2.1

最終支回路の照明負荷に関する正確な情報がない場合には,すべてのソケットがそれに接続され得

る最大負荷に匹敵する電流(それは,少なくとも 60W 以上と仮定される。

)を要すると考えられる。ただ

し,ソケットが 60W よりも小さいランプだけを取り付けるように造られている場合には,その電流定格は

それに従って考えてよい。

11.2.2

居住区域における照明の最終支回路は,できる限り,ソケットアウトレットを含めてよい。

この場合,各ソケットアウトレットは照明点 2 個として計算する。

11.3

電熱用最終支回路

各電熱器は別々の最終支回路に接続されなければならない。ただし,総接続電流定格が 16A 以下の 10

個までの小形電熱器を 1 本の最終支回路に接続してよい。

11.4

制御回路

JIS F 8076 (IEC 92-504)

及び 並びに IEC 204-1 も参照のこと。

11.4.1

給電系統及び公称電圧

制御回路の範囲及び複雑さは変動するので,給電及び電圧の種類について詳細な勧告を規定することは

できないが,

表 及び表 に示すような公称電圧の交流を選ぶか直流を選ぶかについては,考慮を払わな


11

F 8062 : 1996 (IEC 92-201 : 1994)

ければならない。

外部制御系統が制御卓の内部に集められている場合は,

それぞれが偶発的に接触しないように保護され,

かつ,適切に表示されていない限り,制御電圧は 250V を超えてはならない。

11.4.2

回路設計

制御回路は,できる限り,回路内の故障がその系の安全性を損なわないような方法で設計しなければな

らない。

特に,制御回路は,被制御装置の誤動作(例えば,意図しない作動)を起こすおそれがある,制御回路

と他の導電部との間の欠陥によって生じる危険を制限するように,設計,配置及び保護しなければならな

い。

備考1.  タンカー[JIS F 8074 (IEC 92-502)  を参照]については,安全区域内で局部的に接地された

制御回路は,JIS F 8074 (IEC 92-502)  の3.5.2による例外と考えられる。

2.

装置と関係ない制御回路が故障した場合でも重要設備の利用を維持するために,制御回路を

分離することに注意を払うこと。

例えば,発電機キュービクル開閉装置に関係ない不足電圧回路の部分に故障があっても,

発電機回路遮断器を手動で投入できなければならない。

11.4.3

電動機制御

自動再始動を要求されない限り,電動機制御回路は,どの電動機でも,電圧の降下又は喪失によって停

止した後,意図しない自動再始動が危険を生じるおそれがある場合には,そのような再始動を防止するよ

うに設計しなければならない。

電動機の逆流制動が設けられている場合には,制動の終わりに回転方向を反転することが危険をもたら

すおそれがあるなら,その反転を避ける措置を講じなければならない。

安全性が,エレベータ装置のように,電動機の回転方向に依存する場合には,例えば一つの相がなくな

ったり,相の反転によって生じる逆動作を防止する措置を講じなければならない。

11.4.4

保護

表示灯を含む制御回路には,短絡保護装置を備えなければならない。

表示灯の故障が重要設備の作動を損なうおそれがある場合には,そのような表示灯は独立して保護しな

ければならない。

11.4.5

回路の配置

重要用途の制御回路については,監視機構付き制御回路を可能な限り容易に利用できるように,考慮を

払わなければならない。

12.

ソケットアウトレット

12.1

移動灯及び小形の家庭電気器具用のソケットアウトレットは,11.2 で規定するように,一緒に集め

てよい。

12.2 250V

を超える系統のソケットアウトレットは,16A 以上の定格でなければならない。

12.3

ソケットアウトレットに給電する異なった配電系統が用いられる場合,ソケットアウトレットとそ

のプラグが誤結合されることがないような設計でなければならない。

13.

機関区域,居住区域,貨物区域などにおける照明回路

13.1

次のような場所


12

F 8062 : 1996 (IEC 92-201 : 1994)

−  主要な,かつ,大きな機関区域

−  大きな調理室

−  回廊

−  ボート甲板への階段

−  公室区域

では,電灯に対し二つ以上の最終支回路を設け,その中の一つは,非常配電盤から給電し,いずれか一

つの回路が故障しても照明を不十分なレベルにまで引き下げないようにしなければならない。

13.2

貨物区域における最終照明回路は,貨物区域の外に設けた多極連動スイッチによって制御されなけ

ればならない。その回路が生きているときには,そのことが分かるような手段を講じなければならない。

14.

船外接続

14.1

陸上その他の電源から給電をするための施設が設けられる場合には,外部電源からの可とうケーブ

ルを接続するのに便利なように,船内に適切な受電端を設けなければならない。

受電端と主又は非常配電盤の間には,十分な定格の固定電線を設けなければならない。

14.2

接地端子は,適切な接地点に船体を接続するために設けられなければならない。

14.3

船外接続には,そのケーブルが帯電しているとき,これを示すための表示器を主又は非常配電盤に

設けなければならない。

14.4

船内の系統との関連において,接続する外部電源の極性(直流の場合)

,又は相順(三相交流の場合)

を調べるための手段を講じなければならない。

14.5

接続箱には,はり札を付け,船内系統の給電方式及び公称電圧(交流であれば周波数も)並びに接

続する場合の手順について,十分な情報を与えるようにしなければならない。

14.6

引きずられるケーブルを構造物に取り付けるための措置を施し,機械的な力が電気端子に加わらな

いようにしなければならない。

14.7

船外接続に用いられるいかなる変圧器も,二重巻線形でなければならない。

15.

航海灯

15.1

マスト灯,げん灯及び船尾灯は,この目的のために設け,主又は非常配電盤に直接又は変圧器を通

じて接続し,船橋の近づきやすい場所に置かれた分電箱に別々に接続しなければならない。

航海灯用に,もう一つの給電に切り換えるための方法を船橋に設けなければならない。

15.2

個々の航海灯は,各絶縁極にヒューズを設けて保護し,2 極のスイッチを備えるか,又はその代わり

に 2 極遮断器で保護しなければならない。

なお,これらは 15.1 に規定する分電箱に取り付けなければならない。

15.3

個々の航海灯は,消えたときに可聴及び/又は可視警報を発する自動表示器を備えなければならな

い。もし,可聴装置が使用されるならば,その装置は例えば一次電池又は蓄電池のような別個の電源に接

続しなければならない。もし,可視信号が用いられ,それが,航海灯と直列に接続されるならば,可視信

号の故障によって航海灯が消灯するのを防止するための手段を講じなければならない。

16.

無線設備

無線設備の給電用には,主又は非常配電盤から特別に回路を設けなければならない。


13

F 8062 : 1996 (IEC 92-201 : 1994)

17.

固定設置の水中形ビルジポンプ

17.1

固定設置の水中形ビルジポンプの電動機は,もし備える場合には,非常配電盤に接続しなければな

らない。

17.2

このようなポンプヘのケーブル及びそれらの接続は,隔壁甲板下の距離に等しい水頭の圧力下で運

転可能でなければならない。

ケーブルは,防水性で (impervious-sheathed) がい装のあるものとし,隔壁甲板上から電動機の端子まで

全長にわたり連続して敷設し,底部から鐘状空気だまり (air bell) に引き込まなければならない。

17.3

固定設置の水中形ビルジポンプの電動機は,あらゆる状況下で,隔壁甲板上の便利な場所から始動

できなければならない。

17.4

もし電動機に,追加の機側始動装置が設けられるならば,それからの全制御線を,甲板上に設けた

始動器の付近で断路できるように,回路を計画しなければならない。

18.

電動機回路

18.1

電動機の始動

各電動機には,その対象電動機の満足な始動を確実にするために,制御装置を設けなければならない。

発電設備又はケーブル網の容量によって始動電流を許容できる値までに制限することが必要となる場合が

ある。

電動機制御装置の補助回路の手配及びこの機器の設計に際しては,始動時の主回路の電圧降下によって,

適切な機能が悪影響を受けないように考慮しなければならない。

18.2

断路方法

0.5kW

以上の定格の各電動機及びその制御装置の給電側のすべての充電している極から全負荷を切り離

せるようにすること。制御装置が主若しくは補助の分電箱上又はそれに近接して設けられる場合,箱内の

断路スイッチを使用してよい。その他の場合,制御器内の断路スイッチ又は別箱の断路スイッチを設けな

ければならない。

18.3

電動機から離れている始動器

電動機を切るための始動器又はその他の装置が,その電動機から離れているときには,次のいずれかと

することを推奨する。

−  回路の断路(スイッチ)を“開”の位置にロックする措置を講じるか,

−  別の断路スイッチを電動機の近くに設けるか,又は

−  生きている各極又は各相のヒューズが容易に取り外すことができて,電動機の取扱い責任者によって

保管できるようにしなければならない。

18.4

主幹始動器方式

単一の主幹始動器方式(すなわち,1 台の始動器が多くの電動機を次々に制御する。

)が使用される場合,

各電動機に対し,低電圧保護及び過電流保護並びに各電動機にそれぞれの始動器を用いる方式に対する要

求と同じような有効な断路手段を備えなければならない。

主幹始動器が自動形である場合,手動のための適切な代行手段又は非常手段を設ける。

始動器が重要設備の電動機の始動に用いられる場合,始動部は二重とし,かつ,始動器の 1 台が故障し

ても動作させる一重の装置を設ける。

19.

照明器具


14

F 8062 : 1996 (IEC 92-201 : 1994)

19.1  250V

を超える電圧の放電灯

各放電灯又は装置には,多極(全極)の断路スイッチを近づきやすい場所に設けなければならない。

そのようなスイッチは,はっきりした印を付け,その近くに注意書きを設けなければならない。

スイッチや他の電流遮断装置は,変圧器の二次側の回路に設けてはならない。

19.2

探照灯及びアーク灯

すべての探照灯やアーク灯の断路は,多極(全極)の断路スイッチによらなければならない。

もし,直列抵抗がアーク灯と共に用いられるならば,断路スイッチは,給電側の回路に設け,両者とも,

そのスイッチが“開”の位置のときに切断されるようにしなければならない。

20.

船内通信の回路

20.1

動力又は照明回路からの給電

通信回路が動力又は照明の回路から直接給電される場合及び 55V を超える給電電圧の場合,すべての機

器は動力及び照明の回路に対する要求を満足しなければならない。

20.2

個別の電源からの給電

通信系統が電動発電機,一次若しくは二次蓄電池又は変圧器及び半導体電源変換器から給電され,55V

より低い電圧で,照明及び動力回路から全く電気的に絶縁されている場合,スイッチ,抵抗器,分電箱,

附属品,計器及び他の機器類は,丈夫な設計で,かつ,系統電圧及び装備場所から見た安全面で十分な余

裕を確保して装備されることが望ましい。

20.3

機関室テレグラフ又は類似の装置

機関室テレグラフ又は類似の装置への給電の故障時には,船橋で表示がなされなければならない。

[不等率(需要率)] 

21.

最終支回路

最終支回路のケーブルは,接続される負荷に応じた定格のものでなければならない。

22.

最終支回路以外の回路

二つ以上の最終支回路に給電する回路は,接続される負荷の合計に応じた定格のものとしなければなら

ない。ただし,妥当と認められる場合は 23.及び 24.に従って不等率を適用する。

予備回路が区電箱又は分電箱に設けられる場合には,不等率を適用する前に,将来の負荷増加に対する

余裕を,接続負荷の合計に加算しなければならない。その余裕は,各予備回路に対し,それと同じ定格を

もつ実使用回路の平均負荷以上の負荷を見込んで算定されなければならない。

23.

不等率(需要率)の適用

不等率(需要率)は,導体断面積の算定及び開閉装置の定格に適用することができる。ただし,個々の

電気設備の既知又は予想される状態が不等率の適用に適していなければならない。

24.

動力回路−一般

不等率は,状況によって決定されなければならない。通常の全負荷は,電動機の銘板定格に基づいて決

定されなければならない。


15

F 8062 : 1996 (IEC 92-201 : 1994)

もし,銘板の定格が明らかでない場合は,

表 に示す定格を考慮する。

交流動力回路の不等率の査定に際しては,軽負荷時電動機の消費電流が比較的小さな減少度合いである

ことに考慮しなければならない。

表 3  直流及び三相交流電動機の概略全負荷電流

備考 1.及び 2.を参照)

概略全負荷電流 A

直流

三相交流

380V 50Hz

440V 60Hz

回転数 rpm

回転数 rpm

電動機
の出力

kW

110V 220V

750

1 000

1 500

3 000

900

1 200

1 800

3 600

  0.25

    4.2

  2.1

備考 2.

  0.37

    5.8

  2.9

  0.55

    8.4

  4.2

    0.75

      10.4

    5.2

    1.1

      14.8

    7.4

    3.4

    3

    2.7

    2.5

    2.7

    2.54

    2

    1.9

  1.5

   19

  9.5

  4.3

  3.9

  3.6

  3.4

  3.6

  3.3

  3.1

  3

  2.2

   26

 13

  6

  5.5

  5.1

  4.9

  5.2

  5.0

  4.6

  4.2

  3

   36

 18

  7.7

  7.2

  6.8

  6.5

  7

  6.6

  6.3

  5.8

  4

   46

 23

 10

  9.5

  9

  8.2

  8.9

  8.5

  8.1

  7.2

  5.5

   62

 31

 13

 12.5

 12

 11.5

 12

 11

 11

 10

  7.5

   82

 41

 18

 17

 16

 15

 15

 14

 14

 13

 11

  118

 59

 25

 24

 23

 22

 21

 20

 20

 19

 15

  160

 80

 32

 31

 31

 30

 27

 26

 26

 25

 18.5

  196

 98

 40

 39

 38

 37

 33

 32

 32

 30

 22

  230

115

 47

 46

 45

 44

 38

 37

 37

 35

 30

  310

155

 62

 60

 59

 58

 52

 50

 49

 48

 37

  382

191

 76

 74

 73

 72

 63

 61

 60

 59

 45

  462

231

 91

 88

 87

 84

 76

 74

 72

 71

 55

  562

281

110

106

105

103

 93

 90

 88

 87

75

764

382 147 142 140 136 125 121 119 118

90

914

457 174 171 169 166 150 145 142 141

110 1

114

557 213 210 205 200 182 176 173 172

132

667 253 248 243 238 217 211 208 208

備考1.  表の数値は,必ずしも個々の電動機の電流値ではなく,一般的な平均値であり,個々の値は速度,効率及

び力率によって影響される。例えば,低速(かつ,大形)の機械の効率は同出力定格の高速(かつ,小形)
の機械よりも幾分低いのが普通である。しかし,表の数値は個々の電流値に十分近い値として24.の目的に

利用できる。

2. 1kW

より小さい出力の三相交流電動機に対する値は,この範囲で値が大きく変わるので,意味がない。

25.

荷役用ウインチ及びクレーン回路

荷役用ウインチ及びクレーンに対しては,不等率は,製造業者から得られる情報に基づいて,製造業者

と購入者の間で合意されたものを適用してよい。

もし,情報が得られなければ,

表 の不等率を適用してよい。


16

F 8062 : 1996 (IEC 92-201 : 1994)

表 4  荷役用ウインチ及びクレーン回路の不等率

所要電流値

電動機の台数

電動機が同容量の場合

電動機が異なる容量の場合

2

全負荷電流の 100%

3

全負荷電流の合計の 67%

4

全負荷電流の合計の 62%

5

全負荷電流の合計の 60%

(最大電動機の全負荷電流の

100%

)+(その他の電動機

個々の全負荷電流の 50%)

          6

以上

全負荷電流の合計の 58%

(保護等級) 

26.

一般

装備場所によって,電気機器は JIS F 8007 に合致している

表 に示す保護等級を最小限もつこと。

(ケーブル) 

27.

ケーブルの選択

この節は,1 000V 以下の動力系統に対しては,すべて適用する。

備考  この規格は,また無機絶縁ケーブルも扱っている。関連した要求は現在の慣行によって今まで

に認められているものであること。

もし,IEC TC20/SC20B で検討されている無機絶縁ケーブルに関連する規格が発行された場合,

それに基づいてこの規格の改正の要否を検討する。

28.

絶縁の選択

28.1

いかなるケーブルの定格電圧も,それを用いる回路の公称電圧より低くてはいけない。

28.2

絶縁材料の定格使用温度は,その電線が敷設される場所に存在又は発生が見込まれる最高周囲温度

よりも少なくとも 10℃は高くなければならない。


17

F 8062 : 1996 (IEC 92-201 : 1994)

表 5  保護等級に対する最低要求(JIS F 8007 による)

(4)

機器

×印は(3)欄に合致するものであること。 
−印は設置を推奨できない。

(1)

装備場所の例

(2)

装 備 場 所 に
おける状態

(3)

保 護 等
級 に よ
る設計

配電盤 
制御装置

電動機用
始動器

発 電

電 動

変圧器 
半導体変

換装置

照 明
器具

電 熱
装置

調 理
装置

配線器具
(例えば

スイッチ,
分岐箱)

タンカー(

備考 1.参照)

×

備考 4.

×

アンモニアプラント室

蓄電池室

×

×

ランプ室

×

×

塗料庫

×

×

溶接ガス瓶用船倉

×

×

危険と格付される倉庫

×

×

60

℃以下の引火点の油

を含むパイプ用トン

ネル

爆発の危険

証明付きの安

全形(

備考 2.

参照)

×

×

乾燥した居住区域

充電部分に触れる IP

20

×

×

×

×

×

×

×

乾燥した制御室

危険だけ

×

×

×

×

×

×

×

制御室(航海船橋) IP 22

×

×

×

×

×

×

×

機関室及びボイラの床

×

×

×

×

×

×

× IP

44

かじ(舵)取機室

×

×

×

×

×

×

− IP

44

冷凍機室(アンモニアプ

ラントを除く。

×

×

×

×

×

− IP

44

非常用機械室

×

×

×

×

×

×

− IP

44

一般貯蔵室

×

×

×

×

×

×

配膳室

×

×

×

×

×

× IP

44

糧食室

し た た る 液 体 及 び

/ 又 は わ ず か の 機

械的損傷の危険

×

×

×

×

×

×

浴室及びシャワー室 IP 34

× IP

44

− IP

55

機関室,ボイラ室の床下

− IP

44

× IP

44

− IP

55

閉鎖された燃料油分離

機室

 IP 44

− IP

44

× IP

44

− IP

55

閉鎖された潤滑油分離

機室

液 体 及 び / 又 は 機

械 的 損 傷 の 増 大 す

る危険

 IP 44

− IP

44

× IP

44

− IP

55

バラストポンプ室 IP 44

×

×

× IP

34

×

− IP

55

冷凍室

×

− IP

34

×

− IP

55

賄室及び洗濯機室

液 体 と 機 械 的 損 傷

の増大する危険

×

×

× IP

34

×

×

×

二重底内の軸又はトン

ネル

IP 55

×

×

×

×

×

− IP

56

一般貨物用船倉

液体噴霧の危険

貨物ほこりの存在

重 大 な 機 械 的 損 傷

刺激性の発煙

×

×

開放甲板

大量の液体危険 IP

56

×

×

− IP

55

×

×

備考1.  タンカーについては,JIS F 8074 (IEC 92-502)  附属書 を参照。

2.

証明付き安全形機器は,開放甲板又は湿気がある状態が予想される他の場所に対しては,外被に追加要求を
必要とするかもしれない。表中の例は指標として用いてよい。

なお,証明付き安全形機器は,IEC 79-0 を参照する。

3.

保護が機器自体で達せられていない場合,他の方法又は装備される場所が表で要求される保護等級を確保す
る。


18

F 8062 : 1996 (IEC 92-201 : 1994)

4.

ソケットアウトレットは,機関区域の床下,閉鎖された燃料油及び潤滑油分離機器並びに証明付きの安全形
機器を要する場所に設けてはいけない。

5.

危険なほこりに対する適切な保護等級は,IP 66 又は証明付きの安全形である。

29.

保護被覆の選択

29.1

風雨にさらされる甲板,湿気及び水気がある場所(例えば浴室)

,船倉,冷凍区域,機関区域に敷設

されるケーブル,及び一般に凝結した水又は有害な蒸気(油気を含む。

)がある場所に敷設されるケーブル

は,防水性のシース (impervious sheath) をもたなければならない。

備考 PVC,CSP 及び PCP のシースは,液体中に永久に浸しておくのに適切でないが,この場合には

防水性 (impervious) があるとみなされる。

29.2

保護被覆の種々の形式を選ぶには,各ケーブルが敷設中及び使用中にさらされるかもしれない機械

的作用に対し適切な考慮を払うことが望ましい。

もし,

保護被覆の機械的強度が不十分とみなされるなら,

そのケーブルは管又はコンジットに入れるか,

他の方法で保護されなければならない。

29.3

−  ケーブルは,IEC 332-1 の規定による耐炎性をもたなければならない。

−  さらに,耐燃性をもつように要求されるケーブルは,IEC 331 の試験要件を満足しなければならない。

29.4

交流に使用される単心ケーブルについては,JIS F 8072 (IEC 92-401)  の 45.2 も参照のこと。

30.

火災警報,火災探知及び非常消火装置用のケーブル

30.1

火災警報,火災探知,非常消火装置,火災時用通信,遠隔停止に使用される回路及び安全の目的の

ための類似の制御回路は,もし

−  系統が自己監視式であるか,故障してもフェイルセイフであるか,又は

−  系統が二重になっている

ものでなければ,耐燃性のケーブルの使用を考慮しなければならない。

31.

導体の断面積の決定

各導体の断面積は,次の条件に適合する十分な大きさのものでなければならない。

31.1

ケーブルにかけられる最大負荷は,そのケーブルによって給電される回路,機械等の負荷需要率及

び不等率から計算されなければならない(11.も参照のこと。

各ケーブルの補正された電流定格は,そのケーブルに流される最大電流以上でなければならない。

補正電流定格は,

表 632.参照)に示されている連続使用の電流定格に該当する補正係数(33.34.及び

35.

参照)を適用して計算される。

31.2

回路内の電圧降下は,最大負荷時に,その回路に規定された限度を超えてはならない(特に 36.参照)

31.3

前述の計算によって決定された後,その断面積は,短絡(39.参照)及び電動機始動電流(35.参照)

によって生じる温度上昇を考慮して調べられなければならない。

31.4

導体の機械的強度は,敷設状態及び使用状態において十分なものでなければならない。

31.5

接地導体の断面は,JIS F 8072 (IEC 92-401)  の 5.2 に適合しなければならない。

備考  これらの規定に示されている電流定格や補正係数についての表の値は単なる平均値であり,実

際に存在するあらゆる構造のケーブル及びあらゆる敷設条件に必ずしも適用できるものではな

い。しかし,電流定格の評価に対する一つの国際的な基準をもつことの利益に対し,誤差(推


19

F 8062 : 1996 (IEC 92-201 : 1994)

定使用温度で 2∼3℃)は,さほど重要でないことを考慮し,これらの基準は一般的適用のため

に推奨される。しかしながら,特殊な場合には,より正確な評価が,すべての関係部門に受け

入れられることができる実験データ又は計算データに基づいて,なされなければならない。

32.

連続使用に対する電流の定格

32.1

ケーブルの連続使用とは,この規格の目的のためには,ケーブルの熱時定数の 3 倍より,すなわち

臨界時間(

図 2,ケーブルの時定数を参照)より長い時間持続する通電時間(一定負荷で)として考慮さ

れなければならない。

32.2

種々の絶縁材料による単心ケーブルに推奨される連続使用電流定格は,

表 による。

これらの電流定格は,被覆物がどんな形式のもの(例えば,がい装ありと,がい装なしの両ケーブル)

であろうとも,かなり近似的に適用できる。

備考  表の値は,周囲温度 45℃で,導体の温度が絶縁体の最高定格温度に達し,かつ,自由空気中に

4

条のケーブルを一緒に束ねて連続使用すると仮定して計算したものである(しかし,34.1 

参照のこと。

。異なった条件に対しては,次の補正に関する項を参照のこと。

32.3  2

心,3 心及び 4 心のケーブルに対して,

表 に示す電流定格は次の(近似的)補正係数を乗じて算

出しなければならない。

2

心ケーブルに対し 0.85

3

心及び 4 心ケーブルに対し 0.70

33.

異なった周囲温度に対する補正係数

表 の電流定格の基準となっている周囲温度 45℃は,いかなる種類の船,いかなる天候下の航海に対し

ても一般的に適用できる冷却空気温度の基準値として考慮される。

しかし,特殊な用途の船は(例えば,沿岸航行船,渡船,港内艇で)周囲温度が常に 45℃未満であると

分かっている場合には,

表 の電流定格は増加してもよい(しかし,いかなる場合にも,周囲温度が 35℃

より低いとみなしてはいけない。

これに反し,ケーブルの周りの空気温度が 45℃よりも高いとき(例えば,1 本のケーブルが全部又は一

部分が多量の熱を発生する場所若しくは区画に敷設されるとき,又は熱移動によってケーブル温度が高く

なる場所若しくは部屋に敷設されるとき)

表 の電流定格は低減しなければならない。

これらの場合の補正係数は,次の

表 に示されている。

34.

ケーブル群に対する補正係数

34.1

表 に示された電流定格値(及びこれから算出された値)は,ケーブルトレイ上,ケーブルコンジ

ット,パイプ又はトランクの中に一緒に束ねて敷設されるケーブルに対しては,補正係数なしに,適用で

きると考えてよい。ただし,全定格容量で同時に使用すると予想される 6 条を超えるケーブルが,その周

囲に空気の自由な流通がないように,束状に一緒に密接して敷設される場合はこの限りでなく,

この場合,

0.85

の補正係数を適用しなければならない。

備考  ケーブルは,2 本以上が 1 本のコンジット若しくはダクト内に入れられるとき,又は囲いがな

くてもお互いに離れていない場合には,

“束ねられている”という。


20

F 8062 : 1996 (IEC 92-201 : 1994)

表 6  単心ケーブルの連続使用における電流定格 (A) 

(周囲温度 45℃)

1 2 3 4 5 6

一般用

PVC

耐熱用

PVC

ブチルゴム

EPR

及び

XLPE

シリコンゴ
ム及び無機
絶縁体

**

60

*

 75

*

 80

*

 85

*

 95

*

公称断面積

mm

2

A A A A A

  1

  8

 13

 15

 16

 20

    1.5

 12

 17

 19

 20

 24

    2.5

 17

 24

 26

 28

 32

  4

 22

 32

 35

 38

 42

  6

 29

 41

 45

 48

 55

 10

 40

 57

 63

 67

 75

 16

 54

 76

 84

 90

100

 25

 71

100

110

120

135

35

87 125 140 145 165

50 105 150 165 180 200

70 135 190 215 225 255

95 165 230 260 275 310

120 190 270 300 320 360

150 220 310 340 365 410

185 250 350 390 415 470

240 290 415 460 490

300 335 475 530 560

*

印は導体の最高許容使用温度

**

印は 27.

備考を参照

備考1.  表6の電流定格 I (A)  は,各公称断面積 S (mm

2

)

に対し,次の式で算出される。

I

α

×S

0.625

ただし,

α

は導体の最高許容使用温度に関連する係数で,次のとおりである。

導体の最高許容温度 60℃

75

80

85

℃ 95℃

≧2.5mm

2

 9.5

 13.5

15

16

18

α

の値

公称断面積

<2.5mm

2

 8

 13

15

16

20

2.

無機絶縁ケーブル

**

が,その銅シースが使用時に手で触れられるおそれがあるような場所に

装備されるとき,6 欄に示される電流定格は,そのシースの温度が 70℃を超えないように,

補正係数 0.7 を乗じなければならない。

**

印は 27.

備考を参照

表 7  種々の周囲空気温度に対する補正係数

周囲空気温度に対する補正係数

最高導
体温度

35

℃ 40℃ 45℃ 50℃ 55℃ 60℃ 65℃ 70℃ 75℃ 80℃ 85℃

60

℃  1.29 1.15 1.00 0.82  −

65

℃  1.22 1.12 1.00 0.87 0.71  −

70

℃  1.18 1.10 1.00 0.89 0.77 0.63  −

75

℃  1.15 1.08 1.00 0.91 0.82 0.71 0.58  −

80

℃  1.13 1.07 1.00 0.93 0.85 0.76 0.65 0.53  −

85

℃  1.12 1.06 1.00 0.94 0.87 0.79 0.71 0.61 0.50  −

90

℃  1.10 1.05 1.00 0.94 0.88 0.82 0.74 0.67 0.58 0.47  −

95

℃  1.10 1.05 1.00 0.95 0.89 0.84 0.77 0.71 0.63 0.55 0.45


21

F 8062 : 1996 (IEC 92-201 : 1994)

35.

非連続使用に対する補正係数

35.1

もしケーブルが半時間又は 1 時間使用する電動機又は機器に給電しようとするならば,その電流定

格は,

表 で示したように,図 で与えられる該当補正係数を用いて増加できる。

図 の補正係数は,もし,中間休止時間が図 に,ケーブルの直径の関数として示されたケーブル時定

数の 3 倍に等しい臨界時間より長いならば,適用することができる。

備考  図 に示された補正係数は近似値であり,主にケーブルの直径に関係がある。一般に,半時間

使用は,係船ウインチ,ウインドラス,重量物荷役ウインチ及びバウスラスタに適用できる。

半時間定格は自動張力係船ウインチや特殊船のバウスラスタには適切でないかもしれない。

35.2

一般に,荷役ウインチ(重量物荷役ウインチを除く。

,機関室クレーン及び同種の機器の場合のよ

うに,断続使用で運転しようとする単一の電動機又は他の機器に給電するためのケーブルに対しては,

6

で与えられる電流定格は,

図 によって与えられる補正係数を適用することによって増加してよい。

図 に示される補正係数は,4 分間は一定負荷,6 分間は無負荷の 10 分間周期で概略計算される。

36.

電圧降下

36.1

導体の断面積は,その導体が通常の使用状態で最大の電流を流しているとき,主又は非常配電盤の

母線から装置のあらゆる箇所までの電圧降下が公称電圧の 6%を超えないように決定されなければならな

い。55V 以下の電圧の蓄電池からの給電に対しては,この値は 10%に増加してよい。

航海灯に対しては,所要の照明出力及び色を維持するために電圧降下をもっと低い値に制限することが

必要かもしれない。

これらの値は,通常の安定した状態の下で適用される。電動機の始動の場合のように,短時間の特別な

状態の下では,電圧降下の影響で支障をきたさなければ,これらの値を超える電圧降下が許容される。


22

F 8062 : 1996 (IEC 92-201 : 1994)

図 1  半時聞及び 時間の使用に対する補正係数


23

F 8062 : 1996 (IEC 92-201 : 1994)

図 2  ケーブルの時定数


24

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図 3  断続使用に対する補正係数

37.

ケーブルの並列接続

並列に接続されるケーブルの通電容量は,そのケーブルのインピーダンス,断面積及び定格導体温度が

等しければ,全並列導体の電流定格値の和である。並列接続は,10mm

2

以上の断面積に対してだけ許され

る。

38.

回路の分離

38.1

別々のケーブルが,次に規定する回路を除き,個々の短絡保護・過電流保護を要する全回路に用い

られること。

(a)

主回路から分岐される制御回路(例えば電動機用のように)は,主回路とその従属的制御回路が共通

の断路器で制御されるならば,主回路と同一のケーブルの中に含まれてよい。

(b)  JIS F 8061 (IEC 92-101)

の 2.19 で定義されている安全電圧を超えない電圧の非重要回路

38.2

例えば,操だ(舵)装置のように,それに対し,少なくとも二つの給電をもつことを必要とされる

重要電気機器の場合には,給電及びいかなる関連制御ケーブルも,できる限り垂直,水平方向ともに離れ

た,異なったルートを通らなければならない。

38.3

異なった最高定格導体温度(

表 を参照)の絶縁材料をもつケーブルは,共通のクリップ,グラン

ドコンジット又はダクト内に束ねてはいけない。このことができない場合にはケーブルは,それが定格よ

り高い温度になることがないように選ばれなければならない。


25

F 8062 : 1996 (IEC 92-201 : 1994)

38.4

船をいくつかの耐火区画(一般に客船における場合のように)に区分する必要がある場合には,電

路はいかなる主要垂直耐火区画内の火災も他の主要垂直耐火区画内の重要用途のものに害を与えることが

ないように設けなければならない。もし,いかなる区画を通る主要及び非常ケーブルも,垂直及び水平の

両方向にできる限り大きく離れているならば,上記の要求に一致しているとみなされる。

39.

短絡容量

39.1

ケーブルと,その絶縁された導体は,回路保護装置の時間一電流特性だけでなく,最初の半サイク

ル間における推定短絡電流のピーク値も考慮に入れて,そのケーブルが設置された回路のどの部分にも流

れ得る最大短絡電流の機械的,熱的影響にも耐えなければならない。

40.

冷凍区域内のケーブル

40.1

冷凍区域に装備されるケーブルは,水密性 (watertight) 又は防水性 (impervious) のシースをもち,

かつ,機械的損傷に対し保護されなければならない。

ビニル (PVC) の絶縁又はシースをもつケーブルは,もし,その該当するビニルコンパウンドが予想さ

れる低温に適切なものでないならば,冷凍区域に用いてはならない。

もし,がい装が非耐食性の材料で造られたものであるならば,そのがい装は耐湿及び耐低温被覆によっ

て腐食に対し,保護されなければならない。

40.2

冷凍区域内に敷設されるケーブルは,断熱材で被覆してはならない。これらのケーブルは,穴があ

いたトレイ板(例えば,めっきされた鋼鉄製)又は他の適切な支持物にしっかり取り付けなければならず,

それらの支持板は冷凍室の壁との間にすきまを残して設置されなければならない。もし,ケーブルが熱可

塑性プラスチック又は弾性ゴムの押出しシースをもつものであるならば,冷凍室の表面に直接取り付けて

もよい。物掛けとして,ケーブルを不用意に使用することを未然に防ぐために,ケーブルの周りに防護を

施さなければならない。アルミニウム張りの場合の電食作用に関して特別な注意が払われなければならな

い。

40.3

もしケーブルがその区画の断熱材を貫通しなければならないなら,酸化に対して保護された材料で

造った入口を備えている管に入れて直角に通さなければならない。


26

F 8062 : 1996 (IEC 92-201 : 1994)

原案作成(担当作業)委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

大  山  敏  夫

三菱重工業株式会社船舶・海洋事業本部

高  橋      諭

財団法人日本海事協会開発部

赤  嶺  淳  一

社団法人日本電機工業会技術部

長谷部  守  邦

社団法人日本電機工業会技術部

小  島  正  男

社団法人日本電子機械工業会技術部

松  尾  廣  昭

日本郵船株式会社工務部

武  田  晴  雄

石川島播磨重工業株式会社船舶海洋事業本部

渡  辺  祥  生

川崎重工業株式会社船舶事業本部

進      健  一

住友重機械工業株式会社船舶海洋鉄構事業部

鬼  頭  博  明

エヌケーケー総合設計株式会社電気計装設計部

沖  野  耕  司

日立造船株式会社船舶・防衛事業本部

阿  部      均

三井造船株式会社船舶・艦艇事業部

桑  原  克  郎

三菱重工業株式会社船舶・海洋事業本部

大  石  幸  明

大石電機工業株式会社

鈴  木  載  裕

小糸工業株式会社制御技術部

山  田  尚  寿

株式会社高工社技術部

栗  田  勝  也

株式会社三英電機製作所

西  村  徹  哉

寺崎電気産業株式会社舶用事業技術部

佐  藤  康  宏

西芝電機株式会社運輸システム事業部

村  山  元  久

株式会社フジクラ産業電線事業部

大  矢  昭  三

アンリツ株式会社通信システム事業部

岡  田  高  志

日本無線株式会社営業技術部

(事務局)

福  島      彰

財団法人日本船舶標準協会

今  井  要  介

財団法人日本船舶標準協会