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日本工業規格

JIS

 F

6714-

1995

ウインドラス

Windlasses

1.

適用範囲  この規格は,外洋を航行する船に装備する電動,油圧及び蒸気駆動ウインドラス(以下,

ウインドラスという。

)について規定する。

備考1.  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS F 3301

  アンカー

JIS F 3303

  フラッシュバット溶接アンカーチェーン

2.

対応国際規格:ISO 4568  Shipbuilding−Sea−going vessels−Windlasses and anchor capstans

2.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。

(1)

使用荷重  アンカーチェーンの呼び径と等級によって決まる荷重で,鎖車にかかる接続方向の引張力

4.(2)参照]

(2)

過負荷荷重  一時的に必要な,鎖車にかかる巻き上げ可能な最大荷重[4.(3)参照]。

(3)

保持荷重  鎖車ブレーキ装置が,保持すべきアンカーチェーンにかかる静的最大荷重[4.(4)参照]。

(4)

定格速度  アンカーチェーン 82.5 m(3 連)が水中にあり,アンカーが海底についていない状態から

55 m

(2 連)を巻き上げる間の平均速度[4.(6)参照]

(5)

アンカーチェーンの破断試験荷重  対象とするアンカーチェーンの呼び径と等級に対して JIS F 3303

に規定するアンカーチェーンの破断試験荷重。

3.

種類  ウインドラスの種類は,構造によって区分し,次の表 のとおりとする(付図 参照)。

表 1

種類記号

種類

構造

1

一体形ウインドラス

1

組の駆動機を中央に,鎖車部をその両端に配置するもの。

2

片玄形ウインドラス

1

個の鎖車と 1 組の駆動機からなるウインドラスで,左右玄にそれ

ぞれ装備するもの。

3

片玄形鎖車ユニット 
(外部単数駆動機駆動)

1

組の外部駆動機によって駆動される 1 個の鎖車をもつ片玄形鎖車

ユニットで,左右玄にそれぞれ装備するもの。

4

片玄形鎖車ユニット 
(外部複数駆動機駆動)

2

組の外部駆動機によって駆動される 1 個の鎖車をもつ片玄形鎖車

ユニットで,左右玄にそれぞれ装備するもの。

5

キャプスタン形ウインドラス

垂直軸に取り付けた鎖車を駆動するもの。

6

連結形ウインドラス

1

個の鎖車と 1 組の駆動機からなるウインドラス 2 台を軸継手で連

結し,1 個の鎖車をいずれの駆動機によっても駆動できるもの。

備考  2 形及び 3 形では,右勝手と左勝手とがあり,ウインドラスを操作側から見た場合に鎖車の駆動機が鎖車

の右側にあれば,そのウインドラスを右勝手という。同様に駆動機が鎖車の左側にあれば,そのウインド
ラスを左勝手という。

なお,右勝手は右玄用,左勝手は左玄用を必ずしも意味するものではない。


2

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4.

性能  ウインドラスは,次の性能を持たなければならない。ただし,これらの性能は,同時に 2 個の

鎖車を使用しないという条件に基づいている。したがって,6 形(連結形ウインドラス)の場合は,1 個の

鎖車に対して両玄分の駆動機を使用して,所定の負荷を巻き上げてもよい。

(1)

ウインドラスは,使用荷重で 30 分間の連続運転ができ,かつ,過負荷荷重を巻き上げるときに,低速

で最低 2 分間の連続運転ができるものとする。

(2)

使用荷重は,次による。

(a)

第 1 種アンカーチェーン:37.5d

2

 (N)

(b)

第 2 種アンカーチェーン: 42.5d

2

 (N)

(c)

第 3 種アンカーチェーン: 47.5d

2

 (N)

ここに,d :  アンカーチェーンの呼び径

(3)

過負荷荷重は,使用荷重の 1.5 倍とする。

(4)

保持荷重は,次による。

(a)

制鎖器付きの場合:アンカーチェーンの破断試験荷重×0.45

(b)

制鎖器無しの場合:アンカーチェーンの破断試験荷重×0.8

(5)

コントロールブレーキが装備される場合のコントロールブレーキ保持荷重は,使用荷重の 1.3 倍とす

る。

(6)

定格速度は,0.15 m/s 以上とする。この場合の条件は,JIS F 3301 に規定するアンカー及び JIS F 3303

に規定するアンカーチェーンを用い,ホースパイプの効率を 70 %とする。

参考  ウインドラスの性能については,船級協会の要求事項に留意する。

5.

構造

5.1

ウインドラスの構造は,波浪などの衝撃を考慮して強固なものとし,各部の操作は,容易なものと

する。

なお,暴露甲板に装備されるもので密閉される部分は,適当な防水構造とする。

5.2

一体形及び連結形ウインドラスの鎖車は,単独及び同時に駆動できる構造とする。

5.3

鎖車は,次による。

(1)

鎖車のつめは,最低 5 個とし,アンカーチェーンの鎖車への巻掛け角度は,最小 110°とする。

(2)

鎖車は,クラッチによって駆動機から切り離せる構造でなければならない。動カクラッチの場合は,

手動でも切り離せるものとする。

5.4

ブレーキ装置は,次による。

(1)

電動ウインドラスには,操作ハンドルを“停止”の位置にするか,又は電源を切るかした場合に作動

する自動コントロールブレーキ装置を設けなければならない。この自動コントロールブレーキ装置は,

4.(5)

に示すコントロールブレーキ保持荷重を保持できなければならない。

(2)

鎖車には手動ブレーキ装置を設けなければならない。この鎖車ブレーキ装置は,遠隔操作をしてもよ

く,4.(4)に示す保持荷重を保持できなければならない。

5.5

遠隔操作をするウインドラスには,機側に急速作動非常停止機構を設けなければならない。この機

構は,作動時に,ウインドラスへの動力供給を断って自動コントロールブレーキ装置を作動させるもので

ある。

なお,この機構を装備するかどうかは,受渡当事者の間で協議の上で決めてもよいが,装備する場合は,

ウインドラスの近くのはっきり表示された近づきやすい場所とする。


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5.6

原動機及び駆動装置には,過度のトルク,衝撃などを受けないように,また,安全のために次の保

護装置及び安全装置を設けなければならない。

(1)

油圧機器の過圧防止装置

(2)

電動機と減速機との間のスリッピングクラッチ

(3)

電動機の過負荷保護装置

(4)

開放歯車装置のカバー

(5)

蒸気シリンダの火傷防止カバー

(6)

クランクディスクのカバー

5.7

鎖車の回転速度は,制御が可能でなければならない。

5.8

アンカーチェーンを巻き上げるための操作方法は,手動ホイール又はクランクハンドルの場合は時

計方向に,ハンドレバーの場合は操作者の方に引いて操作することとし,その操作方向を明確に表示しな

ければならない。

6.

強度

6.1

ウインドラスの床板,鎖車,鎖車軸,軸受フレーム,ブレーキ装置,据付けボルトなど本体部の強

度は,4.(4)に示す保持荷重を鎖車上で保持したとき,各部の応力が材料の降伏点以下でなければならない。

6.2

ウインドラス駆動部の強度は,4.(2)に示す使用荷重が作用したとき,各部の応力が材料の降伏点の

40

%以下でなければならない。

7.

試験及び検査  ウインドラス及び鎖車ユニットは,次の試験を行い,その検査成績を記録しなければ

ならない。この規定以外の試験を行う場合は,契約時にその内容について,注文者と製造業者との間で取

り決めておかなければならない。

また,すべての試験について,その実施場所は,事前に注文者と製造業者との間で取り決めておかなけ

ればならない。

(1)

無負荷試験  無負荷で正転,逆転各方向に 15 分ずつ合計 30 分間,定格速度に相当する回転速度で運

転する。歯車切換え式の場合は,切換えごとに更に各 5 分間の同一試験を追加する。

運転中,次の項目について検査又は計測する。

(a)

油漏れの有無

(b)

軸受の温度

(c)

異常音の有無

(2)

負荷試験  原則として 4.(1)に規定されているとおり,使用荷重,定格速度及び過負荷荷重が得られる

かどうか確認しなければならない。確認の方法については,注文者と製造業者と協議の上,決めても

よい。

(3)

鎖車ブレーキ試験  鎖車ブレーキの保持力の確認をしなければならない。確認の方法については,注

文者と製造業者と協議の上,試験又は計算のいずれによってもよいものとする。

また,鎖車ブレーキは,船上において,アンカーを落下させながら,約

1

2

連ごとに鎖車ブレーキを

操作して制御及び保持する試験を行わなければならない。

(4)

作動確認試験

(a)

遠隔制御又はその他の特殊な装置を設けている場合は,その作動を確認する。

(b)

電動ウインドラスの自動コントロールブレーキ装置は,電動機製造所において,その作動を確認す


4

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る。

(c)

クラッチ及びスリッピングクラッチ(電動ウインドラス)の作動を確認する。

8.

製品の呼び方  ウインドラスの呼び方は,規格名称,種類記号,駆動機の別(電動機駆動の場合は E,

油圧駆動の場合は H,蒸気駆動の場合は S)

,アンカーチェーンの呼び径及びアンカーチェーンの等級によ

る。ただし,規格名称の代わりに規格番号を用いてもよい。


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付図 1

備考

は操作位置を示す。


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船舶部会  甲板補機専門委員会  構成表(昭和 58 年 12 月 1 日制定のとき)

氏名

所属

(委員会長)

成  毛  竹  夫

財団法人日本海事協会

片  岡  栄  夫

運輸省船舶局

大久保  和  夫

工業技術院標準部

草  野      博

財団法人日本船舶標準協会

柏  木  十三郎

株式会社アジア船舶工業社

岡  沢      治

川崎重工業株式会社西神戸工場

福  永  靖  夫

三菱重工業株式会社原動機事業本部原動機開発部

夫津木      武

辻産業株式会社技術部

奥  山  孝  志

社団法人日本中型造船工業会

奥  田  清  人

株式会杜福島製作所舶用基本設計部

中  西  一  雄

日本鋼管株式会社本社造船基本設計部

吉  田  真  哉

三井造船株式会社船舶海洋プロジェクト事業本部

平  野  泰  直

石川島播磨重工株式会社船舶事業本部船舶設計室第一船舶設計部

森  川      卓

社団法人日本船主協会

長谷川  和  男

株式会社上野運輸商会

山  川  信  雄

林兼造船株式会社横須賀造船所

砥  石  研  治

日本郵船株式会社工務部

今  井  弘  次

住友重機械工業株式会社船舶海洋鉄構事業本部第一設計部

山  名  俊  茂

大阪商船三井船舶株式会社工務部

百合草  正  韶

船舶整備公団

(事務局)

黒  河  亀千代

工業技術院標準部機械規格課

武  藤  晃  雄

工業技術院標準部機械規格課

(事務局)

高  橋      潔

工業技術院標準部機械規格課(平成 7 年 3 月 28 日改正のとき)