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F 6601

:2013

(1) 

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

1

4

  一般要求事項  

2

4.1

  油清浄機の分離効率の評価方法  

2

4.2

  固形分粒子の分離効率の評価方法  

2

4.3

  水分の分離効率の評価方法  

2

5

  試験油 

2

5.1

  性能試験以外の試験に用いる試験油 

2

5.2

  性能試験に用いる試験油  

2

6

  試験項目及び検査項目  

3

7

  試験装置  

3

8

  試験方法  

3

9

  試験成績表の作成  

7

附属書 A(参考)試験成績表の例  

8


F 6601

:2013

(2) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般財団法人日本

船舶技術研究協会(JSTRA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日

本工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS F 6601:1996 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


   

日本工業規格

            JIS

 F

6601

:2013

船用分離板形油清浄機陸上試験方法

Ships and marine technology-Shop test code for dic type centrifugal oil

purifiers

序文 

この規格は,1956 年に制定され,その後 7 回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は 1996 年に

行われたが,その後の試験手順,サンプリング,試験装置などの技術動向の変化に対応するために改正し

た。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

適用範囲 

この規格は,船舶に用いる燃料油又は潤滑油の中のきょう(夾)雑物(水分,固形分などの不純物)を

取り除く,油清浄機のうち,分離板形遠心油清浄機(以下,油清浄機という。

)の陸上試験方法について規

定する。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 8312

  歯車ポンプ及びねじポンプ−試験方法

JIS K 2213

  タービン油

JIS K 2275

  原油及び石油製品−水分試験方法

JIS K 2276

  石油製品−航空燃料油試験方法

JIS Z 8901

  試験用粉体及び試験用粒子

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1 

分離板形遠心油清浄機 

回転体内に分離板を組み込んだ高速遠心分離機。

3.2 

通油量 

清浄油及び廃液[分離された水分,固形分(スラッジ)など含む。

]を単位時間に吐き出す量の総和。

3.3 

計画処理量 

船用油清浄機の製造業者が定めた処理容量。


2

F 6601

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3.4  

標準試験油 

油清浄機の性能試験に用いる試験油の粘度,温度などの標準的な処理条件を規定するために用いる油。

通常,50  ℃において 380 mm

2

/s 及び 700 mm

2

/s に相当する粘度において代表的な燃料油をそれぞれ適用す

る。油清浄機の製造業者が定める計画処理量の表示にも活用できる。

3.5  

試験油 

油清浄機の性能試験に用いる油。この規格では,JIS K 2213 の 1 種(無添加)タービン油(VG 32 又は

VG 46)を使用する。

3.6  

回転速度 

回転体の 1 分間の回転数。通常,回転軸において測定するが,構造上測定が困難な場合は,駆動軸又は

駆動用電動機の回転速度を換算することによって,求めることができる。

一般要求事項 

4.1 

油清浄機の分離効率の評価方法 

油清浄機の分離効率の評価方法は,試験油中の固形分粒子及び水分の分離効率によって,評価する。

4.2 

固形分粒子の分離効率の評価方法 

試験油中の固形分粒子の分離効率の評価方法は,JIS K 2276 の 17.[微粒きょう雑物試験方法(試験室ろ

過法)

]に従い,清浄機入口側及び出口側のサンプルを採取する。規定量のサンプルをあらかじめ質量を測

定したメンブレンフィルタ(孔径 0.8 µm)でろ過し,このフィルタを洗浄,乾燥した後,増量を測り,固

形分粒子の質量を測定する。

次の式によって,固形分粒子の分離効率 η

s

(%)を算出し,評価する。

η

s

=(1−Ws

out

 / Ws

in

)  × 100

ここに,

Ws

out

油清浄機出口側の試験油中の固形分の質量

Ws

in

油清浄機入口側の試験油中の固形分の質量

4.3 

水分の分離効率の評価方法 

試験油中の水分の分離効率の評価方法は,JIS K 2275 の 4.(カールフィッシャー式容量滴定法)による

カールフィッシャー法に従い,清浄機入口側及び出口側のサンプルの水分量(質量)を測定する。

次の式によって,水分の分離効率 η

w

(%)を算出し,評価する。

η

w

=(1−Ww

out

 / Ww

in

)  × 100

ここに,

Ww

out

油清浄機出口側の試験油中の水分量

Ww

in

油清浄機入口側の試験油中の水分量

試験油 

5.1 

性能試験以外の試験に用いる試験油 

性能試験以外の試験に用いる試験油は,JIS K 2213 の 1 種(無添加)タービン油を用い,製造業者の定

める条件に従い使用する。

5.2 

性能試験に用いる試験油 

性能試験に用いる試験油は,次による。


3

F 6601

:2013

a)  JIS K 2213

の 1 種(無添加)タービン油(VG 32 又は VG 46)を使用する。

b)

固形分粒子の分離性能試験に用いる試験油は,a)の試験油に質量で 0.1 %の固形分(1 000 kg の試験油

に対して,試験用固形分粒子 1 kg)を混合して使用する。

c)

b)

の固形分粒子は JIS Z 8901 の規定による試験用粉体 1 を使用して行う。ただし,試験用粉体の物性

は,次による。

1)

試験用粉体の種類:JIS 試験用粉体 1  11 種  関東ローム(焼成品)

2)

中位径の範囲(μm)

:1.6∼2.3

3)

粒子密度の範囲(g/cm

3

:2.9∼3.1

4)

化学成分(質量%)

:SiO

2

(34∼40),Al

2

O

3

(26∼32),Fe

2

O

3

(17∼23)

d)

水分の性能試験に用いる試験油は,a)の試験油に容積で 0.5 %の清水を混入して使用する。

試験項目及び検査項目 

油清浄機の試験及び検査は,次の a)h)によって行う。ただし,*を記載した試験項目及び継続試験のう

ち,音響測定は同一製造業者の同一設計で,製造番号 2 番機以降の油清浄機は省略することができる。

a)

始動試験

b)

停止試験

c)

性能試験*

d)

過速度試験*

e)

動揺試験*

f)

継続試験

g)

附属機器の作動試験

h)

開放検査

試験装置 

油清浄機の試験装置は,

図 及び図 によるほか,箇条 の規定による試験が実施できる装置でなけれ

ばならない。

なお,試験装置に使用する駆動用電動機及び清浄機用ポンプは,次による。

注記  図 は,性能試験装置の配管系統図,図 は,動揺試験装置(参考図)についてそれぞれ示す。

a)

駆動用電動機は,油清浄機に装着するものを使用することが望ましい。

b)

油清浄機用ポンプの試験は,次による。

1)

油清浄機と共通の電動機によって駆動するポンプは,油清浄機とともに行う。

2)

油清浄機と別個の動力によって駆動するポンプは,単独で試験を行い,組合せ試験を省略してもよ

い。

3)

ポンプの性能試験を必要とする場合は,JIS B 8312 による。

試験方法 

油清浄機の試験方法は,次による。

なお,試験電源は,電動機の端子電圧及び周波数の定格値又はこれに近い値とするのが望ましい。ただ

し,受渡当事者間の協定によって,一部変更することができる。


4

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a)

始動試験  始動試験は,無負荷状態で始動し,回転部の加速状態の良否を調べる。

なお,始動から計画回転速度に達するまでの時間,周波数,電圧及び最大電流値を記録する。

b)

停止試験  無負荷又は封水状態において計画回転速度で運転中,電源を遮断後停止に達するまでの時

間を測定するとともに,その作動状態を調べる。

制動機を装着するものでは,更に,無負荷又は,封水状態において計画回転速度で運転中,電源遮

断後直ちに制動し,停止に至るまでの時間を測定するとともに,その作動状態を調べる。

c)

性能試験  性能試験は,固形分粒子の分離性能試験及び水分の分離性能試験について,それぞれ実施

する。

1)

固形分粒子の分離性能試験  固形分粒子の分離試験は,次による。

1.1)

性能試験に用いる試験油の粘度及び温度条件  性能試験に用いる試験油は,5.2 a)の規定による。

試験油は,標準試験油の処理動粘度に適合させるため,

表 に従い規定の処理動粘度となるまで

加熱する。

表 1−標準試験油に相当する試験油の粘度及び温度条件 

標準試験油の種類

試験油の種類

処理動粘度

処理温度

380 mm

2

/s@50  ℃の燃料油

タービン油  VG 32

35 mm

2

/s 38

℃±0.5  ℃

タービン油  VG 46

46.5  ℃±0.5  ℃

700 mm

2

/s@50  ℃の燃料油

タービン油  VG 32

55 mm

2

/s 28

℃±0.5  ℃

タービン油  VG 46

36  ℃±0.5  ℃

標準試験油の動粘度は 50  ℃における 380 mm

2

/s 及び 700 mm

2

/s の代表的な燃料油とする。

試験油の種類は,JIS K 2213 の 1 種(無添加)による。 
処理温度は,試験油の粘度−温度線図による。

1.2)

試験油の通油量  試験油の通油量は,表 に示す試験油の処理動粘度及び処理温度における計画

処理量の 100 %又は 50 %の流量とする。

1.3)

試験油の調製  試験油の調製は,次による。

1.3.1)

図 の試験油タンク T01 に 8 c)1.1)によって調製した必要量の試験油を注入する。

1.3.2)  5.2 b)

に従い,油清浄機に供給する試験油中の固形分濃度を調合する。

1.3.3)

図 の試験油タンク T01 から試験油を容器に取り,少量ずつ試験用粒子を混入しながらかくは

んする。さらに試験用粒子の分散を完全にするために,超音波(出力 500 W 以上)を 2 回,そ

れぞれ 4 分間照射する。

1.3.4)

超音波の照射後,試験油中の粒子が適度に分散していることを顕微鏡によって,確認する。

1.3.5)

図 の試験油タンク T01 のかくはん機のスイッチを入れ,試験開始前に少なくとも 30 分間のか

くはんを行う。

1.3.6)  8 c) 1.3.3)

の試験油を

図 の試験油タンク T01 の中に投入する。

1.3.7)

試験開始前の 60 分以内に,

図 の給油ポンプ P1 から三方弁 HV2 を経て,試験設備配管の洗浄

を少なくとも 2 回行う。

1.3.8)

通油前に,

図 の試験油タンク T01 中の粒子が分散していることを顕微鏡で確認する。粒子の

拡散が不十分な場合には,分散剤を添加(濃度 0.1 wt %)し,顕微鏡によって粒子の拡散状態を

確認する。


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F 6601

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略号

装置名称

略号

装置名称

S01

油清浄機 HV1

バルブ

M

電動機 TTin

温度センサ(油清浄機入口側)

HV2

三方弁 TTout

温度センサ(油清浄機出口側)

HV21

サンプルコック(油清浄機入口側) T01  試験油タンク/かくはんタンク

HV22

サンプルコック(油清浄機出口側) T02  清浄油タンク

F

流量計 P1

給油ポンプ(可変容量形)

HT

ヒータ

図 1−試験装置の配管系統図 

1.4)

試験手順  試験手順は,次による。

1.4.1)

温度調節器を設定し,試験油の温度が規定の処理温度になっていることを確認する。

1.4.2)

図 に示す配管の三方弁 HV2 を,バイパス側に切り替える。

1.4.3)

試験油の流量を,規定の流量(計画流量の 100 %又は 50 %)に調整する。

1.4.4)

油清浄機のスラッジの排出を行う。

1.4.5)

図 の三方弁 HV2 を油清浄機側に切り替える。

1.4.6)

図 の清浄油タンク T02 への油の流出を確認と同時にタイマーをスタートさせ,時間を計測す

る。

1.4.7)

通油を開始し,流量及び温度が安定していることを確認する。

1.4.8)

油清浄機の回転体容積の 30 倍に相当した積算流量が通油されたことを確認し,試験油のサンプ

リングを行う。試験油のサンプリングは 0.5 分ごとに計 3 回行う。油清浄機出口側を先にサンプ

リングした後,油清浄機入口側のサンプリングを行う。

1.4.9)  1.4.1)

1.4.8)の手順を繰り返す。


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1.5)

サンプリング  サンプリングを実施する場合には,試験油の流量,油清浄機の入口温度及び出口

温度を計測する。試験油のサンプリングは,

図 のサンプルコック HV21(油清浄機入口側)及び

サンプルコック HV22(油清浄機出口側)から抜き取って行う。サンプリング前から弁 HV21 及び

弁 HV22 を開放し,サンプリング後は閉にする。

1.6)

サンプル油の固形分粒子の分析  固形分粒子の分析法は,油清浄機の入口側及び出口側からそれ

ぞれ試験油をサンプリングし,JIS K 2276 の規定に従い,ろ過及び乾燥させた後,質量を計量し,

4.2

によって分離効率を算出する。

2)

水分の分離性能試験  試験に供する油の水分濃度は,0.5 vol %(1 000 L の試験油に対して,清水 5 L

混合)とする。試験手順は固形分の性能試験に従い実施する。サンプル油の水分分析は,JIS K 2275

の規定によるカールフィッシャー法によって,清浄機入口側及び出口側サンプル油の水分量(質量)

を測定し,4.3 に従い水分の分離効率を算出する。

d)

過速度試験  過速度試験は,封水状態で計画回転速度の 110 %又はそれ以上の回転速度で油清浄機を

5 分間運転し,異状の有無を調べる。

なお,この試験には,別の駆動電動機を使用することができる。

e)

動揺試験  動揺試験は,封水状態で油清浄機を運転し,縦軸を鉛直線に対して 22.5 度ずつ左右に傾斜

させ,1 分間に 5 往復の割合で 5 分間動揺を継続し,異状の有無を調べる(

図 参照)。

図 2−動揺試験装置(参考図) 

f)

継続試験  継続試験は,計画状態で油清浄機を 2 時間連続運転を行い,各部の温度上昇,電動機入力

及び回転速度を測定するとともに振動,音響などの状態を調べる。この場合,連続通油せず封水状態

で行ってもよい。ただし,封水状態で試験を行う場合,附属のポンプをもつものは適切な給油装置を

設けてポンプに通油を行う。


7

F 6601

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g)

附属機器の作動試験  自動装置又は遠隔操作装置をもつ清浄機は,附属装置が確実に作動することを

確認する。

h)

開放検査  開放検査は 8 a)8 g)の試験終了後,ギヤカバーなどを取り外して主歯車の歯面を点検する

とともに回転体を開放し,異状の有無を確認する。また,回転体内部の固形分の付着状態を調べる。

試験成績表の作成 

油清浄機の試験の成績は,試験成績表に取りまとめる。

なお,試験成績表の例を

附属書 A(参考)に記載する。


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附属書 A

(参考)

試験成績表の例

A.1 

試験成績表の例 

試験成績表の例は,次による。

油清浄機陸上試験成績表

      立会者

  顧客名

  工事番号

  試験場所

  主要項目

  試験実施日           年    月    日

油清浄機

電動機

型式

型式

計画処理量

電圧

(V)

出力

(kW)

380 mm

2

/s (l/h)

周波数

(Hz)

電流

(A)

700 mm

2

/s (l/h)

回転速度

(min

1

)

絶縁

回転速度 (min

1

)

製造所

質量

(kg)

製造番号

製造番号

1

始動試験

1)

電圧

(V)

2)

最大電流

(A)

3)

始動から定格回転到達迄の時間

(sec)

2

停止試験

定格回転から停止までの時間

1)

制動有り

(sec)

2)

制動無し

(sec)

3

性能試験

1)

試験油 (1)  油種:      タービン油    1 種(無添加)VG 32  又は VG 46

2)

添加物 (1)  固形分粒子の分離性能試験 

    ①JIS  試験用紛体 1  11 種  関東ローム(焼成品)

②添加量:0.1(質量%)

( )  水分の分離性能試験  ①清水

②添加量:0.5(vol %)

3)

通油量 (1)  重油 380 mm

2

/s  @50  ℃相当,通油量は計画処理量の 100 %又は 50 %。

( )  重油 700 mm

2

/s  @50  ℃相当,通油量は計画処理量の 100 %又は 50 %。

4)

固形分粒子の分離性能試験

サンプル 1

サンプル 2

サンプル 3

通油量

入口側

出口側

分離効率

入口側

出口側

分離効率

入口側

出口側

分離効率

(mg/kg) (mg/kg)  (%)

(mg/kg) (mg/kg)  (%)

(mg/kg) (mg/kg)  (%)

100

%

 

50

%

 

5)

水分の分離性能試験

サンプル 1

サンプル 2

サンプル 3

通油量

入口側

出口側

分離効率

入口側

出口側

分離効率

入口側

出口側

分離効率

(mg/kg) (mg/kg)  (%)

(mg/kg) (mg/kg)  (%)

(mg/kg) (mg/kg)  (%)

100

%      

50

%      

4

過速度試験

試験時間

(5 分間)

電動機

回転体

過速率

(110 %以上)

判定

電圧

電流

回転速度

(V)  (A)

(min

1

5

動揺試験

試験時間

(5 分間)

電動機

回転体

鉛直線との傾斜速

(左右 22.5 度)

速度

(約 5 往復/分)

判定

電圧

電流

回転速度

(V)  (A)

(min

1

6

継続試験

試験時間

(2 時間)

各部温度

電動機

回転体

振動

音響

室温

処理油

ギヤケース

軸受

電圧

電流

回転速度

フレーム

運転時

暗騒音

(℃)  (℃)

(℃)

(℃) (V) (A)

(min

1

(両振幅 µm)  [dB (A)] [dB (A)]