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F 4328 : 2000

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,運輸大臣が制定した日本工

業規格である。

この規格の一部が技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実

用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。運輸大臣及び日本工業標準調査会は,こ

のような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登録

出願にかかわる確認について責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 F

4328

: 2000

舟艇−ガソリン機関の火炎逆流制御

Small craft

−Backfire flame control for petrol engines

序文  この規格は,1998 年に第 1 版として発行された ISO 13592,Small craft−Backfire flame control for petrol

engines

を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。

  なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲  この規格は,艇長 24 m 以下の舟艇において,恒久的に据え付けられたガソリン機関から

の逆火の炎が周辺の環境中に広がるのを防ぐための装置に関して,その構造及び試験に求められる最小限

の要件について規定する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの規格は,その最新版を適用する。

ISO 9227

  Corrosion tests in artificial atmospheres−Salt splay tests

3.

一般要求事項

3.1

ガソリン機関は,逆火の炎が機関の吸入装置内部から周辺の環境中へ広がることを防ぐための装置

を取り付けることができるように設計するか,

又はその装置を取り付けた状態で設計しなければならない。

3.2

逆火の炎の広がりを防止するために,フレームアレスタ装置を使用する場合,その装置は次の条件

を満足しなければならない。

a)

点検及び清掃時,装置に手が届く。

b)

フレームアレスタ本体,又はフレームアレスタと吸入装置との接続部分に,逆火の炎が通り抜けられ

るような開口部がない。

c)

構成部品の組立て又は取り付ける場合,その効果を損なうような位置ずれが生じない構造でなければ

ならない。

d)  7.

に規定した恒久的で,かつ,目立つ方法で識別表示を付ける。

e)

フレームアレスタと,吸気口及びフレームアレスタの構成部品間を確実に固定する方法を備えている。

クランプを使用する場合には,クランプを容易に取り外すことができない方法で,主要コンポーネン

トの一つに固定しておく。ばねを用いて,締め付けてはならない。

3.3

必要に応じてフレームアレスタにアダプタを使用する場合,アダプタは次の条件を満足しなければ

ならない。

a)

吸入装置に直接取り付けることができる。

b)

フレームアレスタに恒久的に取り付けることができる。恒久的な取付けの例として,接着,溶着,リ

ベットなどねじを切った固定具によって,組立てねじ部を据込み加工するものがある。フレームアレ


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F 4328 : 2000

スタと機関の空気吸込み口との間には,抜け落ちる可能性のある遊離部分があってはならない。

3.4

逆火の炎制御機能付きの空気及び燃料吸入装置をもつ機関の仕様については,それぞれの仕様が,

この規格の規定を満足しなければならない。

機関の空気及び燃料吸入装置の仕様にバリエーションがあり,特定製造業者の複数の類似機関で共用で

きる場合,それぞれのバリエーションについても,この規格の規定に適合しなければならない。

規定を満足した機関の空気及び燃料吸入装置の仕様又は構造に変更があった場合には,再試験を行わな

ければならない。

4.

試験

4.1

フレームアレスタの設計仕様ごとに試験を行い,この規格に適合していることを判定する。

4.2

設計仕様が一つの場合においても,部品の組合せがさまざまに異なる場合には,その設計仕様に属

する組立品全般の代表的な火炎阻止性能をもつ三つの供試品について試験を行わなければならない。

4.3

設計仕様ごとの代表供試品の試験は,そのフレームアレスタを 6.16.4 の手順に従って試験した場

合,その設計仕様が故障,損傷及び永久変形を生じることなく,逆火の炎の周辺環境への広がりを防止で

きることが総合的に示されなければならない。

4.4

6.1

6.4 の規定による試験に合格したフレームアレスタの設計仕様又は構造を変更する場合,その変

更が 4.2 に該当すると認められなければ,そのフレームアレスタを再試験しなければならない。

5.

物理的な検査  気化器と組み合わされたフレームアレスタ又は機関の空気及び燃料吸入装置について,

次の要件に適合していることを調査しなければならない。

5.1

すべての供試品について,欠陥を示す兆候がないこと及び生産用図面と一致していることを点検す

る。

5.2

組立品を点検し,フレームアレスタ又は吸入装置が点検及び清掃できることを確認する。

5.3

装着した状態の組立品を点検し,固定具,接続部などに炎が通り抜けることができる開口部がない

ことを確認する。

5.4

組立品の固定具が恒久的に締め付けられていることを確認する。

5.5

構成部品は,位置ずれのないように適切に組み付けなければ,機関に組み付けることができないこ

とを確認する。

6.

試験方法  装置又はシステムは,次の各試験による影響を受けた場合,故障することなくこれに耐え

なければならない。

備考  新しいアイテムは,各試験に使用してもよい。

6.1

振動試験  この試験に使用するフレームアレスタ又はシステム組立品を,気化器若しくは気化器の

模擬品,又は実際に用いる組立品の形に適合する吸入装置に取り付けたうえ,堅固なアダプタによって標

準位置の振動テーブル上に直接装着する。

気化器及びフレームアレスタ組立品,又は吸入装置にピークからピークまでの幅が 1.00∼1.05 mm の振

動を X,Y,Z 面方向にそれぞれ 8 時間ずつ合計 24 時間かけなければならない。振動数が,4 分ごとに 10

∼60 Hz の間を段階的な自動周期変動で,上昇及び下降するように実験装置を設定しなければならない。

6.2

衝撃試験  振動試験に使用した固定具,気化器及びフレームアレスタ組立品,又は吸入装置をその

まま使用する。


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衝撃試験機上に装備を適切に取り付ける。

取り付けた装備に 98 m/s

2

 (10G)

の垂直方向の衝撃を 5 000 回加える。半正弦衝撃パルスのゼロ基線で測

定して 20 ms±2 ms の衝撃を継続する。

6.3

爆発試験  振動試験及び衝撃試験に使用したフレームアレスタ組立品及び気化器,又は機関の空気

及び燃料吸入装置をこの試験にも使用し,50 回試験を繰り返す。

フレームアレスタ組立品又は吸入装置を,通常の装着状態を模擬する形で

図 に示す試験装置に取り付

ける。

吸入装置を試験する場合には,試験装置の代わりに機関を使用してもよい。試験を実施する前に,気化

器又は吸入装置に炎が通り抜けることができる開口部がないことを確実に点検する。また,スロットル及

びチョークバタフライは,すべて全開位置で固定しておく。気化器又は吸入装置のその他の開口部,例え

ば,燃料管,負圧進角装置の接続部などは,密封しておかなければならない。

フレームアレスタ又は吸入装置にオイルブリーザー用の配管が結合できる場合,試験を実施している間

は,その配管を外しておかなければならない。

必要に応じて様々なアダプタを使用し,下室と称する

図 の内径 50 mm±2 mm,長さ 600 mm±10 mm の

室の上端に,フレームアレスタ組立品を取り付けた気化器又は吸入装置を直接装着する。

下室の底部は,閉鎖しておかなければならない(

図 参照)。

フレームアレスタと気化器又は吸入装置との装着方法は,製造業者の指定に従って行う。気化器又は吸

入装置は,完全に開放された状態で直接下室に結合し,気体の流れを妨げるものがないようにする。吸入

装置を評価する場合には,可燃性混合気の導入経路と点火源を改造した機関を下室の代わりに用いてもよ

い。

6.3.1

図 に従って,プロパンガスと空気の予混合気を送り込めるような装備を下室及び上室のベース部

分に設けなければならない。室の内部で,プロパンガスと空気とが混合する構造であってはならない。

すべての試験を通じて,常に制御された均質な爆発性混合気が,フレームアレスタの場合は下室に,吸

入装置の場合には上室及び下室に送り込まれるように設計し,配置した適切な予混合室及び流量計を使用

し,この試験に使用するプロパンガスと空気との爆発性混合気を作らなければならない。ガス及び/又は

空気の吸込み口の取付け具には,適切な制御弁を設け,点火後もガスが燃え続けるような状態になった場

合,すぐに混合気の炎を消火できるようにしておかなければならない。爆発室と混合室との間の接続用取

付け具には,すべてフレームアレスタを設け,混合室へ通じる各管を通じて炎が広がらないようにしなけ

ればならない。


4

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図 1  爆発試験装置

6.3.2

すきまを 0.7∼0.8 mm に設定した 2 個のスパークプラグを,下室のベース部分の,ガス及び/又は

空気のインレット用取付け具の隣に設置する。

最小ピーク電圧 25 000V で,両方のスパークプラグに同時に点火できる二点点火方式としなければなら

ない。


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スパークプラグは,上室にも取り付ける。

6.3.3

すべての試験を実施している間,フレームアレスタ,又は機関の空気及び燃料吸入装置を取り囲む

ように 25以上の上室を取り付けなければならない。

上室の側面のうち少なくとも一面は,透明なプラスチックで製作し,フレームアレスタ又は吸入装置の

点火時の様子がよく観察できるようにする。

圧力を逃がすために上室の上面にヒンジ付きカバー又はフレキシブルフラップを取り付けなければなら

ない(

図 参照)。

6.3.4

計器類には,次のものが含まれていなければならない。

a)

上室及び下室の中にあるプロパンガスと空気との混合気をモニターするためのガス分析計。

b)

それぞれの試験爆発の相対的な強度(激しさ)をモニターするための下室中に取り付ける圧力変換器

及び増幅器並びにオシロスコープ。

c)

ガス及び/又は空気の流量をモニターするための流量計。

6.3.5

次の手順に従って試験を実施する。

a)

試験開始前に下室の最高爆発圧力が発生するプロパンガスと空気との混合比率を求める。

b)

下室及び上室の両方に混合気が入ったとき,下室の混合気に着火する。下室の爆発ごとの最高圧力を

記録する。

c)

a)

で得られた最大爆発圧力の 80 %以上で 50 回の爆発試験を行う。

d)

下室の混合気に着火した後,上室のスパークプラグで上室の爆発がなければならない。

e)

次の試験は,1 回目の試験が終了し,上室及び下室から燃焼後の燃焼ガスをすべて排除した後に行う。

6.3.6

下室での爆発が原因で,上室中のガスと空気との混合気に着火してはならない。

6.3.7

次の試験については,再試験が必要である。

a)

最高圧力の 80 %以下の爆発試験。

b)

上室のスパークプラグが点火した後,上室で失火した試験。

6.4

腐食試験  フレームアレスタ組立品,又は空気及び燃料吸入装置について,ISO 9227 の 5.1 で NSS

試験と定義されている塩水噴霧 (NSS) 試験を 240 時間実施する。

参考  ISO 9227 の規定による標準試料が入手できない場合は,JIS G 3141(冷間圧延鋼板及び鋼帯)

の SPCEN 鋼板を用いてもよい。

試験後のフレームアレスタは,洗浄した後 5.35.5 の規定による物理的な検査に合格しなけれ

ばならない。

7.

表示  この規格の規定を満足しているフレームアレスタには,JIS F 4328 に準じて恒久的な記号を表

示しなければならない。その記号には,製造業者名又は商標,及び形式又はモデル番号による識別表示も

含めなければならない。

8.

機関操作マニュアル  機関製造業者は,機関操作用マニュアルに次の情報を記載しなければならない。

a)

フレームアレスタの機能及び安全に関する情報。

b)

清掃指示をはじめとする点検・整備規定。


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マリンレジャー用舟艇部会/機関及び推進システム専門分科会  構成表

氏名

所属

(専門分科会長)

土  本  寛  治

ヤマハ発動機株式会社

(委員)

中  村  順  造

財団法人日本海事協会

渡  辺  勝  世

日本小型船舶検査機構

井  上  順  行

いすゞ自動車株式会社

大  穀  圭  介

スズキ株式会社

菊  地  正  和

トーハツ株式会社

米  澤      篤

日産自動車株式会社

青  野  貞  吉

本田技研工業株式会社

松  本      治

ヤンマーディーゼル株式会社

大  越  紀  男

新潟コンバーター株式会社

森  岡  利  充

三信工業株式会社

(事務局)

小  郷  一  郎

財団法人日本船舶標準協会

冨  永  恵  仁

財団法人日本船舶標準協会

仁  平  一  幸

財団法人日本船舶標準協会