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F 1051-1

:2004 (ISO 6185-1:2001)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人  日本船舶標準協会(JMSA)から,

工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,国

土交通大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,

ISO 6185-1:2001

Inflatable boats - Part 1 :

Boats with a maximum motor power rating of 4.5kW

を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS F 1051-1 には,次に示す附属書がある。

附属書 A(規定)膨脹式カヌー及びカヤック(分類Ⅲ)

附属書 B(規定)セールで推進する膨脹式ボート(分類Ⅳ)

附属書 C(参考)代表的分類Ⅰボートの一般配置

附属書 D(参考)代表的分類Ⅱボートの一般配置

附属書 E(参考)代表的分類Ⅲボートの一般配置

JIS F 1051 の規格群には,次に示す部編成がある。

  JIS F 1051-1  第 1 部:最大出力 4.5kW 以下のボート

  JIS F 1051-2  第 2 部:最大出力 4.5kW 以上 15kW 以下のボート

  JIS F 1051-3  第 3 部:最大出力 15kW 以上のボート


F 1051-1

:2004 (ISO 6185-1:2001)

(2) 

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

2

2.

  引用規格

2

3.

  定義

3

3.1

  膨脹式ボート 

3

3.2

  複合型膨脹式ボート

3

3.3

  ボートの浮力 

3

3.4

  RIB の浮力 

3

3.5

  浮力の計算 

3

3.6

  恒久的固有浮力

3

3.7

  恒久的密封浮力

4

3.8

  強化布

4

3.9

  非強化布 

4

3.10

  船内床面積 

4

3.11

  船内床面積の長さ

4

3.12

  膨脹式カヌー 

4

3.13

  膨脹式カヤック

4

3.14

  タイプ カヌー

4

3.15

  タイプ カヌー 

4

4.

  材料

4

4.1

  一般

4

4.2

  船体用強化布(ガラス繊維強化プラスチックコンポーネントは除く。)及び/又は非強化布 

4

4.2.1

  要求事項 

4

4.2.2

  試験方法 

4

4.2.2.1

  サンプリング

4

4.2.2.2

  耐液体性 

4

4.2.2.3

  耐オゾン性 

5

4.2.2.4

  耐寒性 

5

4.3

  材料

5

4.3.1

  一般

5

4.3.2

  合板

5

4.3.3

  板材の構造 

5

4.4

  金属及び合板材料の部品 

5

4.5

  ガラス繊維強化プラスチック

5

5.

  機能的構成部品 

5


F 1051-1

:2004 (ISO 6185-1:2001)

(3) 

5.1

  条件(空気調節)

5

5.2

  船体取付部品 

5

5.2.1

  要求事項 

5

5.2.2

  試験方法 

5

5.3

  持ち運び用部品

6

5.3.1

  要求事項 

6

5.3.2

  試験方法 

6

5.4

  バルブ

6

5.4.1

  充気

6

5.4.2

  排気

6

5.5

  オールロック及びオール 

6

5.5.1

  要求事項 

6

5.5.2

  摩擦損傷 

6

5.5.3

  緩み防止 

6

5.5.4

  オールロックの強度 

6

5.5.4.1

  要求事項 

6

5.5.4.2

  試験方法 

6

5.5.5

  オールロック及びオールの操作性 

7

5.6

  トランサム 

7

5.6.1

  要求事項 

7

5.6.2

  試験方法 

7

5.7

  排水装置 

7

5.8

  遠隔操だ装置(標準又はオプション装置)

7

5.8.1

  組立強度 

7

5.8.1.1

  要求事項 

7

5.8.1.2

  試験方法 

7

5.8.2

  だ板

7

5.8.2.1

  要求事項 

7

5.8.2.2

  試験方法 

7

5.9

  遠隔操だ装置(分類Ⅱに限る。標準又はオプション)

7

5.10

  機関係止索(分類Ⅱに限る)

7

5.11

  えい航装置(すべての分類) 

7

5.12

  座席及び取付け装置(標準又はオプション装置) 

7

6.

  ボートの安全要求事項 

7

6.1

  最大許容搭載人員

7

6.2

  最大出力 

8

6.3

  静的復原性 

8

6.3.1

  要求事項 

8

6.3.2

  試験方法 

8

6.4

  最大搭載量 

9


F 1051-1

:2004 (ISO 6185-1:2001)

(4) 

6.4.1

  要求事項 

9

6.4.2

  試験方法 

10

6.5

  設計圧力 

10

6.6

  船体の強度 

10

6.6.1

  要求事項 

10

6.6.2

  試験方法 

10

6.6.2.1

  試験温度 

10

6.6.2.2

  非強化布製ボートに対するサイクル試験(接合強度)

10

6.6.2.3

  耐熱試験(すべての分類のボートに実施)

11

6.6.2.4

  強化布製ボートに対する耐圧試験 

11

6.6.2.5

  気密試験 

11

6.7

  安全索及び握りハンドル 

11

6.7.1

  要求事項 

12

6.7.2

  試験方法 

12

6.8

  残存浮力 

12

6.8.1

  要求事項 

12

6.8.2

  試験方法 

12

6.9

  操縦性能 

12

6.9.1

  要求事項 

12

6.9.2

  試験方法 

12

6.10

  気室

12

6.11

  操だ位置からの視界

12

7.

  性能要求及び試験方法 

12

7.1

  一般

12

7.2

  水上走行性能(分類Ⅱに限る。)

13

7.2.1

  要求事項 

13

7.2.2

  試験方法 

13

7.2.2.1

  一般

13

7.2.2.2

  試験−軽荷状態

13

7.2.2.3

  試験−満載状態

13

7.3

  えい航装置の強度(すべての分類に適用)

14

7.3.1

  要求事項 

14

7.3.2

  試験方法 

14

7.4

  漕ぎ試験(適用する場合に限る:5.5 参照)

14

7.5

  水密試験(オープンフロアー及び自動排水形ボートは除く) 

14

7.5.1

  要求事項 

14

7.5.2

  試験方法 

14

8.

  製造者銘板 

15

9.

  取扱説明書及び警告事項 

15

10.

  標準備品 

16


F 1051-1

:2004 (ISO 6185-1:2001)

(5) 

附属書 A(規定)膨脹式カヌー及びカヤック(分類Ⅲ)

17

A.1

  適用要件  

17

A.2

  最大許容搭載人員

17

A.2.1  

カヤック   

17

A.3

  積載量,収納容積  

18

A.4

  カヤックの背当てと足止め  

18

A.5

  安全索  

18

A.6  

カヤック及びカヌーの性能要件  

18

附属書 B(規定)セールで推進する膨脹式ボート(分類Ⅳ)

19

B.1

19

B.2

  ボード(板) 

19

B.2.1  

  構造

19

B.2.2

    ボードの強度と機能

19

B.2.3  

試験方法

19

B.3

  静索及び動索 

20

B.4

  帆走 

20

B.4.1  

要求事項  

20

B.4.2  

試験方法  

20

附属書 C(参考)代表的分類Ⅰボートの一般配置

22

附属書 D(参考)代表的分類Ⅱボートの一般配置

23

附属書 E(参考)代表的分類Ⅲボートの一般配置 

24


     

日本工業規格

JIS

 F

1051-1

:2004

(ISO 6185-1

:2001

)

膨脹式ボート  −  第 1 部 : 最大出力 4.5kW 以下のボ

ート

Inflatable boats - Part 1 : Boats with a maximum motor power rating of

4.5kW

序文  この規格は,2001 年に第 1 版として発行された ISO 6185-1:2001,Inflatable boats - Part 1 : Boats with

a maximum motor power rating of 4.5kW

を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成し

た日本工業規格である。

JIS F 1051 の規格群は,図 1 に示すように第 1 部∼第 3 部で構成する。

次のものは除く。

−  単一チャンバーのボート

−  浮力が 1800N より小さいボート

−  浮力が 12kN 以上で機関出力が 4.5kw を超える非強化布製ボート

−  全長が 8m を超えるボート

のものには適用しない

−  水上玩具

−  膨脹式救命いかだ

第 1 部:

分類  Ⅰ

手漕ぎによって推進するボート

分類  Ⅱ

出力が 4.5kW を超えないボート

分類  Ⅲ

カヌー及びカヤック

分類  Ⅳ

帆の面積が 6 ㎡以下のセールで推進するボート

第 2 部:

分類  Ⅴ

出力が 4.5kW 以上 15kW 以下のボート

分類  Ⅵ

帆の面積が 6 ㎡以上のセールで推進するボート

第 3 部:

分類  Ⅶ

出力が 15kW 以上のボート

分類  Ⅷ

出力が 100kW 以上のオフショアボート


2

F 1051-1

:2004 (ISO 6185-1:2001)

     

強化布 又は

非強化布

分類

I,II,III,IV

分類

V , VI

分類

VII , VIII

12kN

超え

強化布

強化布

12kN

以下

強化布又は

非強化布

 1800 N

未満は JIS F 1051 規格群から除外

第 1 部 (F1051-1)

第 2 部 (F1051-2)

第 3 部 (F1051-3)

浮力

N

12000

1800

0

4.5 kW

(6 hp)

15 kW

(20 hp)

最大出力

                             図 1 JIS F 1051 規格群の第 1 部∼第 3 部の区分

1. 

適用範囲  この規格は,全長 8m 以下で浮力が 1800N 以上の膨脹式ボート(複合型膨脹式ボートを含

む)の設計,使用材料,製造及び試験に関する安全上の最小限の要件について規定する。

第1部は,環境温度が−5℃∼+60℃の範囲で使用する次の分類の膨脹式ボートに適用する。

−分類Ⅰ:  手漕ぎによって推進する膨脹式ボート

−分類Ⅱ:  最大出力が 4.5kw 以下の機関を搭載することができる膨脹式ボート

−分類Ⅲ:  膨脹式カヌー及びカヤック[附属書 A(規定)参照]

−分類Ⅳ:  最大面積が 6 ㎡以下の帆によって推進する膨脹式ボート[附属書 B(規定)参照]

備考1.  分類Ⅰ,Ⅱ及びⅢの代表的ボートの一般配置を附属書 CDに示す。

2. 

出力 4.5kW 以上の機関付きボートは

JIS F 1051-2,JIS F 1051-3 参照。

第1部は,単一チャンバーのボート,水上玩具及び膨脹式救命いかだには適用しない。

備考 3.  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD(修

正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 6185-1:2001

,Inflatable boats - Part 1 : Boats with a maximum motor power rating of 4.5kW (IDT)

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発効年(又は発行年)を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの

規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年(又は発行年)を付

記していない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。


3

F 1051-1

:2004 (ISO 6185-1:2001)

     

JIS F 0405  舟艇−推進機関及び装置−出力測定及び出力表示

備考  ISO 8665:1994  Small craft −  Marine propulsion motors and systems−Power measurements and

      declarations が,この規格と一致している。

JIS F 1031    舟艇−遠隔操だ装置

備考 ISO

9775:

1990   Small craft−Remote steering systems for single outboard motors of 15kW

      to 40kW power からの引用事項は,この規格の該当部分と同等である。

JIS F  1034-1    舟艇−船体構造−スカントリング    第 1 部:材料:熱硬化性樹脂,ガラス繊維強化材,

基準積層材

備考  ISO 12215-1:2000, Small craft−Hull construction and scantlings−Part 1: Materials:

Thermosetting resins, glass-fiber reinforcement, reference laminate からの引用事項

は,この規格の該当部分と同等である。

ISO 1817:1999

Rubber vulcanized−Determination of the effect of liquids

ISO 3011:1997   Rubber or plastics coated fabrics−Determination of resistance to ozone cracking

 under static conditions

ISO 4646:1989   Rubber or plastics-coated fabrics−Low-temperature impact test

ISO 7000:1989  Graphical symbols for use on equipment−Index and synopsis

ISO 10240  Small craft−Owner’s manual

ISO 11192(

1

)

Small craft−Graphical symbols

ISO 11591:2000  Small craft−Engine-driven−Field of vision from helm position

ISO 15652(

1

)

Small craft−Remote steering systems for inboard mini jet boats

3. 

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

3.1 

膨脹式ボート(inflatable boat)  設計形状若しくは浮力の全部又は一部が膨脹によって維持する浮体

構造物(船体)をいう。人及び/又は荷物の水上での運搬を意図し,かつ,その設計及び形状が,海上で

発生する力及び運動に耐える能力をもつもの。

3.2 

複合型膨脹式ボート RIBrigid inflatable boat RIB)    3.1 による膨脹式ボートで船体下部は硬質構

造の部材で作られ,膨脹によって船体上部(膨脹式船体)の設計形状及び浮力(又はその部分)を維持す

るボート。

3.3 

ボートの浮力(buoyancy of the boat)  膨脹式船体を形成している気室及びそれに固定している他の

気室の容積。

3.4 RIB

の浮力  (buoyancy of a RIB)    膨脹による浮力に加えて,総浮力の 20%を超えない範囲で密封

された 2 区画以上の浮力又は硬質船体の固有の浮力を含めて計算した浮力。

3.5 

浮力の計算(calculation of the buoyancy)  製造業者が推奨した設計圧力の量を測定又は計算するこ

とによって浮力を決定し,力に関する要求値として表示する。

備考  換算係数は総浮力について 9.81kN/m

3

とする。

3.6 

恒久的固有浮力(permanent inherent buoyancy)  独立気泡材料又は他の材質で真水より密度が低

く使用寿命を超えても最小の水分吸収で船体に密封された区画の中にあるものの浮力。

(

1

)

近く発売予定 


4

F 1051-1

:2004 (ISO 6185-1:2001)

     

3.7 

恒久的密封浮力  (permanent sealed buoyancy)  空気で満たされた密封気密区画。

3.8 

強化布(reinforced materials)  基布に樹脂塗膜加工した材料。

3.9 

非強化布(unsupportable materials)  基布がない材料。

3.10 

船内床面積(inboard area)  浮力チューブの最も内側の側面に接し,甲板に垂直に降ろした平面で

囲まれた内部区域の床面積。

3.11 

船内床面積の長さ(inboard length)  波よけカバー(スプレーカバー)の下部の区域も含んだコッ

クピットの長さをいい,船首及び船尾の最深部間を船体中心線に沿って測定したもの。

3.12 

膨脹式カヌー(inflatable canoe)  艇の長さ/幅の比率が少なくとも 3:1 であり,膝立ち又は着座

姿勢によるシングルパドルで推進し,設計形状及び浮力は気室を充気して形成されたもの。

3.13 

膨脹式カヤック(inflatable kayak)  艇の長さと幅の比率が少なくとも 3:1 であり,着座姿勢によ

ってダブルパドルで推進し,設計形状及び浮力は気室を充気して形成したもの。

3.14 

タイプ カヌー(type A canoe),タイプ カヤック(type A kayak)  長距離クルージングに用いる

ために設計された艇で,数日間の旅行用途のものを含む。

3.15 

タイプ カヌー(type A canoe),タイプ カヤック(type B kayak)  ビーチでの使用のために設計

された艇で,短時間及び短距離のクルージングに用いるもの。

4. 

材料

4.1 

一般  すべての材料は,船に不可欠な要件(形状,寸法,最大荷重,装着出力など)及び設計条件

によって,製造業者が選択しなければならない。通常の航海状態での使用で,材質的に性能を損うもので

あってはならない。また,4.2∼4.5 に規定した要件を満足しなければならない。

膨脹式ボート用のすべての材料は,耐食性でなければならない。

4.2 

船体用強化布(ガラス繊維強化プラスチックコンポーネントは除く。)及び/又は非強化布

4.2.1 

要求事項  ボートを完全な状態に保つためのすべての材料は,規定された適切な要求事項を満足し

なければならず,温度範囲−5℃∼+60℃の使用に耐えるものでなければならない。

4.2.2 

試験方法

4.2.2.1 

サンプリング  試験は,ボートを製造する前にそれを構成する材料から採取した試験片によって

実施しなければならない。製造時に加硫処理をするボートの場合には,試験片も同様に加硫しなければな

らない。

4.2.2.2 

耐液体性  試験は,外側面又は周囲環境に触れる面について,ASTM オイル No.1 を用いて ISO 

1817

に規定による方法で実施しなければならない。

表 の a)及び b)の両ケースともに,40℃±2℃の試験液に次の規定時間浸せきしたとき,各単位面積

当たりの質量変化が 100g/m

2

を超えてはならない。

  1  試験液

試験液

          浸せき時間

a

)オイル

          22h±0,25h

b

)塩水(

1

336h

(最低)

注(

1

塩水の成分:蒸留水の 1 リットル当たり 30g の塩化ナトリウム


5

F 1051-1

:2004 (ISO 6185-1:2001)

     

4.2.2.3 

耐オゾン性  試験は,外側面又は周囲環境に接する面について,ISO 3011 の規定によって行わな

ければならない。

  −  照射時間        72h

−    試験温度        30℃±2℃

−    濃度            50pphm(

2

)

すなわち体積比 0.5×10

-6

−    軸直径          生地厚の 5 倍

(

2

)

空気とオゾンとの体積億分率

試験終了後,試験片をレンズで 10 倍に拡大して検査を行ったときに,き裂の徴候があってはならない。

4.2.2.4 

耐寒性  すべての材料は,−5℃の気温において ISO 4646 の要件を満足しなければならない。

4.3 

材料

4.3.1 

一般  使用する板材及び合板のタイプは,海洋環境での使用に適したものでなければならない。

外気に触れるすべての板材及び合板は塗装,ニス塗り又は防腐処理などの耐候性処理によって,海洋環境

にも適応したものでなければならない。

4.3.2 

合板  すべての合板は,堅木で内面及び外面の単板が結合してあり,接着剤は水及び沸騰水にも耐

えるものでなければならない。使用する板材は良質で十分に乾燥したものとし,材料の性能を損なうよう

な心材,辺材,腐朽,虫食い,ひび割れ,その他の欠陥などがあってはならない。板材は一般的に節があ

ってはならないが,まれにある堅牢な中間節は容認して差し支えない。

例えばベイマツ(米松)のような他の板材は,腐朽,菌類,腐敗,穿孔虫に対して防護処理されている条

件で合板として用いてもよい。縁及び/又は表面に接している箇所,また,木の繊維組織の端が露出してい

る部分も含めて効果的に目止めしなければならない。

4.3.3 

板材の構造  建造に使用する板材は十分に乾燥したものとし,辺材,ひび割れ,その他の欠陥など

があってはならない。

4.4 

金属及び合板材料の部品  材料は,意図する用途に対し,適切な形式,強度及び仕上げをし,海洋

環境に適応したものでなければならない。

4.5 

ガラス繊維強化プラスチック  樹脂,強化材,ラミネート樹脂は,JIS F 1034-1 の要件を満足しな

ければならない。

5. 

機能的構成部品

5.1 

条件(空気調節)  すべての試験は,20℃±3℃の温度で実施しなければならない。

5.2 

船体取付部品

5.2.1 

要求事項  材料及び組立方法は,船体そのものに適合するものでなければならない。ボート(3.1

及び 3.2 参照)に取り付けた耐荷重部品は,5.2.2 の規定による荷重をかけたとき,気密性又は耐水性を

損うものであってはならない。

5.2.2 

試験方法  試験に使用する索の直径は,8 ㎜としなければならない。

取り付け部品には,あらゆる方向から破壊点に達するまで徐々に荷重しなければならない。ただし,2kN

を超える必要はない。2kN に達した場合,その後 1 分間その荷重を維持する。


6

F 1051-1

:2004 (ISO 6185-1:2001)

     

5.3 

持ち運び用部品

5.3.1 

要求事項  ボートには,持ち運び式用品を運搬するための装置を備えなければならない。  5.3.2

に規定する試験に合格しなければならない。

5.3.2 

試験方法  試験用に使用する索の直径は,8 ㎜としなければならない。  適切な方向に 1 分間次の

荷重を装置に徐々に加える。

    分類Ⅰ及びⅢ:500N

    分類Ⅱ及びⅣ:  1kN

持ち運び用部品が安全索又は握りハンドルを兼用する場合には,6.7.1 の要件に適合しなければならな

い。

5.4 

バルブ

5.4.1 

充気  部品は耐食性材料とし,ボートの材料に損傷を与えないものとしなければならない。

ボートに取り付ける充気バルブのタイプ及び配置は,膨脹式ボートに確実に適合したものでなければない。

a

)ボートが陸上又は水上にあってもバルブは,膨脹装置に容易に近づくことができ,接続できる。

b

)バルブは,所定の座席位置の乗員に対し不便でない。

c

)バルブは,ボートの操作の妨げにならない。

d

)バルブは,ボートの乗降の妨げにならない。

e

)バルブは,索,安全索若しくはボートの構造上の可動部品又は乗員や荷物の動きによって,損傷又

    は外れない。

f

)バルブには,固有の密閉するキャップを備え付けなければならない。キャップは,不慮の紛失を避

    けるためにバルブと確実に連結しておかなければならない。

g

)浮力気室圧力を制御でき,その気圧測定が可能である。

5.4.2 

排気  船体の排気は,充気バルブ又は別の装置によって手動で操作できなければならない。備えて

いる別の装置は,耐食性材料で製造し,ボート生地を損傷しないものでなければならない。設計及び取付

位置は,5.4.1 の  b)∼  e)の要件を満足しなければならない。

いかなる気室の排気も,他の気室の空気又はガスを漏えいしてはならない。

5.5 

オールロック及びオール

5.5.1 

要求事項  オールロック及びオールの規定は,強制ではない。標準又はオプション装備として備え

付けている場合には,5.5.2∼5.5.5 に示された要求事項を満足しなければならない。

5.5.2 

摩擦損傷  オール及びオールロックのしゅう動面は,摩擦損傷を起こすようなおうとつがあっては

ならない。オールロックの外面は,滑らかで船体をこん包したときに損傷を引き起こすような鋭い縁及び

角があってはならない。

5.5.3 

緩み防止  オールロックは,不慮の緩みに対して安全でなければならない。2 本のオール又はパド

ルを収納する場所を設けなければならない。

5.5.4 

オールロックの強度

5.5.4.1 

要求事項  オールロック又は取り付け部品は,5.5.4.2 に規定する試験を行い,構造上の欠陥が

あってはならない。

5.5.4.2 

試験方法  試験に用いる索の径は,8 ㎜としなければならない。  オールロックを含め漕ぐための

装置にあらゆる水平方向から 300N の力を 1 分間加える。


7

F 1051-1

:2004 (ISO 6185-1:2001)

     

5.5.5 

オールロック及びオールの操作性  7.4 の試験を行ったときに,部品に構造上の欠陥又は永久変形

を生じてはならない。また,効率的に漕ぐことができるようにオールロック装置は十分に堅牢であること

を実証しなければならない。

オールは少なくとも船首へ 60°船尾へ 60°制約なく自由に操作できなければならない。

5.6 

トランサム(トランサム付きのボートに限る)

5.6.1 

要求事項  ボートのトランサム又は機関取付台及びそれらの取り付け器具は,通常の使用において

次によって発生する最大の力に耐えるよう設計しなければならない。

−  製造者が記載している機関の出力及びトルク

−  機関の質量

5.6.2 

試験方法  7.2 に詳述する水上走行中及び走行後の目視検査。

5.7 

排水装置  トランサムを備え付けるボートには,少なくとも 1 個のドレンプラグ又は排水器具を備

えなければならない。  船体/甲板が一体構造の RIB で独立気ほう又は同等の材料を充てんしていないも

のは,船体下部に排水設備を設けなければならない。

5.8 

遠隔操だ装置(標準又はオプション装置)

5.8.1 

組立強度

5.8.1.1

要求事項  だ板を 60゜を超える角度で 500 回作動させた後に,破損又は他の損傷を生じてはなら

ない。

5.8.1.2 

試験方法  各作動(サイクル)は操だ機を含めて 1 秒以内に行わなければならない。だ板は,所

定位置に没水しなければならない。

5.8.2 

だ板

5.8.2.1 

要求事項  だ板は,用具を使用することなしにボートの船底の高さへ引き上げることができ,又

作動位置へ固定できなければならない。

5.8.2.2 

試験方法  目視検査による機能試験。

5.9 

遠隔操だ装置(分類Ⅱに限る。標準又はオプション)  いずれの遠隔操だ装置も ISO 15652 及び JIS F

1031

の要件に適合しなければならない。

7

.の規定によって性能試験をしたときに,装置又はボートに附属のあらゆる関連部品に損傷又は永久変形

があってはならない。

5.10 

機関係止索(分類Ⅱに限る)  機関係止索は,適切な位置へ取り付けなければならない。

5.11 

えい航装置(すべての分類)  すべてのボートは船首にえい航索を固縛するために適したえい航装

置を備えなければならない。7.3 強度試験参照。

5.12 

座席及び取付け装置(標準又はオプション装置)  7.の規定によって性能試験を行ったときに,座

席又は関連部品に損傷又は永久変形があってはならない。

6. 

ボートの安全要求事項

6.1 

最大許容搭載人員  各ボート分類の    最大許容搭載人員 の計算は,次によって行う。

分類Ⅰ

3

.

0

Ai

n

=

ここに,Ai は平方メートル表示の船内床面積


8

F 1051-1

:2004 (ISO 6185-1:2001)

     

分類Ⅱ,Ⅳ

 

1

38

.

0

=

li

n

ここに,li はメートル表示の船内床面の長さ

分類Ⅲ    附属書 A  参照

いかなる場合においても 人の合計体重によって,最大搭載量を超えてはならない。(6.4 参照)  。

最大出力が 3kW(4hp)を超えるか,又は帆走装置が装備されている場合には,は,1 名減少する。

分類Ⅰ,Ⅱ及びⅣのボートに関し,数値 n は,常に切り捨てによる整数でなければならないが,小数点第

一位が 5 より大きい場合には,

子供一人を加えてもよい。

また 7 より大きければ大人一人を加えてもよい。

計算に使用する子供の体重は,37.5kg とし,大人の体重は 75kg とする。

製造者銘板に示す数値は,8e)を参照するが,少なくとも大人 1 人を含み,子供は 1 人を超えてはなら

ない。

6.2 

最大出力  分類Ⅱのボートだけに適用する。

−  トランサムなしのボ−ト

P

max

 = 0.8 x F(d)

−  トランサム付きのボ−ト

P

max

 = 1.2 x F(d)

ここに,

P

max

:  JIS  F 0405 によって定めた kw 表示の機関の最大出力値

F(d)

:  I×b(ボート係数)

ここに,

  I

:  船首から後部フロート端までのメートル表示のボート全長(握りハンドル,その他の附属品を除

    く)

b

    メートル表示のボート全幅(握りハンドル,その他の附属を除く)

6.3 

静的復原性

6.3.1 

要求事項  製造業者が指定した最大出力の機関(6.2 参照)を装着したボートは,6.3.2 に規定す

る試験をしたとき転覆してはならない。

6.3.2 

試験方法  試験は,機関を装着し,燃料タンク,蓄電地又は帆走装置を除いた状態で行わなければ

ならない。  試験用荷重は,図 に示す試験荷重区域全体に配置しなければならない。

キログラム表示の合計試験荷重 m

t

は次の計算式による。

m

t

 = (0.67 x n x 75) + (0.67 x 37.5 )

  子供を適用する場合

ここに

n

:製造業者によって決定された大人の最大許容搭載人員(6.1 参照)

すなわち,各搭載人員の大人に対して 75kg,必要な場合,子供に対して 37.5kg。

備考 37.5kg の鋼製試験おもりの寸法は,図 による。


9

F 1051-1

:2004 (ISO 6185-1:2001)

     

                                                                                  単位  ㎜

図 2

大人 人と子供 人の静的復原性試験

1

  代表的な荷重板  例:木材

5

荷重板取付ボルト用

2

  取付部品又はオールロック

6

  荷重おもり  鉄 37.5kg

3

  試験荷重区域

7

  荷重おもりの重心

4

アイボルト用

8

  浮力チューブ

6.4 

最大搭載量

6.4.1 

要求事項  ボートが運搬できる最大搭載量は,次の式による。

−  分類Ⅰ及びⅢ

m = (0.5 x V x 1000) – M

−  分類Ⅱ及びⅣ

= (0.75 x V x 1000) – M


10

F 1051-1

:2004 (ISO 6185-1:2001)

     

ここに,

m

最大搭載量(kg)

(乗員,備品,船外機及び燃料を含めた船上の総質量)

V

ボートの容量(m

3

,ボートの浮力

M

製造業者によって供給されたボートの総質量(kg)

(ボートに恒久的に設置したすべての備品,すなわち船体,取付部品及びその他のぎ装品。ただし,船

外機と燃料を除く。

)      恒久的に設置した機関及びドライブ装置は含めなければならない。

6.4.2 

試験方法  最大搭載量を計算し,製造業者の定めた値と比較する。

6.5 

設計圧力  製造業者は,完全に膨脹したボートの各気室(浮力気室,キール,座席,オーニングな

どを含む)に設計圧力を明記しなければならない。圧力は,それぞれの気室上又は使用者用取扱説明書の

中(又は両方とも)に明記しなければならない。また,ボートの浮力気室に関しては,製造者銘板に示さ

なければならない。

(8.参照)

使用者が指定圧力に達したかを確かめられるよう,製造業者は適切な器具又は圧力計を提供しなければ

ならない。又はその代わりに,支給する取扱説明書(9.参照)に正しく判断するのに十分な方法を記載し

なければならない。

圧力は,バール(bar)で表示しなければならない。製造業者の選択で追加の単位として psi(pounds/inch

2

を併記してもよい。

6.6 

船体の強度

6.6.1 

要求事項  ボートは,6.6.2 による次のそれぞれの関連試験をした後に,気密性(6.6.2.5 参照)

を保持しなければならない。

6.6.2 

試験方法

6.6.2.1 

試験温度  すべての試験は,特に指定のない限り 20℃±3℃の温度で実施しなければならない。

6.6.2.2 

非強化布製ボートに対するサイクル試験(接合強度)  ボートは,製造業者の取扱説明書に基づ

いて組み立て,設計圧力まで十分に充気しなければならない。

(6.5 参照)

試験は,3 つの段階で行わなければならない。

a) この段階での試験手順は,交互に少なくとも隣接する主浮力気室を順に行わなければならない。

(図

   3 参照)  設計圧力の 1.1 倍の圧力の充気で 50 回繰り返す。

b)完成したボートを設計圧力まで充気し,12 時間放置する。

c) a)の充気を 25 回繰り返す。

6.6.2.5.2 によって,各浮力気室の気密性を試験する。


11

F 1051-1

:2004 (ISO 6185-1:2001)

     

1

  気室 1 4

  気室 2

2

  気室 2 5

設計圧力

3

  気室 1

図 3  浮力気室の気密試験

充気サイクルの試験継続期間は,次による。

  −設計圧力までの充気時間:      2.0 分間

  −設計圧力での維持:            0.5 分間

  −圧力 0 までの排気時間:        0.5 分間

  −圧力 0 を維持する時間:        0.5 分間

隣接する気室は同時に試験をしてはならない。

6.6.2.3 

耐熱試験(すべての分類のボートに実施)  ボートは,取扱説明書に基づいて組み立て,設計圧

力の 1.1 倍の圧力まで充気する。そして恒温室で 60℃に保ち 6 時間放置する。試験完了後,ボートを恒

温室から取り出し,周囲と同じ温度になるまで自然冷却する。  6.6.2.5(6.6.2.5.1 は強化布製ボート又

は 6.6.2.5.2 は非強化布製ボート)の規定によるボートの気密試験を行う。

6.6.2.4 

強化布製ボートに対する耐圧試験  浮力チューブのそれぞれの気室を,30 分間製造業者が指定す

る設計圧力の 1.5 倍に充気する。個々の気室が共通の基布で仕切られているとき(例  内部仕切隔壁)

,こ

れらの気室は,隣接気室の排気をしてからそれぞれ個々に試験を行わなければならない。損傷及び破壊が

あってはならない。また,ボートは,6.6.2.5.1 の規定による気密試験を行わなければならない。

6.6.2.5 

気密試験

6.6.2.5.1 

強化布製ボート  ボートは,支持台の上に置くか又は床から離して,かつ,風のない場所で直

射日光に暴露しないよう設置する。ボートの各気室は,あらかじめ製造業者が指定する設計圧力(6.5  参

照)よりも 20%以上充気し,30 分間放置する。

次に設計圧力に戻し,更に,気室内圧力が安定するように 30 分間保持する。

圧力を設計圧力に再設定し,そのまま 24 時間放置する。周囲の温度及び大気圧を記録する。

24 時間経過後その圧力がボートのいずれの気室においても 20%以上低下してはならない。

最終段階の周囲の温度と大気圧を記録する。

テスト開始時と計測時との温度差は,±3℃を超えてはならない。

テスト開始時と計測時との大気圧の差は,±1%を超えてはならない。

周囲温度 1℃の上昇又は下降ごとに 0.004bar の修正量を記録したボートの気室圧力から差し引くか,又

は,加えることができる。

6.6.2.5.2 

非強化布製ボート  気密度は,間接的に材料の収縮度を測定して行う。  すべての気室は隣接の

気室の空気を抜き,個々に試験を行う。

室温下で気室の圧力を設計圧力の 1.1 倍まで膨脹させた後,直ちに約 100mm の長さの 1 片の紙帯を気室の

表面に円周の方向に伸ばしておき,その両端を糊付けし,その紙帯を半分に水平に切断する。この際,試

験を行う浮力体気室の隣接の気室は,排気する。この状態で 2 時間後切断部の両方が重なり合ってはなら

ない。

6.7 

安全索及び握りハンドル


12

F 1051-1

:2004 (ISO 6185-1:2001)

     

6.7.1 

要求事項  すべての分類のボートは,座席に全員着座している状態,又はボートが転覆して船外で

水上にある場合でも,許容人員がそれぞれしっかりとつかまることができる適切な握りハンドルを備えな

ければならない。すべての握りハンドルは,その機能及び配置について許容人員が長時間けがのおそれが

なく確実に掴まることができるように設計しなければならない。

握りハンドル及び組立部品は,5.2 の規定による船体取付部品の要件に適合しなければならない。安全索

及び握りハンドルが持ち運び用部品の機能を備える場合には,5.3 の規定にも適合しなければならない。

分類Ⅰのボートは,ボートの外周に安全索を装備しなければならない。

分類Ⅱ及びⅣのボートは,船側両サイドに安全索及び/又は握りハンドルを装備しなければならない。

分類Ⅲのボートは,附属書 の Aによって取り決めなければならない。

6.7.2 の規定による試験をしたとき,握りハンドルの組立部分には不具合があってはならない。

6.7.2 

試験方法  目視検査及び評価。  それぞれのハンドル及びライフラインアッセンブリは,次の力に

よって,1 分間一定方向に荷重する。水上で実際に評価を行う。

(7.2 参照)

     分類Ⅰ及びⅢのボート:  500N

     分類Ⅱ及びⅣのボート:    1kN

6.8 

残存浮力

6.8.1 

要求事項  一番大きな浮体気室の空気抜けの後に,船体の残存浮力は少なくとも製造業者が定めた

最大搭載量の 50%以上でなければならない。

(6.4 参照)

6.8.2 

試験方法  残存浮力を計算又は測定しなければならない。

6.9 

操縦性能

6.9.1 

要求事項  最大搭載量まで積載している膨脹式ボートは,突然いずれか一つの気室が空気抜けした

場合でも設計上のどれか一つの方法によって推進できなければならない。オールは,パドルとして用いて

もよい。

6.9.2 

試験方法  静穏な水域で,おおむね真っ直ぐに,少なくとも 50m 進まなければならない。

6.10 

気室  膨脹浮力は,幾つかの気室(部屋)をもたなければならない。

船体に恒久的に据え付けていない補助的な膨脹気室(3.3 参照)は,容積計算には含めてはならない。

最低気室数は,表 2 による。

表 2

最低気室数

最大出力

kW 

ボート係数

F(d)

気室数

8

以下

    2

4

.5

8

を超え

    3

備考    ボート係数は,6.2 による。

6.11 

操だ位置からの視界  操だ位置からの視界は,ISO 11591 の要求事項に適合しなければならない。

7. 

性能要求及び試験方法

7.1 

一般  ボートは少なくとも 5.8(適用する場合に限る。)及び 6.6 による試験に合格しなければならな

い。

ボートは,製造業者の取扱説明書によって,組み立てるとともに推奨圧力まで膨脹しなければならない。

試験は,7.2∼7.5 の順序で実施しなければならない。


13

F 1051-1

:2004 (ISO 6185-1:2001)

     

試験は,観測有義波高 300mm の条件下で実施しなければならない。

7.2 

水上走行性能(分類Ⅱに限る。)

7.2.1 

要求事項  試験終了時にボートは,厳密に検査しなければならない。

船体のいかなる部分,甲板又はスウォートのようなボート構成部品に破損,ひび割れ,裂け,はく離など

の形で構造上の欠陥があってはならない。これには,床/船体,甲板/トランサム,浮力チューブ/船体

などのような境界接続部分を含む。

構造上の損傷又は欠陥を起こすはく離や摩耗の兆候があってはならない。

ボートは,転覆してはならない。

ボートは,適度に乾いていなければならない。

操だ手は,常に十分な視界を保持しなければならない。

7.2.2 

試験方法

7.2.2.1 

一般  遠隔操だ装置が標準装備してある場合には,それを使用する。オプション装備の場合には,

かじと遠隔操だ装置の両方を使用して試験を実施する。

7.2.2.2 

試験−軽荷状態  操だ手だけ乗船する。合計試験時間は,機関を最大前進推力に制御するように

セットして 45 分間以上行う。

ボートは船首を直接風上に向けそれから順次風下へほぼ 45゜に分けて進路を取る。

(図 4 参照。

これは最低限度,少なくとも 5 つのコース(針路)

,向かい風,船首斜め向かい風,横風,船尾斜め追い風,

追い風状態で行う。

それぞれのコースの終了間際に左玄と右玄への急旋回を行わなければならない。

(図 4 参照)

7.2.2.3 

試験−満載状態  ボートに人員換算の最大搭載量に見合った質量を均一に搭載した状態で

7.2.2.2 の規定による試験を繰り返し行う。

(6.1 及び 6.4 参照)

すべての握りハンドルは,6.7.1 の要求を満たし,はっきりと見えなければならない。

すべての座席及び取り付け装置は,5.12 の要求を満たし,はっきりと見えなければならない。


14

F 1051-1

:2004 (ISO 6185-1:2001)

     

1

  向かい風コース

4

  船尾斜め向かいコース

2

  船首向かい風コース

5

  追い風コース

3

  横風コース

6

  真風向

図 4  水上走行性能試験

7.3 

えい航装置の強度(すべての分類に適用)

7.3.1 

要求事項  試験終了時にボートを厳密に検査した際,甲板又はスウォートのような船体又はボート

の構成部分に構造上の欠陥があってはならない。ここには,床と船体のような境界接続部分を含む。

試験中に機関が水没したりボートが転覆しそうな船首の水中への沈み込み又は浮き上がりの傾向があって

はならない。

7.3.2 

試験方法  6.1 によって,計算上の最大許容搭載人員を乗船する。

指定えい航位置(5.10 参照。

)にボートの全長の 3 倍に相当する長さ(±15%)のえい航索を取り付け 4kn

以上の速力でボートをえい航する。曳航は,15 分以上実施する。

7.4 

漕ぎ試験(適用する場合に限る:5.5 参照)  ボートは軽荷状態(7.2.2.2 参照。)及び満載状態(7.2.2.3

参照。

)の両方で 300m 以上の距離を漕ぐ。

試験中及び終了時にオールロック装置を検査し,オールが制約なく動くかどうか確認する。

7.5 

水密試験(オープンフロアー及び自動排水形ボートは除く)

7.5.1 

要求事項  試験終了時にボートは,厳密に検査しなければならない。  船内には,いかなる水の侵

入があってはならない。

7.5.2 

試験方法  ボート内に水がないことを確認する。製造業者が推奨する最大搭載量までボートに荷重

する。荷重は最大出力の機関(製造業者が定めたもの)及び乗員の通常着座位置に配置する。

ボートは,20 分間水上で静止しなければならない。

45

5

4

3

2

1


15

F 1051-1

:2004 (ISO 6185-1:2001)

     

8. 

製造者銘板  ボートは,1 箇所又は 2 箇所に明りょう,かつ,消えない方法で印刷又は刻印した銘板

を取り付けなければならない。銘板には次のすべての事項を表示しなければならない。

a)この規格のこの部の番号及びボートの適合する分類  。ヨーロッパ指令(94/25/EC)への承諾が要求され

  た場合,ボートの設計分類を製造者銘板に表示しなければならない。

b)  製造者又は輸入者の名前及び製造国

c)  製造番号又は製造年月日及び型式又はモデル番号。JIS F 0080 の規定による船体識別番号(HIN)

  を使用することを推奨する。

d) kW 表示による最大機関出力                        (記号表示)

e)  最大許容搭載人員数                                (記号表示)

f)  最大搭載量                                        (記号表示)

g)  推奨圧力                                          (記号表示)

h)  帆走装置一式を備えている場合は,最大帆面積        (記号表示)

追加事項は,製造業者の選択によって,追加することができる。

[機関の最大質量など]

番号付与システム(HIN)を使用する場合には,c)で指定された事項を表示する必要はない。

d)∼h)に関しては,図 に示す記号を含めて使用しなければならない。ISO 7000 及び ISO 11192 参照。

括弧で表示する追加単位は,製造業者の選択で含めることができる。

  1  製造者銘板に用いる記号

9. 

取扱説明書及び警告事項  取扱説明書は,適切な言語で,かつ,平易な言い方で表し,座席,操縦装

置,蓄電池及び燃料タンク(適用する場合に限る。

)に関するものを含み,正しく組み立て,ボートを水に

浮かせて使用するための充気及び組立を取扱者が十分理解できるように作らなければならない。

詳細に充気及び組立順序の重要性を記載している取扱説明書には,したがわないときの危険性を強調した

警告を記載しなければならない。

ボートの乾燥,保管及び点検に関する説明も含めなければならない。


16

F 1051-1

:2004 (ISO 6185-1:2001)

     

蓄電地液,油,ガソリンのような液体の有害影響の可能性に関する適切な警告及び注意書きを記載しなけ

ればならない。

ボートの不均衡な乗員の配置又は荷重の積載に起因した危険に関する警告を,含まなければならない。

取扱説明書には,自然現象による危険性を警告しなければならい。また,その警告は,容易に視認できる

方法で記載しなければならない。

“沖に向かう風及び潮流に用心(BEWARE OF OFFSHORE WINDS AND CURRENTS)”.

製造者銘板(8.参照)に記載しているデータを超えたときの危険性を強調した警告を記載しなければな

ない。

追加情報を含める場合は,ISO 10240 を参照することを勧める。

10. 

標準備品  次の装備品は,各ボートに製造業者が支給しなければならない。

−  修理用具  小さなパンクに対する修理用具。

(取扱説明書を含む。

−  取扱説明書(9.参照)

標準備品として充気ポンプがないとき,

製造業者は代替の充気ポンプの使用条件を示さなければならない。


17

F 1051-1

:2004 (ISO 6185-1:2001)

     

附属書 A(規定)膨脹式カヌー及びカヤック(分類Ⅲ)

A.1

適用要件  膨脹式カヌー及びカヤックは,JIS F 1051-1 のこの部の主要な条文のすべての要件に加

えて,この附属書の詳細要件にも適合しなければならない。 ただし,次の項目は,除く。

5.5     オールロック及びオール

6.1     最大許容搭載人員

    −6.2      最大出力  

6.3      静的復原性

7.2      水上走行性能

7.4      漕ぎ試験 座席及び取付装置  (適用する場合。

A.2

最大許容搭載人員

A.2.1  

カヤック    各乗員に対する最小着座面積は,表 A.1 のとおりとしなければならない。

許容人員数 n(大人又は子供)は艇床に重複することなく置くことのできる座席パターンの数に等しい。

各パターンの Z 点は背当ての下部前方端に一致させ,鉛直に置かなければならない。(表 A.1 参照)。

表 A.1  着座面積:カヤックの試験用パターン

単位㎜

A.2.2  カヌー  各乗員に対する最小着座面積/膝立ち面積は,表 A.2 のとおりしなければならない。

許容人員数 n(大人又は子供)は艇床に重複することなく置くことのできる座席パターンの数に等しい。


18

F 1051-1

:2004 (ISO 6185-1:2001)

     

表 A.2  着座面積/膝立ち面積:カヌーの試験用パターン

単位㎜

A.2.1 及び/又は A.2.2 で決めた人員の合計体重は最大搭載量を超えてはならない。(6.4  参照。)

大人は各 75kg 及び子供は 37.5kg とする。

A.3

  積載量,収納容積  タイプ A の艇は,着座区域を除いて,大人一人当たり 50dm

3

及び子供一人当た

り 25dm

3

の最小船内収納容積をもたなければならない。

A.4

  カヤックの背当てと足止め  タイプ A 及びタイプ B のカヤックは,乗員ごとに背当てと足止めを備

えなければならない。タイプ A のカヤックの足止めは少なくとも 700mm∼1100mm の調節ができなければ

ならない(背当てから足止めまでの距離)

。  足止めは転覆時に乗員の足にもつれるものであってはならな

い。

A.5

  安全索  すべてのタイプのカヌー及びカヤックの安全索は,通常のボートの操縦を妨げないように,

船首と船尾の両玄だけに装着しなければならない。

A.6  

カヤック及びカヌーの性能要件  最大及び最小の許容搭載人員が座靴することなく乗船できなけれ

ばならない。

静穏な水面条件で 100m 以上の水上走行試験を行う。

− パドルを使用して操縦者が支障なく直進できる。

  −  座席及び背当てを外した状態で,また,艇内にある程度の水が溜まっている状態でも推進できる。

構造上の損傷があってはならない。

帆走装置をもつ艇は,

附属書 B の要件に適合しなければならない。


19

F 1051-1

:2004 (ISO 6185-1:2001)

     

附属書 B(規定)セールで推進する膨脹式ボート(分類Ⅳ)

B.1  

適用要件  セールを動力にしている膨脹式ボートは,

JIS F 1051-1 のこの部の主要な条文のすべて

の要件に加えて,この附属書の詳細要件にも適合しなければならない。 ただし,次の項目は,除く。

5.9      遠隔操だ(舵)システム  (適用する場合)

5.10    機関係止索

5.12    座席及び取付装置  (適用する場合。)

6.2      最大出力

7.2      水上走行性能

これら例外は,ボートが分類Ⅱであるものは適用しない。

B.2

ボード(板)

B.2.1   

構造  リーボード,ダガーボード及びセンターボードは,工具を使わずに船底の高さまで持ち上

げることができ,所定の位置に固定できなければならない。

ダガーボードは,脱落流失することのないよう固定できなければならない。

B.2.2  

ボードの強度と機能  ボード類及び取り付け部は,帆に 80N/㎡の横荷重が加わったときに損傷又

は永久変形があってはならない。

リーボードに対する横荷重は回転軸からリーボード長さの 2/3 下方の位置に加えなければならない。

図 B.1 参照。)

センターボード及びダガーボードに対する横荷重は,それらの露出している長さ(l

X

)の中心に加えなけ

ればならない。

図 B2  参照)

B.2.3  

試験方法  ボード類は,ボートに装備した状態で両方向からの試験を行わなければならない。荷重

は,一方向につき 10 分間加えなければならない。

              1  回転軸

              2  リーボード


20

F 1051-1

:2004 (ISO 6185-1:2001)

     

              3  横荷重

図 B.1  リーボード強度試験

        1  センター/ダガーボード

図 B.2  センター/ダガーボード強度試験

B.3

静索及び動索  脱着可能マスト及びブームは確実に結合できなければならない。

シートの直径は,8mm 以上でなければならない。

ジブセール及びメインシートは,操だ手によって索止めができなければならない。

B.4 

帆走性能

B.4.1  要求事項  分類Ⅳのボートは,表 B.1 及び図 B.3 記載のテストコースを損傷又は機能の喪失なしに

帆走できなければならない。テストコース A∼B は,真風向に対して 60゜以下の一定角度で帆走する艇の

性能を立証する。例えば,ブイ(浮標)B へタッキングすることなしに風上側から近づくことができなけ

ればならない。

B.4.2  試験方法  試験は,積載状態(表 B.1 参照)を変えて 2 つの試験[a)及び b)]で行う。


21

F 1051-1

:2004 (ISO 6185-1:2001)

     

表 B.1  帆走試験コース

試験

ビューフォート風力

階級

帆走方向

試験回数

積載状態

a)

4

A∼B

3

大人 1 人

b)

4

A∼

3

最大積載荷重

1  真風向 
2  浮標 B 
3  浮標 A

図 B.3  帆走試験コース


22

F 1051-1

:2004 (ISO 6185-1:2001)

     

附属書 C(参考)代表的分類Ⅰボートの一般配置

この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな

い。

1  浮力チューブ

5  縦の仕切り例

2  えい航装置

6  充気バルブ

3  安全索又は命綱

7  持ち運び用部品

4

  製造者銘板

8  オールロック

図 C.1  分類Ⅰボートの一般配置

5

7

3

2

1

8

4

6


23

F 1051-1

:2004 (ISO 6185-1:2001)

     

附属書 D(参考)代表的分類Ⅱボートの一般配置

この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな

い。 
 
                                                                        1        2                          3                                4

                ©

    5

 

6

 

7

 
 

8

 
            16   
 
       
 

9

15 
 
14 

10

 
 
 

11

 
 

12

 
13

1

  製造者銘板

9  オールロック

2  機関

10  安全索又は命綱

3  トランサム

11  底板

4  充気バルブ

12  えい航装置

5  複数の浮力気室又は区画からなる浮力チューブ

13  波よけカバー

6  持ち運び用部品

14  握りハンドル

7  燃料タンク

15  パドル又はオール

8  仕切り隔壁−縦の仕切り例

16  仕切り隔壁−横の仕切り例

図 D.1  分類Ⅱボートの一般配置


24

F 1051-1

:2004 (ISO 6185-1:2001)

     

附属書 E(参考)代表的分類Ⅲボートの一般配置

この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな

い。

     
 
              9

            8

    4

6

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
                                                                                                                                                                7

1

 

                                       
                      3 
 

  5

1  浮力チューブ

6  充気バルブ

2  えい航装置

7  持ち運び用部品

3  安全索又は命綱

8  背当て

4  製造者銘板

9  足止め

5  縦の仕切り例

 E.1  分類Ⅲボートの一般配置


25

F 1051-1

:2004 (ISO 6185-1:2001)

     

参考文献

[1] ISO 62:1999   Plastics−Determination of water absorption

[2] ISO 10087:1995

Small craft−Hull identification−Coding system.

[3] ISO 10240:1995  Small craft−Owner’s manual.