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F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人日本船舶標準協会 (JMSA) から,

工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,国

土交通大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 11812:2001,Small craft−Watertight

cockpits and quick-draining cockpits

を基礎として用いた。

JIS F 1038

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(参考)単一平面によるコクピットボトムの例

附属書 B(規定)高さの異なる複数の平面からなるコクピットボトムの分析

附属書 C(規定)表を用いた排水時間の計算

附属書 D(規定)代替計算方法−水頭損失を組み込んだ直接計算法

附属書 E(規定)水密試験


F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)

(2) 

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

2

3.1

  設計区分 

2

3.2

  船の長さ 

2

3.3

  船の最大幅 

2

3.4

  水線

2

3.5

  船の中央における乾げん(舷)

2

3.6

  帆船

2

3.7

  非帆船

2

3.8

  コクピット及びリセス 

2

3.9

  水密コクピット又はリセス 

3

3.10

  急速排水コクピット又はリセス

3

3.11

  コクピットソール

3

3.12

  コクピットボトム

3

3.13

  ブリッジデッキ

3

3.14

  閉鎖装置 

3

3.15

  コクピットの停滞水面高さ

3

3.16

  コクピットボトム高さ 

3

3.17

  コクピットボトムの最小高さ

3

3.18

  ドレン

3

3.19

  コンパニオンウェイ開口

3

3.20

  コンパニオンウェイドア

4

3.21

  ウォッシュボード

4

3.22

  シル

4

3.23

  固定シル

4

3.24

  半固定シル

4

3.25

  シル高さ

4

3.26

  最小シル高さ

4

3.27

  コクピット容積

4

3.28

  コクピット容積係数

4

3.29

  水密等級

4

4.

  記号

4

5.

  一般要件

5


F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)  目次

(3) 

ページ

5.1

  積載条件及び測定条件

5

5.2

  “水密”コクピット及びリセスの要件

5

5.3

  “急速排水”コクピット及びリセスの要件

5

5.4

  閉鎖装置

6

6.

  急速排水コクピットボトムに関する要件

6

6.1

  コクピットボトムの最小高さ H

B,min

6

6.2

  リセス又はロッカーに関する 6.1 の適用除外

7

7.

  急速排水コクピットの排水に関する要件

7

7.1

  コクピットの排水

7

7.2

  排水時間

7

7.3

  ドレンの数

8

7.4

  ドレンの最小寸法

8

7.5

  センターボードハウジング及びその他の各種ドレン

9

7.6

  ドレンの取付け

9

7.7

  ドレン配管の設計及び構造

9

7.8

  排水時間の評価

9

8.

  シルの要件

12

8.1

  水密コクピットのシル高さ

12

8.2

  急速排水コクピットのシル高さ及びその他の要件

12

9.

  水密に関する要件

13

9.1

  水密コクピットに関する水密要件

13

9.2

  急速排水コクピットに関する水密要件

13

10.

  オーナ用マニュアル−文書への記述

14

附属書 A(参考)  単一平面によるコクピットボトムの例

15

附属書 B(規定)  高さの異なる複数の平面からなるコクピットボトムの分析

17

附属書 C(規定)  表を用いた排水時間の計算

23

附属書 D(規定)  代替計算方法−水頭損失を組み込んだ直接計算法

27

附属書 E(規定)  水密試験

30

 


     

日本工業規格

JIS

 F

1038

:2003

(ISO 11812

:2001

)

舟艇−水密コクピット及び

急速排水コクピット

Small craft

−Watertight cockpits and quick-draining cockpits

序文  この規格は,2001 年に第 1 版として発行された ISO 11812:2001,Small craft−Watertight cockpits and

quick-draining cockpits

を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格

である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更して規定した事項である。また,

この規格の内容は,ISO 12217-1-3 による舟艇の復原性の評価を行う際の補足的意味合いとなっている。

1.

適用範囲  この規格は,船体の長さ 24 m 以下の舟艇において,“水密”又は“急速排水”として設計

されるコクピット及びリセスの要件について規定する。

コクピット又はリセスの寸法及び形状についての要件又はそれらの使用を要求する場合及び場所につい

ては規定しない。ただし,ポンプ又はその他の手段によらない重力による排水だけに適用する。

備考1.  “急速排水コクピット”という用語は,“セルフドレンコクピット”として一般的に理解され

ている内容と区別する目的で選択された。セルフドレンコクピットの場合も特定の条件で水

が船外に排出されるが,排水速度又はボトムやシル高さなどに関する規定はない。

2.

単一平面によるコクピットボトムの例は,

附属書 による。

3.

この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 11812

:2001,Small craft−Watertight cockpits and quick-draining cockpits (IDT)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発効年(又は発行年)を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの

規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引

用規格は,その最新版(追補を含む)を適用する。

ISO 8666

  −(

1

)

  Small craft−Principal data

ISO 9093-2

  −(

1

)

  Small craft−Seacocks and through-hull fittings−Part 2:Non-metallic

ISO 12216

−(

1

)  Small craft

−Windows,portlights,hatches,deadlights and doors−Strength and tightness

requirements

ISO 12217-1

−(

1

)  Small craft

−Stability and buoyancy assessment and categorization−Part 1:Non-sailing

boats of hull length greater than or equal to 6 m

ISO 12217-2  

−(

1

)  Small craft

−Stability and buoyancy assessment and categorization−Part 2:Sailing


2

F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)

     

boats of hull length greater than or equal to 6 m

ISO 12217-3

    −(

1

)  Small craft

−Stability and buoyancy assessment and categorization−Part 3:Boats of

hull length less than 6 m

JIS F 1034-1

:2002  舟艇−海水コック及び船体貫通金物  第 1 部:金属製

備考  ISO 9093-1:1994,Small craft−Seacocks and through-hull fittings−Part 1:Metallic  からの引

用事項は,この規格の該当事項と同等である。

注(

1

)

  まもなく制定予定。

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

3.1

設計区分  (design categories)  ボートが適切に航行できると考えられる海象と風の状態の区分。

備考  次の設計区分を適用する。

−  A

外洋  (Ocean):十分自給できる装備をもち,ビューフォード風速 8 以上,有義波高 4 m

以上の海象に遭遇し得る中を長期的航海できる能力をもつ設計区分。ただし,ハリケーン

のような異常な海象は除外する。

−  B

オフショア  (Offshore):ビューフォード風速 8 以下,有義波高 4 m 以下の海象に遭遇

し得るオフショアを航海できる能力をもつ設計区分。

−  C

インショア  (Inshore):ビューフォード風速 6 以下,有義波高 2 m 以下の海象に遭遇し

得る沿岸海域,大きな入り江,河口域,湖及び河川を航行できる能力をもつ設計区分。

−  D:

内海(シェルタード・ウォーターズ)(Sheltered waters):ビューフォード風速 4 以下,

有効波高 0.3 m 以下の海象に遭遇し得る沿岸の閉鎖海域,小さな入り江,湖,河川及び運

河を航行できる能力をもつ設計区分。

3.2

船の長さ  (length of hullL

H

  ISO 8666 による船の長さ。

備考  船の長さは,m 単位で表示する。

3.3

船の最大幅  (maximum beamB

max

    ISO 8666

によるモノハル又はマルチハル形舟艇の全体的な船幅。

備考  船の最大幅は m 単位で表示する。

3.4

水線  (waterline) WL  荷重満載で,使用準備完了した状態の水線。

3.5

船の中央における乾げん(舷)  (freeboard amidshipsF

M

    ISO 8666

による荷重満載で,使用準備完

了した状態の中央部水線における乾げん(舷)

3.6

帆船  (sailing boat)  ISO 12217-2 による帆走を主動力として設計したボート。

3.7

非帆船  (non-sailing boat)  ISO 12217-1 による帆走を主動力として設計していないボート。

3.8

コクピット及びリセス  (cockpit and recess)  雨,波,ボートの傾きなどによって,たとえ一時的に

でも水がたまり得る区域全般。

備考  通常,コクピットは人の居住区域として設計されているが,この規格では,本来のコクピット

のほかリセス全般にも“コクピット”という用語を使用する。すなわち,

−  ブルワーク(上甲板より上に伸びている外板など)も大きなコクピットになる場合があ

る。

−  無甲板船は,実質的にほとんどボート全体を含むコクピットを形成している場合がある。

−  コクピットは,ボートのどのような位置にも存在し得る。

−  コクピットは,船尾側で海に開放されていてもよい。


3

F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)

     

3.9

水密コクピット又はリセス  (watertight cockpit or recess)  水密及びシルの高さはこの規格の要件に

適合しているが,排水に関する要件には適合していないコクピット又はリセス。

3.10

急速排水コクピット又はリセス  (quick-draining cockpit or recess)  一つ又は数種類の設計区分に関

するこの規格の要件のすべてに適合する特性及び排水能力をもつコクピット。

備考  コクピットの特性によって,ある設計区分では急速排水のコクピットとみなしても,それより

も高い設計区分では急速排水とみなさない場合もある。

3.11

コクピットソール  (cockpit sole)  コクピットにおける基本的に水平な面で,通常,人がその上に立

つ場所。

3.12

コクピットボトム  (cockpit bottom)  コクピットソールのうち最も低い面で,排水される前の水がた

まる場所。

備考1.  人が立つ高さをコクピットソールの固定部分より高く持ち上げるための装置。例えば,格子,

台,ブリッジデッキなどについては,コクピットボトムの一部とはみなさない。

2.

コクピットボトムは,単一の面を構成するものとする。幾つかの異なる高さをもつコクピッ

トボトムについては,

附属書 によって検討する。

3.13

ブリッジデッキ  (bridge deck)  コンパニオンウェイ開口のすぐ外側に位置し,コクピットボトムよ

りも上方にある区域で,通常,居住区域に入る前に人が足をのせる場所。

3.14

閉鎖装置  (closing appliance)  コクピット,艇体又は上部構造物の開口部を覆うために使用する装置。

例  ハッチ,窓,ドア,機関カバーなど。

3.15

コクピットの停滞水面高さ  (cockpit water-retention heighth

C

  コクピット内にたまる水の深さ。ボ

ートが荷重満載状態で正常に静止して浮いているときのコクピットボトムから船外にオーバフローする箇

所までの高さで測定する。

備考1.  この高さは,平方メートル (m

2

)

で表したオーバフロー面積が > 0.005 L

H

  B

max

のときの最も

低い箇所。通常,コクピットコーミングの最も低い箇所に対応するものである。

2.

h

C

を評価するときには,コンパニオンウェイドアを含むすべての閉鎖装置は閉じられている

ものと仮定する。

3.16

コクピットボトム高さ  (cockpit bottom height)  H

B

  ボートが荷重満載状態で,かつ,正常に静止し

て浮いているときの水線からコクピットボトムまでの高さ。

備考  コクピットボトムが単一平面である場合には,この平面の中央で H

B

を測定する。コクピット

ボトムの高さが複数である場合には,

附属書 によって H

B

を測定する。

3.17

コクピットボトムの最小高さ  (minimum cockpit bottom heightH

B

min

  この規格で要求する H

B

の最

小値。

3.18

ドレン  (drain)  重力によって内部にたまった水を船外に放出できるようにする,コクピットの排水

口。

備考  次の各項もドレンになり得る。

−  水線上又は水線下にあって船外へ排出を行うパイプ

−  船外へ直接排出できるコクピットの一部

−  スカッパー及び放水口

−  その他

3.19

コンパニオンウェイ開口  (companionway opening)  居住区域に通じる開口部。

備考  幾つかのコンパニオンウェイ開口がある場合もある。


4

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:2003 (ISO 11812:2001)

     

3.20

コンパニオンウェイドア  (companionway door)  コンパニオンウェイ開口を閉鎖する目的で設けら

れているドア又は閉鎖装置。

3.21

ウォッシュボード  (washboards)  幾つかの可動板で構成しているコンパニオンウェイ開口のための

閉鎖装置で,閉鎖した状態では 1 枚 1 枚の板を積み重ねた状態になる。

備考1.  モノハルの帆船では非常に頻繁に用いる装置である。

2.

天候の悪化とともに板の枚数を増やしてシルの高さを高くする。

3.22

シル  (sill)  この高さを超えるとコクピット内の水がコンパニオンウェイ開口から入り込み,ボート

内部に大量に流れ込むこととなる防壁。

備考  コクピットロッカー又はコンパニオンウェイ開口以外で,ボートの急速排水区域以外の区域に

通じている開口部のふたについては,それらを覆う閉鎖装置が 9.  による水密の要件を満足して

いる場合には,シルとはみなさない。

3.23

固定シル  (fixed sill)  コクピットと一体化し,恒久的にその一部をなす固定式のシル。

3.24

半固定シル  (semi-fixed sill)  可動式であるが恒久的にボートに取り付けられている閉鎖装置で,定

位置にあるときは固定シルよりも高いシルを構成する。

例  引き戸,開き戸,ハッチ,スライド式シル,ただし,ウォッシュボードは除く。

備考  ランヤードによる取り付けは,恒久的な取り付けとはみなさない。

3.25

シル高さ  (sill heighth

s

  シルの高さ。固定シルの最上面。半固定シルの場合には,閉鎖した状態で

の可動部分の最上面の高さをいう。

3.26

最小シル高さ  (minimum sill heighth

s

min

  この規格で要求する h

s

の最小値。

3.27

コクピット容積  (cockpit volume)  V

C

  放出前,瞬間的にコクピット内に留まり得る水の体積を立法

メートル (m

3

)

単位で表したもの。すなわち,h

C

以下の部分の体積。

3.28

コクピット容積係数  (cockpit volume coefficientk

C

  コクピット容積及び予備浮力の比率。

M

max

H

C

C

F

B

L

V

k

=

3.29

水密等級  (degree of watertightness)  水の浸入に対抗できる閉鎖装置,取付具又は閉鎖面の能力。防

水状況によって区別される。

備考  水密等級は,次による。

等級 1  常に水に浸かっている状態で防水性を保てる等級。

等級 2  ときどき,水に浸かる状態で防水性を保てる等級。

等級 3  飛まつ(沫)を浴びる状態で防水性を保てる等級。

等級 4  垂直から 15  °までの角度で落ちる水から防水性を保てる等級。

4.

記号  この規格で用いる主な記号は,表 による。


5

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  1  記号一覧

記号

単位

意味

該当章

  B

max

m

船の最大幅

3.3

3.28

  C

1

排水時間軽減係数

附属書 

  C

2

水線上排水損失係数

附属書 

  C

3

水線下排水損失係数

附属書 

 d 

 mm

mm

単位のドレン直径

7.8

附属書 BCD

 D 

 m

m

単位のドレン直径

附属書 

  F

M

 

 m

中央乾げん(舷)

3.5

3.28

  h

C

m

コクピットの停滞水面高さ

3.15

7.28.19.1

 

附属書 ABC

  H

B

m

水線を基準としたコクピットボトムの高さ

3.16

6.1

附属書 B

  H

B,min

m

水線を基準としたコクピットボトムの最小高さ

3.17

6.17.6

附属書 B

  h

s

m

シル高さ

3.25

8.29.2

附属書 B

  h

s,min

m

必要最低シル高さ

3.26

8.29.2

附属書 B

  k

C

コクピット容積係数

3.28

7.2

  L

H

 m

船の長さ

3.2

3.28

  t

max

min

最大許容排水時間

7.2

7.8

附属書 BCD

  t

ref

min

標準排水時間 = t

max

/

V

C

7.8

附属書 BC

  V

C

m

3

コクピット容積

3.27

3.287.2

備考  コクピットボトムを基準として測定する高さは で始まる記号で表し,水線を基準として測定する高さは H

で始まる記号で表す。

5.

一般要件

5.1

積載条件及び測定条件  5.25.4 の積載条件は,ISO 8666 の定義による“荷重満載状態で,使用準

備完了した状態”とする。場合によっては,この積載条件に特定容積内にたまる水の質量を付け加えなけ

ればならない(6.2.1 及び 6.2.2 を参照)

測定又は計算は,ボートが静かな水面で正常に静止して浮いている状態で行わなければならない。

備考  コクピットから排水中,すなわち,コクピットが部分的又は全面的に水で満たされているとき

には,積載量は上記の条件を超える。また,トリム(荷重の釣り合い)が変化する場合もある。

5.2

“水密”コクピット及びリセスの要件  “水密”のコクピット及びリセスは,次の要件を満足しな

ければならない。

−  8.  に適合するシルをもつ。

;及び

−  9.  に適合する水密等級をもつ。

5.3

“急速排水”コクピット及びリセスの要件  “急速排水”コクピット及びリセスは,次の要件を満

足しなければならない。

−  水線上のボトム高さ

H

B

が 6.  に適合している。

−  排水装置が 7.  に適合している。

−  8.  に適合するシルをもつ。

−  9.  に適合する水密等級をもつ。

簡略化のため,この規格ではボトム高さが同一レベルのコクピットについて考察する。幾つかの異なる

ボトム高さをもつコクピットについては,

附属書 によって解析する。

ボトム高さが同一レベルのコクピットに関して,この規格で用いられる主な高さを

図 に略図化する。


6

F 1038

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a)

半固定シルの場合

b)

固定シルの場合

1.

  水線

7.

  アクセス用コンパニオンウェ

2.

  コクピットボトム

8.

  固定部分最上面

3.

  水が溢れ出る地点

9.

  可動部分最上面

4.

  コーミング 10.  固定シル最上面

チャンバ及びコンパートメント 11.  ウォッシュボードで閉鎖された

5.

  座席

コンパニオンウェイ

6.

  ドレン

注(

a

)

コクピットボトム中央で測定した H

B

及び h

C

  1  コクピットの縦方向断面略図

5.4

閉鎖装置  水密及び急速排水コクピットに取り付けられ,ボート内部へのアクセス経路となる閉鎖

装置は,ISO 12216 の要件及び 9.  の要件を満足していなければならない。

6.

急速排水コクピットボトムに関する要件

6.1

コクピットボトムの最小高さ H

B,min

   

水線を基準としたコクピットボトムの最小高さ

H

B,min

は,

表 2

による。

  2  コクピットボトムの最小高さ  H

B,min

単位  m

設計区分

高さ  H

B,min

A 0.15

B 0.1

C 0.075

D 0.05

備考  7.2 による最大許容排水時間を満足する

ためには,表中の最小値を超える高さが

必要になる場合もある。

6

3

5

4

9

7

2

8

1

h

c

(

a

)

h

s

h

B

(

a

)

6

10

11

h

s


7

F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)

     

6.2

リセス又はロッカーに関する 6.1 の適用除外

6.2.1

コクピットボトム面積の最大 10  %までは適用除外  コクピットボトムの水平射影面に対して合

計 10  %までの面であれば,6.1 に適合していなくてもよい。このような面の中でコクピットの排水後も水

が残る部分については,満載積載状態の評価時,容量一杯まで水がたまっているものとする。

6.2.2

コクピットボトムのロッカー  コクピットボトムに配置している次のようなロッカーは,コクピッ

トの一部とはみなさない。したがって,9.  に適合しなくてもよい。このようなロッカーは,満載積載状態

の評価時,容量一杯まで水がたまっているものとする。

−  救命いかだ,氷,魚,えさなどを保管するよう意図されている。かつ,

−  ボート内部に対して水密である。かつ,

−  その閉鎖装置が 5.3 のすべての要件を満足していない。

5.3

及び 9.  の要件を満足している場合には,これらのロッカーは容量一杯まで水がたまっているものと

みなさなくてよく,

“満載積載”状態に対応する最大積載量まで満たされているものとする。

7.

急速排水コクピットの排水に関する要件

7.1

コクピットの排水

7.1.1

一般  排水は,重力だけを利用して行わなければならない。

7.1.2

ボートが正常に浮いている状態のとき  ボートが正常に浮いている状態のとき,コクピット容積の

98

%以上を排水しなければならない。ただし,6.2 の適用除外に該当するリセスはすべて除外する。

7.1.3

ボートが傾いているとき  右舷又は左舷のいずれかにボートが傾いたときにも,7.1.3.1 及び 7.1.3.2

の要件を満足していなければならない。

7.1.3.1

モノハルの帆船  モノハルの帆船は,次の傾斜角度のうち小さい方において,最低限 90  %

V

C

排水能力を確保しなければならない。

−  傾斜角 30°,又は

−  船側の甲板が水面に接触し始める角度

7.1.3.2

非帆船及びマルチハル  非帆船及びマルチハルは,傾斜角 10°で最低 90  %

V

C

の排水能力を確保

しなければならない。

7.2

排水時間  排水時間とは,最大限の水の高さ

h

C

から,残りがコクピットボトム上方 0.1 m になるま

でコクピットの排水を行うために要する時間。

排水時間は,すべての装置を閉鎖した状態で測定又は計算しなければならない。

備考  ボートの予備浮力に対してコクピットの容積が大きい場合には,それに応じて排水時間を短く

する必要がある。コクピット一杯にたまった水を排水する時間が長いと,ボートが非常に危険

な状態に陥るためである。

平方メートル (m

2

)

で表したドレンの断面積が 0.05

V

C

相当又はそれよりも大きい場合には,ドレンの断

面積が十分に要件を満足できる大きさであるとみなし,排水時間の評価は行わなくてよい。

この他のドレン形状については排水時間を評価し,その値が

表 の公式又は図 の曲線によって求めら

れる

t

max

よりも大きくてはならない。


8

F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)

     

  3  最大許容排水時間 

t

max

単位  分

設計区分

t

max

A

0.3 / k

C

ただし,5 以下

B 0.45 /

k

C

ただし,5 以下

C 0.6

/

k

C

ただし,5 以下

D 0.9

/

k

C

ただし,5 以下

コクピットの容積

V

C

は,すべての閉鎖装置及びドレンを閉じていることを条件として,コクピットボト

ムから

h

C

最上面までを測定する。ただし,最終的には 6.2 による除外を適用する。

  2  k

C

コクピット容積係数)及び設計区分別の最大許容排水時間 t

max

7.3

ドレンの数  急速排水コクピットには,右げん及び左げんにそれぞれ 1 個配置した 2 個以上のドレ

ンを設けなければならない。ただし,右げん側又は左げん側のいずれかにボートが傾いた場合でも,7.1

の要求による排水を 1 個のドレンで行うことが可能である場合は,この限りでない。

7.4

ドレンの最小寸法

7.4.1

ドレンの内寸  断面が円形のドレンは,直径が 25 mm 以上でなければならない。断面形状が円形

ではないドレンは,断面積が 500 mm²以上で,かつ,断面の最小寸法が 20 mm でなければならない。

備考  この項の目的は,固定されていない遊離物体及びロープによって容易に詰まってしまうドレン

を排除することである。

7.4.2

保護用格子のあるべき姿  固定されていない遊離物体が排水システムへ落下することを防止する

システムをドレンに装備しているとき,小さな穴の格子の方がドレン自体よりも詰まりやすいことを認識

しておかなければならない。

このような装置内部のあらゆる部位で最小通路寸法が,断面積 125 mm²(又は直径 12 mm)以上で,か

つ,入口全体の断面積がドレンの断面積の 1.5 倍以上の場合には,

表 によって排水時間を計算してもよ

い。

参考  文中“表 3”は,対応国際規格では“表 4”を使用することになっているが,“表 4”はドレン

区分 A

区分 B  区分 C

区分 D

t

max

(分)

5

4

3

2

1

0

0.08  0.1  0.12  0.14  0.16  0.18  0.2  0.22 0.24 0.26

0.28

0.3 0.32 0.34 0.36 0.38  0.4  k

C


9

F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)

     

直径の表であり,これは対応国際規格の誤りであるため,この規格では,排水時間の表である

表 3”  とした。

これらの条件に適合していない場合には,保護用格子による水頭損失を考慮しなければならない(

附属

書 を参照)。

7.5

センターボードハウジング及びその他の各種ドレン  ここに規定する目的のために設計したもので

あれば,センターボードハウジング及びその他の開口をドレンとして用いてもよい。

7.6

ドレンの取付け  艇体を貫通するドレン出口は,水線上に配置する。水線下になる場合には,海水

コックを取り付けなければならない(7.7 参照)

。ただし,ドレン出口が艇体に一体で組み込まれていて,

かつ,出口から水線上 0.75

H

B,min

より高い位置まで伸びている場合にはこの限りでない。

図 は,艇体に組み込まれている一体形のドレン出口を示す。

1.

  水線

2.  0.75 H

B,min

より上方にある艇体及び一体の貫通部分最上面:海水コ

ックを取り付けなくてよい。

3.

  この部分は,ドレン及び艇体外殻が一体化している。

  3  艇体に一体で組み込まれているドレン出口

7.7

ドレン配管の設計及び構造  ドレンの構造及び設計は,そこに掛かり得るすべての負荷を考慮に入

れたうえで決定しなければならない。

ドレンの配管は,ボート内に積まれている遊離物体によって損傷を受けないよう保護されているととも

に,人に蹴られる又は乗られないように保護されていなければならない。

ドレンの配管には途中に水がたまる部位があってはならず,更にコクピットの排水を唯一の使用目的と

しなければならない。この要件は,センターボードハウジング,船外機のモーターウェル及びトランク内

に取り付けられるドレンには適用しない。

海水コック,船体貫通金物及び関連コンポーネント類は,JIS F 1034-1 又は ISO 9093-2 の要件に適合し

なければならない。

7.8

排水時間の評価

7.8.1

一般  排水時間は,実際の排水時間を測定するか又は計算によって判定しなければならない。

7.8.2

排水時間の測定  ボートは,満載排水量に近い状態とし,それに対応する設計トリムに設定する。

コクピットには

h

C

まで一杯に水を満たす。次に

h

C

からコクピット内に残っている水が 0.1 m になるまで,

1

2

3

0.7

5

H

Bi


10

F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)

     

コクピットを空にするために要する排水時間を測定する。残り 0.1 m という水の高さは,コクピットボト

ムの中央から上方に測定する。

備考  コクピットボトム中央の上方 0.1 m の地点を,テープマークで具体的に示しておくのがよい。

7.8.3

排水時間の計算  排水時間を計算するための迅速,かつ,適切な方法は 7.8.4 による。簡略化した

この計算方法では,実際に測定した排水時間と計算上の排水時間とが少し異なってくる可能性もあるが,

どちらの方法も有効とする。

附属書 に,より綿密な計算方法を示す。

コクピット及びドレンの配置が 7.8.4 によるか又は

附属書 の方法に適合しないときには,同様の配置

で実現可能な試験に基づいた値による計算方法を用いる。

7.8.4

2

個のドレンを取り付けたコクピットのための簡易計算法

7.8.4.1

手順 1:要求される最大排水時間  t

max

の判定  7.2 によって,

k

C

 =

V

C

 / (

L

H

B

max

F

mean

)

すなわち,

コクピット容積係数を用いて

t

max

を判定する。

7.8.4.2

手順 2:標準排水時間  t

ref

の判定  2 個 1 組のドレンについて,標準排水時間(水頭損失を考慮し

ない。

t

ref

 =

t

max

 /

V

C

を計算する。

7.8.4.3

手順 3:ドレン出口が水線上か水線下かの判定  コクピットが満水のとき,ドレン出口が水線上

か水線下かを判定する。コクピットが空のときはドレン出口が水線上であるが,コクピットが満水のとき

水線下になる場合には,より安全側に考えてドレン出口が常時水線下にあるものとするか又は両方の場合

の排水時間を計算し,補間によって最終的な時間を算定する方法のいずれかを採用する。

図 に幾つかのドレン配置例を示すが,これ以外の配置でも要件に適合することができる。


11

F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)

     

1.

  水線 4.  水線上にあるドレン出口

2.

  水が溢れ出る高さ 5.  水線下にあるドレン出口

3.

  水線から上の高さ

備考  6.1 によって,コクピットボトムはコクピットが空のときには水線上,

コクピットが満水のときには水線下にあってもよい。

  4  幾つかのドレン配置例

図 の c)  のとき,コクピット内の水の高さ及び“p”地点(排水取入口)の代わりに,コクピット内の

水の高さと“q”地点(ドレン出口)との間のベルヌーイの等式を適用するように試みてもよい。その場合

には,水の流れが拡大すると考えられるが,水には圧縮性がないのでドレン内部の流量は p と q とが一致

しなければならない。したがって,排水取入口の流速は,排水路全体の流速を決定づける。

7.8.4.4

手順 4:必要とされるドレン直径の決定  表 に六つの状態(ドレンが水線上の場合,水線下の

場合,エルボがない場合,2 か所にエルボがある場合,フラップ付き及びフラップなしの放水口の場合)

の適切な排水時間を示す。

コクピットの形状にほぼ対応している

表 の項目を確認し,要件に適合する排水時間

t

ref

からドレンの

直径を選択する。補間法を使ってもよい。

a)

  水線上のコクピットボトム

b)

水線下のコクピットボトム

2

1

1

2

3

h

C

c)

水線上又は水線下のドレン

2

5

H

C

4

p

q

1


12

F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)

     

  4

t

ref

及び一般的なドレンの配置との相関によるドレン直径

一 般 的 な ド レ ン
の配置

t

ref

の値(最小値)

W

L

上ドレン出口,

エルボなし

8.8 5.8

4.1 3.0 2.3 1.8

1.5

1.2

1.0

0.9

0.8

0.7

0.5

0.4 0.3 0.3 0.2 0.2

0.2

W

L

上ドレン出口,

エルボ 2 個

10.0 6.7

4.7 3.5 2.7 2.2

1.8

1.5

1.3

1.1

0.9

0.8

0.6

0.5 0.4 0.4 0.3 0.3

0.2

W

L

下ドレン出口,

エルボなし

10.8 7.2

5.1 3.9 3.0 2.4

2.0

1.6

1.4

1.2

1.0

0.9

0.7

0.6 0.5 0.4 0.3 0.3

0.2

W

L

下ドレン出口,

エルボ 2 個

11.8 7.9

5.7 4.3 3.3 2.7

2.2

1.8

1.5

1.3

1.2

1.0

0.8

0.6 0.5 0.4 0.4 0.3

0.3

W

L

上放出口,

フラップなし

10.1 7.0

5.2 3.9 3.1 2.5

2.1

1.8

1.5

1.3

1.1

1.0

0.8

0.6 0.5 0.4 0.4 0.3

0.3

W

L

上放出口,

フラップ付き

15.2 10.5 7.7 5.9 4.7 3.8

3.1

2.6

2.2

1.9

1.7

1.5

1.2

0.9 0.8 0.7 0.6 0.5

0.4

ドレン直径 d (mm)

ドレン 2 個

25  30

35  40  45  50

55

60

65

70

75

80

90

100 110 120 130 140 150

備考  表 に示す時間の計算は,それぞれ長さ 1.2 m の排水管  2 本を使い,入口での水頭損失係数 K=0.06(附属書 D

の D.3 を参照。

)を適用したときの,水の最高高さ h

c

=0.40 m

から残り高さ 0.10 m までの排水時間を基準とし

ている。h

c

の値が変わると,排水時間は短くなる(

附属書 の表 C.1 の係数 C

1

を乗じた値)

。フラップ付き放

出口の排出時間は,フラップなしでの排出時間に対して 150  %とみなしている。試験によって,この査定は今
後調整される可能性がある。

ドレンの断面が円形でないものについても,断面積は円形ドレンの場合と同じでなければならない。

8.

シルの要件

8.1

水密コクピットのシル高さ  水密コクピットは,高さ

h

C

より下の部分に開口部があってはならない。

8.2

急速排水コクピットのシル高さ及びその他の要件

8.2.1

シル高さの測定  シルの高さを測定するときには,出入口のドアを除き,閉鎖装置はすべて閉じら

れていると想定する。シル高さは,シルとみなされる開口部の最も低い高さである。

内部に通じているコンパニオンウェイ開口によって切り取られている垂直方向の隔壁又は部分的な隔壁

で,コクピットの近く又はデッキ上に位置しているものについては,シル高さ及び水密が,8.  及び 9.  

要件を満足しなければならない。

シル高さは,コクピットボトムからそれを超えると水が浸入し得るシル縁部のうち,最も低い地点まで

を垂直に測定しなければならない。

コクピットボトムが水平でない場合には,シル高さはコクピットボトムに最も近い地点で測定する。

幾つかの異なるボトム高さをもつコクピットについては,

附属書 によって評価する。

8.2.2

急速排水コクピットに関するシル高さの要件  表 にボートの種類及び設計区分によって決定す

る必要最低シル高さ

h

s,min

を示す。

h

s,min

の値は,9.  又は高さの異なる複数の平面をもつコクピットについて考察する場合には,

附属書 A

で用いることができる。


13

F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)

     

  5  固定シル及び半固定シルの最小値  h

s,min

単位  m

モノハルの帆船

非帆船及びマルチハルの帆船

固定シル

半固定シル

固定シル

半固定シル

設計区分

シル最上面

h

s,min

固定部分最上面

h

s,min

/2

可動部分最上面

h

s,min

シル最上面

h

s,min

固定部分最上面

h

s,min

/2

可動部分最上面

h

s,min

A   0.3

 0.15

 0.3

 0.2

 0.1

 0.2

B   0.25

 0.125   0.25

 0.15

 0.075   0.15

C   0.15

 0.075   0.15

 0.1

 0.05

 0.1

D   0.05

 0.025   0.05

 0.05

 0.025   0.05

備考  上記の要件は,ISO 12217 のような他の規格では,表示値よりも高くなる場合がある。

8.2.3

シル高さより上方の装置類及びコンパニオンウェイドアに関する要件  シル高さより上方では,固

定式でも半固定式でもよいが,ISO 12216 に適合する装置を用いて,少なくとも

h

C

の高さまでは開口部を

閉鎖しなければならない。

例  ドア,ハッチ,ウォッシュボード

8.2.4

その他の要件  半固定式のシルとウォッシュボードには,稼動中それらを定位置に保持する役目を

はたし,また,少なくとも内部から操作可能な装置を備えなければならない。

半固定式のシル及びウォッシュボードは,ISO 12216 の強度要件を満足しなければならない。

半固定式のシルは,工具を使用しなければ取外しができないものとする。

ウォッシュボードには,コンパニオンウェイのすぐ近くで,常に手が届く一定の場所にしまい込んでお

けるような手段を設けなければならない。

備考  “常に手が届く”とは,工具を使用せず容易に,かつ,安全に手が届くことを意味する。

9.

水密に関する要件

9.1

水密コクピットに関する水密要件

h

C

より下方の水密コクピット表面は,すべて等級 1 の水密とし

なければならない。

9.2

急速排水コクピットに関する水密要件

9.2.1

コクピットの水密

h

C

より下方の急速排水コクピット表面は,すべて等級 1 の水密としなければな

らない。

閉鎖装置の水密等級は,

表 によらなければならない。


14

F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)

     

  6  急速排水コクピットの閉鎖装置に要求される水密等級

コクピット内の閉鎖装置の位置

水密等級

ボトム及び水平な部位にある閉鎖装置 2

h

s, min

より下のコクピット側面にある閉鎖装置 2

h

s, min

から 2

h

s, min

(

a

)

までのコクピット側面にある閉鎖装置

3

h

s, min

(

a

)

より上のコクピット側面にある閉鎖装置 4

注(

a

)

h

s,min

はコクピットボトムのうち,最も近い部分から測定した値である。

附属書 A

では,コクピットレイアウトの主な例についてどのように考えるべきかを説明して

いる。

備考1.  ISO 12217 のような他の規格では,上記の等級よりも厳しい要件が設定されている

場合がある。

2.

上記要件は,ボートの内側部分(急速排水ではない部分)に通じる開口部を覆う装
置についてだけ適用される(6.2.2 参照)

h

s,min

より下のコクピット側面又はボトムに位置するハッチ及び装置類には,高さ 12 mm 以上のシル及

びシールを取り付けるか又は

附属書 によって装着状態で水密等級 2  かどうかを試験しなければならな

い。

上記の水密等級について試験を行う場合には,

附属書 によって試験する。

9.2.2

恒久的に開放されている通気開口部  内部への水の浸入経路になる閉鎖不能の通気用開口部につ

いて,その最も低い地点は,コクピットボトムから上方に 2

h

s,min

又は 0.3 m のうちのいずれか高い方より

も上とし,かつ,等級 4 の水密としなければならない。

備考  ISO 12217 のような他の規格では,上記の要件はこれよりも厳しくなる可能性がある。

10.

オーナ用マニュアル−文書への記述  オーナ用マニュアル及び他のいかなる書面であっても,コクピ

ットを“水密”又は“急速排水”と文書表示できるのは,宣言するボートの設計区分(又は複数の設計区

分)に関するこの規格のそれぞれの要件を満たしている場合だけとする。


15

F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)

     

附属書 A(参考)  単一平面によるコクピットボトムの例

1.

  水線 8.  固定部分最上面

2.

  コクピットボトム 9.  可動部分最上面

3.

  水が溢れ出る地点 10.  ブリッジデッキ

4.

  コーミング 11.  ソール又は格子

5.

  座席 12.  ドレン断面積に対して 3 倍以上の格子断面積

6.

  ドレン 13.  ウォッシュボードがある場合,固定シルはなし

7.

  アクセス用コンパニオンウェイ

注(

a

)

コクピットボトム中央で測定した

H

B

及び

h

C

図 A.1  単一平面によるコクピットボトムの例

 

 

 
 

 

6

3

5

4

9

7

8

1

2

h

C

(

a

)

h

S

H

B

(

a

)

2

5

4

10  9

7

1

6

h

S

6

5

4

9

7

2

8

1

H

B

(

a

h

S

h

C

=0

2

11

5

4

10  13

7

1

6

12

h

S

a)

半固定シルを使った一般的レイアウト

c)

半固定シルとブリッジデッキ

e)

最下部にすき間のあるトランサムドア

b)

半固定シルとオープントランサム

d)

固定シルと一段高くしたソール

f)

トランサムに設けられた開口部


16

F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)

     

代表的な例を

図 A.1 の a)  ∼  f)  に図示している。

図 A.1 の a)  は,

H

B

及び

h

C

をボトム表面中央で測定することを示している。シル高さは,ボトムの最も

近い箇所で測定する。

図 A.1 の b)  は,コクピットに水が滞留しないとき,

h

C

= 0

で排水時間が 0 であることを示している。た

だし,最小シル高さは必要となる。

図 A.1 の c)  は,ブリッジデッキ付きのコクピットの例を示す。

図 A.1 の d)は,ソールが高くなっている場合,例えば,格子を使用している場合を示す。格子があって

もコクピットボトムを基準とするシルの要件は変わらない。格子は決して排水効率を損なうものであって

はならず,水が流れる十分な断面積がなければならない。

図 A.1 の d)では,マルチホール装備では圧力損

失が大きくなることを考慮して,ドレン断面積の 3 倍に当たる水流断面積を推奨している。  格子の水流断

面積は,

附属書 によって解析できる。排水時間を測定することも可能である。

図 A.1 の d)  はまた,例 a),b)  及び c)  と異なり入口のドアがウォッシュボードでできている。固定シ

ルは,ブリッジデッキの最上面又はウォッシュボードの枠の最も低い地点のうち,低い方で測定する。半

固定シルはない。

図 A.1 の e)  は,トランサムにドアを設けた典型的なモーターボートを示している。ドアがある場合には,

閉じられているものとする。ドアとその下側のシルとのすき間は,ドレン出口とする。形状及び大きさに

よって異なるが,摩擦損失はほとんどない。寸法的に,このすき間は排水時間の要件を十分満たすことが

できると考えられるが,2.1(10°傾斜時にコクピットの 90  %を排水しなければならない。

)を満足するに

は,左げん側にもう一つドレンを設けたほうがよい。

図 A.1 の f)  は,同一のボートであるがトランサムに開口部がある。このボートは,オープントランサム

をもっているとみなすことができるが,その場合でも 7.1 を満足するために左げんに追加ドレンが必要と

なる場合もある。


17

F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)

     

附属書 B(規定)  高さの異なる複数の平面からなる

コクピットボトムの分析

B.1  

一般  コクピットボトムを“排出される前の水が集まる面”とした場合,コクピットには幾つかの異

なる面でコクピット“ボトム”を構成している場合がある。

シル高さの評価には様々な解釈が可能である。次の解釈は,シルのほか,主要なコンパニオンウェイの

前にあって,シル高さの測定値を人為的に大きくする“フットウェル”についても規定している。

B.2  

解釈の一般的根拠

B.2.1

  序文  シルは,コンパニオンウェイドア又はハッチが開いているときの,ボート内への水の浸入防

止を意図している。

天候がよいときには,半固定シルは定位置に設置されていない場合もあり,固定部分のシルだけが有効

となる。この場合,コクピット内へ浸入し得る水の量は,それほど多くない。

天候及び海象が悪化するにつれて半固定シルは高くなり,悪天候時にはコクピットが水で満たされる場

合があり,そのときにはコンパニオンウェイドアは閉じられる。

予想外の大波によって入ってくる水の量を評価しなければならない。

このような大波によって,

h

s,min

に等しい均一の厚みをもつ水の層で,コクピットの水平方向の投影範囲

全体が満たされてしまうと考えるのが簡単な評価方法である。

h

s,min

の値は,設計区分と関連づけられる。

すなわち,想定される天候の厳しさによって決定する。

コクピット形状の解析は,次の二つの瞬間を考える。

−  最初,この水がコクピット内に(瞬間的に)流れ込んでくるとき。

−  2∼3 秒後,水が様々なリセスに流れ込み,そこから船外に排出され始める状態になったとき。

B.2.2

  最初の状態  ボートの急速排水でない部分の内側まで水が到達してはならない。単純な平面からな

るコクピットボトムであれば,これは明らかに,あらゆる場所でシル高さが

h

s,min

である場合に該当する。

したがって,それぞれの底部平面における局部的なシル高さが

h

s,min

以上であればよい。

ブリッジデッキの面積が小さい場合は,その定義上,ボトムとみなすのは適当ではない。大きなブリッ

ジデッキならば一つのボトム高さをなすものとみなすことができる。

B.2.3

  水がすべてのリセスに流れ込んだあと

a)

これらのリセスのうち最も低いボトムの中央で,

H

B

を測定しなければならない。

h

s,min

の高さからコクピットの排水を完了するまでに長時間を要する場合には,内部に水が入り込む

危険性がある。

b)

これらのリセスにたまる大量の水が,ボート内部に流れ込んではならない。

様々なリセスに設けたシルが,たまった水のレベルよりも高ければ,この条件を満足したこととす

る。

排水流量が,コンパニオンウェイ開口から流入する水量と同じ又はそれ以上であれば,この条件を

満足した状態に近いこととする。7.2 による排水時間が 0.05

t

max

未満であれば,後者の要件を満足した

ものとする。

上記の解釈に対応する要件を B.3 に規定する。

B.3

  高さの異なる複数の平面をもつコクピットに関する要件


18

F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)

     

B.3.1

局部的な最小シル高さ  それぞれのコクピットボトムについて,

本体の

表 によって,

固定シルは

h

s,min

以上の局地的シル高さ,半固定シルの固定部分は

h

s,min

/2

以上の局地的シル高さをもたなければならない。

B.3.2

  一般的なコクピットボトム  最も低いボトムの中央地点から

H

B

を測定する。

B.3.3

  局部的なシル高さ

h

s,min

に等しい均一の厚みをもつ水の層で,コクピットの水平方向の投影範囲全

体が満たされてしまい,その水がコクピットからの排水が行われる部分に向かって流れる場合を想定する。

この場合には,次の条件のうち一つを満足しなければならない。

選択肢 1:様々な部位における局地的なシルが,たまった水のレベルよりも高く,かつ,本体の表 5

の該当要件を満足している。

選択肢 2:局地的なシルが,本体の表 の該当要件は満足しているが,たまった水のレベルより低

い場合には,各部分が完全に排水されるまでの排水時間が 0.05

t

max

未満でなければならない。

ある区域が二つの異なる部分へ連なっている場合,その区域にたまった水は各部分へ均等に流れるもの

とする。

ある区域が三つ以上の異なる部分へ連続している場合,全体の投影面積に対するそれぞれの投影面積の

比例配分によってその区域の水を分ける。

上記解析の幾つかの例を,B.4 に示す。

B.4

  様々な場合の解析例

B.4.1

  序文  B.4.2 及び B.4.3 の解析例は,2 本一組のドレンを設け,ドレン出口が水線下にあり,かつ,

エルボはなし,つまり,本体の

表 の 3 行目に相当する例を基準として計算をしている。

B.4.2

  例 1[図 B.1 の a)  参照。]

B.4.2.1

  要件  非帆船,設計区分 C,

L

H

= 8 m

B

max

= 2.5 m

F

M

 = 1 m

,したがって,

L

H

×

B

max

×

F

M

 = 20 m

3

コクピットの寸法:幅 2 m×長さ 2.8 m×深さ 0.65 m(コクピットの平均高さ

h

C

 = 0.65 m

,したがって,

コクピットボトム面積は 2×2.8 = 5.6 m²。

したがって,コクピットの容積は 5.6×0.65 = 3.64m

3

となって,

k

C

 = 3.64/20 = 0.182

このボートは設計区分 C で非帆船とすると:

t

max

 = 0.6/

k

C

 = 0.6/0.182 = 3.3

分で

h

s, min

= 0.1 m

2

個のドレンを設けている場合,

t

ref

 = 3.3/3.64 = 0.91

分で本体の

表 の 3 行目によって

d

≈ 80 mm となる。

4

個のドレンを設けている場合,ドレン 2 個一組当たりのコクピット容積は 1.82 m

3

。よって,

t

ref

= 1.81

分となって本体の

表 から

d

≈ 57 mm となる。

メインコクピットの高さ(コクピットの部分 B)とコンパニオンウェイ開口との間にシルを設けること

を避けるためであるが,ボート製造業者は格子で覆った“ドレンた(溜)まり”を装備している。

大部分のモーターボートのコンパニオンウェイドアは,引き戸又はヒンジ付きの開き戸になっている。

このようなドアは,半固定シル付きのドアとみなす。

コクピットは,三つの異なる部位:A,B 及び C で構成する。

A

部には幅 2 m,長さ 1.5 m のボトムがあるので,面積

S

A

 = 3 m²

となる。

C

部は前部の“ドレンた(溜)まり”であり,ボトムは幅 0.9 m×長さ 0.6 m である。したがって,

S

C

= 0.54

となる。深さは 0.3 m である。

B

部はコクピットの残りの部分であり,ボトムの面積は全体の底面積から A 部及び C 部の底面積を引い

た値であるので,その面積は

S

B

= 5.6

−3−0.54 = 2.06 m²となる。

コクピット

h

s, min

 = 0.1 m

の水で覆われた場合,B 部の半分は A 部に流れ込み,残り半分が C 部に流れ込

むと考えてよい。

A

部,B 部,C 部及びすべての部分の様々な平面積,容積及び水の高さを

表 B.1 にまとめている。


19

F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)

     

 B.1

パラメータ

A

B

C

合計

平面積 (m²)

3.0

2.06

0.54

5.6

最初に 0.1 m まで水が入ったときにたまる水の容積 (m

3

)

0.3

0.206

0.054

0.56

B

部から A 部及び C 部に流れ込んだときにたまる水の容積 (m

3

) 0.403 0 0.157 0.56

水が流れこんだ後,部分 C における水の高さ (m)

0.157/0.54 = 0.29

B.4.2.2 

  B.3.3 の選択肢 1 を使用する場合  C 部の容積の深さは 0.3 m で,0.157/ 0.54 = 0.29 m まで水で

満たされる。これは,シル高さよりも 1 cm 低いだけである。

したがって,ドレンサイズが“標準”である場合,すなわち,直径 57 mm のドレン 4 個のとき,ドレン

たまりのシル高さは C のボトムを基準として 0.29 m 以上でなければならない。これは,ボトムとほぼ同じ

高さでなければならないことを示す。

ボート製造業者がキャビンへの入室をもっと容易にしようと考え,かつ,C部の局部的シル高さを本体

表 によって 0.05 m(固定部分の最上面)にしたいと考える場合には,B.3.3 の選択肢 2 を用いなければ

ならない。選択肢 1 を用いるとシルが低すぎるとみなされるからである。

B.4.2.3

  B.3.3 の選択肢 を使用する場合  この場合は,ボート製造業者は本体の表 を使用することがで

きない。選択肢 2 の要件は,完全な排水が条件となっているためである(本体の

表 は,水が 0.1 m 残っ

ていると考える。

。通常,等式 D.8 を使うが,簡略化して等式 D.3 を使う。

C

部にたまっている容積 0.157m

3

は,

t

max

×0.05 = 3.3×0.05 = 0.165 分 = 10 秒で排出できなければならな

い。したがって,この時間内に 2 個一組のドレンで完全に排水するには,ドレンの直径は次によらなけれ

ばならない。

mm

91

3

.

0

165

.

0

157

.

0

791

4

791

4

C

C

=

×

×

=

×

=

h

t

V

d

参考  式文中の“t”は,対応国際規格では“t

1

”となっているが“t

1

”の定義はなく,また,この d

式は

附属書 の公式に基づいていることから,これは対応国際規格の誤りであるため,この規

格では

附属書 の公式にある“t”とした。

ただし,水線下の放出口による摩擦損失及び 

≈ 100 mm を考慮すると,表 C.4 によって C

3

≈ 1.5 とな

り,排水時間は 50  %長くなる。

上記よって,排水時間 0.165/1.5 = 0.11 分として上記の公式を計算しなければならない。したがって,最

終的に次の式となる。

mm

111

3

.

0

11

.

0

157

.

0

791

4

=

×

×

=

d

これは,選択肢 1(ドレン 4 個)の場合に必要とする 57 mm に対して約 2 倍の大きさである。

コクピットの C 部に関する上記の例から得られる結論として,

−  B.4.2.2 によって,固定シル高さ h

s

を 0.3 m として本体の 7.2 の排水時間要件に対応する“通常の排

水”とすれば,結果的に C 部を覆う格子を用いて“明確な”シルを設けなくてよいことになる。又は

−  B.4.2.3 によって,C 部にはかなり大きな(例の場合は直径 110 mm)2 個のドレンを設け,本体の

5

の該当欄に対応する局部的シル高さ h

s,min

/2

とする。

のいずれかの方法をとらなければならない。


20

F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)

     

B.4.3

  例 2[図 B.1 の b)  参照。]

B.4.3.1  

要件  B.4.2 と同等の非帆船であるが,コクピットには二つの部分,B 部及び C 部だけしかない。

C

部は,

例 と同等で S

B

 = 5.6

−0.54 = 5.06 m²である。コクピットが 0.1 m の水で覆われたとき,B 部に

たまった容積は C 部に流れ込む。

B.4.3.2  B.3.3

の選択肢 を使用する場合  水が B 部から C 部に流れ込むとき,C 部に流れ込む容積は 5.06

×0.10 = 0.56 m

3

となる。

C

部の容積の深さは 0.3 m で,一杯にたまっているときの水の容積は 0.54×0.3 = 0.162 m

3

となる。  残

りの水はまだ B 部にたまっており,残留している水の高さは C 部の最上面から (0.56−0.162)/5.6 = 0.071 m

上方にある。

したがって,シルの高さは 0.3+0.07 = 0.37 m  でなければならず,これは B 部のボトムから 0.07 m 上方

になる。

これに対して,単一高さのボトムの場合,この高さ h

s, min

は同じ B 部のボトムから 0.05 m 上方となる。

B.4.3.3

  B.3.3 の選択肢 を使用する場合  もし,ボート製造業者が C 部のボトムから h

s, min

 = 0.05 m

と同

じシル高さにしたいのであれば,コクピットにたまっている 0.56 m

3

の水は,

例 と同じく 0.165/1.5 = 0.11

分で排出できなければならず,2 個のドレンの排出直径は,次によらなければならない。

mm

200

37

.

0

11

.

0

56

.

0

791

4

=

×

×

=

d

上記

例 から得られる結論として,選択肢 1 を使用すると,C 部があるために B 部ボトムを基準とする

シル高さは小さくてよい。ただし,このシル高さはコクピット各部分の容積の比率によって変わる。

選択肢 2 を使用すると,部分 C のボトムから上方に h

s,min

の高さのシルを用いればよいことになるが,ド

レンはかなり大きくしなければならない。

B.4.4

  例 3[図 B.1 の c)  参照。]

B.4.4.1

  要件  例 は,典型的なカタマランのレイアウトに相当する(ルーフ最上面にスライド式のハッ

チを設けるとねじり剛性を損なうことになる。

L

H

 = 13 m

B

max

 = 7 m

F

M

 = 1.5 m

,したがって,L

H

×B

max

×F

M

 = 136.5 m

3

コクピット寸法:

C

部(フットウェル)

長さ 0.6 m,幅 0.6 m,深さ 0.5 m

S

C

 = 0.6

×0.6 = 0.36 m

²

V

C

= 0.36

×0.5= 0.18 m

3

B

部(トップ)

長さ 3.2 m,幅 2.1 m,深さ 0.4 m

S

B

 = 3.2

×2.1−0.36 = 6.36 m

²

,  V

B

= 6.36 x 0.4= 2.54 m

3

合計

 

S

tot

 = 3.2

×2.1 = 6.72 m

²

V

C

 = 6.72

×0.4+0.18 = 2.87 m

3

したがって,

k

C

= 2.87/136.5 = 0.021

,更に設計区分 A のマルチハルであるので,

t

max

= 0.3/

k

C

 = 14.2

分,た

だし,5 分に制限している。

等式 D.5 にあてはめると,

mm

47

)

4

.

0

1

.

0

1

(

4

.

0

5

87

.

2

791

4

)

1

.

0

1

(

791

4

C

C

C

=

×

×

=

×

×

=

h

h

t

V

d

(ドレン 2 個の場合)又は 47×0.707 = 33(ド

レン 4 個の場合)

参考1.  “等式 5”は,対応国際規格では“等式 3”となっているが,式を考慮すると“等式 5”が

適切であり,これは対応国際規格の誤りであるため,この規格では“等式 5”とした。


21

F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)

     

2.

d

式文中の“t”は,対応国際規格では“t

1

”となっているが“t

1

”の定義はなく,また,この

d

式は

附属書 の公式に基づいていることから,これは対応国際規格の誤りであるため,こ

の規格では

附属書 の公式にある  “t”とした。

区分 A のマルチハルであるので,  固定シル高さ

h

s,min

= 0.2 m

。単一高さのボトムの場合には,この高さ

を B 部のボトムから上方に測定しなければならない。

B.4.4.2

  B.3.3 の選択肢 を使用する場合  コクピットが 0.2 m の水で覆われていると考える。高い方の位

置にあるドレンが 47 mm よりもかなり大きくなければ,B 部の水を排水する前に大部分が C 部へ流れ込む

と考えられる。

したがって,C 部の容積にたまる水は,6.72×0.2 = 1.34 m

3

となる。C 部の容積の深さは 0.5 m であるた

め,実際にそこにたまるのは 0.36×0.5 = 0.18 m

3

となる。余った水は B 部にたまる。これによって追加さ

れる水の充てん高さは (1.34−0.18)/6.36 = 0.18 m であるので,必要なシル高さは,C 部のボトムを基準と

すると 0.50+0.18 = 0.68 m,ボトム B を基準とすると 0.18 m となる。

B.4.4.3  B.3.3

の選択肢 を使用する場合  引き戸は半固定装置であるので,必要とする固定部分は,シル

の最小高さに対して

h

s,min

/2 =0.1 m

である。この高さを用いる場合には,B 部及び C 部にたまる 1.34 m

3

容積を  5 分×0.05 = 0.25 分で排出できなければならない。さらに,2 個のドレンで完全排出するまでの排

水時間をこの値にするには,次の計算が必要となる。

mm

176

68

.

0

25

.

0

34

.

1

791

4

791

4

C

=

×

×

=

×

×

=

h

t

V

d

(ドレン 2 個の場合)又は 125 mm(ドレン  4 個の場合)

(この場合,

ドレンの寸法が大きなうえ管を介さずに水線上に放出するため,摩擦損失は非常に小さい。

参考  式文中の“t”は,対応国際規格では“t

1

”となっているが“t

1

”の定義はなく,また,この d

式は

附属書 の公式に基づいていることから,これは対応国際規格の誤りであるため,この規

格では

附属書 の公式にある“t”とした。

ただし,B 部に設けたドレンが 47 mm よりも相当大きく,例えば 125 mm 程度であれば,B 部の容積の

2

分の 1 は,残りの水が C 部に流れ込む間に船外へ排出してしまうと考えてよい。

選択肢 1 を使用する場合,C 部での水の充てん高さは,0.5+[(6.36/2+0.36)×0.2] / 6.36 = 0.61 m となる。

選択肢 2 を使用する場合,

C

部のドレンで完全に排出すべき容積は,

 (6.36/2

+0.36)×0.2 = 0.708 m

3

となり,

更に

mm

132

68

.

0

25

.

0

708

.

0

791

4

791

4

C

=

=

×

×

=

×

×

=

d

h

t

V

d

(ドレンが 2 個ある場合)又は 125 mm(ドレンが 4 個あ

る場合)

参考  式文中の“t”は,対応国際規格では“t

1

”となっているが“t

1

”の定義はなく,また,この d

式は

附属書 の公式に基づいていることから,これは対応国際規格の誤りであるため,この規

格では

附属書 の公式にある“t

とした。

したがって,選択肢 2 の最終的な要件は,C 部に

d

 = 93 mm

の 4 個のドレンを設け,更に B 部に 125 mm

の 2 個のドレンを設けることとなる。


22

F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)

     

1.

  水線 6.  アクセス用コンパニオンウェイ

2.

  コクピットボトム 7.  フット・ベースン

3.

  コーミング 8.  半固定シルの固定部分最上面

4.

  座席 9.  半固定シルの可動部分最上面

5.

  ドレン

注(

a

)

  選択肢  1

(

b

)

  選択肢  2

図 B.1  異なる高さをもつコクピット解析の例

a)

例 1

b)

例 2

c)

例 3

3

4

7

6

A

S

A

B  S

B

S

C

C

5

1

5

0.3

0.0

5

(

b

)

0.3

(

a

)

3

4

7

6

B S

B

S

C

C

5

1

5

0.3

0.0

5

(

b

)

0.3

7

(

a

)

B  S

B

0.4

S

C

C

0.5

2

1

8

7

9

0.2


23

F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)

     

附属書 C(規定)  表を用いた排水時間の計算

C.1

  序文  次の方法は,附属書 に規定している理論的計算方法の応用である。

C.2  

手順 1t

max

要求最大排水時間の決定  本体の 7.2 によって,コクピット容積係数

k

C

=

V

C

/(

L

H

B

max

F

M

)

を使用して

t

max

を判定する。

t

max

は,設計区分 A では 0.3/

k

C

,設計区分 B では 0.45/

k

C

,設計区分 C では 0.6

/

k

C

及び設計区分 D では

0.9

/

k

C

である。

C.3

  手順 2t

ref

標準排水時間の決定  t

ref

 = t

max

 /(V

C

)

を計算する。この値は,2 個一組のドレンに対する

標準排水時間(水頭損失は考慮しない。

)である。

C.4

  手順  3:係数 C

1

の決定  係数 C

1

は,h

C

と 0.4 m との間の差によるものである。

表 C.1 から h

C

の値を確認し,それに対応する C

1

の値を見つける。

ドレンが水線上にあれば

h

C

は実際の値でよいが,ドレンが水線下にある場合,

h

C

はコクピット内にた

まる水の最上面から水線までの高さになるので注意する。

表 C.1  との相関による C

1

の値

h

C

 (m)

0.20 0.30 0.40 0.50 0.60 0.70 0.80 0.90 1.00 1.10 1.20 1.30 1.40 1.50 1.60 1.70 1.80 1.90 2.00

C

1

 = (t

1

,h

C

/

t

1.04) 0.83 0.98 1.00 0.99 0.97 0.94 0.91 0.89 0.86 0.84 0.82 0.80 0.78 0.77 0.75 0.73 0.72 0.71 0.69

C.5

  手順 4:水頭損失を考慮したドレン直径の決定  表 C.2 の該当値は,

−  水線上に位置するドレンは,t

ref

/(C

1

 C

2

)

C

2

は,

表 C.3 又は図 C.1 から求める。

−  水線下に位置するドレンは,t

ref

/(C

1

 C

3

)

C

3

は,

表 C.4 又は図 C.2 から求める。

手順は次による。

まず,ドレン直径 のおおよその予測値を求めるため,本体の

表 から上記 t

ref

よりも一つ短い排水時間

を探す。次に,最初の該当直径 を選択する。

mm

単位のドレン直径 及び m 単位の長さ を,

−  ドレン出口が水線上にある場合には,

表 C.3 又は図 C.1 にあてはめ C

2

を;

−  ドレン出口が水線下にある場合には,

表 C.4 又は図 C.2 にあてはめ C

3

を;

それぞれ求める。

t

ref

/(C

1

C

2

)

又は t

ref

/(C

1

C

3

)

表 C.2 にあてはめ,必要時間に該当する直径よりも一つ大きな直径を求め

る。補間を行ってもよい。

表 C.2  t

ref 

/ (C

1

 C

2

)

又は t

ref 

/ (C

1

 C

3

)

との相関によるドレン直径

t

ref

/(C

1

C

2

)

t

ref

/(C

1

C

3

 )

9.47 6.06 4.21 3.09 2.37 1.87 1.52 1.25 1.05 0.90 0.77 0.67 0.59 0.47 0.38 0.31 0.26 0.22 0.19 0.17

ドレン直径

(mm)

20 25 30

35 40 45 50

55

60

65

70

75

80

90

100

110

120

130

140 150

ドレン断面積

(cm

2

)

3  5  7

10 13 16 20

24

28

33

38

44

50

64

79 95 113

133

154 177


24

F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)

     

C.6

  計算の例  ボートは,次のパラメータをもつものとする。

L

H

 = 8 m

B

max

 = 3 m

F

M

 = 1.3 m

,コクピット容積 V

C

 = 4 m

3

h

C

 = 0.7 m

,設計区分:B。2 個のドレンが

設けている。  L = 0.6 m。水線下に排出する。

手順 1

k

C

= 4/( 8

×3×1.3) = 0.128 を計算する。次に,設計区分 B のボートなので

t

max

 = 0.45/0.128 = 3.51 min

となる。

手順 2t

ref

を計算する。t

ref

t

max

/V

C

= 3.51/4 = 0.88

分。

手順 3:本体の表 で t

ref

の上から 3 行目:水線下ドレン 2 個で,かつ,エルボなし:を見る。次に t

ref

=

0.9

を見て,d = 80 を求める。この値はある程度安全側の値であるので,実際の はこれよりも

小さくなる。

−  h

C

 = 0.7 m

であるため,

表 C.1 によって C

1

= 0.94

となる。

手順 4を 80 よりもひとサイズ小さく,すなわち,70 として表 C.4(水線下のドレン出口)のドレン

長さ 0.6 m をみる。= 70 に対応する値は,C

3

= 1.48

である。

−  t

ref

/(C

1

 C

3

) = 0.88/(0.94

×1.48) = 0.63 分と計算する。

表 C.2 

t

ref

/(

C

1

 C

3

) = 0.63

を探すと,

d

は 77 mm に近いことが分かる。

この例によって,多くの場合,本体の

表 による“おおよそ”の値は,少し余裕を見込んだもの(例え

ば,上記の例では 77 mm であったものが本体の

表 では 80 mm となった。)であることが分かる。しかし,

このほうが“正確な”方法を使うよりもかなり簡単である。

ドレン直径が 40 mm よりもかなり大きな場合には,本体の

表 による結果と正確な方法によって求めた

結果との差が小さい。ドレン直径がこれよりも小さな場合には,小さな差とはならないと考えられる。

表 C.3,表 C.4 及びそれらに対応する図 C.1 及び図 C.2 は,ドレンを 2 個設けたドレンシステムを想定

している。


25

F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)

     

表 C.3  h

0.4 m

,ドレン出口が水線上である場合の C

2

ドレン長さ L

(m)  0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 1.20

25  1.10 1.18 1.25 1.32 1.38 1.45

30  1.09 1.15 1.21 1.26 1.31 1.37

35  1.08 1.13 1.18 1.22 1.27 1.31

40  1.07 1.11 1.15 1.19 1.23 1.27

45  1.07 1.10 1.14 1.17 1.21 1.24

50  1.06 1.09 1.12 1.15 1.18 1.21

55  1.06 1.09 1.11 1.14 1.17 1.19

60  1.05 1.08 1.11 1.13 1.15 1.18

65  1.05 1.08 1.11 1.12 1.14 1.16

70  1.05 1.07 1.10 1.11 1.13 1.15

80  1.05 1.06 1.09 1.10 1.12 1.13

90  1.04 1.06 1.08 1.09 1.11 1.12

100  1.04 1.06 1.07 1.08 1.10 1.11

110  1.04 1.05 1.07 1.08 1.09 1.10

120  1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09

130  1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09

140  1.04 1.05 1.06 1.06 1.07 1.08

ドレン直径

d (mm)

150  1.04 1.05 1.05 1.06 1.07 1.08

図 C.1  h

C

 = 0.4 m

ドレン出口が水線下の場合の C

2

ドレン直径 25 mm∼150 mm

1.4

1.3

1.2

1.1

1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1

1.1

1.2

∅25

∅30

∅40

∅50
∅60

∅70

∅80

∅100

∅120

∅150

ドレン長さ (m)

C

2


26

F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)

     

表 C.4  h

C

0.4 m

,ドレン出口が水線下である場合の C

3

ドレン長さ L

(m)  0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 1.20

25  1.49 1.55 1.61 1.67 1.72 1.77

30  1.48 1.53 1.57 1.62 1.66 1.71

35  1.47 1.51 1.55 1.59 1.63 1.66

40  1.47 1.50 1.53 1.57 1.60 1.63

45  1.46 1.49 1.52 1.55 1.58 1.60

50  1.46 1.49 1.51 1.53 1.56 1.58

55  1.46 1.48 1.50 1.52 1.54 1.57

60  1.46 1.47 1.49 1.51 1.53 1.55

65  1.45 1.47 1.49 1.51 1.52 1.54

70  1.45 1.47 1.48 1.50 1.52 1.53

80  1.45 1.46 1.48 1.49 1.50 1.52

90  1.45 1.46 1.47 1.48 1.49 1.51

100  1.45 1.46 1.47 1.48 1.49 1.50

110  1.44 1.45 1.46 1.47 1.48 1.49

120  1.44 1.45 1.46 1.47 1.48 1.49

130  1.44 1.45 1.46 1.47 1.47 1.48

140  1.44 1.45 1.46 1.46 1.47 1.48

ドレン直径

d (mm)

150  1.44 1.45 1.45 1.46 1.47 1.47

図 C.2  h

C

 = 0.4 m

ドレン出口が水線下の場合の C

3

ドレン直径 25 mm∼150 mm

1.8

1.7

1.6

1.5

1.4

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1

1.1

1.2

∅25

∅30

∅40

∅50
∅60

∅70

∅80

∅100

∅120

∅150

ドレン長さ (m)

C

3


27

F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)

     

附属書 D(規定)  代替計算方法−水頭損失を組み込んだ直接計算法

D.1

  記号及び単位  この附属書では,次の記号及び単位を使用する。

U

は,m 毎秒で表した水の流速。

は,重力加速度  = 9.81 m/s

2

は,m 単位で表したコクピット内の瞬間的な水の高さ。

は,mm 単位で表したドレンの直径。

D

は,m 単位で表したドレンの直径。2 個のドレンを想定している。

V

C

h

C

及び t

ref

は,本体の 4.による。

D.2

  水頭損失を組み込まない計算

D.2.1

流速  コクピット内での任意の水の高さ に対するドレン入口の流速 (m/s) は,次によって算出す

る。

h

gh

U

43

.

4

2

=

=

(D.1)

D.2.2  

コクピットから完全に排水する時間

C

2

C

791

4

h

d

V

t

×

=

ただし,

t

の単位は分,ドレンは 2 個,

d

の単位は mm とす

る。

(D.2)

,又は

C

C

791

4

h

t

V

d

×

=

(D.3)

D.2.3

  コクピットを部分的に排水する時間  の単位は分,ドレンは 2 個,の単位は mm で,h

C

から始

まり水の残りが 0.1 m になるまでコクピットから排水する時間は,

÷÷ø

ö

ççè

æ −

×

=

C

C

C

1

.

0

1

²

791

4

h

h

d

V

t

(D.4)

,又は

÷

ø

ö

ç

è

æ −

×

=

C

C

C

1

.

0

1

791

4

h

h

t

V

d

(D.5)

参考  式

(D.5)

は,対応国際規格では“

d =

÷

ø

ö

ç

è

æ

×

C

C

C

1

.

0

1

791

4

h

h

t

V

であるが,式

 (D.5)

は式

 (D.4)

基づく式であり,また,

附属書 の B.4.2.3B.4.3.3 及び B.4.4.2 の計算例からも対応国際規格

の誤りであることが明確なため,この規格では“

d

 =

÷

ø

ö

ç

è

æ −

×

C

C

C

1

.

0

1

791

4

h

h

t

V

”とした。

“基本的”コクピット高さ 0.4 m をあてはめると,

t

V

d

C

3788

=

(D.6)

フラップのない放出口については,追加の水頭損失はないが,

“有効”断面積は係数 0.6 を乗じた値に縮


28

F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)

     

小される。したがって,式 (D.6) を逆にすると次の式となる。

(

)

2

ref

C

6

.

0

788

3

d

t

V

t

=

=

(D.7)

D.3

  水頭損失を組み込んだ計算

D.3.1

  新流速  用語概念としての“圧力水頭”は,ベルヌーイの等式によって同等の水の高さを規定する

ものである。

g

U

h

2

/

2

+

=定数

排水系統内の摩擦及び水流の不連続によって,圧力水頭の損失及び水流の減速が生じて排水時間が延び

る。

摩擦が圧力水頭の損失の原因となって,水流の不連続がさらなる損失を生じる。

その後の新しい水頭は

h

C

δ 

h

δ 

h

は損失の合計である。その結果求められる新しい流速は,

å

=

h

C

43

.

4

δ

h

U

(D.8)

D.3.2

  摩擦による圧力損失  平坦なドレンのとき,摩擦損失は次による。

25

.

1

75

.

1

d

4

h

10

85

.

4

D

U

L

×

×

×

=

δ

ここに,

L

d

:ドレンの長さ (m)

U

:排水の流速 (m/s)

D

:ドレンの直径 (m)

D.3.3

  追加水頭損失  上記以外の水頭損失(追加水頭損失)は,水流の不連続によるもので(配管の入口,

出口,エルボ部分などにおける不連続)

,通常,次の形で書き表す。

g

KU

2

/

2

h

å

=

δ

式中の,

å

K

は追加水頭損失の合計である。

追加水頭損失の一般的な値を

表 D.1 に示す。

表 D.1  様々な水流の不連続に対応する の値

不連続の種類

鋭角部分への入口 0.5

面取り部分への入口 0.1∼0.5

R

付き角部への入口 0.06

水線上の放出口 0

水線下の放出口 1

R

付きエルボ 0.1∼0.5

鋭角のエルボ 0.5∼1.3

丸穴の格子 0.5∼3

備考  表 D.1 の主な水頭損失に含まれないその他の

水頭損失も発見される可能性がある。

表 D.1

の近似値にかえて,より正確な の評価を可
能にする既存のデータを自由に活用してもよ

い。


29

F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)

     

D.3.4

  圧力水頭損失を組み込んだ,完全排出までの時間の計算  混乱を避けるため,水頭損失の種類に応

じて流速 U

i

及び排水時間 t

i

を,次によって幾つかに分けた。

−  U

1

,(m/s)  及び

t

1

(分)

:水頭損失なし;

−  U

2

,(m/s)  及び

t

2

(分)

:水頭損失があって,かつ,ドレン出口が水線上にある。

−  U

3

,(m/s)  及び

t

3

(分)

:水頭損失があって,かつ,ドレン出口が水線下にある。

D.2

によって水頭損失なしでの排水時間

t

1

を計算した後,排水高さの中央

h

m

 = (

h

C

+0.1)/2 において,流

U

2

又は U

3

のうち該当する方を計算する。

水頭損失を伴う流速

U

2

又は

å

=

h

m

3

43

.

4

δ

h

U

0

051

.

0

10

85

.

4

43

.

4

2

25

.

1

75

.

1

4

m

=

×

×

å

i

i

i

i

U

K

D

LU

h

U

(D.9)

U

i

は,m 毎秒で示す。及び 並びに

i

は,2 又は 3。

等式 D.9 は implicit 関数であるので,例えば,等式中最初の項にある U

i

が 0 に等しいことなどを明らか

にする必要がある[大部分のスプレッドシート・ソフトウェアには“ソルバー”機能が付いているため,

反復法 (Iterations) によってこの等式を直接解いてくれる。

。したがって,水頭損失を組み込んだ排出時間

はおおよそ

t

i

=

t

1

U

1

/

U

i

として求めることができる。

上記の計算には,あてはめたくないと考えるボート製造業者のために,おおよその排出時間を確認する

ために役立つあらかじめ計算された表及びグラフは,

附属書 の各表に規定する。

本体の

表 も,典型的なドレンの配置に対応できるように,あらかじめ計算された一覧表である。


30

F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)

     

附属書 E(規定)  水密試験

E.1

  序文

備考  次の試験は任意である。ただし,実施する場合には E.2 及び E.3 に述べる手順を適用する。

E.2

水密等級 及び水密等級 3  試供品は,艇外に配置された水の噴流を使用して,水平方向又は水平に

対して 45  °までの方向に向けられているものについては,

図 E.1 に従い,また,垂直方向又は垂直に対

して 45  °までの方向に向けられているものについては,

図 E.2 に従って試験する。

水の噴流は,密度が濃く,かつ,厚みが小さな流速 10 L/分以上で噴射する噴流とし,装置の周縁部の両

側 0.05 m に位置する区域にまんべんなく当てる(

図 E.1 及び図 E.2 を参照。)。

備考  この噴流は,通常,調整可能なノズルを付けた園芸用ホースを水道の蛇口につなぐことによっ

て得ることができる。このとき,蛇口は閉じた状態で静圧が 200 kPa なければならない。

噴射は 3 分以上継続する。この継続期間の後,水の浸入が次の値を超えてはならない。

−  水密等級 2 に適合するためには 0.05 L

−  水密等級 3 に適合するためには 0.5 L

単位  m

1.

  垂直方向 3.  試供品の周縁部

2.

  ノズル 4.  斜線区域内に噴流を当てる

図 E.1  水平方向又は水平に対して 45°までの試験方法

1

2

4

3

0.05

0.05

2

45
°


31

F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)

     

単位  m

1.

  垂直方向 3.  試供品の周縁部

2.

  ノズル 6.  斜線区域内に噴流を当てる

図 E.2  垂直方向又は垂直に対して 45°までの試験方法

E.3

水密等級 の等級判定試験  E.2 による試験を行っていない場合には,艇の外に置いた噴射ノズルを

使用し,

図 E.3 による試供品の試験を行わなければならない。

この噴射ノズルは,激しい雨をシミュレートできるものでなければならない。水圧は指定しない。

噴射は 3 分以上継続する。この継続期間ののち,0.5 L を超える水が浸入していてはならない。

単位  m

1.

  ノズル

2.

  試供品の周縁部

3.

  斜線区域内に噴流を当てる

図 E.3  水密等級 を判定するための試験方法

1

2

4

3

0.05

0.05

2

45

°

45

°

1

2

3

0.1

0.1

2

15

°


32

F 1038

:2003 (ISO 11812:2001)

     

参考文献

[1]  G.Dolto Technical Background of ISO 11812

,ISO TC 188 Internal document