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F01032-1 : 2002 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格のこの部は、工業標準化法第12条第1項の規定に基づき、財団法人日本船舶標準協会 (JMSA) 

から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経

て,国土交通大臣が制定した日本工業規格である。 

ISO 9093-1 : 1994 (Small craft−Seacocks and through-hull fittings−Part1 : Metallic) を基礎として用いた。 

JIS F 1032-1には,次に示す附属書がある。 

附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表 

F01032-1 : 2002 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 定義 ······························································································································ 2 

3.1 船体貫通金 (through-hull fitting) ························································································· 2 

3.2 海水コック (seacock)······································································································· 2 

3.3 耐食性材 (corrosion-resistant) ····························································································· 2 

3.4 腐食に対する保護 (protection against corrosion) ······································································ 2 

3.5 容易に近づける (readily accessible) ····················································································· 2 

4. 耐食性 ··························································································································· 2 

4.1 材料の選択 ··················································································································· 2 

4.2 金属材料の組合せ ·········································································································· 2 

4.3 防食 ···························································································································· 2 

5. 水用船体貫通金物 ············································································································ 2 

5.1 形式 ···························································································································· 2 

5.2 全般的な設計要件 ·········································································································· 2 

5.3 詳細設計要件 ················································································································ 2 

6. 海水コックの設計要件 ······································································································ 4 

7. ホース金物 ····················································································································· 4 

7.1 設計要件 ······················································································································ 4 

7.2 ホース継手 ··················································································································· 5 

8. 水スクープ及び船外の水ストレーナ ···················································································· 5 

9. 取付け ··························································································································· 5 

附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表 ··································································· 7 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

F 1032-1 : 2002 

舟艇−海水コック及び船体貫通金物 

第1部:金属製 

Small craft−Seacocks and through-hull fittings−Part 1 : Metallic 

序文 この規格は,1994年に第1版として発行されたISO 9093-1, Small craft−Seacocks and through-hull 

fttings−Part 1 : Metallicを翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している箇所である。 

1. 適用範囲 この規格のこの部は,艇長24m以下の舟艇に使用する水の取入れ及び排出の一部を形成し

ている金属製の船体貫通金物,海水コック,ホース金物及び湿式排気出口に関する要件について規定する。

ただし,船体貫通金物でも,他の目的のものは対象としない。 

この規格のこの部は,JIS B 0202による円筒管用ねじを切った海水コック,船体貫通金物及びJIS B 0203

による円すい管用ねじを切った継手で,呼びが,4

1,8

3,2

1,4

3,1,14

1,12

1,2,22

1,3及び4のもの

に適用する。 

備考1. この規格のこの部を制定した理由は,舟艇の船体を貫通する水の取入れ,排出及び湿式排気

出口に用いる部品の詳細寸法がかなり異なっているので,これらの部品の互換性を確保する

ためである。 

2. この規格の対応国際規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を示す記号は,ISO /IEC Gnide 21に基づき,IDT(一致している),MOD

(修正している),NEQ(同等でない)とする。 

ISO 9093-1, Small craft−Seacocks and through-hull fittings−Part 1 : Metallic (MOD)  

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 0202 管用平行ねじ 

備考 ISO 228-1 Pipe threads where pressure-tight joints are not made on the threads−Part 1 : 

Dimensions, tolerances and designationからの引用事項は,この規格の該当部分と同等であ

る。 

JIS B 0203 管用テーパねじ 

備考 ISO 7-1 Pipe threads where pressure-tight joints are made on the threads−Part 1 : Dimensions, 

tolerances and designationからの引用事項は,この規格の該当部分と同等である 

F 1032-1 : 2002  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3. 定義 この規格のこの部で用いる主な用語の定義は,次による。 

3.1 

船体貫通金物 (through-hull fitting)  液体又は気体を船体を通って流すように設計したすべての金

物。 

3.2 

海水コック (seacock)  船体又は船体貫通金物に直接取り付けたすべてのボール形,シリンダ形,

プラグ形,ゲート形又はバタフライ形のバルブ。 

3.3 

耐食性材料 (corrosion-resistant)  金物に使用して,5年間の使用期間内に水密性,強度又は機能を

損なうような欠陥を示さない材料。 

3.4 

腐食に対する保護 (protection against corrosion)  金物が5年間の使用期間内に水密性,強度又は機

能を損なうような欠陥を示さないように,非耐食性の材料に施す金属又は非金属の皮膜又は塗装。 

3.5 

容易に近づける (readily accessible)  ボートの構造物を取り外したり,工具を使用することなく又は

ロッカ,引出し,棚などに保管されている携帯用物品などを動かしたりすることなく,操作,検査又は保

守をするために近づくことができる。 

4. 耐食性 

4.1 

材料の選択 使用する材料は,金物を通過する種々の変化する媒体(例えば清水,塩水又は不純物

の混じった塩分のある水,トイレット装置又は保持タンクからの排水)を考慮に入れて,耐食性であるか

又は腐食から保護しなければならない。 

4.2 

金属材料の組合せ 異種金属を組み合わせる場合は,電食作用の可能性を考慮しなければならない。

相互に接続する材料は,電食的に適合していなければならず,また,装置が意図されたように作動するの

を妨げてはならない。 

4.3 

防食 使用する環境内では十分な耐食性がない材料又は装置内で使用する他の材料と電食作用を起

こす材料は,隔離すれば使用することができる。小ねじのような固定要素は,固定する材料のどちらかと

船体貫通金物の強度又は水密性を損なうような方法で電食作用を生じてはならない。装置内にアルミニウ

ムが含まれている場合には,アルミニウム以外の非鉄金属を使用してはならない。 

5. 水用船体貫通金物 

5.1 

形式 この規格のこの部が対象とする船体貫通金物の例を,表1に示す。強度及び水密性がこの規

格のこの部の規定と同等であれば,他の方法でもよい。 

5.2 

全般的な設計要件 船体貫通金物は強固で耐久性があり,金物及び金物に付属する部品,例えば,

海水コックを操作することによる外力によって外れることがない水密な接続としなければならない。船体

貫通金物の下及びすぐ回りの部分は,船体自体よりも強い機械的強度をもたなければならない。 

5.3 

詳細設計要件 

5.3.1 

軸部の長さは,船体材料及び構造に応じて船体の厚さが異なることを考慮しなければならない。 

軸部の長さは,フランジ付ナットを締め付けた後(設けられている場合),残りの最小ねじ長さが,表2

で規定する必要ねじ長さの1.5倍以上でなければならない。 

軸部の肉厚は,この部分の機械加工後の強度が,取付中及び金物使用中に加わるトルクに対して十分な

ことを保証するものでなければならない。 

5.3.2 

フランジの直径 フランジの直径は,フランジ付ナット又はカウンタプレートの直径以上でなけれ

ばならない。 

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F 1032-1 : 2002  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.3.3 

仕上げ フランジ,ナット又はカウンタプレートの表面には,船体側に鋭くとがった角があっては

ならない。鋭くとがった角は,丸めるか面取りをしなければならない。 

表1 船体貫通金物の例 

番号 

説明 

図解 

外側にフランジ,内側にフランジ付
ナットの金物で,軸部はねじを切
り,フランジを締め付けることによ
って水密とするもの。 

1と同様であるが,外側のフランジ
を座ぐり形とし,ボート船体の外面
を平らにしたもの。 

1と同様であるが,軸部の船体がホ
ース金物となっているもの。 

外側にフランジを設け,船体にナッ
ト付のねじで固定するか,又はナッ
ト付のねじと内部フランジで固定
するもの。 

内側にフランジを設け,船体にナッ
ト付のねじで固定するか,又はナッ
ト付のねじと外部フランジで固定
するもの。 

船体に溶接された管又はスタッド
で構成する金物。 

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F 1032-1 : 2002  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6. 海水コックの設計要件 海水コックは,次のとおり設計しなければならない。 

− 通常の使用条件で経験する可能性があるすべての状態で確実に作動しなければならない。 

− 開及び閉の位置(回転式の場合は開閉方向)が容易に視認できなければならない。 

船体貫通金物,ホース金物及びその他の接続部品を取り付けるためのねじ部の最小長さは,表2による

(図1参照)。ハンドルの長さ及びハンドルと注排水管系との正味距離は,操作が容易にできるよう十分な

寸法としなければならない。 

海水コック装置の設計は,厳しい使用条件下でも緩む部分がないことを保証できるようなものでなけれ

ばならない。 

海水コックは,直接船体又は船体貫通金物に取り付けなければならない。 

表2 海水コックのねじ部最小長さ 

ねじの呼び 

ねじ部最小長さ 

Dnom 

L1 

mm 

G4

10 

G8

11 

G2

12 

G4

13 

G1 

16 

G14

18 

G12

20 

G2 

22 

G22

25 

G3 

28 

G4 

30 

図1 海水コック 

7. ホース金物 

7.1 

設計要件 ホース金物の端末は,次の形状とする。 

− リブ付又はのこぎり歯状(すべての呼び) 

− 呼び14

1以上については,平滑な管端。 

締付け長さL(図2参照)は,ホースの二重クランプ固定ができなければならない。また,次の値以上

でなければならない。 

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F 1032-1 : 2002  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

呼び1以下の場合は,25mm。 

呼び14

1以上の場合は,35mm。 

ホース金物の端末は,丸めるか,面取りをしなければならない。 

図2 ホース金物の例 

7.2 

ホース継手 ホースは,船体貫通金物の中心線が次の位置より下に取り付けられる場合には,二重

クランプで固定しなければならない。ただし,リブ付又はのこぎり歯状で十分な接続力をもつ端末の場合

には,シングルクランプでもよい。 

満載状態での静止喫水線上 

300mm(帆船及びモータセーラー)又は 

150mm(モータボート) 

平滑な管末を使用する場合は,すべて二重クランプとしなければならない。金属製ホースクランプは,Cr18 

Ni8形又はそれと同等以上の耐食性をもつステンレス鋼で製造し,かつ,再使用できなければならない。 

ばねの張力に依存するクランプは,使用してはならない。クランプは,平滑又はのこぎり歯状の端末に

固定しなければならない。 

8. 水スクープ及び船外の水ストレーナ 水の取入継手は,船外ストレーナ及び水スクープ又はそのどち

らかを取り付けることができる。取入管及び船体貫通継手の清掃が,船外ストレレーナ及び水スクープを

取り外さなければできない場合には,これらは取り外しができる構造とする。 

9. 取付け 

9.1 

海水コック又は船体貫通金物を取り付けることによって,船体の局部強度を損なう場合には,補強

材又は裏手当材を取り付けて,強度不足を埋め合わせなければならない。 

サンドイッチ構造にした強化プラスチック船体の場合は,心材を船体貫通金物に締め付けるとき圧縮で

F 1032-1 : 2002  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

きないような材料に置き換えるか又は金物の周囲部分を局部補強した単板構造で作らなければならない。' 

9.2 

船体貫通金物及び海水コックの船体への取付けは水密とし,通常の操作条件で緩むことがないよう

に取り付けなければならない。 

9.3 

海水コックは,容易に近づけなければならない。 

9.4 

海水コックは,船体構造又は海水コック自体に損傷を与えず,更に水密の完全性又は海水コック装

置を壊すことなく簡単に操作できるように船体に強固に固定しなければならない。 

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F 1032-1 : 2002  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表 

JIS F 1032-1 : 2002 舟艇−海水コック及び船体貫通金物 第1部:金属製 

ISO 9093-2 : 1994 舟艇−海水コック及び船

体貫通金物−第1部:金属製 

(I)JISの規定 

(II) 

国際規格 

番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術

的差異の項目ごとの評価及

びその内容 

 表示箇所: 

 表示方法: 

(V)JISと国際 

規格との技術的 

差異の理由及び 

今後の対策 

項目番号 

内容 

項目

番号 

内容 

項目ごと

の評価 

技術的差異の内

容 

1.適用範囲 

・艇長24m以下の舟

艇に用いる海水コ

ック及び船体貫通

金物 

ISO 9093-2 

1. 

・艇長24m以下の

舟艇に用いる海

水コック及び船

体貫通金物 

MOD/変更 

− 

・ねじは,JISが

制定されてい

るので,採用 

・ねじ部は,JIS B 

0202又はJIS B 

0203による 

・ねじ部は,ISO 

7-1又はISO 

228による 

2.引用規格 

・JIS B 0202 

ISO 9093-2 

2. 

.ISO 228-1 

MOD/追加 

− 

・JIS化されてい

るので,引用

規格として追

加した 

・ISO 228-1 

・ISO 7-1 

・JIS B-0203 

・ISO 7-1 

3.定義 

・船体貫通金物,海

水コック,耐食性

材料など 

ISO 9093-2 

3. 

・JISに同じ 

IDT 

− 

− 

4.耐食性 

・媒体に応じた適切

な材料の選択 

ISO 9093-2 

4. 

・JISに同じ 

IDT 

− 

− 

・電食及び防食への

配慮 

5.水用船体貫通

金物 

・水用船体貫通金物

の形式,設計要件,

フランジ,仕上げ 

ISO 9093-2 

5. 

・JISに同じ 

IDT 

− 

− 

6.海水コックの

設計要件 

・通常の使用状態で

確実に作動 

ISO 9093-2 

6. 

・通常の使用状態

で確実に作動 

MOD/追加 

− 

・開閉位置に関す

る規定を理解

しやすく,ま

た誤認しない

ように追加し

た 

・開閉位置(回転式

の場合は開閉方

向)が,容易に視

認できる 

・開閉位置が,容

易に視認でき

る 

・ねじ部最小長さ

など 

・ねじ部最小長さなど 

7.ホース金物 

・ホース金物の形状 ISO 9093-2 

7. 

・ホース金物の形

状 

MOD/追加 ・リブ付又はのこ

ぎり歯状で十

分な接続があ

る場合にはシ

ングルクラ 

ンプとする 

・国内では,シン

グルクランプ

が使われてい

る 

・ホース継手へのホ

ースのクランプ方

法(二重クランプ

又はシングルクラ

ンプ) 

・ホース継手への

ホースのクラ

ンプ方法(二重

クランプ) 

・ホースクランプの

材料 

・ホースクランプ

の材料 

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F 1032-1 : 2002  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 

国際規格 

番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術

的差異の項目ごとの評価及

びその内容 

 表示箇所: 

 表示方法: 

(V)JISと国際 

規格との技術的

差異の理由及び

今後の対策 

項目番号 

内容 

項目

番号 

内容 

項目ごと

の評価 

技術的差異の内

容 

8.水スクープ及

び船外のスト

レーナ 

・水スクープ及び水

ストレーナの取付

け 

ISO 9093-2 

8. 

・JISに同じ 

IDT 

− 

− 

・清掃時取り外しが

できる 

9.取付け 

・取付け時の船体強

度不足部への補強

材の使用,水密と

し緩まない取付け

とするなど 

ISO 9093-2 

9. 

・JISに同じ 

IDT 

− 

− 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD 

備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 

   −IDT ············· 技術的差異がない。 
   −MOD/追加····· 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
   −MOD/変更····· 国際規格の規定内容を変更している。 

2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 

   −MOD ··········· 国際規格を修正している。