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日本工業規格

JIS

 F1026

-1995

舟艇用フローティングジャケット

Small crafts

−Floating jacket

1.

適用範囲  この規格は,ウォータスポーツ(

1

)

などにおいて,人体を浮かすために着用するフローティ

ングジャケット(

2

)

(以下,フローティングジャケットという。

)について規定する。

(

1

)

ディンギー,カヌー,ボードセイリングなど水による危険を受けるおそれが大きいスポーツ。

(

2

)

船舶安全法の基準による救命胴衣とは異なる。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS K 2204

  軽油

JIS Z 2371

  塩水噴霧試験方法

JIS Z 8721

  色の表示方法−三属性による表示

JIS Z 9015

  計数調整型抜取検査(供給者を選択できる場合の購入検査)

2.

用語の定義  この規格の中で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。

(1)

固形式  ポリエチレンフォームなど固有に浮力をもった材料を浮体として使用するもの。

(2)

膨張式  炭酸ガスなどの気体を浮体として使用するもの。

(3)

浮力  淡水中において鉄片を浮き上がらせる力。

(4)

覆布  浮力体を覆った布など。

(5)

再帰反射材  反射した光が光源に対して戻っていく性質をもった反射材。

備考  再帰反射材は,この規格の中では SOLAS 1983 適合品をいう。

3.

種類  フローティングジャケットの種類は,表 による。

表 1  種類

種類

主とした使用範囲

タイプ A

河川,湖沼,港内など比較的閉鎖された水域で,発見又
は救助されやすい範囲で使用されるもの。

タイプ B

陸岸から視認できる範囲で使用されるもの。

タイプ C

外洋など陸岸から遠く離れた水域で使用されるもの。

4.

品質

4.1

タイプ A

4.1.1

外観  外観は,次による。

(1)

メジャー及び目視にて確認し,ひび,裂け目など使用上有害な欠点があってはならない。その他は発

注者の仕様書どおりでなければならない。


2

F1026-1995

なお,寸法及び質量の許容差は±5 %とする。

(2)

笛がひも(紐)で取り付けられていること。

(3)

面積 100cm

2

以上の再帰反射材を取り付けていなければならない。取付位置は,できる限り上部である

ことが望ましい。

4.1.2

浮力  淡水中で初期浮力を測定し,かつ,24 時間後の浮力を測定し,初期浮力 69N(子供用は,

50N

)以上で初期浮力から 5%を超えて減少してはならない。

4.1.3

飛込み  フローティングジャケットを着用して水面上 1m の高さから直立姿勢で飛び込み,人体及

びフローティングジャケットに異状があってはならない。

また,人体からフローティングジャケットが抜けてはならない。

4.1.4

荷重  肩部又は引き上げると想定される部分に 750N(子供用は,520N)の荷重を 30 分かけ,覆

布,胴帯,ひも(紐)

,ファスナなどそれらの取付部において切断などの異状があってはならない。

4.1.5

浮遊性  水着及びフローティングジャケットを着用して淡水中に浮遊している被験者が,うつ伏せ

の姿勢から仰向けの姿勢に転じる動作を行い,被験者が 5 秒以内に反転することができ,口を水面に出せ

なければならない。

4.2

タイプ B

4.2.1

外観  外観は,次による。

(1)

メジャー及び目視にて確認し,ひび,裂け目など使用上有害な欠点があってはならない。その他は発

注者の仕様書どおりでなければならない。

なお,寸法及び質量の許容差は±5%とする。

(2)

笛がひも(紐)で取り付けられていること。

(3)

面積 100cm

2

以上の再帰反射材を取り付けていなければならない。取付位置は,できる限り上部である

ことが望ましい。

4.2.2

色度  フローティングジャケットの表面の

3

1

以上が,赤みの黄赤系,黄赤系又は黄色系の視認しや

すい色でなければならない。

備考  色度については,JIS Z 8721 参照のこと。

4.2.3

浮力  淡水中で初期浮力を測定し,かつ,24 時間後の浮力を測定し,初期浮力 74N(子供用は,

50N

)以上で初期浮力から 5%を超えて減少してはならない。

4.2.4

飛込み  フローティングジャケットを着用して水面上 1m の高さから直立姿勢で飛び込み,人体及

びフローティングジャケットに異状があってはならない。

また,人体からフローティングジャケットが抜けてはならない。

4.2.5

荷重  肩部又は引き上げると想定される部分に 750N(子供用は,520N)の荷重を 30 分かけ,覆

布,胴帯,ひも(紐)

,ファスナなどそれらの取付部において切断などの異状があってはならない。

4.2.6

浮遊性  水着及びフローティングジャケットを着用して淡水中に浮遊している被験者が,うつ伏せ

の姿勢から仰向けの姿勢に転じる動作を行い,被験者が 5 秒以内に反転することができ,口を水面に出せ

なければならない。

4.3

タイプ C

4.3.1

外観  外観は,次による。

(1)

メジャー及び目視にて確認し,ひび,裂け目など使用上有害な欠点があってはならない。その他は発

注者の仕様書どおりでなければならない。

なお,寸法及び質量の許容差は±5 %とする。


3

F1026-1995

(2)

笛がひも(紐)で取り付けられていること。

(3)

面積 200cm

2

以上の再帰反射材を取り付けていなければならない。取付位置は,できる限り上部である

ことが望ましい。

4.3.2

色度  フローティングジャケットの表面の

2

1

以上が,赤みの黄赤系,黄赤系又は黄色系の視認しや

すい色でなければならない。

なお,その色は,できるだけ胸の上部に配色されていることが望ましい。

備考  色度については,JIS Z 8721 参照のこと。

4.3.3

浮力  淡水中で初期浮力を測定し,かつ,24 時間後の浮力を測定し,初期浮力 157N 以上で初期浮

力から 5%を超えて減少してはならない。

4.3.4

飛込み  フローティングジャケットを着用して水面上 1m の高さから直立姿勢で飛び込み,人体及

びフローティングジャケットに異状があってはならない。

また,人体からフローティングジャケットが抜けてはならない。

4.3.5

荷重  肩部又は引き上げると想定される部分に 1 350N の荷重を 30 分かけ,覆布,胴帯,ひも(紐),

ファスナなどそれらの取付部において切断などの異状があってはならない。

4.3.6

浮遊性  浮遊性は,次による。

(1)

淡水中で被験者が平泳ぎでゆっくり三かきし,半分息を吸い込み,頭を下げた状態でいきあし(行脚)

が小さくなったとき意識喪失者をまねた状態で,最後の一かきを終えてから時間を測定し 5 秒以内に

口が水面上に出ること。

(2)

体は,後傾姿勢であること。

5.

構造  フローティングジャケットは,次の規定を満足しなければならない。

(1)

着用した状態で作業などを行うのに支障がないこと。

(2)

着用した際に人体に傷を付けない構造であること。

(3)

短時間で正しく着用できること。

(4)

ひも(紐)又はファスナなどによって体に固着できること。

6.

材料  フローティングジャケットに使用する材料は,すべて耐食性に富むものでなければならない。

7.

試験及び検査

7.1

被験者の条件  被験者の条件は,次による。

(1)

大人は,身長 150∼180cm とする。

(2)

子供は,身長 110∼150cm とする。

(3)

着衣は,水着だけの着用とする。

7.2

製品の試験及び検査  試験方法は,附属書 による。

7.2.1

外観検査  外観検査については,4.1.14.2.1 又は 4.3.1 の規定を満足しなければならない。

7.2.2

色度検査  色度検査については,4.2.2 又は 4.3.2 の規定を満足しなければならない。

7.2.3

浮力検査  附属書 による浮力試験を実施し,4.1.24.2.3 又は 4.3.3 の規定を満足しなければなら

ない。

7.2.4

荷重検査  附属書 による荷重試験を実施し,4.1.44.2.5 又は 4.3.5 の規定を満足しなければなら

ない。


4

F1026-1995

7.2.5

抜取方式  外観検査,色度検査,浮力検査及び荷重検査の抜取方式は,附属書 による。

7.3

着用検査

7.3.1

被験者  被験者は,大人,子供とも 2 人以上とする。

7.3.2

飛込み検査  飛込み検査は,4.1.34.2.4 又は 4.3.4 の規定を満足しなければならない。

7.3.3

浮遊検査  浮遊検査は,4.1.54.2.6 又は 4.3.6 の規定を満足しなければならない。

7.4

材料試験

7.4.1

固形式の浮力体材料  固形式の浮力体材料の試験は,次による。

(1)

耐油試験  125cm

3

以上の試験片を 3 個以上採取し,軽油  (JIS K 2204)  中の初期浮力を測定した上,

24

時間放置した後取り出し,浮力の減少率が 5%以下であること。

なお,試験方法は,

附属書 による。

(2)

塩水噴霧試験  125cm

3

以上の試験片を 3 個以上採取し,淡水中の初期浮力を測定した上,JIS Z 2371

の方法による塩水噴霧試験を 24 時間行い,浮力の減少率が 5%以下であること。

(3)

耐寒試験  125cm

3

以上の試験片を 3 個以上採取し,淡水中の初期浮力を測定した上,−30±5℃の恒

温槽内に 1 時間放置した後取り出し,浮力の減少率が 5%以下であること。

(4)

耐熱試験  125cm

3

以上の試験片を 3 個以上採取し,淡水中の初期浮力を測定した上,60±5℃の恒温

槽内に 1 時間放置した後取り出し,浮力の減少率が 5%以下であること。

7.4.2

膨張式の浮力体気室  膨張式の浮力体気室及び材料の試験は,次による。

(1)

漏れ試験  13.2kPa の空気圧を加えて 24 時間放置し,内圧変化を調べた後,温度補正 (0.4 kPa/1℃)  を

行い漏れの有無を調べ内圧が 9.3kPa 以上あること。

(2)

耐圧試験  26.7kPa の空気圧を加えて 10 分間放置し,異状の有無を調べ,破裂,はがれ,その他の異

状がないこと。

(3)

膨張試験  備え付けのガスによって手動又は自動膨張させ,10 秒以内に使用可能な状態になること。

(4)

耐熱試験  60mm 角の試験片を 3 枚採取し,130±2℃の恒温槽内に 1 時間放置した後取り出し,すば

やく 180 度折り重ね,粘着その他の異状がないこと。

(5)

耐寒試験  幅 20mm,長さ 300mm の試験片を 3 枚採取し,−30±5℃の恒温槽内に 3 時間放置した後

取り出し,手で 180 度折り重ね,き裂,その他の異状がないこと。

(6)

耐油試験  25mm 幅に累接した接着部を中央にもつ 150mm 角の試験片を 3 枚採取し,軽油  (JIS K 

2204)

中に 24 時間放置した後取り出し,180 度折り重ね,粘着その他の異状がないこと。

(7)

老化試験  150mm 角の試験片を経緯各方向ごとに 3 枚採取し,ギヤー試験機によって,70±1℃で 72

時間放置した後取り出し,粘着,硬化,き裂など異状がなく,また,引張試験を行い引張強さが元の

引張強さの 90%以上であること。

8.

表示  フローティングジャケットには見やすく,かつ,消えないように,適切な方法で次の表示をし

なければならない。一例を

参考表 に示す。

(1)

製造番号又はその略号

(2)

製造者名又はその略号

(3)

製造年月

(4)

フローティングジャケットの種類

(5)

大人用,子供用の区別

(6)

浮力


5

F1026-1995

(7)

救命胴衣(型式承認品)との区別表示

参考表 1  フローティングジャケットの表示例

フローティングジャケット

種類

タイプ A

大人用

製造番号

第                        号

製造年月

年            月

浮力

                      N

製造者名

区分

船舶安全法に定められた救命胴衣ではない

所有者名

備考1.  見やすく,かつ消えない文字で表示をする。

2.

表示の大きさは,縦 10cm×横 8cm 程度とする。

9.

取扱説明書  フローティングジャケットには,次の事項について記載した取扱説明書を添付しなけれ

ばならない。

(1)

着用方法(子供の場合は,保護者が適切な方法で着用させる旨の表示。

(2)

使用後の手入れ方法

(3)

保管上の注意事項

(4)

その他必要と思われる事項(

例  船舶安全法に定められた救命胴衣ではないこと,使用限度,切れ,

ほつれなどに関する注意事項。


6

F1026-1995

附属書 1  製品検査

1.

抜取方式  製品検査における抜取方式は,附属書 表 による。

(1)

外観検査  外観検査は,二回抜取方式とし,第 1 試料をとり検査の結果,合格判定個数(以下,

いう。

)が 0 のときは合格とし,C=1 のときはさらに第 2 試料をとり検査の結果,C=0 のときは合格

とし,C=1(合計 C=2)のときは,不合格としなければならない。

また,第 1 試料の検査結果 C=2 を超える場合には,ただちに不合格とし,第 2 試料をとる必要は

ない。

備考  合格判定個数とは,ロットの合格の判定を下す最大の不良個数又は欠点数をいい,JIS Z 9015

の用語及び記号による。

(2)

色度検査,浮力検査及び荷重検査  色度検査,浮力検査及び荷重検査は,一回抜取方式とし,第 1 試

料で C=0 ならば合格とし,C=1 ならば不合格としなければならない。

附属書 表 1  抜取方式

二回抜取方式

一回抜取方式

製造ロット

外観検査

色度検査

浮力検査

荷重検査

1

∼ 50

n

=15

n

=20(

1

)

n

= 2

n

=2

 51

∼ 200

n

=15

n

=20(

1

)

n

= 5

n

=2

 201

∼ 500

n

=15

n

=20(

1

)

n

= 7

n

=2

 501

∼ 1  000

n

=20

n

=30(

1

)

n

=10

n

=2

 1

001

∼ 2  000

n

=25

n

=40(

1

)

n

=15

n

=2

 2

001

∼ 5  000

n

=35

n

=70(

1

)

n

=20

n

=2

 5

001

以上

n

=35

n

=70(

1

)

n

=20

n

=2

(

1

)

原反が同一染色ロットの場合は,受渡当事者間で抜取数を決めてもよい。

備考1.  は,抜取数を示す。

2.

抜取数が製造ロットの大きさより,大きい場合は全数について検査を行う。

2.

浮力試験  内部空気層の排除処理を施した試験品に,鉄片を淡水中につり下げて,徐々に増量し,全

没浮遊状態に達したときの鉄片質量(初期浮力)を測定した後,タイプ A においては 69N(子供用は 50N)

タイプ B においては 74N(子供用は 50N)

,タイプ C においては 157N の鉄片をつり下げたまま,24 時間

放置した後の浮力を測定する。

3.

荷重試験  着用者をつり下げると仮定した場合に,フローティングジャケットに加わると想定される

主な荷重の方向及び作用点に対応して,各タイプごとの試験荷重を加え,覆布,胴帯,ひも(紐)などそ

れらの取付部の異状の有無を調べる。その一例を

附属書 参考図 に示す。


7

F1026-1995

附属書 参考図 1  荷重試験

備考  C は,シリンダを示し,大人用はシリンダ直径 125mm,

子供用はシリンダ直径 50mm とする。

また,は荷重を示す。 


8

F1026-1995

附属書 2  固形式浮力材の耐油試験方法

1.

試験方法  固形式浮力材の耐油試験方法は,次の順序で行う。

(1)

容器 (A) の中に軽油  (JIS K 2204)  を入れ,金網の容器 (B) を軽油中につり下げて,容器 (B) の重量

(W1)

を上皿天びんで測定する。

(2)

容器 (B) の中に試験片を入れて 3 分後に上皿天びんで重量  (W2)  を測定し両者の差の浮力  (W3)  を

算出し,これを初期浮力とする。

W3

W2−W1

(3)

次に試験片をそのまま容器 (C) に移し,軽油に浸せきした状態で放置し,24 時間後に(2)と同様の方

法で重量  (W4)  を測定する。

W4

W2'−W1'

ここに,  W1':

24

時間後の容器 (B) の重量

W2'

24

時間後の試験片を容器 (B) の中に入れ,上皿天びんで測

定した重量

(4)

次式によって浮力の変化率  (QB)  を算出する。

100

3

3

4

×

=

W

W

W

QB

 (%)

2.

使用機器  試験に使用する機器は,次のとおりとする。

(1)

上皿天びん

使用範囲

10

500g

感量

500mg

(2)

容器

 (A)

  適当な大きさの試験槽

(3)

容器

 (B)

  金網製の測定容器

ただし,試験片の取出口のあるもの

(4)

容器

 (C)

  金網製の試験片保持容器

3.

試験装置  試験装置の一例を,附属書 参考図 に示す。


9

F1026-1995

附属書 参考図 1  試験装置

JIS F 1026

原案担当作業委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

東      伊一郎

日本小型船舶検査機構

(委員)

多田羅      豊

財団法人日本海事協会

長  江  博  人

社団法人日本外洋帆走協会

大  川  治  彦

アキレス株式会社

岡  本      剛

三洋商事株式会社

高  田  義  則

東洋物産株式会社

中  村  正  和

中村船具工業株式会社

岡  本  道  晴

日本救命器具株式会社

南  部  大  気

日本船具株式会社

木  村      実

東洋ゴム工業株式会社

(事務局)

久  保  明  博

財団法人日本船舶標準協会