>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

F 0907

:2003

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人日本船舶

標準協会 (JMSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準

調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS F 0907:1990 は改正され,この規格に置き換えられる。

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 6954:2000,Mechanical vibration

−Guidelines for the measurement,reporting and evaluation of vibration with regard to habitability on passenger and

merchant ships

を基礎として用いた。

JIS F 0907

:2003 には,次に示す附属書がある。

附属書 A(参考)周波数重み関数

附属書 B(参考)人体感覚曲線

附属書 C(参考)ISO 6954 による船舶の居住評価報告書の例

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表


F 0907

:2003

(2) 

目  次

ページ

序文1

1.

  適用範囲 1

2.

  引用規格 1

3.

  測定装置 1

3.1

  一般的要求事項 2

3.2

  校正2

4.

  測定箇所及び測定方向 2

4.1

  センサの設置箇所 2

4.2

  センサの方向 2

5.

  測定条件 2

6.

  測定手順 2

7.

  居住性の評価 2

8.

  試験結果 3

附属書 A(参考)周波数重み関数 4

附属書 B(参考)人体感覚曲線 6

附属書 C(参考)ISO 6954 による船舶の居住評価報告書の例7

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表8 
 


     

日本工業規格

JIS

 F

0907

:2003

機械振動−客船及び商船の居住性に関する

振動計測・記録及び評価基準

Mechanical vibration

−Guidelines for the measurement,reporting and evaluation

of vibration with regard to habitability on passenger and merchant ships

序文  この規格は,2000 年に第 2 版として発行された ISO 6954:2000,Mechanical vibration−Guidelines for

the measurement

,reporting and evaluation of vibration with regard to habitability on passenger and merchant ships

を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧

表を,その説明を付けて,

附属書 1(参考)に示す。

1.

適用範囲  この規格は,客船及び商船の乗組員や乗客が常時滞在する区域の居住性に関する振動の評

価,測定装置及び測定方法について規定する。

備考1.  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 6954

:2000,Mechanical vibration−Guidelines for the measurement,reporting and evaluation

of vibration with regard to habitability on passenger and merchant ships (MOD)

2.

この規格の対象とする船舶は,船の長さ 100 m 以上の客船及び商船とする。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構

成するものであって,その後の改正版・追補は適用されない。発行年を付記していない規格は,その最新

版(追補を含む。

)を適用する。

ISO 2631-1

:1997  Mechanical vibration and shock−Evaluation of human exposure to whole-body vibration

−Part 1:General requirements

ISO 2631-2

  Mechanical vibration and shock−Evaluation of human exposure to whole-body vibration−Part

2

:Vibration in buildings (1 Hz to 80 Hz)

ISO 8041

  Human response to vibration−Measuring instrumentation

3.

測定装置

3.1

一般的要求事項  この規格による振動計測には,アナログ,デジタル,周波数領域又は時間領域な

ど異なったタイプの計測,記録機器を使用してよい。ただし,測定装置は,ISO 8041 の要求を満たさなけ

ればならない。


2

F 0907

:2003

     

フィルタの特性が ISO 2631-2 の規定によっていれば,ISO 8041 に従って製作され,80 Hz 以上の周波数

の表示が可能な測定装置を使用してもよい(

附属書  A 参照)。

測定装置が ISO 8041 の要求を満たしていることを,少なくとも 2 年に一度検査しなければならない。ま

た,最後に検査した日付を記録しなければならない。

3.2

校正  測定装置の各チャンネルは,取り付け完了後,適正な動作を確認しなければならない。測定

装置の動作確認は計測の前後に行わなければならない。

4.

測定箇所及び測定方向

4.1

センサの設置箇所  センサの設置場所は,居住性に関する船の振動特性を特定できるように,乗組

員や乗客が滞在する甲板上に十分な数となるよう設定する。

4.2

センサの方向  センサの設置方向は,船の前後,左右,上下に一致させる。

5.

測定条件  振動計測は,船の試運転時に実施する。一貫性のある正確な振動測定値の記録には,次に

示す一定,かつ適切な測定条件が必要である。

a)

直線航路における自由航行状態(

1

)

b)

一定,かつ,代表的な主機出力

c)

風浪階級 3 以下

d)

プロペラが完全に没水

e)

水深は喫水の 5 倍以上

上記の測定条件から逸脱した場合には,試験報告書に明示しなければならない。

注(

1

)

自由航行状態とは,船が一定の速度で,だ(舵)角を左右 2 度以下として一定の航路を前進する状

態である。

6.

測定手順  測定は,各甲板の少なくとも 2 か所で,全 3 方向について実施する。その他の場所の測定

は,上下方向だけでよい。

ISO 2631-2

による複合周波数重み曲線を,方向に関係なくすべての測定に適用しなければならない。

備考  複合周波数重み関数の 1/3 オクターブバンド中心周波数での値及び図は附属書 による。

評価する周波数範囲は,1 Hz∼80 Hz とする。

測定時間は最低 1 分間とする。2 Hz 以下の範囲に顕著な周波数成分が存在する場合には,最低 2 分間測

定する。

それぞれの測定結果は,ISO 2631-1:1997 の 6.4.2 の加速度に対して定義される周波数重み付けを行っ

たオーバーオールの r.m.s 値としなければならない。同様の手順は,速度スペクトルの周波数重み付けにも

適用できる。各計測点については,3 方向の計測結果中の最大値を,

表 に示すガイドラインによって居

住性の評価に使用する。

上記の解析を行い,更に解析が必要な場合には,磁気テープ又はコンピュータのディスクのような恒久

的な記録を行える電子機器によって,測定値を記録する。

7.

居住性の評価  船舶の種々の区域に適用する分類は,居住性の評価に先立って,当事者間(例えば,

造船所及び船主)で合意をしておくことを推奨する。

表 にはガイドラインとして,それ以上の振動では苦情がでる可能性の高い値及びそれ以下の振動では


3

F 0907

:2003

     

苦情がでることの可能性の低い値を示す。それぞれの値は,周波数範囲 1 Hz∼80 Hz の周波数重み付けさ

れた加速度及び速度のオーバーオール r.m.s 値である。参考として,周波数重み付け曲線に基づく人体感覚

曲線を,

附属書 に示す。

  1  船体各区画における居住性のガイドライン(1 Hz80 Hz 周波数重み付け r.m.s 値)

区画の分類

A B C

mm/s

2

 mm/s mm/s

2

 mm/s mm/s

2

 mm/s

a)

それ以上の振動では苦情がでる可能

性の高い値

143 4 214 6 286 8

b)

それ以下の振動では苦情がでる可

能性の低い値

71.5

2 107 3 143 4

備考  上記 a)  及び b)  の中間帯は通常経験され,受け入れられている船上における振動の環境を示してい

る。

表 に示す三つの区画の分類は,次を目安とする。

a)

クラス A(乗客向け船室)

b)

クラス B(乗組員向け居住区画)

c)

クラス C(作業区画)

8.

試験結果  試験結果は,少なくとも次の情報を含んでいなければならない。

a)

この規格を参照していること

b)

試験実施の場所及び日付;  試験実施機関及び試験実行者名

c)

船体主要目

d)

試験時の海象及び積付状態

e)

センサの配置及び方向

f)

記録装置及び校正手順

g)

計測結果

附属書 に試験結果報告書の様式例を示す。

関連規格  JIS TR Z 0006:2000  全身振動の評価−基本的要求

IEC 61260

:1995  Electroacoustics−Octave-band and fractional octave-band filters


4

F 0907

:2003

     

附属書 A(参考)周波数重み関数

使用する周波数重み係数は,ISO 2631-2 で定義する合周波数重み係数である。

これらを

表 A.1 及び図 A.1 に示す。

 A.1  複合周波数重み係数,1 Hz80 Hz1/3 オクターブバンド

帯域制限を含む真の中心周波数を用いて計算した)

周波数バンド番号

a

)

1/3

オクターブバンド中心周波数

Hz

加速度入力

速度入力

公称値

真の中心周波数

係数 Wa dB 係数 Wv dB

−7

0.2

0.199 5

0.062 9

−24.02   0.002

21

−53.12

−6

0.25

0.251 2

0.099 4

−20.05   0.004

39

−47.14

−5  0.315

0.316

2 0.156

−16.12   0.008

70

−41.21

−4  0.4

0.398

1 0.243

−12.29   0.017

0

−35.38

−3  0.5

0.501

2 0.368

−8.67   0.032

5

−29.77

−2  0.63

0.631

0 0.530

−5.51   0.058

9

−24.60

−1  0.8

0.794

3 0.700

−3.09   0.097

9

−20.19

  0  1

1.000  0.833

−1.59 0.147 −16.68

  1  1.25

1.259  0.907

−0.85 0.201 −13.94

  2  1.6

1.585  0.934

−0.59 0.260 −11.68

  3  2

1.995  0.932

−0.61 0.327

−9.71

  4  2.5

2.512  0.910

−0.82 0.402

−7.91

  5  3.15

3.162  0.872

−1.19 0.485

−6.28

  6  4

3.981  0.818

−1.74 0.573

−4.83

  7  5

5.012  0.750

−2.50 0.661

−3.59

  8  6.3

6.310  0.669

−3.49 0.743

−2.58

  9  8

7.943  0.582

−4.70 0.813

−1.80

 10

10

10.00

0.494

−6.12 0.869

−1.22

 11

12.5

12.59

0.411

−7.71 0.911

−0.81

 12

16

15.85

0.337

−9.44 0.941

−0.53

 13

20

19.95

0.274

−11.25 0.961

−0.35

 14

25

25.12

0.220

−13.14 0.973

−0.23

 15

31.5

31.62

0.176

−15.09 0.979

−0.18

 16

40

39.81

0.140

−17.10 0.978

−0.20

 17

50

50.12

0.109

−19.23 0.964

−0.32

 18

63

63.10

0.083 4

−21.58 0.925

−0.67

 19

80

79.43

0.060 4

−24.38 0.844

−1.48

 20

100

  100.0

0.040 1

−27.93 0.706

−3.02

 21

125

  125.9

0.024 1

−32.37 0.533

−5.46

 22

160

  158.5

0.013 3

−37.55 0.370

−8.64

 23

200

  199.5

0.006 94

−43.18 0.244 −12.27

 24

250

  251.2

0.003 54

−49.02 0.156 −16.11

 25

315

  316.2

0.001 79

−54.95   0.099

5

−20.04

 26

400

  398.1

0.000 899

−60.92   0.063

0

−24.02

a

)  x

は IEC 61260 による周波数バンド番号である。


5

F 0907

:2003

     

記号

1

  加速度入力による。

2

  速度入力による。

 A.1  複合周波数重み関数,帯域制限を含む(概略図)

周波数重み関数,

dB

10

0

−10

−20

−30

−40

−50

−60

−70

0.25

0.5

1

2

4

8

16

31.5

63

125

250

1

2

周波数,Hz


6

F 0907

:2003

     

附属書 B(参考)人体感覚曲線

周波数重み関数の基礎とした人体感覚曲線を

図 B.1 に示す。

 B.1  人体感覚曲線


7

F 0907

:2003

     

附属書 C(参考)ISO 6954 による船舶の居住評価報告書の例

試験実行機関:

試験日:

試験実行者:

電話番号: FAX:

船名:

船主:

船の種類:

場所:

建造工場:

建造日:

船体要目

主機要目

垂線間長(m):

形式:

シリンダ数:

幅(モールド)(m):

喫水(m):

台数:

出力(kW):

深さ(m):

載荷質量(t):

回転速度(r/min):

減速比:

プロペラ要目

計測状態

数量,形:

翼数:

シーステート:

風速,風向:

直径(m):

スキュー角

喫水(船首)(m):

平均喫水(m):

回転速度(r/min):

喫水(船尾)(m):

水深(m):

注記:

測定装置の形,特性

センサ:

周波数範囲:

感度:

設置方法:

データレコーダ:

周波数範囲:

解析器:

解析周波数範囲:

サンプリング周波数:

ブロックサイズ:

ウインドウ:

アンチエイリアスフィ
ルタ:

校正確認:

計測結果

周波数重み付き r.m.s 値

(オーバーオール)

センサの位置

方向

加速度

mm/s

2

速度

mm/s

1.

2.

3.


8

F 0907

:2003

     

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS F 0907

:2003  機械振動−客船及び商船の居住性に関する振動

計測・記録及び評価基準

ISO 6954

:2000  機械振動−客船及び商船の居住性に

関する振動計測・記録及び評価基準

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との

技術的差異の項目ごとの

評価及びその内容 
  表示箇所:本体 
  表示方法:点線の下線

項目 
番号

内容

(

Ⅱ )  国

際 規 格

番号

項目 
番号

内容

項 目 ご と
の評価

技術的差異
の内容

(

Ⅴ) JIS と国際規格との技

術的差異の理由及び今後

の対策

1.

適 用 範

客 船 及 び 商
船 の 居 住 区
域 に 関 す る

振動の評価,
測 定 装 置 及
び 測 定 方 法

に つ い て 規
定 
ただし,

対象

船 舶 の 長 さ

100 m

を独

自 に 規 定 し

た。

1. 

対象船舶の長さ
に関する規定を
除いて,JIS に同

じ。

MOD/

ISO

には対

象船舶の長
さについて

の 規 定 な
し。ISO 
は区画分類

の意味が不
明確。

旧 ISO 6954:1984 及び旧

JIS F 0907

:1990 では規

定されていたものが,新

ISO

では削除されたの

で,規格使用者の利便を
考慮して独自に規定し

た。 
なお,将来表 1 で規定す
る周波数重み付け r.m.s

値を見直すことになって
いるので,

同見直し時に,

対象船舶の長さを追加す

るよう改正提案する。

2.

引 用 規

ISO 2631-1

1997

ISO 2631-2

ISO 8041 

2.

IDT

3.

測 定 装

3.1

一 般 的

要求事項

3.2

校正

3.

JIS

に同じ IDT

4.

測 定 箇

所 及 び 測

定方向

4.1

セ ン サ

の設置箇所

4.2

セ ン サ

の方向

ISO 

6954 

4.

MOD/

ISO 6954

使用されて

い る 用 語

Transducer

の訳語につ

いては“セ
ンサ”が船
体振動の分

野での慣用
句になって
いるので,

“センサ”
とした。

“センサ”の語は国内で
一般的に使われている

用語である。技術的な差
異は生じていない。


9

F 0907

:2003

     

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との

技術的差異の項目ごとの

評価及びその内容 
  表示箇所:本体 
  表示方法:点線の下線

項目 
番号

内容

(

Ⅱ )  国

際 規 格

番号

項目 
番号

内容

項 目 ご と
の評価

技術的差異
の内容

(

Ⅴ) JIS と国際規格との技

術的差異の理由及び今後

の対策

5.

測 定 条

振 動 計 測 は
船 舶 の 試 運
転時に実施

5.

JIS

に同じ IDT

6.

測 定 手

各 甲 板 の 少
な く と も 2

か 所 , 全 3
方向で測定。
そ の 他 の 箇

所は,

上下方

向だけ

6.

JIS

に同じ IDT

7.

居 住 性

の評価

船 体 区 画 に
お け る 居 住
性 の ガ イ ド

ラ イ ン 値 で
評 価 。 た だ
し,

表 1 に示

す 区 画 分 類
の記号 A,B
及び C の意

味 を 括 弧 書
き で 追 加 し
た。

7.

区画分類記号の
括弧内の意味を
除いて JIS に同

MOD/

ISO

には区

画分類の意
味 が 不 明

確。

区画分類の記号だけで
は規格利用者が混乱を
起こすので,ISO 6954

の審議時における各国
出席者の共通認識によ
る区画名を追補した。上

記見直し時に記号の意
味を明確にするよう提
案する。

8.

試験結果  試 験 実 施 の

場所,

試験実

施機関,

海象

及 び 積 付 状
態,

センサの

配置等,

試験

結 果 に 含 む
べき情報

8.

JIS

に同じ IDT

附属書 A

周 波 数 重 み
関数

附 属
書  A 

JIS

に同じ IDT

附属書 B

人 体 感 覚 曲

附 属
書  B 

JIS

に同じ IDT

附属書 C

評 価 報 告 書
の例

附 属
書 C

JIS

に同じ IDT

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  IDT………………  技術的差異がない。 
    ―  MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

    ―  MOD/変更………  国際規格の規定内容を変更している。

2.  JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  MOD……………  国際規格を修正している。 


10

F 0907

:2003