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日本工業規格

JIS

 F

0906

: 1999

機関部機器類の振動許容値基準

Allowable value of vibration for ships machinery

序文  この規格は,1995 年に第 1 版が発行された ISO 10816-1,Mechanical vibration−Evaluation of machine

vibration by measurements on non-rotating parts

−Part 1 : General guidelines を元に,対応する部分については,

その技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際規格には規定されていない

規定内容を日本工業規格として追加している。

また,附属書には,JIS F 0906-1989 で規定していた船内に取り付けられた場合の機関部機器類の振動許容

値を規定している。

なお,この規格の本体で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲  この規格は,一般商船の機関部に使用する機器(

1

)

(以下,機器という。

)の陸上試験時の振

動許容値基準,振動測定方法について規定する。

なお,船内据付後及び海上運転時の振動許容基準については,附属書に規定する。

(

1

)

一般商船の機関部に使用する機器とは,船舶の推進に必要な機関室内及び機関室の周辺に装備

する一般機器のうち,次のものを示す。

a)

発電機用ディーゼル機関

b)

ポンプ

c)

空気圧縮機(ロータリ形)

d)

油清浄機

e)

通風機

備考1.  防振装置を装備している機器には,この規定は適用しない。

2.

b)

のポンプの内訳は,渦巻きポンプ,歯車ポンプ,ねじポンプなどを示し,往復動ポンプは

除く。

3.

この規格の対応国際規格を,次に示す。

ISO 10816-1 : 1995 Mechanical vibration

−Evaluation of machine vibration by measurements on

non-rotating parts

−Part 1 : General guidelines

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの規格は,その最新版を適用する。

JIS B 0906

  機械振動−非回転部分における機械振動の測定と評価−一般的指針

備考  ISO 10816-1 からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

ISO/DIS 10816-3

  Mechanical vibration−Evaluation of machine vibration by measurements on

non-rotating parts

−Part 3 : Industrial machines with nominal power above 15 kW and


2

F 0906 : 1999

nominal operating speeds between 120 r/min and 15 000 r/min in site

ISO 10816-6 Mechanical vibration

− Evaluation of machine vibration by measurements on

non-rotating parts

−Part 6 : Reciprocating machines with power ratings above 100 kW

3.

振動許容値基準  振動測定結果は,JIS B 0906 に従った評価基準によって評価する。各機器は,それ

ぞれに該当する ISO/DIS 10816-3(ロータリ形圧縮機,ポンプ,通風機及び電動機)

,及び ISO 10816-6 

よる評価ゾーンに従って評価する。評価ゾーンは,次の四つのゾーンに定義される。

ゾーン A:  新しく設置された機械の振動は,通常,このゾーンに含まれる。

ゾーン B:  このゾーンの振動値の機械は,一般に何の制限もなく長期運転が可能である。

ゾーン C:  このゾーンの振動値の機械は,長期間の連続運転は期待できない。

一般に,改善処理のための適切な機会が生じるまでの限定した期間だけ,この振動条

件で運転できる。

ゾーン D:  このゾーンの振動値の機械は,通常,損傷を起こすのに十分なほどに厳しい。

機器類の振動許容値は,個々の機器の設計条件,機器の大きさ,支持構造の特性,運転状態などによっ

て変わるので,この規格では,振動許容値基準を陸上試験時ではゾーン B の上限に設定し,5.6 の測定位

置で

付表 及び付表 のとおりとする。各機器の振動の大きさに対するゾーンの取り方は,機器の種類及

び電動機の大きさによって異なり,そのクラス分けが ISO/DIS 10816-3 及び ISO 10816-6 に定められてい

る。

船内据付後及び海上運転時の振動許容値基準は,

附属書付図 1に示したとおりとする。

4.

振動測定方法

4.1

測定装置  振動測定装置は,温度,湿度など使用する環境で満足に機能するように計画する。

また,振動変換器が正しく取り付けられ,その取付けが機器の振動応答特性に影響しないことに特別に

注意を払う必要がある。広帯域振動の監視には,次の二つの測定機器が一般的なものとして認められてい

る。

a) rms

変換回路及びその表示機能をもつ測定器

b) rms

値か,平均値のどちらかの変換回路をもち,p-p 値又はピーク値が読めるように目盛られた測定器。

その目盛は,正弦波の場合の rms 値,平均値,p-p 値,ピーク値間の関係に基づいて付けられている

もの。

備考  “rms” は,二乗平方根 (root mean square) の略であり, “p-p” は peak to peak の略である。

4.2

振動数範囲  振動数範囲は,対象とする機器の形式に依存する。この規格では,ISO/DIS 10816-3 

び ISO 10816-6 に従って 10Hz∼1 000Hz の範囲とする。

4.3

測定量  測定量は,次による。

a)

振動変位

µm

b)

振動速度  mm/s

c)

振動加速度  m/s

2

4.4

振動の大きさ  5.1 の条件を満たす測定器による測定結果を,特定の測定位置及び測定方向での振動

の大きさと呼ぶ。これまでの実績から,回転機械の広帯域振動の評価は,振動速度の rms で行うのが一般

的である。これは振動エネルギーと関係づけることができるためである。しかし,変位又は加速度のよう

な他の量,また,rms 値の代わりにピーク値を選んでもよい。


3

F 0906 : 1999

4.5

振動シビアリティ  通常の測定では,種々の測定位置で 2 方向又は 3 方向について測定を行う。そ

の結果,振動の大きさの異なった一連の測定結果が得られる。決められた機械の支持状態と運転条件で測

定した複数の広帯域振動値の中の最大値を振動シビアリティと定義する。この規格では,振動速度の実効

値 (rms) の最大値を用いて表し,V

rms

と表現する。V

rms

は,振動速度の二乗平均値の平方根で,次のとお

り表される。

ò

T

rms

dt

t

V

T

V

0

2

)

(

1

ここに,  V:  振動速度 (mm/s)  

T

:  周期 (s)

4.6

測定位置  代表的な測定位置を図 1に示す。各々の測定位置での振動挙動を明らかにするために

は,

直交 3 方向で測定する必要がある。

図 1に示した全点の測定は,一般に受入試験にだけ必要であり,

運転監視では,軸に直交する一つ又は二つの方向,例えば水平方向又は垂直方向で測定するのが普通であ

る。

船内据付後及び海上運転時の測定位置は,

附属書付図 による。

図 1  軸受台(ペデスタル形軸受)の測定位置

図 2  軸受箱(ハウジング形軸受)の測定位置


4

F 0906 : 1999

図 3  小形電気機械の測定位置

図 4  往復動機関の測定位置


5

F 0906 : 1999

図 5  立形機械の測定位置

付表 1  発電機用ディーゼル機関の陸上試験時の振動シビアリティ範囲と振動許容値 

ISO 10816-61995 によるクラスとゾーン)

クラス別評価ゾーン

振動シビア 
リティ等級

変位 (rms)

µm

速度 (rms)

mm/s

加速度 (rms)

m/s

2

クラス 5

クラス 6

クラス 7

1.1

17.8

1.12

1.76

1.8

28.3

1.78

2.79

2.8

44.8

2.82

4.42

4.5

71.0

4.46

7.01

7.1

113

7.07

11.1

11

178

11.2

17.6

18

283

17.8

27.9

A/B

28

 448

  28.2

44.2

A/B


6

F 0906 : 1999

クラス別評価ゾーン

振動シビア 
リティ等級

変位 (rms)

µm

速度 (rms)

mm/s

加速度 (rms)

m/s

2

クラス 5

クラス 6

クラス 7

45

C

710

44.6

70.1

A/B

71

D C

1 125

70.7

111

112

D C

180

1 784

112

176

  D

備考  陸上運転時の振動許容値は,ゾーン A/B の上限とする。

付表 2  ポンプ,ロータリ圧縮機,油清浄機,通風機の陸上試験 

時の振動シビアリティ範囲と振動許容値(ISO/DIS 

10816-3

1997 の表 A.3 の固定支持による。)

ゾーン区切り

変位 (rms)

µm

速度 (rms)

mm/s

A/B 18  2.3

B/C 36  4.5

C/D 56  7.1

備考  陸上運転時の振動許容値は,ゾーン B の上限とする。


7

F 0906 : 1999

附属書(規定)  船内据付後及び海上運転時の振動許容値

1.

適用範囲  この附属書は,JIS F 0906-1989 に規定された機器の船内据付後及び海上運転時の振動許容

値について規定する。

2.

振動許容値基準  機器の振動許容値基準は,附属書付図 に示された測定位置で附属書付図 1のと

おりとし,それぞれの許容値基準以下となることが望ましい。機器の要目が

附属書付図 1と異なる場

合は,より近いほうの要目の

附属書付図 1を適用する。海上運転時の許容値基準は,船内据付後と同

じ値とする。往復動形圧縮機については,陸上運転時の許容値も併せ示した。

3.

振動測定方法  機器の振動測定の実施及びその内容は,使用する測定機器を含め受渡当事者間の打合

せによって,次による。

3.1

振動測定状態  振動計測は,機器の船内据付後に行い,陸上試験時の測定時と同じ運転状態又は相

当する運転状態で,同じ測定位置を測定する。

備考  解除運転時の振動測定は,次の状態を考慮して行うことが望ましい。

a)

特に指定のない限り,船の喫水の 5 倍以上の水深で行う。

b)

できるだけ静かな海(風浪階級 3 以下)で行う。

c)

その船の通常のバラスト容量以内で,運航条件にできるだけ近い排水量となるようにバラストを搭載

する。船尾喫水は,プロペラを確実に没水させる。

d)

測定中の当て舵は,約 2 度以内とする。

3.2

測定位置  振動測定位置は,附属書付図 に示すとおりとする。ただし,測定が困難な場合は,そ

の近傍でもよい。

なお,括弧を付けて示した測定位置は,振動評価を行う参考として測定することが望ましい。

3.3

振動数範囲  この附属書では,3Hz∼100Hz とする。ただし,発電機用ディーゼル機関については,

10Hz

∼1 000Hz とする。


8

F 0906 : 1999

クラス別評価ゾーン

振動シビア 
リティ等級

変位 (rms)

µm

速度 (rms)

mm/s

加速度 (rms)

m/s

2

クラス 5

クラス 6

クラス 7

1.1

17.8

1.12

1.76

1.8

28.3

1.78

2.79

2.8

44.8

2.82

4.42

4.5

71.0

4.46

7.01

7.1

113

7.07

11.1

11

178

11.2

17.6

18

283

17.8

27.9

A/B

28

448

28.2

44.2

A/B

45

C

710

44.6

70.1

A/B

71

D C

1 125

70.7

111

112

D C

180

1 784

112

176

  D

備考  振動許容値は,ゾーン A/B の上限とする。

附属書付図 1  発電機用ディーゼル機関の船内据付後の振動許容値(海上試験時の振動シビアリティ範囲

及び振動許容値) 


9

F 0906 : 1999

附属書付図 2  立形・横形ポンプの船内据付後の 

振動許容値

附属書付図 3  空気圧縮機(往復動形−22kW 以下)

の船内据付後の振動許容値

附属書付図 4  空気圧縮機(往復動形−22kW

37kW

)の船内据付後の振動許容値

附属書付図 5  空気圧縮機(往復動形−37kW 以上)

の船内据付後の振動許容値


10

F 0906 : 1999

附属書付図 6  油清浄機(円筒形)の船内据付後の

振動許容値

附属書付図 7  油清浄機(分離板形)の船内据付後

の振動許容値

附属書付図 8  通風機の船内据付後の振動許容値


11

F 0906 : 1999

備考1.  付図中の “L” は前後方向,“V”  は垂直方向,“H”  は左右方向を示す。

2.

側面の Lは互いに 90°ずらした位置とする。

附属書付図 9  振動測定位置 

財団法人  日本船舶標準協会機関部会/機関設計専門分科会  構成表

氏名

所属

(委員長)

柿  原      実

株式会社エイ・ディー・ディー

(委員)

穂  森  繁  弘

財団法人日本海事協会

鈴  木  博  信

社団法人日本舶用工業会

川  嶋  民  夫

日本郵船株式会社

杉  山  知  徳

石川島播磨重工業株式会社船舶海洋事業本部東京第一工場

花  崎      襄

川崎重工業株式会社船舶事業本部

秋  本  義  紀

住友重機械工業株式会社船舶艦艇鉄構事業本部

柴  田  菊  夫

NKK

総合エンジニアリング事業部船舶・海洋本部

熊  谷      猛

日立造船株式会社船舶・防衛事業本部

池  田      敏

三井造船株式会社千葉事業所船舶・艦艇事業部

林      洋一郎

三菱重工業株式会社下関造船所船舶海洋部

筏      継  雄

ダイハツディーゼル株式会社技術第一部

桶  谷  敏  行

株式会社新潟鉄工所原動機事業部

大  島  宗  紀

阪神内燃機工業株式会社東京支店

西  村  孝  昭

ヤンマーディーゼル株式会社特機事業本部

小宮山  豊  海

株式会社赤阪鉄工所技術本部

杉  田  英  二

株式会社アイ・イー・エム

鹿  股  信  幸

運輸省海上技術安全局

橋  本  繁  晴

財団法人日本規格協会

(事務局)

小  郷  一  郎

財団法人日本船舶標準協会