>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人日本船舶標準協会(JMSA)から,工

業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,国土

交通大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 60945:2002,Maritime navigation and

radiocommunication equipment and systems−General requirements−Methods of testing and required test results を

基礎として用いた。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。

JIS F 0812

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(規定)IMO 決議 A.694(17) 1991 年 11 月 6 日採択

附属書 B(参考)船の環境条件

附属書 C(参考)船舶の EMC 要件

附属書 D(参考)環境クラス別による装置の例

附属書 E(参考)試験報告書

附属書 F(参考)IMO 決議 A.694 要件とこの規格の試験/チェックとの相互参照表

附属書 G(参考)IEC 60945 の第 3 版から大幅に変更になった試験要件の一覧表


F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

(2) 

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

2

3.

  定義及び略語

4

3.1

  定義

4

3.2

  略語

4

3.3

  IMO 性能基準

5

4.

  最低性能要求事項

6

4.1

  一般

6

4.2

  設計及び操作

6

4.3

  電源

10

4.4

  環境条件に対する耐久性及び対抗力

10

4.5

  干渉

11

4.6

  安全対策

11

4.7

  保守

12

4.8

  装置マニュアル

12

4.9

  表示及び識別

12

5.

  試験方法及び試験結果要件

13

5.1

  一般

13

5.2

  試験条件

13

5.3

  試験結果

14

6.

  動作チェック(すべてのカテゴリの装置)

15

6.1

  人間工学及びヒューマンマシンインタフェース

15

6.2

  ハードウエア

18

6.3

  ソフトウエア

19

6.4

  ユニット間の接続

19

7.

  電源−試験方法及び試験結果要求

19

7.1

  限界電源

20

7.2

  過大条件

20

7.3

  電源の短期変動

20

7.4

  電源故障

20

8.

  環境条件に対する耐久性及び対抗力−試験方法及び試験結果要件

20

8.1

  一般

20

8.2

  高温試験

21

8.3

  高温高湿試験

22


F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)  目次

(3) 

ページ

8.4

  低温試験

22

8.5

  熱衝撃試験(携帯形装置)

23

8.6

  落下試験(携帯形装置)

23

8.7

  振動試験(すべてのカテゴリの装置)

23

8.8

  注水試験(暴露形装置)

24

8.9

  水没試験

25

8.10

  日射試験(携帯形装置)

26

8.11

  耐油性試験(携帯形装置)

26

8.12

  腐食試験(塩水噴霧)(すべてのカテゴリの装置)

27

9.

  電磁放射−試験方法及び試験結果要件

27

9.1

  一般

27

9.2

  伝導性放射(携帯形を除くすべてのカテゴリの装置)

28

9.3

  きょう(筐)体ポートからの放射性放射(没水形を除くすべてのカテゴリの装置)

28

10.

  電磁環境に対するイミュニティ−試験方法及び試験結果要件

29

10.1

  一般

29

10.2

  無線受信装置

30

10.3

  伝導性無線周波数干渉に対するイミュニティ

31

10.4

  無線周波数放射に対するイミュニティ(没水形を除くすべてのカテゴリの装置)

31

10.5

  a.c.(交流)電源ライン,信号ライン及び制御ライン上でのファストトランジェントに

対するイミュニティ(携帯形を除くすべてのカテゴリの装置)

32

10.6

  a.c.(交流)電源ライン上のサージに対するイミュニティ

携帯形を除くすべてのカテゴリの装置)

32

10.7

  電源の短期変動に対するイミュニティ(携帯形を除くすべてのカテゴリの装置)

33

10.8

  電源故障に対するイミュニティ(携帯形を除くすべてのカテゴリの装置)

33

10.9

  静電放電に対するイミュニティ(没水形を除くすべてのカテゴリの装置)

33

11.

  特殊試験−試験方法及び試験結果要件

34

11.1

  音響ノイズ及び信号(操だ室及びブリッジウイングに設置するすべての装置)

34

11.2

  コンパス安全距離(没水形を除くすべてのカテゴリの装置)

34

12.

  安全対策−試験方法及び試験結果要件(すべてのカテゴリの装置)

35

12.1

  危険電圧への偶発的な接触に対する保護

35

12.2

  無線周波電波放射

35

12.3

  ディスプレーユニット(VDU)からの放射

36

12.4

  線放射

37

13.

  保守(すべてのカテゴリの装置)

37

14.

  装置のマニュアル(すべてのカテゴリの装置)

37

15.

  表示及び識別

37

附属書 A(規定)IMO 決議 A.694(17) 1991 年 11 月 日採択

47

附属書 B(参考)船の環境条件

51

附属書 C(参考)船舶の EMC 要件

53


F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)  目次

(4) 

ページ

附属書 D(参考)環境クラス別による装置の例

57

附属書 E(参考)試験報告書

58

附属書 F(参考)IMO 決議 A.694 要件とこの規格の試験/チェックとの相互参照表

59

附属書 G(参考)IEC 60945 の第 版から大幅に変更になった試験要件の一覧表

60

参考文献

61

 
 


     

日本工業規格

JIS

 F

0812

:2006

(IEC 60945

:2002

)

船舶の航海と無線通信機器及びシステム− 
一般要求事項−試験方法及び試験結果要件

Maritime navigation and radiocommunication equipment and systems

General requirements

Methods of testing and required test results

序 文   こ の 規 格 は , 2002 年 に 第 4 版 と し て 発 行 さ れ た IEC 60945:2002 , Maritime navigation and

radiocommunication equipment and systems−General requirements−Methods of testing and required test results を

翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲  この規格は,IMO が採択した海上における人命の安全のための国際条約(SOLAS)の要件

を満たすべく,その条約の第Ⅲ及びⅣ章で規定される無線装置並びに同条約第 V 章に定められる航海装置

が,IMO が採択した性能規格に対して劣らない性能規格に適合していることを主官庁が型式承認すること

を支援するものである。

(IMO の定義による主官庁は,船舶が掲揚している国旗,すなわちその船舶の置

籍国の政府である。

IMO が採択した船用無線装置及び電子航海支援装置の一般要件に対する性能規格は,IMO 決議 A.694

にあり,この規格内に

附属書 として記載しており,この規格は,A.694 をベースとしている。 IMO 

議 A.694 及び A.813 の該当部分を参照している場合,同じ文言を使っている条文又は箇条は,イタリック

体で印刷されている。

この規格は,次に述べるすべての装置に共通する特性に対して適用できる一般要件に対する最低性能要

件,試験方法と試験結果に対する要求事項ついて規定する:

a) SOLAS

改訂版及び漁船の安全に関するトレモリノス国際条約改訂版で要求される GMDSS の一部を構

成する,船用無線装置;

b) SOLAS

改訂版及び漁船の安全に関するトレモリノス国際条約改訂版で要求される航海装置及びそれ

以外の該当する航海支援装置;及び

c) EMC

だけに関しては,その他のブリッジ装備装置,受信アンテナ近傍にある装置及び船の安全航行並

びに無線通信装置に干渉を与える可能性のある装置すべて(IMO 

決議 A.813 を参照)。

備考 EMC に関しては,この規格は,IEC の部類の“IEC 対象製品群”を対象とする。

この規格の要求事項は,使用した機能がこの規格に記述された要求項目に対し劣らないという条件であ

れば,機器及びシステムに新技術を使用することを阻害するものではない。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD(修

正している)

,NEQ(同等でない)とする。


2

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

IEC 60945:2002

,Maritime navigation and radiocommunication equipment and systems−General

requirements−Methods of testing and required test results (IDT)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 60068-2-6

  環境試験方法−電気・電子−正弦波振動試験方法

備考  ISO 60068-2-6:1995   Environmental testing − Part 2: Tests − Test Fc: Vibration (sinusoidal),

Corrigendum 1(1995)が,この規格と一致している。

JIS C 60068-2-52

  環境試験方法−電気・電子−塩水噴霧(サイクル)試験方法(塩化ナトリウム水溶

液)

備考  IEC 60068-2-52:1996  Environmental testing−Part 2: Tests−Test Kb: Salt mist, cyclic(sodium,

chloride solution)/Corrigendum 1(1996)が,この規格と一致している。

JIS C 61000-4-2

  電磁両立性−第 4 部:  試験及び測定技術−第 2 節:静電気放電イミュニティ試験

備考  IEC 61000-4-2:1995  Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 4: Testing and measurement

techniques−Section 2: Electrostatic discharge immunity test. Basic EMC publication/Amendment 1

(1998), Amendment 2 (2000)  が,この規格と一致している。

JIS C 61000-4-4

  電磁両立性−第 4 部:  試験及び測定技術−第 4 節:電気的ファストトランジェント

/バーストイミュニティ試験

備考  IEC 61000-4-4:1995  Electoromagnetic compatibility(EMC)−Part 4: Testing and measurement

techniques−Section 4: Electrical fast transient/burst immunity test. Basic EMC publication からの引

用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS C 61000-4-5

  電磁両立性−第 4 部:試験及び測定技術−第 5 節:サージイミュニティ試験

備考  IEC 61000-4-5:1995  Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 4: Testing and measurement

techniques−Section 5: Surge immunity test/Amendment 1 (2000)からの引用事項は,この規格の

該当事項と同等である。

JIS C 61000-4-6

  電磁両立性−第 4 部:試験及び測定技術−第 6 節:無線周波電磁界によって誘導さ

れた伝導妨害に対するイミュニティ

備考  IEC 61000-4-6:1996  Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 4: Testing and measurement

techniques−Section 6: Immunity to conducted disturbances, induced by radio-frequency fields から

の引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS C 61000-4-8

  電磁両立性−第 4 部:試験及び測定技術−第 8 節:  電源周波数磁界イミュニティ試

備考  IEC 61000-4-8:1993  Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 4: Testing and measurement

techniques−Section 8: Power frequency magnetic field immunity test. Basic EMC publication/

Amendment 1 (2000)からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS C 61000-4-11

  電磁両立性−第 4 部:試験及び測定技術−第 11 節:電圧ディップ,短時間停電及

び電圧変化に対するイミュニティ試験

備考  IEC 61000-4-11:1994  Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 4: Testing and measurement

techniques − Section 11: Voltage dips, short interruptions and voltage variations immunity

tests/Amendment 1 (2000)からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。


3

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

JIS F 8007

  船用電気機器−外被の保護等級及び検査通則

備考  IEC 60529:2001  Degrees of protection provided by enclosures(IP code)からの引用事項は,この

規格の該当事項と同等である。

JIS F 8061

  船用電気設備−第 101 部:定義及び一般要求事項

備考  IEC 60092-101:1994   Electrical installations in ships − Part 101: Definitions and general

requirements/Amendment 1(1995), Corrigendum 1 (1996)  が,この規格と一致している。

JIS F 8081

  船用電気設備及び電子機器−電磁両立性

備考  IEC 60533:1999  Electrical and electronic installations in ships−Electromagnetic compatibility  が,

この規格と一致している。

IEC 60050-161:1990  International Electrotechnical Vocabulary. Chapter 161: Electromagnetic compatibility

/ Amendment 1 (1997), Amendment 2 (1998)

IEC 60068-2-1:1990

  Environmental testig−Part 2: Tests. Tests A: Cold/Amendment 1(1993), Amendment 2

(1994)

IEC 60068-2-2:1974

  Environmental testing − Part 2: Tests. Tests B: Dry heat/Amendment 1 (1993),

Amendment 2 (1994)

IEC 60068-2-5: 1975

  Environmental testing−Part 2: Tests. Test Sa: Simulated solar radiation at ground level

IEC  60068-2-9: 1975

  Environmental testing−Part 2: Tests. Guidance for solar radiation testing/Amendment

1 (1984), Corrigendum 1 (1989)

IEC 60068-2-30: 1980

  Environmental testing−Part 2: Tests. Test Db and guidance: Damp heat, cyclic

(12+12-hour cycle)/Amendment 1 (1985)

IEC  60068-2-48: 1982

  Environmental testing−Part 2: Tests. Guidance on the application of the tests of IEC

60068 to simulate the effects of storage

IEC 60071-2: 1996

  Insulation co-ordination−Part 2: Application guide

IEC  60417 (all parts)

  Graphical symbols for use on equipment

IEC 60651: 1979

  Sound level meters/Amendment 1 (1993)

IEC 61000-4-3: 1995

  Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 4: Testing and measurement techniques−

Section 3: Radiated, radio frequency, electromagnetic field immunity test

IEC  61162  (all parts)

  Maritime navigation and radiocommunication equipment and systems − Digital

interfaces

CISPR 16-1: 1999

  Specification for radio disturbance and immunity measuring apparatus and methods−Part

1: Radio disturbance and immunity measuring apparatus

ISO 694: 2000

  Ships and marine technology−Positioning of magnetic compasses in ships

ISO 3791: 1976

  Office machines and data processing equipment−Keyboard layouts for numeric applications

IMO Convention for Safety of Life at Sea (SOLAS): 1997

IMO  Torremolinos Convention for the Safety of Fishing Vessels, 1977, as modified by the Torremolinos

Protocol of 1993

IMO 

決議 A.694: 1991  General requirements for shipborne radio equipment forming part of the global

maritime distress and safety system and for electronic navigational aids

IMO 

決議 A.803: 1995  Performance standards for shipborne VHF radio installations capable of voice

communication and digital selective calling


4

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

IMO 

決議 A.813: 1995  General requirements for electromagnetic compatibility (EMC) for all electrical and

electronic ship’s equipment

ITU-T 

勧告 E.161: 1993  Arrangement of digits, letters and symbols on telephones and other devices that can

be used for gaining access to a telephone network

備考  情報として引用した参考文献は,この規格の最後に列記する。

参考  IMO MSC/Circ.794    IMO Standard Marine Communication Phrases (SMCPs): 1997  参照

3.

定義及び略語

3.1

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

3.1.1

航海用電子装置(electronic navigation aid)  船舶に搭載する航海支援製品。例えば,器具,装置又

は電子海図であって,船舶の航海を支援するように意図されたもの。

3.1.2

保守(maintenance)  故障した部分の修理,交換又は対応するソフトウエアの是正処置をいう。現

用機能に対する軽微な変更及び改善は保守と見なすが,新機能の追加は対象外である。

3.1.3

動作チェック(operational check)  装置が,この規格又は装置の機器規格にある動作要件に適合し

ていることを確認するための適切な資格者によるチェック。

3.1.4

性能チェック(performance check)  装置が動作することを確認するために,技術試験中又は試験

後に行う短時間の機能試験。

3.1.5

性能チェック(EMC)[performance check (EMC)]  装置が,要求されるイミュニティ性能基準に

適合していることを確認するために,EMC 試験中又は試験後に行う短時間の機能試験。

3.1.6

性能試験(performance test)  装置が装置規格に規定されたパラメータの選択した項目に適合して

いることを確認するために技術試験中又は試験後に行う単一又はグループ化した測定。

3.1.7

事前調整(pre-conditioning)  サンプルに残存する,前回の履歴を除去するなど部分的に中和する

処置。

備考1.  事前調整が必要な場合には,それをもって,試験手順の第一プロセスとする。

2.

サンプルの特性を安定化させるために,試験前に同一サンプルを当該仕様で要求される温湿

度条件,電気的及びその他の条件下に置いてもよい。

3.1.8

製品群の EMC 規格(product family EMC standard)  特定の(IEC で規定する)製品群に専用する特

別の EM 要件と試験手順の定義。IEC の基本的な規格を採用して,IEC の基本的な規格と整合するが,IEC

の一般的な規格に優先する。

3.1.9

技術試験(Technical test)  この規格又は各装置規格で定義される測定値が反復できる方法の各試験。

3.2

略語  この規格で用いる略語は,次による。

a.c.

交流(Alternating current)

AE

補助装置(Auxiliary equipment)

ASTM

米国材料試験規格(American Society for Testing and Materials)

CDN

結合減結合回路(Coupling and decoupling network)

CISPR

国際無線障害特別委員会(International special committee on radio interference)

d.c.

直流(Direct current)

EFT/B

電気的高速過渡現象/バースト(Electrical fast transients/bursts)

EMC

電磁両立性(Electromagnetic compatibility)

e.m.f.

起電力(Electromotive force)


5

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

ESD

静電放電(Electrostatic discharge)

EUT  

供試装置(Equipment under test)

HMI

ヒューマンマシンインタフェース(Human Machine Interface)

IMO

国際海事機関(International Maritime Organization)

ISO

国際標準化機構(International Organization for Standadization)

ITU

国際電気通信連合(International Telecommunications Union)

PC

性能チェック(Performance check)

PT

性能試験(Performance test)

r.m.s.

         実効値(Root mean square)

SOLAS

海上人命安全条約(International Convention for Safety of Life at Sea)

SMCPs

標準舶用通信用語(Standard Marine Communication Phrases)

VCP

        垂直結合プレーン(Vertical coupling plane)

VDU

表示ユニット(Visual display unit)

3.3

IMO

性能基準  IMO 性能基準を解釈する目的のために,次の定義を,適用する。

3.3.1

アクセスできる:直ちに:容易に(accessible: readily: easily)  使用する機能に対し,制限される

ことなく適切にアクセスができる。操作を行う場合には工具を用いてはならない。さらに,操作者に指定

されたワークステーションから容易にアクセスが行えなければならない。保守のためにアクセスする場合

には,これらの要求事項はないが,アクセスポイントに達するまでに他の取付け金具を取り外すなど特別

の工具を使用することがないようにするのが望ましい。

3.3.2

調整:通常(adjustments: normal)  効率的な動作を維持するために,装置を使用中に操作者が行

う調整。

3.3.3

環境:良好(atmosphere: satisfactory)  使用部材及び/又は業務従事者の保護,安全及び快適さを

維持するために適した環境。

3.3.4

聞き取れる:明りょうに(audible: clearly)  あらかじめ定められた範囲内で正常な聴力をもつ人

間に対し,警報を発することができ,周辺ノイズに対して十分な音量と特性とをもった状態をいう。

3.3.5

顕著な/目立った/明りょうに視認できる(conspicuous/prominent/clearly visible)  位置,寸法又

は周囲環境に対するコントラストによって得られる良好な視認性をいう。

3.3.6

表示された:明りょうに(marked: clearly)  有資格者が容易に確認でき理解できる情報を目立っ

た場所に表示する。

3.3.7

手段:すべての実行可能な(means: all practicable)  装置又は関連機能の慣例的な操作内の手段又

は同様な実施規格内の手段。

3.3.8

観測可能:直ちに(observable: readily)  指定されたワークステーション(必ずしも固定されてな

い)において,操作員に判読できる情報が視界を損なうことなく提供できる。

3.3.9

操作可能:直ちに(operable: readily)  操作器へのアクセス,必要なアクション,反応の表示に関

し困難なく操作できる。

3.3.10

資格を与えられた:適切に(qualified: suitably)  規定の装置の操作に関する訓練及び経験。

3.3.11

  取外し/新換え/交換できる:容易に(removable/renewable/replaceable: easily)  資格のある乗組

員が,必要に応じて,工具を用いて他の装置の動作に支障を与えることなく,取り外しができる。

3.3.12

時間:適切な(time: adequate)  資格のある操作員が操作した装置が,機能を実行するために要す

る十分な時間。


6

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

3.3.13

  時間:制限された(time: limited)  機能を遂行するために必要な,最大猶予時間。(適正と考えられ

る時間と同等でなければならない)

3.3.14

  換気されている:適切に(ventilated: adequately)  適切に仕切られた空間又は装置内部において満

足な雰囲気(既に規定した又は環境)を維持している。

4.

最低性能要求事項

4.1

一般

4.1.1

序文  すべての装置は,関連する装置規格に規定されていない限り,次を除き,この規格のすべて

の該当する試験を行わなければならない:

a)

日射試験,耐油試験及び腐食試験は,装置が採用している部品,材料及び表面処理が試験を満足する

という証拠を,製造業者が提供できる場合には,この試験を免除しなければならない;

b)

表示ユニット(VDU)の安全試験は,その VDU が試験を満足するという証拠を製造業者が提供でき

る場合には,その試験を,免除しなければならない;

c) X

線放射試験は,その装置が試験を満足するという証拠を製造業者が提供できる場合には,その試験

を免除しなければならない。

上記に該当する装置規格には,この規格の試験実施に対して要求される次の情報を含まなければならな

い:

−  装置のカテゴリ(4.4 参照)

−  性能試験(5.1 参照)

−  性能チェック(5.1 参照)

−  環境試験の場合の事前調整(8.1 参照)

主管庁が,SOLAS によって必要とされる型式承認を与えることを援助するために,技術的な試験を行っ

ている試験所又は試験機関は,この目的のために承認され,そして,校正と品質管理に関して適切な国際

規格に適合しなければならない。

動作チェック,主観的な判断を必要とするチェックは,適切な資格をもつ航海知識のある者によって実

施されなければならない。

要件及び関連の試験は,

附属書 に相互参照表として記載する。

4.1.2

一般要求事項

(IMO  決議 A.694/1.2)

この規格と関連の装置規格の最低要件以外に,

装置に更に機能を追加した場合,

同追加機能の動作及び合理的,かつ,実行可能な限り,追加機能の故障が装置本体の性能を損なってはな

らない。

(IMO  決議 A.694/2)

装置の装備は

IMO

で採択された適用性能基準の要件を満足できる方法で行わなけ

ればならない。

IMO 規則をサポートするこの規格は,装置自体に適用するものであり,試験に関する記載はない。装置

の装備方法については IEC 60092JIS F 8081 及び装置マニュアルによる。

4.2

設計及び操作

4.2.1

人間工学及び HMI(ヒューマンマシンインタフェース)

4.2.1.1

一般  装置は,資格をもつ使用者が直ちに操作でき,かつ,関連規格の要件を満足するように製

造しなければならない。

使用者がどの時点においても,HMI(ヒューマンマシンインタフェース)の状態を容易に理解でき,理


7

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

解内容を維持できるものでなければならない。

HMI は,安全に関連した操作上の要件に対して,リスクを生じるような作業負担を増加するものであっ

てはならない。

4.2.1.2

配置(6.1.2 参照)

(IMO  決議 A.694/3.1)

操作器類の数,デザインと機能方法,位置,配置及びサイズは簡単,迅速で効

果的な操作ができるものでなければならない。操作器類は機能グループ別に配置しなければならない。

機能キーのレイアウトは,それぞれの重要度に応じたものにしなければならない。例えば,緊急用の機

能キーは目立つ位置に配置し,特徴のある外観で,その機能専用としなければならない。

4.2.1.3

操作(6.1.3 参照)

(IMO  決議 A.694/3.1/3.2)

すべての操作器は,通常の調整が容易に行うことができ,かつ,不注意によ

る誤操作の可能性を最小限にする配置としなければならない。通常の操作に必要のない操作器には,容易

にアクセスできてはならない。

操作器の操作をする場合,同操作器の表示器の確認が調整上必要な場合には,その表示器の視認を妨げ

てはならない。

すべての操作において誤って選択した機能から戻る又は不要な状態から抜けるための明確な表示がある

か若しくは一貫した簡単な操作ができなければならない。使用者は,装置を起動,中断,再起動及び停止

することができなければならない。不完全又は中断した手動入力によって,装置の動作が停止してはなら

ない。

4.2.1.4

識別(6.1.4 参照)

(IMO  決議 A.694/3.2)

すべての操作器及び表示器は,装置が通常操作される位置から容易に識別・読

取りができなければならない。

操作器と表示器は,英語(国際慣用語)で識別でき,かつ,装置の技術規格に規定された表示を用いな

ければならない。IEC 60417 又は関連の装置技術規格に規定したシンボルを英語表記に付加してもよい。

4.2.1.5

画面表示及び表示内容(6.1.5 参照)  画面には個々の機能に対応した最も簡素化した情報を表示

するものとし,装置の機能に関連のない情報の表示及び無関係な文字や図形の表示はしてはならない。最

低限,言語には英語を使用しなければならない。

メニューは,機能に応じてグループ化しなければならない。同じように現れるアイテムは,どのような

種類であっても一貫した動きをしなけばならない。メニューの一部から別の部分に移るとき使用者が情報

を記憶してはならない。

動作全般においてシステムの状態は,主要なデータ表示で確認できなければならない。使用者が操作を

行うときに必要とするすべての情報は,現在使用中の画面に表示しなければならない。使用中のモードは

明確に表示器に表示しなければならない。画面を見ながら行う操作のどの段階においても,一挙動で同操

作開始前の状態に戻すことが可能でなければならない。

フィードバックのタイミングは,要求される機能に対して一貫していなければならない。どの操作にお

いても短時間で明確なフィードバックがなければならない。応答に目立った遅れが発生する場合は視覚的

表示が得られなければならない。

表示する文字は,使用者に明りょうに読みとることができ,

容易に理解できるものでなければならない。

可能な限り単純で自然な表現を使用しなければならない。装置には船舶用語を使用しなければならない。

追加のオンラインヘルプ機能が利用できる場合には,タスクに適合したフォームであり,

検索しやすく,

操作ステップが表記されていなければならない。


8

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

情報は,すべてハイコントラストの背景に表示され,夜間には可能な限り低い発光で,夜間ワッチ当直

者の視認性を損なわれてはならない

4.2.1.6

音声機能(6.1.6 参照)  音声機能が設備されている場合は,他の表示又はアラームの補助機能と

しなければならない。音声機能が故障しても具備されている表示器又はアラームの機能を損なってはなら

ない。

最低限,英語が使用できなければならない。アナウンスの内容は船舶用語を使用した平易な英語とする

が,通常使用する命令と混同されないようにしなければならない。

音声出力をチェックし,かつ,適切な音量に調整できる方法を具備しなければならない。音量を完全に

消し切るように調整できなければならない。

アナウンスの内容は,操作者が配置される可能性のあるすべての場所及び当該環境条件下において,明

りょうに理解できなければならない。

アナウンスの音量はアラームの項(4.2.2.2 参照)に規定したレベルを超えてはならない。音量の急激な

変化があってはならない。

アナウンスは,関連した表示又はアラームが確認された段階で停止しなければならない。

4.2.1.7

操作の安全性(6.1.7 参照)  システムは,明白なユーザアクションエラー(使用者の誤操作)を

防止するように考慮しなければならない。

取消し不可能なエラーとなる可能性があるすべての操作には,始める前に確認を必要としなければなら

ない。

あるアクションによって検知可能な誤動作が生じた場合,システムは,可能な限り,UNDO(元に戻す)

又は REDO(やり直し)オプションのような明確なフィードバックを備えなければならない。

装置は,他のシステム又は信号源からの入力に含まれる特性指標を利用できなければならない。

使用者は,一回の操作で既知の安全状態に戻す手段をもつものとする。

4.2.1.8

遭難警報(具備している場合)(6.1.8 参照)

(IMO  決議 A.803/2.6)

遭難警報は専用の遭難ボタンだけで起動できてはならない。このボタンは,装

置に取り付けられる

ITU

デジタル入力パネル又は装置に使用される

ISO

キーボードのキーであってはなら

ない。キーの色は赤とし,

“DISTRESS”

と表示しなければならない。

(IMO  決議 A.803/2.7)

専用の遭難ボタンは:

1

明確に識別でき;更に

2

不用意な操作に対し,跳ね返り式のふた(蓋)又はカバーで保護されたもの

としなければならない。

(IMO  決議 A.803/2.8)

遭難警報の起動には少なくとも

2

回の独立した操作を必要としなければならな

い。

(IMO  決議 A.803/2.9)

遭難警報を送信するように意図された装置は,遭難警報の送信状態を表示しな

ければならない。最初にボタンを操作して警報が起動されるまでは少なくとも

3

秒間の遅延時間を設けな

ければならない。

(IMO  決議 A.803/2.10)

いかなるときにも,遭難警報の反復を中断でき,かつ,遭難警報を発動できる

ものでなければならない。

4.2.2

ハードウエア

4.2.2.1

一般(6.2.1 参照)  安全に関係する機能をもつ装置は,平易な設計を優先しなければならない。

(IMO  決議 A.694/3.4)

操作器の誤使用による装置の損傷や人的傷害がないように設計しなければなら


9

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

ない。

不用意な操作が,電源断や性能劣化又は操作者が気付かない誤表示につながる可能性のある操作器は,

不用意な操作ができないように特に保護措置が講じられていなければならない。

実装されていないオプション機能用の操作器の位置を,除去するなどブロックする措置が講じられてい

なければならない。

(IMO  決議 A.694/3.6 ) 

0

”∼“

9

”の数字を使用するデジタル入力パネルを備えている場合,数字は

ITU-T 

勧告

E.161/Q.11

4

×

3

配列)に合致するように配列しなければならない。ただし,事務機やデータ処理機

などに使われている英数字キーボードが付いている場合,

0

”∼“

9

”の数字は

ISO 3791

に合致するよう

に配列してもよい。

4.2.2.2

警報表示(6.2.2 参照)  装置は,該当する装置規格で要求されるすべての動作の表示器(警告,

警報及び通常の表示)

,表示器,可聴装置の試験ができる設備を備えていなければならない。

警告及び警報の表示は,

“正常”状態では発光してはならない。警報の表示は,赤色であるか,画面上の

表示の場合は,赤色又は強調表示でなければならない。

アラームメッセージが,カラーVDUs(表示器)に表示される場合,表示システムの一色が故障の際も,

アラーム状態が視認できなければならない。

可聴警報の音圧レベルは,音源から 1 m の距離で,75 dB(A)以上,85 dB(A)を超えてはならない。

4.2.2.3

照明(6.2.3 参照)

(IMO  決議 A.694/3.3)  周囲を暗くしなければならない場所に取り付けられる装置の場合,

常時操作器

が識別でき指示器が読み取れるように,適切に調整可能な照明を装置又は船内に設けなければならない。

航海の妨げとなるような装置の光源出力を下げる手段を講じなければならない。

外部照明が必要な場合には,その旨を装置のマニュアルに記載しなければならない。

警告/警報時に点灯する表示器を除き,照明はまぶしくなく“オフ”にまで減光でき,装置のスイッチ

の接続切断又は再起動又は遭難警報時に必要な警報表示は,すべての妥当な周囲の明るさで明りょうに見

えなければならない。

計器の透明カバーは,視認を妨げる反射を生じてはならない。

4.2.3

ソフトウエア

4.2.3.1

一般(6.3.1 参照)  EUT の動作に必要なソフトウエアの設計及び試験の実施規準が記述されて

おり,当局による監査をうけた品質管理システムに適合しなければならない。実施規準は,ソフトウエア

の開発に用いた手順と適用規格が明確でなければならない。特に,次の評価基準を含まなければならない。

−  複合ソフトウエアは,単独モジュール又はグループ化した関連モジュールの個別試験を支援する構造

でなければならない。操作機能と連動する安全保護機能は常に安全性を最優先しなければならない。

−  予期できない不具合や故障のリスクを最小になるようにして,ソフトウエアの保守及びアップデート

をサポートする構造でなければならない。

製造業者は,EUT のソフトウエアが実施規準と 4.2.3 の要求によって開発,試験されていることを示す

ため,例えばブロック図,データフロー又はステータスダイヤグラムのような文書を提出しなければなら

ない。

4.2.3.2

動作の安全性(6.3.2 参照)  装置に搭載されているすべての動作ソフトウエアを保護する措置が

講じられていなければならない。

装置規格に従った操作を容易にするために必要な初起動/再起動用のものも含めた搭載ソフトウエアは,

使用者がそのソフトウエアにアクセスできない方法で,恒久的に装置に搭載されていなければならない。


10

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

その装置規格に従った動作をするために必要な搭載ソフトウエアを操作者が通常使用中に強化,修正,

消去ができてはならない。操作中に使用されシステムに保存されたデータは,必要な改造又は修正を使用

者が行っても,システムの完全性及び正確性に支障を来さないように保護しなければならない。

装置に要求された操作を容易にするために常時,デフォルト値が挿入できなければならない。

安全に関係した機能と同様に,装置から得られる重要な情報の表示と更新は,例えば,対話モードのよ

うな特殊なモードにおいても装置が動作中であることを理由に妨げられてはならない。

提供されたデータが不確か又は相反する情報源からのものである場合は,装置はこのことを表示しなけ

ればならない。

4.2.3.3

モニタリング(6.3.3 参照)  動作ソフトウエア及び装置に記憶されたデータを自動的にモニター

する手段を備えなければならない。システムの起動時及び製造業者の文書に記載されている適切な間隔で

チェックを行わなければならない。自動復帰できないエラー又は故障に対しては,個別の警報を出しワー

クステーション上で使用者が観察できなければならない。

4.2.3.4

操作(6.3.4 参照)  システムは,共通手順の選択をスピードアップするためのファンクションキ

ーを備えてもよい。

4.2.4

ユニット間の接続(6.4 参照)  外部通信のために装置は,IEC 61162 シリーズの該当規格に合致

した標準プロトコル及びデータフォーマットに適合しなければならない。

(IMO  決議 A.694/3.5)

装置の構成ユニットが一つ若しくはそれ以上の別のユニットに接続される場合,

各ユニットの性能が維持され,

一構成要素の性能がそれ以外のユニットの性能に影響を及ぼしてはならな

い。

機能がデータに依存しない限り,データ交換が中断しても装置は動作を継続できなければならない。

4.3

電源

4.3.1

電源変動限界(7.1 参照)

(IMO  決議 A.694/4.1)

装置は,船舶で通常起こり得る電源変動下でも関連の規格要件に従って動作を

継続しなければならない。

4.3.2

過大条件(7.2 参照)

(IMO  決議 A.694/4.2)

過電流,過電圧,過渡現象及び電源極性又は位相の偶発的反転に対して,装置

を保護する措置が講じられていなければならない。

4.3.3

電源短期変動及び電源故障(7.37.4 参照)

(IMO  決議 A.694/4.3)

装置が二つ以上の電源で動作する場合,一つの電源から他の電源に速やかに切

り替える設備を備えなければならない。ただし,装置に内蔵する必要はない。

4.4

環境条件に対する耐久性及び対抗力(8.参照)

(IMO  決議 A.694/5)

船上で発生し得る種々の海況,船の運動,振動,湿度及び温度条件下で連続して

動作しなければならない。

この規格の目的のために,装置及びユニットは,次の四つのカテゴリに分けられなければならない:

a)

携帯形;

b)

風雨からの防護形(旧クラス B)

c)

風雨への暴露形(旧クラス X)

d)

没水又は海水に常時接触する形(旧クラス S)

各カテゴリの装置例は,

附属書 にある。

装置のマニュアルには,装置のカテゴリを記載しなければならない。


11

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

船上での環境条件は,

附属書 に規定する。

4.5

干渉

4.5.1

電磁両立性(9.及び 10.参照)

(IMO  決議 A.694/6.1)

当該装置と

SOLAS

条約第

III

章,

IV

章及び

V

章に関連する要件に適合した船舶

搭載無線通信装置及び航海装置との間の電磁両立性を確保するために,合理的,かつ,実際的なあらゆる

措置をとなければならない。

装置の接地要件を装置の装備要領書に記載し,

その要件は最低限 JIS F 8081 に適合しなければならない。

船舶に対する電磁両立性(IEC 60050-161 参照)の要件についての説明は

附属書 に記載している。

4.5.2

音響ノイズ(11.1 参照)

(IMO  決議 A.694/6.2)

すべてのユニットからの機械的ノイズは,船舶の安全を左右するサウンドの聴

き取りを阻害しないように制限されなければならない。

4.5.3

コンパス安全距離(11.2 参照)

(IMO  決議 A.694/6.3)

基準コンパス又は操だ用磁気コンパスの周辺に通常装備される装置の各ユニッ

トには,コンパスから取付け可能な最小安全距離を明示しなければならない。

固定装置の場合には装置に明示する代わりに装置マニュアルに記載してもよいが,携帯形装置の場合に

は必ず装置に明示しなければならない。

ISO 694

では,コンパスの“周辺”とは 5 m 以内であると定義している。コンパス安全距離を表示しな

い装置の場合,マニュアルに装置がそのように定められた周辺の外部に設置する指示を含まなければなら

ない。

4.6

安全対策

4.6.1

危険電圧への偶発的な接触に対する保護(12.1 参照)

(IMO  決議 A.694/7.1)

実際上可能な限り,危険電圧への偶発的な接触を防止しなければならない。ピ

ーク電圧が

50 V

以上の直流又は交流電圧又はその両者の組合せ(無線周波電圧を除く)につながるすべて

の部品と配線は,偶発的な接触に対して保護されており,保護カバーを外すと自動的に電源が遮断されな

ければならない。また,装置はスパナ又はドライバのような目的にかなった工具を使わなければこれらの

電圧には触れない構造になっており,装置内と保護カバー上に警告ラベルを目立つようにちょう(貼)付

していなければならない。

(IMO  決議 A.694/7.2)

装置の露出した金属部分を接地する手段を備えていなければならない。

ただし,

これによっていかなる電源端子も接地してはならない。

4.6.2

無線周波電磁放射(12.2 及び 12.3 参照)

(IMO  決議 A.694/7.3)

装置から放射される無線周波の電磁エネルギーが,人体に害を与えないように

あらゆる実行可能な措置を講じなければならない。

4.6.3

X

線放射(12.4 参照)

(IMO  決議 A.694/7.4)  X

線を放射する可能性のある真空管のような素子,例えば,

CRT

,マグネトロン,

TR

管(セル)などをもつ装置は,次の要件に適合しなければならない。

1

通常の動作状態で装置から外部への

X

線放射は,関係主管庁の設定する限度を超えてはならない。

2

装置内部で関係主管庁の設定する限度を超える

X

線を放射する可能性のある場合,警告を目立つよ

うに装置内部に取り付け,その装置で作業するときに守るべき予防策を装置のマニュアルに記載し

なければならない。

3

装置の故障によって

X

線放射が増加するおそれのある場合には,装置のマニュアルに適切な情報を


12

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

記載し,そのような増加が引き起こされる状況を警告し,かつ,採るべき予防策を記述しなければ

ならない。

4.7

保守(13.参照)

4.7.1

ハードウエアの保守

(IMO  決議 A.694/8.1)

装置は,入念な再校正や再調整を必要とせずに主要なユニットを船上で容易に

交換できるように設計しなければならない。

(IMO  決議 A.694/8.2)

装置は,検査及び保守のために容易にアクセスできるように組み立てられ,設

置しなければならない。

4.7.2

ソフトウエアの保守  装置は,ソフトウエアの保守が船上で容易に実施できるように設計しなけれ

ばならない。保守は 4.9(表示及び識別)に合致したラベルによって,サポートされなければならない。保

守後,使用者の再訓練は不要としなければならない。

船上の文書は,ハードウエア保守に合わせて更新,変更しなければならない。

4.8

装置マニュアル(14.参照)

(IMO  決議 A.694/8.3)

適正な資格をもつ乗組員が装置を正しく操作でき,かつ,保守するために必要

な情報を提供しなければならない。

取扱マニュアル及びサービスマニュアルは:

a

英語で記載しなければならない;

b)  4.4

で定めた装置又はユニットのカテゴリを,明記しなければならない;

c

(IMO  決議 A.694/8.3.1)

故障診断及び修理が部品レベルまでできるように設計されている装置の場

合,完全な回路図,部品配置図及び部品表を提供しなければならない;

d)  (IMO 

決議 A.694/8.3.2)

故障診断及び修理が部品レベルまでできない合成モジュールをもった装置

の場合,欠陥モジュールを特定,識別,交換するために十分な情報を提供しなければならない。それ

以外のモジュール及びモジュールの構成品でない個別部品については

4.8 c)

の要件に適合しなければ

ならない。

さらに,ブリッジに装備が必要である他の装置の動作によって受ける制限を考慮したうえで,関連規格

の要求に合致した動作をするように装置を装備できるように十分な情報を提供しければならない。

4.9

表示及び識別(15.参照)

(IMO  決議 A.694/9)

装置の各ユニットには,可能な限り,通常の設置状態で明りょうに読み取れるよ

うにその外部に次の情報を表示しなければならない:

1

製造業者名;

2

型式試験を受けた装置のタイプ番号又はモデル名;

3

装置の製造番号。

代わりに,装置起動時に表示器上に表示してもよい。

これは,装置を船に納入する前又は船上装備時のいずれでも表示しなければならない。

インストールしたソフトウエアシステムに含まれる各ソフトウエアエレメントのタイトル及びバージョ

ンが表示されているか又はコマンドによって装置に表示しなければならない。

ソフトウエアのタイトル及びバージョンが画面上にだけ示す場合は,その情報を装置のマニュアルにも

表示しなければならない。

コンパス安全距離の表示は,4.5.3 の規定による。


13

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

5.

試験方法及び試験結果要件

5.1

一般  試験及びこれに関する試験方法には,技術試験及び動作チェックの二つのカテゴリがある。

性能,耐久性及び電磁両立性(EMC)に対する技術試験は,試験所又は試験施設で行う。装置の操作使用

のために備えられた施設が妥当であることをチェックするために,操作チェックは試験所又は船上で行っ

てもよい。

技術的性能は,二つ以上のレベルで確認できる。装置規格への完全な適合確認を必要とするレベルは性

能試験で,装置が動作するということだけを確認する必要のあるレベルは性能チェックである。性能チェ

ックは性能試験よりも一般的に範囲が狭く時間をかけない。単一の性能チェックで十分な装置の場合や技

術的な理由で,この規格で規定する様々な試験に対して異なったチェックを規定するのが適している場合

もある。

性能試験と性能チェックの項目及び各試験のチェック項目は,装置規格に詳しく規定するものとする。

装置の規格がないか,装置の規格に性能試験が規定されていない場合は,性能試験が試験計画として明確

にされ,試験報告書に記載しなければならない。

耐久試験は,妥当な場合,船上での環境にさらされることや落下などの誤操作(ミスハンドリング)に

よる過酷な扱い,又は輸送や設置に起因する機械的な劣化に対する装置の抵抗力を試験するためのもので

ある。

EMC 試験は,船の電磁環境下で装置が規定の動作をするか,そのような電磁環境を不当に作りださない

かをチェックするものである。

別に規定する場合を除き,EMC 試験,性能試験と性能チェック及び動作チェックのために規定された期

間中だけ[

(EUT)供試装置]に給電しなければならない。

関連する装置規格で相違点を特に規定しない限り,すべての試験及びチェックは,この規格で規定する

試験条件下で要求どおりに実施しなければならない。試験順序が関連する装置規格で規定していない場合

は,都合のよい順序で実施してもよく,組合せてもよい。

試験中,EUT を正しくセットアップし,維持,操作できるように,適切な情報を提供しなければならな

い。

IMO 

決議 A.694 とそれに対応するこの規格での試験の相互参照表を附属書 に記載する。

5.2

試験条件  通常試験及び限界試験の条件は,環境条件及び電源のパラメータで規定する。“通常”と

いう語句は,この条文では,通常試験及び限界試験の条件が船上で通常遭遇する広範囲な条件を共にカバ

ーしているということに特に注意したうえで,その文脈を踏まえて解釈するものとする。

試験用電源は,EUT(供試装置)のすべての負荷変動に対して通常試験及び限界試験の電圧並びに交流

電源の場合には周波数を供給できなければならない。その電源の内部インピーダンスが,試験結果に対し

影響が無視できる程に十分低くなければならない。電源の電圧と周波数は EUT の入力端で測定しなければ

ならない。

内蔵の蓄電池から給電する装置では,試験用電源の使用は便宜的な場合だけに限り,製造業者と合意し

たうえで使用しなければならない。何らかの相違が発生した場合は,蓄電池の使用で得られる結果が,試

験用電源使用で得られる結果よりも優先しなければならない。

5.2.1

通常試験条件  通常環境条件は,15∼35  ℃の温度及び 20%∼75%の相対湿度の範囲内で適切な組

合せとしなければならない。

上記で規定した環境条件下で試験を実施することが実際的でない場合,試験中,より現実的な環境条件

が適用されたことで,この状態の影響に対する注釈は,試験報告書に添付しなければならない。


14

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

通常試験の電源電圧は,装置が設計された一つ(又はいずれか)の公称電圧に対して±3%の範囲内でな

ければならない。交流電源の場合,試験用電源周波数は,公称周波数の±1 Hz の範囲内でなければならな

い。

5.2.2

電源変動限界条件  電源変動限界条件は,8.に規定する。

船内電源の変動限界は,JIS F 8061 の規定による。これらに対する試験としては,

表 による電源変動

の組合せを EUT に適宜使用しなければならない。

表 1  電源変動限界

電源

電圧変動  %

周波数変動  %

交流

±10

±5

直流

+30 
−10

非適用

内蔵の蓄電池を使用する装置の場合,試験電圧の下限は使用する蓄電池のタイプに従わなければならな

い。すなわち:

−  一次電池:アルカリ電池又はリチウム電池:

蓄電池の公称電圧の 0.8 倍

−  水銀電池:

蓄電池の公称電圧の 0.9 倍

−  二次電池:カドミウム電池:

蓄電池の公称電圧の 1.2 倍及び 0.9 倍

−  その他のタイプの蓄電池:

製造業者が指定する終末電圧

すべてのタイプの内蔵の一次蓄電池の試験電圧の上限は,蓄電池の公称電圧としなければならない。

他の電源を使用するか種々の電源で動作する装置の場合,その限界試験電圧については装置製造業者と

合意し,試験報告書に記録しなければならない。

EUT に対して実施する性能試験及び性能チェックのスケジュールについては,表 に規定する。

5.2.3

過大条件  この条件は,限界条件を超えるものであり,性能の劣化の発生の有無にかかわらず,装

置規格の規定どおりに EUT が動作することを確認するためのものである。このうち,過電流とは通常の動

作電流を超えた電流と定義する。

過電圧とは 5.2.2 で規定した電圧を超えた電圧である。そのような過大入力に対して,製造業者が選択し

た適切なレベルで保護されていなければならない。その保護装置が動作したとき,例えばヒューズの交換

などで EUT がリセットされなければならない。保護装置が動作するように電源を調整し,EUT がリセッ

トされた後,通常試験条件下で性能チェックを実施しなければならない。

電源の誤接続も過大条件と見なされる。妥当な場合は,電源の極性を逆にしたり位相を反転させたりし

て,5 分間装置に給電しなければならない。試験終了後,必要なら EUT の保護装置をリセットし,電源を

通常どおりに接続して性能確認を行わなければならない。

5.3

試験結果  すべての適切な試験結果を記録するための試験報告書を作成しなければならない。

測定試験結果は,対応する許容性能限界と比較し,測定した性能マージンが適正であり試験計測の不確

かさよりも大きい場合だけ EUT が試験に合格したとしなければならない。試験報告書には,それぞれの試

験測定に対して,試験結果,それに伴う測定の不確かさ,許容性能限界及び該当する性能マージンを明示

しなければならない。

4.

の試験方法で規定していない要求事項は,装置の検査,製造図面,又は他の該当文書によって,チェ

ックしなければならない。実施したチェックは,試験報告書に記述し結果を記載しなければならない。

試験報告書に要求される情報のガイダンスは,

附属書 に規定する。


15

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

6.

動作チェック(すべてのカテゴリの装置)

6.1

人間工学及びヒューマンマシンインタフェース  EUT は,規定の要求事項に適合していることを確

認するために次のとおりチェックしなければならない。実施されたチェックは,試験報告書に記述し結果

を記載しなければならない。

6.1.1

一般  装置規格で要求されるすべての動作モードが使用でき,これらのモードが必要な範囲で操作

できることをチェックしなければならない。指定されたとおりに機能し,期待どおりに動作することを確

認するために,すべての操作器はすべての設定位置に動かさなければならない。

6.1.2

配置(4.2.1.2 参照)

a)

操作器の数,形状,機能,位置,配置及び大きさは,EUT を簡単,迅速,かつ,効果的に操作できる

かどうかをチェックする。操作器類は機能に従って論理的にグループ分けされていることをチェック

する。

b)

操作器の形状と大きさが操作方法に適していることをチェックする。トラックボール,ジョイスティ

ック又はマウスの場合,コントローラは,X,Y 軸方向出力の組合せを出力でき,コントローラの従

動表示が,スクリーンの端からはみ出さないことをチェックする。ジョイスティックの場合は,

“ホー

ムポジション”があり,その位置に戻せることをチェックする。

c)

タッチスクリーンの場合,押して動作させる場合のレスポンスエリアの大きさは縦,横 15 mm 以上で

あり,操作に必要な力は適用可能なかぎり最大 1.5 N であることをチェックする。

d)

情報の表示方法が,情報の予想される最大変化速度に適したものであることをチェックする。変化速

度の早い場合には,デジタルよりもアナログ表示の方が時には適している。

e)

回転形操作器及び表示器が,右回りで量又は効果が増大をすることをチェックする。

f)

直線形操作器及び表示器が,上向き又は右方向に動かすと,量又は効果が増大することをチェックす

る。

g)

使用者が変化方向を素早く認識する必要のある場合は,デジタル表示に変化方向の表示を備えている

ことをチェックする。

h)

操作に関連する装置のエレメント及び操作に関連する表示は,装置をセットアップするなどのその他

の機能のために設けられたエレメントから容易に区別できることをチェックする。

6.1.3

操作(4.2.1.3 参照)

a)

すべての操作器は,通常の調整が容易にでき,不用意な操作の機会を最小限にするように配置されて

いることをチェックする。通常動作には不要だが性能に影響する可能性のある操作器は容易にアクセ

スできないことをチェックする。

b)

すべての操作器及び表示器は,容易に使用でき正確であること及びその機能や環境(予想される周囲

の照明又は音)に一般的に適していることをチェックする。

c)

調整のために指示器を観察する必要がある場合,操作器を操作したことで操作に関する表示を覆い隠

さないことをチェックする。

d)

すべての操作において,誤選択からの復帰又は好ましくない状態からの離脱のため,明りょうな表示

と一貫した単純な動作が可能であることをチェックする。使用者がいつでも,操作の開始,中断,再

開,終了ができることをチェックする。

6.1.4

識別(4.2.1.4 参照)

a)

すべての操作器及び表示器は,装置を通常操作する場所から容易に識別でき読み取れることをチェッ

クする。


16

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

b)

計器及び表示器の文字は,簡単明りょうであることをチェックする。文字の高さ(mm)は読取り距

離(m)の 3.5 倍以上であり,文字幅の公称値は高さの 0.7 倍とする。操作のできる計器又はコントー

ルと接続して取り付けられるメータ類は少なくとも 1 m の距離で読み取ることができ,その他のメー

タ類は少なくとも 2 m から読み取れることをチェックする。

c)

操作と表示には英語を使用し,装置の規格で規定された識別名称が使われていることをチェックする。

d)

表示が操作者の目線に対して満足のいく位置にあり,通常の操作状態で関連の操作器を操作したとき,

表示を見にくくしないことをチェックする。

6.1.5

画面表示器及び指示器(4.2.1.5 参照)

a)

メニューがタスク環境に従ってグループ分けされていることをチェックする。メニューの階層構造は,

必要なステップが最小となるように設計され,メニュー内の現在の位置が使用者に分かるようになっ

ていることをチェックする。

b)

メニュー選択にキーコードを使用する場合は,各コードが任意の一文字でなく表示されるオプション

ラベルの最初の一文字又は複数の文字であることをチェックする。

c)

メニューには,現在の環境において使用者が使用できるオプションメニューだけが表示されているこ

とをチェックする。メニューアイテムにカーソルを当てるとハイライトすることをチェックする。

d)

メニューアイテムが“オン”

“オフ”状態をもっている場合には,

“オン”状態は視覚的に明りょうに

表示されており,  メニューアイテムの“オン”

“オフ”の選択によって状態が変化することをチェッ

クする。

e)

同じに現れるアイテムは,一貫した動きをすることをチェックする。例えば,

−  表示フォーマット及びメニューの階層構造の考え方が一貫している。

−  画面が違っても使用するメニューは一貫している。

−  画面上のメニュー表示位置が一貫している。

−  入力のプロンプト及びラベルが一貫している。

f)

ある部分の対話画面から他のダイアログに移るとき,使用者が情報を記憶する必要のないことをチェ

ックする。

g)

適切な船舶用語が SMCP にある場合,システムがそれらに適合した用語を使用しているかをチェック

する。

h)

表示テキストは,可能な限り理解しやすいものであることをチェックする。

i)

追加のオンラインヘルプが利用できるときは,タスクに適合したフォームであり,検索しやすく,ス

テップがリストされていることをチェックする。

j)

すべての操作においてシステムの状態が,必須のデータを表示した状態で,観察できることをチェッ

クする。

k)

使用者が操作するために必要なすべての情報が,現行の画面に出ていることをチェックする。

l)

フィードバックのタイミングが操作要求に対して一貫していることをチェックする。どのようなアク

ションに対しても短時間に明確なフィードバックがあることをチェックする。応答に目立った遅れが

発生する場合は視覚的表示が得られることをチェックする。

m)

画面でサポートされている操作がどのステップにあっても,その操作を開始する前の状態へ一挙動で

戻れることをチェックする。

n)

使用中のモードが,画面で識別できることをチェックする。

o)

表示内容が,機能と一貫して情報を最も簡明に提供し,タスクに無関係な情報若しくは余分なテキス


17

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

ト又はグラフィック表示が表示されないことをチェックする。

p)

表示されたテキストは,使用者に明りょうに読み取れることをチェックする。英数文字のフォントと

サイズに一貫性がとれていることをチェックする。いかなるフォントが使用されていても,X と K,

T と Y,I と L,I と 1,0 と O と Q,S と 5,U と Y といった文字の区別がはっきりとできることをチ

ェックする。

q)

測定単位が,いかなるデータでも表示されていることをチェックする。

r)

情報が,すべてハイコントラストの背景に表示されていることをチェックする。

s)

ハイライト表示が,容易に認識でき,適用しないときにはハイライトを止められることをチェックす

る。

t)

フラッシングは,警報を知らせるためにだけ使用し,どの時点においても一度に画面のごく一部だけ

をフラッシングさせることをチェックする。使用者が警報テキストを読む必要があるときは,テキス

トでなくマーカーシンボルがフラッシュすることをチェックする。2 種以上のフラッシングレートが

ないこと及び時間的に同期していることをチェックする。

6.1.6

音声機能(4.2.1.6 参照)

a)

音声機能には,SMCP に適合した適切な船舶用語による平易な言語及び英語が使用されていることを

チェックする。

b)

消音するまで音量を調整することが可能なこと及び突然音量の変化が発生しないことをチェックす

る。

c)

音声機能に関連した表示又は警報が認められたとき音声機能が停止することをチェックする。

d)

音声機能システムの故障が指示器又は警報の性能を低下させないことを,スピーカを無効にしてチェ

ックする。

6.1.7

操作の安全性(4.2.1.7 参照)

a)

検出できる使用者アクションエラーの発生を妨げるようになっていることをチェックする。

b)

元に戻すことのできない操作は,続行する前に確認が必要になっていることをチェックする。

c)

検出可能なエラーが発生したときは,常時 UNDO 及び/又は REDO オプションのような明確なフィ

ードバック機能が可能な限り備えられていることをチェックする。

d) EUT

が他のシステム又は情報源からの入力に含まれる特性指標を利用していることをチェックする。

e)

使用者が一挙動で既知の安全状態へ戻る手段をもつことをチェックする。

6.1.8

遭難警報(4.2.1.8 参照)

a)

遭難警報の発呼は,専用の遭難ボタンだけで行え,このボタンが装置附属の ITU-T 型式のデジタル入

力パネル又は ISO 規格のキーボードキーのどれかを使ったものでないことをチェックする。そのボタ

ンが通常操作にて使用する機能ボタン/キーとは物理的に分離されたものであることをチェックする。

そのボタンは遭難警報を発呼する目的だけで使用する単独なボタンであることをチェックする。

b)

専用の遭難ボタンは,赤色で明確に識別でき,

“DISTRESS”の表示が付されていることをチェックす

る。不透明なふた(蓋)又はカバーが使用されているときも“DISTRESS”の表示が付されているこ

とをチェックする。

c)

専用の遭難ボタンが,例えばヒンジで装置へ取り付けられているスプリング式のふた又はカバーによ

って不用意な操作ができないように保護されていることをチェックする。遭難ボタンを操作するため

に特別にシールを取り外したりふた又はカバーを壊したりする必要がないことをチェックする。

d)

遭難警報の発呼には,少なくとも二つの独立した操作を必要とすることをチェックする。ふた又はカ


18

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

バーを開けるのは,最初の操作と考え,遭難ボタンを押すのは 2 番目の独立した操作と考える。

e)

装置が遭難警報の発信状態を表示するときは,遭難ボタンによって可視及び可聴表示ができることを

チェックする。遭難ボタンが押されたら直ちにライトのフラッシングと間欠的な音響信号が発生する

ことをチェックする。遭難ボタンを 3 秒以上押すと,遭難警報の発信が開始されフラッシングが止ま

ることをチェックする。

f)

送信中の遭難警報又は遭難メッセージは,中断できないが,遭難メッセージの繰返し発信が中断可能

であることをチェックする。

6.2

ハードウエア  EUT は,次に規定する特定の要件に適合していることをチェックしなければならな

い。実施したチェックは,試験報告書に記述し,結果を記載しなければならない。

6.2.1

一般(4.2.2.1 参照)

a)

実装されていないオプション機能用の操作器の位置を,除去,又はブロックする措置が講じられてい

ることをチェックする。

b)

不用意な操作による電源の切断,性能低下又は操作者が気付かない誤表示につながる可能性のある操

作器は,意図しない操作ができないように特別に保護されていることをチェックする。

c)

通常の操作において操作者がアクセスできる操作器の誤使用による装置の損傷又は人的傷害が生じな

いように EUT が設計されていることをチェックする。

d)

“0”∼“9”の数字を使用するデジタル入力パネルが設けられている場合,ITU-T 

勧告 E.161(4×3

配列)に合致するように配列されているか,又は事務機やデータ処理機に使用される英数字キーボー

ドの場合,

“0”∼“9”の数字が ISO 3791 に合致するように配列されているかをチェックする。

6.2.2

警報及び表示(4.2.2.2 参照)

a) EUT

が,すべての作動表示(警報,警告及びルーチン)

,表示器及び可聴装置の試験ができる機能を

備えていることをチェックする。可聴警報については 11.1 に示す方法でチェックする。

b)

警報表示は,赤色,又は,表示器に表示する場合は,赤色か他の色で強調されていることをチェック

する。

c)

警告及び警報の表示は,CRT 又は LCD 表示器上の警報表示領域の輪郭を示す場合を除き,

“安全”状

態では自己発光せず,間接照明されている場合は,誤認を避けるために,照度が十分低いことをチェ

ックする。

6.2.3

照明(4.2.2.3 参照)

a) EUT

に備える照明は,予想されるすべての周囲の照明状態において,装置を操作するのに適切である

ことをチェックする。照明は夜間使用のために調整可能でワッチ当直者の視覚の妨げとならないこと

をチェックする。

b)

航海の妨げとなり得る装置の光源の出力を低下させる手段を備えていることをチェックする。

c)

外部照明が必要な場合は,装置のマニュアルにその旨が記載されていることをチェックする。

d)

警告及び警報表示ランプは,表示が読み取れない程度に減光できないことをチェックする。

e)

警告/警報時に点灯する表示器を除き,照明はまぶしくなくオフにまで減光でき,装置の再起動や遭

難警報時に必要な警報表示は,すべて妥当な周囲の明るさで明りょうに見えることをチェックする。

f)

トラックボールのような照明されていない操作器は,触感によって容易,かつ,間違いなく確認でき

ることをチェックする。

g)

すべての情報は,夜間ごくわずかな発光の背景で,ハイコントラストで表示されることをチェックす

る。


19

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

h)

計器類の透明なカバーは,計器類の読取りを許容できないレベルまで低下させる反射を生じないこと

をチェックする。

i)

周囲の明るさが変化する状態で使用される場合,ランプはすべて最大輝度から減光できることをチェ

ックする。

6.3

ソフトウエア  EUT は,次に規定する特定の要件に適合していることをチェックしなければならな

い。実施したチェックは,試験報告書に記述し,結果を記載しなければならない。

6.3.1

一般(4.2.3.1 参照)  4.2.3.1 に合致するかマニュアルを,チェックする。

6.3.2

操作性の安全(4.2.3.2 参照)

a)  4.2.3.2

に合致するかマニュアルを,チェックする。

b)

すべての操作モードにおいて適切な場合,ソフトウエアのデフォルトを挿入できることをチェックす

る。また,そのデフォルト値は,次によることをチェックする:

−  適用する装置規格に従い,装置の好ましい操作又は期待される操作を容易にする;

−  予期せぬ又は無効な操作を起こさない;

−  システムを動作するために取り込む入力数又は伝送数を最小にする効果をもつ。

c)

装置を無効な操作へ導くような入力を試みた場合,ソフトウエアは操作を抑止させるか操作者に警告

することをチェックする。

d)

操作者がデフォルト値以外の値を選択することが可能であることをチェックする。

e)

通常の操作では必要としない操作又はシステム性能に逆効果を及ぼす操作には容易に入れないことを

チェックする。

6.3.3

モニタリング(4.2.3.3 参照)  4.2.3.3 に合致するかマニュアルを,チェックする。製造業者は,復

帰できないエラーを発生する方法についての情報を提供しなければならない。

上記情報に従い,自動復帰できないエラーを実行する。製造業者の書類どおりに警報が認識できること

をチェックする。

備考  製造業者が,装置の監視機能の動作方式についての説明書を提供し,本機能の動作方式と監視

機能の働きが規定要件に適合する旨の宣言書を試験機関に提出する場合には,この試験を免除

することができる。

6.3.4

操作(4.2.3.4 参照)  4.2.3.4 に合致するかマニュアルを,チェックする。

6.4

ユニット間の接続(4.2.4 参照)  EUT が他のユニットに接続されて動作する場合は,EUT 及び他の

ユニットの性能が維持されるような配慮がなされていることを,必要に応じて装置のマニュアルによって

製造業者から確認する。特に:

a) EUT

と他の装置との間のソフトウエアインタフェースを試験し,必要な場合には特別の試験ソフトウ

エアが備えられていることをチェックする;

b) EUT

とそれに接続される装置が電気的に分離・絶縁する処理がなされていることを,適切な場合,次

によって確認する:

1)

ユニット間においてどの信号のやりとりも信号源への影響を最小限に抑えられる;

2)

回路に負荷がない又は伝送ライン,特に,高周波信号や立ち上がりの早い信号に対してのミスマッ

チがない;

3)

装置のユニット間で 1 kV の絶縁に耐える能力がある。

7.

電源−試験方法及び試験結果要求


20

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

7.1

限界電源(4.3.1 参照)  限界電源条件での性能試験及び性能チェックは,表 に示す環境条件で行

わなければならない。

表 2  性能試験及び性能チェックのスケジュール

環境

通常電源

限界電源

高温

性能試験

性能チェック

高温高湿

性能チェック

低温

性能試験

性能チェック

通常温度

性能試験

性能試験

                    備考  これらの試験は,8.の試験と同時に行ってもよい。

7.2

過大条件(4.3.2 参照)  関連要求事項は,5.2.3 参照。

7.3

電源の短期変動(4.3.3 参照)  関連試験は,10.7 参照。

7.4

電源故障(4.3.3 参照)  関連試験は,10.8 参照。

8.

環境条件に対する耐久性及び対抗力−試験方法及び試験結果要件(4.4 参照)

8.1

一般  試験に先立ち EUT を目視検査後,事前調整し,装置規格に従って機械的電気的にチェックし

なければならない。

すべての試験は,通常の操作時の構成で,架台や支えを含め機械的に固定して行わなければならない。

試験チャンバーは,EUT に比べて大形化するか強制空気循環によって,できるだけ自由気流に近づけな

ければならない。チャンバーの内部は,EUT が発散する熱の再放射を避けるよう処置していなければなら

ない。チャンバー内温度の最大上昇率又は下降率は毎分 1  ℃とし,また,別に規定がない限り,試験チャ

ンバーの湿度は過度の結露が発生しないように調整しなければならない。

EUT は,表 に示す組合せで通常及び限界試験条件下で性能試験(PT)並びに性能チェック(PC)を

行わなければならない。

性能チェックは,各々の耐久性試験の後,通常の試験条件で実施しなければならない。

各試験中又はチェック中に EUT は,その性能基準に従って正常に動作しなければならない。

4.4

で規定するそれぞれのカテゴリの EUT の各ユニットにおいて実施される試験に対する環境条件は,

表 に要約する。各カテゴリでの装置例は附属書 に規定する。


21

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

表 3  環境に対する耐久性及び対抗力

携帯形

防護形

暴露形

没水形

高温

+55 ºC(保存  +70 ºC)

+55 ºC

+55 ºC(保存+70 ºC)

(保存  +70 ºC)

高温高湿

+40 ºC  相対湿度 93%  1  サイクル

*

低温

−20 ºC(保存  −30 ºC)

−15 ºC

−25 ºC

*

熱衝撃

温度差 45 ºC の水中

*

硬い表面への落下

1

m の高さから 6 回

*

水中への落下 20

m の高さから 3 回

*

振動

掃引周波数 2 Hz∼13.2 Hz 振幅±1 mm,13.2 Hz  ∼100 Hz 加速度 7 m/s

2

各共振点で 2 時間以上の耐久試験 
共振点が皆無の場合,30 Hz で 2 時間以上,全 3 軸方向

注水

*

12.5 mm

φ

ノズル

3 m から 100 L/min

*

潜水

100 kPa (1 bar )で 5 分間 
10 kPa (0.1 bar)双方向 VHF

*

600 kPa (6 bar) 
で 12 時間

日射

1,120 W/m

2

  80 時間

* *  *

耐油性

ISO Oil No. 1 
24  時間,19 ºC

* *  *

腐食

2 時間の塩水噴霧後,40 ºC,90∼95%RH の試験チャンバー内に 7 日間放置,これを 4 回繰り返す。

*  :非適用

限界環境条件下での各試験の最後で,次の試験実施前に,EUT を 3 時間以上又は水分が蒸発してしまう

までのいずれか長い時間,通常環境条件(5.2.1)に置く。湿気を早く取り除くために EUT を動揺させたり,

室温の空気を吹き付けたりしてもよい。

8.2

高温試験

8.2.1

保存試験(携帯形,暴露形,没水形装置)

8.2.1.1

目的  この試験は,非動作状態で装置への熱応力の影響をシミュレーションするものである。70

ºC は,船上の密閉空間内及び港湾内で最大の日射にさらされた装置内で発生する可能性のある温度の最高

値である。

8.2.1.2

試験方法  EUT を常温常湿のチャンバー内に置く。温度を 70 ºC±3 ºC  に上昇させ,10∼16 h そ

のままの状態を維持しなければならない。

この試験の最後に EUT を通常の環境条件に戻し,関連の装置規格に従い性能チェックを行わなければな

らない。

7.1 参照)

詳細は,IEC 60068-2-2 及び IEC 60068-2-48 による

8.2.1.3

結果要件  性能チェックの要求事項を満足しなければならない。

8.2.2

機能試験(携帯形,防護形,暴露形装置)

8.2.2.1

目的  この試験は,装置が高温で動作し,かつ,温度変化のある環境で動作する能力を判定する

ためのものである。海上で経験し得る最高気温は+32 ºC とするのが妥当であり,海上での日射による最大

の温度上昇は+23 ºC,したがって,海上の船舶が経験し得る最高温度は

55 ºC である。

8.2.2.2

試験方法  EUT は,常温常湿のチャンバー内に置かなければならない。恒温槽が備えられている

場合は,その電源も入れなければならない。次に 55±3 ºC に温度を上昇させ維持しなければならない。

10∼16 時間,55±3 ºC のチャンバー内に放置した後,その最後に EUT を関連の装置規格に従い性能試

験及び性能チェックを行わなければならない。

7.1 参照)

チャンバー内温度は,性能試験の間を通して,55±3 ºC に維持しなければならない。

試験の最後に EUT は,通常の環境条件に戻さなければならない。


22

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

詳細は,IEC 60068-2-2 による。

8.2.2.3

結果要件  性能試験及び性能チェックの要求事項を満足しなければならない。

8.3

高温高湿試験

8.3.1

機能試験(携帯形,防護形,暴露形装置)

8.3.1.1

目的  この試験は,装置が高湿度の条件下で動作する能力を判定するものである。相対湿度 95%

の地表大気中で起こる最高値である+40  ℃の上限温度で 1 サイクル試験する。

8.3.1.2

試験方法  EUT を常温常湿のチャンバー内に置き,温度を 40±2℃に上昇させ,3 時間±0.5 時間

かけて相対湿度を(93±3)%に上昇させる。このままの状態を 10∼16 時間維持しなければならない。この

試験の終わりに,EUT に温度調整装置が組み込んである場合にはその電源を入れてもよい。

30 分後又は製造業者が合意した期間の後に EUT の電源を入れ,2 時間以上動作させ,この間に EUT を

関連の装置規格に従って性能チェックを行う。

チャンバー内温度と湿度とを全試験期間中,規定どおりに維持しなければならない。

試験終了後,EUT をチャンバー内に放置したまま 1 時間以上かけてチャンバー内温度を室温に戻さなけ

ればならない。

試験終了時,EUT は,通常環境条件に戻さなければならない。

詳細は,IEC 60068-2-30 による。

8.3.1.3

結果要件  性能チェックの要求事項を満足しなければならない。

8.4

低温試験

8.4.1

保存試験(携帯形装置)

8.4.1.1

目的  この試験は,非動作状態にある装置への熱応力の影響をシミュレーションする。非常用装

置は非動作状態が長期間続いた後,正しく機能しなければならない重要性から,携帯形装置に適用する。

8.4.1.2

試験方法  EUT は,常温常湿のチャンバー内に置かなければならない。温度を−30±3  ℃まで下

げ,10∼16 時間そのままの状態を維持しなければならない。

試験の終了時,EUT を通常の環境条件に戻し関連の装置規格に従って性能チェックをしなければならな

い。

7.1 参照)

詳細は,IEC 60068-2-48 による。

8.4.1.3

結果要件  性能チェックの要求事項を満足しなければならない。

8.4.2

機能試験

8.4.2.1

目的  この試験は,装置が低温で動作する能力があるかを判定するものである。また,低い周囲

温度でも起動できることを実証するためのものである。

8.4.2.2

試験方法(携帯形装置)  EUT は,常温常湿のチャンバー内に置かなければならない。次に温度

を−20  ℃±3  ℃まで下げ,10∼16 時間そのままの状態を維持しなければならない。この期間の終わりに

EUT 内の温度制御デバイスの電源を入れてもよい。

30 分後又は製造業者が合意した期間の後に EUT の電源を入れ,2 時間以上動作させ,この間に EUT の

関連の装置規格に従って性能試験及び性能チェックを行わなければならない。

7.1 参照)

チャンバー内温度は,全試験期間中,−20±3  ℃  に維持しなければならない。

試験の最後に EUT を通常環境条件に戻さなければならない。

詳細は,IEC 60068-2-1 による。

8.4.2.3

結果要件  性能試験及び性能チェックの要求事項を満足しなければならない。


23

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

8.4.2.4

試験方法(防護形装置)  チャンバー内温度を−15±3℃に下げてそのまま維持すること以外は,

携帯形装置での規定のとおりに試験を行わなければならない。

8.4.2.5

結果要件  性能試験及び性能チェックの要求事項を満足しなければならない。

8.4.2.6

試験方法(暴露形装置)  チャンバー内温度を−25±3  ℃に下げてそのまま維持すること以外は,

携帯形装置での規定のとおりに試験を行わなければならない。

8.4.2.7

結果要件  性能試験及び性能チェックの要求事項を満足しなければならない。

8.5

熱衝撃試験(携帯形装置)

8.5.1

目的  この試験は,携帯形装置が高温での保存状態から突然の没水後,正常に機能するかどうかを

判定するものである。

8.5.2

試験方法  EUT は,70±3  ℃の大気中に 1 時間放置しなければならない。次に+25  ℃±3  ℃の水

中に,EUT の最高点から水面まで測って 100±5 mm の深さに 1  時間没水しなければならない。

試験の終了時,EUT の性能チェックを行い,更に損傷又は好ましくない浸水がないことを調べる。次に

製造業者の指示に従い EUT を再度密封する。また,外見上好ましくない浸水がない場合には密封状態を破

壊するような EUT の内部調査は,すべての環境試験が完了した後に実施してもよい。

8.5.3

結果要件  性能チェック要件を満足しなければならない。EUT の損傷又は好ましくない浸水があ

ってはならない。観察内容を試験報告書に記載しなければならない。

8.6

落下試験(携帯形装置)

8.6.1

硬い表面への落下

8.6.1.1

目的  この試験は,取扱いを誤って船の甲板上に落下した場合の影響をシミュレーションするた

めのものである。誤った取扱いが最も多いと思われる携帯形 VHF 無線装置にだけ適用する。

8.6.1.2

試験方法  EUT の各面に対して 1 回ずつ計 6 回の落下試験を行わなければならない。

試験面は,厚さが少なくとも 150 mm で重さが 30 kg 以上の硬質の木材とする。

離す瞬間の試験面に対する EUT の最下部での高さは 1 000±10 mm でなければならない。

EUT は,使用状態での構成でこの試験を行わなければならない。

試験の終了時,EUT の動作チェックを行い,更に外部損傷の調査を行わなければならない。

8.6.1.3

結果要件  性能チェック要件を満足しなければならない。EUT の機能に影響を与えるような外見

的な外部損傷があってはならない。観察内容を試験報告書に記載しなければならない。

8.6.2

水中への落下試験

8.6.2.1

目的  この試験は,装置が海面から 20 m の高さの船の甲板から海面に自由落下した場合の影響

をシミュレーションするもので,このような目的で配備し,かつ,動作しなければならない携帯形装置に

だけ適用する。浮上要件のない携帯形 VHF 無線装置は適用外であり試験は行わない。

8.6.2.2

試験方法  3 回の落下を連続して行う。ただし,それぞれの落下の初期姿勢は前回と変えなけれ

ばならない。水面に対して EUT の最下端の高さは 20±1 m としなければならない。

試験の終了時,EUT の性能チェックを行い,更に損傷又は好ましくない浸水がないことを調べなければ

ならない。次に製造業者の指示どおりに EUT を密封しなければならない。一方,外見上好ましくない浸水

がない場合には,密封状態を破壊するような EUT の内部調査は,すべての環境試験が完了した後に実施し

てもよい。

8.6.2.3

結果要件  性能チェック要件を満足しなければならない。 EUT の損傷又は好ましくない浸水が

あってはならない。観察内容を試験報告書に記載しなければならない。

8.7

振動試験(すべてのカテゴリの装置)


24

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

8.7.1

目的  この試験は,機械的欠陥又は性能劣化を起さずに,装置が振動に耐え得る能力があるかどう

かを判定するためのものである。プロペラ及び機関によって船体に誘導された振動による影響を見るもの

である。これは一般的に 13 Hz までの周波数で,主として垂直方向である。更に高い周波数の試験は,不

規則な暴風雨の海上で発生するスラミングの影響を模擬し,主として水平方向である。この試験では,一

般的に電子装置に影響する程大きい加速度を生じないサージ,スェー,ヒーブなどの平行成分及びローリ

ング,ピッチング,ヨーイングなどの回転成分を起こす程度の通常の海況の影響は模擬しない。

8.7.2

試験方法  ショックアブソーバ及び振動アブソーバを標準装備している場合は,それらを取り付け

た EUT を通常の支持方法と姿勢で,振動台に固定する。重さのあるものの場合は,振動台の容量に入るま

で EUT を弾力性をもたせてつり下げてもよい。振動装置から発生する電磁界によって EUT へ悪影響を及

ぼす場合は,それを減少させる又は除去するための手段を講じてもよい。

EUT に次のすべての周波数範囲にて正弦波垂直振動を与えなければならない。

−  2∼5 Hz 及び 13.2 Hz まで:

振幅  ±1 mm±10%(13.2 Hz で最大加速度 7 m/s

2

−  13.2∼100 Hz:

最大加速度 7 m/s

2

一定。

周波数の掃引レートは,EUT のすべての部分での共振を検出できるように,0.5 オクターブ/min に設定

しなければならない。

試験中を通して共振点サーチを行わなければならない。サーチ中,EUT の完全性に影響を及ぼす可能性

のあるコンポーネント又はサブアセンブリーが共振している明らかな形跡が生じていないかを聴覚的又は

視覚的な器具を使用しないで,外見上で観察しなければならない。観察内容を試験報告書に記録しなけれ

ばならない。EUT の外側で共振の形跡が明らかな所に取り付けられたセンサで測定される共振が,EUT が

固定されている振動台表面に対して,振幅比で  ≥ 5 の場合,各共振周波数にて試験で規定された振動レベ

ルで,2 時間以上の耐久試験を行わなければならない。振幅比が  ≥  5 の共振周波数が高調波関係となって

いるときは,基本共振周波数でだけ試験を行わなければならない。振幅比  ≥ 5 の共振点がない場合,共振

が認められた周波数の一点で耐久試験を行わなければならない。共振が全く発生しない場合には,耐久試

験を 30 Hz で行わなければならない。

各耐久試験中少なくとも 1 回,性能チェックを行い,各耐久試験終了前に一度性能チェックを行わなけ

ればならない。

水平面内の互いに直交する 2 方向に上記手順で振動試験を繰り返さなければならない。

詳細は,JIS C 60068-2-6 による。

8.7.3

結果要件  性能チェック要件を満足しなければならない。

8.8

注水試験(暴露形装置)

8.8.1

目的  この試験は,装置への降雨,波しぶき及び軽度の波浪の影響をシミュレーションするもので,

アンテナなど甲板の上に設置する暴露形装置に適用する。これより厳しい浸水試験が適用される携帯形装

置には適用しない。

8.8.2

試験方法  試験は,JIS F 8007 の図 の規定による標準試験ノズル(ホース)からの噴流をあらゆ

る実際的な方向から装置に放水することによって行わなければならない。EUT は,試験中動作させなけれ

ばならない。

条件を次に示す。

−  噴流ノズルの内径: 12.5

mm

−  放水率: 100

L/min±5%

−  水圧:

規定の放水率が得られるように調整する。


25

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

−  放水形状:

ノズルから 2.5 m の位置で直径約 120 mm の円形。

−  放水時間:

約 30 分

−  ノズルから装置表面までの距離:  約 3 m

試験の終了時,EUT の性能チェックを行い,更に損傷又は好ましくない浸水がないか調べなければなら

ない。調査に引き続き,製造業者の指示どおりに EUT を密封しなければならない。

外見上好ましくない浸水が見られなければ,密封状態を破壊するような EUT の内部調査は,すべての環

境試験が完了した後に実施してもよい。

詳細は,JIS F 8007 

表 3,第二特性数字 6:(暴噴流に対する保護)による。

8.8.3

試験結果要件  性能チェック要件を満足しなければならない。外見上,損傷又は好ましくない浸水

があってはならない。観察内容を試験報告書に記載しなければならない。

8.9

水没試験

8.9.1

没水形装置

8.9.1.1

目的  この試験は,恒久的に水中に設置する装置への水圧に対する影響をシミュレーションする

ものである。

8.9.1.2

試験方法  EUT の通常は水に接する部分に 600 kPa (6 bars)の静水圧を 12 時間加え,EUT のこれ

以外の部分は大気にさらさなければならない。

試験の終了時,EUT の性能チェックを行い,更に損傷又は好ましくない浸水がないことを調べなければ

ならない。

調査に引き続き,製造業者の指示どおりに EUT を密封しなければならない。また,外見上好ましくない

浸水が見られなければ,密封状態を破壊するような EUT の内部調査は,すべての環境試験が完了した後に

実施してもよい。

8.9.1.3

結果要件  性能チェック要件を満足しなければならない。外見上,損傷又は好ましくない浸水が

あってはならない。観察内容を試験報告書に記載しなければならない。

8.9.2

携帯形装置

8.9.2.1

目的  この試験は,沈没する船からの自動浮上が要求される装置に対する水圧の影響をシミュレ

ーションするものである。

8.9.2.2

試験方法  EUT に 100 kPa (1 bar)  の静水圧を 5 分間加えなければならない。

試験の終了後,EUT の性能チェックを行い,更に損傷又は好ましくない浸水がないことを調べなければ

ならない。調査に引き続き,製造業者の指示どおりに EUT を密封しなければならない。また,外見上好ま

しくない浸水が見られなければ,密封状態を破壊するような EUT の内部調査は,すべての環境試験が完了

した後に実施してもよい。

8.9.2.3

結果要件  性能チェック要件を満足しなければならない。外見上,損傷又は好ましくない浸水が

あってはならない。観察内容を試験報告書に記載しなければならない。

8.9.3

携帯形装置(一時的水没)

8.9.3.1

目的  この試験は,浮上するようには設計されていないが,生存者が携帯している間に一時的に

水没を受ける可能性がある携帯形 VHF 無線装置に対する水圧の影響を見るものである。

8.9.3.2

試験方法  EUT は,JIS F 8007 の表 3,第二特性数字 7:(一時的水没に対する保護)に対応する

試験を行わなければならない。

試験は,EUT を完全に水没させ,次の条件を満たさなければならない:

−  EUT の最上部は水面下 1 m;


26

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

−  試験時間は 5 分間;

−  水温と装置との温度差が 5 K を超えない。

試験の終了後,EUT の性能チェックを行い,更に損傷又は好ましくない浸水がないことを調べなければ

ならない。調査に引き続き,製造業者の指示どおりに EUT を密封しなければならない。また,外見上好ま

しくない浸水が見られなければ,密封状態を破壊するような EUT の内部調査は,すべての環境試験が完了

した後に実施してもよい。

8.9.3.3

結果要件  性能チェック要件を満足しなければならない。外見上,損傷又は好ましくない浸水が

あってはならない。観察内容を試験報告書に記載しなければならない。

8.10

日射試験(携帯形装置)

8.10.1

試験免除  装置に採用されている部品,材料及び表面処理が,試験を満足するという証拠を製造業

者が提供できる場合にはこの試験を免除する。

8.10.2

目的  この試験は,甲板上に設置され天候にさらされる装置に対する連続日射の影響を見るもので

ある。

8.10.3

試験方法  EUT を適切な支持台の上に置き,表 に規定する疑似太陽光を連続的に 80 時間照射す

る。試験ポイントでの強度は試験用囲いからの反射も含めて 1 120 W/m

2

±10%とし,スペクトル分布は

4

のとおりとしなければならない。

試験の終了後,EUT の性能チェックを行い肉眼で調べなければならない。

詳細は,IEC 60068-2-5 及び IEC 60068-2-9 による。

8.10.4

結果要件  性能チェック要件を満足しなければならない。ラベルを含め,装置に有害な劣化があっ

てはならない。

表 4  放射エネルギー分布及び公差

スペクトル領域

紫外線 B*

紫外線 A

可視光線

赤外線

帯域幅

µm

0.28∼0.32 0.32∼0.40 0.40∼0.52

0.52∼0.64

0.64∼0.78 0.78∼3.00

照射

W/m

2

5 63

200

186

174

492

許容限界

±35

±25

±10

±10

±10

±20

* 0.30 µm より短い放射線の地表に届く量は微小である。

8.11

耐油性試験(携帯形装置)

8.11.1

適用除外  装置に採用されている部品,材料及び表面処理が,試験を満足するという証拠を製造業

者が提供できる場合にはこの試験を免除しなければならない。

8.11.2

目的  この試験は,鉱物油の装置に対する影響をシミュレーションするものである。

8.11.3

試験方法  EUT を次の仕様をもった 19±5 ℃の温度の鉱物油に 3 時間浸せきしなければならない。

−  アニリン点:120±5  ℃

−  引火点:最低 240  ℃

−  粘度:99  ℃で(10∼25) cST

次の油を使用してもよい。

−  ASTM  オイル No. 1

−  ASTM  オイル No. 5

−  ISO オイル No. 1


27

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

試験後,製造業者の指示に従い EUT は,清浄しなければならない。EUT の性能チェックを行い,肉眼

で調べなければならない。

8.11.4

結果要件  性能チェック要件を満足しなければならない。装置に縮み,ひび割れ,膨張,溶解又は

材料特性の変化などの兆候が見受けられてはならない。

8.12

腐食試験(塩水噴霧)(すべてのカテゴリの装置)

8.12.1

適用除外  装置に採用されている部品,材料及び表面処理が,試験を満足するという証拠を製造業

者が提供できる場合には,この試験を免除しなければならない。

8.12.2

目的  この試験は,装置が塩分を含んだ大気にさらされた場合に物理的劣化がないか判定するもの

で,周期的な繰返しをした場合,実際の使用状態と比較した効果を加速することができる。

8.12.3

試験方法  EUT をチャンバー内に置き,常温で塩水を 2 時間噴霧しなければならない。塩水は塩

化ナトリウム(NaCl)を蒸留水又は脱塩水に質量比 5±1:95 で溶解して作らなければならない。

噴霧の終了後,温度 40±2  ℃,相対湿度 90∼95%に維持したチャンバー内に EUT を 7 日間放置しなけ

ればならない。

EUT に,2 時間の塩水噴霧と 7 日間の保存期間の組合せで 4 回の試験を行わなければならない。

試験の終了後,拡大鏡を使わずに肉眼で EUT を検査する。次に EUT の性能チェックを行わなければな

らない。

詳細は,JIS C 60068-2-52 による。

8.12.4

結果要件  性能チェックの要件を満足しなければならない。金属部分に不都合な劣化及び腐食があ

ってはならない。

9.

電磁放射−試験方法及び試験結果要件(4.5.1 参照)

9.1

一般  電磁放射の測定中,EUT は,通常の試験条件下で動作させなければならない。操作器の設定

によって伝導性又は放射性レベルが変わる場合は,最大放射レベルになる設定にしなければならない。

EUT が,動作,スタンバイなどのような二つ以上の通電状態をもっている場合,放射レベルが最大となる

状態を確認し,その状態において全般的に測定を行わなければならない。EUT がアンテナ接続端子をもっ

ている場合,無放射疑似アンテナで終端しなければならない。

装置が測定帯域内で動作する送信機をもっている場合の放射性放射試験では,作動状態とするが,送信

状態にしてはならない。

無線送信機をもつ装置の伝導性放射の試験を行う場合,基本波及び測定帯域内の各高調波に対して 200

kHz の除外帯域幅を設けるものとする。

外部の電磁環境と EUT との間の特定の境界面をポートと呼ぶ。装置の物理的境界を通して電磁界が放射,

又は進入する場合,このような境界はきょう(筐)体ポートと呼ぶ(

図 参照)。

条件及び試験内容を

表 に要約する。各カテゴリの装置例は,附属書 に規定する。


28

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

表 5  電磁気放射

携帯形

防護形

暴露形

没水形

伝導性放射 
(9.2)

 10∼150 kHz

      63 mV∼0.3 mV (96 dBµV∼50 dBµV)

150∼350 kHz

       1 mV∼0.3 mV (60 dBµV∼50 dBµV)

350 kHz∼30 MHz            0.3 mV (50 dBµV)

放 射 性放 射
(9.3)

150∼300 kHz

    10 mV/m∼316 µV/m (80 dBµV/m∼52 dBµV/m)

300 kHz∼30 MHz

    316∼50 µV/m (52 dBµV/m∼34 dBµV/m)

30 MHz∼2 GHz

    500 µV/m (54 dBµV/m)

156 MHz∼165 MHz      16 µV/m (24 dBµV/m)  準せん(尖)頭値(QP) 
                                又は 32 µV (30 dBµV/m)  尖頭値(P)

9.2

伝導性放射(携帯形を除くすべてのカテゴリの装置)

9.2.1

目的  この試験は,装置内で発生して電源ポートを通り,船内電源ラインに伝導し,他の装置に妨

害を与える可能性のある信号を測定するものである。

9.2.2

試験方法  放射は,CISPR 16-1 で規定された QP 測定受信機で測定しなければならない。 CISPR 

16-1

による V ネットワークの疑似電源回路網(

図 3)を用いて,EUT の端子間に高周波数で規定されたイ

ンピーダンスを作り,電源側の不要無線周波数信号から試験回路をアイソレートしなければならない。10

kHz∼150 kHz の周波数範囲では測定器の帯域幅は 200 Hz,150 kHz∼30 MHz では 9 kHz としなければなら

ない。

EUT の交流及び直流の電源ポートと疑似電源回路網との間の電源入力ケーブルは,シールドケーブルと

し,長さ 0.8 m を超えてはならない。EUT が独立した AC/DC 電源ポートをもった二つ以上のユニットか

ら構成される場合,同じ公称電圧の電源ポートを疑似電源回路網に並列に接続してもよい。

すべての測定装置及び EUT は,アースプレーン上に取り付け,それにボンドして測定しなければならな

い。アースプレーンを設けることが実際的でない場合には,アース基準として EUT の金属フレーム又はシ

ャーシを使って同様な配置にしなければならない。

9.2.3

結果要件  10 kHz∼30 MHz の周波数範囲で,EUT の電源端子での無線周波数電圧は,図 に示す

限界値を超えてはならない。

9.3

きょう(筐)体ポートからの放射性放射(没水形を除くすべてのカテゴリの装置)

9.3.1

目的  この試験は,無線受信機のような船上の他の装置に妨害を与えるおそれのある(アンテナ以

外の)装置から放射される信号を測定するものである。

9.3.2

試験方法

a)  CISPR 16-1

に規定された QP 測定受信機を使用しなければならない。測定器の帯域幅は,150 kHz∼

30 MHz の周波数範囲では 9 kHz 及び 30 MHz∼2 GHz の周波数範囲では 120 kHz としなければならな

い。

150 kHz∼30 MHz の周波数範囲では磁界 H を測定しなければならない。測定には,一辺の長さが 60

cm の正方形によってアンテナを完全に囲むことができる寸法の電気的にシールドされたループアン

テナ又は CISPR 16-1 に適合するフェライトロッドアンテナを使用しなければならない。

アンテナ補正係数に係数+51.5 dB を含め,磁界強度を等価な電界強度に変換しなければならない。

30 MHz よりも高い周波数では電界 E を測定しなければならない。測定には,共振長の平衡ダイポ

ール又は CISPR 16-1 に記載の短縮ダイポール若しくは高利得アンテナを使用しなければならない。

EUT 方向における測定アンテナの寸法は,EUT からの距離の 20%を超えてはならない。80 MHz を超

える周波数では,測定アンテナの中央の高さは,地上 1∼4 m の範囲で変えられなければならない。


29

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

テストサイトは,CISPR 16-1 に適合しており,金属製グラウンドプレーンをもち,3 m の測定距離

が取れなければならない。

EUT は,完全に組み立て,相互接続ケーブルで結線し,通常の動作面に設置しなければならない。

EUT が二つ以上のユニットから構成される場合,メインユニットとその他のすべてのユニット間の

(アンテナフィーダー以外の)接続ケーブルの長さは,製造業者の規定する最大長さ又は 20 m のい

ずれか短い方をしなければならない。利用可能な入出力ポートには,製造業者が指定する最大長さ又

は 20 m のいずれか短い長さのケーブルを接続し,通常接続する装置のインピーダンスをシミュレー

トして終端しなければならない。

各ケーブルの余剰部分はケーブルの中央付近で束ね,長さ 30 cm∼40 cm の束にして接続するポート

の水平面内に置かなければならない。ケーブルのかさや硬さによって束ねることができない場合には,

ケーブル余剰は,できるだけ要求に近くなるように配置し,試験報告書に詳述しなければならない。

試験アンテナは,EUT から 3 m の位置に置き,アンテナの中心はグラウンドプレーンから最低 1.5 m

離さなければならない。E フィールドアンテナの場合だけ,高さが調整でき,水平偏波と垂直偏波が

得られるように回転できなければならない。ここで偏波面の一つはグラウンドと平行となり最大の放

射レベルを決定できなければならない。最終的には,最大の放射レベルを決定するためにアンテナを

EUT の周りを再度回転させるか又は,EUT を試験アンテナと直交する平面の中央に置き,同じ結果が

得られるように EUT 自体を回転させてもよい。

b)

さらに,156 MHz∼165 MHz の周波数範囲では,受信機の帯域幅を 9 kHz として,その他の条件は a)

と同じ状態で測定を繰り返さなければならない。

c)

代わりに,156 MHz∼165 MHz の周波数範囲では,製造業者と試験所との合意に従い,せん(尖)頭

値測定受信機又は周波数アナライザを使用しても構わない。

9.3.3

試験結果要件

a) 150

kHz∼2 GHz の周波数範囲できょう(筐)体ポートから 3 m 離れた測定点での放射限界は,図 

よる。

b) 156

∼165 MHz の周波数範囲ではきょう(筐)体ポートから 3 m 離れた測定点での放射限界は,準せ

ん(尖)頭値(QP)検波測定では 24 dBµV/m としなければならない。

c) 156

MHz∼165 MHz の周波数範囲ではきょう(筐)体ポートから 3 m 離れた測定点での放射限界は,

尖頭値(peak)検波測定では 30 dBµV/m としなければならない。

10.

電磁環境に対するイミュニティ−試験方法及び試験結果要件(4.5.1 参照)

10.1

一般  これらの試験は,別に規定がない限り,EUT は通常の動作構成で設置し,接地を取り通常の

試験条件で動作しなければならない。

外部の電磁環境と EUT の間の特定の境界面はポートと呼ぶ。装置の物理的境界を通して電磁界が放射し,

又は進入する場合,そのような境界はきょう(筐)体ポートと呼ぶ(

図 参照)。

差動試験とは電力ライン,信号ライン及び制御ライン間に適用し,共通モード試験はライン群と共通基

準(通常は接地)間に適用するものをいう。

この項の試験の場合,その結果は,EUT の動作条件及び機能仕様に関連する性能基準に照らして評価す

る。性能基準は,次に定義する:

性能クライテリア A:EUT は,試験中及び試験後において規定の動作を継続しなければならない。関

連する装置規格及び製造業者の発行する技術仕様書で規定した性能の低下又は機能の喪失があっては


30

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

ならない。

性能クライテリア B:EUT は,試験後において規定の動作を継続しなければならない。関連する装置

規格及び製造業者の発行する技術仕様書で規定した性能の低下又は機能の喪失があってはならない。

試験中,自己回復が可能な機能や性能の低下又は喪失は認められるが,実際の動作状態や記憶データ

の変化は認められてはならない。

性能クライテリア C:試験中の機能若しくは性能の一時的低下又は喪失は,関連する装置規格及び製

造業者の発行する技術仕様書で規定したとおりに機能の自己回復が可能か試験終了時操作器の操作で

回復することができる場合に認められる。

条件及び試験に関しては,

表 に要約されており,この規格の適用範囲 1. a)及び 1. b)による無線装置及

び航海装置に対する性能基準も記載している。これら以外の装置に対する性能基準は,該当する装置規格

又は製造業者が発行する技術仕様書に示されることになる。ただし,その場合でも,EUT は最低限性能ク

ライテリア C に適合させる。各カテゴリの装置の例は,

附属書 による。

表 6  電磁気イミュニティ

携帯形

防護形

暴露形

没水形

伝導性無線周波干渉(10.3)

*

掃引周波数範囲 150 kHz∼80 MHz で,起電力 3 V r.m.s. 
指定スポット周波数で,起電力 10 V r.m.s. 
共通モードで交流及び直流電源ポート又は信号及び制御ポー
ト 
性能クライテリアは A

放射干渉(10.4)

電界強度 10 V/m,掃引周波数範囲 80 MHz  ∼ 2 GHz 
筐体ポート 
性能クライテリアは A

*

高速トランジェント(バース
ト)(10.5)

*

交流電源ポート両端で,作動モードで,2 kV 
信号及び制御ポート:共通モードで 1 kV 
性能クライテリアは B

低速トランジェント(サー
ジ)(10.6)

*

ライン/接地間:1 kV 
ライン/ライン間:0.5 kV 
交流電源ポート 
性能クライテリアは B

電源の短期変動(10.7)

*

公称電圧の±20%の電圧を 1.5 秒, 
公称周波数の±10%の周波数を 5 秒 
AC 電源ポート 
性能クライテリアは B

電源故障(10.8)

*

60 秒の電源中断 
交流及び直流電源ポート 
性能クライテリアは C

静電放電(10.9)

接触放電:6 kV 
空中放電:8 kV 
性能クライテリアは B

*

*  :非該当

10.2

無線受信装置  EUT が無線受信機を含んでいる場合,狭帯域受信機応答(スプリアスレスポンス)

とともに除外帯域内の周波数は,伝導干渉及び放射干渉に対するイミュニティ試験から除外する。

10.2.1

除外帯域  受信機の除外帯域は,製造業者が申告する受信機の動作周波数帯の両端で,帯域周波数

端の 5%だけ延長した帯域で定義する。

10.2.2

受信器応答の評価  狭帯域応答(スプリアスレスポンス)の許容値は,次の方法で識別する。

試験信号(不要信号)がある一つの分離した周波数で性能の低下をもたらす場合,試験信号の周波数を,


31

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

製造業者が申告する復調器直前の受信 IF フィルタの帯域幅の 2 倍に等しい周波数だけ上げる。次に試験信

号を同じ周波数だけ下げる。

両方のオフセット周波数で性能の低下が発生しない場合,そのレスポンスは許容される狭帯域応答と見

なされる。性能の低下が残る場合,周波数をずらすことによって,試験信号の周波数を他の狭帯域応答の

周波数に一致させてしまった可能性がある。これは,前述のバンド幅の 2.5 倍に等しい周波数だけ上げ下

げして同じ手順を繰り返すことによって確認できる。

性能の低下が残る場合,そのレスポンスは許容される狭帯域応答と見なすことはできない。

10.3

伝導性無線周波数干渉に対するイミュニティ

10.3.1

目的  この試験は,80 MHz 未満の周波数において,船舶の無線送信機から電力,信号及び制御ラ

インに誘導される妨害の影響をシミュレートするものである。

10.3.2

試験方法  EUT を接地基準面から 0.1 m の高さにある絶縁支持体上に置かなければならない。(図

5

。通常動作と性能の検証に必要な電源及び信号を EUT に供給するための補助装置(AE)は,EUT から

0.1 m∼0.3 m  の距離に置いた適切な結合/減結合器(CDN:coupling and decoupling devices)を備えたケー

ブルによって接続しなければならない。

図 6)。 JIS C 61000-4-6 には,CND 及びそれが使用できない場

合の代替品の注入クランプのデザインが記載されている。

試験は試験発生器を使って順次各 CDN  に接続して行う。ここで,CDN への励起されていない RF 入力

ポ−トは 50  Ωの負荷抵抗で終端させなければならない。試験発生器は,補助装置(AE)と EUT との接続

を外し 150  Ωの抵抗で置き換えた状態で各 CDN  に設定しなければならない。試験発生器は,EUT のポー

トにおいて必要な試験レベルの無変調起電力を出すように設定しなければならない。

試験は,JIS C 61000-4-6 に従い,次の試験レベルで実施しなければならない:

−  150 kHz∼80 MHz の周波数範囲では振幅 3 V r.m.s.(Severity level 2)

−  スポット周波数 2 MHz,3 MHz,4 MHz,6.2 MHz,8.2 MHz,12.6 MHz,16.5 MHz,18.8 MHz,22 MHz

及び 25 MHz では振幅 10 V r.m.s.。

試験中,変調周波数 400 Hz±10%,変調度 (80±10)%で振幅変調しなければならない。

周波数の掃引速度は,EUT のいかなる誤動作も検出できるよう 1.5×10

-3

十倍区切(decade)/秒を超えて

はならない。

上記信号を EUT の電力,信号及び制御ラインに重畳しなければならない。EMC 性能チェックを試験中

及び試験後に行わなければならない。

10.3.3

結果要件  試験中及び試験後の EMC 性能チェックの要件を,10.1 に記載の性能クライテリア A の

とおり満足しなければならない。

10.4

無線周波数放射に対するイミュニティ(没水形を除くすべてのカテゴリの装置)

10.4.1

目的  この試験は,船用 VHF 送信機及びハンドヘルド携帯無線機など 80 MHz よりも高い周波数

の送信機が装置にアクセスしたときの影響をシミュレートするものである。

10.4.2

試験方法  EUT の大きさに応じた適切なシールドルーム又は電波暗室に EUT を設置しなければな

らない。

図 7)。EUT は,一様なフィールドに非金属支持体で床から絶縁して設置しなければならない。

一様なフィールドは,試験室を空にして校正しなければならない。EUT の構成及び関連のケ−ブルは,試

験報告書に記録しなければならない。

EUT の配線が規定されていない場合,シールドのない平行線を使用し,EUT から 1 m の距離で電磁界に

さらした状態にしなければならない。

試験は,

放射アンテナを EUT の 4 面各々に向けて IEC 61000-4-3 による難度 3 で行わなければならない。


32

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

装置が異なった向き(すなわち,垂直又は水平)でも使うことができる場合,試験はすべての面について

行わなければならない。EUT は,最初に一つの面を校正面に一致させて配置しなければならない。80 MHz

∼1 GHz の周波数範囲では 1.5×10

-3

十倍区切(decate)/秒,1∼2 GHz  の周波数範囲では 0.5×10

-3

十倍区切

(decate)/秒程度で,EUT の機能が不良となる点を検出できるようにゆっくりと掃引しなければならない。

反応のある周波数や特に関心のある周波数は分離して分析しなければならない。

EUT を変調された電界強度 10 V/m の中に置いて,周波数範囲 80 MHz∼2 GHz で掃引しなければならな

い。変調周波数は 400 Hz±10%,変調度は (80±10)%としなければならない。

10.4.3

結果要件  試験中及び試験後の EMC 性能チェックの要件を,10.1 に記載の性能クライテリア A の

とおり満足しなければならない。

10.5  a.c.

交流)電源ライン,信号ライン及び制御ライン上でのファストトランジェントに対するイミュ

ニティ(携帯形を除くすべてのカテゴリの装置)

10.5.1

目的  この試験は,スイッチングによって接点にアークを発生する装置による高速で低エネルギー

のトランジェントの影響をシミュレートするものである。

10.5.2

試験方法  試験は,電源ラインに対しては JIS C 61000-4-4  の 6.1.1(ファストランジェント/バー

スト発生器の特性及び性能)に適合する試験発生器と JIS C 61000-4-4 の 6.2(AC/DC 電源供給ポート用結

合/減結合回路網)に適合する結合/減結合ネットワークを用い,信号ラインと制御ラインに対しては JIS 

C 61000-4-4

の 6.3(容量性結合クランプ)に適合した容量性の結合クランプを使って JIS C 61000-4-4 に従

って最低の難度 3 で行わなければならない。

図 8)。

次の特性をもったパルスを EUT の電力,信号及び制御ラインに印加しなければならない:

−  立ち上がり時間: 5

ns(10%∼90%間の値)

−  パルス幅:

50

ns(50%値)

−  振幅:   2

kV

電源ライン両端

1 k   信号及び制御ライン,共通モード

−  繰返し周期:

5 kHz(1 kV),2.5 kHz(2 kV)

−  印加信号:

300

ms ごとに 15 ms のバースト

−  印加時間:

正及び負極性のパルス各々3∼5 分間

10.5.3

結果要件  試験中及び試験後の EMC 性能チェックの要件を,10.1 の記載の性能クライテリア B の

とおり満足しなければならない。

10.6  a.c.

交流)電源ライン上のサージに対するイミュニティ(携帯形を除くすべてのカテゴリの装置)

10.6.1

目的  この試験は,サイリスタのスイッチングによって交流電源ライン上に生じる低速で高エネル

ギーサージの影響をシミュレートするものである。

10.6.2

試験方法  試験は,JIS C 61000-4-5  の 6.1[(コンビネーション波形(ハイブリッド)発生器]に

記載した合成波(ハイブリッド)発生器を JIS C 61000-4-5 の 6.3.1.1(電源供給回路の容量結合)に記載し

た結合/減結合ネットワークとともに使い,JIS C 61000-4-5 の規定どおりに難度 2 で行わなければならな

い。

図 9)。

EUT の電源ラインに下記特性をもったパルスを印加しなければならない:

−  立ち上がり時間: 1.2

µs(10%∼90%  間の値)

−  パルス幅:

50

µs(50%値)

−  振幅:

ライン/アース間:1 kV  ,ライン/ライン間:0.5 kV

−  繰返し周期:

1  パルス/分


33

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

−  印加法:

連続

−  印加時間:

正及び負極性パルス各々5 分間

10.6.3

結果要件  試験中及び試験後の EMC 性能チェックの要件は,10.1 の記載の性能クライテリア B の

とおり満足しなければならない。

10.7

電源の短期変動に対するイミュニティ(携帯形を除くすべてのカテゴリの装置)

10.7.1

試験免除  この試験は,d.c.(直流)電源による装置には適用しない。

10.7.2

目的  この試験は,大きな負荷変動による電源変動の影響をシミュレートするものである。これは,

表 で規定した限界試験条件下での長期電源変動下での試験に追加的なものである。

10.7.3

試験方法  電源変動は,プログラマブル電源を使って印加しなければならない。

次の電源変動を 1 分間に 1 回の割で 10 分間 EUT に与えなければならない。

図 10):

a)

電圧:

公称電圧+(20±1)%,期間 1.5±0.2 秒,

周波数:

公称周波数+(10±0.5)%,期間 5±0.5 秒重畳

b)

電圧:

公称電圧−(20±1)%,期間 1.5±0.2 秒,

周波数:

公称周波数−(10±0.5)%,期間 5±0.5 秒重畳

電圧及び周波数変動の立ち上がり並びに減衰時間は 0.2 秒±0.1 秒(10%∼90%)とする。

詳細は,JIS C 61000-4-11 による。

10.7.4

結果要件  試験中及び試験後の EMC 性能チェックの要件は,10.1 の記載の性能クライテリア B の

とおり満足しなければならない。

10.8

電源故障に対するイミュニティ(携帯形を除くすべてのカテゴリの装置)

10.8.1

試験免除  この試験は,電源に蓄電池を使用したもの又はバックアップ用蓄電池を備えた装置には

適用しない。

10.8.2

目的  この試験は,電源の切替え及び遮断器の作動によって船内電源が短期的に遮断されたときの

影響をシミュレートするものである。主電源及び非常用電源の切替えのために,IMO SOLAS 条約で許容

されている遮断もこの試験に含まれる。

10.8.3

試験方法  60 秒の電源遮断を 3 回行わなければならない。

詳細は,JIS C 61000-4-11 による。

10.8.4

結果要件  試験中及び試験後の EMC 性能チェックの要件を,10.1 に記載の性能クライテリア C の

とおり満足しなければならない。動作ハードウエアの破損又は基本データの喪失があってはならない。

10.9

静電放電に対するイミュニティ(没水形を除くすべてのカテゴリの装置)

10.9.1

目的  この試験は,人工繊維カーペット又はビニール製衣服との接触のように,船員が帯電する環

境で人体からの静電気の放電による影響をシミュレートするものである。

10.9.2

試験方法  この試験は,放電チップに接続された 150 pF のエネルギー蓄積コンデンサと 330  Ωの

放電抵抗で構成される静電放電(ESD)発生器を使って JIS C 61000-4-2 規定のとおりに行わなければなら

ない。

EUT は,そのすべての側面から少なくとも 0.5 m 突き出た金属製接地面上に絶縁して設置しなければな

らない。

図 11 及び図 12)。発生器からの放電を,通常の使用時に人が接触する点又は表面に対して加え

なければならない。

ESD 発生器は放電を加える表面に対して垂直に保持し,放電を加えることのできる位置は,毎秒 20 回

の放電で探査して選択する。  次に EUT の誤動作が観察できるように放電の間隔を少なくとも 1 秒間あけて,

正と負の放電を選択された各位置に 10 回与えて試験する。接触放電の方が望ましいが,製造業者が絶縁し


34

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

ていることを規定している塗装面などのように接触放電を行えない場合には空中放電を用いるものとする。

EUT のそばに置くか,設置するものへの放電をシミュレートするためには,正負両極性で合わせて 10

回の単一接触放電を,EUT の各側面及び接地面に EUT から 0.1 m の位置に印加する。さらに,EUT の 4

面が完全に照射できるように異なった位置に垂直結合プレーン(VCP)を置き,その VCP の一縁の中央に

10 回の放電を加える。

試験レベルは,接触放電で 6 kV,空中放電で 8 kV としなければならない。

10.9.3

結果要件  試験中及び試験後の EMC 性能チェックの要件は,10.1 に記載の性能クライテリア B の

とおり満足しなければならない。

11.

特殊試験−試験方法及び試験結果要件

11.1

音響ノイズ及び信号(操だ室及びブリッジウイングに設置するすべての装置)(4.5.2 参照)

11.1.1

目的  この試験は,周囲雑音の一因となる装置から発生する音響ノイズが,通信又は可聴警報聴取

の妨げにならないことを確実にするためのものである。該当する場合には,試験では装置が発生する信号

警報レベルも測定する。

11.1.2

試験方法  操だ室,ブリッジウイングに設置する EUT 又はその構成部分から発生する音響ノイズ

は,IEC 60651 に適合したサウンドレベルメータで検査しなければならない。可聴警報のスイッチは,オ

フにし,離れた位置にある EUT のトランスデューサから意図的に発生するパスバンド内の音圧は,騒音に

敏感な場所で検出される可能性がない限り,差し引いて判定するものとする。EUT を船に装備するのと全

く同じ方法で,吸音環境内で吸音支持台上に設置しなければならない。

EUT は,不要な音響ノイズの最も高い音圧レベルを発生する動作条件に設定しなければならない。

可聴警報を鳴らした状態で,試験を繰り返さなければならない。

11.1.3

結果要件  検出された音響ノイズの音圧は,EUT のどの部分からも 1 m の距離でレベルが 60 dB(A)

を超えてはならない。

可聴警報のスイッチを入れたとき,アラームの音圧は EUT のどの部分からも 1 m の距離で,少なくとも

75 dB(A)でなければならない。ただし,85 dB(A)を超えてはならない。

11.2

コンパス安全距離(没水形を除くすべてのカテゴリの装置)(4.5.3 参照)

11.2.1

目的  この試験は,装置が船の標準コンパス又は操だコンパスに容認できない自差を生じることの

ない距離を決定するためのものである。具体的な許容自差の量は,世界各地の地磁気(水平力)の強さで

変化するものであって,赤道海域では標準コンパスに対して 0.1 度,操だコンパスに対しては 0.3 度のオー

ダーであり,高緯度では(地磁気水平力に逆比例するので)それぞれ 1 度及び 3 度まで増大する。

11.2.2

試験方法  EUT の各ユニットは,(自差測定用の磁気)コンパス又は磁力計に対してそのようにで

きる場合,コンパスに生じるエラーが最大となる位置及び姿勢で試験しなければならない。

EUT のどのユニットについても,コンパス安全距離は,基準コンパスの場合は 5.4 度/H よりも大きい自

差を生じないユニットの至近点と測定用コンパス又は磁力計の中心との距離で定義する。ここで H は,試

験場所での磁束密度の水平成分で単位はµT (マイクロテスラ)とする。

操だコンパス,スタンバイ用操だコンパス及び非常用コンパスに対しては,許容自差は 18 度/H で,H

は上記のとおり定義する。

EUT の各ユニットの試験は,次による:

a)

給電されていない状態のユニットが受ける磁気条件で:

b)

給電されていない状態でノーマライズして:


35

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

c)

ユニットに給電できる場合には給電した状態。

ノーマライズ”とは,EUT をヘルムホルツコイルの中に配置するかその他の適切な方法で,EUT 内の磁

束の均一性を最大にする手順を意味する。

上記各々の試験では,最大自差を生じる方向を決定するためにユニットを回転しなければならない。

詳細は,ISO 694 及び JIS C 61000-4-8 にある。

11.2.3

結果要件  これらのすべての条件下で得られた最も大きい距離が安全距離である。距離は,50 mm

又は 100 mm の最も近い値で丸める。結果は,試験報告書に記録しなければならない。

安全距離は,EUT 上に記載するか 4.5.3 の規定に従い,記録しなければならない。

12.

安全対策−試験方法及び試験結果要件(すべてのカテゴリの装置)

12.1

危険電圧への偶発的な接触に対する保護(4.6.1 参照)

12.1.1

目的  装備された装置に近づくことができる場合の安全性を確保するためのものである。

12.1.2

試験方法  JIS F 8007 の表 1(危険な箇所への接近に対する保護等級),第一特性数字 2(危険箇所へ

の指の接触に対して保護されている)に従って EUT を試験しなければならない。

試験は,JIS F 8007 

表 6(危険な箇所への接近に対する保護の試験に使用する接近度プローブ)に規

定する力で EUT のきょう(筐)体の開口部にプローブを挿入して行わなければならない。

試験のために,関節付き試験指が 80 mm の長さまで入るものでなければならない。直線位置からスター

トして,指の隣接部分のアクセスに対して,試験指の二つの関節を 90 度まで継続的に曲げ,あらゆる可能

な位置に置かなければならない。

低電圧装置(交流定格電圧が 1 000 V 及び直流定格電圧が 1 500 V を超えない)の場合,試験指は,プロ

ーブときょう(筐)体内の危険箇所との間に適切なランプと直列に低電圧電源(40 V 以上 50 V 以下の)

に接続する。

高電圧装置(定格電圧が 1 000 VAC 及び 1 500 VDC を超える)の場合,プローブを最も不利な位置に置

いた状態で,EUT は関連の装置規格で規定された絶縁抵抗及び耐電圧試験を行わなければならない。検証

は,この絶縁耐圧試験又は,最も不利な電界条件で試験を行ったとき,満足すべき規定のすき間が確保さ

れていることを確認することによってもよい(IEC 60071-2 参照)

きょう(筐)体内に異なった電圧レベルのセクションを含む場合は,各々のセクションに妥当なすき間

の許容条件を適用しなければならない。

最後に,EUT 内部にそれ以上に接近するには,スパナ又はドライバなどの工具なしではできてはならな

い。また,妥当な場合,警告ラベルが EUT 内部と保護カバー上にちょう(貼)付されていることを確認し

なければならない。

12.1.3

結果要件  プローブと危険部分との間に十分なすき間が確保されていなければならない。

低電圧装置試験の場合,ランプが点灯してはならない。

高電圧装置試験の場合,EUT は絶縁抵抗及び耐電圧試験に耐えなければならない。

12.2

無線周波電波放射(4.6.2  参照)

12.2.1

目的  放射性装置の近くでで安全規則を適用できるようにするためのものである。

12.2.2

試験方法  30 MHz を超える高周波電磁エネルギーを放射するよう設計された装置は,その放射エ

ネルギーを測定しなければならない。EUT を動作状態にし,最大放射条件に設定して行わなければならな

い。測定方法は,関連の装置規格による。


36

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

12.2.3

結果要件  妥当な場合,測定される高周波放射電力密度レベルが 100 W/m

2

及び 10 W/m

2

となる EUT

からの距離を測定し,装置のマニュアルに記載しなければならない。

12.3

ディスプレーユニット(VDU)からの放射(4.6.2  参照)

12.3.1

試験免除  製造業者が VDU が試験を満足するとの証拠を提出できる場合には,ディスプレーユニ

ット(VDU)に対する安全性試験を免除しなければならない。

12.3.2

目的  静電界,交流電界及び交流磁界に関する VDU からの放射が,安全限度内であることを確か

めるためのものである。操作距離が離れている大形表示器の場合には大きな限界値が許される。4 行以上

のテキスト表示しかできない機械の可動状況を表示する表示器としてだけ使用する場合には,この要件は

適用しない。500 V 未満の直流電位しか必要としない表示技術を採用している VDU には,静電界試験を適

用しない。

12.3.3

試験方法  EUT が備えている消磁装置は,いずれもオフにしなければならない。操作器を調整し

て輝度を最大にしなければならない。ただし,この場合 100 cd/m

2

を超えてはならない。また,コントラス

トは,バックグランドラスターが通常の室内光でわずかに見えるように設定しなければならない。EUT は,

通常表示する最大密度の情報を表現する試験パターンを表示しなければならない。この旨を試験報告書に

詳述しなければならない。

実際に可能な限り,表示画面が垂直になるように EUT を配置しなければならない。EUT,測定プローブ

及び補助装置の接地ポイントは,共通の接地ポイントに接続しなければならない。EUT のあらゆる部分,

測定システム及びその他の導電性物体や接地された物体との間を 500 mm 以上離さなければならない。

正面で測定する場合,EUT 表示画面から画面に垂直となる規定の距離で電磁界を測定しなければならな

い。全周で測定する場合,EUT の中心から公称測定距離に EUT の奥行きの 1/2 の距離を加えた距離で,

EUT の表示画面の中心と同じレベルの高さで電磁界を測定しなければならない。測定プローブを固定し

EUT を回転しなければならない。

電界の場合には 90 度間隔で,また,磁界の場合には 45 度間隔で測定する。磁界の場合,EUT の表示画

面の中心レベルから 300 mm 高いか低いレベルで測定をくり返さなければならない。

図 13)。

交流電磁界測定の場合,複数モード又は複数同期動作が可能な EUT については,その EUT が備えてい

る最低と最高のスキャン周波数で動作するように選択し,少なくとも二つのモードで測定しなければなら

ない。モードは,ラスタサイズ,水平及び垂直スキャン周波数並びに表示アドレス法のユニークコンビネ

ーションで定義する。

12.3.3.1

静電界  静電界は,500 mm×500 mm 四方の測定器具の接地に接続された金属板の中心に取り付

けられた適切な器具を使って測定しなければならない。金属板は,表示画面と平行にし,測定プローブが

画面中心から 100 mm 離れるように設置しなければならない。

EUT を接地された導電性ブラシでぬぐ(拭)わなければならない。続いて,EUT の電源を入れ 10 分後

に電界強度を測定しなければならない。

12.3.3.2

交流電界及び交流磁界  測定周波数全体にわたり,適切な周波数応答をもつ,適切な測定システ

ムを使って測定しなければならず,入力波は適切な起伏効果(クレストファクタ)をもった波形とする。

電磁界を測定する前に,EUT の電源を 20 分間以上入れなければならない。

12.3.4

結果要件  放射は,次の限界内としなければならない:

表示器サイズ

≤  対角線長 0.5 m

測定距離

表示器サイズ

>対角線長 0.5 m

測定距離


37

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

静電界:

≤ 5±0.5 kV/m

正面 100 mm

≤ 5±0.5 kV/m

*

電磁界:5 Hz∼2 kHz 
 
        2 kHz∼400 kHz

≤ 10 V/m r.m.s. 
 
≤ 1 V/m r.m.s.

正面 300 mm 
 
全周 500 mm 及び 
正面 300 mm

≤ 15 V/m r.m.s. 
 
≤ 10 V/m r.m.s.


*

磁界:  5 Hz∼2 kHz 
 
 
        2 kHz∼400 kHz

≤ 200 nT r.m.s. 
 
 
≤ 25 nT r.m.s.

全周 500 mm 及び 
正面 300 mm 
 
全周 500 mm

≤ 250 nT r.m.s. 
 
 
≤ 150 nT r.m.s.


*

*:限界値が測定された測定距離を試験報告書に記録する。

12.4  X

線放射(4.6.3 参照)

12.4.1

試験免除  製造業者が,EUT が試験を満足するとの証拠を提出できる場合には,X 線放射試験を

免除しなければならない。

12.4.2

目的  EUC からの X 線放射が安全限度内であることを確かめるためのものである。

12.4.3

試験方法  X 線を放射する可能性のある装置の場合,その放射エネルギーを測定しなければならな

い。コントロールの設定によって X 線放射レベルが影響を受ける場合,設定を種々変えて最大レベルを確

認しなければならない。承認された X 線測定装置を使って,バックグラウンドレベルよりも高い放射の有

無を EUT の各部に対して調べなければならない。

12.4.4

結果要件  すべての装置は,50 mm の距離で線量率が 5 µJ/kgh (0.5 mrem/h) 未満でなければならな

い。

13.

保守(すべてのカテゴリの装置)(4.7 参照)  装備場所の空間的条件によって要求される可能性のあ

る制約を考慮し,EUT が 4.7 の要件に適合しているかをチェックしなければならない。

14.

装置のマニュアル(すべてのカテゴリの装置)(4.8 参照)    装置のマニュアルが 4.8 に適合している

かをチェックしなければならない。代表的な操作手順及び装置の設定手順の例が使いやすく効果的である

かチェックしなければならない。また,代表的な故障発見手順の例が,故障をシミュレートして使いやす

く効果的であるかもチェックされなければならない。装備手順をチェックしなければならない。

15.

表示及び識別(4.9 参照)  EUT が,4.9 の要件に適合しているかをチェックしなければならない。


38

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

図 1  電磁放射及びイミュニティー試験で参考とするポートの例

図 2  伝導性放射の無線周波数端子電圧の限界値


39

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

図 3a  周波数範囲 10150 kHz で使用する疑似電源 50  Ω/50 µH5  Ωネットワークの例

図 3b  周波数範囲 10150 kHz で使用する疑似電源 50  Ω/50 µHV ネットワーク例

図 3    伝導性放射試験用疑似電源ネットワーク


40

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

図 4  きょう(筐)体からの放射の限界値

図 5  高周波伝導干渉に対するイミュニティ試験セットアップ


41

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

図 6  高周波伝導干渉試験におけるシールドなしの電源ラインに使われる CDN の簡略図例

図 7  高周波放射に対するイミュニティ試験設備例


42

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

クランプと供試装置間の距離(1 m 以下)

(A) 

電源ライン結合の位置

(B) 

信号ライン結合の位置

図 8  高速過渡現象/バーストに対するイミュニティ試験の一般的なセットアップ

図 9a  交流/直流ラインでの容量性結合試験セットアップ例:ライン−ライン結合,

ジェネレータ出力フローティング


43

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

図 9b  交流/直流ラインでの容量性結合試験セットアップ例:ライン−グラウンド結合,

ジェネレータ出力接地

図 9  電源ライン上のサージに対するイミュニティ試験セットアップ

図 10a  試験 1:電圧  ()  20%及び周波数( )+10

図 10b  試験 2:電圧  ()  20%及び周波数( )−10

図 10  短期電源過渡現象に対するイミュニティ試験の電源変動


44

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

図 11  静電放電(ESD)に対するイミュニティ試験のセットアップ例

自立形装置,静電放電発生器の典型的な位置を示す


45

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

図 12  静電放電(ESD)に対するイミュニティ試験セットアップ例−

卓上形装置,静電放電発生器の典型的な位置を示す


46

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

M −磁界測定の場合の測定点

E −電界測定の場合の測定点

図 13  全周交流電磁界測定の配置


47

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

附属書 A(規定)IMO 決議 A.694(17) 1991 年 11 月 6 日採択

全世界的海上遭難安全システム(GMDSS)の

一部を形成する船舶搭載無線装置及び電子航法装置の一般要件

総会は

海上の安全に関する規則及び指針に関する総会の機能についての国際海事機関の条約第 15(j)項を想起し,

安全の目的のために使用される装置運用上の信頼性と適性を確保するため船用無線装置の性能基準を策定

する必要性を認識し,

改訂された 1974 海上人命安全条約(SOLAS)の第 IV 章 14.1 規則により,条約第 IV 章が適用されるすべて

の装置が国際海事機関の採択したものに劣らない適切な性能基準に適合することが要求されていることに

注目し,

SOLAS 第 V 章 12(r)規則により,1984 年 9 月 1 日以後に船舶に搭載されるすべての航法装置は国際海事機

関の採択したものに劣らない適切な性能基準に適合することが要求されていることにも注目し,

海上安全委員会が第 59 回会議で行った勧告を考慮して,

1.  現行決議の附属書に述べる全世界的海上遭難安全システム(GMDSS)の一部を形成する船舶搭載無線

機器及び電子航法装置に対する一般要件に関する勧告を採択する;

2.  各国政府が GMDSS の一部を形成する船上無線装置及び電子航法装置が現行決議の附属書に規定する

ものに劣らない性能基準に合致させるよう保証することを勧告する;

3.  決議 A.569(14)及び A.574(14)を廃棄する; 

4.  現存の IMO 文書において決議 A.569(14)又は A.574(14)の引用記述は本決議に対する引用記述と読み替

えることを決定する。


48

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

IMO 

決議 A.694

の附属書

全世界的海上遭難安全システム(GMDSS)の

一部を形成する船舶搭載無線機器及び電子航法装置の一般要件

1

序文

1.1  下記装置は:

.1  全世界的海上遭難安全システム(GMDSS)の一部を形成する;又は

.2  改訂された 1974 SOLAS 条約の第 V 章 12 規則で要求される装置及びそれ以外に適宜必要とされる電子

航法装置であり,以下の一般要件及び IMO が採択した該当する性能基準すべてに適合する。

1.2  装置のユニットが本勧告の最小要件以外の設備を提供する場合,そのような追加設備の動作及び妥当

であると判断される限りにおいて追加装置の誤動作により,

1.1 で規定された装置の性能を低下させるもの

でないこと。

2

  装備

1.1 の要件に適合できるように装置を装備すること。

3

操作

3.1  操作器の数,デザインと機能,位置,配列及びサイズは,迅速かつ容易な操作ができるようにするこ

と。操作器は,不用意な操作の可能性を最小限に抑えた配置とすること。

3.2  すべての操作器は,通常の調整が容易に行え,装置が通常操作される位置から容易に識別できること。

通常操作に必要のない操作器は容易に触れられないこと。

3.3  操作器の識別を可能にするために装置内又は船内に適切な照明を備え,常時指示器の読取りを容易に

すること。航行の妨げとなり得る装置照明源を減光する手段を設けること。

3.4  操作器の誤使用により装置や人に損傷を与えないような設計であること。

3.5  装置のユニットが他機の一つ又はそれ以上のユニットに接続される場合,各々の性能が維持されるこ

と。

3.6  "0"∼"9"の数字を使用するデジタル入力パネルを備えている場合,数字は ITU-T 勧告

1

に合致するよう

に配列することが望ましいが,事務機やデータ処理機等に使われているような英数字キーボードが付いて

いる場合,"0"∼"9"の数字は ISO 規格

2

に合致するように配列してもよい。

                                                   

1

  ITU-T 勧告 E.161

2

  ISO 3791


49

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

4

電源

4.1  装置は船内で通常予期される電源の変動があった場合にも,本決議の要件に従って動作を継続するこ

と。

4.2  過電流と過電圧,トランジェント及び電源極性の偶発的な反転から装置を保護する手段が備わってい

ること。

4.3  装置を 2 以上の電源で動作させるようになっている場合は,一つの電源から他の電源へ速やかに切り

替える設備が備わっていること。ただし,これは必ずしも装置内部に組み込んでいる必要はない。

5

環境条件に対する耐久性及び対応力

装置は,船内で遭遇するであろう,種々の海況条件,船体の運動,振動,湿度及び温度の下で継続できる

こと。

3

6

干渉

6.1  当該装置と,1974 年 SOLAS 国際条約第 IV 章及び第 V 章に適合して船上に装備されるその他の無線

通信装置及び航法装置との間の電磁両立性を保証するため,あらゆる妥当で実際的な手段が講じられてい

ること。

4

6.2  すべてのユニットから発生する機械的雑音は,船の安全が左右されるようなサウンドを聴くことを阻

害しないように制限すること。

6.3  基準コンパスや磁気操だコンパスの近傍に通常装備される装置の各ユニットには,コンパスからの取

付け可能な最小安全距離を明記すること。

7

安全対策

7.1  実際上可能な限り,危険電圧への偶発的な接触を防止しなければならない。ピ−ク電圧が 55 V 以上の

直流又は交流電圧又はその両者の組合せ(無線周波電圧を除く)につながるすべての部品と配線は,例え

偶然でも触れないように保護されており,保護カバーを外すと自動的に電源から遮断されること。また,

装置はスパナやドライバのような目的にかなった工具を使わなければこれらの電圧には触れないようにな

っており,装置内と保護カバー上に警告ラベルを目立つようにちょう付していること。

7.2  装置の金属露出部分を接地する手段を講じること,ただし,これによりいずれの電源端子も接地され

ないこと。

7.3  装置から放射される無線周波の電磁エネルギーが人体に害を与えないようにあらゆる実行可能な措

置を講じること。

                                                   

3

  IEC 60092-101 及び IEC 60945

4

  IEC 60533 及び IEC 60945


50

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

7.4  X 線を放射する可能性のある真空管のような素子をもつ装置は,以下の要件に適合すること。

.1  通常動作中の装置から外部への X 線放射は当該政府が規定する限界値を超えないこと。

.2  政府が定めるレベルより高い X 線を装置内部で発生する可能性のある場合,警告ラベルを装置内部に

分かりやすい場所にちょう付しその装置で作業する場合に守るべき予防策を装置のマニュアルに記載する

こと。

.3  装置の故障によって X 線放射が増加するおそれのある場合には,装置のマニュアルに適切な情報を記

載し,そのような増加が引き起こされる状況を警告し,かつ採るべき予防策を記述すること。

8

保守

8.1  装置は入念な再校正や再調整を必要とせずに主要なユニットを船上で容易に交換できるように設計

されること。

8.2  装置は,検査及び保守のために容易にアクセスできるように組み立てられ,設置されること。

8.3  装置を正しく操作し保守するに十分な情報を提供すること:

.1  故障診断及び修理が部品レベルまでできるように設計されている装置の場合,完全な回路図,部品配

置図及び部品表を提供すること;

.2  故障診断及び修理が部品レベルまでできない合成モジュールをもった装置の場合,欠陥モジュールを

特定,識別,交換するために十分な情報を提供すること。それ以外のモジュール及びモジュールの構成品

でない個別部品については上記.1 の要件に適合すること。

9

マーキング及び識別

装置の各ユニットには,可能な限り,通常の設置状態で読み取れるように,その外部に以下の情報を標記

すること:

.1  製造業者名;

.2  型式試験を受けた装置タイプナンバー又はモデル名;

.3  ユニットの製造番号。


51

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

附属書 B(参考)船の環境条件

この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

B.1

  序文  環境条件の分類は,IEC 60721 シリーズの規格に記載されているが,特に,IEC 60721-3-6 

は船橋について述べている。IEC 60721-3-6 では,適用範囲で定める装置,すなわち主に船橋や甲板に設置

される装置に適用される厳しさのレベルについて本体の 8.で述べている。この参考用附属書ではこれら厳

しさのレベル選択の背景について述べている。

B.2

  高温  海上における気温については多くの記録がある。米国海軍の資料“世界の海洋気候地図”第Ⅷ

巻によれば,世界の海洋で観測された最高気温は,7 月のメキシコ沖で記録した 43  ℃である。統計された

気温のうち,95%が何度であったかを示す 95 百分位数は 32  ℃である。したがって,

“船で遭遇し得る”

条件を規定するこの規格のために,合理的と思われる周囲大気温度の最高は 32  ℃とする。周囲大気とは

装置から熱発散の役割を担う空気のことを指す。

太陽ふく射にさらされている装置は,そのエネルギーを吸収し周囲の空気より熱くなる。このプロセス

の分析は IEC 60721-2-4(日射と温度)に記載している。このことから,定常状態での実際の気温 t

u

と太陽

放射照度(電力密度)との合計が表面温度と同じになる人工気温は t

s

となり,その値は次の式で得られ

る:

h

E

a

t

t

u

s

+

=

ここに,  a:  サーマルカラー,熱反射率及び熱透過率によって決まる

吸収率

h

:  表面の熱伝達係数

代表的な値は,a = 0.7,h = 20 W/(m

2

  ℃)で,太陽副射0.035 E  によって温度上昇分が決まる。

IEC 60721-2-4

は更に,

放射照度 の値も示している。

太陽からの放射エネルギーは,

放射密度 1 370 W/m

2

を発生させる。大気中での種々の損失によって,地表においては最大値 1 120 W/m

2

まで低下し,この数値

は 39  ℃の上昇分に当たる。この温度は,太陽に垂直な地表で晴天時に雲一つない正午頃の短時間に発生

する。放射密度は水分含有率の増加に伴って減少する。洋上で過去に経験した最高値は 670 W/m

2

で,この

ときの温度上昇は 23 ℃であった。したがって,人工気温の最高は 39+32 = 71 ℃で,海上での最高値は 23

+32 = 55 ℃となる。

したがって,この規格の 8.では,換気されている環境,すなわち甲板上又は人が作業する空間で動作す

る装置に対する代表的な試験温度を 55 ℃とする。保存温度は,船から離れた位置の換気されている環境で

の保存を考慮して 70  ℃とした。

IEC 60721-3-6

においても,船内での換気されていない環境における最高温度も 70  ℃としている。


52

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

B.3

  高温高湿  大気中の水蒸気の量は,空気の湿度で表される。絶対湿度は,単位体積当たりの水分の質

量で表現され,完全に飽和状態にある空気の場合,気温によって変化する,すなわち−20  ℃での 1 g/m

3

から 55  ℃での 100 g/m

3

まで変化する。相対湿度(RH)は,規定体積に存在する水分質量と同じ温度で飽

和させるのに必要とする水分質量の比で表される。気中の水蒸気の存在は,空気の熱及び電気的性質を変

化させる。とりわけ,湿気のある空気が冷やされた場合,最終的には“露点”温度に到達し,液体として

の水が装置表面に付着する。

外気温度と湿度に関するデータは長年にわたり世界中で収集され統計的に処理されており,その例は

IEC 60721-2-1

(温度及び湿度)に記載されている。95%を超える相対湿度について記録された極端な数値

は,24∼37  ℃の間であり,絶対湿度は 24  ℃で 20 g/m

3

及び 37  ℃で 40 g/m

3

である。温度 37  ℃は,温暖

高湿の安定した天候時に起こる。

したがって,本体の 8.では,換気されている環境で動作する装置に対する代表的な試験温度は相対湿度

95%で 40  ℃としている。

B.4

  低温  米国海軍の資料“世界の海洋気候地図”第 VII 巻によれば,冬季の極地帯における最低気温は

−50  ℃である。しかしながら,そのような低温では海は常時凍結しているので,船は通常航行しない。海

水は約−1.8  ℃で凍り,低い気温は季節的な結氷を生じ,その多くは定着氷であり,冬季に成長し夏季に

分裂し,又は融解する。定着氷が到達する最大厚さは,冬季の気温が−1.8  ℃以下に下がる日数によって

決まる。夏季には航行を可能にする程に氷が薄くなる。北極圏にある北方航路などの主要航路上で,航路

が開かれている間に経験し得る最低気温は−25  ℃である。

したがって,本体の 8.では,そのような天候にさらされているときに動作する装置に対する代表的な試

験温度は−25  ℃で,保存温度は−30  ℃としている。天候から保護されている装置は,そのような低温を

経験することはなく,IEC 60721-3-6 では最低温度でも+5  ℃としているが,この規格では,操船不能とな

った船でも動作を開始することが要求される極めて重要な航法装置及び無線通信装置を対象としているの

で,本体の 8.では,防護形装置に対しては−15  ℃を,携帯形装置(救命用)に対しては−20  ℃を要求す

る。

B.5

  振動  船は異なった周波数帯で 3 種類の特徴ある運動をする。約 1 Hz 未満では船は,サージ(うね

り)

,スエー(横流れ)

,ヒーブ(上下動)の平行移動成分及びローリング,ピッチング並びにヨーイング

の回転成分を生じる規則的な海の影響を受ける。これらの運動の振幅は,大きいこともあるが,装置本来

の共振点はもっと高い周波数にあるので,その運動から来る加速度は極めて小さいので電子装置には重要

な影響はない。したがって,この規格では,このような低い周波数での妨害は取り上げない。ただし,そ

のような妨害がある種の安定化アンテナの性能に影響することには注意を払うべきである。

約 1 Hz より高い周波数では船は,自船のプロペラやエンジンによる船体の振動の影響を受ける。最も大

きな発生源は,60 r/min で回転しているプロペラシャフトで,これが 1 Hz の基本の妨害を発生する。次に

考えられるのはプロペラであろう。例えば,3 翼のプロペラは 3 Hz の基本の妨害を発生する。それらによ

って倍音が発生する。このような振動は垂直振動が大部分である。

13 Hz よりも高い周波数では,不規則な海で発生する“スラミング”によって振動が船体に誘導される。

これによる振動は水平振動が大部分である。

700∼130 000 GT の各種船舶の船橋付近で測定したところ,約 13.2 Hz までの周波数では振動の振幅は+

1 mm 止まりで,13.2∼100 Hz 当たりまでの周波数では 7 m/s

2

までであった。本体の 8.ではこれらの数字を

採用した。


53

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

附属書 C(参考)船舶の EMC 要件

この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

C.1

  序文  船上での EMC 環境は,この規格の適用範囲でカバーされる装置のファミリー製品の規格も含

めることを正当化するため,他の EMC 環境とは大きく異なっている。船は,電力周波数で大電力を消費

する推進機,操船及び積荷のための機械類を搭載している。また,航法装置,通信装置及び上記機械類に

付随した制御装置も搭載されている。船上で使われる無線周波数は,ロランの 90 kHz∼レーダの 9 GHz ま

での広範囲にわたっている。船橋には無線航法装置,無線通信装置及び機関制御装置などが特に密集して

おり,すべてが同時に作動しなければならない。

しかしながら船外の環境は,少なくとも EMC の観点から見れば,干渉信号を発生する電力や通信ケー

ブルが船に接続されていないため,船上の環境と対比すれば,優しいといえる。また,放射干渉源から十

分離されている。  船のシステムの多くが実際に動作していないとか運用を認められない港湾においてさえ,

住宅,商工業の環境から 500 m 以内の距離ということは又は,無線送信局からも 1 km は離れている。し

たがって,妨害放射源及び干渉に対し最小限の不感受性を備えた装置は,いずれも船自体に搭載されてお

り,EMC に関してある程度まで制御可能である。

船上での主たる妨害の発生源は自船の無線送信装置であり,最も影響を受けやすい装置は同じく自船の

受信装置である。この規格では,これらの無線装置が通常船に備えられた電源で同時に動作できるような

放射及びイミュニティの限界を規定するものである。  他の船上装置も同じ限界に適合させることによって,

要求がそれ程厳しくないので同じく適合され得ることである。

航海用として船上に搭載する無線装置の基本特性を

附属書 表 C.1 に示す。

附属書 表 C.1  無線装置の基本特性

周波数帯

装置

受信感度

送信出力

90 kHz∼110 kHz

ロラン受信機 20

µV/m

受信だけ

283.5 kHz∼315 kHz 
(315 kHz∼325 kHz 米国
だけ)

航法ディファレンシャル補正

5 µV/m

受信だけ

415 kHz∼535 kHz

MF 無線電信 50

µV/m

150 W

490 kHz,518 kHz

NAVTEX

2 µV e.m.f.

受信だけ

1 602 kHz∼3 800 kHz

MF 無線電話 25

µV/m

400

Wp.e.p.

4 MHz∼27.5 MHz

HF 無線電信/無線電話

25 µV/m

1 500 Wp.e.p.

121.5MHz∼243 MHz

EPIRB/ELT

送信専用 0.5 W

156 MHz∼165 MHz

VHF 無線電話

2 µV e.m.f.

25 W

406.025 MHz

COSPAS-SARSAT EPIRB

送信だけ 5

W

1 525 MHz∼1 544 MHz

インマルサット

0.03 µV (−167 dBW)

受信だけ

1 575.42±1.023 MHz

GPS 受信機

0.07 µV (−167 dBW)

受信だけ

1 602 MHz∼1 615 MHz

GLONASS 受信機

0.07 µV (−160 dBW)

受信だけ

1 626.5MHz∼1 646.5 MHz

インマルサット

送信専用 25

W

2.9 GHz∼3.1 GHz

S バンドレーダ

1.4 µV (−134 dBW)

25 kW ピーク

9.3 GHz∼9.5 GHz

X バンドレーダ

1.4 µV (−134 dBW)

25 kW ピーク

9.3 GHz∼9.5 GHz

SART

−80 dBW

400 mW


54

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

C.2 

放射  この規格では 2 種類の放射,すなわち,電源に伝導されるものと装置きょう(筐)体から放射

されるものを取り上げる。これらの代表的な放射源として,スイッチング電源での発振とマイクロプロセ

ッサ回路のクロック発振器がある。

この規格では無線機から発生するもの及びアンテナから放射される放射については,考慮しない。無線

機はスプリアス放射として知られる不要放射を放射する。これら不要放射に関する要求事項は関連する装

置規格で定められる。

一般に,不要放射は,この規格で考慮されている放射性放射より大きな出力が許容されている。国際電

気通信連合(ITU)の海事周波数割当計画で考慮されているように,これが船上での両立性を阻害するこ

とはない。さらに,この規格のイミュニティ要件は,より大きな意図的にアンテナから放射される無線電

界で,装置が動作することを確認するものである。

以上の結果から,一般に,放射試験中に無線送信機の送信をしてはならない。送信機に使用される非放

射性負荷からのストレー放射だけが限界を超える唯一のものと思われる。

放射の限界は,CISPR 16-1 によって決定されている値と試験方法に基づくものである。

C.2.1

  伝導性放射  伝導性放射は,船の無線装置が伝導による放射の問題を起こす周波数である 10 kHz

∼30 MHz までの周波数範囲に対して電源ポートでの限界を決めている。限界は本体の 9.2 に規定する。そ

の許容レベルは,装置の多数のユニットを同じ電源に接続することを可能にしている電源ポートに対する

イミュニティ限界に比べて小さくなっている。

C.2.2

  放射性放射  放射性放射の限界は船上の無線受信機を保護するためのものである。限界は 9.3 に定

めているように,3 m の距離で測定して 54 dBµV/m とする。これ以外に幾つかの考慮すべき点がある。

船舶の外部にある受信装置は物理的に離れていることから,これらの放射からの影響を受けにくい。し

かしながら,調査を要する外部受信機の重要な装置の一つとして,非常用位置指示無線標識(EPIRB)か

らの信号を受信するように設計されている COSPAS/SARSAT が運営する衛星に搭載されている受信機であ

る。地表から安全に送信されて,衛星の動作に干渉しないであろう出力は,121.5 MHz 及び 243 MHz では

1 mW  で 406 MHz では 0.1 mW である。 3 m での限界値 54 dBµV/m (500 µV/m)  は送信電力 75 nW に対応し,

これ等の周波数では特別な措置を講じる必要はないものと思える。

30 MHz 未満では,0.5∼30 MHz 帯で動作する通信用受信機及びそれよりも低い周波数の航海受信機を搭

載していることがある。しかしながら,増え続ける宇宙と大気雑音の影響で,低周波での使用できる信号

電界強度は増加する。ゆえに,効果は測定用受信機の帯域幅の変化で図上幾分あいまいであることが認め

られるが,これら低周波での限界値を緩和することが,

図 に示すとおり可能である。

30 MHz 以上に関しては,すべての船には 156∼165 MHz での VHF 受信機を搭載している。VHF 帯につ

いては,IMO は 2 µV e.m.f.の受信感度を要求しており,これはアンテナでの電界強度 3 µV/m に相当する。

ブリッジと VHF アンテナとの間の代表的な距離である 15 m の場合,3 m のところでの自由空間の電界強

度は 15 µV/m (23.5 dBµV/m)で,アンテナの位置では 3 µV/m  となる。したがって,厳格な制限が VHF 通

信には要求される(

図 4)。

UHF 帯では,船舶は 430∼450 MHz の受信機(船上 UHF)及び 900 MHz 付近で動作する受信機(セル

ラー電話)を搭載している場合が多い。これらは IMO の要件にはなく,また,これらの周波数帯には遭難

安全周波数も存在しない。430∼450 MHz の船上での使用は,船上で完全に操作できる状態にあり,干渉

問題が出てきた場合には局部的な対策で十分なため,その帯域に対する特別な保護は必要ないと見なすこ

とができる。セルラー電話については干渉が制限された環境での使用を目的として設計されており,特別

な保護を必要としない。


55

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

1 GHz 以上では船舶は,1 525∼1 544 MHz のインマルサット,1 575.42±1.023 MHz の GPS 及び 1 602 MHz

∼  1 615 MHz の GLONASS の受信機を搭載している可能性がある。1 525 MHz∼1 544 MHz 帯では GMDSS

の遭難安全用に使用されている。同様に全世界的航法衛星システム(GNSS)が IMO の搭載要件となるか

ら,1 575.42 MHz 付近及び 1 602∼1 615 MHz 帯も特別な保護が必要である。この第 4 版では,限界値を 2

GHz まで延長して 9.3 に規定する。

2 GHz 以上では船舶は,3 GHz と 9 GHz でのレーダの受信装置を搭載している。これらは EMC 問題の

形跡も見られない非常に指向性の高いアンテナをもった特殊な受信装置であり,2 GHz より高い周波数で

の放射を試験する必要はない。

C.3

  イミュニティ  この規格では,船上の送信機アンテナからの直接的又は接続ケーブルでの誘導信号と

しての放射信号の影響,船の電源から誘導する正弦波妨害及び過渡的妨害の影響,及び静電放電の影響か

らのイミュニティについて考察する。

異なる形式の船 12 隻のブリッジ及びその周りで行った電界強度の測定結果を

附属書 表 C.2 に示す。

測定結果によれば,平均的にはある程度の遮へい効果が上部甲板構造で得られるものの,電界のピーク値

はブリッジの内部,周辺,外部でほとんど差のないことを示している。したがって,この版では装備場所

では区別しないで,イミュニティの要求レベルを MF/HF(0.5 MHz∼30 MHz)で 100 V/m と想定している。

附属書 表 C.2  船の送信機が発生する船上での電界強度

 MF/HF

V/m

VHF

V/m

携帯形装置

V/m

ブリッジ内

0−80

平均 17

1 10

ブリッジウイング

4−100

平均 27

1 10

甲板上

8−75

平均 37

1 10

VHF では船に装備されている送信機からの電界は非常に小さく,普通 1 V/m を超えるものではないが,

携帯形送信機ではより強力な電界を発生する。最近では,携帯形送信機はブリッジの内外で広く使用され

ているので,携帯形 VHF 送信機での適切なイミュニティレベルとして 10 V/m  を採用する。

さらに,船の長さ 20 m 以下の主に非金属製コマーシャルボート 22 隻での測定では,MF/HF 帯で電界強

度は 4 V/m∼110 V/m で,平均で 51 V/m の結果であった。VHF での電界強度は 1 V/m を超えることはなか

った。したがって,上記イミュニティ要件は小形船舶に対しても適用できる。

C.3.1

  低周波数での伝導性干渉  この規格の前版では,周波数範囲 50 Hz∼10 kHz にわたって,交流電源

のハーモニックレベル及び直流電源の発電機のリップルに基づいた試験レベルで電源ポートに電圧を差動

的に加えるイミュニティ試験を規定していた。その後の経験によれば,この規格の適用範囲に入る電子装

置は,装置内部で交流から直流に変換しているために,電源の高調波の効果に対して優れた不感受性をも

っている。さらに,直流電源の場合は,交流発電機のリップルに非常に強い蓄電池を採用している。その

結果この規格では,伝導性低周波干渉についての試験を含めていない。

C.3.2

  無線周波数での伝導性干渉  この規格の前版では,周波数範囲 10 kHz∼80 MHz にわたって装置の

すべてのポートに電圧を差動的に加えるイミュニティ試験を規定していたが,この規格では IEC 61000-4-6

の試験方法との整合性を更に図り,オメガ航法システムが最早運用を停止してしまっていることに注目し

て,周波数範囲を 150 kHz∼80 MHz に限定する。


56

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

3 V r.m.s. の試験レベルを,150 kHz∼80 MHz までの周波数範囲にわたり採用している。ただし,船の

MF/HF の送信では 100 V/m の電界も発生するので,更に高い試験レベルをシミュレートすべきと思われる。

一方,入射電界強度と試験レベルとの間の関係は更に検討の必要があるが,取りあえず経験に基づき 10 V

r.m.s.  の試験レベルを規定しているスポット周波数に適用する。

C.3.3

  放射による干渉  この規格の前版では,装置のきょう(筐)体に周波数範囲 80 MHz∼1 GHz の RF

電界を加えるイミュニティ試験を含んでいた。低い周波数での RF 電界に対するイミュニティ試験は本体

の 10.2 の伝導性イミュニティ試験に含まれている。この版では,インマルサット装置の使用の増加及びそ

れ以外の移動用衛星装置の使用増加を考慮に入れ,上限周波数を 2 GHz まで引き上げる。携帯形無線機を

シミュレートするため電界強度 10 V/m はそのままとする。

C.3.4

  電源のトランジェント  ファストトランジェントに対するイミュニティ試験を,本体の 10.5 に規定

する。船の電源で見受けられる実際の妨害については更に検討する必要がある。取りあえず暫定的に,船

内配線のケーブル間で起こり得るカップリングを反映するために,電源ポートに対しては 2 kV を,信号と

制御ポートに対しては 1 kV を採用する。  サイリスタスイッチングによって発生し得る妨害をシミュレー

トするために,スロートランジェント試験を本体の 10.6 に追加している。スロートランジェントが電源ラ

インから信号と制御ラインに結合するとは考えられないので,この試験は電源ポートに限定する。現実的

な数字として 1 パルス/分の繰返し周波数を規定した。雷によるサージは,これを船内に伝導する外部ケ

ーブルは存在しないということから考慮していない。

C.3.5

  電源の変動と故障  船の電源は負荷の変動に反応する経験から,電源の短期的変動についての試験

を本体の 10.7 に規定する。60 秒間の電源中断試験が本体の 10.8 に規定されているが,これは主電源と非

常用電源との間の切替えに対する IMO 仕様に基づくものである。現時点ではこれ以上の試験は必要ないと

考えられ,船内電源における実際の妨害に関する検討は,保留にしておく。

C.3.6

  静電放電  船の静電放電によって起こり得る問題をシミュレートするため,IEC 61000-4-2 による

試験を採用している。 


57

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

附属書 D(参考)環境クラス別による装置の例

この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

携帯形

防護形

暴露形

没水形

NAVTEX (A.525)

*

アンテナ

HF MSI (A.700)

*

アンテナ

SES (A.808)

*

アンテナ

VHF RADIO (A.803)

*

アンテナ

MF RADIO (A.804)

*

アンテナチューニングユニット
及びアンテナ

MF/HF RADIO (A.806)

*

アンテナチューニングユニット
及びアンテナ

406 MHz EPIRB (A.810)

*

SART(A.802)

*

VHF EPIRB (A.805)

*

INMARSAT-C (A.807)

*

アンテナ

EGC (A.664)

*

アンテナ

INMARSAT EPIRB (A.812)

*

EPIRB RELEASE (A.662)

*

救命いかだ用双方向 VHF 無
線電話器 (A.809)

* —

レ ー ダ  [MSC.64(67)] 附 属
書 4

— *

アンテナ

音響測深機 [MSC.74(69) 附
属書 4]

— *

振動子

船速距離指示計 (A.824)

— *

リピータ

振動子

ARPA (A.823)

*

備考1.

括弧内の数字は適用する IMO の関連決議(参考文献参照)

2. *

特定のクラスに適用する装置


58

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

附属書 E(参考)試験報告書

この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

試験報告書には少なくとも次の情報を含めるのが望ましい:

a)

試験所の名称及び住所並びに試験が試験所の住所とは異なる場所で行われた場合にはその場所

b)

試験報告書のユニーク番号(シリアル番号等)

,ページ数,及び報告書の総ページ数

c)

依頼主の名称及び住所

d)

試験品の説明及び商品名

e)

試験品の受取日及び試験日

f)

試験仕様の名称及び手順方法の説明

g)

該当する場合には,サンプリングの手順

h)

試験仕様からのすべてのずれ,追加項目,削除項目及び特定試験にかかわるその他あらゆる情報

i)

使用した規格外の試験方法又は手順

j)

表,グラフ,スケッチ,写真などで適宜裏付けされた測定,試験,得られた結果及び検知された故障

k)

測定の不確かさについての申告

l)

試験報告書に技術的責任を負う人物の署名及び役職又はそれと同等な表示及び報告書の発行日

m)

試験結果が被験品目にだけかかわるものであるとの申告

n)

試験所の書面による承認なしに,完全に報告書全体を複製する場合を除き,報告書を複製してはなら

ない,という声明。


59

F 0812

:2006 (IEC 60945:2002)

     

附属書 F(参考)IMO 決議 A.694 要件とこの規格の試験/チェックとの

相互参照表

この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

IMO

決議 A.694

JIS F 0812

要求事項

JIS F 0812

試験/チェック

箇条又は細分化した箇条

1.1 
1.2

1

4.1

非該当

5.3

2 4.1

非該当

3.1

3.1 / 3.2

3.2

 
 
 

3.3 
3.4

3.5 
3.6

4.2.1.2 
4.2.1.3 
4.2.1.4 
4.2.1.5 
4.2.1.6 
4.2.1.7 
4.2.1.8 
4.2.2.3 
4.2.2.1 
4.2.2.2

4.2.4

4.2.2.1

6.1.2 
6.1.3 
6.1.4 
6.1.5 
6.1.6 
6.1.7 
6.1.8 
6.2.3 
6.2.1 
6.2.2

6.4

6.2.1

4.1 
4.2 
4.3

4.3.1 
4.3.2 
4.3.3

5.2.2 / 7.1 
5.2.3 / 7.2

7.3 / 7.4

5 4.4

8

6.1 
6.2 
6.3

4.5.1 
4.5.2 
4.5.3

9 / 10

11.1 
11.2

7.1 
7.2 
7.3 
7.4

4.6.1 
4.6.1 
4.6.2 
4.6.3

12.1

5.3

12.2 / 12.3

12.4

8.1 
8.2 
8.3

8.3.1 
8.3.2

4.7.1 
4.7.1

4.8 
4.8 
4.8

13 
13 
14 
14 
14

9

9.1 
9.2 
9.3

4.9 
4.9 
4.9 
4.9

15 
15 
15 
15


     

附属書 G(参考)IEC 60945 の第 3 版から大幅に変更になった

試験要件の一覧表

この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

箇条

第 3 版

箇条

第 4 版

6

動作チェック

6

ハードウエア及びソフトウエアに対する追加の要件と
ともに新たな指針を付け加えた。

9.3

きょう(筐)体からの放射性放射

9.3

周波数帯 156  ∼165 MHz での代替測定方法としてピー
ク値検出器が認められた。ケーブルの長さを 20 m に制
限してよい。

測定周波数範囲が 1 GHz から 2 GHz に延長された。

10.2

伝導性低周波干渉に対するイミュニティ

この試験は,削除された。

10.3

伝導性無線周波干渉に対するイミュニティ

10.3 10

kHz と 150 Hz との間の測定要件が削除された。

10.4

無線周波数放射に対するイミュニティ

10.4

測定周波数範囲が 1 GHz∼2 GHz に延長された。

11.1

音響ノイズ及び信号

11.1

試験方法が,電力測定から音圧測定に変更された。限
界値は変わらない。

12.3

ディスプレーユニット(VDU)からの放射

12.3 0.5

m よりも大きな画面サイズに対する限界値が緩和さ

れた。

13

保守

13

ソフトウエアの保守に対する要件が追加された。

14

装置のマニュアル

14

装備情報に関する要件が追加された。


参考文献

ATOMOS II: 1997, Advanced Technology to optimize maritime operational safety, integration and interface

Marine Programmable System Development Guidance

DET NORSKE VERITAS: 1997, Rules for Classification of Ships

−Part 4 Chapter 5: Instrumentation and

Automation

Germanischer Lloyd: 1994, Regulations for the Use of Computers and Computer Systems

EN 50279: Visual Display Units

−Measuring methods for low frequency electric and magnetic near fields

IEC 60068-2-32: 1975, Environmental testing

−Parts 2: Tests.−Test Ed: Free fall (Procedure 1)

IEC 60068-3-4: 2001, Environmental testing

−Part 3-4: Supporting documentation and guidance−Damp heat tests

IEC 60073: 1996, Basic and safety principles for man-machine interface, marking and identification–Coding

principles for indication devices and actuators

IEC 60092-504: 2001, Electrical installations in ships

−Part 504: Special features−Control and instrumentation

IEC 60300-1: 1993, Dependability management

−Part 1: Dependability programme management

IEC 60721-2-1: 1982, Classification of environmental conditions. Part 2: Environmental conditions appearing in

nature. Temperature and humidity

Amendment 1 (1987)

IEC 60721-2-4: 1987, Classification of environmental conditions

−Part 2: Environmental conditions appearing in

nature. Solar radiation and temperature

IEC 60721-3-6: 1987, Classification of environmental conditions

−Part 3: Classification of groups of environmental

parameters and their severities. Ship environment

Amendment 1 (1991)

Amendment 2 (1996)

IEC 61209: 1999, Maritime navigation and radiocommunication equipment and systems

−Integrated bridge systems

(IBS)−Operational and performance requirements, methods of testing and required test results

IEC 61508-1: 1998, Functional safety of electrical/electronic/programmable electronic safety-related systems

−Part

1: General requirements

ISO/IEC 17025: 2000, General requirements for the competence of testing and calibration laboratories

ISO 8468: 1990, Ship's bridge layout and associated equipment

−Requirements and guidelines

ISO 9241-3: 1992, Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)

−Part 3: Visual

display requirements

ISO 9241-10: 1996, Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)

−Part 10:

Dialogue principles

ISO 9241-11: 1998, Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)

−Part 11:

Guidance on usability

IMO MSC/Circ.891: 1998, Guidelines for the on-board use and application of computers

IMO Resolution A.224: 1973, Performance standards for echo-sounding equipment

IMO Resolution A.278: 1973, Symbols for controls on marine navigational radar equipment


IMO Resolution A.477:1981, Performance standards for radar equipment

IMO Resolution A.525: 1983, Performance standards for narrow-band direct-printing telegraph equipment for the

reception of navigational and meteorological warnings and urgent information to ships

IMO Resolution A.662: 1989, Performance standards for float-free release and activation arrangements for

emergency radio equipment

IMO Resolution A.664: 1989, Performance standards for enhanced group call equipment

IMO Resolution A.700: 1991, Performance standards for narrow-band direct-printing telegraph equipment for the

reception of navigational and meteorological warnings and urgent information to ships (MSI) by HF

IMO Resolution A.802: 1995, Performance standards for survival craft radar transponders for use in search and

rescue operations

IMO Resolution A.804: 1995, Performance standards for shipborne MF radio installations capable of voice

communication and digital selective calling

IMO Resolution A.805: 1995, Performance standards for float-free VHF emergency position-indicating radio

beacons

IMO Resolution A.806: 1995, Performance standards for shipborne MF/HF radio installations capable of voice

communication, narrow-band direct-printing and digital selective calling

IMO Resolution A.807: 1995, Performance standards for INMARSAT standard-C ship earth stations capable of

transmitting and receiving direct-printing communications

IMO Resolution A.808:1995, Performance standards for ship earth stations capable of two-way communications

IMO Resolution A.809: 1995, Performance standards for survival craft two-way VHF radiotelephone apparatus

IMO Resolution A.810: 1995, Performance standards for float-free satellite emergency position-indicating radio

beacons (EPIRBs) operating on 406 MHz

IMO Resolution A.812: 1995, Performance standards for float-free satellite emergency position-indicating radio

beacons operating through the geostationary INMARSAT satellite system on 1.6 GHz

IMO Resolution A.823: 1995, Performance standards for automatic radar plotting aids (ARPA)

IMO Resolution A.824: 1995, Performance standards for devices to indicate speed and distance

IMO NAV 45/6: 1999, Ergonomic criteria for bridge equipment and layout

−Report of the Correspondence Group

on ergonomic criteria for bridge equipment and layout

IACS Unified requirement E10: 1997, Unified environmental test specification for testing procedure for electrical

control and instrumentation equipment, marine computers and peripherals covered by classification

Lloyds Register of Shipping: 1998, Rules and Regulations for the Classification of Ships

−Part 6 Control

Engineering Systems