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F 0062 : 2002

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人日本船舶

標準協会 (JMSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準

調査会の審議を経て、国土交通大臣が改正した日本工業規格である。これによって JIS F 0062 : 1994 は改

正され,この規格に置き換えられる。


F 0062 : 2002

(2) 

目次

ページ

1.

  適用範囲

1

2.

  用語の分類

1

3.

  音声警報の装備場所

1

4.

  メッセージの長さ,スピード及び音質

2

5.

  発生処理など

2

5.1

  発声の順

2

5.2

  割込み処理

2

5.3

  繰返し

2

5.4

  警報確認後の処理

2

5.5

  発声処理の具体例

2

6.

  可聴警報との区分

4

7.

  注意喚起音

4

7.1

  注意喚起音の使用法

4

7.2

  注意喚起音の種類

4

8.

  動作確認

4

9.

  メッセージの編集

5

10.

  用語の種類

5


日本工業規格

JIS

 F

0062

: 2002

船舶−音声合成システム用語及び適用基準

Shipbuilding

−Voice synthesizer−Equivalent terms

1.

適用範囲  この規格は,操だ(舵)室・中央(集中)制御室など,情報が集中する場所における,船

舶の警報などの補完として使用される音声合成システムで採用する用語,

発声処理などについて規定する。

音声合成による警報システムの採用拡大を考慮し,船内の関連する他の警報システムの用語

(警報名称,

機器名称)との重複及び類似による混乱を防ぐため,船内警報システムの用語,発声処理などについて規

定する。また,音声認識技術を利用した音声コントロールシステムなどで使用する音声指令,音声応答な

どの用語についてもこの規格を準用する。

2.

用語の分類  用語の分類は,次による。

a)

全船非常警報

b)

火災警報

c)

操船指令(エンジンテレグラフ,操縦権など)

d)

航海コンソール関係

e)

航海計器関係

f)

機関部警報

g)

電話呼出し

h)

各種呼出し

i)

無線関係

j)

荷役関係

k)

警報の確認復帰関係

l)

機器番号,場所など

m)

数値などの読上げ

3.

音声警報の装備場所  音声による警報は,重要性及びその特徴を生かし,次の場所に装備することが

望ましい。

a)

全船非常警報,火災警報  公室,通路,居室及び通常の作業場所

b)

航海関係警報  操だ(舵)室,公室及び事務室

c)

機関関係警報  操だ(舵)室,機関制御室,公室,事務室及び通路(機関部)

d)

荷役関係警報  操だ(舵)室,荷役制御室,公室及び事務室

e)

その他  必要な場所に限定して装備する。

全船非常警報,火災警報など緊急時の警報は通常,人のいる場所において,警報の内容が十分判別でき

るように配置する。また,a)以外の警報については,警報出力を制限する機能を備える。特に,機関室無


2

F 0062 : 2002

人化船における当直者居室及び近傍通路への音声警報には,出力先選択などの機能を備える。

4.

メッセージの長さ,スピード及び音質  注意喚起や迅速な警報内容の判断などの音声警報の効果を上

げるために,メッセージの長さ,スピード,音質などに関して次の事項を考慮する。

a)

メッセージの長さ  基本的には,この規格による用語のとおりとする。機器番号,場所などと組み合

わせる場合も同様とし,極力短い表現とする。

b)

スピード  警報の重要度に合わせて,読上げ速度に差をつける。通常(重要度 3 級)は 7 文字/秒程

度とし,重要度が上がると速める。

c)

音質及び音量  警報関係については,女性音のほうが注意喚起などに有効であるとの報告があるが,

発声の明りょう度,音量及び口調(命令口調がよい。

)によっても差が出る。メッセージ全体の相互関

係を調整して決定する。

5.

発生処理など

5.1

発声の順  船内の警報などの発声の順は,一般的には発生の順とするが,同時に発生したときは,

次の 3 ランクの分類の重要度の順に発声する。

−  重要度 1 級とは,自船及び人命の安全にかかわるもの。

−  重要度 2 級とは,直ちに自船の安全にかかわらないが,迅速な対応が必要なもの。

−  重要度 3 級とは,一次的な対応処理を行い,余裕をもって処理が可能なものを示す。

各用語の重要度は,10.の重要度による。

なお,ブランクは警報に該当しないもので順位は重要度 3 級の次に位置する。

5.2

割込み処理  音声警報が発生中に他の警報が発生した場合には,現在の発声に続いて新しい警報の

メッセージを発声する。以後は重要度の順に一声ずつそれぞれの警報に対するメッセージの発声を行う。

ただし,同時に発生するメッセージ数には制限を設け,発声数が極端に多い場合には,順位の低いものは

削除する。

5.3

繰返し  船内の警報などの発声は,応答の確認までメッセージを何度も繰り返す。

5.4

警報確認後の処理  発声の途中での確認に対し,メッセージは途中で中断することなく,最後まで

発声する。例えば,

“機関部一般異常”の警報に対し,

“確認”が“機関部  −(確認)−  一般異常”の

関係にある場合も,

“機関部”で止まることなく,

“・・・・・・一般異常”とメッセージの最後まで発声

する。

5.5

発声処理の具体例

5.5.1

記号及び用語の説明  記号及び用語の説明は,次による。

a)

警報 1,警報 2 及び警報 3 の数字は,警報などの発生した順を示す。

b)

警報 A,警報 B 及び警報 C とは,それぞれ,重要度 1 級,2 級,3 級の警報などを示す。

c)

確認 1,確認 2 及び確認 3 の数字は,確認動作の順を示す。

d)

音声 1,音声 2 及び音声 3 は,数字の一致する警報などに対応する音声を示す。

e)

音声 1A,音声 2A 及び音声 3A は,英数字の一致する警報などに対応する音声を示す。

5.5.2

警報などの発生と確認との関係  警報などの発生と確認との関係は,次による。


3

F 0062 : 2002

a)

1

点の警報の発生は,確認まで警報のメッセージを繰り返し発声する。

b)  1

点の警報が発生し,確認する前に次の警報が発生した場合には,現在の発声に続いて次の警報のメ

ッセージを発声し,確認まで全警報のメッセージを繰り返し発声する。

c)

2

点以上の警報が同時に発生したとき,重要度の順に一声ずつそれぞれの警報に対応するメッセージ

の発声を行い,確認までは全警報を繰り返すが,確認された時点で,発声を停止する。


4

F 0062 : 2002

d)

全警報のメッセージを発声する前でも,確認以後は警報のメッセージを発声しない。

6.

可聴警報との区分  警報などが集中する操だ(舵)室・集中制御室などでは,音声警報と可聴警報が

同時に多発する可能性が高い。

音声警報が従来のベル及びブザーに代わる警報の補助手段であることから,

複数警報が発生した場合には,音声警報を制限する機能を設け,非常事態の際に不都合とならないように

する。

7.

注意喚起音

7.1

注意喚起音の使用法  音声警報の内容に対する準備行為として注意喚起音を付加する場合には,音

声警報の前に一句(例えば,

“ピンポーン”

)とし,警報の重要度,グループに対応させて,幾つかの注意

喚起音を使い分けることが望ましい。

7.2

注意喚起音の種類  注意喚起音の代表例を,次に示す。

番号

注意喚起音

備考(用途)

01

ピンポーン(ドアチャイム音)

一般

02

ピピピ(ホイッスル)

軽度警報

03

ブーブーブー(ブザー断続音)

重度警報

04

ピポピポ(電話呼び出し音に類似)

一般

05

ブルル(新幹線発車音に類似)

軽度警報

06

カンカンカン(踏切音に類似)

07

ウィーウィー(早い周期の繰返し)

重度警報

08

ピンポンパン(アナウンスチャイム)

一般

09

プップー(クラクション)

一般

10

ジリリジリリ(ベルの音に類似)

8.

動作確認  音声合成機器及びシステムの動作確認を行う場合には,音声警報の最初にテストである旨

のメッセージを付加する。動作確認は,音声合成機器及びシステムの稼働中に専用のテストスイッチなど

によって行えるようにする。テストは,登録メッセージすべてについて実施でき,また,警報ごとの動作

が個別に確認ができるようにする。


5

F 0062 : 2002

9.

メッセージの編集  メッセージの編集機能を装備する場合には,いつでも前の状態に復帰できるよう

バックアップ機能を備えるものとする。編集後の新しいメッセージ(群)は必ず全数動作確認をしてから,

入れ替えるものとし,新旧の区別を明確にするため記録媒体には日付,管理記号(バージョンなど)を付

加する。メッセージ変更によるトラブル防止のため,管理責任者によるシール(封印)を行うことが望ま

しい。

10.

用語の種類  音声合成システムに使用する用語及び重要度は,次による。

なお,重要度の分類は,5.1 による。

用語は,機器番号,場所などを“2 号機”+“発電装置異常”などのように組み合わせて使用する場合

には“2 号発電装置異常”又は“発電装置 2 号機異常”など音声としての不具合がないように省略,分割

及び組替えを行って使用してもよい。また,用語の後に“**異常”

“です。

“**停止”

“しました。

などを加えた聞きやすい文章表現も使用してもよい。

a)

全船非常警報

番号

日本語

英語

重要度

101

一般非常警報

General emergency alarm

1

102

水密扉閉鎖

Watertight door closing

1

b)

火災警報 

番号

日本語

英語

重要度

201

火災発生 Fire

1

機関室火災

202

エンジンルーム火災

Engine room fire

1

203

居住区火災 Accommoda

fire

1

204

貨物区画火災

Cargo area fire

1

205

煙検知 Smoke detection

1

消火剤放出

Fire extinguishing medium release

ハロン放出 Halon release

206

炭酸ガス放出 CO

2

 release

1

c)

操船指令(エンジンテレグラフ,操縦権など) 

番号

日本語

英語

重要度

301

ラン  アップ Rung-up

302

フル  アヘッド Full

ahead

303

ハーフ  アヘッド Half ahead

304

スロー  アヘツド Slow ahead

305

デッド  スロー  アヘッド

Deads slow ahead

306

スタンバイ  エンジン Stand-by

engine

307

ストップ  エンジン Stop

engine

308

フィニッシュド  ウィズ  エンジン

Finished with engine

309

デッド  スロー  アスターン

Dead slow astern

310

スロー  アスターン Slow astern

311

ハーフ  アスターン Half astern

312

フル  アスターン Full

astern

エマージェンシィ  フル  アスターン Emergency

full

astern

313

クラッシュ  アスターン Crush

astern


6

F 0062 : 2002

d)

航海コンソール関係 

番号

日本語

英語

重要度

401

貨物関係異常

Cargo part abnormal

2

エンジンテレグラフ異常

402

エンテレ異常

Engine telegraph abnormal

3

403

テレグラフ  ロングウエー

Telegraph wrong way

2

主機操縦装置無電圧

404

主機リモコン無電圧

Main engine remote control system no-voltage

2

Time excess on critical speed

405

危険回転数滞留

Time excess on critical revolution

2

406

操縦場所移動 Control

position

transfer

3

主機始動フェール

407

主機始動失敗

Main engine start failure

2

408

主機始動空気圧低下

Main engine starting air pressure low

2

409

かじ(舵)取機異常

Steering gear abnormal

2

410

航海灯異常

Navigation light abnormal

2

411

機関当直者応答なし

Fault requiring action by the engineer on duty

2

412

水密扉異常

Watertight door abnormal

2

火災検知システム異常

Fire detection system abnormal

413

煙検知システム異常

Smoke detection system abnormal

2

消火システム異常

Fire extinguishing system abnormal

414

ハロン消火システム異常

Halon system abnormal (power loss)

2

e)

航海計器関係 

番号

日本語

英語

重要度

501

ジャイロコンパス異常 Gyrocompass

abnormal

2

502

オートパイロット異常 Auto-pilot

abnormal

2

503

針路離脱

Deviation from course

2

504

衝突危険船接近 Threatenin ship

1

505

衝突予防装置異常 ARPA

abnormal

2

506

危険水深 Shallow depth 1 級

f)

機関部警報 

番号

日本語

英語

重要度

主機遠隔操縦装置異常

601

主機リモコン異常

Main engine remote control system abnormal

2

主機関危急停止

Main engine emergency trip

602

主機トリップ

Main engine trip

2

主機関自動減速

Main engine automatic revolution reducing

603

主機スローダウン

Main engine auto slow down

2

主機関減速要求

Main engine slow down request

604

主機スローダウンせよ

Reduce main engine revolution

2

605

主機関減速

Main engine slow down

2

606

主機関関連装置異常

Main engine auxiliaries abnormal

2

607

主機関異常

Main engine abnormal

2

608

発電装置異常

Generator system abnormal

2

609

警報装置電源異常

Alarm system power supply failure

2

蒸気発生器異常

610

ボイラ異常

Boiler abnormal

2

611

燃料関係異常

Fuel oil system abnormal

2

612

機関部一般異常 Machinery

miscellaneous

abnormal

3


7

F 0062 : 2002

番号

日本語

英語

重要度

Engine room bilge high level

613

機関室ビルジ異常

bilge high level

2

614

エンジンモニタ異常

Engine monitor abnormal

2

g)

電話呼出し 

番号

日本語

英語

重要度

701

自動交換電話

Auto exchange telephone

702

操船用電話 Maneuvering

telephone

703

貨物積付け用電話

Cargo handling telephone

704

無線用電話

Telephone for radio

705

インターホン Interphone

h)

各種呼出し 

番号

日本語

英語

重要度

801

糧食冷蔵庫閉じ込み呼出し

Provision chamber locked-in

1

Patient call

802

病室呼出し

Hospital call

2

Lift locked-in

803

エレベータ呼出し

Elevator locked-in

2

i)

無線関係 

番号

日本語

英語

重要度

901

船舶電話 Maritime

telephone

902 VHF

DSC

着信

VHF DSC receiving

2

903 MF

DSC

着信

MF DSC receiving

2

904 HF

DSC

着信

HF DSC receiving

2

905 EGC

着信 EGC

receiving  2

906

ナブテックス着信 NAVTEX

receiving

3

907

インマル-A  電話 INMARSAT−A telephone

908

インマル-A FAX 着信 INMARSAT−A FAX receiving

909

インマル-A TELEX 着信 INMARSAT−A TELEX receiving

910

インマル-C  着信 INMARSAT−C receiving

j)

荷役関係 

番号

日本語

英語

重要度

1001

貨物装置緊急遮断

Cargo system emergency shut down

2

1002

ガス漏れ発生 Ga leaking

2

1003

機関室ガス漏れ発生

Engine room gas leaking

2

1004

居住区ガス漏れ発生

Accommodation gas leaking

2

1005

貨物区画ガス漏れ発生

Cargo area gas leaking

2

1006

貨物タンク異常

Cargo tank abnormal (high level)

2

1007

ホールド  スペース異常

Hold space abnormal 2

1008

ホールド  ビルジ異常

Hold bilge high level

2

1009

貨物ポンプ異常

Cargo pump abnormal

2

1010

貨物機械室ファン異常

Cargo machinery room fan abnormal

2

1011

不活性ガス装置異常

Inert gas system abnormal

2

1012

荷役装置異常

Cargo machinery abnormal

2

1013

冷凍コンテナ異常

Reefer container abnormal

2

k)

警報の確認復帰関係 

番号

日本語

英語

重要度

1101

当直が確認した

Acknowledged by the duty officer


8

F 0062 : 2002

番号

日本語

英語

重要度

1102

コンソールで確認した

Acknowledged at the console

1103

正常に復帰した

Recovery to normal

l)

機器番号,場所など 

番号

日本語

英語

重要度

1201

右げん(舷) Starboard

1202

左げん(舷) Port

Center

1203

中央

Midship

おもて Bow

1204

船首 Forward

とも Stern

1205

船尾 Aft

一号機(一号) Numb

1

1206

一番

二号機(二号) Numb

2

1207

二番

三号機(三号) Numb

3

1208

三番

m)

数値などの読上げ 

番号

日本語

英語

重要度

1301

まる(ぜろ)

,ひと,ふた,さん,よん,ご,ろ

く,なな,はち,きゅう

Zero, One, Two, Three, Four, Five, Six, Seven, Eight,

Nine

1302

(ひと)じゅう,ふたじゅう,さんじゅう,よん

じゅう,ごじゅう,ろくじゅう,ななじゅう,は
ちじゅう,きゅうじゅう

Ten, Twenty, Thirty, Forty, Fifty, Sixty, Seventy,

Eighty, Ninety

1303

(ひと)ひゃく,ふたひゃく,さんびゃく,よん

ひゃく,ごひゃく,ろっぴゃく,ななひゃく,は
っぴゃく,きゅうひゃく

One hundred, Two hundred, Three hundred, Four

hundred, Five hundred, Six hundred, Seven hundred,

Eight hundred, Nine hundred

1304

(ひと)せん,ふたせん,さんぜん,よんせん,
ごせん,ろくせん,ななせん,はっせん,きゅう
せん

One thousand, Two thousand, Three thousand, Four

thousand, Five thousand, Six thousand, Seven

thousand, Eight thousand, Nine thousand

1305

ひとまん,ふたまん,さんまん,よんまん,ごま
ん,ろくまん,ななまん,はちまん,きゅうまん

Ten thousand, Twenty thousand, Thirty thousand,

Forty thousand, Fifty thousand, Sixty thousand,

Seventy thousand, Eighty thousand, Ninety thousand

備考  “いち,に,みつ,よつ/し,いつ,むつ,しち,やつ,とう”の表現は使用しない。

関連規格  JIS F 0417  船用警報一等級

JIS F 0418

  船橋警報及び表示装置適用基準