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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

F 0049-1994 

舟艇用語−機関及び推進装置 

Small crafts−Engine and propulsive systems−Vocabulary 

1. 適用範囲 この規格は,スポーツ及び娯楽用の舟艇(1)の機関及び推進装置に関する用語及びその定義

について規定する。 

注(1) 小形船の総称。 

備考1. スポーツ及び娯楽用の舟艇のことを,“プレジャーボート”と呼ぶことがある。 

2. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS B 0108 往復動内燃機関用語(一般) 

JIS B 0109 往復動内燃機関用語(主要部品) 

JIS B 0110 往復動内燃機関用語(附属装置) 

JIS D 0103 自動車用電装部品の名称に関する用語 

JIS D 0104 自動車の主要装置用語 

JIS F 0022 造船用語(機関編−主機,ボイラ,発電機関及び補機用原動機) 

JIS F 0023 造船用語(機関編−補機器) 

JIS F 0024 造船用語−機関−軸系,プロペラ及びウォータージェット推進装置 

JIS F 0026 造船用語(機関編−ぎ装) 

2. 分類 用語の分類は,次のとおりとする。 

(1) 機関 

(a) 機関一般 

(b) 燃料・潤滑 

(c) 吸気・排気 

(d) 冷却 

(e) 電気・点火 

(2) 動力伝達装置及び推進装置 

(a) 一般 

(b) 逆転減速機及び軸系 

(c) プロペラ 

(3) 操作・運転 

(4) 点検・整備 

(5) 計器類 

3. 用語及び定義 用語及びその定義は,次のとおりとする。 

background image

F 0049-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

なお,参考のために対応英語及び慣用語を示す。 

また,参考図は,一例を示す。 

(1) 機関 

(a) 機関一般 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

慣用語 

1001 

主機 

船の推進に必要な原動力となる機関。 

main engine 

1002 

補機用機関 

船に装備する主機以外の機関。 
備考 補助機関ともいう。 

auxiliary engine 

1003 

船内機 

船体の内側に据え付ける主機。 

inboard engine 

1004 

船内外機 

機関本体を船体の内側に,アウトドライブ装置
を船体の外側に装備する主機。 

inboard-outdrive 

engine 

スターンド
ライブ 

1005 

船外機 

機関本体と推進装置及び操だ装置とを一体に
し,船体の外側に装備する推進機。 

outboard motor 

1006 

ガソリン機関 

燃料としてガソリンを用いる内燃機関(JIS B 
0108参照)。 

gasoline engine 

1007 

ディーゼル機関 

重油・軽油を燃料とし,圧縮点火によって作動
する内燃機関。 

diesel engine 

1008 

空冷機関 

シリンダ・シリンダヘッドなどを空気で冷却す
る内燃機関。 

air cooled engine 

1009 

水冷機関 

シリンダ・シリンダヘッドなどを水で冷却する
内燃機関。 

water cooled engine 

1010 

直接冷却機関 

海水・淡水などで直接冷却する内燃機関。 

direct cooled 

engine, 

raw water cooled 

engine 

1011 

間接冷却機関 

熱交換器を介して冷却する内燃機関。 

indirect cooled 

engine, 

fresh water cooled 

engine 

1012 

4サイクル機関 

4行程で1サイクルを完結する内燃機関(JIS B 
0108参照)。 

four-stroke engine, 
four-cycle engine 

1013 

2サイクル機関 

2行程で1サイクルを完結する内燃機関(JIS B 
0108参照)。 

two-stroke engine, 
two-cycle engine 

1014 

定格出力 

所定の条件下で,機関が出すことができる軸出
力を製造業者が表示する値(JIS B 0108参照)。 

declared power, 
rated power 

1015 

定格回転速度 

定格出力に対応する機関の回転速度。 

declared engine 

speed, 

rated engine speed 

1016 

無負荷最低回転速
度 

無負荷において,安定して運転可能な機関の最
低回転速度。 

minimum idling 

engine speed 

アイドリン
グ, 
ローアイド
ル 

1017 

無負荷最高回転速
度 

調速機付き機関において,無負荷にしたとき安
定して運転可能な機関の最高回転速度。 

maximum idling 

engine speed 

ハイアイド
ル 

1018 

トローリング回転
速度 

前進又は後進で,安定して運転可能な機関の最
低回転速度。 
備考 プロペラの最低回転速度を意味すること

もある。 

trolling engine 

speed 

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F 0049-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(b) 燃料・潤滑 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

慣用語 

1101 

気化器 

機関の吸気量と燃料流量を制御し,併せて燃料
を微粒化する装置(JIS B 0110参照)。 
備考 キャブレタともいう。 

carburetor 

1102 

燃料噴射ポンプ 

噴射弁を通じて燃料を供給するポンプ(JIS B 
0110参照)。 

fuel injection pump 

1103 

ポータブル燃料タ
ンク 

船外機などに用いられる携帯用の燃料タンク。 

portable fuel tank 

1104 

燃料(供給)ポンプ 燃料タンクから気化器又は,燃料噴射ポンプに

燃料を送るポンプ(JIS B 0110参照)。 

fuel (feed) pump 

1105 

混合ガソリン 

2サイクル機関用のエンジンオイルを混合した
ガソリン。 

mixed gasoline 

1106 

オクタン価 

ガソリン機関で,燃料のアンチノック性を表す
値(JIS B 0108参照)。 

octane number 

1107 

セタン価 

ディーゼル機関で,ディーゼルノックに関連し
て燃料の着火性を表す値(JIS B 0108参照)。 

cetane number 

1108 

エンジンオイル 

内燃機関に用いる潤滑油。 

engine oil, 
lubricating oil 

1109 

ギヤオイル 

歯車,軸受部などに用いる潤滑油。 

gear oil 

1110 

オイルポンプ 

機関の潤滑油を圧送,又は循環させるポンプ。 

lubricating oil pump 

1111 

オイル混合比 

混合ガソリンにおけるエンジンオイルと燃料と
の容積比。 

oil mixture ratio 

1112 

分離給油装置 

2サイクル機関で,燃料とエンジンオイルを個別
に機関に供給する装置。 

oil injection system 

1113 

オイルクーラ 

エンジンオイルの温度を下げるための熱交換
器。 

oil cooler 

1114 

SAE粘度分類 

Society of Automotive Engineers(SAE:アメリカ
自動車技術協会)が定めたエンジンオイル及び
ギヤオイルの粘度による分類。 

SAE viscosity 

classification 

1115 

APIサービス分類 

American Petroleum Institute(API:アメリカ石油
学会)が定めたエンジンオイル及びギヤオイル
の用途,運転要件による分類。 

API service 

classification 

(c) 吸気・排気 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

慣用語 

1201 

過給機 

吸入効率を高めるため,新気を周囲の大気圧以
上の圧力に高めるための吸気装置(JIS D 0104
参照)。 

supercharger 

1202 

ターボ過給機 

排気タービンを使用した過給機(JIS B 0110参
照)。 

turbocharger 

1203 

空気冷却器 

過給機で圧縮された空気を海水又は清水で冷却
する装置。 

air cooler 

インターク
ーラ, 
アフターク
ーラ 

1204 

ブーストコンペン
セー夕 

ディーゼル機関の過給空気の圧力を感知して,
燃料噴射量を調整する装置。 

boost compensator 

1205 

エアフイルタ 

空気中のちり・ほこりが機関内に吸い込まれる
のを防ぐ装置。 

air filter 

background image

F 0049-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

慣用語 

1206 

逆火防止金物 

内燃機関などの火炎が逆流するのを防止する金
物(JIS F 0026参照)。 
備考 フレームアレスタともいう。 

flame arrester 

1207 

乾式排気 

排気ガスを機関冷却用排水と混合せずに排出す
ること。 

dry exhaust 

1208 

湿式排気 

排気ガスを機関冷却用排水と混合して排出する
こと。 

wet exhaust 

1209 

ウォータロック装
置 

湿式排気で,排気管内の水が機関に浸入するの
を防ぐ装置。 

water lock system 

1210 

エキゾストミキシ
ングエルボ 

湿式排気で,機関冷却用排水と排気ガスとを混
合して排出する管装置。 

exhaust mixing 

elbow 

1211 

排気マニホルド 

各シリンダの排気を排気管に導く集合管(JIS B 
0109参照)。 

exhaust manifold 

(d) 冷却 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

慣用語 

1301 

海水ポンプ 

機関へ冷却用海水などを供給するポンプ。 

sea water pump,  
raw water pump 

1302 

清水ポンプ 

間接冷却機関で,冷却用清水を循環させるポン
プ。 

fresh water pump 

1303 

清水クーラ 

間接冷却機関で,冷却用清水を海水などによっ
て冷却する熱交換器。 

fresh water cooler 

1304 

清水リザーブタン
ク 

機関冷却清水用の予備タンク。 

fresh water reserve 

tank 

(e) 電気・点火 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

慣用語 

1401 

バッテリースイッ
チ 

バッテリーから機関への電源回路を開閉するス
イッチ。 

battery switch 

メインスイ
ッチ 

1402 

スタータスイッチ 

スタータの回路を開閉するスイッチ(JIS D 0103
参照)。 

starting switch 

1403 

スパークプラグ 

電極間に電気火花を飛ばし,エンジンの混合気
に点火させるプラグ(JIS D 0103参照)。 

spark plug 

点火プラグ 

1404 

グロープラグ 

ディーゼル機関で,始動時に電流を通じ,赤熱
させて燃料の着火を助けるプラグ。 

glow plug 

予熱栓 

1405 

エアヒータ 

ディーゼル機関で,始動時に吸入空気を予熱さ
せる始動補助装置。 

air heater 

インテーク
ヒータ 

1406 

オルタネータ 

内蔵したダイオードによって整流し,直流出力
を出す充電用ゼネレータ。ICレギュレータ,真
空ポンプ付の場合がある(JIS D 0103参照)。 

alternator,  
AC dynamo 

ACゼネレー
タ, 
ACダイナモ 

1407 

停止ボタン 

機関を停止させるためにマグネトの一時回路を
短絡するスイッチ(JIS B 0110参照)。 
備考 ストップスイッチともいう。 

stop switch, 
earth switch 

1408 

非常停止スイッチ 

緊急時に機関を停止させるためのスイッチ。 
備考 エマージェンシーストップスイッチとも

いう。 

emergency stop 

switch 

キルスイッ
チ, 
セーフティ
スイッチ 

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F 0049-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(2) 動力伝達装置及び推進装置 

(a) 一般 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

慣用語 

2001 

逆転減速機 

主機の回転速度をプロペラ回転速度に減速する
とともに,プロペラ回転方向だけを正逆切替え
可能な装置(JIS F 0022参照)。 

reverse and 

reduction gear 

マリンギヤ 

2002 

アウトドライブ装
置 

逆転減速機構,クラッチ機構,操だ機構,プロ
ペラなどから一体にして,トランサム部に装着
される推進装置。 

out-drive unit 

2003 

ウォータジェット
推進装置 

船底から吸い込んだ水を噴射し,その反動で船
を推進させる装置。 

water jet propulsion 

system 

2004 

プロペラ 

羽根の回転によってスラストを発生し,船を推
進させる装置(JIS F 0024参照)(参考図1及び
参考図4参照)。 

propeller 

2005 

アンチ−ベンチレ
ーションプレート 

プロペラへの空気吸込みを防止するため,プロ
ペラ上方に設置された板状の部材(参考図1参
照)。 

anti-ventilation plate  

2006 

スプラッシュ防止
板 

喫水面からの水しぶきの飛散を防止する板状の
部材。 
備考 アンチ−スプラッシュプレートともいう

(参考図1参照)。 

anti-splash plate 

2007 

減速比 

主機の回転速度とプロペラの回転速度との比。 

reduction ratio 

ギヤ比 

2008 

クラッチ 

入力軸から出力軸に伝達される動力の遮断及び
結合を可能とする装置。機械式,油圧式,電気
式,電磁式などの種類がある(JIS F 0024参照)。 

clutch 

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F 0049-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考図1 船外機の各部名称 

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F 0049-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(b) 逆転減速機及び軸系 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

慣用語 

2101 

弾性継手 

入力軸のトルク変動を弾性体によって吸収して
出力軸に動力を伝達する装置。一般には弾性体
としてゴム又はバネを用いる(JIS F 0022参照)。 

elastic coupling 

2102 

軸継手 

軸をつなぐ継手。 
備考 主として1対のフランジ形状のものが使

用される(JIS F 0024参照)(参考図2参
照)。 

shaft coupling 

2103 

ハーフカップリン
グ 

1対のフランジ状軸継手のうちの一方の部材。 

half coupling 

相カップリ
ング 

2104 

中間軸 

プロペラ軸と主機とを連結する軸(JIS F 0024
参照)。 

intermediate shaft 

2105 

プロペラ軸 

プロペラを装備する軸(JIS F 0024参照)(参考
図2及び参考図4参照)。 

propeller shaft 

2106 

キール式 

キール(竜骨)をもつ船において,船尾管軸受
と船内に設けた軸受装置とでプロペラ軸を固定
的に支える支持方式。主として,大形船に用い
られる(参考図2及び参考図4参照)。 

keel type 

2107 

ブラケット式 

船外に設置した張出し軸受(ブラケット)と船
尾管軸受とでプロペラ軸を固定的に支える支持
方式。 
備考 小形船に用いられる(参考図2参照)。 

bracket type 

2108 

引揚管式 

船外のプロペラ軸と船尾管軸の間に自在継手
(ユニバーサルジョイント)を使用し,プロペ
ラ軸を上下に移動可能とした支持方式。主とし
て,小形漁船に用いられる(参考図2参照)。 

lift retractable shaft 

type 

2109 

船尾管シール装置 

軸系の船体貫通部から海水が船内に流入するの
を防ぐ装置(参考図3参照)。 

stern tube sealing 

device 

2110 

船尾管 

軸が船体を貫通し,船外にでる箇所に装備する
筒状の構造物(JIS F 0024参照)(参考図2及び
参考図3参照)。 

stern tube 

2111 

船尾管軸 

船尾管内を通る中間軸又はプロペラ軸(参考図2
及び参考図3参照)。 

stern tube shaft 

2112 

船尾管軸受 

船尾管内にあって,プロペラ軸又は船尾管軸を
支える軸受(JIS F 0024参照)(参考図3参照)。 

stern tube bearing 

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F 0049-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考図2 各種プロペラ軸支持方式 

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F 0049-1994  

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10 

F 0049-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考図3 船尾管シール装置例 

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11 

F 0049-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(c) プロペラ 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

慣用語 

2201 

プロペラ羽根 

プロペラのスラストを出す羽根状の部分(JIS F 
0024参照)(参考図4参照)。 

propeller blade 

プロペラ翼 

2202 

プロペラボス 

プロペラをプロペラ軸に取り付けるボス部(JIS 
F 0024参照)(参考図4参照)。 

propeller boss, 
propeller hub 

2203 

プロペラナット 

プロペラをプロペラ軸に締め付けるナット(JIS 
F 0024参照)(参考図4参照)。 

propeller nut 

2204 

プロペラ直径 

プロペラ羽根先端が回転して描く円の直径(JIS 
F 0024参照)(参考図4参照)。 

propeller diameter 

2205 

プロペラピッチ 

プロペラ羽根のねじれ角度によって,プロペラ
の1回転で進む理論上の距離(JIS F 0024参照)
(参考図4参照)。 

propeller pitch 

2206 

スキュー角 

プロペラ羽根投影図において,プロペラ軸中心
と羽根幅中心線の羽根先端の点とを結ぶ直線
と,プロペラ軸中心から羽根幅中心線へ引いた
接線とがなす角度(JIS F 0024参照)(参考図4
参照)。 

skew angle 

2207 

ハイスキュープロ
ペラ 

スキュー角が大きいプロペラ(JIS F 0024参照)。 highly skewed 

propeller 

2208 

スーパーキャビテ
ーションプロペラ 

プロペラの翼面上に積極的にキャビテーション
を発生させた時に,より高い性能を得ようとす
るプロペラ(JIS F 0024参照)。 

super-cavitation 

propeller 

2209 

サーフェースプロ
ペラ 

大半を水面上に露出した状態で作動させ,水没
部の抵抗を低減することで船の推進効率を高め
たプロペラ。 

surface propeller 

2210 

二重反転プロペラ 

同軸の2個のプロペラを互いに反対方向に回転
させ,プロペラ効率を向上しようとするプロペ
ラ。 

contra-rotating 

propeller 

2211 

プロペラアパーチ
ャ 

プロペラを取り付ける部分の船体の空所。 

propeller aperture 

2212 

プロペラボス排気 

プロペラボスを二重構造とし,空洞部から排気
ガスを排出するアウトドライブ特有の排気方式
(参考図4参照)。 

through-hub exhaust  

2213 

シヤピン 

プロペラに過剰な負荷が作用した場合,主要部
品の保護のため切断されるように作られた,プ
ロペラ軸とプロペラとを結合するピン。 

shear pin 

background image

1

2

F

 0

0

4

9

-1

9

9

4

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考図4 船外機用プロペラ 

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13 

F 0049-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(3) 操作・運転 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

慣用語 

3001 

中立 

クラッチが連結していない状態又は船に推力が
働かない状態。 

neutral 

3002 

前進 

クラッチが前進側に連結した状態又は船に前進
推力が働く状態。 

forward, 
ahead 

3003 

後進 

クラッチが後進側に連結した状態又は船に後進
推力が働く状態。 

reverse, 
astern 

3004 

シフトレバー 

中立から前進及び後進にクラッチを切り換える
レバー(参考図1参照)。 

shift lever 

3005 

リモートコントロ
ールヘツド 

シフト及びスロットルの遠隔操作装置の操作
部。 

remote control head 

リモートコ
ントロール
ボックス 

3006 

リモートコントロ
ールケーブル 

リモートコントロールヘッドと機関及びドライ
ブ装置間を連動させるケーブル。 

remote control cable  

3007 

リコイルスタータ 

始動用ロープがばねなどで自動的に巻き戻る始
動装置(参考図1参照)。 

recoil starter 

3008 

暖機運転 

航走前に無負荷で機関を暖める運転。 

warming up 

3009 

すり合わせ運転 

機関のしゅう動部をなじませるために行う運転
(JIS B 0108参照)。 

break-in 

ならし運転 

3010 

トリム操作 

航走姿勢の釣合いをとるためにドライブ装置の
傾斜角度を調整すること。 

trim adjustment 

3011 

ティルトアップ 

保管などのためにドライブ装置を水面上にはね
あげること。 

tilt up 

3012 

ティルトダウン 

水面上にはねあげられたドライブ装置を元に戻
すこと。 

tilt down 

3013 

ティラーハンドル 

船の進行方向を変えるための棒状の操だハンド
ル(参考図1参照)。 

tiller handle 

3014 

浅瀬航走装置 

浅瀬を航走するためにドライブ装置を傾斜させ
る装置。 

shallow water 

device 

3015 

クラッシュアスタ
ーン 

危険回避のため,前進速度が速いうちにクラッ
チを前進から後進に急速に切り換える操作。 

crush go astern 

(4) 点検・整備 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

慣用語 

4001 

給油口 

燃料又は潤滑油を入れる口。 

oil filler, 
fuel filler 

補油口 

4002 

検油棒 

機関潤滑油の量を点検する棒状の測定器(JIS B 
0110参照)。 

oil dip stick 

4003 

オイルフィルタ 

潤滑油中の異物を除去し,清浄にするフィルタ。 oil filter 

4004 

オイルドレンプラ
グ 

潤滑油を抜き取るための穴の栓(参考図1参照)。 oil drain plug 

4005 

燃料フィルタ 

燃料中の異物を除去し,清浄にするフィルタ
(JIS B 0110参照)。 
備考 フューエルフィルタともいう。 

fuel filter 

4006 

ウォータストレー
ナ 

機関冷却水中の異物を除去し,清浄にする装置。 water strainer 

海水こし器 

4007 

注水口 

機関冷却水を注入又は点検する口。 

water filler 

background image

14 

F 0049-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

慣用語 

4008 

検水口 

機関冷却水の循環を検知するための冷却水排出
口。 

water pilot hole 

4009 

水洗プラグ 

機関冷却水循環経路内を清水で洗浄するための
通路の栓(参考図1参照)。 

flushing plug 

4010 

アノード 

電食作用による腐食を防止するための亜鉛など
の電極。 

anode 

4011 

ビルジポンプ 

ビルジの移送又は排出に使用するポンプ(JIS F 
0023参照)。 

bilge pump 

4012 

不凍液 

機関冷却水の凍結防止に用いる液体。 
備考 冷却装置のさび止め・防食なども兼ねる

場合が多い。 

antifreeze 

(5) 計器類 

番号 

用語 

定義 

参考 

対応英語 

慣用語 

5001 

回転計 

機関の回転速度を示す計器。 

tachometer 

5002 

速度計 

航走速度を示す計器。 

speedometer 

5003 

燃料計 

燃料タンク内の燃料残量を示す計器。 

fuel meter (gauge) 

5004 

水温計 

機関冷却水の温度を示す計器。 

water temperature 

meter (gauge) 

5005 

トリム計 

船外機や船内外機のドライブユニットの傾斜角
度を示す計器。 

trim meter (gauge) 

5006 

アワーメータ 

機関の稼働時間を積算して示す計器。 

hour meter 

5007 

油面計 

機関潤滑油の量を示す計器。 

oil level meter 
(gauge) 

5008 

油圧計 

機関又は駆動系の潤滑油の作動圧力を示す計
器。 

oil pressure meter 
(gauge) 

5009 

水圧計 

機関冷却水の作動圧力を示す計器。 

water pressure meter 

(gauge) 

5010 

電圧計 

機関電気系の作動電圧を示す計器。 

volt meter 
(gauge) 

5011 

給気圧力計 

機関へ供給する空気の圧力を示す計器。 

boost meter 
(gauge) 

5012 

警報ランプ 

機関の冷却水温,潤滑油圧などの異状を光で知
らせる警報器。 

warning lamp 

5013 

警報ブザー 

機関の冷却水温,潤滑油圧などの異状を音で知
らせる警報器。 

warning buzzer 

15 

F 0049-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

原案担当作業委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

坪 井   勇 

三信工業株式会社 

(委員) 

魚 谷 明 彦 

財団法人日本海事協会 

森   佑 一 

日本小型船舶検査機構 

井 上 順 之 

いすゞ自動車株式会社 

土 本 寛 治 

三信工業株式会社 

大 穀 圭 介 

スズキ株式会社 

菊 池 正 和 

トーハツ株式会社 

牛 村 正 治 

日産自動車株式会社 

斉 藤 公 男 

本田技研工業株式会社 

品 田 和 良 

ヤンマーディーゼル株式会社 

(事務局) 

小 郷 一 郎 

財団法人日本船舶標準協会 

冨 永 恵 仁 

財団法人日本船舶標準協会