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日本工業規格

JIS

 F

0045

-1992

舟艇用語−船体

Pleasure boat

−Vocabulary−Hull

1.

適用範囲  この規格は,スポーツ及び娯楽用の舟艇(

1

)

の船体に関する主な用語及び定義について規定

する。

(

1

)

小形船の総称。

備考1.  スポーツ及び娯楽用の舟艇のことを,“プレジャーボード”と呼ぶことがある。

2.

この規格の引用規格を,次に示す。

JIS F 0010

  造船用語(船舶一般編)

JIS F 0011

  造船用語(船体編−基本計画)

JIS F 0012

  造船用語(船体編−船こく構造)

2.

分類  用語の分類は,次のとおりとする。

(1)

船の部位及び方向

(2)

寸法及び大きさ

(3)

船形及び構造

(a)

船形

(b)

構造

(4)

区画及び居住区

(5)

船の部分の名称

(6)

構造材及び補強工作法

(7)

船の状態

(8)

復原力

3.

用語及び定義  用語及び定義は,次のとおりとする。

なお,参考のために対応英語及び慣用語を示す。

備考  用語欄の括弧内の仮名は,読みを示す。


2

F 0045-1992

(1)

船の部位及び方向

参考

番号

用語

定義

対応英語

慣用語

1001 

船首 
(せんしゅ)

船の前端又は前方の部分。 bow

へさき, 
バウ, 
おもて

1002 

船尾 
(せんび)

船の後端又は後方の部分。 stern

とも, 
スターン

1003 

船体中央

船体の長さ方向の中央部。 midship

ミドシップ, 
ミジップ

1004 

右げん

船尾から船首を見て船体の中心線より右側。 starboard  スターボード

1005 

左げん

船尾から船首を見て船体の中心線より左側。 port

ポート

1006 

船体

外板,甲板,隔壁,骨格などからなる船の胴体。 hull

船こく, 
ハル

1007 

船底

キールからチャイン又は湾曲部までの船の底の部分。

bottom

ボットム

1008 

甲板 
(かんぱん)

船体上部を構成する部分。 deck

デッキ, 
甲 板 ( こ う は

ん)

1009 

チャイン

平底船体の船底外板と船側外板との交線。 chine

1010 

キール

船底中心部を縦通する部材(JIS F 0010 参照)

。 keel

竜骨

1011 

トランサム

船体最後部の横強力材。ビーム,フロア,フレーム及び

パネルによって構成する。

transom

1012 

上部構造物

甲板上の船室などの構造物。 superstructure

上構

1013 

隔壁

船内の区画を形作る仕切壁(JIS F 0010 参照)

。 bulkhead

バルクヘッド

1014 

水密隔壁

水又は海水が他の区画に漏れるのを止めるために設け
る隔壁。

watertight bulkhead

1015 

ブリッジ

操だ室及び見張り所を設けた上部構造物。 bridge  船橋

1016 

コックピット  機関,操だ機などの制御装置を配置し,ボートの操縦を

行う場所。

cockpit

1017 

ポート

船首を左に向けるようにとる  かじのとり方。 port

取 舵 ( と り か

じ)

1018 

スターボード  船首を右に向けるようにとる  かじのとり方。 starboard

面 舵 ( お も か
じ)

1019 

正横 
(せいおう)

船の中心線に直角な方向。 abeam

アビーム

(2)

寸法及び大きさ

参考

番号

用語

定義

対応英語

慣用語

2001 

全長

船体の最前端から最後端までの長さ(JIS F 0011 参照)

。 length overall

L. O. A.

2002 

垂線間長

船首垂線と船尾垂線との水平距離(JIS F 0011 参照)

length between

perpendiculars

L. p. p.

2003 

水線長

喫水線上で測った船の前端から後端までの水平距離。

length water line

L. W L.

2004 

登録長

上甲板下面で船首材前面から船尾垂線までの水平距離。 registered length

2005 

全幅 
(ぜんはば)

長さと直角方向に測った最広部の距離。 breadth

B

2006 

型幅

船体最広部における両げんの外板内面間の水平距離
JIS F 0011 参照)

moulded breadth

2007 

水線幅

水線で測った最大幅。

water line breadth


3

F 0045-1992

参考

番号

用語

定義

対応英語

慣用語

2008 

型深さ

船体中央で,キール上面からげん側におけるデッキ下面
までの垂直距離。

moulded depth

D

2009 

喫水 
(きっすい)

船が浮いているときの船体最下面から水面までの垂直
距離。

draft,

draught

2010 

総トン数

船の容積を表すトン数。 gross

tonnage

グロストン

2011 

純トン数

旅客又は貨物の運送に供する場所の大きさを表すトン

数。

net tonnage

2012 

排水量

船体が排除する水の質量(JIS F 0011 参照)

。 displacement

2013 

国際総トン数  “船舶のトン数の測度に関する国際条約”の規定に従い

算定されるトン数。

international gross

tonnage

2014 

縦横比

縦と横の長さの比。 aspect ratio

2015 

速長比

(そくちょうひ)

速度を長さの平方根で除した値。

speed length ratio

2016 

フルード数

速度を水線長と重力加速度との積の平方根で除した値。 Froud number

2017 

レイノルズ数  速度と長さの積を液体の動粘性係数で除した値。 Reynolds

number

(3)

船形及び構造

(a)

船形

参考

番号

用語

定義

対応英語

慣用語

3001 

排水量形

主として動的浮力によって船体を支えて走るのに向い

た船形。

displacement type

3002 

滑走形

主として動的揚力によって船体を支えて走るのに向い

た船形。

planing type

3003 

単胴形

一つの船体部分をもつ船。 monohull type

モノハル

3004 

双胴形

左右に二つの船体部分をもつ船。 catamaran type

カタマラン

3005 

三胴形

中央及びその左右に船体部分をもつ船。 trimaran

type

トリマラン

3006 

角形

断面形状が角ばった船形。 chine

type,

knuckle type

3007 

丸形

断面形状が丸みをもった船形。 round

bilge type

3008  V

船底断面形状が V 字形の船形。 vee

bottom

3009 

波形

船底断面形状が波形をした船形。 wave

bottom

オメガ型, 
ベル型

3010 

ディープ V 形  船底の V 形形状が  きつい船形。

deep vee bottom

3011 

逆 V 形

逆 V 形の船底をもつ船形。

inverted vee bottom

シ ー ス レ ッ ド

3012 

トンネル形

船底の中央部に  くぼんだ部分をもつ船形。 tunnel

bottom

3013 

モノヘドロン

船底の傾斜が中央から船尾まで一定になっている船形。 monohedron hull

form

3014 

ステップ形

滑走時の抵抗減少を図るとともに,縦安定を保つため,
船底に段差を設けた船形。

stepper type


4

F 0045-1992

(b)

構造

参考

番号

用語

定義

対応英語

慣用語など

3101 

単板構造

外板を 1 層だけ張った構造。 single plate

construction

single skin

3102 

サンドイッチ
構造

中央に心材を配して,上下に強度の優れた板を接着した
複合構造。

sandwich

construction

3103 

縦式構造

船体の主要フレームを縦方向に配列した構造。 longitudinal

system

3104 

横式構造

船体の主要フレームを横方向に配列した構造。 transverse

system

(4)

区画及び居住区

参考

番号

用語

定義

対応英語

慣用語

4001 

船室

船客及び船員が居住する区画。 cabin

キャビン

4002 

機関室

推進用原動機及び補助機械を据え付けている区画。 engine

room

4003 

船倉

貨物などを積載する区画。 hold

4004 

操だ室

操だ装置のある部屋。

備考  分かりにくい場合には,“操だ室”は“操だ

(舵)室”と示してもよい。

wheel house,

pilot house

4005 

甲板室

上甲板上又は船楼甲板に設けた,船側から船側に達しな

い部屋。

deck house

4006 

空所

特定の目的に使用しない区画。 cofferdam

4007 

フライングブ
リッジ

ブリッジの上に設けられた簡易形の操だ席。 flying

bridge

(5)

船の部分の名称

参考

番号

用語

定義

対応英語

慣用語

5001 

基線

船体の諸寸法を表す場合の基準線。 base line

5002 

垂線

基線に垂直に立てた線。 perpandiculars

5003 

水線

基線に平行な線。 wate line

5004 

ステムライン  船首材前面の形状を表す線。 stem line

5005 

シアー

甲板下面のげん側線の船首尾方向の反り(JIS F 0011 

照)

sheer line

舷弧

5006 

キャンバー

甲板の横方向の反り(JIS F 0011 参照)

。 camber

5007 

デッドライズ  船底のこう配。 dead rise,

rise of floor

5008 

船首材

船の最前端部を強固に構成し,これに外板を取り付ける
ための構造材。

stem

5009 

外板

船体の外殻を形成する板。 shell

5010 

ブルワーク

人や貨物が船外に落ちないように,又は波が打ち込まな
いように暴露甲板げん側に立てる囲い。

bulwark

5011 

ストライプ

船底に付けられた縦方向の段。 stripe

5012 

ビルジキール  船の動揺軽減の目的で船底湾曲部外側に取り付ける部

材。

bilge keel

(bilge board)

ビルジボード

5013 

スケグ

キール下部又はかじ前端に付けられた三角形の方向安
定性をよくする部材。

skeg

5014 

センタボード  横流れ防止及び重心を下げるために船底を突き抜けて

水中に出入り可能にした板。

center board

(dagger board)

ダガーボード


5

F 0045-1992

参考

番号

用語

定義

対応英語

慣用語

5015 

バラストキー

セーリングボートの艇体下部に出っ張らして設けたキ
ール。

ballast keel

5016 

フィンキール  ひれのように船底から突き出ているセーリングボート

のキール。

fin keel

5017 

トリムタブ

航走中の姿勢を調整するためにトランザム下部に設け
た板。

trim tab

5018 

ビーム

甲板の下面に,ある間隔で横又は縦方向に配置する構造
材(JIS F 0010 参照)

beam

梁(はり)

5019 

フレーム

外板の内側に横又は縦方向に配置する構造材(JIS F 

0010

参照)

frame

肋 骨 ( ろ っ こ
つ)

5020 

縦通材

縦方向の加重に役立つよう配置してあって縦強度に役

立つ構造材。

longitudinal member

5021 

ガーダ

縦通する大形の構造材(JIS F 0012 参照)

。 girder

桁(けた)

5022 

特設ビーム

大形のビーム。 strong beam

web beam

5023 

特設フレーム  機関室,隔壁間隔が長い所に設ける,強力なフレーム。 web frame

5024 

防とう材

平板の強度を増すために取り付ける板材や形材。

備考  分かりにくい場合には,“防とう材”は“防

とう(撓)材”と示してもよい。

stiffner

5025 

機関台

機関を据え付けるための台。 engine bed

5026 

床板

床を構成する板。 floor board

5027 

縁材 
(えんざい)

昇降口,コックピットなどを囲む仕切り。 coaming

5028 

足止材

滑止めのために甲板の周囲などに取り付ける角材。 foot

bar

5029 

ハルライナー FRP 船において,いす,床板などを一体成形して作った

もの。

備考 FRP とは,Fibreglass Reinforced Plastics をい

う。

hull liner

5030 

かじ

船の針路を保ったり方向を変えるために用いる板状の
もの。

rudder

5031 

だ柱

かじを船体に取り付けるための柱。 rudder

post

5032 

船尾管

推進軸が船体を貫通する部分に設けられた管。 stern

tube

5033 

シューピース  船尾材の一部でかじの下端を支えるために船尾方向に

延長して設けた部分。

shoepiece

5034 

張出し軸受

船底外板に設けた支持材で,推進軸を支持するために取
り付けた軸受。

shaft bracket bearing

(6)

構造材及び補強工作法

参考

番号

用語

定義

対応英語

慣用語

6001 

ガラス繊維

ガラスを繊維化したもので FRP 用の強化材。 glass

fiber

6002 

アラミド繊維  芳香族ポリアミドを繊維化したもの。 alamido

fiber

6003 

炭素繊維

有機繊維を炭化焼成して作った繊維。 carbon

fiber

6004 

手積み法 FRP 成形法の一つで,人の手でガラス繊維基材を積層・

成形する方法。

hand lay-up method

6005 

オーバーレイ
アップ

FRP

で包み込むように重ね,積層すること。 over

lay-up


6

F 0045-1992

(7)

船の状態

参考

番号

用語

定義

対応英語

慣用語

7001 

軽荷状態

船体,機関などに附属する設備及び法定備品からなる船

の状態。

light condition

7002 

満載状態

乗員,積み荷,燃料などを満載している船の状態。

full loaded condition

7003 

トリム

船体の縦方向の傾斜。 trim

7004 

ヒール

船体の横方向の傾斜。 heel

7005 

ローリング

船体の縦軸周りの揺動運動。 rolling

横揺れ

7006 

ピッチング

船体の横軸周りの揺動運動。 pitching

縦揺れ

7007 

ブローチング  船尾後方から波を受け,船が大きく傾斜する状態。 broaching

7008 

パンチング

船首尾部に受ける波による局部的な衝撃。 panting

7009 

スラミング

荒天航行中  波と船体運動との相対作用によって船首船
底部に受ける大きな衝撃。

slamming

7010 

リーウェイ

風の作用によって船体が風下方向に流されること。 leeway

風圧差

7011 

滑走状態

船が走ることによって生じる動的揚力によって船が滑

走する状態。

hydro planing

プレーニング

7012 

ハンプ

波の干渉によって造波抵抗が著しく増大する抵抗曲線
上の山。

hump

7013 

ホロー

波の干渉によって造波抵抗が減少する抵抗曲線上の谷。 hollow

(8)

復原力

参考

番号

用語

定義

対応英語

慣用語

8001 

浮心

水面下の船体に作用する浮力の合力の作用点。

centre of buoyancy

8002 

浮力

船体が排除する水の質量と等しく鉛直上向きに働く力。 buoyancy

8003 

重心

船体を構成するすべての部分に働く重力の合力の作用

点。

centre of gravity

8004 

浮面心

水線面の面積中心。

centre of flotation

8005 

メタセンタ高

船を小角度傾けたときの浮心の軌跡の曲率中心から船
の重心までの距離。

metacentre height

GH

8006 

復原性

船が外力に抵抗して直立の姿勢を保とうとする性能
JIS F 0011 参照)

stability

復原力

8007 

復原てこ

復原偶力が作用する腕の長さ(JIS F 0011 参照)

。 righting

arm

GZ


7

F 0045-1992

船舶部会  舟艇専門委員会  構成表

氏名

所属

(委員会長)

杉  崎  昭  生

東京商船大学運送工学科

小  郷  一  郎

財団法人日本船舶標準協会標準部

東      伊一郎

日本小型船舶検査機構技術部

高  橋      哲

社団法人日本舟艇工業会

玉  利  為  宇

財団法人マリーンスポーツ財団事業部

岡  田  光  豊

運輸省海上技術安全局

山  村  修  蔵

工業技術院標準部

太  田  治  孝

横浜ヨット株式会社設計部

山  本  啓  吉

ヤンマー造船株式会社技術部

伊  藤      仁

IHI

クラフト株式会社技術部

大  橋  且  典

社団法人日本外洋帆走協会

小  林      昇

ヤマハ発動機株式会社マリン本部

中  村  正  和

中村船具工業株式会社

坪  井      勇

三信工業株式会社技術管理部

工  藤  慎  一

トーハツ株式会社技術部

栗  原  宏  一

日産自動車株式会社マリーン事業部

(事務局)

中  田  幹  夫

工業技術院標準部機械規格課