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E 7106

:2006

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本鉄道

車輌工業会(JARI)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきと

の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が制定した日本工業規格である。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS E 7106

には,次に示す附属書がある。

附属書 1(規定)普通鋼の許容応力

附属書 2(規定)ステンレス鋼の許容応力

附属書 3(規定)アルミニウム合金の許容応力

附属書 4(参考)相当曲げ剛性及び相当ねじり剛性の算出方法


E 7106

:2006

(2)

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

2

4.

  必要条件への適合性の証明 

2

4.1

  概要

2

4.2

  荷重条件の不確実性

3

4.3

  強度の証明 

3

4.4

  剛性の確認 

3

4.5

  疲労強度の証明

3

5.

  設計荷重

4

5.1

  概要

4

5.2

  前後方向の荷重

4

5.3

  車体に作用する上下方向の荷重

4

5.4

  車体に対する静荷重の重ね合わせ 

4

5.5

  機器取付部に対する荷重 

5

5.6

  構体の疲労荷重  4.5 

5

5.7

  境界部に作用する疲労荷重 

5

5.8

  疲労荷重の重ね合わせ 

6

6.

  使用材料の許容応力

6

7.

  荷重試験

6

7.1

  目的

6

7.2

  静荷重試験 

6

7.3

  疲労強度試験 

6

附属書 1(規定)普通鋼の許容応力

7

附属書 2(規定)ステンレス鋼の許容応力 

8

附属書 3(規定)アルミニウム合金の許容応力

9

附属書 4(参考)相当曲げ剛性及び相当ねじり剛性の算出方法

11

 


日本工業規格

JIS

 E

7106

:2006

鉄道車両−旅客車用構体−設計通則

Rolling stock-

General requirements of carbody structures for passenger car

序文  鉄道車両の旅客車用構体の構造設計は,荷重条件及び使用する材料の特性によって変化する。

この規格は,旅客車の構体の構造設計をするときに考慮すべき荷重条件,荷重の組合せ及び使用材料の

特性との関係について標準的な基準を定めたものである。

1. 

適用範囲  この規格は,主として,電車,内燃動車,客車などの旅客車用構体が耐えなければならな

い荷重を規定し,その荷重によって構体に発生する応力と使用材料の特性とを考慮に入れて構造設計を行

うときの標準的な強度評価方法について規定する。

この規格に規定する荷重条件は,長年の実績と実験データとに基づいているが,車両の運用計画によっ

て荷重条件は変化するので,構造設計に適用する荷重条件は,受渡当事者間の協定による。

備考  この規格は,ゴムタイヤなどを用いる無軌条電車,モノレール車両,中量軌道システム車両,

磁気浮上車両などの特殊鉄道用車両の構体には適用しない。ただし,それらの車両の構体に作

用する荷重の考え方及び構体に使用する材料の許容応力は,この規格を適用してもよい。

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS E 4001

  鉄道車両用語

JIS E 4031

  鉄道車両部品−振動試験方法

JIS E 4041

  電車の組立後の試験通則

JIS E 4043

  ディーゼル動車の組立後の試験方法通則

JIS E 4046

  客車の完成検査通則

JIS E 4207

  鉄道車両−台車−台車枠設計通則

JIS E 7105

  鉄道車両−旅客車用構体−荷重試験方法

JIS G 3101

  一般構造用圧延鋼材

JIS G 3106

  溶接構造用圧延鋼材

JIS G 3114

  溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材

JIS G 4305

  冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯

JIS H 4000

  アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条

JIS H 4100

  アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材

JIS H 4140

  アルミニウム及びアルミニウム合金鍛造品


2

E 7106

:2006

3. 

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS E 4001 によるほか,次による。

a) 

構体  走行装置(台車)に支えられている車体を構成している主な構造部分。

備考  構体は,車両の運用中に車体及び旅客・乗務員を安全に保つ役割をもつ。さらに,構体に取り

付けることによって,構体強度・剛性に直接影響する構造部材も含まれる。

b) 

発注者及び設計・製作者

1) 

発注者  車両が,運用計画に従って使用できるように,その車両に対する技術的条件を決定する責

任を負う組織。

2) 

設計・製作者  発注者の必要条件を満足するように車両を設計・製作する責任を負う組織。

c) 

車両の種別  車両の種別の分類は,車体の構造的条件によって区分する。この規格では車両をその構

造の特徴及び用途から,次の 4 種類に区分する。

1) 

客車

2) 

新幹線電車

3) 

電車

4) 

内燃動車

d) 

車両質量

1) 

運転整備状態における車体質量(m

1

)  すべての搭載部品を含む完全に組み立てられた車体の質量。

備考  m

1

は,水,砂,燃料などの最大搭載量とし,乗務員の質量は含まない。

参考  JIS E 4041 及び JIS E 4043 で規定している“水,砂,燃料及び乗務員”に関する最小荷重の条

件並びに JIS E 4046 に規定している空車状態は,ここに規定する運転整備状態とは異なる。

2) 

最大積載質量(m

2

)  車両の構造及び運用条件に応じて決められる乗務員の質量,座席及び立席乗

車人員(

1

)

の質量(

2

)

,手荷物領域に搭載される手荷物の質量(

3

)

などの総和。

(

1

最大立席乗車人員の算出方法の例

a) 

腰掛前縁に沿う幅 100 mm の床面を除いた客室床面のうち,有効幅 300 mm 以上及び有効高

さ 1 800 mm 以上確保できる床面の面積を 0.1 m

2

で除した値。

b) 

立席定員を設けない車両の場合は,上記の 0.1 m

2

を 0.2 m

2

とする。

(

2

)

乗務員及び乗車人員の 1 人当たりの質量は 55 kg とし,これと異なる質量を指定する場合は,

受渡当事者間の協定による。

(

3

)

手荷物領域に搭載される手荷物の質量は,300 kg/m

2

とする例がある。

備考  最大積載質量の大きさは,車両の運用条件を考慮して受渡当事者間の協定とする。

3) 

台車の質量(m

3

)  車体の支持装置(2 次サスペンション)を含めたすべての下部構造物の質量。

備考  車体と台車との間の結合部材(例えば,中心ピン)の質量は m

1

又は m

3

のいずれかに割付ける

ものとする。

e)

気密荷重  車両がトンネルを出入りするとき又はトンネル内を走行するときに,車外の空気圧力の変

動によって車体の内・外圧力差に基づき構体に作用する内圧力(正圧)又は外圧力(負圧)による荷

重。

4. 

必要条件への適合性の証明

4.1 

概要  鉄道車両の構体は,その車両に対して定められた運用条件における最大荷重において,正規

の運転条件に耐えなければならない。

設計・製作者は,協定した最大荷重に対して構体が永久変形及び破壊を起こさないことを,計算又は試


3

E 7106

:2006

験によって実証しなければならない。構体の強度評価は,次の基準に基づいて行われなければならない。

a) 

最大荷重として定められた荷重に耐え,その後の運転状態が保てなければならない。

b) 

車体の剛性は,完成車両が運用中に外力による共振などで乗り心地が著しく低下しない範囲に保つこ

とが望ましい。

c) 

車両は,常用荷重又は繰返し荷重に対し,疲労破壊を起こすことなく所定の期間(

4

)

運用できなければ

ならない。

(

4

これらの要求条件は,受渡当事者間の協定による。

d) 

設計・製作者は,発注者と協定した荷重条件に対し,その設計がそれらの条件を満足することを証明

しなければならない。車体設計の基礎として使用される荷重条件は,5.の設計荷重に規定するそれぞ

れの車両に対する荷重条件を含んでいなければならない。

4.2 

荷重条件の不確実性  構体の設計の基礎として使用される荷重条件は,すべて,その値の中に不確

実さに対して必要なある程度の余裕をもっていなければならない。5.に規定する荷重の値は,この余裕を

含んだものである。

4.3 

強度の証明  設計・製作者は,5.に規定する荷重条件の下で構造の全体又は個々の部材に,有害な永

久変形及び破壊が発生しないことを計算又は試験によって示さなければならない。

a) 

降伏点又は耐力  計算だけによって設計強度を確認する場合は,安全係数(材料の降伏点又は耐力/

計算応力)を考慮しなければならない。構体に一般的に使用される材料の安全係数を考慮した許容応

力は,6.による。ただし,5.15.5 に規定する試験条件での実測応力又はその組合せ応力が降伏点又は

耐力を超えていなければ,必要な強度をもっていると判定できる。

b) 

引張強さ  最大設計荷重と破壊荷重との間には,安全余裕をもたせる必要がある。4.1 の荷重条件によ

って発生する応力と材料の引張強さとの比,すなわち,安全余裕の大きさは,受渡当事者間の協定に

よる。

4.4 

剛性の確認  車体の剛性が問題となるのは,組立てが完了した完成車体の状態である。設計・製作

者は,その構体がもっている剛性を計算によって算出することが望ましい。構体剛性を実測値で評価する

ときは,JIS E 7105 に規定する構体の垂直荷重試験及びねじり荷重試験における負荷荷重と構体の最大変

形とから,それぞれ相当曲げ剛性及び相当ねじり剛性を算出する。これらの剛性の算出方法は,

附属書 4

による。

なお,完成車体の曲げ及びねじり固有振動数を測定するとき,その測定方法は,受渡当事者間の協定に

よる。

4.5 

疲労強度の証明  鉄道車両の構体は,その運転耐用期間中に,様々な動的荷重を受けるが,構体の

荷重条件として 3.d)2)

(

1

)

の立席最大荷重を採用するとき,この最大荷重は通常の運用時に比べて格段

に大きくしかもその頻度が少ないので,従来の実績では,最大荷重条件での静的な強度が確保されている

と,構体に必要とする疲労強度は確保されているとみなされている。したがって,気密荷重を除く荷重に

対する疲労強度の評価を行う必要があるときは,荷重条件,作用頻度,運転耐用期間及び疲労強度の評価

方法は,受渡当事者間の協定による。

気密荷重による変動荷重が作用する場合,発注者及び設計・製作者は,気密荷重の正圧及び負圧の大き

さ並びにその大きさごとの繰返し数,運転耐用期間及び疲労強度の評価方法を,あらかじめ協定する。


4

E 7106

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5. 

設計荷重

5.1 

概要  鉄道車両の構体の設計に対して用いられる設計荷重を示す。これらの値は通常の使用条件に

おける標準値を示している。したがって発注者は,自社の鉄道システムにおいて安全な運行を達成するた

め,これと異なる値が必要と考える場合は,その設計荷重の値を指定しなければならない。

5.2 

前後方向の荷重

a) 

連結器部における前後方向荷重  連結器に作用する圧縮荷重及び引張荷重の大きさは,それぞれ表 1

及び

表 による。

  1  連結器部に作用する圧縮荷重

単位  kN

客車

新幹線電車

電車

内燃動車

 980

   980

345

∼490 345∼490

  2  連結器部に作用する引張荷重

単位  kN

客車

新幹線電車

電車

内燃動車

490 490 345 345

b) 

車端部における圧縮荷重  表 に規定する以外の荷重条件,例えば,妻構体の台枠部・腰板部・窓上

[長けた(桁)

]部などへの圧縮荷重を指定する場合は,受渡当事者間の協定による。

5.3 

車体に作用する上下方向の荷重

a) 

運行時の最大荷重  運行中に構体に加わる上下方向の最大荷重は,運行中の振動による増加分を考慮

し,通常は

表 の値とする。これによらない場合には,受渡当事者間の協定による。

  3  運行中の上下方向の最大荷重(

5

)

客車

新幹線電車

電車

内燃動車

まくらばねが金属ばねの場合:1.3 g×(m

1

m

2

まくらばねが空気ばねの場合:1.1 g×(m

1

m

2

(

5

)

は重力加速度

b) 

ねじり荷重  運行中の車体は,軌道のねじれ量に応じてねじり荷重を受けている。構体に作用するね

じり荷重は,試験方法を含めてどの車両の種別にも共通で“一方のまくらばりを回転しないように支

持した状態で,他方のまくらばり部に 40 kN・m のねじり荷重(偶力)を作用させる。

”方法とする

c) 

三点支持荷重  車両新製時及び保守時に車体の 4 か所のジャッキ受け部をジャッキで持ち上げる作業

において,ジャッキの伸縮が同期しないとき車体は三点支持状態になる。この作業は,車体への積載

質量が零の状態(以下,空車という。

)であるので構体荷重試験においては当該車両の空車の荷重状態

を再現するように負荷荷重を設定するものとする。ただし,小さなねじり剛性を特徴とする構体を採

用する場合は,三点支持状態は永久変形を伴うことがあるので,ジャッキ高さの不ぞろい量(支持部

のオフセットと呼ぶ例がある。

)は,受渡当事者間の協定による。

5.4 

車体に対する静荷重の重ね合わせ  車体が,満足すべき静的強度をもっていることを保証するため,

設計・製作者は

表 の静的荷重の重ね合わせを考慮しなければならない。


5

E 7106

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  4  車体に対する静荷重の重ね合せ(

5

)

荷重の種類

荷重の大きさ

前後方向の圧縮荷重及び上下方向の静的荷重

表 の値+g×(m

1

m

2

前後方向の圧縮荷重及び上下方向の静的荷重の最小値

表 の値+g×m

1

前後方向の引張荷重及び上下方向の静的荷重

表 の値+g×(m

1

m

2

前後方向の引張荷重及び上下方向の静的荷重の最小値

表 の値+g×m

1

5.5 

機器取付部に対する荷重  機器取付部構体には,その機器自身に作用する重力加速度による荷重の

ほかに走行中の車体の振動に伴う機器の慣性力(機器の質量と振動加速度との積)に起因する力が作用す

る。走行中の振動加速度の実測値がある場合は発注者はそれを指定し,実測値が利用できない場合は,JIS 

E 4031

の中で規定している“1C”に区分する加速度を考慮して,片振幅で約 3 m/s

2

(

6

)

の加速度が,前後・

左右及び上下の三方向に別個に作用するものとする。さらに,機器が回転機器又は往復動機器のときはそ

の機器が発生する変動荷重も考慮しなければならない。

(

6

加速度の大きさは,JIS E 4031 の“1C”の区分では複振幅で 4.9 m/ s

2

(片振幅で約 2.5m/ s

2

)で

あるが,この片振幅の大きさを 1 けたに丸めて,3 m /s

2

とした。

5.6 

構体の疲労荷重  4.5 に規定するように構体の疲労強度についての評価は一般には行わないが,評価

する場合は,次の荷重について考慮することが望ましい。ただし,変動荷重の選定及びその評価方法は,

受渡当事者間の協定による。

a) 

積載荷重の変動  積載荷重の変動は,通勤・近郊形車両の場合大きくなる傾向にある。このような変

動に対して,その変動幅が大きい場合は,これを疲労荷重として評価する場合がある。

b) 

軌道によって付加される荷重  軌道の垂直,横方向及び平面(ねじり)によって負荷される荷重は,

繰返し数が多いので,疲労荷重として評価する場合がある。より正確なデータが利用できない場合,

車体及び車体取付機器へ作用する振動加速度として採用すべき経験的な大きさは,左右方向及び上下

方向に対してそれぞれ

表 及び表 による。

  5  左右方向の振動加速度(

5

)

客車

新幹線電車

電車

内燃動車

±0.15 g

  6  上下方向の振動加速度(

5

)

客車

新幹線電車

電車

内燃動車

まくらばねが金属ばねの場合:±0.15 g

まくらばねが空気ばねの場合:±0.05 g

構体が軌道から受けるねじり荷重は,5.3 b)の規定による。

c) 

気密荷重  高速で走行する車両は,トンネルの出入り及びトンネル内走行時に車内圧力の変動による

不快な“耳ツン”をなくすため,一般的に車体を気密構造にする。トンネルの出入り及びトンネル内

を走行するときに受ける気密荷重は疲労荷重として考慮する場合がある。疲労荷重として取り扱うと

き,荷重条件及び繰返し数並びに使用材料の疲労強度は,受渡当事者間の協定による。

5.7 

境界部に作用する疲労荷重

a) 

車体及び台車の連結部  車体のまくらばりと台車との連結部に作用する荷重,上下,左右及び前後方

向の最大荷重は JIS E 4207 の規定による。これらの荷重を構体の疲労荷重として取り扱う場合は,そ

の大きさ及び使用材料の疲労強度は,受渡当事者間の協定による。


6

E 7106

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b) 

機器取付部  機器取付部に作用する荷重は,5.5 の規定による。機器が取り付けられる構体部材はこの

荷重が繰返し作用するものとして,疲労強度を検討することが望ましい。ただし,応力の合成方法及

び使用材料の疲労強度は,これまでの長期の実績例と対比する簡便な方法を含めて,受渡当事者間の

協定による。

5.8 

疲労荷重の重ね合わせ  疲労強度を評価するとき,設計・製作者は,構体の疲労強度に影響する荷

重条件の組合せ及び使用材料の疲労強度を発注者と協議し,応力が重ね合わされた場合でも設計上の必要

条件が満足することを確認しなければならない。

6. 

使用材料の許容応力

a) 

静的強度  構体に使用する材料は,通常,普通鋼,ステンレス鋼及びアルミニウム合金が用いられる。

これらの材料ごとに利用できる応力の基準値及び安全率を 1.5 としたときの母材の静的許容応力並び

に溶接継ぎ手部の静的許容応力は,それぞれ

附属書 1,附属書 及び附属書 による。

b) 

疲労強度  疲労強度に対する材料の挙動は,現行の日本工業規格,国際規格又は同等の基準があれば

その基準による。設計者は,構体に適用する材料に関して利用できるデータを集め,疲労強度の評価

方法を含め,発注者と協定する。

7. 

荷重試験

7.1 

目的  荷重試験は発注仕様書又は発注者との協定を踏まえて,新設計の構体が 4.に要求される強度

及び剛性をもっていることを確認するために行う。同様の構造に対して,過去の試験による検証データが

あり,かつ,試験と計算との相関関係が確認されれば静荷重試験/疲労試験を省略することができる。

発注者及び設計・製作者は,実施する静荷重試験項目及び実施方法並びに疲労試験を実施するかについ

て協議し,合意するものとする。

試験の目的は,次による。

a) 

最大荷重を受ける場合の構造強度を確認する。

b) 

最大荷重を除去した後に著しい永久変形を生じていないことを確認する。

c) 

運用条件に適合する構造の強度及び剛性を確認する。

d) 

疲労強度を確認する。

7.2 

静荷重試験  静荷重試験の試験項目は,次による。試験方法は,JIS E 7105 の規定による。

a) 

車端圧縮荷重試験

b) 

垂直荷重試験

c) 

ねじり荷重試験

d) 

三点支持試験

e) 

曲げ固有振動数測定試験

f) 

ねじり固有振動数測定試験

g) 

気密強度試験

7.3 

疲労強度試験  構体の疲労強度試験は,実物大で試験する場合は試験設備が大規模になり,しかも,

試験が長期間必要になるので,通常は行わない。ただし,疲労強度を確認すべき部分があるときは,それ

を代表する部分モデルを製作し,それに対して疲労試験を行う。

疲労試験を実施する場合,供試体の大きさ及びその試験方法並びに評価方法は,受渡当事者間の協定に

よる。


7

E 7106

:2006

附属書 1(規定)普通鋼の許容応力

疲労強度を考慮する必要がない荷重を受ける場合,主な母材及び継手の許容応力は,それぞれ

附属書 1

表 及び附属書 表 による。附属書 表 は安全率を 1.5 としたときの許容応力を示しているが,これ

と異なる安全率を用いるときは,

注(

3

)

及び(

4

)

の計算式によって許容応力を算出するものとする。

なお,疲労強度を考慮する必要がある動荷重を受ける場合,母材及び継手の許容応力は,受渡当事者間

の協定による。

附属書 表 1  主な母材の許容応力

単位  MPa

(

1

)

安全率を 1.5 とした場合

母材の種類

板厚

(mm)

引張強さ

(

σ

B

)

降伏点

又は
耐力

(

σ

s

)

基準値

(F(

2

)

許容引張応力

許容圧縮応力

(

σ

a1

(

3

)

許容せん断応力

(

τ

a1

(

4

)

JIS G 3101 SS400

16

以下 400

245

245

165 95

   16

を超え 40 以下

 235

235  155 90

JIS G 3106 SM400A

16

以下 400

245

245

165 95

 SM400B

16

を超え 40 以下

 235

235  155 90

 SM400C

16

以下 490

365

365

245 140

16

を超え 40 以下

 355

355  235 135

JIS G 3114 SMA490AW

SMA490BW

SMA490CW

(

1

)  1 MPa

=1 N/mm

2

(

2

)  F

σ

s

又は 0.7

σ

B

の小さい方の値をとる。

(

3

σ

a1

S

F

(

4

S

F

3

al

=

τ

ここに,S:安全率

附属書 表 2  継手の許容応力

継手の種類

継手ののど断面に対する許容応力

すみ肉溶接継手

プラグ溶接継手 
スロット溶接継手 
フレア溶接継手

部分溶込み溶接継手 
鋼管分岐継手

母材の許容せん断応力  (

τ

al

)

開先溶接継手

母材の許容応力(

σ

al

又は

τ

al

異種母材の開先溶接継手

異種の母材の許容応力のうち小さい方の値(

σ

al

又は

τ

al


8

E 7106

:2006

附属書 2(規定)ステンレス鋼の許容応力

疲労強度を考慮する必要がない荷重を受ける場合,主な母材及び継手の許容応力は,それぞれ

附属書 2

表 及び附属書 表 による。附属書 表 は安全率を 1.5 としたときの許容応力を示しているが,これ

と異なる安全率を用いるときは,

注(

4

)

及び(

5

)

の計算式によって許容応力を算出するものとする。

なお,疲労強度を考慮する必要がある動荷重を受ける場合,母材及び継手の許容応力は,受渡当事者間

の協定による。

附属書 表 1  主な母材の許容応力(

1

)

単位  MPa

(

2

)

安全率を 1.5 とした場合

母材の種類

調質の記号

引張強さ

(

σ

B

)

耐力

(

σ

s

)

基準強さ

(F(

3

)

許容引張応力 
許容圧縮応力

(

σ

a1

(

4

)

許容せん断応力

(

τ

a1

(

5

)

− 550

215

215

145 80

1/4 H

690

345

345

230 130

1/2 H

760

410

410

275 160

3/4 H

820

480

480

320 185

SUS301L

H 930

685

685

435 250

JIS G 4305

SUS304

− 520

205

205

135 80

(

1

厚さが 6 mm 以下の場合に適用する。

(

2

) 1

MPa

=1 N/mm

2

(

3

)  F

σ

S

又は 0.7

σ

B

の小さい方の値をとる。

(

4

σ

a1

S

F

(

5

S

F

3

al

=

τ

ここに,S:安全率

附属書 表 2  アーク溶接継手の許容応力

母材

SUS304 SUS301L

調質の記号

アーク溶接

継手の種類

− 1/4H

1/2H

3/4H H

開先溶接継手

母材の許容応力(

σ

a1

又は

τ

a1

) SUS301L−1/4H の母材の許容応力(

σ

a1

又は

τ

a1

開先溶接継手

以外の継手

母材の許容せん断応力  (

τ

a1

) SUS301L

−1/4H の母材の許容せん断応力  (

τ

a1

)


9

E 7106

:2006

附属書 3(規定)アルミニウム合金の許容応力

疲労強度を考慮する必要がない荷重を受ける場合,主な母材及び継手の許容応力は,

附属書 表 及び

附属書 表 による。附属書 表 は安全率を 1.5 としたときの許容応力を示しているが,これと異なる

安全率を用いるときは,

注(

3

)

及び(

4

)

の計算式によって許容応力を算出するものとする。

なお,疲労強度を考慮する必要がある動荷重を受ける場合,母材及び継手の許容応力は,受渡当事者間

の協定による。

附属書 表 1  主な母材の許容応力

単位 MPa(

1

)

安全率を 1.5 とした場合

母材の種類・質別

質別

板厚

(mm)

引張強

(

σ

B

)

耐力

(

σ

s

)

基準値(

2

)

(F)

許容引張応力(

3

)

許容圧縮応力(

3

)

(

σ

a1

)

許容せん断応力(

4

)

(

τ

a1

)

O 0.8

を超え 75 以下

110 35 35

23

13

H12

H32

0.8

を超え 12 以下

120 85 84

56

32

A5005P

H14

H34

0.8

を超え 12 以下

135 110 95

63

37

H112 4

以上        13 以下

195 110 110

73

42

O 0.8

を超え 75 以下

175 65  65

43

25

H32 0.8

を超え 12 以下

215 155 151

101

58

A5052P

H14

H34

0.8

を超え 12 以下

235 175 165

110

64

4

以上        6.5 以下

285 125

H112

6.5

を超え 40 以下

275 125

O 0.8

を超え 40 以下

275 125

125 83

48

0.8

を超え 2.9 以下

315 235 221

147

85

A5083P

H32

2.9

を超え 12 以下

305 215 214

143

82

JIS H 4000

A7N01P T4

1.5

以上      75 以下

315 195 195

130

75

H112

A5052S

O

− 175

70

70

47

27

A5083S H112 130

以下 275

110

110

73

42

T1 12

以下 120

60

60

40

23

A6063S

T5 12

以下

155 110 109

73

42

6

以下 245

205

172

115  66

A6N01S T5

6

を超え      12 以下

225 175 158

105

61

A7003S T5  12

以下 285

245

200

133  77

JIS H 4100

A7N01S T5

− 325

245

228

152

88

O

− 275

120

120

80

46

100

以下 275

125

125

83

48

A5083FD

H112

100

以下(

5

) 275

110

110  73

42

JIS H 4140

A7N01FD T6

100

以下 335

275

235

157

90


10

E 7106

:2006

(

1

)  1 MPa

=1 N/mm

2

(

2

)  F

σ

s

又は 0.7

σ

B

の小さい方の値をとる。

(

3

σ

a1

S

F

(

4

S

F

3

al

=

τ

ここに,S:安全率

(

5

鍛造によるメタルフローに平行でない場合。

附属書 表 2  アーク溶接継手の許容応力

単位 MPa(

1

)

安全率を 1.5 とした場合

母材の種類・質別

質別

板厚

(mm)

継手効率

(

η

)

基準値(

6

)

(')

許容引張応力(

3

)

許容圧縮応力(

3

)

(

σ

a1

)

許容せん

断応力(

4

)

(

τ

a1

)

O 0.8

を超え 75 以下

1.00 35

23

13

H12

H32

0.8

を超え 12 以下

0.90 76

51

29

A5005P

H14

H34

0.8

を超え 12 以下

0.90 86

57

33

H112 4

以上        13 以下

1.00 110

73

42

O 0.8

を超え 75 以下

1.00 65

43

25

H32 0.8

を超え 12 以下

0.90 136

91

52

A5052P

H14

H34

0.8

を超え 12 以下

0.90 149

99

57

4

以上      6.5 以下

H112

6.5

を超え 40 以下

O 0.8

を超え 40 以下

1.00 125

83

48

0.8

を超え 2.9 以下

0.90 199

133

77

A5083P

H32

2.9

を超え 12 以下

0.90 193

129

74

JIS H 4000

A7N01P T4  1.5

以上    75 以下

0.90 176

117

68

H112

A5052S

O

− 1.00

70

47

27

A5083S H112

130

以下 1.00

110

73 42

T1 12

以下 0.90

54

36

21

A6063S

T5 12

以下 0.70

76

51

29

6

以下 0.70

120

80

46

A6N01S T5

6

を超え  12 以下

0.70 111

74

43

A7003S T5  12

以下 0.90

180

120

69

JIS H 4100

A7N01S T5

− 0.90

205

137

79

O

− 1.00

120

80

46

100

以下 1.00

125

83 48

A5083FD

H112

100

以下(

5

) 1.00

110 73  42

JIS H 4140

A7N01FD

T6 100

以下 0.90

212

141

82

(

6

)  '

F

η

附属書 表 による。)


11

E 7106

:2006

附属書 4(参考)相当曲げ剛性及び相当ねじり剛性の算出方法

この附属書は,相当曲げ剛性及び相当ねじり剛性の算出方法について記述するものであり,規定の一部

ではない。

構体の強度設計に用いる剛性は,相当曲げ剛性及び相当ねじり剛性とし,これらの剛性の算出方法は,

附属書 表 及び附属書 表 による。

附属書   1  相当曲げ剛性の算出方法

定義

相当曲げ剛性は,等分布荷重を受けた構体の側構え下部中央の上下方向のたわみと等しいたわ

みを生じるような,同じ等分布荷重を受けた一様な断面のはりの剛性で表す。

算出式

(

)

2

2

2

1

2

1

eq

24

5

384

d

d

δ

d

W

EI

=

EI

eq

:相当曲げ剛性(N・m

2

W

:車両長手方向の単位長さ当たりの垂直荷重(N/m)

δ

:側構え下部中央のたわみ(m)

d

1

:台車中心間の長さ(m)

d

2

:台車中心から車端までの長さ(m)

 

 

附属書   2  相当ねじり剛性の算出方法

δ

w

d

2

d

2

d

1


12

E 7106

:2006

定義

相当ねじり剛性は,ねじりモーメントを受けた構体の側構え下部の上下方向の変位量から算出
した構体のねじれ角と等しいねじれ角を生じるような,構体と同じ支持条件で,しかも,ねじ

りモーメントを受けた一様な断面のはりの剛性で表す。

算出式

θ

d

M

GJ

3

eq

=

GJ

eq

:相当ねじり剛性(N・m

2

M

:ねじりモーメント(N・m)

d

3

:ねじりを加えた 2 点間の構体の長さ(m)

θ  :ねじれ角(rad)

θ

M

d

3

回 転 中 心

固 定 側

ね じ り モ ー メ ン ト を 加 え る 側