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E 6601 : 1999 (IEC 60349 : 1991)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,運輸大臣が改正した日本工

業規格である。これによって JIS E 6601-1994 は改正され,この規格に置き換えられる。

今回の改正では,国際規格に整合した日本工業規格を作成するに当たり,対応する国際規格 IEC 60349 :

1991 Rotating electrical machines for rail and road vehicles

の規定項目の中で,鉄道車両用補助回転機に関する

適用項目を選択し採用した。


E 6601 : 1999 (IEC 60349 : 1991)

(1) 

目次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  使用条件

2

4.

  定義

2

5.

  特性

3

5.1

  一般

4

5.2

  基準温度

4

5.3

  効率特性

4

5.4

  補助電動機の特性

4

5.5

  補助発電機の特性

4

5.6

  補助電動発電ユニット及び補助回転変流

4

6.

  標識

4

6.1

  銘板

4

6.2

  ケーブル及び端子の標識

4

7.

  試験の種類

5

7.1

  形式試験

5

7.2

  受渡試験

5

7.3

  調査試験

5

8.

  試験項目

5

9.

  試験方法

6

9.1

  温度上昇試験

6

9.2

  特性試験

10

9.3

  損失試験

12

9.4

  整流試験

13

9.5

  過渡試験

14

9.6

  起動試験

15

9.7

  過速度試験

15

9.8

  耐電圧試験

15

9.9

  層間絶縁試験

16

9.10

  振動試験

16

9.11

  整流子の径方向の変形測定(ひずみ)

16

9.12

  釣合い良さ試験

16

9.13

  騒音測定試験

16


日本工業規格

JIS

 E

6601

 : 1999

 (IEC

60349

 : 1991

)

鉄道車両−補助回転機−試験方法

Railway rolling stock

−Auxiliary rotating electrical−

Test methods

序文  この規格は,1991 年に発行された IEC 60349 : 1991 Rotating electrical machines for rail and road vehicles

を基に,対応する部分については対応国際規格を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工

業規格であるが,対応国際規格には規定されていない規定項目及び内容を日本工業規格として追加してい

る。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にない事項である。

また,試験方法のうち,種別 1 に対応国際規格 IEC 60349 の収容を,種別 2 及び種別 3 に従来の日本工業

規格の規定内容を併せて規定した。

今後,この規格を適用する場合は,できるだけ種別 1 を用いるのが望ましい。

IEC

規格番号は,1997 年から実施の IEC 規格新番号体系によるものである。これによって前に発行され

た規格については,規格票に記載された規格番号に 60000 を加えた番号に切り替える。これは,番号だけ

の切替えであり内容は同一である。

1.

適用範囲  この規格は,鉄道車両に用いる主な補助回転機(以下,回転機という。)の試験方法につい

て規定する。

この規格の対応国際規格を,次に示す。

IEC 60349 : 1991 Rotating electrical machines for rail and road vehicles

a)

回転機の範囲は,次による。

整流子形補助電動機,同期補助電動機,誘導補助電動機,直流補助発電機,交流補助発電機,補助

電動発電機,補助回転変流機。

b)

コンバータなどと組み合わせて用いられる誘導補助電動機は,JIS E 6102 に規定の試験方法を適用す

る。

2.

引用規格  次に掲げる引用規格は,この規格に引用されることによってこの規格の規定の一部を構成

する。

これらの引用規格のうちで発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成す

るものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発行年を付記していない引用規格は,その最新

版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 0905

  回転機械−剛性ロータの釣合い良さ

JIS B 8330

  送風器の試験及び検査方法


2

E 6601 : 1999 (IEC 60349 : 1991)

JIS C 4003

  電気絶縁の耐熱クラス及び耐熱性評価

JIS E 6101

  鉄道車両−直流主電動機−試験方法

JIS E 6102

  鉄道車両−交流主電動機−試験方法

備考  IEC 60349 : 1991, Rotating electrical machines for rail and road vehicles からの引用項目は,この

規格の該当事項と同等である。

JIS Z 8731

  環境騒音の表示・測定方法

IEC 60034-2 : 1972

  Rotating electrical machines−Part 2 : Methods for determining losses and efficiency of

rotating electrical machinery from tests (excluding machines for traction vehicles)

IEC 60034-8 : 1972

  Rotating electrical machines−Part 8 : Terminal markings and direction of rotation of

rotating machines

IEC 60034-14 : 1988

  Rotating electrical machines−Part 14 : Mechanical vibration of certain machines with

shaft heights 56mm and higher

−Measurement, evaluation and limits of the vibration severity

IEC 60050(131) : 1978

  International Electrotechnical Vocabulary−Chapter 131 : Electric and magnetic

circuits

IEC 60050(151) : 1978

  International Electrotechnical Vocabulary−Chapter 151 : Electrical and magnetic

devices

IEC 60050(411) : 1973

  International Electrotechnical Vocabulary−Chapter 411 : Rotating machines

IEC 60050(811) : 1991

  International Electrotechnical Vocabulary−Chapter 811 : Electric traction

IEC 60085 : 1984

  Thermal evaluation and classification of electrical insulation

IEC 60342-2 : 1993

  Electric traction−Rotating electrical machines for rail and road vehicles−Part 2 :

Electronic convertor-fed alternating current motors

IEC 60638 : 1979

  Criteria for assessing and coding of the commutation of rotating electrical machines for

traction

3.

使用条件  使用者が特に定める場合を除き使用条件は,次による。

a)

高度  海抜 1 200m 以下

b)

温度  日陰で 40℃以下

上記のいずれか一方,又は両方の限界を超えて回転機を運転する場合は,受渡当事者間で合意しなけれ

ばならない。

使用者は製造業者へ回転機の使用に対する何らかの厳しい特定条件,例えば,ちり,湿気,温度,動的

作用等の情報を提供しなければならない。

4.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。また,この規格で用いる一般用語の定義につ

いては,IEC 60050(131)IEC 60050(151)IEC 60050(411)及び IEC 60050(811)を参照する。

a)

脈流 (pulsating current)    単相整流器を電源として用いる場合やチョッパによって電動機を制御して

いる場合などに回転機に脈動して流れる電流。

b)

脈流率 (ripple factor)   脈流電流の最大値  (I

max

)

及び最小値  (I

min

)

から,次の式(1)で算出したもの。

(%)

100

min

max

min

max

×

I

I

I

I

µ

 (1)

ここに,

µ

:  脈流率


3

E 6601 : 1999 (IEC 60349 : 1991)

c)

定格値 (rated value)   定格を表すための数値。回転機の場合,その数値には,特定の条件などが含ま

れることが多い。

d)

回転機の定格  (rating of a machine)    製造業者によって決められた連続期間に,回転機の電気的な値や

機械的な大きさで表される値。

e)

連続定格 (continuous rating)   指定条件のもとで連続運転する場合,指定の温度上昇限度を超えない

で,しかもこの規格で要求されているすべての該当条件を満たして回転できる機械的出力。

f)

短時間定格(例えば,1 時間)  [short-time (for example, one hour rating)]    冷状態から始めて指定条件

のもとで短時間(例えば,1 時間)運転する場合,指定の温度上昇限度を超えないで,しかもこの規

格で要求されているすべての該当条件を満たして回転できる機械的出力。

g)

短時間過負荷定格 (short-time overload rating)   規定された短時間に過負荷定格状態で指定された温

度上昇限度を超えることなく耐え得る電気的負荷。

h)

断続使用定格  (intermittent duty rating)    反復使用周期に基づいて使用される回転機が,周期中のいか

なる時点においても温度が規定値の限界を超えて上昇することなく耐え得るような電気的定格。

i)

等価定格 (equivalent rating)   回転機が温度上昇の見地から使用中に耐える断続周期と等しいとみな

される電圧・電流・速度の値が一定な連続定格。この定格については,受渡当事者間で合意しなけれ

ばならない。

j)

保証定格 (quaranteed rating)    製造者が保証した定格  回転機の保証定格は,通常は連続定格である

が,一部の場合には受渡当事者間の合意によって短時間定格又は断続使用定格としてもよい。

k)

定格電圧  (rated voltage)    回転機が定格状態で機能するときの,回転機端子における定格電圧。

l)

最高(又は最低)端子電圧  [maximum (or minimum) voltage]    回転機を種々の条件で連続運転する場

合,回転機端子間に継続してかかる電圧の最高値(又は最低値)

m)

最大許容電流 (maximum current)    製造者が提供する特性曲線上に示された電流最大値。

n)

最高使用回転速度  (maximum working speed)

1)

電気式ディーゼル車両の熱機関で駆動される補助発電機の最高使用回転速度電気式ディーゼル車両

専用の熱機関の最大調整速度に対応する発電機の速度。この熱機関の最大調整速度は,通常無負荷

最大調整速度である。負荷変化中の過渡的速度変化は考慮しない。

2)

補助電動発電ユニット,補助回転変流機又は補助電動機の最高使用回転速度。製造業者が回転機に

規定した最大回転速度。

備考  特定用途に対しては,最大速度を定めるために使用中存在し得る電圧,励磁,周波数,負荷な

どの最も不利な条件を考慮する。

o)

回転機の有効出力  (output power of a motor)    回転機の軸部位で利用可能なキロワット (kW) で表さ

れる機械的出力。

p)

パルス制御 (pulse control)    供給電圧又は供給電流それぞれのパルス点弧時点及びパルス消弧時点を

変化させて得られる回転機の出力調節。パルス調節装置にはチョッパなどが含まれる。

5.

特性


4

E 6601 : 1999 (IEC 60349 : 1991)

5.1

一般  回転機の仕様には,次の項に適合する特性曲線が含まれていなければならない。これらの曲

線は各変数の仕様限界まで作図されていなければならない。新形式の最初の回転機は 9.2 に従った試験結

果から“基本特性”を作成する。特に定めがない限り,同一使用者又は同一用途に対し既に製造済みの回

転機と電磁的に同じすべての回転機の基本特性は,既存の回転機の特性とする。この場合は,特性の適合

検査を受渡試験だけに限定してもよい。

5.2

基準温度  すべての特性は表 の種別 1,種別 2 及び種別 3 に示す基準温度に対して使用され,この

基準温度は特性上に注記する。種別 1,種別 2 及び種別 3 の選択は,受渡当事者間の協定による。

表 1  巻線抵抗測定時の基準巻線温度

種別 1

種別 2

種別 3

150

℃ 115℃ 75℃

5.3

効率特性  効率特性においては,通常主回路又は励磁回路に接続される抵抗器内での損失を考慮す

る。別個の励磁に必要な電力は,別にそれらが考慮されていない限り損失に含めることとし,その旨を明

示する。

5.4

補助電動機の特性  速度,トルク(又は有効出力),効率,及び交流電動機の場合の力率特性曲線は,

定格周波数及び電圧における電動機の電流に関して作図する。代わりの方法として,特性を速度又は有効

出力に関して作図することができる曲線は,使用中に存在するすべての励磁条件において作図する。

5.5

補助発電機の特性  出力電圧,電力及び効率の特性曲線は,定格速度における出力又は可変速機の

場合は,使用中の最大速度及び最小速度における出力に関して作図する。

なお,交流出力の周波数を明示する。

電圧調節装置付きで運転される発電機の特性は,定格電圧に関して作図し,また,励磁電流の変動範囲

を示すこと。ブラシレス交流発電機とその励磁機は,単一の回転機とみなす。

5.6

補助電動発電ユニット及び補助回転変流機(以下,ユニット及び変流機という。)の特性  出力電圧,

出力電力,回転速度及び入力電流の特性曲線は,ユニット及び変流機に最低端子電圧,定格電圧及び最高

端子電圧を供給して,出力電流に関して作図する。連続定格状態における総合効率を明示する。

電圧又は周波数調節装置付きのユニット及び変流機の特性は,定格電圧及び定格周波数の値に対して作

図する。励磁電流の変動範囲が明示されなければならない。回転機が外部負荷を駆動するならば,連続定

格状態においてユニット及び変流機の全出力を決定する。

6.

標識

6.1

銘板  この規定の対象となる回転機には少なくとも次の情報を含む銘板を備えていなければならな

い。

a)

製造業者名

b)

形式名称

c)

製造番号

d)

製造年

また,各回転機の固定子及び回転子に一連番号を,回転が単向の回転機の場合には正規回転方向を示す

矢印を付ける。さらに,回転方向を示す矢印及び一連番号は,回転機を車両に組み立てた際,はっきり読

み取れなければならない。

6.2

ケーブル及び端子の標識  ケーブル及び端子の標識は,取決めがない限り IEC 60034-8 による。


5

E 6601 : 1999 (IEC 60349 : 1991)

7.

試験の種類  回転機の試験の種類は,次のとおりである。

a)

形式試験

b)

受渡試験

c)

調査試験

7.1

形式試験  形式試験は,新型式の回転機の正規作動状態,特性及び性能を決定することを目的とし

ている。特に定めがある場合を除き,完全な形式試験は新型式又は新規の 1 台の回転機について行う。さ

らに,基本特性の確定に必要な試験は,数台の回転機について 8.によって行う。

完全な試験に用いる回転機は量産される最初の 10 台のうちの 1 台とする。

製造業者が同一使用条件及び同一作動状態に対して設計された,同じ電磁形式の回転機について既に行

った型式試験に対する受入れ可能な調書を提出すれば,その回転機については形式試験を免除することが

できる。

受渡当事者間との合意によって,余分な幾つかの回転機に対して,受渡試験中に完全な,又は部分的な

形式試験を行うことができる。形式試験を施す回転機は受渡試験も行う。

7.2

受渡試験  受渡試験は,電気的及び機械的な回転機の良好な機能を実証し,また,形式試験を受け

た回転機と特性の一致を確認することを目的とする。8.に規定された受渡試験はすべての回転機について

行う。

受渡当事者間の協定によって内容が異なる試験を行うことができる。また,同一発注に基づいて製造さ

れたすべての回転機について,9.7 に従った超過速度試験及び 9.8 の耐電圧試験を行うことを条件に,受渡

試験は受渡当事者間の協定によって,無作為に選ばれた一部の回転機についてだけ行うことができる。

7.3

調査試験  調査試験は,付加情報を得るために実施する任意の特別な試験である。その実施は注文

前に受渡当事者間の合意がない限り強制されない。発注前にその旨の合意がない限り,これらの試験結果

は回転機の受取に影響ないこととする。

8.

試験項目  回転機の試験項目は,表 による。

調査試験で実施する試験項目は,受渡当事者間の協定による。また,負荷投入遮断試験,層間絶縁試験

及び釣合い良さ試験は,特に受渡当事者間の協定がない場合は,

表 の◎印及び○印に従って実施する。

表 2  試験項目

補助電動機

補助発電機

補助電動発電ユニット

補助回転変流機

試験項目

整流子

巻線回転子

かご形回転子

直流

交流

電動機

発電機

該当箇条

番号

巻線抵抗測定

◎○

◎○

◎○

◎○

◎○

◎○

◎○

9.1.4

短時間過負荷温度上昇

9.1.9

温度上昇

試験

定格温度上昇

◎○

◎○

◎○

◎○

◎○

◎○

◎○

9.1.10

速度特性

◎○

◎○

9.2.3

周波数特性

9.2.4

電圧特性

◎○

◎○

9.2.5

負荷変化

9.2.6

特性試験

電動機電圧変化

◎○

◎○

9.2.7

巻線の抵抗損

9.3.2

ブラシ電気損

9.3.3

機械損及び鉄損

9.3.4

損失試験

効率の算定

9.3.5

整流試験

◎○

◎○

◎○

(

1

)

9.4


6

E 6601 : 1999 (IEC 60349 : 1991)

補助電動機

補助発電機

補助電動発電ユニット

補助回転変流機

試験項目

整流子

巻線回転子

かご形回転子

直流

交流

電動機

発電機

該当箇条

番号

遮断投入試験

9.5.2

電圧急変試験

9.5.3

短絡試験

9.5.4

過渡試験

負荷投入遮断

9.5.5

起動試験

◎○

9.6

過速度試験

◎○

◎○

◎○

◎○

◎○

◎○

9.7

耐電圧試験

◎○

◎○

◎○

◎○

◎○

◎○

◎○

9.8

層間絶縁試験

◎○

◎○

9.9

振動試験

9.10

整流子の径方向の変形測定

(

1

)

9.11

釣合い良さ試験

◎○

◎○

◎○

◎○

◎○

◎○

◎○

9.12

騒音測定試験

9.13

(

1

)

補助電動発電ユニットの発電機が直流回転機である場合にだけ適用する。

備考  形式試験は◎,受渡試験は○,調査試験は●の記号にて各々実施する試験項目を示す。

9.

試験方法

9.1

温度上昇試験

9.1.1

一般  整流器付きの交流発電機は,その整流器又は同等の特性をもった整流器によって試験する。

ただし,受渡試験の場合,整流器なしで試験することができる。

次の一つ又は幾つかの条件が満たされた場合,使用時に実在する波形に近い電流又は電圧波形によって

試験する。

a)

保証定格状態における使用時の脈流率が 10%を超える(

2

)

b)

パルスによって励磁調節が行われる。

c)

電子的に統合された多相電流装置から回転機に給電される。

これらの要件を満たすことができなければ,試験条件と使用条件の差を考慮できる方法について,受渡

当事者間で合意する。連続定格状態における試験において,温度の安定化に必要な時間は負荷の増大又は

送風低減での試験を開始することによって短縮できるが,その後少なくとも 2 時間にわたり,又は平衡温

度に達していることが適切な手段によって実証されるまで定格条件を維持する。

(

2

)

商用周波数50Hz 又は60Hz で整流される単相交流電流によって稼働する回転機の場合,使用時

に存在する脈流率を下回らない電流脈流率であることを条件に,周波数が使用箇所における周

波数と異なっていても製造箇所の給電周波数によって試験することができる。その際,結果に

導入される誤差は無視できれば補正する必要はない。

9.1.2

温度上昇試験中の通風  回転機の試験は,車両の一部を構成するとみなされるすべてのダクト又は

フィルタを含めて,温度上昇に影響しそうなすべての部品を定位置に保ち,現車と同様に配置した通風状

態及び等価な状態で試験する。強制送風による冷却の場合,静圧及び風量は電動機入口で測定し,これら

二つの大きさ間の関係を示す表を作成できるようにする。

また,一般に車両の移動によって生じる通風に相当する送風は規定しない。しかし,他力通風形電動機

のようにその送風効果が特に大きい特別な場合は,受渡当事者間で合意の上,通風量は指定の試験装置を

用い,JIS B 8330 の方法で測定する。

なお,通風は,電流遮断と同時に遮断する。


7

E 6601 : 1999 (IEC 60349 : 1991)

9.1.3

温度測定

9.1.3.1

回転機の部品温度  回転機の部品温度の測定には,次の二つの方法を用いる。

−  絶縁された巻線に対する抵抗変動による方法

−  整流子,集電環及び短絡された非絶縁巻線に対する電気温度計による方法

冷却空気の温度が試験中 10℃∼40℃の範囲であれば,測定した温度上昇値に対して補正を行わない。も

し,形式試験の際に冷却空気の温度がこれらの範囲外であれば,受渡当事者間の合意によって測定した温

度上昇値に対する補正を行うことができる。短時間試験を実施する前に,温度計による測定又は抵抗によ

って巻線の温度が冷却空気温度と 4K 以上の差がないことを保証する。コイルの温度上昇値を計算するに

は,巻線が当初空気よりも高い温度であれば,結果から最大 4K までの初期温度差をすべて差し引き,ま

た,巻線の初期温度が冷却空気温度を下回っていれば,その温度差を加算する。

a)

抵抗変化による方法  この方法においては,巻線の抵抗増大によって巻線の温度上昇値を決定する。

試験終了時の温度上昇値は,式(2)にて算出する。

)

(

)

(

1

a

1

1

1

2

a

2

t

t

t

T

R

R

t

t

t

÷÷ø

ö

ççè

æ

 (2)

ここに,

t

:  巻線の温度上昇  (℃)

t

1

:  冷状態で R

1

を測定したときの温度  (℃)

t

2

:  熱状態で R

2

を測定したときの温度  (℃)

R

1

:  冷状態(温度 t

1

℃)での巻線抵抗  (

Ω)

R

2

:  熱状態(温度 t

2

℃)での巻線抵抗  (

Ω)

t

a

:  基準周囲温度  (℃)

T

:  定数(巻線が銅の場合は 235,アルミニウムの場合は 230)

b)

電気温度計による方法  この方法においては,回転機を停止させた直後,関係部品の測定可能な最も

高温箇所に時間遅れの少ない電気温度計を当てて温度を測定する。

9.1.3.2

冷却空気の温度  完全に密閉された回転機に対しては,冷却空気の温度を回転機のまわりの 1m

∼2m の範囲内に間隔をとって分配した少なくとも 4 個の温度計で測定する。それ以外の場合はすべて冷

却空気温度を回転機の取入口において測定し,また,幾つもの取入口がある場合の入口温度は,測定値の

平均とする。これら両方の温度測定時,温度計を回転機に入れるか,又はその周辺の空気の実温度を測定

できるように,温度計をふく(輻)射熱及び空気流から防護する。冷却空気温度の変化にかかわるすべて

の誤差を回避するために,その変化を最小限にとどめるよう可能な措置を講じる。

試験終了時の冷却空気の温度は,連続定格試験の最後の 1 時間中,又は短時間試験の全期間中の約 15

分ごとの測定値の平均とする。風道をもつものについては,風道入口から 1m 以上隔たった風道内で温度

計で温度を測定する。

9.1.3.3

返還負荷法による温度上昇試験の省略  受渡当事者間の合意の上で受渡試験を返還負荷法で行

う場合,発電機として用いた電動機の温度測定で,電動機としての温度上昇試験に代えることができる。

この場合,原則として最初の 5 台について電動機としての温度上昇値の平均と発電機としての温度上昇値

の平均との差を求め,これを発電機としての温度上昇値に加える。

返還負荷法の方法については,IEC 60349 : 1991,

附属書 による。

9.1.4

巻線抵抗の測定


8

E 6601 : 1999 (IEC 60349 : 1991)

9.1.4.1

低温における初期抵抗  低温における初期抵抗測定は,後で行う高温における測定に用いるのと

同一の計器を用いる。

各試験の始めにこの測定を繰り返す必要はない。

抵抗を測定する際の巻線の温度は,

温度計によって表面で測定した温度と同一とし,その時点でこの温度に周囲温度と 4K 以上の差があって

はならない。

9.1.4.2

高温における抵抗  回転機を運転中に直流が流れる巻線の電圧降下を測定できる場合は,巻線に

試験電流を流しながら,試験中一定期間をおいて測定した電圧降下の値から抵抗を計算する。その他の場

合には,試験終了時に回転機が停止した後できるだけ速やかに抵抗を測定する。

測定は電圧計と電流計による方法(電圧・電流測定法)

,ブリッジの利用又は適用可能なその他のあらゆ

る方法によって行うが,ある与えられた巻線に対しては低温における初期測定を含むすべての測定に対し

て同一の方法を用いる。

電圧・電流測定法を用いる場合に,温度上昇に影響なく必要な測定精度を得るためには電流をかなり高

くする

(一般に定格電流の 10%を超えない値で満足させることができる。

電機子の抵抗を測定するには,

整流子及びブラシによって給電する。また,電圧測定をあらかじめ標識された二枚の整流子片間で行う。

これらの整流子片は 2 本のブラシ・アーム間に位置し,その間隔ピッチが少なくとも極の整流子片数の半

分に等しくする。

ブリッジによる測定方法では,電圧端子を電圧・電流測定方法における場合と同様に配置する。均圧線

を備えたコイルの場合,

電流端子を電圧端子の位置に最も近いブラシ箇所に当てる。

型式試験においては,

低温及び高温における測定に対して標識された同じ整流子片を使用する。ただし,整流子上に等間隔配置

された様々な組整流子間で測定した抵抗間の相対的偏差を無視できることが実証されれば,同じ整流子片

を使用しなくてもよい。

9.1.5

回転機の停止及び“冷却開始”時点  試験終了時,回転機をできるだけ速やかに停止させる。試験

中の回転機に対しては,無電流の制動方法を用いるのが好ましい。この場合,

“冷却開始”時点は,個別の

送風装置も同時に停止させた制動直前の主回路を開いた状態にする。この方法が利用できなければ,回転

機が迅速に停止され,かつ,制動期間中負荷電流がほぼ一定のままであることを条件に,試験中の回転機

に制動期間中電流が流れるような方法を用いることができる。その場合の“冷却開始”時点は,負荷電流

が試験値の 80%に低下した時点を選び,その時点で送風が停止されなければならない。

“冷却開始”

時点から 45 秒間以内に初期の測定ができるほど迅速に停止させることのできない回転機に

対しては,制動方法の選択及び最初の測定期間を 2 分間以内に延長することについて,受渡当事者間で合

意しなければならない。また,冷却曲線を得るために特殊ブラシを設けなければならない場合,この最大

限度の期間を適用するかどうかを指定することができる。

9.1.6

高温における抵抗測定時点及び冷却と温度上昇曲線の補外

a)

運転中に測定できる巻線抵抗の最終測定は,運転中の温度上昇試験終了直前に行う。受渡試験の場合

は,抵抗を制動開始から少なくとも 10 秒前に測定する。

b)

運転中に抵抗を測定できない各巻線に対して,

“冷却開始”時点から 45 秒超えてから測定を開始しな

い(例外については 9.1.5 参照)

,かつ,その測定を少なくとも 5 分間継続する。相次ぐ測定の相互間

隔は,最初の 3 分間は 20 秒間以内に,それ以後は 30 秒間以内とする。

これらの測定値から計算した温度上昇値は,温度については対数目盛,時間については一次目盛の

グラフ上に時間に関してプロットし,試験終了時の温度上昇値を求めるために,そのようにして求め

た曲線を“冷却開始”時点まで補外する。


9

E 6601 : 1999 (IEC 60349 : 1991)

9.1.7

結果の評価  冷却開始時点における巻線,集電子及び集電環の温度上昇値は,表 に示す値を超え

てはならない。

9.1.8

温度上昇限界  絶縁材の種別は,IEC 60085 に規定されている。表 は,この規格が適用される回

転機の製造に使用される材料の種々の等級に応じた巻線及びその他絶縁部分に対して,各種試験における

冷却空気温度と比べて算出された温度上昇値の許容限度を示す。

同一回転機の様々な部位が種別の異なる材料で絶縁されている場合,各部位における相対的温度上昇値

は,対応する絶縁等級の温度上昇限界値とする。

表 3  連続,その他の定格状態における温度上昇限界値

絶縁等級

回転機の部分

測定方法

B F H

200

固定子巻線

抵抗

130K 155K 180K 200K

回転子

抵抗

120K 140K 160K 180K

整流子

電気温度計

120K 120K 120K 120K

かご形回転子巻線

電気温度計

温度上昇値が電動機のその他のコイル
又はその部分を損傷する危険があるレ

ベルに達してはならない。

完全に密閉された回転機に対しては,上記の限度を 10K 引き上げる。回転機がディーゼル機関又はその

他の熱源の放射を直接又は間接に受けるときには受渡当事者間の合意によって,

表 に定める値を下回る

温度上昇限界値を採用することができる。

9.1.9

短時間過負荷温度上昇試験  短時間過負荷定格は,次に示す a)又は b)いずれかの試験によって温

度上昇値を確認する。a)又は b)の選択は,受渡当事者間の協定による。

a)

負荷試験を実施して回転子の冷却曲線から値を読み取り,その温度上昇値が

表 の“試験開始”値に

達した時点は,最後の読みが 5 分間を超えない以前と予想してその曲線を外挿してあらかじめ設定す

(

3

)(

4

)

このあらかじめ定められたその時点に,正規の送風状態において規定の過負荷を印加し,規定期間

中持続した後,試験を中止し 9.1.6 の条件で行う抵抗の測定によって温度上昇値を確定する。

b)

回転機を正規の送風状態とし,各部の温度と周囲温度との差が 5℃以内の冷状態から定格電圧で規定

の電流を印加し,規定時間接続した後試験を中止し,9.1.6 の条件で行う抵抗の測定によって温度上昇

値を確定する。

a)

又は b)で算出された温度上昇値に

表 の最終値と 20K 以内の差であれば,表 の温度上昇値とな

るように,電流又は時間に対する補正計算を行うことができる。算出した最終温度上昇値が

表 の値

と 20K を超える差があれば,電流又は時間に関する補正値で試験を繰り返す。

表 4  短時間過負荷定格状態における温度上昇値

絶縁等級

回転機の部分

B F H

200

交流発電機又は同期電動機の励磁

固定子巻線又は回転子巻線

  −試験開始時 85K

100K

120K

130K

  −最終値 130K

155K

180K

200K

その他すべての回転子巻線

  −試験開始時 75K

85K

100K

100K

  −最終値 120K

140K

160K

180K

(

3

)

完全に密閉された回転機に対しては,

4に示した温度上昇値に10K を加える。


10

E 6601 : 1999 (IEC 60349 : 1991)

(

4

)

試験開始時の温度上昇値を求めるために,受渡当事者間で合意の上,別の方法を利用すること

ができる。

9.1.10

定格温度上昇試験  次連続定格及び 1 時間定格の温度上昇試験において,電動機の場合はその入力

電圧及び負荷電流を,発電機の場合はその出力電圧・負荷電流・負荷率・回転数を,電動発電の場合はそ

の電動機入力電圧,発電機負荷電流及び力率を,それぞれ定格値として運転することを条件とする。

脈流給電の回転機の場合は,重なり角 20∼40 度で指定の脈流率の単相全波整流した脈流を通じ次の a)

及び b)による試験を行い,各部の温度上昇値を求める。ただし,チョッパによって回転機を制御している

場合には,指定の脈流率の脈流電流を通じて試験を行う。

なお,脈流率の許容差は,指定値の±10%以内とし,電圧及び電流の波形を適正な記録装置で記録する。

a)

連続定格温度上昇試験  回転機を指定の通風状態とし,上記運転条件で各部の温度がほぼ一定となる

まで連続運転し,各部の温度上昇値を求める。

b)

短時間定格温度上昇試験  回転機を指定の通風状態とし,各部の温度と周囲温度との差が 5K 以内の

冷状態から,上記運転条件で規定時間運転し,各部の温度上昇値を求める。

9.2

特性試験

9.2.1

一般  脈流によって機能する回転機の特性値の測定は,直流によって行うことができる。この場合,

脈流電流によって生じる追加ジュール損は,JIS E 6101 に示す指示に従った効率計算において考慮する。

型式試験での値の測定は,最初の 4 台の回転機について十分な回数で行う。また,調整装置付きで使わ

れる回転機に対しては,少なくとも 1 回は使用状態と同じ調整装置とともに試験する。

電子的に合成された交流電圧による形式試験での特性値読取りは,使用状態に近い形で行う。この方法

が適用できない場合には,受渡当事者間の合意の上で,正弦波給電による試験から計算して特性を決定す

る。ただし,受渡試験の場合には,正弦波給電で行う。

効率及び損失の読取りは,7.1 に定めた完全な形式試験についてだけ行う。

可逆回転電動機は,両回転方向で試験されなければならない。

高温状態の回転機に対する受渡試験は,受渡当事者間の事前の取決めがない限り,読み値を基準温度に

対応するよう補正する必要はなく,また,効率試験及び制動試験も行わない。

9.2.2

特性許容誤差

a)

形式試験における回転機の特性許容誤差は,次による。

1)

補助電動機  速度及びトルク(又は有効出力)の基本曲線が定格値と±5%以上差があれば,補足と

してその補助電動機の最高端子電圧と最低端子電圧におけるそれらの曲線を確定する。

さらに,保証定格の 0.8∼1.2 倍の範囲の電流値に対する基本特性曲線は,規定特性の±5%以上差

があってはならない。保証定格における損失は,規定値を 15%以上超えてはならない。

2)

補助発電機  調整されない発電機で測定した出力電圧は,無負荷運転から保証運転までの範囲のす

べての運転時点で,規定特性の±5%以上差があってはならない。調整された発電機の電圧許容誤差

は発電機の特性ではなく,調整装置の特性に関することである。励磁電流が調整装置の容量と矛盾

しないことを条件に,その電流に規定値と差があってもよい。

保証運転状態における損失は,規定値を 15%以上超えてはならない。さらに,交流発電機の無負

荷特性及び短絡特性は,最高使用回転速度において測定することとし,平均特性が受渡試験に対す

る基準として確定されなければならない。

3)

補助電動変流ユニット及び補助回転変流機  調整されないユニット及び変流機については,出力電

圧の基本特性は,無負荷から公称電流運転までの範囲内のすべての運転時点で,規定特性と±5%以


11

E 6601 : 1999 (IEC 60349 : 1991)

上差があってはならない。受渡当事者間の定めがある場合を除き,電流・速度曲線には許容誤差を

含まない。

調整されたユニット及び変流機の電圧及び周波数の許容誤差は,その回転機の特性ではなく調整

装置の特性に関することである。

調整されたユニット及び変流機の励磁電流は,基本特性のすべての運転時点で規定の範囲内とす

る。この規定範囲は,補正値が調整装置の内容と矛盾しないことを条件に,規定値と異なってもよ

い。

連続定格におけるユニット及び変流機の損失は,外部負荷によって駆動される回転機を除き,規

定値を 15%以上超えてはならない。後者の回転機の場合,保証運転状態において吸収される電力が

規定値を 5%以上超えてはならない。

b)

受渡試験における回転機の特性許容誤差は,次による。

1)

補助電動機  整流子補助電動機の速度は,最大励磁における保証定格に対する値とし,この速度に

基本値と±5%以上の差があってはならない。非同期のすべりは,保証定格に対する値とし,このす

べりに基本値と±20%以上の差があってはならない。

2)

補助発電機  調整されない直流発電機に対しては,無負荷電圧を定格速度において,また,電圧を

定格電流において測定する。これらの電圧に基本値と±5%以上の差があってはならない。

調整された直流発電機に対しては,一方では無負荷及び最大使用回転速度において,他方では最

大負荷と最小速度において定格電圧を得るのに必要な励磁電流を測定する。これらの励磁電流に基

本値と±5%以上の差があってはならない。

交流発電機に対しては,無負荷試験(電圧の測定)及び短絡試験(電流の測定)における試験を

行う。

受渡当事者間の合意がある場合を除き,これらの試験は,励磁電流の最大値の 50%及び 100%に

おいて実施する。これらの試験中に測定された電圧及び電流に形式試験中に確定された値と±5%以

上の差があってはならない。調整装置付きの回転機に対して規定された許容誤差は,指示された出

力電圧の特性が調整装置の容量を超えることがなく得られることを条件に,また,界磁巻線の温度

上昇値が温度上昇試験の要求事項に適合することを条件に拡大することができる。

3)

ユニット及び変流機  調整されないユニットの場合,そのユニットの出力電圧及び回転速度は,発

電機を無負荷運転とし,次いでその定格出力電流を放出しながらユニットの最大及び最小供給電圧

において測定する。交流発電機の場合は,規定の力率が守られなければならない。出力電圧及び必

要ならば周波数に標準曲線上に示された値と±5%以上の差があってはならない。

議整されたユニットの場合,基本特性のすべての点で調整装置の容量を超えないで到達できるこ

とを確認するように選ばれた点において,最大 4 回の測定を行う。通常これらの測定は,一方で最

大及び無負荷供給電圧に対して,他方で最小供給電圧調整及び最大負荷に対して行えば十分である。

しかし,場合によっては補足測定を行うのが有用であろう。電圧及び周波数に対する許容誤差は,

ユニット及び変流機ではなく調整装置に依存する。負荷試験において吸収される電流強さは対応の

基本値と±5%以上の差があってはならない。

9.2.3

速度特性試験  温度上昇試験終了後に相当する高温状態で,電動機の入力電圧を定格値に保ち,負

荷を変化したときの回転数を測定し,負荷又は電動機の電機子電流と回転数との関係を求める。この試験

は,指定の回転方向について行う。


12

E 6601 : 1999 (IEC 60349 : 1991)

9.2.4

周波数特性試験  温度上昇試験終了後に相当する高温状態で,負荷を変化したときの周波数を測定

し,負荷と周波数との関係を求める。ただし,交流発電機の負荷は,指定の力率とする。

9.2.5

電圧特性試験  温度上昇試験終了後に相当する高温状態で,発電機の回転数を定格値に保ち,負荷

を変化したときの発電機電圧を測定し,負荷と電圧との関係を求める。ただし,交流発電機の負荷は,指

定の力率とする。

9.2.6

負荷変化試験  電動機入力電圧を定格とし,発電機負荷を指定の力率のもとで変化した場合,電動

機電流,電動機界磁電流,発電機電圧,発電機界磁電流及び回転数又は周波数を測定する。

9.2.7

電動機電圧変化試験  電動機入力電圧を定格電圧とし,発電機負荷が定格負荷になるように調整し

た状態から電動機入力電圧を指定の変動範囲で変化した場合,電動機電流,電動機界磁電流,発電機電圧,

発電機電流,発電機界磁電流及び回転数又は周波数を測定する。発電機を無負荷にした状態でも,定格負

荷時と同様に測定する。

9.3

損失試験

9.3.1

一般  損失及び効率を測定する方法に対して,次の条件を適用する。

a)

測定器で読取りが行えるようになる前,少なくとも 10 秒間は負荷が一定である。

b)

巻線の抵抗は,効率を 5.2 の基準温度に対する効率に補正できるように一連の測定(例えば,一方向

回転における全界磁での測定)の直前及び直後に測定する。

補正は,一連の測定中の直前及び直後の測定値を平均することによって行う。

c)

可逆回転電動機においては,与えられた電流に関する効率は,二方向回転における効率の算術平均と

等しくする。

d)

脈動電流が流れる巻線内のジュール効果による損失は,IEC 60349

附属書 A  図 A-9 に従い補正する。

9.3.2

巻線の抵抗損  巻線の抵抗損は,各巻線について電流の 2 乗と巻線の抵抗との積で求める。各巻線

の抵抗は直流抵抗を測定し,基準巻線温度の値に換算する。

基準巻線温度は,JIS C 4003 に規定するすべての絶縁の種類に対して,5.2 基準温度の受渡当事者間で協

定した種別で定めた温度とする。

なお,電圧降下法で測定する場合の測定電流は,連続定格電流の 10%以下とする。

9.3.3

ブラシ電気損  ブラシ電気損は,ブラシの接触による電圧降下と電機子電流との積で求める。ただ

し,接触による電圧降下は,次の値とする。

a)

接続ひも(たわみ結線)付きブラシの場合には,正負両ブラシにつき 2V とする。

b)

接続ひもなしブラシの場合には,正負両ブラシにつき 3V とする。

9.3.4

機械損及び鉄損  機械損及び鉄損は,次によって求める。

なお,a)及び b)の場合,ブラシの品質,ばね圧縮力及び軸受の給油は,使用状態と同じにして行う。

a)

機械損と鉄損との和は,指定回転速度で他励磁電動機として無負荷運転したときの誘導電圧と電機子

電流との積で求める。この場合の励磁電流は,指定の電圧のもとに負荷運転した場合に,指定の回転

数となるような電流とする。ただし,電動発電機に用いる発電機の測定は,電動機側から駆動し,指

定の励磁電流の場合の入力から,励磁電流のない場合の入力を引いて求める。

b)

機械損は,適切な方法で出力が測定できる回転機を用いて,被試験機を無負荷運転し,その回転機の

出力を測定して,これを機械損とする。互いに直結された回転機の機械損を分離する必要がある場合

には,全機械損を各回転機の容量に比例して分ける。

なお,低圧無負荷運転で機械損を測定してもよい。

c)

鉄損は,a)の測定結果から b)の測定結果を差し引いて求める。


13

E 6601 : 1999 (IEC 60349 : 1991)

9.3.5

効率の算定  9.3.29.3.39.3.4 及び下記 a)で定める漂遊負荷損から損失を求め,次の式(3)∼(5)に

て効率を算定する。ただし,定格状態で組合せ使用する附属抵抗器の損失は,回転機の損失に含める。ま

た,補助電動発電ユニットの場合は,附属装置を含めた実測効率による。

a)

指定された負荷における漂遊負荷損は,補助電動機の場合,入力の 1%とし,補助発電機の場合,出

力の 1%とする。ただし,補償巻線付きの場合は 0.5%とする。

b)

効率の計算は,式(3)∼式(5)による。

(%)

100

1

1

1

1

×

P

W

P

η

 (3)

(%)

100

1

0

0

2

×

W

P

P

η

 (4)

(%)

100

1

0

3

×

P

P

η

 (5)

ここに,

η

1

補助電動機の効率

η

2

補助発電機の効率

η

3

補助電動発電ユニットの効率又は実測効率

P

1

入力

P

0

出力

W

1

損失

9.4

整流試験

9.4.1

一般  回転機は機械的に劣化することがなくフラッシュオーバーも恒久的損傷もなく,整流試験に

耐えなければならない。恒久的損傷とは,試験後,回転機の正しい機能を阻害する欠陥をいう。

他励又は複合励磁で運転される回転機は,考えている測定点で適性な励磁電流によって試験する。

回転機は,使用される回転方向のそれぞれについて試験する。試験と試験の間にブラシを異なる回転方

向に移動させてはならない。試験は,電流又は回転方向に関して任意の順序で行う。回転方向が逆になる

ときは,回転機を新たな回転方向で整流子上にブラシを適正に保持できるようにするために,選んだ速度

及び電流状態で 15 分間を超えない時間。正規の回転が一方向しかない回転機は,各試験開始前に,ブラシ

の完全なならし運転をする。

交流及び脈動電流電動機は,交流電動機においては定格周波数で,また,脈動電流電動機においては定

格脈流率で試験する。

脈流で運転する場合,9.1.1 一般に従って周波数を変えることができる。

9.4.2

試験条件  整流試験の試験条件は,次による。

a)

直流整流試験の条件は,温度上昇試験に相当する高温状態で行う。

b)

脈流整流試験の条件は,温度上昇試験に相当する高温状態で,電動機に重なり角 20∼40 度で,指定の

脈流率及び周波数の単相全波整流した脈流を通じて試験する。また,チョッパによって電動機を制御

している場合には,指定の脈流を通じて試験を行う。

なお,脈流率の許容差は指定値の±10%以内とし,電圧及び電流の波形を適正な記録装置で記録す

る。

受渡試験における脈流整流試験は,直流において試験をしてもよい。

c)

4.12

に定める最高及び最低端子電圧における回転機特性の全領域を補うように選択された最大四つの

機能点について行う。

d)

補助電動機の受渡試験では,最高端子電圧及び保証定格値の 1.5 倍に等しい電流又はその値が,用途


14

E 6601 : 1999 (IEC 60349 : 1991)

の最大許容電流よりも低ければ,その最大許容電流で試験する。

速度は試験条件のもとで正規運転中に達成し得る最高使用回転速度とする。

e)

補助発電機(電動発電ユニットを構成する発電機を含む。

)の受渡試験では,d)と同一の方法で試験を

行うが,定格出力電圧におけるものとする。

9.4.3

整流状態の測定  整流状態の測定は,次の a)又は b)のいずれかの方法に従って火花号数を測定す

る。

a)

IEC 60638

に示す方法によって行う。

b)

  JIS E 6101

に示す方法によって行う。

a)

又は b)の選択は,受渡当事者間の協定に従う。

9.5

過渡試験

9.5.1

一般  過渡状態における試験は,電車線から直接又は間接的に給電される直流又は脈動電流電動機

に対して行う。回転機への給電において,電圧が遮断されるか突然切れた場合に,特性上示された電流を

最大値未満かそれに等しい値に制限する装置が含まれていれば,これらの過渡試験は必要がない。機械的

劣化,

フラッシュオーバー,

恒久的損傷をいずれも生じることがなく各試験に耐えられなければならない。

恒久的損傷とは,試験後,回転機の正しい機能を阻害する欠陥をいう。

9.5.2

遮断投入試験  試験は,正規使用条件を模擬できるように制御及び保護装置付きで行う。

補助電動発電ユニットの場合,電圧及び周波数調整装置が回路内に一体化される。給電の遮断と再投入

とを各遮断相互間に正規負荷状態を再現できるように相次いで 4 回行う。

この試験で,電動機は,その保証定格で,また,保証定格における使用中の最弱界磁において稼働しな

ければならない。電圧遮断と再投入の間隔を約 1 秒間とって 2 回試験し,また,保護装置の応答時間より

もやや短い間隔をとって別に 2 回試験しなければならない。

給電遮断中に車両の主回路において電力回生が可能な回転機の場合,

遮断中その回転機を短絡させるか,

又はその他適切な手段によってこの条件を模擬する。確実に逆流を阻止するための手段(例えば,ダイオ

ード)が正規回路に含まれている場合はその必要はない。

9.5.3

電圧急変試験  回転機に直列抵抗を通じて最低電圧で給電し,その抵抗を短絡しているときに最高

レベルにまで電圧を上昇させる。回転機の制御及び保護システムは,発電機の電圧調整装置も含めて回路

中に配置する。

試験は各電圧の急変相後に最小電圧状態を復元させて,相次いで 5 回実施する。抵抗を抜いた後の給電

電圧が供給元の公称電圧以下に落ちないことを高速記録計によって確認する。

機械的負荷を駆動する補助電動機は,最小電圧と最弱界磁で運転中の電動機の公称負荷において試験す

る。

補助電動発電ユニットは,発電機の保証定格出力において,又は出力が保証公称出力を下回るならば,

その可能最大出力において試験する。

9.5.4

交流補助発電機の短絡試験  交流補助発電機では,欠陥条件を模擬する試験を実施する。これらの

試験において,回路には使用中に存在するかそれと等価の保護及び減磁装置が装備されていなければなら

ない。

各試験の内容は,無負荷定格速度及び保証定格に相当する励磁電流の値で 5 秒間にわたり発電機を短絡

させることである。各試験の終わりに,保護機能を確認し,かつ,発電機にいかなる電気的又は機械的欠

陥も見られないことを検査する。

短絡は次のように適用する。


15

E 6601 : 1999 (IEC 60349 : 1991)

整流出力の交流補助発電機では,完全なブリッジの短絡及びブリッジの一方のアームだけの短絡で試験

する。

9.5.5

負荷投入遮断試験  発電機とその駆動装置及び制御装置とを,又は補助電動発電ユニット及びその

制御装置とを組み合わせて,制御装置を指定の特性になるように調整した後温度上昇試験後に相当する高

温状態で,しかも実際の使用状態と等価の負荷を投入し,電流が安定した後,発電機全負荷を遮断する。

そのときの投入時及び遮断時の発電機の端子電圧,負荷電流及び励磁電流の変化を測定し記録する。

9.6

起動試験  試験は,正規の起動装置及び保護開閉装置付きで行うこととし,交流電動機の場合は,

定格周波数で実施する。脈動電流又はパルス制御で機能するよう定められた電動機は,使用中に存在する

条件と類似の条件のもとで試験する。

電動機には,最低電圧における相次ぐ 5 回の起動,次いで最高電圧における相次ぐ 5 回の起動を行い,

各起動間の間隔を 2 分間とする。電動機の発生トルクが使用条件における運転中に存在するトルクと大体

同じになるように負荷を掛ける。起動は,回転機のいかなる部分にも過渡の温度上昇がなく,整流子のフ

ラッシュオーバも恒久的損傷もなく満足できるような性能でなければならない。

最高電圧における試験中,

電圧が 4.12 に定める最高値の 0.9 倍以下に降下してはならない。もし,試験設備による制限によってこれ

らの条件が得られないならば,受渡当事者間の協定に基づく別の手順に従う。

9.7

過速度試験  温度上昇試験終了後に相当する高温において,2 分間以内に 4.14 で定める最高使用回

転速度の 1.2 倍の速度で試験し,その後,いかなる恒久的変形も呈あってはならない。9.8 に定める耐電圧

試験に合格しなければならない。ただし,補助電動発電ユニットのように過速度を保護する装置が附属し

ている場合には,試験速度は,受渡当事者間の協定によって決定する。

9.8

耐電圧試験  受渡試験終了直後の温度状態で,過速度試験終了後充電部と接地部との間,及び接続

する巻線相互の間に指定の適用周波数と

表 の試験電圧を 1 分間加えて,異常の有無を調べる。

加圧は,まず試験電圧の 1/3 以下の電圧を加え,それから試験電圧まで,電圧計で電圧を読むことがで

きる範囲内で,できるだけ速やかに電圧を上昇させ,指定値に達した後,1 分間印加する。

表 5  耐電圧試験電圧

グループ

巻線

試験電圧(実効値)(

6

)

1(

5

)

a) 

電車線に直結されている巻線

b) 

変圧器と整流器とを介して電車線に間接に接続さ
れている巻線

2.25U

1

+2 000V

a) 

電車線に接続されていない巻線(グループ 3 を除く)

2

b) 

電車線の電圧変動を直接受けないように保護され
ている電源から供電されている巻線

2U

2

+1 000V

3

  交流補助発電機及び同期補助電動機の界磁巻線 10U

3

最低 1 500V かつ 
最大 3 500V

(

7

)U

1

は,電車線が公称電圧のときに巻線に適用できる接地に対する最大電圧。

U

2

は,正規運転中の巻線に適用できる接地に対する最大電圧。

U

3

は,最大励磁電圧。

(

5

)

整流器及び変流器から,又は直流供給源からチョッパを通じて給電される回転機は,
グループ1に従って試験する。

(

6

)

試験電圧は,U

1

U

2

などすべての電圧が直流の場合は,パルス制御装置の出力電圧を

含めて,U

1

及び U

2

は,電圧波形の算術平均値である。

(

7

)

巻線電圧が,アースを基準にしていない場合,U

1

U

2

及び U

3

は,巻線のどこか 1 か所

がアースに接続されれば,巻線に出現し得る最大電圧とみなされる。


16

E 6601 : 1999 (IEC 60349 : 1991)

なお,耐電圧試験の前に絶縁抵抗を測定し,その値が適正であることを確認する。

9.9

層間絶縁試験  直流補助電動機(脈流補助電動機含む。)及び直流補助電動発電ユニットの電機子に

ついて,各巻線ごとにインパルス試験を行い,層間絶縁の異常の有無を調べる。

9.10

振動試験  受渡当事者間の協定に従って,IEC 60034-14 に従って振動速度を測定しなければならな

い。最大 3 600r.p.m までの回転速度に対する振動速度は,IEC 60034-14 

表 及びその注に指示された限

界と一致しなければならない。3 600r.p.m を越えれば 3 600r.p.m に対して規定された限界レベルに 1.5 を乗

じる。

可変速機の回転機の場合,全運転領域を満たすに十分な機能箇所数において測定する。試験架台が共振

したために振動速度が限界値を超えた場合,その共振が,回転機に定められた特定の運転速度と一致しな

いで,かつ,振動速度の一般レベルが限界領域内にとどまるときには,その共振は無視される。規定の運

転速度において共振が認められたならば,試験架台条件をかえて試験をやり直す。

9.11

整流子の径方向の変形測定(ひずみ)  受渡当事者間の協定に従って,整流子の径方向の変形は,

形式試験が終わった直後に測定する。径方向のひずみ(ピークからピークまで)が,

表 に示した値を超

えてはならない。そのうえ,測定グラフに突然の変異点が現れてはならない。ある条件下においては,変

形限界の修正は,受渡当事者間の合意のもとで実施してもよい。

表 6  整流子の径方向の変形限界(ひずみ)

整流子の直径

径方向の最大ひずみ

400mm

未満 0.03mm

400mm

以上 800mm 未満 0.04mm

800mm

以上及び単一軸受又はオ

ーバーハング組立ての電動機

0.06mm

9.12

釣合い良さ試験  受渡当事者間の協定に従って,回転子の釣合い良さを JIS B 0905 によって測定す

る。

9.13

騒音測定試験  定格電圧及び定格周波数,又は等価定格電圧及び等価定格周波数で無負荷運転し,

JIS Z 8731

に従って騒音レベルを測定する。

測定位置は,軸中心線を含む水平面上の軸方向及び固定子枠のほぼ中心で軸と軸直角方向の 4 点とし,

端面から 1m の距離とする。


17

E 6601 : 1999 (IEC 60349 : 1991)

平成 9 年度整合化推進本委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

田  中  眞  一

財団法人研友社

穐  山  貞  治

工業技術院標準部

松  良  精  三

運輸省鉄道局

岡  本      勲

財団法人鉄道総合技術研究所技術開発事業本部

潤  賀  健  一

財団法人鉄道総合技術研究所技術支援部試作センター

渡  邊  朝  紀

財団法人鉄道総合技術研究所車両技術開発事業部

橋  本  繁  晴

財団法人日本規格協会技術部

橋  本  克  史

東日本旅客鉄道株式会社運輸車両部

上  野  雅  之

東海旅客鉄道株式会社新幹線事業本部

田  仲  文  郎

西日本旅客鉄道株式会社鉄道本部車両部

泉      裕  治

日本貨物鉄道株式会社鉄道事業本部

鈴  木      肇

社団法人日本民営鉄道協会技術部

新  井  東  一

関東鉄道協会車両部会(西武鉄道株式会社車両部)

鈴  木  常  之

株式会社日立製作所交通事業部

(幹事)

川  端  俊  夫

東急車輛製造株式会社横浜製作所車両技術品質管理部

鈴  木  英  一

日本車輛製造株式会社鉄道車両本部技術総括部

住  山      茂

東洋電機製造株式会社交通事業部

古  賀      猛

株式会社東芝府中工場交通システム部

千  崎  文  雄

富士電機株式会社システム事業本部交通技術第二部

植  木  直  重

住友金属工業株式会社関西製造所輪軸鍛鋼品製造部

(事務局)

小笠原  静  夫

社団法人日本鉄道車輛工業会技術部

平成 9 年度整合化推進委員会小委員会 2(電機関係)  構成表

氏名

所属

(主査)

潤  賀  健  一

財団法人鉄道総合技術研究所技術支援部試作センター

三  塚  隆  正

財団法人日本規格協会技術部

上  野  雅  之

東海旅客鉄道株式会社新幹線事業本部

内  山  忠  孝

株式会社日立製作所国分工場

川  端  俊  夫

東急車輛製造株式会社車両事業本部

河  口      清

近畿車輛株式会社車両事業本部

酒  井      昭

川崎重工業株式会社車両事業本部

加  藤      明

株式会社東芝府中工場

(幹事)

住  山      茂

東洋電機製造株式会社交通事業部

佐々木  和  男

三菱電機株式会社交通事業部

千  崎  文  雄

富士電機株式会社産業事業本部

池  谷      孝

神鋼電機株式会社市場開拓本部

力  丸  桂  二

株式会社トアック品質保証本部

(事務局)

小笠原  静  夫

社団法人日本鉄道車輛工業会技術部