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E 6103

:2015

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

1A

  使用者及び製造業者の協定事項

2

2

  引用規格

2

3

  用語及び定義

2

4

  使用条件

5

5

  特性

5

5.1

  情報交換

5

5.2

  永久磁石同期機の特徴

5

5.3

  基準温度

6

5.4

  規定特性

6

5.5

  決定特性

6

5.6

  効率特性

6

5.7

  主電動機特性

6

5.8

  主発電機特性

6

5.9

  補助電動機特性

6

5.10

  補助発電機特性

7

6

  表示

7

6.1

  銘板

7

6.2

  端子及びリード線の表示

7

7

  試験

7

7.1

  試験の種類

7

7.2

  形式試験

7

7.3

  簡易形式試験(繰返し形式試験)

8

7.4

  受渡試験

9

7.5

  調査試験

9

7.6

  試験項目

9

8

  形式試験

10

8.1

  温度上昇試験

10

8.2

  特性試験及び裕度

11

8.3

  高速試験

12

8.4

  振動測定

12

8.5

  騒音測定(任意)

13

9

  受渡試験

13

9.1

  一般

13


E 6103

:2015  目次

(2)

ページ

9.2

  特性試験及び裕度

13

9.3

  高速試験

16

9.4

  耐電圧試験

17

9.5

  振動測定(釣合い良さ試験)

18

10

  調査試験

18

10.1

  コギングトルクの測定

18

10.2

  端子開放状態の高速回転での温度上昇試験

18

10.3

  誘起電圧による温度傾向の測定

18

附属書 A(規定)温度測定

19

附属書 B(規定)主電動機の動力伝達損失の協定値

21

附属書 C(参考)騒音測定及び限度

22

附属書 D(規定)運転路線の電車線電圧

30

附属書 E(規定)使用者及び製造業者の協定事項

31

附属書 JA(参考)日本で実施されている調査試験

32

参考文献

35

附属書 JB(参考)JIS と対応国際規格との対比表

37


E 6103

:2015

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本鉄道車輌工業会(JARI)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 E

6103

:2015

鉄道車両−永久磁石同期機

Rolling stock-Permanent magnet synchronous machines

序文

この規格は,2012 年に第 1 版として発行された IEC 60349-4 を基とし,日本の実情に即して対応国際規

格にはない規定事項の追加などのため,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

したがって,この規格では,騒音測定及び耐電圧試験方法については,種別 1 に IEC 60349-4 の規定内

容を,種別 2 に日本の実情に即した内容を規定し,いずれかを選択できるようにした。

さらに,対応国際規格では規定されていないが,日本の受渡当事者間で必要と認めた場合に実施する調

査試験の内容を,

附属書 JA に示す。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格には規定されていない,又は

変更している事項である。変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JB に示す。

1

適用範囲

この規格は,電気駆動式鉄道車両の電力変換装置によって給電される永久磁石同期電動機及び永久磁石

同期発電機(以下,両者を総称するときは,永久磁石同期機という。

)について規定する。

この規格は,JIS E 6102 を基とし,永久磁石同期機を対象とするよう規定内容を変更して作成した。

この規格の目的は,試験によって永久磁石同期機の性能を確認し,その規定された負荷に対する性能を

評価し,かつ,他の永久磁石同期機との比較評価基準を確立することである。

この規格は,動力をもった車両にけん(牽)引される付随車に搭載する永久磁石同期機にも適用できる。

この規格で規定する箇条は,鉱山の機関車などの特殊用途の車両の永久磁石同期機にも適用できる。た

だし,防爆,その他の特殊仕様の永久磁石同期機には,この規格は適用しない。

この規格は,フロントガラスの窓拭き器用電動機のような小形同期機には適用しない。

この規格で適用する電動機の電気入力は,電力変換装置から供給される。

IEC 60034

の規格群を適用する産業用回転機は,電源となる電力変換装置の動作が車両用の要求に適合

する場合は,補助回転機として使用してもよい。

発電機は整流装置又は変換装置に接続してもよい。

この規格の対象となる永久磁石同期機は,次による。

a)

主電動機  鉄道車両,トロリーバスなどを駆動する電動機。

b)

主発電機  同一車両又は同一列車で主電動機に電力を供給する発電機。

c)

補助電動機  IEC 60034 の規格群の対象とならない,圧縮機,ファン,補助発電機などの補機を駆動

する電動機。

d)

補助発電機  IEC 60034 の規格群の対象とならない,空気調和装置,ヒータ,照明,蓄電池などの補

機に電力を供給する発電機。


2

E 6103

:2015

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60349-4:2012

,Electric traction−Rotating electrical machines for rail and road vehicles−Part 4:

Permanent magnet synchronous electrical machines connected to an electronic converter(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

1A

使用者及び製造業者の協定事項

使用者及び製造業者の協定事項は,

附属書 による。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 8330

  送風機の試験及び検査方法

JIS C 4003

  電気絶縁−熱的耐久性評価及び呼び方

注記  対応国際規格:IEC 60085,Electrical insulation−Thermal evaluation and designation(MOD)

JIS E 6102

  鉄道車両−交流主電動機

注記  対応国際規格:IEC 60349-2,Electric traction−Rotating electrical machines for rail and road

vehicles−Part 2: Electronic converter-fed alternating current motors(MOD)

IEC 60034-1

,Rotating electrical machines−Part 1: Rating and performance

IEC 60034-8

,Rotating electrical machines−Part 8: Terminal markings and direction of rotation

IEC 60034-9

,Rotating electrical machines−Part 9: Noise limits

IEC 60034-14

,Rotating electrical machines−Part 14: Mechanical vibration of certain machines with shaft

heights 56 mm and higher−Measurement, evaluation and limits of vibration severity

IEC 60850

,Railway applications−Supply voltages of traction systems

IEC 62498-1

,Railway applications−Environmental conditions for equipment−Part 1: Equipment on board

rolling stock

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1

定格(rating of a machine)

永久磁石同期機の動作状態を表す電気量及び機械量の組合せ。持続時間及び一連の動作順序とともに,

製造業者によって提示され,受渡当事者間で協定する。

3.2

連続定格(continuous rating)

8.1

に規定する条件の下に,永久磁石同期機が連続的に運転して,

表 に示す温度上昇限度を超えること

なく,しかも,この規格で要求する全ての該当条件を満たして運転できる定格。

注記  複数の連続定格を設定してもよい。

3.3

短時間定格(例  時間)[short-time rating(for example,one hour)]


3

E 6103

:2015

8.1

に規定する条件の下に,永久磁石同期機を試験台上で冷状態から規定の時間運転し,永久磁石同期機

表 に示す温度上昇限度を超えることなく,しかも,この規格で要求する全ての該当条件を満たして運

転できる定格。

3.4

短時間過負荷定格(short-time overload rating)

決められた時間に協定された温度上昇限度を超えることなく,試験台上で運転できる定格。

注記  短時間過負荷定格は,連続定格以下の比較的長い運転時間の後に,連続定格を超える過負荷状

態が,ごく短期間運転される電動機の性能決定に用いている。この定格は,主として機関車用

に適用されている。

なお,都市内輸送,又はそれに似た短時間運転の繰返しに用いる電動機へのこの定格を適用

することは適切ではない。

3.5

間欠負荷定格(intermittent duty rating)

間欠負荷で運転される永久磁石同期機が,

表 に示す温度上昇限度をいかなる時点でも超えることなく

運転できる,断続的な運転サイクルで与えられる定格。

3.6

等価定格(equivalent rating)

間欠負荷運転と同一温度となるような,等価的な連続運転での電圧,電流,回転速度などで示す受渡当

事者間で協定した連続定格。

3.7

保証定格(guaranteed rating)

製造業者が試験のために設定する定格。主電動機の場合,通常連続定格とするが,受渡当事者間の協定

によって短時間定格又は間欠負荷定格としてもよい。補助電動機の場合,特に指定がなければ連続定格と

する。

3.8

定格電圧(rated voltage)

永久磁石同期機が保証定格で運転するときに,供給される線間電圧の基本波の実効値。

3.9

定格速度(rated speed)

保証定格での回転速度。

3.10

最高運転電圧(maximum service voltage)

運転中に,永久磁石同期機に供給する最も高い線間電圧の基本波成分の実効値。

3.11

最高電圧(maximum voltage)

可能性のあるあらゆる条件において,最も高い線間電圧の基本波成分の実効値。

注記  回路開放時に高速で回転した永久磁石同期機の線間電圧は,最高運転電圧より高くなる可能性

がある。

3.12

繰返しピーク電圧(repetitive peak voltage)


4

E 6103

:2015

電力変換装置の出力電圧波形のピーク値。電車線電圧の過渡変動,その他の予測できない要因で生じる

不規則な過渡ピーク値を除く。

3.13

起電力(EMF,electromotive force)

永久磁石の磁束によって,永久磁石同期機の巻線に生じる起電力。

3.14

誘起電圧(induced voltage)

回路開放時,規定した回転速度及び規定した磁石温度における起電力によって発生する線間電圧の基本

波成分の実効値。

3.15

最大電流(maximum current)

5.4

で定義する規定特性に示される最大電流。

3.16

最高使用回転速度(maximum working speed)

製造業者が指定した永久磁石同期機の最高回転速度。

a)

主電動機  主電動機を搭載している車両の性能が規定されている場合,この回転速度は,鉄車輪の最

小摩耗直径,又はゴムタイヤの最小踏面直径の場合の車両の最高運転速度に対応する回転速度を下回

らない。

b)

主発電機又は補助発電機  特定の用途のディーゼル機関の最高回転速度に対応した発電機の回転速度

とする。この回転速度は,一般的には無負荷時のディーゼル機関の最高回転速度である。負荷が変動

する時の瞬間的な速度は適用範囲外である。

c)

補機  特定の用途に対しては,運転中に発生し得る最も好ましくない電圧,周波数,負荷などの条件

を考慮する。

3.16A

規定値

規定特性に示される値。

注記  規定特性については,5.4 を参照する。

3.16B

決定値

決定特性に示される値。

なお,受渡試験においては,9.1 に規定された値。

注記  決定特性については,5.5 を参照する。

3.17

使用者(user)

通常は,鉄道事業者。ただし,その権限を外部の組織へ委任することができる。

3.18

製造業者(manufacturer)

永久磁石同期機の製造業者。

3.19

システム製造業者(system manufacturer)


5

E 6103

:2015

全体システムに技術的な責任をもつ組織。

注記  ここで定義されているシステム製造業者は,電動機の製造業者,電力変換装置の製造業者,制

御機器の製造業者,それらを全て製造している製造業者,又はそれらを全く製造していない組

織でもよい。

3.20

コギングトルク(cogging torque)

回転子の永久磁石と固定子の鉄心との間の吸引力が回転角度に対して変化することによって生じる,無

通電状態の永久磁石同期機におけるトルク。

4

使用条件

使用者が特に定める場合を除き,使用条件は,次による。

a)

標高  IEC 62498-1 のクラス A3(1 200 m 以下)とする。

b)

温度  日陰で IEC 62498-1 のクラス T4(−10  ℃∼40  ℃)とする。

上記のいずれか一方,又は両方の限界を超えて運転する永久磁石同期機の場合は,受渡当事者間の協定

によって環境条件を設定してもよい。詳細は,IEC 60034-1 による。

さらに,使用者は,永久磁石同期機がさらされる使用環境,例えば,じんあい(塵埃)

,湿度,温度,雪,

振動・衝撃条件などを製造業者に知らせなければならない。

5

特性

5.1

情報交換

永久磁石同期機の設計者及び電力変換装置の設計者は,これらを組み合わせた主回路システムが,この

規格の要求事項を満たすように,次に示す技術的に必要な全ての事項について情報交換を行い,協調を図

る。また,この情報交換事項を記録した資料は,永久磁石同期機及び電力変換装置の仕様書の一部とする。

a)

永久磁石同期機の設計者は,永久磁石同期機と電力変換装置との相互作用を十分に評価するために必

要な全ての情報を,電力変換装置の設計者に提供する。

b)

永久磁石同期機の設計者は,永久磁石の温度が 20  ℃での全回転速度範囲における回転速度の関数と

しての誘起電圧特性及び他の温度での誘起電圧を計算するために,必要な誘起電圧の温度傾向に関す

る資料を電力変換装置の設計者に提供する。

c)

電力変換装置の設計者は,永久磁石同期機の設計者にき電システムの最高電圧及び最低電圧での運転

を含む全領域にわたる特性を提供する。例えば,電力変換装置の出力電圧波形(繰返しピーク電圧を

含む。

,電流,基本波周波数,高調波及び電力の特性についての情報を提供する。

注記 1  詳細情報は,JIS E 5008 の 5.3.1.1[主電動機と変換装置(インバータ)との間のインタフ

ェース]を参照する。

注記 2  永久磁石同期機及び電力変換装置の間の配線長及び永久磁石同期機の端子電圧のピーク値

について考慮する。この課題への対策は,システム製造業者の責任である。

注記 3  電力変換装置の出力電圧波形及びその永久磁石同期機への影響については,IEC 60034-17

を参照する。

5.2

永久磁石同期機の特徴

永久磁石同期機は回転によって常に起電力が発生するため,この影響を考慮する必要がある。

例(参考):


6

E 6103

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−  巻線が内部で短絡した場合,回転すると短絡電流が流れる。

−  回転すると端子間に電圧が発生する。

−  コギングトルクが生じることがある。

5.3

基準温度

基準温度は,永久磁石同期機の絶縁システムの耐熱クラスとは無関係に,巻線は 150  ℃,永久磁石は

100  ℃とし,この基準温度を特性曲線に記載する。ただし,これらの基準温度は,受渡当事者間の協定に

よって変更してもよい。

5.4

規定特性

一般に,永久磁石同期機の仕様書には,5.75.10 に示す特性曲線を含める。これらの特性曲線は,

“規

定特性”と定義し,各変化量の設計上の限界まで示す。受渡当事者間の協定がない限り,規定特性は,電

力変換装置の直流電圧が標準の値である場合の性能を示し,永久磁石同期機が発注される前に製造業者が

使用者に提供する。

5.5

決定特性

決定特性とは,8.2.1 に従って実施した形式試験の結果から求めた特性値で,8.2.2 の裕度を満たさなけれ

ばならない。事前に受渡当事者間の協定がない限り,同一使用者又は同一用途に対する電気的に等価な永

久磁石同期機の決定特性は,以前に製造された永久磁石同期機と同一とする。その場合,特性の承認は簡

易形式試験の結果による。

5.6

効率特性

効率特性は,電力変換装置からの給電電力に含まれる高調波成分の損失を考慮する。

5.7

主電動機特性

主電動機の規定特性及び決定特性は,電力変換装置から給電される可変周波数の特性であり,主電動機

の全使用領域にわたって回転速度の関数として,主電動機の線間電圧,電流,誘起電圧,周波数,平均ト

ルク及び効率を示す。電圧曲線は,基本波成分の実効値を示す。電流曲線には,基本波成分の実効値及び

全実効値を示す。ブレーキモードで使用される主電動機については,主電動機の回転速度に応じたトルク

入力及び電気出力を同様に示す特性を求める。

歯数比,車輪直径及び動力伝達損失が明示されていれば,特性曲線は主電動機のトルク及び回転速度の

代わりに引張力及び車両速度を示してもよい。動力伝達損失に協定値を用いる場合,

附属書 による。

5.8

主発電機特性

特性曲線は,規定の回転速度における負荷電流の関数として電圧及び効率を示す。

特性曲線は,最高,平均及び最低(又はその間)のディーゼル機関の回転速度において,けん(牽)引

に利用できる発電機の機械入力の範囲内で描く。ディーゼル機関に幾つかの中間の回転速度ノッチを設定

している場合,主発電機の性能を適切に表す十分な数の回転速度ノッチに対する特性曲線を追加する。

特性曲線を負荷電流の関数とする代わりに,回転速度の関数として示してもよい。

発電機をディーゼル機関の始動用として使用する場合,5.7 と同様に扱う。

5.9

補助電動機特性

補助電動機の規定特性及び決定特性は,電力変換装置給電時の特性である。これらの特性には,その電

動機の全使用領域における各運転周波数に対し,電動機の出力の関数として,電動機の線間電圧,電流,

回転速度及び平均トルクを示す。連続可変周波数で運転する電動機の特性は,最大周波数及び最小周波数

だけを示してもよい。

電圧曲線は,基本波成分の実効値を示す。電流曲線には,基本波成分の実効値及び全実効値を示す。こ


7

E 6103

:2015

れらの特性では,給電高調波成分から生じる付加的損失及び保証定格における効率を明示する。

補助電動機の特性については,出力の代わりに回転速度の関数として特性曲線を作成してもよい。

5.10

補助発電機特性

出力電圧,出力及び効率の特性曲線は,定格回転速度における負荷電流の関数として示す。可変速度の

発電機では,使用範囲の最低回転速度及び最高使用回転速度での特性曲線を示す。その際,交流出力の周

波数を併せて示す。

発電機をディーゼル機関の始動用として使用する場合,5.9 と同様に扱う。

6

表示

6.1

銘板

この規格で規定する永久磁石同期機は,受渡当事者間の協定がない限り,少なくとも次の項目を含む銘

板を取り付ける。

a)

製造業者名

b)

形式

c)

永久磁石同期機であることを示す表示

d)

製造番号

e)

製造年

f)

最終組立場所の表示[f)は a),d)又は e)にまとめてもよい。

さらに,各永久磁石同期機の固定子及び回転子の両方に製造番号を刻印し,また,単一回転方向で設計

した永久磁石同期機の場合,回転方向を表示する。

永久磁石同期機の銘板及び回転方向は,その永久磁石同期機を車両に取り付けた状態で読みやすいよう

に表示する。ただし,回転方向の表示については,そのような表示が可能な場合に限る。

6.2

端子及びリード線の表示

端子及びリード線の表示は,受渡当事者間の協定による。協定によらない場合には,IEC 60034-8 の規

定による。

7

試験

7.1

試験の種類

試験は,次の 4 種類とする。

a)

形式試験

b)

簡易形式試験(繰返し形式試験)

c)

受渡試験

d)

調査試験

注記  さらに,永久磁石同期機及び電力変換装置の組合せ試験を実施する場合,重複を避けるため

に,形式試験又は調査試験は,組合せ試験と同じ試験台で実施することが望ましい。

7.2

形式試験

7.2.1

一般

形式試験は,新形式の永久磁石同期機の定格,特性及び性能を確認するための試験であり,全ての新設

計の永久磁石同期機の 1 台について必ず行う。受渡当事者間の協定がない限り,その永久磁石同期機は最

初に製造された 10 台中の任意の 1 台とする。


8

E 6103

:2015

既存の永久磁石同期機と同等の設計で製造場所及び/又は製造方法が変更となっている場合,

7.3

を参照

する。

形式試験を実施した永久磁石同期機は,受渡試験も実施する(箇条 参照)

製造業者は試験開始前に,この規格に基づく試験仕様書を使用者に提出する。

製造業者は形式試験終了後,試験成績書を使用者に提出する。

7.2.2

電力変換装置給電による形式試験

永久磁石同期機は車両運転時に使用される電力変換装置及び制御装置と組み合わせて形式試験を行う。

電圧波形及び高調波が車両の電力変換装置と同等とみなされる電源を代わりに使用してもよい。

注記 1  永久磁石同期機の動作点の多くは,電力変換装置及びその制御装置によってだけ安定して運

転できる。

注記 2  整流器を備える永久磁石発電機の場合,同等のダイオードブリッジを電力変換装置の代わり

に使用してもよい。

受渡当事者間の協定があれば,製造業者は試験時及び運転時に給電される電圧波形及び高調波の類似性

を示し,また,電源の差による永久磁石同期機の性能上の影響を示す。

電力変換装置の電気出力特性が変わった場合,受渡当事者間の協定があれば,形式試験を再度実施して

もよい。

7.3

簡易形式試験(繰返し形式試験)

7.3.1

一般

簡易形式試験は受渡試験及び 7.3.27.3.5 の温度上昇試験のうちの一つから構成される。

簡易形式試験は

次のいずれかの状況において,既存の永久磁石同期機との類似性を示すために適用できる。

a)

再発注の場合。

b)

製造業者の製造場所及び/又は製造方法を変更した場合。

c)

同じ電気設計及び冷却設計で,同等以上の定格をもつ既存の永久磁石同期機がある場合。

簡易形式試験を行う予定がある場合,形式試験の一つの項目として,この追加の温度上昇試験を実施す

る必要がある。

同じ設計の永久磁石同期機に対するその後の試験では,試験のパラメータを同じ値に保つ。

温度上昇測定は,8.1 の規定内容によって行う。

次の全ての条件を満足する場合には,形式試験を簡易形式試験に置き換えることができる。

d)

受渡当事者間の協定がある場合。

e)

簡易形式試験の結果が既存の同一設計の永久磁石同期機に対して確立された裕度内にある場合。

f)

電気設計及び冷却設計が同じで同等以上の定格をもつ既存の永久磁石同期機について実施した形式試

験の試験報告書を製造業者が提出する場合。

注記  簡易形式試験は JIS E 6102 の“繰返し形式試験”に相当する。

7.3.2

電力変換装置給電による温度上昇試験

形式試験と同一の構成,電圧,周波数,トルク,冷却条件及び試験時間を用いる。

7.3.3

電力変換装置給電による異なる負荷条件での温度上昇試験

永久磁石同期機は電力変換装置から給電され,機械的負荷に接続される。製造業者は電圧,周波数,ト

ルク,冷却条件及び試験時間を決定することができる。ただし,試験時間は少なくとも 1 時間以上とし,

実使用と比べて過酷とならない運転条件とする。


9

E 6103

:2015

7.3.4

正弦波電源による温度上昇試験

永久磁石同期機は正弦波電源から給電され,機械的負荷に接続される。製造業者は電圧,周波数,トル

ク,冷却条件及び試験時間を決定することができる。ただし,試験時間は少なくとも 1 時間以上とし,実

使用と比べて過酷とならない運転条件とする。

7.3.5

発電機運転による温度上昇試験

永久磁石同期機は電動機によって駆動され,発電機として運転する。負荷は,抵抗又は RL 負荷(抵抗

及びインダクタンスの直列接続)とする。製造業者は周波数,出力,冷却条件及び試験時間を決定する。

ただし,試験時間は少なくとも 1 時間以上とし,実使用と比べて過酷とならない運転条件とする。

7.4

受渡試験

受渡試験は永久磁石同期機が正しく組み立てられ,適正な耐電圧試験に耐え,かつ,電気的及び機械的

に健全に作動することを実証するために行う試験である。

箇条 で規定された受渡試験は,通常,全ての永久磁石同期機について行う。ただし,発注以前に受渡

当事者間の協定があれば,それに代わる試験手法を適用してもよい(例えば,厳密な品質管理手法の下に

大量生産された永久磁石同期機の場合)

。その場合,例えば,次のいずれかの方法の選択が可能となる。た

だし,9.4 に規定する耐電圧試験は全数実施する。

a)

全ての永久磁石同期機で実施する受渡試験項目の削減。

b)

受渡試験の全項目を実施する永久磁石同期機の台数を製作台数に応じて設定。

7.5

調査試験

調査試験は付加情報を得るために実施する任意の特別な試験である。調査試験は,永久磁石同期機の発

注以前に受渡当事者間の協定がある場合にだけ実施する。ただし,これらの試験結果は,同様に協定がな

ければ,永久磁石同期機の受取条件とはしない。

7.6

試験項目

試験項目は,

表 による。

表 1−適用試験項目

試験項目

該当細分箇条

形式試験

簡易形式試験

a)

受渡試験

調査試験

a)

電力変換装置給電による温度上昇試験

8.1 

簡易形式試験のための温度上昇試験 
(電力変換装置又は正弦波電源)

7.3.1

7.3.5

 a)

7.3.1

7.3.5

特性試験

8.2 

無負荷試験

9.2.2 9.2.2 

9.2.2 

電流負荷試験

9.2.3 9.2.3 

9.2.3 

高速試験

8.3 9.3

 a)

 9.3

 a)

耐電圧試験

9.4 9.4 

9.4 

振動測定

8.4 9.5

 a)

 9.5

 a)

騒音測定

8.5

 a)

コギングトルクの測定

10.1 

端子開放状態の高速回転での温度上昇試験

10.2 

誘起電圧による温度傾向の測定

10.3 

a)

  試験の要否は,受渡当事者間で決定する。

なお,

附属書 JA に追加の調査試験項目を示す。


10

E 6103

:2015

8

形式試験

8.1

温度上昇試験

8.1.1

一般

温度上昇試験は,永久磁石同期機を保証定格で運転した際の各部位の温度上昇が限度内であることを確

認する。

定格機械出力は,永久磁石同期機の軸において直接又は間接的に測定してもよい。また,機械出力を測

定するのではなく,決定特性に示された定格機械出力に対応する電圧,電流及び周波数を試験条件として

もよい。

連続定格試験の場合は,試験の開始前に負荷の増大又は冷却風の低減によって飽和温度に達するまでの

時間を短縮してもよい。その場合,定格条件を最低 2 時間維持するか,又は飽和温度に達したことを適切

な方法によって示す。

飽和温度は,試験の最終 1 時間の温度の変化が 2 K 未満となる状態とする。

高温状態での誘起電圧を確認するため,高温状態(例えば,温度上昇試験の終了直後)における誘起電

圧の測定を行う。また,永久磁石が減磁していないことを確認するため,温度上昇試験の前後に同じ条件

で誘起電圧の測定を行い,誘起電圧が温度上昇試験の前後で 3 %以上変化しないことを確認する。

8.1.2

定格試験での冷却

永久磁石同期機は,車体のダクト及びフィルタを含めて,温度上昇に影響する全ての部品を現車と同様

に配置した冷却方法又は同等の条件で試験を行う。車両の走行風による冷却効果は,受渡当事者間の協定

によって試験条件を取り決める。

強制通風による冷却の場合,

静圧及び風量は永久磁石同期機の入気口で測定する。

その静圧及び風量は,

JIS B 8330

で規定する試験装置を用いて測定してもよい。必要に応じて,この静圧及び風量の関係を示す

表を作成してもよい。

ダクトのある自己通風による冷却の場合,風量は回転速度の関数として測定する。

液体冷却の場合,静圧及び流量を永久磁石同期機の入口で測定し,この静圧及び流量の関係を示す表を

作成する。

8.1.3

温度測定

温度は,

附属書 に基づいて測定する。

8.1.4

結果の判定

A.4

で規定した“冷却開始時点”での巻線の温度上昇は,

表 に示す値を超えてはならない。

8.1.5

温度上昇限度

絶縁システムの耐熱クラスは,JIS C 4003 の規定による。

表 は絶縁処理された巻線,永久磁石及びその他の部品に対する温度上昇限度を示す。このとき,各部

位の温度上昇の値は,各部位の温度から試験時の冷却媒体の温度を差し引いた値とする。

同一永久磁石同期機の異なる部位で絶縁システムの耐熱クラスが異なる場合の温度上昇限度は,該当部

位の耐熱クラスの値を適用する。


11

E 6103

:2015

表 2−連続定格及びその他の定格における温度上昇限度

単位  K

部位

測定方法

絶縁システムの耐熱クラス

130(B)

155(F)

180(H)

200

220

250

固定子巻線

抵抗法 130

155

180

200

220

250

永久磁石

電気温度計又はその他の

適した方法

温度上昇は,永久磁石の特性を損なわない温度とする。

その他の部品

どの部品の温度も,永久磁石同期機の他の部品を損なわない温度
上昇とする。

全閉形永久磁石同期機の巻線は

表 の温度上昇限度を 10 K 引き上げる。

永久磁石同期機がエンジン及びその他の熱源に直接又は間接的にさらされる場合,

表 に規定する値を

下回る温度上昇限度を受渡当事者間の協定によって決定できる。

8.1.6

短時間過負荷温度上昇試験

短時間過負荷定格が規定されている場合には,短時間過負荷温度上昇試験を 1 回以上行う。

短時間過負荷温度上昇試験では次の項目を規定し,受渡当事者間で協定する。

−  冷却条件

−  初期温度及び負荷条件

−  試験時間又は温度上昇限度

8.2

特性試験及び裕度

8.2.1

特性試験

規定特性を実証する試験は,永久磁石同期機の電力及び動力を測定することによって行う。動力は,直

接測定するか又は供試の永久磁石同期機に駆動される効率が既知の回転機の電力を測定して算定してもよ

い。

代わりに,受渡当事者間の協定によって,試験される永久磁石同期機の出力又は入力のいずれかを損失

分離法で試験してもよい。

負荷試験は基準巻線温度付近の温度で行い,その試験結果の値は補正が必要ならば基準巻線温度での値

に補正する。永久磁石同期機の決定特性を確定するために,十分な測定点数で試験を行う。

永久磁石同期機の電力については,永久磁石同期機の製造業者及び電力変換装置の製造業者との協定に

よって規定特性の値を変更してもよいが,永久磁石同期機及び電力変換装置が保証定格で運転されたとき

に,全ての部分の温度上昇がそれぞれの限度内であり,かつ,永久磁石同期機の損失が 8.2.2 に規定する

裕度の範囲内であることを条件とする。

試験は片側回転方向だけで行う。

永久磁石同期機の電力を測定する計測器は,

規定の裕度内にあることを示せる十分な精度があり,

電流,

電圧及び電力を表示するものを使用する。

8.2.2

裕度

8.2.2.1

主電動機

最大トルクが出力される回転速度から最高使用回転速度までの間で,規定特性の電気的入力によるトル

クの決定値は,規定値の 95 %以上とする。

保証定格点における主電動機の損失は,規定特性から求められる値に定格出力の 1 %を加えた値を超え

てはならない。この裕度は保証定格だけに適用される。


12

E 6103

:2015

簡易形式試験(7.3 参照)を適用したときの固定子巻線の温度上昇は,既に実施した形式試験の結果に対

し,±12 %又は±15 K のいずれか大きい値を超えてはならない。

定格回転速度における誘起電圧は,規定値から±10 %を超えてはならない。

8.2.2.2

主発電機

保証定格点における主発電機の損失は,規定特性から求められる値に定格出力の 1 %を加えた値を超え

てはならない。簡易形式試験(7.3 参照)での温度上昇は,最初の形式試験の結果に対し,±12 %又は±

15 K のいずれか大きい値を超えてはならない。

定格回転速度において,

図 の決定最大電流(Ch1),定格電流における電圧(Ch2)及び誘起電圧(Ch3)

は,規定値から±10 %を超えてはならない。

図 1−発電機の固有特性

8.2.2.3

補助電動機

保証定格点におけるトルクの決定値は,規定値以上とする。また,保証定格点における電流は,規定値

以下であり,更に規定の起動トルクを出す電流は,5.1 に従い電力変換装置の製造業者が規定した値を超え

てはならない。

8.2.2.4

補助発電機

保証定格点における補助発電機の損失は,規定値に対して定格出力の 1 %を超えてはならない。簡易形

式試験(7.3 参照)を適用したときの温度上昇は,既に実施した形式試験の結果に対し,±12 %又は±15 K

のいずれか大きい値を超えてはならない。

定格回転速度において,

図 の決定最大電流(Ch1),定格電流における電圧(Ch2)及び誘起電圧(Ch3)

は,規定値から±10 %を超えてはならない。

8.3

高速試験

永久磁石同期機の高速試験は,高温時に,3.16 で定義した最高使用回転速度の 1.2 倍で 2 分間行う。代

わりに,回転子を保証定格での試験終了時と同一温度上昇値まで上げることを条件として,回転子を固定

子に組み込む前に試験してもよい。いずれの場合も,試験の前後で,回転子の変形がないことを確認する。

8.4

振動測定

永久磁石同期機が歯車装置と一体形の場合は,歯車装置を取り外すか,歯車装置を仮設のエンドブラケ

ットに取り替えなければならない。当該の発電機がエンジンと一体形の場合は,エンジンを取り外すか,

電  流


13

E 6103

:2015

エンジンを仮設のエンドブラケットに取り替えなければならない。

永久磁石同期機は取付器具を使わずに,試験台の上に設置してもよい。永久磁石同期機の回転速度が

3 600 min

1

までの振動速度は,3.5 mm/s 以下でなければならない。3 600 min

1

を超える回転速度に関して

は,振動速度は 5.25 mm/s 未満でなければならない。

軸受で固定されていない永久磁石同期機の場合,軸方向の振動速度の測定は除外できる。

追加情報は,IEC 60034-14 による。

可変速度形の永久磁石同期機では,全作動領域の中で何点かの回転速度で測定する。

試験台の共振現象によって限度値を超える振動速度が発生する場合,共振点が測定を行う回転速度と一

致せず,かつ,振動速度の水準が限度内であれば,共振現象を無視してもよい。

共振現象が測定を行う回転速度で発生した場合,別の試験台によって再試験する。

8.5

騒音測定(任意)

永久磁石同期機の騒音測定は,次の種別 1 又は種別 2 のいずれかによって行う。

a)

種別 1  附属書 による。

b)

種別 2  永久磁石同期機を無負荷で運転し,騒音レベルを測定する。また,測定位置は,図 C.1 及び

図 C.2 の基準測定点による。

9

受渡試験

9.1

一般

受渡試験は運転中に使用する周波数の一つを用いて,片回転方向で行う。

各々の試験(例えば,無負荷試験及び電流負荷試験)で使用する周波数は同じでなくてもよいが,一度

設定した周波数は変更しない。測定点に対する決定値は形式試験を受けた 1 台を含んだ 4 台の永久磁石同

期機の平均値とする。温度変化の影響を減らすために,試験は全ての永久磁石同期機に対して,同じ順序

で行う。

同一形式の永久磁石同期機内の一貫性を確認するために,正弦波電源による温度上昇試験(7.3.4 参照)

一般的な電力変換装置給電による温度上昇試験(7.3.2 又は 7.3.3 参照)又は抵抗及びインダクタンスの直

列接続の負荷による発電機としての運転での温度上昇試験(7.3.5 参照)をランダムに,又は受渡当事者間

の協定による間隔で実施してもよい。裕度は,8.2.2.1(主電動機)又は 8.2.2.2(主発電機)による。

9.2

特性試験及び裕度

9.2.1

一般

永久磁石同期機は,無負荷条件及び電流負荷条件で試験する。

9.2.1A

一次巻線抵抗の測定

特性試験を行う前に,一次巻線抵抗の測定を行う。一次巻線の抵抗は任意の周囲温度において永久磁石

同期機の各端子間で測定した抵抗値を式(1)によって換算する。

t

R

r

+

×

=

235

385

2

1

1

  (1)

ここに,

r

1

150  ℃における一次巻線の一相当たりの抵抗(Ω)

R

1

各端子間で測定した一次巻線抵抗の平均値(Ω)

t

抵抗測定時の周囲温度(℃)

なお,電圧降下法で R

1

を測定する場合の測定電流は,連続定格電流の 10∼20 %とする。


14

E 6103

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9.2.2

無負荷試験

この試験は冷状態の永久磁石同期機で行う。永久磁石の温度を測定するために,永久磁石同期機の温度

を任意の位置で測定し,記録する。試験方法は,a),b),c)又は d)の一つを選択する。

a)

端子開放による無負荷試験  永久磁石同期機は,電動機と機械的に連結する(図 参照)。電動機は,

決定特性で示された回転速度の 10∼100 %の範囲で永久磁石同期機を駆動する。電圧の基本波成分の

実効値は 9.1 の規定によって得られた決定値に対して,±10 %を超えてはならない。回転速度は最初

の永久磁石同期機の試験時に定めた回転速度とし,以後の全ての試験に適用する。

図 2−端子開放による無負荷試験

b)

正弦波電源による無負荷試験  永久磁石同期機は,決定特性で示された回転速度の 10∼100 %の範囲

の 1 点において,正弦波電源によって駆動する(

図 参照)。電圧は電流の基本波成分の実効値が最小

となるまで変化させる。回転速度は最初の永久磁石同期機の試験時に定めた回転速度とし,以後の全

ての試験に適用する。電圧の基本波成分の実効値は,9.1 の規定によって得られた決定値に対して,±

10 %を超えてはならない。

図 3−正弦波電源による無負荷試験

c)

電力変換装置電源による無負荷試験  永久磁石同期機は,決定特性で示された回転速度の 10∼100 %

の範囲の 1 点において,電力変換装置で駆動する(

図 参照)。電圧は電流の基本波成分の実効値が最

小となるまで変化させる。回転速度は既に実施した永久磁石同期機の試験時に定めた回転速度とし,

以後の全ての試験に適用する。電圧の基本波成分の実効値は,9.1 の規定によって得られた決定値に対

して,±10 %を超えてはならない。

電圧計

永久磁石同期機

電動機

永久磁石同期機

電圧計

電流計

正弦波電源


15

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図 4−電力変換装置電源による無負荷試験

d)

遮断器付き電源による無負荷試験  永久磁石同期機は決定特性で示された回転速度の 10∼100 %の範

囲で駆動する

図 参照)。回転速度は,既に実施した永久磁石同期機の試験時に定めた回転速度とし,

以後の全ての試験に適用する。指定の回転速度に到達した後,電源を遮断し,電圧及び回転速度を測

定する。電源遮断直後の電圧の基本波成分の実効値は,9.1 の規定によって得られた決定値に対して,

±10 %を超えてはならない。

図 5−遮断器付き電源による無負荷試験

9.2.3

電流負荷試験

試験方法は,a),b)又は c)の一つを選択する。

a)

短絡による電流負荷試験  永久磁石同期機は電動機と機械的に連結し,永久磁石同期機の端子は可能

な限り短く短絡する(

図 参照)。無負荷試験と同じ回転速度で永久磁石同期機を回転させ,電動機を

駆動する。電流の基本波成分の実効値は 9.1 の規定によって得られた決定値に対して,±10 %を超え

てはならない。

図 6−短絡による電流負荷試験

b)

正弦波電源による電流負荷試験  永久磁石同期機は無負荷試験と同じ回転速度で,正弦波電源によっ

永久磁石同期機

電圧計

電力変換装置

遮断器

電動機

永久磁石同期機

電流計

永久磁石同期機

電圧計

電流計

電力変換装置


16

E 6103

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て駆動する(

図 参照)。電圧は最小電流となる電圧よりも小さい値とし,定格電流の 20 %よりも大

きな基本波成分の実効値の電流となる電圧まで下げる。負荷電流及び回転速度は既に実施した永久磁

石同期機の試験時に定めた値とし,以後の全ての試験に適用する。電圧の基本波成分の実効値は 9.1

の規定によって得られた決定値に対して,±10 %を超えてはならない。

図 7−正弦波電源による電流負荷試験

c)

電力変換装置電源による電流負荷試験  永久磁石同期機は無負荷試験と同じ回転速度で,電力変換装

置によって駆動する(

図 参照)。電圧は最小電流となる電圧よりも小さな値とし,定格電流の 20 %

よりも大きな基本波成分の実効値の電流となる電圧まで下げる。負荷電流及び回転速度は,既に実施

した永久磁石同期機の試験時に定めた値とし,以後の全ての試験に適用する。電圧の基本波成分の実

効値は,9.1 の規定によって得られた決定値に対して,±10 %を超えてはならない。

図 8−電力変換装置電源による電流負荷試験

9.3

高速試験

高速試験は,受渡当事者間の協定によって行ってもよい。

高速試験を行う永久磁石同期機は 3.16 で定義した最高使用回転速度の 1.2 倍で,2 分間駆動する。これ

らの条件以外で試験を行う場合,受渡当事者間の協定が必要である。

受渡試験の高速試験を行う場合,無負荷の高速回転による転がり軸受の損傷を防ぐための注意が必要で

ある。

また,端子を開放した状態で受渡試験の高速試験を行う場合,誘起電圧が高くなることに対して注意が

必要である。そのため,例えば,受渡当事者間で協定し,最高使用回転速度を下回らない範囲で試験回転

速度を下げてもよい。

永久磁石同期機

電圧計

電流計

正弦波電源

永久磁石同期機

電力変換装置

電圧計

電流計


17

E 6103

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9.4

耐電圧試験

耐電圧試験は,次の種別 1 又は種別 2 のいずれかによって行う。

a)

種別 1  試験は静止状態で正弦波に近い波形で,周波数 25∼100 Hz の交流を用いて行う。ただし,発

注前に受渡当事者間の協定があれば,直流で試験を行ってもよい。試験電圧は各回路の巻線とフレー

ムとの間に,その他の全ての回路の巻線をフレームに接続した状態で,順次印加する。通常の状態に

ある新規製造の永久磁石同期機に対してだけ,電圧低減をせずに耐電圧試験を行う。試験は 9.2.3 の受

渡試験終了直後の高温時の永久磁石同期機に対して行う。

試験電圧は

表 に示す電圧のうち,最高値を選択して行う。また,電圧は試験電圧の 1/3 以下の値

から開始して,昇圧する。試験電圧に達した後,1 分間維持する。

表 3−耐電圧の試験電圧(種別 1

単位  V

巻線

試験電圧

電動機又は発電機の固定

子巻線

交流試験

U

dc

+1 000

又は 
U

rp

/ 2 +1 000

又は

U

rpb

/ 2 +1 000

又は

U

imax

/ 2 +1 000

直流試験 3.4×U

dc

+1 700

又は 
2.4×U

rp

+1 700

又は 
1.2×U

rpb

+1 700

又は 
1.2×U

imax

+1 700

注記  試験電圧を表す記号は,次のとおりである。

U

dc

  :電車線が最高電圧で,永久磁石同期機が力行中の,直流中間回路に印加され

る対地最高平均電圧(

附属書 参照)。

U

rp

  :電車線が最高電圧で,永久磁石同期機が力行中の,永久磁石同期機の巻線に

印加される対地最高繰返しピーク電圧(繰返しピーク電圧は 3.12 に定義)

U

rpb

  :永久磁石同期機がブレーキ中に,巻線に現れる対地最高繰返しピーク電圧。

U

imax

 :永久磁石同期機を端子開放状態(電流がゼロ)で最高使用回転速度で回転し

た場合,巻線に発生する対地ピーク電圧。

直流回路及び永久磁石同期機の巻線のどの点も接地されていない場合,U

dc

及び U

rp

の値はこれらの回路

のどこかが接地した場合に現れる可能性のある対地最高電圧とする。

繰り返して試験を行う場合の電圧低減については,受渡当事者間で協定する。

b)

種別 2  試験は商用周波数の正弦波電源を用いて,次によって行う。

1)

耐電圧試験に先立って絶縁抵抗を測定し,その値が適切であることを確認する。

2)

全ての試験終了後,永久磁石同期機のリード線端子を全部接続し,これと接地部との間に,3)に示

す商用周波数の試験電圧を 1 分間印加し,異常の有無を調べる。試験電圧の 1/3 以下の電圧を加え,

電圧計を読むことができる範囲内でできるだけ速やかに電圧を上昇させ,試験電圧値に達した後,1

分間維持する。


18

E 6103

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3)

試験電圧の実効値は

表 3A による。ただし,表 に示す試験電圧の最高値が表 3A の試験電圧より高

い場合,

表 の試験電圧を適用する。

表 3A−耐電圧試験の試験電圧(種別 2

単位  V

永久磁石同期機の種類

試験電圧

適用

外部から電力の供給を受

ける場合

2.25×U+2 000

U

: 直流き電の場合は,電車線の標準電

圧とし,交流き電の場合は,電車線
が標準電圧であるときに永久磁石

同期機にかかる最高電圧とする。

外部から電力の供給を受

けない場合

U+1 000

U

: 車両システムによって決まる最高

電圧とする。

注記  システムが接地系の場合,最高電圧は対地最高電圧とする。 

9.5

振動測定(釣合い良さ試験)

永久磁石同期機の回転子の釣合い良さが確保されているかを確認する。永久磁石同期機が試験台上に据

え付けられたとき,

円滑に回転することを示す。

歯車装置又はエンジンと一体形の永久磁石同期機の場合,

当該装置を取り付けて試験を行う。

受渡当事者間の協定があれば振動が起こる可能性が予測される場合,

8.4

で規定した試験をそれぞれの永

久磁石同期機について行ってもよい。

10

調査試験

10.1

コギングトルクの測定

永久磁石同期機のコギングトルクは,

端子を開放した状態で測定する。

詳細は受渡当事者間で協定する。

10.2

端子開放状態の高速回転での温度上昇試験

端子を開放した状態で,規定した回転速度において,電動機で永久磁石同期機を駆動する。

試験時間,回転速度及び冷却条件は受渡当事者間で協定する。

温度は

附属書 に従って測定する。

A.4

で定義されている“冷却開始時点”での巻線の温度上昇は,

表 に示された値を超えてはならない。

10.3

誘起電圧による温度傾向の測定

誘起電圧による温度傾向の確認を行う場合,無負荷,高温状態(温度上昇試験の終了直後など)で行っ

てもよい。


19

E 6103

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附属書 A

規定)

温度測定

A.1

永久磁石同期機部品の温度

固定子巻線の温度は抵抗法によって測定する。永久磁石の温度は電気温度計法又はその他の適切な方法

によって測定する。

試験中の冷却風温度が 10∼40  ℃の範囲であれば,測定した温度上昇を補正しなくてもよい。

形式試験中の冷却風温度がこの範囲外の場合,測定した温度上昇の補正について受渡当事者間で協定し

てもよい。

短時間温度上昇試験を開始する前に,固定子巻線の温度が冷却風温度と比べて 4 K 以内であることを温

度計又は抵抗測定によって確認する。固定子巻線の温度上昇を計算する場合,そうした±4 K の初期温度

差を,計算結果が高い場合は減じて,低い場合は加えて補正する。

a)

抵抗法  抵抗法では,固定子巻線の温度上昇は,試験中の巻線抵抗の増加値で決定する。

銅巻線の場合,試験終了時の温度上昇は,次の式によって決定する。

(

) (

)

a

1

1

2

a

2

235

235

t

t

R

R

t

t

+

+

− =

ここに,

t

2

t

a

温度上昇(K)

t

1

固定子巻線の初期温度(℃)

R

1

温度 t

1

における固定子巻線抵抗(Ω)

t

2

試験終了時の固定子巻線温度(℃)

R

2

試験終了時の固定子巻線抵抗(Ω)

t

a

試験終了時の冷却風温度(℃)

注記

  銅以外の材料については,上記の式中の値 235 を,その材料の 0  ℃における抵抗温度係数に

置き換える。

b

)

電気温度計法

  この方法では,永久磁石同期機の停止直後に関係部品の測定可能な最高温度部分にて,

電気温度計で温度を測定する。

A.2

冷媒の温度

A.2.1

空気冷却

全閉形永久磁石同期機に対しては,永久磁石同期機から 1∼2 m の間隔で主電動機の周囲に 4 個以上の

温度計を配置して,冷却風温度を測定する。

それ以外の場合は全て,冷却風温度は永久磁石同期機への取入口において測定し,取入箇所が 2 か所以

上ある場合は,冷却風を各箇所で測定した値の平均値とする。

永久磁石同期機に入る冷却風及び周囲温度を測定する場合,真の温度が記録されるように,温度計をふ

く(輻)射熱及び隙間風のような空気の流れから防護する。冷却風温度の変化による誤差を回避するため

に,変化を最低限に抑えるために必要な措置をとる。

試験終了時の冷却風温度は,連続定格試験の最後の 1 時間又は短時間試験の全試験時間に対して,約 15

分間の間隔で測定を行い,これらの平均値とする。


20

E 6103

:2015

A.2.2

液体冷却

液体冷却の場合,冷却液の温度は注入口において測定する。試験終了時の冷却液の温度は,連続定格試

験の最後の 1 時間又は短時間試験の全試験時間に対して,約 15 分間の間隔で測定を行い,これらの平均値

とする。

A.3

抵抗値の測定

A.3.1

冷時の初期抵抗値

冷時の初期抵抗値の測定は,試験後の高温時の測定と同じ計器を用いて行うが,各試験の始めに測定を

繰り返す必要はない。固定子巻線温度は抵抗を測定したときの温度計による固定子巻線表面温度とし,そ

のときの周囲温度と 4 K 以上の差があってはならない。

A.3.2

高温時の抵抗値

高温時の抵抗は,試験を終了し,永久磁石同期機を停止した後,速やかに測定する。測定は電圧電流計

法(電圧−電流法)

,ブリッジ法,その他の適切な手段で行うことができるが,固定子巻線の初期温度の測

定方法と同一の方法を用いる。

電圧電流計法による場合,電流自体が温度上昇に影響しない範囲で必要な精度を得られる十分に大きな

電流とする(通常,この精度を保つには,定格電流の 10 %を超えない値がよい。

A.4

永久磁石同期機の停止及び冷却の開始時点

試験の終了時に,永久磁石同期機を可能な限り迅速に停止させる。

試験中の永久磁石同期機のブレーキには,通電しない方法が望ましい。その場合の冷却開始時点は,主

回路をブレーキの直前に開路し,同時に各冷却風を止めた時点とする。

この方法が実施困難であれば,永久磁石同期機が迅速に停止し,しかも負荷電流がブレーキ中にほぼ一

定の状態で通電されるような方法を採用してもよい。その冷却開始時点は,負荷電流が試験値の 80 %に低

下した時点とし,この時点で冷却風を止める。

A.5

高温時の抵抗測定並びに冷却及び加熱曲線の外挿

各巻線の抵抗測定は冷却開始後 45 秒間以内に開始し,少なくとも 5 分間維持する。

各巻線の抵抗測定の間隔は最初の 3 分間は 20 秒間を超えず,以後は 30 秒間を超えないものとする。

試験終了後 45 秒間以内に停止することが困難な大形の永久磁石同期機に対しては,

特殊なブレーキ装置

の設置と 2 分間を超えない時間延長について,受渡当事者間で協定する。

これらの測定値から計算した温度上昇は,温度を対数目盛,時間を線形目盛とした時間の関数として示

す。このようにして得られた曲線を冷却開始時点まで外挿し,試験終了時点の温度上昇を求める。


21

E 6103

:2015

附属書 B

規定)

主電動機の動力伝達損失の協定値

B.1

主電動機の動力伝達損失の協定値

主電動機の動力伝達損失の協定値が効率計算に含まれている場合,それらの協定値は,

図 B.1

に従う。

図 B.1

主電動機の動力伝達損失の協定値

曲線 a:平行カルダン軸の一組の歯車における減速段ごとの損失。

曲線 b:直角カルダン軸の一組の歯車における減速段ごとの損失。
両曲線には懸架装置又は歯車箱の軸受損失が含まれている。

 
注記  これらの協定損失は,特別な指定条件がない場合の車両性能

の計算に用いる。これらの値は,回転機類又は歯車装置の受
取り又は拒絶の基準ではない。


22

E 6103

:2015

附属書 C 

参考)

騒音測定及び限度

C.1

騒音測定

騒音測定が必要な場合,使用者がその測定を指定し,注文の永久磁石同期機のうちから 1 台について,

次のように実施する。ただし,使用者が受け入れれば,以前に製造された同等の永久磁石同期機について,

この附属書の試験方法に基づいて試験された記録によって,騒音測定の要件を満たしているとみなしても

よい。

a

)  永久磁石同期機によって発生する音圧レベルの測定及び音響パワーレベルの計算は,

C.1 c

)

の代替方

法のいずれかが適用されない限り,

C.5

及び

C.6

に従って行わなければならない。

b

)  最大音響パワーレベル及び純音の補正は,

C.7

及び

C.8

に示す。

c

)  音響パワーレベルを決定するために,

JIS Z 8732

JIS Z 8733

JIS Z 8734

JIS Z 8736-1

JIS Z 8736-2

ISO 3743-1

又は

ISO 3743-2

のいずれかを用いてもよい。

d

)

JIS Z 8733

で要求される環境条件を満たすことができない場合,特に,

ISO 3746

又は

ISO 3747

で指

定された,シンプルだが精度の低い方法を使用することができる。ただし,測定の不正確さに対する

補正を

ISO 3746

又は

ISO 3747

に従って施さない場合には,

表 C.1

の補正値を 2 dB 増加させて適用す

る。

e

)  定格負荷条件の下で試験をする場合,

JIS Z 8736-1

又は

JIS Z 8736-2

の方法が望ましい。しかし,負

荷機及び補助装置が音響的に隔離されたり,又は試験環境外に配置されている場合,他の方法を用い

てもよい。

C.2

用語及び定義

この附属書で用いる主な用語及び定義は,次による。

C.2.1

音圧レベル

(sound pressure level)

次の式で表す音圧レベル。

0

10

p

log

20

p

p

L

=

ここに,

L

p

音圧レベル(dB)

p

測定した音圧(

μ

Pa)

p

0

p

と同じように表した基準音圧(

μ

Pa)

p

0

=20

μ

Pa

C.2.2

騒音レベル

(sound level)

JIS C 1509-1

に準拠する騒音計から読み取った騒音レベル。

C.2.3

騒音スペクトル

(noise spectrum)

周波数範囲で表した音圧レベル分布を示すスペクトル。スペクトルは,使用した分析装置のバンド幅特

性に左右される。


23

E 6103

:2015

C.2.4

帯域音圧レベル

(band pressure level)

指定された周波数帯域に対し,その帯域内に含まれる騒音エネルギーに対応する実効音圧レベル。

C.2.5

音響パワーレベル

(sound power level)

次の式で表す音響パワーレベル。

0

10

w

log

10

W

W

L

=

ここに,

L

w

音響パワーレベル(dB)

W

測定した音響パワー(pW)

W

0

W

と同じように表した基準音響パワー(pW)

W

0

=1(pW)

C.2.6

規定の測定位置

(precribed path)

測定位置及び測定点は,この附属書の図に示した位置。

C.2.7

等価半球

(equivalent hemisphere)

r

S

と表し,測定位置及び測定点を想定した永久磁石同期機を取り巻く仮定半球。

C.3

試験条件

C.3.1

永久磁石同期機の状態

永久磁石同期機から,その取付部へ伝ぱ(播)する振動又は試験室のほかの場所への振動は,試験室の

音圧レベルに影響を与えることがあるため,例えば,適切に設計した弾性支持装置の上に永久磁石同期機

を取り付けて,そのような影響が最小になるようにする。

永久磁石同期機は全てのカバーも所定位置に取り付けた完備品とするが,その他の装置とは一切結合し

ない。永久磁石同期機は,本来組み合わせるべき歯車装置なしで試験する。別置きの送風機で送風する強

制通風永久磁石同期機は,その正規の冷却風量で試験するが,送風機自体の騒音が測定結果に影響しない

よう配置する。

C.3.2

運転条件

永久磁石同期機は,定格回転速度で無負荷運転するか,又は可変速式であれば,運転上の最高回転速度

で無負荷運転をする。

複数の特定の回転速度で運転するように設計されている永久磁石同期機は,

その各々

の回転速度で試験する。両方向に回転できる永久磁石同期機は,両回転方向で試験する。

C.3.3

暗騒音

各測定値は暗騒音,すなわち,測定点における試験中の永久磁石同期機以外のあらゆる騒音の影響を補

正する。暗騒音には,試験装置の騒音も含む。

永久磁石同期機が試験中でないとき,試験中のときと同じ測定点で,それぞれのオクターブバンドごと

に暗騒音を測定する。

騒音の測定は,測定値と暗騒音との差が,少なくとも 10 dB 以上となる条件にて行われなければならな

い。暗騒音との差が 10 dB 未満の場合は,

表 C.1

の補正を適用する。


24

E 6103

:2015

表 C.1

暗騒音の補正

単位  dB

永久磁石同期機の騒音と

暗騒音との差

測定値から差し引かれる値

3

4∼5 
6∼9



1

3 dB の補正を適用するときは,括弧内に補正したレベルを記録することが望ましい。

一般的に,暗騒音との差が 3 dB 未満である場合は,測定値に信頼性がないため測定する意味がない。

C.4

測定器

C.4.1

等級

騒音計は,

JIS C 1509-1

に規定するクラス 1(精密騒音計相当)に準拠するものを使用することが望まし

い。ただし,

JIS C 1509-1

に規定するクラス 2(普通騒音計相当)を使用してもよい。騒音分析に使用さ

れるフィルタは,

JIS C 1514

に規定する“クラス 1”とするのがよい。

C.4.2

測定装置の校正

測定装置の可聴周波数での全帯域特性の詳しい調査及び必要な調整は,騒音測定の直前に行い,測定終

了後に再確認することが望ましい。さらに,検定試験室における詳細な校正は,最低 2 年ごとに 1 回実施

するのが望ましい。

C.4.3

測定器及び観察者の位置

反響が原因となる測定誤差を減らすために,マイクの位置は,測定増幅器又はフィルタからは少なくと

も 0.3 m,観察者からは少なくとも 1 m の距離を確保する。

永久磁石同期機の騒音に指向性がある場合,若干反響のある場所で測定した結果は,概略値の騒音測定

とみなすのがよい。

C.5

測定方法

C.5.1

方法

あらゆる種類の永久磁石同期機の騒音測定は,

図 C.1

又は

図 C.2

に示した規定の測定位置で行う。

永久磁石同期機の最大長さ寸法 が 0.25 m 以上(軸部は除く。

)ある永久磁石同期機の測定位置は,永

久磁石同期機の表面から 1 m とする。

l

が 0.25 m 未満の場合は,永久磁石同期機の表面からの距離 は,4l∼1 m とするが,0.25 m より小さく

してはならない。

横軸形永久磁石同期機の場合,規定の測定位置 は,床面と平行な軸中心高さ又は地上から 0.25 m のい

ずれか高い方の位置とする(

図 C.1

参照)

縦軸形永久磁石同期機の場合,規定の測定位置 は,永久磁石同期機の最大高さ寸法 の 1/2 の高さの

床面に平行な面位置とする。ただし,0.25 m よりも低くしない(

図 C.2

参照)

全ての永久磁石同期機の場合,垂直面にある規定の測定位置は,軸中心を通る面である。

C.5.2

測定位置

規定の測定位置は,

図 C.1

及び

図 C.2

に示す。その中にある 5 点の基準測定点及びその点から 1 m ごと

の各点を測定位置とする。


25

E 6103

:2015

C.5.3

決定すべき物理量

C.5.1

の測定位置から,それぞれの測定点で,次の物理量を決める。

a

) dB(A)で表す騒音レベル。

b

)  平たん特性に設定した騒音計又は平たん特性に設定できない場合は,C スケール補正にセットした騒

音計の 125 Hz∼4 000 Hz のオクターブバンドの音圧レベル。

a)

  縦断面上の測定位置

b)

  横断面上の測定位置

(床面からの高さ の位置)

単位  m

l d 

≧0.25 1

<0.25 4ld≦1

d

>0.25

h

: 軸中心高さ,又は 0.25 m のいずれか高い方

X: 基準測定点

0: その他の測定点(基準測定点から 1 m ピッチの測定点)

 ab: 永久磁石同期機中心から測定点までの距離 

c

: 永久磁石同期機中心から測定点までの距離に を加えた距離

l

: 永久磁石同期機の最大長さ寸法(軸端部は除く。

d

: 永久磁石同期機表面からの距離

図 C.1

横軸形永久磁石同期機の測定位置及び測定点


26

E 6103

:2015

a)

  縦断面上の測定位置 

単位  m

H d 

≧0.25 1

<0.25 4Hd≦1

d

>0.25

b)

  横断面上の測定位置

(床面からの高さ の位置)

h

: H/2 又は,0.25 m のいずれか高い方

X: 基準測定点

0: その他の測定点(基準測定点から 1 m ピッチの測定点)

 ab: 永久磁石同期機中心から測定点までの距離 

c

: 永久磁石同期機中心から測定点までの距離に を加えた距離

H

: 永久磁石同期機の最大高さ寸法(軸端部は除く。

d

: 永久磁石同期機表面からの距離

図 C.2

縦軸形永久磁石同期機の測定位置及び測定点


27

E 6103

:2015

C.6

計算

C.6.1

測定値の補正

各測定点における測定結果は,暗騒音の影響を補正する。暗騒音とは試験を行う永久磁石同期機の騒音

以外の騒音で,試験装置の騒音も含めた騒音である(

C.3.3

参照)

C.6.2

平均レベル計算

次の式に従い,全ての測定位置における測定結果から(

C.6.1

による補正後)

,平均騒音レベル及び帯域

平均音圧レベルを計算する。





+

+

+

=

10

log

anti

10

log

anti

10

log

anti

1

log

10

)

(

p

10

)

2

(

p

10

)

1

(

p

10

10

p(M)

n

L

L

L

n

L

(dB)

ここに,

L

p(M)

平均騒音レベル(A)

(又は帯域平均音圧レベル)

(dB)

L

p(1)

最初の位置における騒音レベル(A)

(又は平均帯域音

圧レベル)

(dB)

L

p(n)

n

番目の位置における騒音レベル(A)

(又は帯域音圧レ

ベル)

(dB)

n

測定位置番号

(参考

10

)

1

(

p

10

)

1

(

p

10

10

log

anti

L

L

=

各測定位置における測定結果に 5 dB を超える差がないとき,測定読み値の単純な算術平均は,この式で

計算した値に対して,0.7 dB を超えない。

C.6.3

等価半球の半径及び領域の計算

基準半径での平均レベル計算では,

図 C.1

及び

図 C.2

にある測定位置に沿った測定は,等価半球の半径

で行ったものとみなしてもよい。

(

)

5

.

0

S

2





+

=

c

b

a

r

ここに,

r

S

等価半球の半径(m)

a

bは,

図 C.1

及び

図 C.2

で示してあるとおりである。

この等価半球領域は,次の式によって計算できる。

S

=π a (bc)(m

2

注記

  規定した半径 r

S

をもつ等価半球領域は,測定路位置に示された表面領域より少し小さい。

C.6.4

概算によるオクターブバンド音響パワーレベル計算

測定した平均音圧レベルに関し,試験室の影響を考慮してオクターブバンド平均音圧レベルから,オク

ターブバンド音響パワーレベルを推定することができる。

音響パワーW

r

が既知の,点音源とみなせるほどの,小形の広帯域基準音源(ある種の空力学的騒音源は,

適さない。

)を使用して,この影響を確定することができる。

注記

  試験する永久磁石同期機が小形で,広帯域騒音特性をもつならば,基準音源として扱うことが

できる。

まず,基準音源の(オクターブバンド内の)音響パワーW

r

を,

C.5.1

の方法によって,確定する。そし

て,若干反響のある試験室において,試験対象の永久磁石同期機を基準音源に置き換え,試験対象の永久

磁石同期機と同じ測定点の測定から推定したオクターブバンド平均音圧レベルを算出する。

次の式によって,試験対象の永久磁石同期機のオクターブバンド音響パワーレベルを確定することがで

きる。


28

E 6103

:2015

0

Mr

10

0

M

10

0

r

10

0

10

log

20

log

20

log

10

log

10

p

p

p

p

W

W

W

W

+

=

又は  L

w

L

w(r)

L

p(M)

L

p(Mr)

ここに,

L

w

試験対象の永久磁石同期機のオクターブバンド音響パ
ワーレベル(dB)

L

w(r)

基準音源の規定のオクターブバンド音響パワーレベル
(dB)

L

p(M)

試験対象の永久磁石同期機の測定したオクターブバン
ド平均音圧レベル(dB)

L

p(Mr)

基準音源のオクターブバンド平均音圧レベル(dB)

C.6.5

A

スケール騒音レベルの計算

C.6.4

に従って得たオクターブバンド音響パワーレベルから,音圧レベルの代わりに音響パワーレベルを

読み取り,

C.6.7

の方法に従い概略の A スケール騒音レベルを計算する。

C.6.6

オクターブバンド概算平均音圧レベルの計算

C.6.4

に従って計算したオクターブバンド音響パワーレベルから 18 dB を減じることによって,基準半径

3 m におけるオクターブバンド自由場平均音圧レベルを推定できる。

C.6.7

A

スケール平均騒音レベル計算

C.6.6

のオクターブバンド音圧レベルから,次によって基準半径 3 m 点の A スケール平均騒音レベルを

計算する。

a

)

C.6.6

のオクターブバンド音圧レベルには,

表 C.2

の補正を適用する。

表 C.2

オクターブバンド音圧レベルの補正

オクターブバンド中心周波数

Hz

補正

dB

 125 
 250 
 500 
 1

000

 2

000

 4

000

−16

−9 
−3

0

+1 
+1

b

)  次の式によって,これらのオクターブバンド加重音圧レベルを合計する。

+

+

+

=

10

log

anti

10

log

anti

10

log

anti

log

10

)

06

(

p

10

)

02

(

p

10

)

01

(

p

10

10

)

M

(

A

L

L

L

L

ここに,

L

A(M)

A スケール平均騒音レベル(dB)

L

p(01)

最初のオクターブバンド加重音圧レベル(dB)

L

p(06)

6 番目のオクターブバンド加重音圧レベル(dB)

C.7

純音の補正

純音の存否を確定するために,

最高音圧レベルの測定点において,FFT 分析を用いて周波数走査を行う。

中心が 250 Hz∼4 000 Hz の範囲内のどの 1 オクターブバンドにも,一つ以上の純音の存在が認められた

ときは,その音を中心とする 1/3 オクターブバンドの音圧レベル L

p

が隣接する二つの 1/3 オクターブバン

ドのレベル L

p

1

L

p

1

の平均より 5 dB 以上高い場合に限って,純音が存在するとみなされる。このような

場合,測定から求めた音響パワーレベルは,

表 C.3

の補正で加算させなければならない。1 オクターブバ


29

E 6103

:2015

ンド以上の範囲に純音が複数存在する場合は,個々の dB 補正のうち,最大のものを加算する。

2

1

p

1

p

p

+

+

=

Δ

L

L

L

L

表 C.3

純音の補正

平均以上のデシベル

補正

dB

5<ΔL≦6 
6<ΔL≦8 
8<ΔL≦10

ΔL>10




6

注記  Δは,純音が含まれる 1/3 オクターブバンドと,隣接

する二つの 1/3 オクターブバンドの平均との差。

C.8

騒音限度

永久磁石同期機の主電動機及び主発電機に推奨される最大音響パワーレベルは,純音に対する何らかの

補正を含めて,

図 C.3

に従う。その他の形式の補機の場合は,

IEC 60034-9

に規定された値とする。

推奨される限度は,通常の設計及び製造規格に基づく主電動機で達成可能な値である。それよりも低い

値の要求に対しては,主電動機の質量増と防音構造の複雑さとが増すことになる。

図 C.3

永久磁石同期機から放射される空中騒音に対する平均音響パワーレベルの限度


30

E 6103

:2015

附属書 D 

規定)

運転路線の電車線電圧

D.1

一般

電車線の公称電圧,最低電圧及び最高電圧は,使用者が指定する。それらの値は,

IEC 60850

で採用し

ている標準値とすることが望ましい。

注記

IEC 60850

の電車線電圧に関する内容は,

JIS E 5004-1

:2006 の

表 0A

に掲載されている。

公称電圧は,電動機の定格及び特性の基礎であり,また,車両性能を計算するための基礎である。公称

電圧以外の電圧における性能は,

本質的に変わるものであり,

性能変化を減らすように制御してもよいが,

広範な電車線電圧の変動範囲にわたって一定性能を保持することは一般に望ましくない。

補機は,規定の補助電源の出力電圧変動範囲内のいかなる電圧に対しても十分な性能を保ち,車両の運

転ができるものとするが,最低電圧における運転時間に制限を設けてもよい。


31

E 6103

:2015

附属書 E

規定)

使用者及び製造業者の協定事項

E.1

製造業者との協定が必要な使用者の特別な要求事項

関連する項目

内容

箇条

4

特別な(例外的な)環境条件

5.4

規定特性の供給電圧

6.2

IEC 60034-8

によらない端子及びリード線の表示

7.2.2

試験時と実使用時との電源の類似性

8.1.6

短時間過負荷温度上昇試験の試験条件

箇条

10

調査試験

附属書 C

騒音測定及び限度

附属書 D

運転路線の電車線電圧

E.2

使用者との協定が必要な製造業者の特別な要求事項

関連する項目

内容

3.1

定格

5.5

実績のある特性と異なる決定特性

7.1

試験の重複

7.3

簡易形式試験

8.1.2

特別な外部冷却方式の取決め

8.1.6

短時間過負荷温度上昇試験方法の代替方式及び追加温度測定(使用者が実施を規定して

いる場合)

9.3

高速試験及びその条件

A.5

特殊なブレーキ装置の設置及び最初の抵抗測定を開始する時間の延長

E.3

使用者と製造業者との間で協定しておくべき

その他の特別な要求事項

関連する項目

内容

3.6

等価定格

3.7

保証定格

5.3

巻線及び永久磁石の基準温度

8.1.5

この規格で規定する温度上昇限度を下回る温度上昇限度の設定

9.1

温度上昇試験の追加

9.3

受渡試験としての高速試験

9.5

形式試験と同等の振動測定


32

E 6103

:2015

附属書 JA

参考)

日本で実施されている調査試験

JA.1

一般

この附属書は,対応国際規格では規定されていないが,受渡当事者間で必要と認めた場合に行う調査試

験の項目を参考情報として記載する。調査試験の項目及び該当細分箇条を,

表 JA.1

に示す。

表 JA.1

附属書 JA による調査試験

試験項目

該当細分箇条

負荷試験

JA.2 

無負荷損失特性の測定

JA.3 

特殊温度上昇試験

JA.4 

通風特性試験

JA.5 

誘電正接測定

JA.6 

軸電圧測定

JA.7 

JA.2

負荷試験

JA.2.1

電力変換装置電源による負荷試験

永久磁石同期機を電力変換装置電源によって定格周波数で運転し,負荷率(トルク)を可能な限り変化

させ,各負荷率において,電流位相角を変化させたときの入力,電流,電圧及びトルクを測定し,記録す

る。その測定結果から電流が最小となる電流位相角を求め,記録する。

試験は永久磁石の温度を基準温度の状態で実施し,永久磁石の温度も測定する。

JA.2.2

正弦波電源による負荷試験

永久磁石同期機を同期引き入れ後,正弦波電源によって定格周波数で運転する。負荷率(トルク)を可

能な限り変化させ,各負荷率において電圧を可能な限り変化させたときの入力,電流,電圧及びトルクを

測定し,記録する。その測定結果から電流が最小となる電圧を記録する。

試験は永久磁石の温度を基準温度の状態で実施し,永久磁石の温度も測定する。

JA.3

無負荷損失特性の測定

無負荷損失特性の測定は,次による。永久磁石同期機の場合,無負荷試験の際に,誘導機のように電圧

を小さくすることは困難であるため,電流最小点付近まで電圧を下げる。

a

)

機械損

  定格周波数で無負荷運転し,電圧を可能な限り変化させたときの電圧,電流及び入力を測定

する。電圧の 2 乗を横軸として各測定値及び無負荷損(入力−銅損)の値を示し,その結果を直線近

似したときの傾きの逆数(鉄損抵抗 R

c

相当)と切片(機械損 W

m

相当)とを求める(

図 JA.1

参照)

 
 
 
 
 
 


33

E 6103

:2015

 

図 JA.1

損失分離

b

)

鉄損

  無負荷試験の結果によって,入力から無負荷電流による一次抵抗損及び機械損を減じた値を鉄

損とする。鉄損は,式(JA.1)によって算出する。

m

1

2

0

0

c

2

3

W

R

I

W

W

=

  (JA.1)

ここに,

W

c

鉄損(W)

W

0

無負荷時の入力(W)

I

0

無負荷電流(A)

R

1

各端子間において測定した一次巻線抵抗の
平均値(Ω)

W

m

機械損(W)

JA.4

特殊温度上昇試験

JA.4.1

過負荷温度上昇試験

永久磁石同期機を指定された通風状態で各部の温度と周囲温度との差が 5 K 以内の冷状態から,定格電

圧及び定格周波数で受渡当事者間で協定した数種の過負荷電流で運転する。いずれかの部分が受渡当事者

間で協定した温度上昇限度に達するまで連続運転し,温度上昇値を求める。負荷電流,温度上昇値及び運

転時間との関係を曲線で示し,過負荷温度上昇特性を求める。

JA.4.2

通風量変化温度上昇試験

永久磁石同期機を定格電圧,定格周波数及び受渡当事者間で協定した電流で運転する。受渡当事者間で

協定した数種の通風量で,各部の温度がほぼ一定となるまで運転し,温度上昇値を求める。通風量と温度

上昇値との関係を曲線で示し,通風量変化温度上昇特性を求める。

JA.5

通風特性試験

JA.5.1

自己通風永久磁石同期機の場合

自己通風永久磁石同期機の場合は次による。

a

)

回転速度−風量特性

  永久磁石同期機を無負荷で運転し,受渡当事者間で協定した数種類の回転速度

で通風量を測定する。回転速度と通風量との関係を曲線で示し,回転速度−風量特性を求める。

b

)

風量−静圧特性

  永久磁石同期機の通風取入口に風道及び絞り装置を設け,永久磁石同期機を受渡当

事者間で協定した数種類の回転速度で無負荷で運転する。各回転速度で絞りを変えた場合の通風量及

び永久磁石同期機の通風取入口の静圧を測定する。回転速度をパラメータとした通風量と静圧との関

機械損 W

m

鉄損 W

c

直線の傾き 1/R

c

電圧の 2 乗

入力−銅損


34

E 6103

:2015

係を曲線で示し,風量−静圧特性を求める。

JA.5.2

強制通風永久磁石同期機の場合

永久磁石同期機の通風取入口に風道及び送風機を設け,永久磁石同期機を静止状態から最高使用回転速

度までの範囲の受渡当事者間で協定した数種類の回転速度で無負荷で運転する。各回転速度で通風量を変

えた場合の永久磁石同期機の静圧を測定し,回転速度をパラメータとした通風量と静圧との関係を曲線で

示し,風量−静圧特性を求める。

JA.5.3

測定方法

静圧及び通風量は,

JIS B 8330

によって測定する。

JA.6

誘電正接測定

9.4 b

)に規定する耐電圧試験の試験電圧値の約 20∼50 %の交流電圧を加え,巻線の誘電正接を測定し,

印加電圧と誘電正接との関係を求める。

JA.7

軸電圧測定

永久磁石同期機を定格電圧及び定格周波数で無負荷で運転し,回転子の両軸端間に発生する軸電圧を測

定する。


35

E 6103

:2015

参考文献

JIS C 1509-1

  電気音響−サウンドレベルメータ(騒音計)−第 1 部:仕様

注記

  対応国際規格:

IEC 61672-1

,Electroacoustics−Sound level meters−Part 1: Specifications(IDT)

JIS C 1509-2

  電気音響−サウンドレベルメータ(騒音計)−第 2 部:型式評価試験

注記

  対応国際規格:

IEC 61672-2

,Electroacoustics−Sound level meters−Part 2: Pattern evaluation tests

(IDT)

JIS C 1514

  オクターブ及び 1/N オクターブバンドフィルタ

注記

  対応国際規格:

IEC 61260

,Electroacoustics−Octave-band and fractional-octave-band filters(IDT)

JIS C 2502

  永久磁石材料

注記

  対応国際規格:

IEC 60404-8-1

,Magnetic materials−Part 8-1: Specifications for individual materials

−Magnetically hard materials(MOD)

JIS C 4034-2-1

  回転電気機械−第 2-1 部:単一速度三相かご形誘導電動機の損失及び効率の算定方法

注記

  対応国際規格:

IEC 60034-2-1

,Rotating electrical machines−Part 2-1: Standard methods for

determining losses and efficiency from tests (excluding machines for traction vehicles)(MOD)

JIS E 5004-1

:2006  鉄道車両−電気品−第 1 部:一般使用条件及び一般規則

JIS E 5008

:2009  鉄道車両−電力変換装置

注記

  対応国際規格:

IEC 61287-1

,Railway applications−Power converters installed on board rolling stock

−Part 1: Characteristics and test methods(MOD)

JIS Z 8732

  音響−音圧法による騒音源の音響パワーレベルの測定方法−無響室及び半無響室における

精密測定方法

注記

  対応国際規格:

ISO 3745

,Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources using

sound pressure−Precision methods for anechoic and hemi-anechoic rooms(MOD)

JIS Z 8733

  音響−音圧法による騒音源の音響パワーレベルの測定方法−反射面上の準自由音場におけ

る実用測定方法

注記

  対応国際規格:

ISO 3744

,Acoustics−Determination of sound power levels and sound energy levels of

noise sources using sound pressure−Engineering methods for an essentially free field over a reflecting

plane(MOD)

JIS Z 8734

  音響−音圧法による騒音源の音響パワーレベルの測定方法−残響室における精密測定方法

注記

  対応国際規格:

ISO 3741

,Acoustics−Determination of sound power levels and sound energy levels of

noise sources using sound pressure−Precision methods for reverberation test rooms(IDT)

JIS Z 8736-1

  音響−音響インテンシティによる騒音源の音響パワーレベルの測定方法−第 1 部:離散点

による測定

注記

  対応国際規格:

ISO 9614-1

,Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources using

sound intensity−Part 1: Measurement at discrete points(IDT)

JIS Z 8736-2

  音響−音響インテンシティによる騒音源の音響パワーレベルの測定方法−第 2 部:スキャ

ニングによる測定

注記

  対応国際規格:

ISO 9614-2

,Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources using

sound intensity−Part 2: Measurement by scanning(IDT)


36

E 6103

:2015

IEC/TS 60034-17

,Rotating electrical machines−Part 17: Cage induction motors when fed from converters−

Application guide

IEC/TS 61287-2

,Power convertors installed on board railway rolling stock−Part 2: Additional technical

information

ISO 3743-1

,Acoustics−Determination of sound power levels and sound energy levels of noise sources using

sound pressure−Engineering methods for small movable sources in reverberant fields−Part 1: Comparison

method for a hard-walled test room

ISO 3743-2

,Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources using sound pressure−

Engineering methods for small, movable sources in reverberant fields−Part 2: Methods for special

reverberation test rooms

ISO 3746

,Acoustics−Determination of sound power levels and sound energy levels of noise sources using sound

pressure−Survey method using an enveloping measurement surface over a reflecting plane

ISO 3747

,Acoustics−Determination of sound power levels and sound energy levels of noise sources using sound

pressure−Engineering/survey methods for use in situ in a reverberant environment


37

E 6103

:2015

附属書 JB

参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS E 6103:2015

  鉄道車両−永久磁石同期機

IEC 60349-4:2012

,Electric traction−Rotating electrical machines for rail and road

vehicles−Part 4: Permanent magnet synchronous electrical machines connected to an 
electronic converter

(I)JIS の規定

(II)

国際規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差

異の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

1  適用範

鉄道車両用永久磁石
電 動 機 又 は 発 電 機

(インバータ駆動)

について規定。

 1 鉄道車両用及び道路車両

用永久磁石電動機又は発

電機(インバータ駆動)

について規定する。

削除

適用範囲は鉄道車両用に限り,
道路車両用を削除した。

JIS

の前置き要素に従ったため。

IEC

への改正提案はしない。

情報交換

1

永久磁石同期機及び電力
変換装置の双方の設計者

間における連携を図る。

削除

永久磁石同期機と電力変換装置
との連携についての規定は,適

用範囲でなく,5.1 情報交換で扱

うようにしたが,5.1 に同じ内容
が規定されているため,削除し

た。

重複した規定内容を削除する。

IEC

規格見直しの際,

提案を行う。

適用範囲の規定内容

1

JIS

にほぼ同じ

変更

対応国際規格の注記 1∼注記 4

は,適用範囲に関係する内容で
あり,

“注記”を外して規定文に

取り入れた。

適用範囲を明確にした。

IEC

規格見直しの際,

提案を行う。

2  引用規

3  用語及
び定義

3 用語及び定義の引
用規格

 3 次の用語及び定義のほか

に,IEC 60050 の規格群

を引用する。

削除

IEC 60050

の 規 格 群 を 削 除 し

た。

IEC

規格見直しの際,

提案を行う。

37

E 61

03

201

5


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E 6103

:2015

(I)JIS の規定

(II) 
国際規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

3  用語及
び 定 義
(続き)

3.1  定格

3.1

定格は製造業者が指定す

る。

変更

定格は製造業者が提示し,受渡

当事者間で協定する。

日本の実情に合わせた。

IEC

規格見直しの際,

提案を行う。

3.1.1

定格値

削除

本体で使用されておらず,3.1
の定義と重複するため,削除し

た。

IEC

規格見直しの際,

提案を行う。

3.7  保証定格

3.1.8

主電動機及び主発電機の

保証定格

削除

本体で使用されていないため,
3.7 で扱うようにした。

IEC

規格見直しの際,

提案を行う。

3.1.9

補助電動機及び補助発電
機の保証定格

3.13  起電力

3.5 EMF

追加 EMF

の 説 明 と し て

“electromotive force”を追加し

た。

IEC

規格見直しの際,

提案を行う。

3.16  最高使用回転速

3.8.1

主電動機の最高使用回転
速度

削除

本体で使用されていないため,
3.16 で扱うようにした。

IEC

規格見直しの際,

提案を行う。

3.8.2

主発電機又は補助発電機

の最高使用回転速度

3.8.3

補機の最高使用回転速度

3.16A  規定値

追加

“規定値”の定義を追加した。

IEC

規格見直しの際,

提案を行う。

3.16B  決定値

追加

“決定値”の定義を追加した。

IEC

規格見直しの際,

提案を行う。

4  使用条

標高,温度  4

標高は IEC 62498-1 のク

ラ ス A3 , 温 度 は IEC 

62498-1

のクラス T1

追加

変更

標高及び温度に具体的な数値を

追加し,温度クラスを国内気候
の標準であるクラス T4 に変更

した。

日本の試験事情による。

IEC

への改正提案はしない。

温度

b)

使用者は…特別に厳しい

使用環境…を製造業者に
知 ら せ な け れ ば な ら な

い。

変更

特別に厳しい,との条件を除外

した。

日本の実情に合わせた。

IEC

への改正提案はしない。 

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E 6103

:2015

(I)JIS の規定

(II) 
国際規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

5  特性 5.3

基準温度   5.3

基 準 温 度 は , 巻 線 を
150  ℃ 及 び 永 久 磁 石 を
100  ℃とする。

追加

基準温度は,受渡当事者間の協

定によって変更してもよいこと
を追加した。

日本の実情に合わせた。

IEC

規格見直しの際,

提案を行う。

8  形式試

8.1.2  定 格 試 験 で の
冷却

 8.1.2

追加

強制通風による冷却の場合,JIS 

B 8330

で規定する試験装置を

用いて,静圧及び風量を測定し
てもよい。

日本の実情に合わせた。

IEC

への改正提案はしない。

8.2.2.1  主電動機

8.2.2.1

簡易形式試験の固定子巻

線の温度上昇は,既に実

施した形式試験の結果の
±8 %又は±10 K のいず

れか大きい値を超えては

ならない。

変更

簡易形式試験の固定子巻線の温

度上昇は,既に実施した形式試

験の結果の±12 %又は±15 K
のいずれか大きい値を超えては

ならない。

日本の実情に合わせた。

IEC

規格見直しの際,

提案を行う。

8.5  騒音測定   8.5

騒音測定は,附属書 C に
よって行う。

選択

種別 2 に,騒音測定は無負荷で
騒音レベルを測定する規定を追

加した。

WTO/TBT 協定の例外事項に該当
するため,IEC への改正提案はし

ない。

9  受渡試

9.2.1A  一次巻線抵抗
の測定

追加

特性試験を行う前に,一次巻線

抵 抗 を 測 定 す る 規 定 を 追 加 し
た。

日本の実情に合わせた。

IEC

規格見直しの際,

提案を行う。

 9.4

耐電圧試験

9.4

耐電圧の試験電圧は,表 3

に規定する。

選択

種別 2 による試験電圧を表 3A

に追加した。

日本の実情に合わせた。

IEC

への改正提案はしない。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 60349-4:2012,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

    −  選択……………… 国際規格の規定内容とは異なる規定内容を追加し,それらのいずれかを選択するとしている。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

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