>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

E 6006

:2013

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

1

4

  試験条件  

3

4.1

  試験場所の共通的条件  

3

4.2

  電源の電圧及び周波数  

3

4.3

  試験用補助器具  

3

5

  試験の種類及び項目  

4

5.1

  試験の種類  

4

5.2

  試験項目  

4

6

  試験方法  

5

6.1

  地上・車上伝送静特性試験  

5

6.2

  応動距離特性試験  

5

6.3

  応動時間特性試験  

5

6.4

  ノイズレベル測定試験  

6

6.5

  車上送受信装置出力試験  

6

6.6

  車上送受信装置入力試験  

6

6.7

  出発制御機能試験  

6

6.8

  定速走行制御機能試験  

6

6.9

  定位置停止制御機能試験  

7

6.10

  減速制御機能試験  

7

6.11

  惰行制御機能試験  

7

6.12

  速度入力特性試験  

7

6.13

  速度制御情報入力試験  

7

6.14

  ATC 信号優先制御試験  

7

6.15

  地点情報入力試験  

7

6.16

  対地上データ伝送試験  

7

6.17

  車上制御装置出力試験  

7

6.18

  車上制御装置入力試験  

8

6.19

  故障検知機能試験  

8

6.20

  多重系回路動作試験  

8

6.21

  停止精度試験  

8

6.22

  その他の機能の動作試験  

8

6.23

  電源電圧変動試験  

8


E 6006

:2013  目次

(2)

ページ

6.24

  消費電力測定試験  

8

6.25

  絶縁測定試験  

8

6.26

  耐電圧試験  

8

6.27

  サージ試験  

8

6.28

  耐ノイズ試験  

8

6.29

  温度上昇試験  

9

6.30

  低温試験  

9

6.31

  高温試験  

9

6.32

  温湿度サイクル試験  

9

6.33

  振動試験  

9

6.34

  衝撃試験  

9

6.35

  防水及び耐じん(塵)試験  

9

6.36

  連続通電試験  

9

6.37

  組合せ試験  

9

6.38

  構造・外観検査及び寸法測定  

9

附属書 A(参考)参考文献  

10


E 6006

:2013

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

鉄道車輌工業会(JARI)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規

格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規

格である。

これによって,JIS E 6006:2001 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 E

6006

:2013

鉄道車両−自動列車運転装置−試験方法

Rolling stock-Automatic train operating device-Test methods

序文 

この規格は,2001 年に制定され今日に至っている。今回,その後の対象とする装置の技術的内容の進歩,

測定技術及び試験機器の進歩,引用規格の改廃などに対応するために改正した。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

適用範囲 

この規格は,鉄道車両において自動列車制御(ATC)の防護の下で列車の力行,惰行及びブレーキの運

転制御を自動的に行う自動列車運転(ATO)の車上装置

1)

の試験方法について規定する。

なお,対象とする ATO の情報伝送には,無線方式によって地上設備と車上装置との情報伝送を行うもの

は含まない。

1)

地点情報及び自動列車運転関連情報の伝送を行う車上送受信装置と,列車の運転制御を行う車

上制御装置とで構成される装置。ただし,地上と連続的に情報通信を行っているデータ伝送装

置[誘導無線(IR)

,漏えい(洩)同軸ケーブル式列車無線(LCX)など。

]は含まない。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 7507

  ノギス

JIS B 7512

  鋼製巻尺

JIS C 0920

  電気機械器具の外郭による保護等級(IP コード)

JIS E 3013

  鉄道信号保安用語

JIS E 4001

  鉄道車両−用語

JIS E 4031

  鉄道車両用品−振動及び衝撃試験方法

JIS E 5004-1

  鉄道車両−電気品−第 1 部:一般使用条件及び一般規則

JIS E 5006

  鉄道車両−電子機器

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS E 3013 及び JIS E 4001 によるほか,次による。

3.1 

自動列車運転,ATO(Automatic Train Operation)

列車操縦作業の一部又は全部を自動化した列車の運転制御。ATC の防護下で,列車操縦作業である出発,


2

E 6006

:2013

速度制御,駅停車(定位置停止制御)

,緊急時のブレーキなどの一部又は全部を自動化する。

3.2 

TASC

Train Automatic Stop-position Control,  定点停止制御,定位置停止制御) 

列車が駅に停車するとき,自動的にブレーキをかけて,ホームの定位置に停止させるための運転制御。

3.3 

車上送受信装置 

地上との情報伝送を車上子を経由して行い,接続される車上の各機器と伝送情報の授受を行う装置。地

上との伝送方式としては,変周式,ループ式及びトランスポンダ式がある。将来は無線式が導入されるこ

とが考えられるが,現時点では実績がないことから対象外としている。

3.3.1 

変周式 

特定の共振周波数をもつ地上子と車上子との結合によって,車上送受信装置の常時発振周波数を変化さ

せ,それによって地上子の種類を認識する方式。主に地点情報の検知に用いる。

3.3.2 

ループ式 

軌道内に敷設したループ線と車上子との結合によって,地点情報の検知及び双方向でディジタル情報の

伝送ができる方式。

3.3.3 

トランスポンダ式 

地上子と車上子との結合によって,地上と車上との間でディジタル通信を行う方式。地上子が設置され

た場所で,地点情報の検知及び双方向でディジタル情報の伝送ができる。

3.4 

地上送受信装置 

車上との情報伝送を地上子,ループ線などを経由して行い,接続される地上の各機器と伝送情報の授受

を行う装置。車上との伝送方式に応じて,変周式,ループ式及びトランスポンダ式がある。

3.5 

車上子 

車上送受信装置と接続されて,地上子との結合によって地上との情報伝送を行うアンテナ。地上との伝

送方式に応じて,変周式,ループ式及びトランスポンダ式がある。 

3.6 

地上子 

地上送受信装置と接続されて,車上子との結合によって車上との情報伝送を行うアンテナ。

車上子との伝送方式に応じて変周式及びトランスポンダ式がある。トランスポンダ式地上子には,外部

から電源を供給するタイプ,及び外部電源を必要としないで,車上子から送信される電力波を受信して得

られた電力を電源として動作するタイプがある。

3.7 

車上制御装置 

車上送受信装置からの地点情報,車上制御装置内にあらかじめ登録されている路線情報及び ATC からの

速度制御情報に基づいて,列車の自動運転を行うために,力行指令及びブレーキ指令を出力する装置。


3

E 6006

:2013

3.8 

速度センサ 

検出速度に対応した信号を発生して,制御装置,記録装置などに速度情報を送るセンサ。

3.9 

目標速度 

列車の自動運転制御系において走行制御の目標とする速度。

“目標速度”には,次の 3 種類がある。

a)

信号によるもの(ATC 信号の速度情報以下)

b)

地点によるもの[TASC パターン(3.10 参照)など。

c)

前駅からの走行距離によるもの。

なお,a)は 6.8b)は 6.9 及び c)は 6.10 に対応する。

3.10 

TASC

パターン 

駅の定位置停止に必要な目標速度の距離に対するパターン。

試験条件 

4.1 

試験場所の共通的条件 

試験場所の共通的条件は,特に指定がない限り JIS E 5004-1 の 9.1.6A(試験場所の共通的条件)による。

4.2 

電源の電圧及び周波数 

車上装置に供給される電源の電圧及び周波数は,JIS E 5004-1 の 5.2(装置の定格電圧)の

種別 25.4(定

格動作周波数)及び JIS E 5006 の 3.1.1.1(電圧供給の変動範囲)の

種別 による。

4.3 

試験用補助器具 

試験用補助器具は,実稼働時に組み合わされる機器の機能を代行するもので,試験条件の設定,試験結

果の確認の機能を担うものであり,それらの例を,次に示す。

a)

地上模擬試験器  地上送受信装置を模擬して,地上情報の作成,車上情報の測定並びに伝送送信の起

動及び停止の機能をもつ試験器。

b)

模擬速度信号発生器  模擬の速度信号を発生して,車上制御装置に模擬的な走行条件を与える機能を

もつ試験器。

c)

模擬 ATC 車上装置  ATO が自動運転を行うための目標速度を設定するために,車上制御装置に対し

て模擬的に速度制御情報を与える装置。

d)

模擬 ATO 車上制御装置  車上送受信装置から入力した情報が確認できる機能をもつ車上制御装置を

模擬する装置。

e)

模擬 ATO 車上送受信器  模擬的に地上情報の作成,伝送送信の起動停止の機能をもつ車上送受信装

置を模擬する試験器。

f)

模擬表示器  ATO による出発条件,定位置停止,運転状態,力行,ブレーキなどの制御状態を表示す

る試験情報用表示器。

g)

スイッチ類  車両の運転モードを,ATO による運転状態に切り換えて出発指令などを行うスイッチ,

主幹制御器に附属するキーなどによって動作するスイッチ。


4

E 6006

:2013

試験の種類及び項目 

5.1 

試験の種類 

試験の種類は,形式試験,受渡試験及び特殊試験の 3 種類とし,次による。

a)

形式試験  JIS E 5006 の 10.1.1(形式試験)による。

b)

受渡試験  JIS E 5006 の 10.1.2(受渡試験)による。

c)

特殊試験  特殊試験は,車上装置の使用条件などに関する追加情報を得ることを目的として,受渡当

事者間の協定によって必要に応じて行う。

5.2 

試験項目 

試験項目は,

表 のとおりとする。

表 1−試験項目

No.

試験項目

試験の種類

細分箇条

番号

形式試験

受渡試験

特殊試験

1

性能試験

車上送受信装置

地上・車上伝送静特性試験

6.1 

2

応動距離特性試験

6.2 

3

応動時間特性試験

6.3 

4

ノイズレベル測定試験

6.4 

5

車上送受信装置出力試験

6.5 

6

車上送受信装置入力試験

6.6 

7

車上制御装置

出発制御機能試験

6.7 

8

定速走行制御機能試験

6.8 

9

定位置停止制御機能試験

6.9 

10

減速制御機能試験

6.10 

11

惰行制御機能試験

6.11 

12

速度入力特性試験

6.12 

13

速度制御情報入力試験

6.13 

14 ATC

信号優先制御試験

6.14 

15

地点情報入力試験

6.15 

16

対地上データ伝送試験

6.16 

17

車上制御装置出力試験

6.17 

18

車上制御装置入力試験

6.18 

19

共通

故障検知機能試験

6.19 

20

多重系回路動作試験

6.20 

21

停止精度試験

6.21 

22

その他の機能の動作試験

6.22 

23

電源電圧変動試験

6.23 

24

消費電力測定試験

6.24 

25

絶縁測定試験

6.25 

26

耐電圧試験

6.26 

27

サージ試験

6.27 

28

耐ノイズ試験

6.28 

29

温度試験

温度上昇試験

6.29 

30

低温試験

6.30 

31

高温試験

6.31 

32

温湿度サイクル試験

6.32 

33

振動試験

6.33 

34

衝撃試験

6.34 

35

防水試験及び耐じん(塵)試験

6.35 


5

E 6006

:2013

表 1−試験項目(続き)

No.

試験項目

試験の種類

細分箇条

番号

形式試験

受渡試験

特殊試験

36

連続通電試験

6.36 

37

組合せ試験

6.37 

38

構造−外観検査及び寸法測定

6.38 

試験方法 

6.1 

地上・車上伝送静特性試験 

地上模擬試験器及び車上送受信装置を用いて試験を行い,地上子などと車上子とを規定の位置で結合さ

せて,車上送受信装置で次の内容を確認する。

a)

変周式  常時発振周波数が地上子で設定された周波数に変化し,規定の出力が行われることを確認す

る。

b)

ループ式  送受信信号レベル及び送受信内容が適正であることを確認する。形式試験においては,地

上模擬試験器で,車上送受信装置からの受信レベルが規定値を満足することを確認する。

c)

トランスポンダ式  送受信信号レベル及び送受信内容が適正であることを確認する。地上子に対して

電力波を送信する場合は,送信レベル及び周波数を確認する。

6.2 

応動距離特性試験 

地上模擬試験器及び車上送受信装置を用いて試験を行う。

地上子又はループ線と車上子とを相対させて,

上下及び左右方向の最大変位点において,地上子若しくはループ線又は車上子を前後方向に移動させて,

次の試験を行う。

なお,特殊試験は,車両に車上子をぎ装し,車上機器の電源類を全て投入状態とした上で車両を走行さ

せて,実際の線路内に取り付けた地上子などと結合させて同様の試験を行う。

a)

変周式  常時発振周波数が,地上子で設定された周波数に変化して,規定の出力が行われる前後方向

の距離を測定する。

b)

ループ式  受信信号レベルが,規定値以上となる前後方向の距離を測定する。

地上へ送信する情報がある場合は,地上模擬試験器を用いて地上受信レベルが規定値以上となる前

後方向の距離を測定する。

c)

トランスポンダ式  受信信号レベルが,規定値以上となる前後方向の距離を測定する。

地上へ送信する情報については,地上模擬試験器を用いて地上受信レベルが規定値以上となる前後

方向の距離を測定する。地上子に対して電力波を送信する場合は,地上模擬試験器(試験用無電源地

上子)を用いて車上送受信装置の受信レベルが規定値以上となる前後方向の距離を測定する。

なお,特殊試験として実施する場合には,受渡当事者間の協定があれば,必要な応動距離が確保さ

れる位置において,規定の出力が得られることを確認することで,応動距離の測定に代えることがで

きる。

6.3 

応動時間特性試験 

車上子と,地上子又は地上模擬試験器とを結合可能な位置に配置した状態で,次の試験を行う。

a)

変周式  地上子の共振回路を OFF から ON にしてから,車上送受信装置の常時発振周波数が地上子で

設定された周波数に変化し,規定の出力が行われるまでの時間を確認する。

b)

ループ式  地上模擬試験器の送信情報を変化させてから,車上送受信装置が受信情報を処理し,車上


6

E 6006

:2013

制御装置へ出力開始するまでの時間を確認する。

なお,出力形式が並列出力,直列伝送出力及び接点出力のそれぞれについて応動時間の規定がある

場合には,それらについても確認する。

c)

トランスポンダ式  地上模擬試験器の送信情報を変化させてから,車上送受信装置が受信情報を処理

して車上制御装置へ出力開始するまでの時間を確認する。

なお,出力形式が並列出力及び直列伝送出力のそれぞれについて規定がある場合には,それらにつ

いても確認する。

6.4 

ノイズレベル測定試験 

車上に全ての機器が搭載された状態で試験を行う。各機器の機能を起動又は停止させたときの,車上子

に誘起されるノイズレベルを測定する。また,車上送受信装置の動作を,次のように確認する。

なお,この試験は,車上装置が車両に搭載された後に行う特殊試験である。

注記  この試験は,誘導障害試験の一部として行われることがある。

a)

変周式  車上送受信装置の常時発振周波数に変化がないことを確認する。

b)

ループ式  車上送受信装置の受信動作を確認する。

c)

トランスポンダ式  車上送受信装置の受信動作を確認する。

6.5 

車上送受信装置出力試験 

地上子などと車上子とを規定の位置で結合させて,地上模擬試験器で規定の情報を発生させたとき,車

上送受信装置から受信情報が規定の伝送方式によって出力されることを確認する。確認には模擬 ATO 車上

制御装置を用いてもよい。各出力の測定・確認項目を次に示す。

なお,この試験は,車上送受信装置と車上制御装置とが分離した方式の場合に実施し,車上送受信装置

と車上制御装置とが一体化した方式では,両者間の試験は実施しない。

a)

並列出力  各部の出力信号の電圧,電流,周波数などを測定する。

b)

直列伝送  各部の伝送信号波形,伝送手順及び伝送データ内容を確認する。

c)

接点出力  規定の接点シーケンスで出力されることを確認する。

6.6 

車上送受信装置入力試験 

車上送受信装置への入力情報が,規定の伝送方式で入力されることを確認する。確認には模擬 ATO 車上

制御装置を用いてもよい。各入力の測定・確認項目を次に示す。

なお,この試験は,車上送受信装置と車上制御装置とが分離した方式の場合に実施し,車上送受信装置

と車上制御装置とが一体化した方式では,両者間の試験は実施しない。

a)

並列入力  各部の入力信号の電圧,電流,周波数などを測定する。

b)

直列伝送  各部の伝送信号波形,伝送手順及び伝送データ内容を確認する。

c)

接点入力  規定の接点シーケンスで正しく認識されることを確認する。

6.7 

出発制御機能試験 

車上制御装置に模擬的に入力を与え,規定の出発条件

2)

が成立したときに,転動防止ブレーキ

3)

指令を

解除し,力行指令を出力することを確認する。

2)

自動運転での列車の出発を許可する条件(戸閉,速度制御情報,出発指令など)

3)

停車中の列車が勾配などによって自然に動き出さないようにかけておくブレーキ。

6.8 

定速走行制御機能試験 

車上制御装置に模擬速度信号発生器から列車走行状態を与えて,模擬 ATC 車上装置によって ATC から

の出力に相当する速度制御情報を入力したとき,規定の目標速度に追従するように,力行,ブレーキ指令


7

E 6006

:2013

などが出力されることを確認する。

6.9 

定位置停止制御機能試験 

車上制御装置に模擬速度信号発生器から列車走行状態を与えて,模擬走行状態とした後,地上模擬試験

器から定位置停止用地点情報を送信することによって,定位置停止制御が開始されて,列車が規定の位置

に停止するようにブレーキ指令などが出力されることを確認する。TASC パターンを発生して,これに追

随させる方式の場合には,列車速度と目標速度とする TASC パターンとを合わせて測定する。また,距離

補正を行う場合には,模擬的に距離補正地点を通過したときに,目標速度のパターンが補正されることを

確認する。

6.10 

減速制御機能試験 

車上装置が,駅間で定められた減速開始地点を通過したときに減速を行う減速制御機能

4)

をもつ場合に

は,列車走行状態として模擬速度信号発生器から規定の列車速度を与え,減速開始地点を通過後に車上制

御装置の出力が規定のブレーキ指令となることを確認する。

4)

制限速度が下位に変化する地点で,ATC のブレーキ指令が出力される前に,あらかじめ車上装

置からブレーキ指令を出力する制御機能。

6.11 

惰行制御機能試験 

車上装置が目標速度追従のために,指令出力を加減することなく惰行を継続する惰行制御機能

5)

をもつ

場合には,模擬的に列車走行状態として規定の位置,速度などの条件を与えたときに,車上制御装置の出

力が惰行となることを確認する。

5)

駅間の条件に応じて,規定の位置,速度などの条件によって優先的に惰行を指令する制御機能。

6.12 

速度入力特性試験 

速度発電機の出力と等価な波形(電圧及び周波数)を模擬速度信号発生器から入力して,列車速度入力

回路の動作点を確認する。周波数を,最低速度検出速度,中間速度及び最高速度の各々1.1 倍に設定して入

力し,列車速度入力回路の動作点を確認する。

6.13 

速度制御情報入力試験 

模擬 ATC 車上装置によって,ATC からの出力に相当する速度制御情報(制限速度)を車上制御装置に

入力し,制限速度情報が正常に認識されることを確認する。

6.14 ATC

信号優先制御試験 

力行指令において,目標速度が ATC からの ATC 速度情報(制限速度)を超過しないことを確認する。

ブレーキ指令において,目標速度が ATC からの ATC 速度情報(制限速度)を超過した場合には,ATC

速度情報が優先されることを確認する。

6.15 

地点情報入力試験 

地上模擬試験器によって,車上送受信装置の出力に相当する地点情報を車上制御装置に入力して,地点

情報が正常に認識されることを確認する。

6.16 

対地上データ伝送試験 

地上と連続的に情報通信を行っているデータ伝送装置(この規格の対象外)とのデータ伝送試験は,デ

ータ伝送装置,車上制御装置,スイッチ類及び模擬表示器類を用いて行い,データ伝送装置からの受信デ

ータが,規定の伝送手順で車上制御装置へ伝送されることを確認する。また,車上制御装置から送信デー

タが,規定の伝送手順でデータ伝送装置へ伝送されることを確認する。

6.17 

車上制御装置出力試験 

車上制御装置の出力確認試験は,必要な情報が規定の伝送方式によって出力されることを確認する。確


8

E 6006

:2013

認には模擬 ATO 車上送受信器を用いてもよい。各出力方式の測定・確認項目を次に示す。

a)

並列出力  各部の出力信号の電圧,電流,周波数などを測定する。

b)

直列伝送出力  各部の伝送信号の波形,伝送手順及び伝送データ内容を測定する。

c)

接点出力  接点シーケンスを確認し,動作遅延時間を測定する。

6.18 

車上制御装置入力試験 

車上制御装置への入力情報が,規定の伝送方式で入力されることを確認する。確認には模擬 ATO 車上送

受信器を用いてもよい。各出力方式の測定・確認項目を次に示す。

a)

並列入力  各部の入力信号の電圧,電流,周波数などを測定する。

b)

直列伝送  各部の伝送信号波形,伝送手順及び伝送データ内容を確認する。

c)

接点入力  正しく認識されることを確認する。

6.19 

故障検知機能試験 

車上装置に模擬的に故障条件を与え,故障検知機能が規定の動作となることを確認する。

6.20 

多重系回路動作試験 

車上装置が多重系となっている場合は,次によって,その動作を確認する。

a)

出力指令  多重系回路の論理に従い,出力が選択されることを確認する。

b)

故障検知  多重系回路の論理に従い,故障系の出力が切り放されることを確認する。また,多重故障

によってシステムダウンとなった場合は,規定の出力となることを確認する。

6.21 

停止精度試験 

走行試験において,規定の停止点に対する定位置停止の精度を必要に応じ測定する。条件については,

受渡当事者間の協定による。

6.22 

その他の機能の動作試験 

ホーム可動柵の制御機能,記録器機能,モニタ機能,自動検査機能などのその他の機能の動作試験方法

は,この規格では対象としない。

なお,これらのその他の機能の動作試験の詳細は,受渡当事者間の協定による。

6.23 

電源電圧変動試験 

車上装置への電源電圧を,仕様に定められた上限及び下限値に変化させて,車上装置の各内部電源電圧

を測定し,規定値に入っていることを確認する。

6.24 

消費電力測定試験 

最大消費電力を測定するために,最大負荷となる条件を設定して,定格電圧,最大電圧及び最小電圧に

おいて,車上装置の入力電流を測定して消費電力を求める。

6.25 

絶縁測定試験 

絶縁測定試験は,JIS E 5006 の 10.2.9.1(絶縁測定試験)によって実施する。

6.26 

耐電圧試験 

耐電圧試験は,JIS E 5004-1 の 9.3.3(絶縁特性)の

表 8(それぞれの電気品単体にかける耐電圧試験)

又は

表 9A(耐電圧試験)によって実施する。

6.27 

サージ試験 

サージ試験は,JIS E 5006 の 10.2.6.2(サージ)及び 10.2.6.3(電源過電圧及びサージに対する試験要求)

によって実施する。

6.28 

耐ノイズ試験 

耐ノイズ試験は,JIS E 5006 の 10.2.6.3A(ノイズ試験)によって実施する。


9

E 6006

:2013

6.29 

温度上昇試験 

車上装置を,最大消費電力になるように設定し,JIS E 5004-1 の 9.3.2(温度上昇)によって試験を行う。

6.30 

低温試験 

低温試験は,JIS E 5006 の 10.2.3[低温(耐寒性)試験]によって実施する。

6.31 

高温試験 

高温試験は,JIS E 5006 の 10.2.4[高温(耐熱性)試験]によって実施する。

6.32 

温湿度サイクル試験 

温湿度サイクル試験は,JIS E 5006 の 10.2.5(温湿度サイクル試験)によって実施する。

6.33 

振動試験 

振動試験は,JIS E 4031 の箇条 8(振動機能試験条件)及び箇条 9(振動耐久試験条件)によって実施す

る。

6.34 

衝撃試験 

衝撃試験は,JIS E 4031 の箇条 10(衝撃試験条件)によって実施する。

6.35 

防水及び耐じん(塵)試験 

防水及び耐じん(塵)試験は,車上装置を使用時と同等の状態とし,JIS C 0920 の 4.1(IP コードの構

成)及び 4.2(IP コードの要素とその意味)の規定に従って受渡当事者間で協定した IP コードに即した試

験を行う。

6.36 

連続通電試験 

連続通電試験は,ATC を連続通電して動作に異常がないことを確認する。

なお,連続通電試験の周囲温度及び連続通電時間は,

表 の a 又は b から選択する。

表 2−連続通電試験条件

項目 a

b

周囲温度

常温

JIS E 5006

の 10.2.4[高温(耐熱性)試験]

種別 に規定する動作保証温度の最高値。

連続通電時間 48 時間以上 20 時間以上

6.37 

組合せ試験 

組合せ試験は,ATC と,速度センサ,地上装置などの関連機器とを組み合わせて,総合的な性能試験を

実施するとともに,機器間インタフェースの整合性を確認する。この試験は,車両に関連機器,車上装置

を搭載後に実施してもよい。また,組合せ用機器は,各機器と等価な試験器を使用してもよい。

6.38 

構造・外観検査及び寸法測定 

構造,外観及び表示については,仕様書,図面などと照合を行う。外形寸法などの測定は,JIS B 7507

JIS B 7512

(1 級)などの測定器具を使用し測定する。寸法は,仕様書,図面などと照合を行う。


10

E 6006

:2013

附属書 A

(参考) 
参考文献

JIS D 0207

  自動車部品の防じん及び耐じん試験通則

JIS E 3005

  変周式自動列車停止装置の試験方法

JIS E 3007

  連続誘導式自動列車制御装置の試験方法

JIS E 3802

  自動運転都市内軌道旅客輸送システム(AUGT システム)−安全要求事項

JIS E 6001

  直流電車−線番記号

JIS E 6004

  電気車−性能試験通則

JIS E 6005

  鉄道車両−自動列車制御装置及び自動列車停止装置の車上制御装置−試験方法