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E 5012-2

:2015

(1)

目  次

ページ

序文

1

1  適用範囲

1

2  引用規格

1

3  用語及び定義

3

4  使用条件

5

4.1  標準使用条件

5

4.2  特殊使用条件

6

5  試験

6

5.1  試験要求事項

6

5.2  試験の分類

7

5.3  静電容量及び誘電正接(tan δ)の測定

8

5.4  漏れ電流の測定

8

5.5  端子一括とケースとの間の耐電圧試験

8

5.6  封止試験

9

5.7  サージ放電性試験

9

5.8  環境試験

9

5.9  機械的試験

11

5.10  耐久試験

11

5.11  圧力弁の試験

12

5.12  耐炎性試験

12

6  過負荷

12

6.1  最高許容電圧

12

6.2  最大許容電流

12

7  安全要求事項

13

7.1  放電デバイス

13

7.2  ケース接続(接地)

13

7.3  環境保護

13

7.4  その他

13

8  表示

13

8.1  コンデンサの表示

13

8.2  データシート

14

9  取付け及び使用の指針

14

9.1  一般

14

9.2  定格電圧の選択

14

9.3  動作温度

15


E 5012-2

:2015  目次

(2)

ページ

9.4  過電圧

16

9.5  過電流

16

9.6  スイッチングデバイス及び保護デバイス

16

9.7  沿面距離及び空間距離の選択

16

9.8  接続部

16

9.9  コンデンサの並列接続

16

9.10  コンデンサの直列接続

16

9.11  磁気損失及び渦電流

17

9.12  保護デバイスをもたないコンデンサの指針

17

附属書 A(参考)コンデンサの用語及び定義

18

参考文献

19

附属書 JA(参考)JIS と対応国際規格との対比表

20


E 5012-2

:2015

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本鉄道車輌工業会(JARI)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS E 5012 の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS E 5012-1  第 1 部:紙及びフィルムコンデンサ 
JIS E 5012-2  第 2 部:アルミニウム非固体電解コンデンサ

JIS E 5012-3  第 3 部:電気二重層キャパシタ


日本工業規格

JIS

 E

5012-2

:2015

鉄道車両−電力用コンデンサ−

第 2 部:アルミニウム非固体電解コンデンサ

Rolling stock-Capacitors for power electronics-

Part 2: Aluminium electrolytic capacitors with non-solid electrolyte

序文

この規格は,2012 年に第 1 版として発行された IEC 61881-2 を基とし,日本の実情に即して,対応国際

規格にはない試験規定を追加するために,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。したがっ

て,耐電圧試験について,種別 1 に IEC 61881-2 を,種別 2 に日本の実情に合わせた内容を規定し,いず

れかを選択できるようにした。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

1

適用範囲

この規格は,

鉄道車両に搭載するパワーエレクトロニクス用直流アルミニウム非固体電解コンデンサ

(以

下,コンデンサという。

)について規定する。

この規格は,品質要求事項及び試験,並びに安全要求事項を規定し,更に取付け及び使用についての指

針を示す。

この規格は,次のコンデンサには適用できない。

−  紙及びフィルムコンデンサ(JIS E 5012-1 参照)

−  電気二重層キャパシタ(JIS E 5012-3 参照)

注記 1  この規格で規定するコンデンサの適用例には,直流フィルタなどがある。

注記 2  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 61881-2:2012 , Railway applications − Rolling stock equipment − Capacitors for power

electronics−Part 2: Aluminium electrolytic capacitors with non-solid electrolyte(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 5062  抵抗器及びコンデンサの表示記号

注記  対応国際規格:IEC 60062,Marking codes for resistors and capacitors(MOD)

JIS C 5101-1  電子機器用固定コンデンサ−第 1 部:品目別通則


2

E 5012-2

:2015

注記  対応国際規格:IEC 60384-1,Fixed capacitors for use in electronic equipment−Part 1: Generic

specification(IDT)

JIS C 5101-4  電子機器用固定コンデンサ−第 4 部:品種別通則:アルミニウム固体(MnO

2

)及び非

固体電解コンデンサ

注記  対応国際規格:IEC 60384-4,Fixed capacitors for use in electronic equipment−Part 4: Sectional

specification−Aluminium electrolytic capacitors with solid (MnO

2

) and non-solid electrolyte(IDT)

JIS C 60068-1  環境試験方法−電気・電子−通則

注記  対応国際規格:IEC 60068-1,Environmental testing−Part 1: General and guidance(IDT)

JIS C 60068-2-14  環境試験方法−電気・電子−第 2-14 部:温度変化試験方法(試験記号:N)

注記  対応国際規格:IEC 60068-2-14,Environmental testing−Part 2-14: Tests−Test N: Change of

temperature(IDT)

JIS C 60068-2-17  環境試験方法−電気・電子−封止(気密性)試験方法

注記  対応国際規格:IEC 60068-2-17,Environmental testing−Part 2-17: Tests−Test Q: Sealing(IDT)

JIS C 60068-2-20  環境試験方法−電気・電子−第 2-20 部:試験−試験 T−端子付部品のはんだ付け

性及びはんだ耐熱性試験方法

注記  対応国際規格:IEC 60068-2-20,Environmental testing−Part 2-20: Tests−Test T:Test methods for

solderability and resistance to soldering heat of devices with leads(IDT)

JIS C 60068-2-21  環境試験方法−電気・電子−第 2-21 部:試験−試験 U:端子強度試験方法

注記  対応国際規格:IEC 60068-2-21,Environmental testing−Part 2-21: Tests−Test U: Robustness of

terminations and integral mounting devices(IDT)

JIS C 60068-2-78  環境試験方法−電気・電子−第 2-78 部:高温高湿(定常)試験方法

注記  対応国際規格:IEC 60068-2-78,Environmental testing−Part 2-78: Tests−Test Cab: Damp heat,

steady state(IDT)

JIS C 60721-3-5  環境条件の分類−第 3-5 部:環境パラメータとその厳しさのグループ別分類−車載

機器の条件

注記  対応国際規格:IEC 60721-3-5,Classification of environmental conditions−Part 3: Classification of

groups of environmental parameters and their severities−Section 5: Ground vehicle installations

(IDT)

JIS E 4001  鉄道車両−用語

注記  対応国際規格:IEC 60050-811,International Electrotechnical Vocabulary−Chapter 811: Electric

traction(NEQ)

JIS E 4031  鉄道車両用品−振動及び衝撃試験方法

注記  対応国際規格:IEC 61373,Railway applications−Rolling stock equipment−Shock and vibration

tests(MOD)

JIS E 5008  鉄道車両−電力変換装置

注記  対応国際規格:IEC 61287-1,Railway applications−Power convertors installed on board rolling

stock−Part 1: Characteristics and test methods(MOD)

JIS E 5012-1  鉄道車両−電力用コンデンサ−第 1 部:紙及びフィルムコンデンサ

注記  対応国際規格:IEC 61881-1,Railway applications−Rolling stock equipment−Capacitors for

power electronics−Part 1: Paper/plastic film capacitors(MOD)


3

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JIS E 5012-3  鉄道車両−電力用コンデンサ−第 3 部:電気二重層キャパシタ

注記  対応国際規格:IEC 61881-3,Railway applications−Rolling stock equipment−Capacitors for

power electronics−Part 3: Electric double-layer capacitors(MOD)

IEC 62497-1,Railway applications−Insulation coordination−Part 1: Basic requirements−Clearances and

creepage distances for all electrical and electronic equipment

IEC 62498-1,Railway applications−Environmental conditions for equipment−Part 1: Equipment on board

rolling stock

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS E 4001 によるほか,次による。

3.1

コンデンサ素子,素子(capacitor element)

非固体電解コンデンサの最小単位。

注記  この規格では,capacitor を日本で定着している呼称のコンデンサとした。

3.2

コンデンサセル,セル(capacitor cell)

一つ以上のコンデンサ素子が同じ容器に封入され,引き出し端子を付けて組み立てた部品(

附属書 

照)

3.3

コンデンサモジュール,モジュール(capacitor module)

附属する電子部品の有無にかかわらず,セル同士が電気的に接続した二つ以上のセルを組み立てた部品

附属書 参照)。

3.4

コンデンサバンク,バンク(capacitor bank)

モジュール同士が電気的に接続した二つ以上のモジュールを組み立てた部品(

附属書 参照)。

3.5

コンデンサ(capacitor)

素子,セル,モジュール又はバンクという用語を引用する必要がない場合の一般的な総称。

3.6

コンデンサ装置(capacitor equipment)

回路網との接続を目的とした,バンク及びそれらの附属部品を組み立てた部品(

附属書 参照)。

3.7

パワーエレクトロニクス用コンデンサ(capacitor for power electronics)

パワーエレクトロニクス装置に用いられ,正弦波,非正弦波のリプル電流及び電圧の下で連続的に使用

することができるコンデンサ。

注記  この規格のコンデンサは,直流コンデンサである。

3.8

アルミニウム非固体電解コンデンサ(aluminium electrolytic capacitor with non-solid electrolyte)

アルミニウムの表面に形成した誘電体の酸化皮膜をもつ陽極はくに,電解液を含浸させた紙又は繊維を

通じて陰極はくを密着させたコンデンサ。


4

E 5012-2

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3.9

圧力弁(pressure relief structure)

コンデンサの内部圧力が規定値を超えた場合に,その圧力を開放する機構。

3.10

放電デバイス(discharge device of a capacitor)

コンデンサが回路網から切り離された後,一定時間内にその端子間の電圧を,実質ゼロに減少するため

に,モジュール中又はバンク中に組み込むデバイス。

3.11

定格直流電圧又は定格電圧,U

R

[rated d.c. voltage (or rated voltage)]

カテゴリ上限温度及び下限温度の範囲で,コンデンサに連続して印加してもよい最高直流電圧。

注記  代表的なトラクション応用では,コンデンサに印加する最高直流電圧は,直流電圧と交流電圧

又はピークパルス電圧との和になる。

3.12

絶縁電圧,U

i

(insulation voltage)

端子とケース又は大地との間に印加する基準となる正弦波電圧の実効値。特別の規定がない場合,絶縁

電圧の実効値は定格電圧を 2で除した値である。

3.13

最大ピーク電流,I

p

(maximum peak current)

連続運転中に発生するピーク電流の最大値。

3.14

定格リプル電流,I

ripple

(rated ripple current)

規定温度でコンデンサに,連続的に印加してもよい規定周波数での最大許容交流電流の実効値。

注記  リプル電流は,コンデンサに印加するリプル電圧によって流れるため,コンデンサに印加する

直流電圧と交流電圧のピーク値との和が,適用する定格電圧又は温度軽減電圧を超えないこと

が望ましい。

3.15

最大サージ電流,I

s

(maximum surge current)

スイッチング又はシステムの外乱によって誘発する単発的なサージ電流。発生回数が限られ,そのサー

ジ電流幅が規定時間より短い場合に許容されるピーク電流。

注記  JIS C 5101-4 の 4.14(サージ)参照。

3.16

動作温度(operating temperature)

温度平衡状態におけるコンデンサケース面の最高温部(3.22 参照)

3.17

周囲温度(ambient temperature)

発熱していないコンデンサの周囲の空気温度,又は発熱しているコンデンサから発熱の影響が無視でき

る距離での開放された空間の空気温度。

3.18

カテゴリ上限温度(upper category temperature)

連続的に動作できるように設計されたコンデンサの最高周囲温度。


5

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3.19

カテゴリ下限温度(lower category temperature)

連続的に動作できるように設計されたコンデンサの最低周囲温度。

3.20

ケース温度上昇,ΔT

case

(case temperature rise)

(この規格に使用されていない用語なので,不採用とした。

3.21

冷却空気温度,T

amb

(cooling-air temperature)

温度平衡状態における,冷却風入口で測定した冷却風温度。

3.22

最高動作温度,T

max

(maximum operating temperature)

コンデンサが動作できるケース面の最高温度。

注記  動作温度はカテゴリ上限温度とは異なる。

3.23

温度平衡状態(steady-state condition of temperature)

出力と冷却風温度とを一定に維持した状態でコンデンサが熱的に安定している状態。

3.24

コンデンサの誘電正接,tan δ(tangent of loss angle of capacitor)

規定の正弦波電圧,周波数及び温度の下で,コンデンサの等価直列抵抗をコンデンサのリアクタンス分

で除した値。

esr

esr

π

2

1

tan

R

fC

C

R

×

=

ω

δ

ここに,

R

esr

等価直列抵抗

ω: 角周波数(

f

C: 静電容量

3.25

コンデンサの等価直列抵抗,R

esr

equivalent series resistance of a capacitor

該当コンデンサの容量と等しい理想コンデンサを直列に接続した場合に,規定する運転条件で消費する

有効電力と等しい電力損失として換算できる実効抵抗。

4

使用条件

注記

JIS E 5004-1 参照。

4.1

標準使用条件

4.1.1

一般

コンデンサの標準使用条件は,4.1.2 及び 4.1.3 とし,この状態で使用する。

4.1.2

標高

標高は,

1 400 m

を超えないものとする。IEC 62498-1 のクラス

A1

参照。

注記

標高が

1 400 m

を超える場合は,空気の冷却特性及び絶縁距離に関して標高の影響を受ける。

この場合,受渡当事者間の協定によって,ディレーティングをとる又は適切に対応した設計を


6

E 5012-2

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することが望ましい。

4.1.3

温度

周囲温度は,JIS C 60721-3-5 

表 1(気象条件の分類)の分類

5K2

に規定する−

25

∼+

40

℃の温度範

囲を用いる。周囲温度が,この温度範囲を外れる場合には,受渡当事者間で協定する。

注記

温度の分類は,IEC 62498-1 

表 参照。

4.2

特殊使用条件

特殊使用条件は,4.1 に規定する標準使用条件以外に,次のいずれかに該当する場合とする。特殊使用条

件の場合には,それがこの規格の条件に適合するかを保証するための追加の測定が要求される。そのよう

な特殊な使用条件が存在する場合,使用者は製造業者にあらかじめその旨を通知しなければならない。

機械的な異常衝撃及び振動を受ける場所で使用する場合。

冷却水に腐食性及び研磨性粒子(海水,硬水)が含まれる場合。

冷却空気中に腐食性及び研磨性粒子[海水,硬水の飛まつ(沫)

]が含まれる場合。

冷却空気中のじんあい(塵埃)

,特に,導電性のじんあいのある場所で使用する場合。

爆発性のじんあい又はガスのある場所で使用する場合。

油蒸気,水蒸気又は腐食性物質中で使用する場合。

放射線を受ける場所で使用する場合。

貯蔵又は輸送時に異常な温度を受ける場合。

著しい湿潤な場所(熱帯又は亜熱帯地域)で使用する場合。

過大で急激な温度変化(

1

時間当たり

5 K

を超える)又は湿度変化(

1

時間当たり

5 %

を超える)を受

ける場所で使用する場合。

標高

1 400 m

を超える場所で使用する場合。

強い電磁界のある場所で使用する場合。

箇条 に規定する限度を超える過大な過電圧を受ける場合。

空気を通さない(換気が乏しい)場所に取り付けて使用する場合。

5

試験

5.1

試験要求事項

5.1.1

一般

ここではコンデンサの試験要求事項を示す。

5.1.2

試験条件

特別の規定がない場合,試験条件は,JIS C 5101-1 の 4.2.1[測定及び試験のための標準大気条件(標準

状態)

]による。

注記

JIS C 5101-1 の 4.2.1 は測定及び試験に対して次の標準の環境条件を規定している。

温度:

15

35

相対湿度:

25

75 %

気圧:

86

106 kPa

5.1.3

測定条件

コンデンサの測定条件(例えば,静電容量,誘電正接,漏れ電流など)は,JIS C 60068-1 の 5.3[測定

及び試験のための標準大気条件(標準状態)

]によるほか,次による。

温度:

25

±

2


7

E 5012-2

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5.1.4

電圧処理

コンデンサは,JIS C 5101-4 の 4.1[電圧処理(非固体電解コンデンサだけに適用)

]に規定された電圧

処理による。つまり,全てのコンデンサは,内部抵抗の小さい直流電源を用いて定格電圧に等しい直流電

圧を印加して,前処理を行う。電圧印加時間は

1

時間とし,印加電圧の許容値は±

3 %

とする。その後,

コンデンサは適切な放電デバイスを通じて放電する。

5.1.5

温度処理

コンデンサが温度平衡状態になる時間まで 5.1.3 で規定される温度の環境に放置する。

注記

測定条件に到達するまでのコンデンサの放置時間は,一般にセルに対しては

1

4

時間,モジュ

ール及びバンクに対しては

4

24

時間である。

5.2

試験の分類

5.2.1

一般

試験は形式試験,受渡試験及び受入試験に分類する。

形式試験及び受渡試験の試験項目を

表 に示す。

表 1−試験の一覧

番号

試験項目

該当する細別番号

形式試験

受渡試験

セル

モジュール 
又はバンク

セル

モジュール 
又はバンク

1A

静電容量の測定

5.3 5.3 5.3 5.3 

1B

誘電正接の測定

5.3 5.3 5.3 5.3 

2

漏れ電流の測定

5.4 5.4 5.4 5.4 

3

端子一括とケースとの間

の耐電圧試験

5.5.1

a)

(要求があり,
適用する場合)

5.5.2 5.5.1

a)

(適用する場合)

5.5.2 

4

封止試験

5.6 

5

サージ放電性試験

5.7 5.7

(適用する場合)

6

温度変化試験

5.8.1 5.8.1  

7

高温高湿(定常)試験

5.8.2

(適用する場合)

5.8.2

b)

(モジュールに適用)

8

端子の機械的強度試験

5.9.1

a)

 5.9.1

(適用する場合)

9

外観検査

5.9.2 5.9.2 5.9.2 5.9.2 

10

振動及び衝撃試験

5.9.3 5.9.3  

11

耐久試験

5.10 

12

圧力弁試験

5.11

(適用する場合)

13

耐火性(耐炎性)試験

5.12 

a)

  受渡当事者間の協定によって,この試験は,モジュール又はバンクで代替してもよい。

b)

  受渡当事者間の協定によって,この試験は,セルで代替してもよい。

5.2.2

形式試験

形式試験は,コンデンサ設計の健全性及び安全性,並びにこの規格に示される条件下における運転の適

合性を示すための試験である。

形式試験は製造業者が行い,要求があれば発注者に試験結果を示す個別の試験成績書を提出する。


8

E 5012-2

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これらの試験は,契約に基づくコンデンサと同等設計のコンデンサで行う。

同等又はより厳しい試験条件が適用される場合は,受渡当事者間の協定によって,近似した設計のコン

デンサを使用してもよい。

全ての形式試験を同じコンデンサのサンプルで行う必要はない。その選択は製造業者に任されている。

5.2.3

受渡試験

品質要求の試験順序は,次による。

受渡試験は,出荷前に製造業者がコンデンサ全数に対して行う試験である。要求があれば製造業者は試

験結果を示す個別の試験成績書を添付しコンデンサを出荷する。

5.2.4

受取試験

受渡試験及び/又は形式試験並びにそれらの中のどれを受取のための試験項目にするかは,発注者との

協定によって製造業者が行ってもよい。

繰返し行う試験に供するサンプル数,

合格判定基準及びこれらのユニットの出荷を許可するかどうかは,

受渡当事者間で協定し,契約書で明記する。

5.3

静電容量及び誘電正接(tan δ)の測定

5.3.1

静電容量の測定

コンデンサの静電容量は,漏れ電流測定(5.4 を参照)後,JIS C 5101-4 の 4.3.2(静電容量)によって測

定する。コンデンサの静電容量は受渡当事者間の協定による静電容量許容差内とする。

5.3.2

誘電正接(tan δ)の測定

コンデンサの誘電正接は,漏れ電流測定(5.4 を参照)後,JIS C 5101-4 の 4.3.3[損失角の正接(

tan

δ

又は等価直列抵抗(

ESR

]によって測定する。コンデンサの誘電正接は,受渡当事者間の協定による値を

超えてはならない。

5.4

漏れ電流の測定

5.4.1

セル

特別な規定がない場合,セルは JIS C 5101-1 の 4.9(漏れ電流)によるほか,次による。

この測定を行う前に,コンデンサは十分放電する。

受渡当事者間の協定によって,試験期間を通して,時間に対する電圧印加中の漏れ電流を測定する。

試験中,絶縁破壊又はフラッシュオーバが発生してはならない。

5.4.2

モジュール又はバンク

モジュール又はバンクの試験は,受渡当事者間の協定による。

5.5

端子一括とケースとの間の耐電圧試験

5.5.1

セル

受渡当事者間の協定がない場合,コンデンサの測定は,JIS C 5101-1 の 4.6.2.3[試験

C

−外部絶縁(非

金属ケース又は絶縁形金属ケースに入った絶縁形コンデンサに適用)

]によるほか,次による。

測定箇所は端子一括とコンデンサの非金属ケースとの間で行う。

a

)

試験電圧  受渡当事者間の協定による電圧とする。

b

)

試験時間  受渡当事者間の協定がない場合は

60

秒間とする。

試験中,規定する試験箇所のどこに対しても絶縁破壊の発生,フラッシュオーバの発生又はそれらの痕

跡があってはならない。


9

E 5012-2

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5.5.2

モジュール又はバンク

モジュール又はバンクの試験電圧及び試験時間は,種別

1

又は種別

2

のいずれかによる。種別

1

又は種

2

のいずれを選択するかは,受渡当事者間の協定による。

a

)

種別 1  特別の規定がない場合,IEC 62497-1 によるほか,次による。

試験時間は

10

秒間とする。

b

)

種別 2  試験電圧値(U

t,case

)は,JIS E 5008 の 4.5.3.16[耐電圧試験(受渡試験)

]によるほか,次に

よる。

試験時間は

60

秒間とする。

5.6

封止試験

特別にセルの封止能力が証明されている場合を除き,試験溶剤として非導電性のシリコーン油,又は等

価な溶剤を使うことを規定する JIS C 60068-2-17 の試験

Q

c

,方法

2

によって封止試験を行う。

セルの上面の封止部を上にしてセルを試験溶剤に浸す。試験溶剤の温度はカテゴリ上限温度より

5 K

高くする。

コンデンサの浸せき(漬)時間は,セルの熱時定数の

3

倍以上とする。

セルの封止部からの気泡が試験溶剤中に継続して発生してはならない。判定が疑わしい場合,スリーブ

なしで試験を行う。

5.7

サージ放電性試験

5.7.1

一般

特別の規定がない場合,コンデンサのサージ放電試験は,次の手順で行う。

5.7.2

前処理

コンデンサは,5.1.4 及び 5.1.5 によって処理する。

5.7.3

初期測定

コンデンサの静電容量,誘電正接及び漏れ電流を,各々5.3 及び 5.4 によって測定する。

5.7.4

試験方法

直流電源によってコンデンサを

5

分間以内に定格電圧の

1.1

倍まで充電する。その後,

1

分間以内に適切

な放電回路を通じて放電する。試験はこれを

5

回繰り返す。試験間隔は

6

分間以内とするのがよい。放電

回路の抵抗(電線,スイッチ,シャント及び電気品)の値は最大でもセルの内部抵抗に等しい大きさとす

るが,

1 mΩ

を超えてはならない。

ただし,最大サージ電流が規定されている場合,放電電流はサージ電流の

1.1

倍になるよう放電回路の

インピーダンスを調整する。

5.7.5

後処理

コンデンサは,5.1.5 によって処理し,適切な放電デバイスを通じて放電する。

5.7.6

最終測定

コンデンサの静電容量,誘電正接及び漏れ電流を,各々5.3 及び 5.4 によって測定する。

5.7.7

合格判定基準

コンデンサの静電容量変化は,受渡当事者間で協定した値内でなければならない。

漏れ電流及び誘電正接は,受渡当事者間で協定した値を超えてはならない。

5.8

環境試験

5.8.1

温度変化試験

5.8.1.1

一般


10

E 5012-2

:2015

特別な規定がない場合,コンデンサの温度変化試験は,次の手順で行う。

5.8.1.2

前処理

コンデンサは,5.1.4 及び 5.1.5 によって処理する。

5.8.1.3

初期測定

コンデンサの静電容量,誘電正接及び漏れ電流を,各々5.3 及び 5.4 によって測定する。

5.8.1.4

試験方法

コンデンサの温度変化試験は,コンデンサ温度の上限,下限に関する受渡当事者間の協定に基づき JIS C 

60068-2-14 の試験

Na

(規定時間で移し換える温度急変試験)によるほか,次による。

a

)

上限温度  カテゴリ上限温度である。

b

)

下限温度  カテゴリ下限温度である。

c

)

サイクル数  受渡当事者間の協定による。

注記

  1

サイクルの試験は,室温から始まり上限の試験温度,次に下限の試験温度に移行し,室温

に戻して終了する。

5.8.1.5

後処理

コンデンサは,5.1.5 によって処理し,適切な放電デバイスを通じて放電する。

5.8.1.6

最終測定

コンデンサの静電容量,誘電正接及び漏れ電流を,各々5.3 及び 5.4 によって測定する。

5.8.1.7

合格判定基準

コンデンサの静電容量変化は,受渡当事者間で規定した範囲内でなければならない。

漏れ電流及び誘電正接は,受渡当事者間で規定した値を超えてはならない。

5.8.2

高温高湿(定常)試験

5.8.2.1

一般

特別な規定がない場合,コンデンサの高温高湿(定常)試験は,次の手順で行う。

5.8.2.2

前処理

コンデンサは,5.1.4 及び 5.1.5 によって処理する。

5.8.2.3

初期測定

コンデンサの静電容量及び漏れ電流を,各々5.3 及び 5.4 によって測定する。

5.8.2.4

試験方法

JIS C 60068-2-78 及び受渡当事者間の協定による厳しさの度合い(表 参照)に従って,この試験を行

う。この試験中に結露が発生してはならない。

表 2−高温高湿(定常)試験

厳しさ

試験環境

期間

温度  ℃

湿度  %RH

A 40 93 56 
B 40 93 21

高温高湿(定常)試験終了後,セル(適用する場合)又はモジュールに対して,5.5 によって端子一括と

ケースとの間の耐電圧試験を行う。

5.8.2.5

後処理

コンデンサは,5.1.5 によって処理し,適切な放電デバイスを通じて放電する。


11

E 5012-2

:2015

5.8.2.6

最終測定

コンデンサの静電容量,誘電正接及び漏れ電流を,各々5.3 及び 5.4 によって測定する。

5.8.2.7

合格判定基準

試供サンプルの端子一括とケースとの間の耐電圧試験(5.5 参照)中,このサンプルに絶縁破壊又はフラ

ッシュオーバが発生してはならない。

コンデンサの静電容量変化は,受渡当事者間で協定した範囲内でなければならない。

漏れ電流及び誘電正接は,受渡当事者間で協定した値を超えてはならない。

5.9

機械的試験

5.9.1

端子の機械的強度試験

受渡当事者間の協定によって,コンデンサは端子の適切な機械的強度の確認試験を行う(

表 を参照)。

表 3−端子の機械的強度試験

No.

試験又は測定

試験方法

試験条件

1

接続ケーブルと接合部との引張強さ試験

JIS C 60068-2-21 

U

a1

コンデンサの質量に従った個別
の力。最低の力:10 N 以上

2

リード線端子又は板状端子の曲げ強さ試験

U

b

a)

曲げ回数:2 回

3

ラグ端子の曲げ強さ(はんだによる端子接
合部の曲げ強さ)

ワイヤが接続された端子接合部
に対しての曲げ回数:2 回

4

軸接続部のねじり強さ

U

c

厳しさ度合い:2

5

ねじ端子及びボルト端子のトルク強さ

U

d

b) 

6

はんだ接続部のはんだ付け性能及びはんだ
耐熱性能

JIS C 60068-2-20 

はんだごて:こて先 A 
先端温度:350  ℃

a)

  U

b

の試験は,リード線端子又は板状端子の試験方法とラグ端子との試験方法が違ってくるので区別した。対

応国際規格ではこの区別を U

b1

及び U

b2

としているが,JIS C 60068-2-21 の本体に U

b1

及び U

b2

の記載がない

ため,この規格では両方を包含する U

b

とした。

b)

  接続部のねじ及びボルト接続のトルク強度は,製造業者によって決められる。

5.9.2

外観検査

コンデンサの外観検査は,

受渡当事者間の協定によってコンデンサの完成品及び表示を目視で検査する。

5.9.3

振動及び衝撃試験

特別の規定がない場合,コンデンサの振動及び衝撃試験は JIS E 4031 を適用し,セル及びモジュールに

対しては区分

1

等級

1B

,バンクに対しては区分

1

等級

1A

によって行う。

5.10

耐久試験

5.10.1

一般

特別の規定がない場合,セルの耐久試験は,次の手順で行う。

5.10.2

前処理

コンデンサは,5.1.4 及び 5.1.5 によって処理する。

5.10.3

初期測定

コンデンサの静電容量,誘電正接及び漏れ電流を,各々5.3 及び 5.4 によって測定する。

5.10.4

試験方法

セルの試験方法は,JIS C 5101-4 の 4.13(耐久性)によるほか,次による。

a

)

試験温度  カテゴリ上限温度である。

b

)

試験電圧  定格電圧 U

R

に等しい直流電圧である。


12

E 5012-2

:2015

c

)

試験時間

2 000

時間∼

10 000

時間(受渡当事者間の協定による。

)とする。

5.10.5

後処理

コンデンサは,5.1.5 によって処理し,適切な放電デバイスを通じて放電する。

5.10.6

最終測定

コンデンサの静電容量,誘電正接及び漏れ電流を,各々5.3 及び 5.4 によって測定する。

5.10.7

合格判定基準

コンデンサ静電容量の変化は,受渡当事者間の協定する値以内とする。

セルの漏れ電流及び誘電正接は,受渡当事者間の協定する値を超えてはならない。

著しい外観の異常があってはならない。

5.11

圧力弁の試験

セル圧力弁の試験は,JIS C 5101-1 の 4.28.2(直流試験)による。

この試験は,寿命時のセルの兆候及び規定する限度内での安全装置の正常な動作を確認するために行う

もので,故障時の安全性を完全に保証するものではない。

実際の条件と運用条件とは大きな違いがあるので,

寿命時の兆候も違ってくる。

蓄えられるエネルギー,

予想する短絡電流,故障電流の継続時間などは,コンデンサを適用する際,十分に考慮することが望まし

い。試験で正常な動作が確認されても,それはコンデンサの寿命時の安全性を保証するものではない。

5.12

耐炎性試験

セルの耐炎性試験は,JIS C 5101-1 の 4.38(耐炎性)による。

セルを最も燃えやすい箇所に配置する。各コンデンサを炎にさら(曝)す回数は一度だけとする。製造

業者は,試験の厳しさ度(接炎時間及び最大燃焼時間)を決める。最大燃焼時間は

30

秒間を超えないこと

が望ましい。

6

過負荷

6.1

最高許容電圧

コンデンサは,

受渡当事者間の協定による電圧レベル及び期間中,

故障なく運転できなければならない。

最高許容電圧以下であるが定格電圧を上回る電圧での長い期間の運転は,有効寿命を減少させると,認識

するべきである。

連続運転の最高許容電圧は,コンデンサの定格電圧である。定格電圧より高い電圧が一時的に加わる場

合,その最高許容電圧は,JIS C 5101-4 の 4.14(サージ)に規定する条件の下,JIS C 5101-4 の 2.2.7(サ

ージ電圧)の規定による定格電圧及びサージの比率を使って計算する電圧になる。

6.2

最大許容電流

コンデンサは,受渡当事者間の協定によってリプル電流,充電及び放電電流,サージ電流レベル及び期

間中,故障することなく適切に運転できなければならない。定格以上のリプル電流,充電及び放電電流,

サージ電流でのある顕著な期間の運転は,その寿命を縮めるということを認識するのがよい。

最大許容電流は,受渡当事者間の協定による。連続使用に対しての最大許容電流は 3.14 で決められたリ

プル電流である。短時間使用に対する最大許容電流は 3.13 で決められた最大ピーク電流,及び 3.15 で決

められた最大サージ電流である。


13

E 5012-2

:2015

7

安全要求事項

7.1

放電デバイス

モジュール中又はバンク中に組み込む放電デバイスに抵抗を使うことは,必ずしもパワーエレクトロニ

クス用コンデンサに適するとはいえないが,発注者から放電抵抗の使用を要求された場合,各コンデンサ

のモジュール又はバンクには,初期の U

RDC

から

60 V

以下まで,所定の放電時間で放電する抵抗値を選ば

なければならない。

放電時間は,受渡当事者間の協定による。

放電デバイスは,取扱い前に端子と大地との間を短絡するための代替品ではない。

放電経路を備えた他の電気装置に接続されたコンデンサの場合,上記の規定する時間内にコンデンサを

放電できる回路特性でなければならない。

放電回路は,最高過電圧のピークから放電するための適切な通電能力をもっていなければならない。

7.2

ケース接続(接地)

コンデンサの金属ケースの電位を固定するため,及び破壊時の事故電流をケースに流すために,ケース

は,事故電流を流すのに十分な接続を施し,接続具に適した無塗装の耐腐食性の金属部へ接続する。

7.3

環境保護

コンデンサが環境に拡散してはならない材料を含有している場合,

予防措置がとられなければならない。

この点に関して,国によっては法規制がある。

発注者は,コンデンサを取り付ける国に適用される製品のラベル(取扱説明書,危険警告など)に関す

る個別の要求事項を規定しなければならない(8.2 参照)

。要求がある場合,製造業者は可燃物の量又は主

要成分の質量を提出しなければならない。

注記

主要成分とは,コンデンサの

1 %

を超える質量の成分をいう。

7.4

その他

発注者は,問合せがあれば,コンデンサを取り付ける国に適用される安全に関する個別の規制を規定し

なければならない。

8

表示

8.1

コンデンサの表示

8.1.1

セル

セルごとの定格銘板に次の情報を掲載する。

製造業者名(会社名の略称)又は商標

製品確認番号,製造日(製造の年,月又は週)又は製造番号

静電容量:

µF

又は

F

静電容量許容差:

%

又は JIS C 5062 の箇条 で規定された許容範囲コード(任意)

U

R

(定格電圧)

V

注記 1

コンデンサセルの表示の位置は,受渡当事者間の協定によって決めることが望ましい。

注記 2

定格銘板に全ての上記項目を表示することが困難な小さいコンデンサセルに対しては,一部

の項目を取扱説明書に記載してもよい。

注記 3

受渡当事者間の協定によって,定格銘板に追加情報を加えることができる。

8.1.2

モジュール又はバンク

モジュール又はバンクの定格銘板に次の情報を掲載する。


14

E 5012-2

:2015

製造業者名(会社名の略称)又は商標

製品確認番号,製造日(製造の年,月又は週)又は製造番号

静電容量:

µF

又は

F

静電容量許容差:

%

又は JIS C 5062 の箇条 で規定された許容範囲コード(任意)

U

R

(定格電圧)

V

I

s

(最大サージ電流)

A

(任意)

T

max

(最高動作温度)

:℃(任意)

最大締付けトルク:

N

m

(任意)

冷却空気温度(強制風冷のときだけに適用,4.1.3 参照)

(任意)

この規格の番号(任意)

注記 1

モジュール又はバンクの表示の位置は,受渡当事者間の協定によって決めることが望ましい。

注記 2

定格銘板に全ての上記項目を表示することが困難な小さいモジュール又はバンクに対して

は,一部の項目を取扱説明書に記載してもよい。

注記 3

受渡当事者間の協定によって,定格銘板に追加情報を加えることができる。

8.2

データシート

コンデンサを正しく運転するための情報は,製造業者によって提示されなければならない。セルが環境

を汚染する又は何らかの形で危険を及ぼす材料を含有する場合,これらの材料及びその量を使用者の国の

安全に関連する法令に従って,データシートで明確にしなければならない。発注者は,それらの法令につ

いて,製造業者に連絡しなければならない。

注記 1

発注者が,法令を製造業者に連絡しない場合,製造業者が,その法令及び規制を調査しても

よいし,そのほうが望ましい。

注記 2

受渡当事者間の協定によって,質量パーセントを記載した

SDS

JIS Z 7253 参照)を提出し

てもよい。

9

取付け及び使用の指針

9.1

一般

過負荷はコンデンサの寿命を短くするため,使用条件(例えば,温度,電圧,電流及び冷却)は,厳密

に管理することが望ましい。

コンデンサの種類の相違及び多くの要素があるため,全ての場合において取付け又は運転を単純な規則

で規定することはできない。

箇条 の情報は,検討すべきより重要な事項を示している。また,製造業者及び関連機関の使用指導書

に従う必要がある。

主な用途に,直流高調波フィルタがある。このコンデンサは,外部から供給される直流電圧には,一般

に非正弦波交流電圧の高調波が含まれるので,この高調波を除去する目的で使用される。

9.2

定格電圧の選択

コンデンサの定格電圧は,繰返し発生するピーク電圧と同じ値又はそれより高い値である。

パワーエレクトロニクスの用途の多くは変動する負荷である。そのため,受渡当事者は,定格電圧と実

際に発生する電圧ストレスを広範囲にわたって議論することが必要である。

注記

最高許容電圧及び最高動作温度で使用することは,寿命時間を減少させることになる。


15

E 5012-2

:2015

9.3

動作温度

9.3.1

コンデンサの寿命

コンデンサの寿命は,動作温度,リプル電流,印加電圧及びその他の要因の影響を受ける。製造業者は,

実運転条件で評価する寿命を算出する式を提供してもよい。しかし,算出する式は一定の制限をもつ。コ

ンデンサの動作温度は,

コンデンサの寿命に大きな影響をもつので,

次のことを注意することが望ましい。

過度な温度は,コンデンサの誘電体の電気化学的な劣化を加速する。

極端に低い温度又は高温から低温への急激な温度変化は,誘電体又は機械的な構造に部分的な劣化を

起こすことがある。

9.3.2

取付け

コンデンサは,内部損失によって熱を発生するが,対流と放射とによって熱が十分放出できる取付けで

なければならない。

日照又は高温になる機器の表面からの放射によっても,コンデンサの温度は上昇する。取付け後,最も

厳しい使用条件(電圧,電流及び冷却温度)において,コンデンサ動作温度が T

max

を下回っていることを

検証する必要がある。

冷却空気温度,冷却効果及び放射の強さと時間とによって,次の予防処置をとってもよい。

熱放射からコンデンサを保護する。

動作温度の高いコンデンサの選択又は箇条 4

箇条 及び 9.4 に規定した定格よりも高い定格電圧のコ

ンデンサを使用する。

標高の高い(

1 400 m

を超える)ところに取り付けるコンデンサは熱の放出能力が少なくなる。この

点は装置の出力を決める際に考慮するのがよい。

製造業者は,周囲温度,負荷及び冷却条件を関数としたコンデンサのホットスポットの熱挙動を示す温

度データを提示するとよい。冷却条件は,製造業者が推奨する。

注記

円筒のコンデンサは,圧力安全機構として圧力弁を終端封止部にもっているものもある。ねじ

端子コンデンサセルの場合には,プラスチックコンパウンドが内部素子を固定するために使わ

れる。コンパウンドは,コンデンサが異常発熱した際,溶融することもある。溶融したコンパ

ウンドが圧力弁を妨害する場合,圧力弁の作動性に支障をきたす。終端封止部に圧力弁をもつ

ねじ端子コンデンサの場合,圧力弁が下向きになる配置は,しないほうがよい。セルを横向き

に配置する場合,圧力弁及び電極の+端子の両方を

図 のようにするのがよい。

図 1−圧力弁位置の例


16

E 5012-2

:2015

9.3.3

特殊冷却条件

例外的に周囲温度が,

40

℃を超えることがある場合,製造業者は,寿命時間及び運転の安全性に関して

考慮しなければならない。

9.4

過電圧

特別な使用条件で発生する過渡過電圧に対しては,より高い定格電圧のコンデンサを選択することが強

く望まれる。

9.5

過電流

コンデンサは,3.133.14 及び 3.15 に定義する最大値を超える電流で使用しないことが望ましい。

コンデンサを回路に投入した場合又は装置のスイッチを投入した場合,高周波で大きな過渡過電流が,

発生する可能性がある。これらの過渡過電流は,コンデンサ及び装置の許容値内とする。

コンデンサがヒューズ(外部ヒューズ)で保護されている場合,スイッチ動作に伴う過渡過電流のピー

ク値は最大サージ電流(I

s

)を限度にしなければならない。

9.6

スイッチングデバイス及び保護デバイス

スイッチングデバイス,保護デバイス及び接続部は,スイッチ投入などで発生する高周波数で大きな過

渡過電流によって,引き起こされる可能性がある電気力学的及び熱的ストレスに,耐えられなければなら

ない。

電気力学的及び熱的ストレスに対処すると過大な寸法となる場合,過電流保護を目的とした特別な予防

措置を取るのがよい。

9.7

沿面距離及び空間距離の選択

IEC 62497-1 を参照。

9.8

接続部

コンデンサに電流を流すリード線は,コンデンサからの熱を放出することができる。同様に,このリー

ド線は外部接続部で発生した熱をコンデンサに伝えることにもなる。

そのため,コンデンサと接続する接続端子部及び配線は,コンデンサ自体より常に低い温度に保つ。

コンデンサ回路の接続不良は,接続部で部分発熱及びアークを発生させ,コンデンサに過熱又は過剰な

ストレスをもたらす。

そのため,コンデンサ装置の接触部,コンデンサの端子部及び配線の全てを定期点検することを推奨し

ている。

9.9

コンデンサの並列接続

コンデンサの並列接続では,電流流路間の抵抗及びインダクタンスの僅かな違いによって電流が偏り,

1

個のコンデンサ流路が過負荷になるという危険が発生するため,並列回路の設計では,この点を特に注意

する必要がある。

また,

1

個のコンデンサが,短絡故障すると,このコンデンサと並列接続されたコンデンサからの放電

が起こり,その全エネルギーは,破壊した箇所で急激に消費される。この事象には,特別な予防手段が必

要である。

9.10

コンデンサの直列接続

コンデンサの直列接続だけでは,個々のコンデンサの特性の違いによって,セル間の電圧に不均衡が生

じる。このため,直列回路の設計では,この分担電圧の均等化に注意する必要がある。

また,モジュール又はバンクの直列接続では,その配列によって,絶縁電圧を選ばなければならないが,

この場合,特別な予防手段が必要である。


17

E 5012-2

:2015

9.11

磁気損失及び渦電流

パワーエレクトロニクスの中の導電体が作る強い磁場は,磁気ケースの交流磁化及び金属部に渦電流を

誘導し,熱が発生するおそれがある。そのため,コンデンサを大電流の流れる導電体から安全距離をとっ

て取り付ける措置及び磁性材料の使用をできる限り避ける措置が必要である。

9.12

保護デバイスをもたないコンデンサの指針

保護デバイスをもたないコンデンサの場合には,発注者は,コンデンサが故障しても危険が発生しない

限定された取付けになっているかを確認する。


18

E 5012-2

:2015

附属書 A

参考)

コンデンサの用語及び定義

A.1

電力変換装置内へのコンデンサ適用

電力変換装置のバンク(3.4 参照)内で使用されるセル(3.2 参照)

,モジュール(3.3 参照)の接続図の

例を

図 A.1 に示す。

コンデンサ装置は,バンク及びその附属部品を組み立てた部品である。

図 A.1−電力変換装置内へのコンデンサ適用例


19

E 5012-2

:2015

参考文献

JIS C 60664-1  低圧系統内機器の絶縁協調−第

1

部:基本原則,要求事項及び試験

注記

対応国際規格:IEC 60664-1

Insulation coordination for equipment within low-voltage systems

Part

1: Principles, requirements and tests

IDT

JIS E 5004-1  鉄道車両−電気品−第

1

部:一般使用条件及び一般規則

注記

対応国際規格:IEC 60077-1

:1999

Railway applications

Electric equipment for rolling stock

Part 1:

General service conditions and general rules

MOD

JIS E 5004-2  鉄道車両−電気品−第

2

部:開閉機器・制御機器及びヒューズの一般規則

注記

対応国際規格:IEC 60077-2

:1999

Railway applications

Electric equipment for rolling stock

Part 2:

Electrotechnical components

General rules

MOD

JIS E 5051  鉄道車両−電気的危険性に関する防護通則

注記

対応国際規格:IEC 61991

:2000

Railway applications

Rolling stock

Protective provisions against

electrical hazards

MOD

JIS Z 7253

GHS

に基づく化学品の危険有害性情報の伝達方法−ラベル,作業場内の表示及び安全デー

タシート(

SDS

注記

対応国際規格:ISO 11014

Safety data sheet for chemical products

Content and order of sections

MOD

IEC 60050-436

International Electrotechnical Vocabulary. Chapter 436: Power capacitors

IEC 60850

Railway applications

Supply voltages of traction systems


20

E 5012-2

:2015

附属書 JA

参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS E 5012-2:2015  鉄道車両−電力用コンデンサ−第 2 部:アルミニウム非固体
電解コンデンサ

IEC 61881-2:2012,Railway applications−Rolling stock equipment−Capacitors for 
power electronics−Part 2: Aluminium electrolytic capacitors with non-solid electrolyte

(I)JIS の規定

(II) 
国際

規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容

(V)JIS と国際規格と
の技術的差異の理由

及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

3  用語及び
定義

3.20

3.20

ケース温度上昇,ΔT

case

削除

本体で使用されていないので,その旨を記

載した。

対応国際規格見直し

の際,提案を行う。

4  使用条件 4.1.2

標高

4.1.2

IEC 62498-1 参照

追加

IEC 62498-1 のクラス A1 参照とした。

対応国際規格見直し
の際,提案を行う。

4.2  特殊使用条件

4.2

冷却水の記載なし

追加

冷却水の条件を JIS では追加

対応国際規格見直し

の際,提案を行う。

5  試験 5.1.3

測定条件

−温度:25±2  ℃

 5.1.3

測定条件

−温度:25±2  ℃ 
−相対湿度:25∼75 %

削除

−相対湿度:25∼75 %を削除する。これは,
5.1.2 の記載と重複する。

対応国際規格見直し

の際,提案を行う。

5.5.2  モジュール又はバンク 
種別 2  試験電圧値(U

t,case

)は,

JIS E 5008 の 4.5.3.16[耐電圧
試験(受渡試験)

]による。

−試験時間は 60 秒間とする。

 5.5.2

種別 1

選択

国際規格の規定を種別 1 とし,種別 2 を日

本の実情に合わせ,追加した。

対応国際規格見直し

の際,提案を行う。

5.9.1  端子の機械的強度試験 
性能区分に U

b

使用。

 5.14.1 表 5 の性能区分が不明。

U

b1

及び U

b2

変更

性能区分の U

b1

及び U

b2

は参照する規格に

ない記号で,

規格に示された U

b

の記号に両

者を変更した。

対応国際規格見直し

の際,提案を行う。

8  表示 8.2

データシート

8.2

JIS とほぼ同じ。

変更

日本の安全データシートは MSDS も含め,
SDS(JIS Z 7253 参照)に集約して編集さ
れたので,新しい規格で表示した。

IEC への改正提案は
しない。

9 取付け及
び使用の指

9.3.2  取付け

9.3.2

取付け後の検証の記述
なし

追加

JIS では,取付け後の検証を記述した。

IEC への改正提案は
しない。

20

E 50

12
-2


201

5


21

E 5012-2

:2015

JIS と国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 61881-2:2012,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

−  削除  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

−  追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

−  変更  国際規格の規定内容を変更している。

−  選択  国際規格の規定内容とは異なる規定内容を追加し,それらのいずれかを選択するとしている。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

−  MOD  国際規格を修正している。

21

E 50

12
-2


201

5