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E 5007:2019  

(1) 

目 次 

ページ 

序文  1 

1 適用範囲 1 

2 引用規格 1 

3 用語及び定義  3 

3.1 一般的な定義  3 

3.2 変圧器の定義  4 

3.3 リアクトルの定義  4 

4 分類 5 

4.1 変圧器の分類  5 

4.2 リアクトルの分類  5 

5 使用条件 5 

6 負荷プロファイル及び定格電流  5 

6.1 負荷プロファイル  5 

6.2 定格電流  5 

7 定格電圧及び変圧器巻線の容量  6 

7.1 定格一次電圧  6 

7.2 定格二次電圧  6 

7.3 変圧器の定格容量  6 

8 変圧器のタップ  6 

9 冷却 6 

9.1 冷却方式による変圧器及びリアクトルの区分  6 

9.2 記号の並べ方  7 

10 温度限度  7 

10.1 絶縁物の分類  7 

10.2 固体材料の温度限度  7 

10.3 液体材料の温度限度  8 

10.4 他の部品の温度限度  9 

11 機械設計  9 

12 銘板  9 

13 試験  9 

13.1 試験の種類  9 

13.2 変圧器に関する試験  10 

13.3 リアクトル試験  29 

附属書A(参考)受渡当事者間で協定が必要な項目,並びに発注者又は製造業者から提供する補足情報 

        及び仕様明細の項目  36 


 

E 5007:2019 目次 

(2) 

ページ 

附属書B(参考)絶縁物の寿命及び熱劣化 41 

附属書C(参考)指定の用途での絶縁システムの適合性を実証するための熱的耐久性計算の例  45 

附属書D(参考)乾式変圧器及びリアクトルの耐湿性試験  48 

附属書E(参考)負荷プロファイル  50 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表  51 

 

 


 

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(3) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

鉄道車輌工業会(JARI)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規

格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規

格である。 

これによって,JIS E 5007:2005は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

 

 


 

 

日本工業規格          JIS 

 

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鉄道車両−変圧器及びリアクトル 

Rolling stock-Traction transformers and inductors 

 

序文 

この規格は,2016年に第4版として発行されたIEC 60310を基とし,技術的内容を変更して作成した日

本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

 

適用範囲 

この規格は,鉄道車両に搭載する主変圧器及び補助変圧器並びに主回路及び補助回路用の各種リアクト

ルについて規定する。リアクトルは,乾式又は油入のものをいう。 

注記1 IEC 60076の各規格群の要求事項は,この規格又は鉄道関連のIEC規格と矛盾しない限り適

用できる。 

発注者と製造業者間(以下,受渡当事者間という。)との協定によって,この規格は電源側が三相交流式

鉄道車両用主変圧器,単相及び多相の補助回路用の変圧器にも適用できる。ただし,計器用変成器及び定

格1 kVA以下の単相変圧器又は5 kVA以下の多相変圧器には適用しない。 

この規格は,次のような補助装置には適用しない。 

タップ切換器,抵抗器,熱交換器,送風機など,変圧器又はリアクトルへの組込み用であるが,個々の

適切な規定によって試験する機器。 

受渡当事者間で協定が必要な項目,並びに発注者又は製造業者から提供する補足情報及び仕様明細の項

目を附属書Aに示す。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 60310:2016,Railway applications−Traction transformers and inductors on board rolling stock

(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 2320 電気絶縁油 

JIS C 4003 電気絶縁−熱的耐久性評価及び呼び方 


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注記 対応国際規格:IEC 60085,Electrical insulation−Thermal evaluation and designation(MOD) 

JIS E 4031 鉄道車両用品−振動及び衝撃試験方法 

注記 対応国際規格:IEC 61373,Railway applications−Rolling stock equipment−Shock and vibration 

tests(MOD) 

JIS E 5004-1 鉄道車両−電気品−第1部:一般使用条件及び一般規則 

注記 対応国際規格:IEC 60077-1,Railway applications−Electric equipment for rolling stock−Part 1: 

General service conditions and general rules(MOD) 

JIS Z 8736-1 音響−音響インテンシティによる騒音源の音響パワーレベルの測定方法−第1部:離散

点による測定 

注記 対応国際規格:ISO 9614-1,Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources using 

sound intensity−Part 1: Measurement at discrete points(IDT) 

JIS Z 8736-2 音響−音響インテンシティによる騒音源の音響パワーレベルの測定方法−第2部:スキ

ャニングによる測定 

注記 対応国際規格:ISO 9614-2,Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources using 

sound intensity−Part 2: Measurement by scanning(IDT) 

ISO 3746,Acoustics−Determination of sound power levels and sound energy levels of noise sources using 

sound pressure−Survey method using an enveloping measurement surface over a reflecting plane 

IEC 60076-1:2011,Power transformers−Part 1: General 

IEC 60076-2,Power transformers−Part 2: Temperature rise for liquid-immersed transformers 

IEC 60076-3,Power transformers−Part 3: Insulation levels,dielectric tests and external clearances in air 

IEC 60076-4,Power transformers−Part 4: Guide to the lightning impulse and switching impulse testing−

Power transformers and reactors 

IEC 60076-5,Power transformers−Part 5: Ability to withstand short circuit 

IEC 60076-6:2007,Power transformers−Part 6: Reactors 

IEC 60076-10,Power transformers−Part 10: Determination of sound levels 

IEC 60076-11,Power transformers−Part 11: Dry-type transformers 

IEC 60076-12:2008,Power transformers−Part 12: Loading guide for dry-type power transformers 

IEC 60076-14,Power transformers−Part 14: Liquid-immersed power transformers using high-temperature 

insulation materials 

IEC 60076-18,Power transformers−Part 18: Measurement of frequency response 

IEC 60270,High-voltage test techniques−Partial discharge measurements 

IEC 60850,Railway applications−Supply voltages of traction systems 

IEC 61039,Classification of insulating liquids 

IEC 61099,Insulating liquids−Specifications for unused synthetic organic esters for electrical purposes 

IEC 61378-1:2011,Converter transformers−Part 1: Transformers for industrial applications 

IEC 62497-1,Railway applications−Insulation coordination−Part 1: Basic requirements−Clearances and 

creepage distances for all electrical and electronic equipment 

IEC 62498-1,Railway applications−Environmental conditions for equipment−Part 1: Equipment on board 

rolling stock 

 


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用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,IEC 60076-1によるほか,次による。 

注記1 “変圧器”と記載しているものは,主変圧器及び補助変圧器の両方を意味する。 

注記2 IEC 60050-421,IEC 60050-811及びIEC 60076-6:2007に記載されている“Inductor”は,この

規格では,“リアクトル”という用語で使われている。 

3.1 

一般的な定義 

3.1.1 

負荷プロファイル(load profile) 

電圧を含む指定の条件の下での電流及び出力の時間との関係。 

3.1.2 

冷却媒体(cooling medium) 

変圧器及びリアクトルで発生する熱の排出のために使われる冷却媒体。例えば,空気,水,油,ヒート

シンクなどがある。 

3.1.3 

定格絶縁電圧,UNm(rated insulation voltage) 

製造業者が機器又はその部分について指定した実効値耐電圧。この値は,この絶縁の規定の(5分間以

上の)耐電圧性能を表す。 

注記1 UNmは,製品の導通部及び接地間又は他の導電部間に与える電圧である。鉄道車両において

の接地は車体になる。 

注記2 鉄道車両の主回路及び補助回路システムについて,UNmは国際規格などに幅広く使われてい

る機器類の最高電圧に相当する。 

注記3 UNmは,運転時電圧又はそれ以上の電圧である。このため,直接架線に接続される回路にお

けるUNmは,IEC 60850に規定されているUmax1と同等か又はそれ以上である。主変換装置に

接続される回路の場合,UNmは直流リンク電圧に等しいか又はそれ以上の値である。 

注記4 UNmは,性能に密接に関係する定格電圧と一致しなくてもよい。 

3.1.4 

公称電圧,Un(nominal voltage) 

給電システムで指定又は規定するために用いられる電圧。 

3.1.5 

定格電圧,Ur(rated voltage) 

指定する動作条件に対して規定する電圧。 

3.1.6 

定格インパルス電圧,UNi(rated impulse voltage) 

インパルス電圧値。過渡的な過電圧に対する指定の絶縁耐力を表す。 

3.1.7 

試験電圧,Ua(test voltage) 

商用周波耐電圧,誘導電圧,層間絶縁など,各試験ごとにUNmから決定される実効電圧値。 


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3.1.8 

繰返しピーク電圧,UmT,UmG(recurring peak voltage) 

端子間電圧(UmT),又は端子−接地間電圧(UmG)の電圧波形で周期的に現れるピーク電圧の最大値。 

3.2 

変圧器の定義 

3.2.1 

電圧移行率,VTR(voltage transmission ratio) 

指定のインパルス又はく(矩)形波電圧が一次側に印加しているときの一次電圧に対する二次電圧の割

合。パーセンテージで表す。 

3.2.2 

インピーダンス電圧(impedance voltage) 

短絡法で定格電流を流したときの,電圧印加側巻線の端子電圧の実効値。基準巻線温度に補正した値を

パーセンテージで表す。 

注記 パーセンテージ又はユニット比として表したとき,IEC 60076-1:2011の3.7に示すように短絡

インピーダンスに等しくなる。 

3.2.3 

裕度(tolerance) 

実測値の保証値に対する許容偏差(IEC 60050-411:2007の411-36-19参照)。 

3.3 

リアクトルの定義 

リアクトルのインダクタンスの値は,用途に応じて次のとおり分類する。この場合,測定に用いる電流

の種類及び電流値を明記する。 

3.3.1 

交流インダクタンス(a.c. inductance) 

指定の電圧及び周波数の正弦波交流電圧を印加して,リアクトルの交流電流を測定することによって得

られるインダクタンス。 

3.3.2 

過渡インダクタンス(differential inductance) 

電流によって作られる磁束の変化から得られるインダクタンス値(磁気特性の傾きと等しい。)。 

注記 リアクトルの瞬時の電圧及び電流の変化又は磁束の変化を測定することによって得られる。 

3.3.3 

脈流インダクタンス(incremental inductance) 

リアクトルに流れる直流電流に重畳したある振幅,周波数の交流成分によるインダクタンス。 

注記1 脈流電流の脈流率はパーセントで表し,慣例的に次の式で定義する。 

 

100

min

max

min

max

I

I

I

I

 

ここに, 

μ: 脈流率(%) 

 

Imax: 脈流電流の最大値(A) 

 

Imin: 脈流電流の最小値(A) 

 

注記2 これらの数値は,端子電圧を測定することによって得られる。 


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分類 

4.1 

変圧器の分類 

変圧器は,次のように分類できる。 

a) 主回路に電力を供給する主変圧器。他の機器に電力を供給する場合もある。 

b) 主回路を除く電気機器に電力を供給する補助変圧器。 

なお,この規格に記載している巻線は,次のように分類する。 

a) 電車線に直接つながる一次巻線。 

b) 主回路に供給する主巻線。 

c) 他の目的に使われる補助巻線。 

この規格では,主巻線及び補助巻線を総称して二次巻線という。 

4.2 

リアクトルの分類 

リアクトルは使用目的によって,次のように分類できる。 

a) 交流リアクトル 交流を通電するリアクトルで,タップ切換器のタップ間渡り用リアクトル,交流整

流子電動機のブレーキ回路用リアクトル,干渉抑制用リアクトル,同調フィルタ回路用リアクトルな

ど。 

b) 直流リアクトル 交流成分が小さいか,又は無視できる程度の直流を通電するリアクトルで,フィル

タリアクトル,主電動機用誘導分流器,直流電動機のブレーキ回路用リアクトルなど。 

c) 脈流リアクトル 周期的なリップルをもった交直流リアクトルで,主電動機用平滑リアクトル,補助

変換装置用の正弦波フィルタリアクトルなど。 

 

使用条件 

変圧器及びリアクトルの標準的使用条件は,IEC 62498-1又はJIS E 5004-1の7.(通常の使用条件)に

よる。特殊使用条件は,受渡当事者間で協定する。 

 

負荷プロファイル及び定格電流 

6.1 

負荷プロファイル 

変圧器及びリアクトルは,通常時及び過負荷時において,定常状態及び過渡(サージ)状態で使用され

ることを考慮して設計する。 

発注者は,附属書Eを参考にして,負荷プロファイルを指定することが望ましい。電流頻度スペクトラ

ムは発注者が指定する。 

6.2 

定格電流 

巻線の定格電流とは,基準温度における連続負荷において巻線が恒久的に耐え得る電流を示す。 

定格電流は,次のいずれかの方法によって計算する。 

a) 負荷プロファイルから算出した実効値。 

b) 附属書Bによる絶縁材料の熱的寿命を考慮。 

冷却モードの変化及び時間平均の取り方に特別な注意を払うことが望ましい。 

連続負荷時の基準温度は,変圧器及びリアクトルと外部との境界での冷媒温度であり,それは次による。 

a) 発注者によって直接指定される。 

この値はIEC 62498-1に示す車両の外気温度を基準とするのが望ましい。 

b) 発注者によって提示された温度分布と附属書Bの方法とを基に,製造業者が計算する(B.4.2の寿命


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計算のための冷媒基準温度を参照。)。主回路用巻線の定格電流は,定格タップについて定める。この

定格電流値は,他の巻線が定格負荷を受けもつことを前提に定める。 

 

定格電圧及び変圧器巻線の容量 

7.1 

定格一次電圧 

定格一次電圧は,通常の運転状態で一次巻線に供給される電圧の実効値である。この巻線にタップがあ

る場合には,定格電圧は,定格タップの電圧とする。受渡当事者間で協定がない場合には,定格一次電圧

は,電車線の標準電圧に等しいものとする。 

注記 IEC 60850に電車線の標準電圧の一覧表がある。 

7.2 

定格二次電圧 

変圧器二次巻線の定格電圧は,変圧器の一次巻線の定格タップに定格周波数の定格電圧を印加したとき

に,二次巻線の端子間に現れる無負荷電圧の実効値とする。 

7.3 

変圧器の定格容量 

変圧器巻線の定格容量は,巻線についての定格電圧と定格電流との積で定義される。 

注記 変圧器は,通常,幾つかの二次巻線をもっている(例えば,主回路用,補助回路用,暖房用)。

変圧器の一次巻線の定格容量は,種々の二次巻線の定格容量の合計より少ない場合もある。 

 

変圧器のタップ 

変圧器の変圧比を変化させるため,一つ又は複数の巻線に中間タップを設ける場合がある。これらの中

間タップについては,使用限度特性を示し,結線図及び仕様書に表示しなければならない。変圧器の一次

巻線に,定格周波数の定格電圧を印加し,主電動機に定格電流を通電したときに,その主電動機の端子電

圧が主電動機の定格電圧となるタップを定格タップという。一次巻線及び二次巻線の両方に中間タップが

ある場合には,定格タップを指定する。多電源方式の車両においては,定格タップは電源方式ごとに異な

ってもよい。各タップに対する変圧比は,無負荷時の値で定義する。 

 

冷却 

9.1 

冷却方式による変圧器及びリアクトルの区分 

変圧器及びリアクトルは,冷却方式によって区分する。各冷却方式によって使用する文字記号を,表1

に示す。 

 

表1−冷却方式に関する文字記号 

冷却媒体の種類 

記号 

循環の種類 

記号 

燃焼点が300 ℃以下の鉱油又は他の絶縁液 

自然循環 

燃焼点が300 ℃を超える絶縁液 

強制循環(巻線内に強制的に導油しない場合) 

燃焼点が沸点を超える絶縁液 

強制循環(巻線内に強制的に導油する場合) 

ガス 

 

 

水 

 

 

空気 

 

 

 

強制導油循環式の変圧器及びリアクトルは,ある一定の割合の強制循環油流が,巻線の中を通るように

導かれている。しかし,個別タップ付調整巻線,補助巻線,安定化巻線などの巻線は,強制導油としなく


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てもよい。冷却媒体は,発注者の承諾によって確定する。 

9.2 

記号の並べ方 

9.2.1 

収納形変圧器及びリアクトル 

変圧器及びリアクトルは,製造業者が指定した定格に対し,各々の冷却方式に応じて表1に示した記号

を用いて4文字で表示する。記号の使用順序を,表2に示す。 

 

表2−記号の順序 

第1文字 

第2文字 

第3文字 

第4文字 

巻線と接触する冷却媒体を示す。 

外部冷却系と接触する冷却媒体を示す。 

冷却媒体の種類 

循環の種類 

冷却媒体の種類 

循環の種類 

 

強制導油循環式及び強制風冷式の油入変圧器は“ODAF”,シリコーン油入り変圧器は“KDAF”と表示

する。 

なお,異なる冷却方式のグループ記号を区別するために,斜線“/”を用いて,例えば,次のように表

示する。自然対流冷却式又は非導油式で,強制冷却が可能な油入変圧器は,“ONAN/ONAF”又は“ONAN

/OFAF”と表示する。シリコーン油入り変圧器は,“KNAN/KNAF”又は“KNAN/KFAF”と表示する。 

非循環保護箱内の乾式変圧器箱で,箱の内側及び外側が自然空冷式に対しては,“ANAN”と表示する。 

9.2.2 

非収納形変圧器及びリアクトル 

保護箱のない乾式変圧器及びリアクトルは,巻線又は絶縁材(例えば,エポキシ樹脂)で被覆された巻

線の場合は,被覆材表面と接触する冷却媒体に応じて,表1の2個の記号だけで表示する。 

保護箱のない,又は通風式の箱付き自然空冷式の乾式変圧器の冷却方式は,“AN”と表示する。 

9.2.3 

空冷 

変圧器又はリアクトルが,車両の移動によって生じる空気流によって冷却する場合,又は試験の際に使

用したものと違う強制風冷装置で冷却する場合には,装置の定格運転状態における基準となる空気流量(又

は流速)は,発注者が指定しなければならない。 

 

10 温度限度 

10.1 絶縁物の分類 

この規格が適用される変圧器及びリアクトルの巻線の絶縁に,現在使われている固体材料(EIM-Electrical 

Insulating Material)及び絶縁システム(EIS- Electrical Insulating System)の種々の等級を,表3に示す。こ

の耐熱クラスについては,JIS C 4003で定義されている。 

与えられた固体絶縁材料の耐熱クラスは,周りの媒体(例えば,空気,鉱油,エステル油など)に依存

する。巻線の絶縁に使われる固体材料の耐熱クラスは,製造業者が指定しなければならない。 

10.2 固体材料の温度限度 

変圧器及びリアクトルの固体材料の温度限度は,受渡当事者間の協定によって表3(種別1)又は表3A

(種別2)のいずれかによって,その最高温度を超えてはならない。 

温度限度は,ホットスポットと考えられる短時間最高温度に適用する。これらの温度は,規格の運転条

件で,最も厳しい条件と関連する(長期間運転での温度限度は,13.2.11.6を参照。)。 

 


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種別1 

表3−種別1の固体材料の温度限度 

RTE(相対熱的耐久性指数) 

又は 

ATE(実績熱的耐久性指数) 

耐熱クラス 

 

浸せきタイプの最高温度a) 

 

℃ 

乾式タイプの最高温度b) 

 

℃ 

RTE又はATE<90 

 70 

規定しない 

規定しない 

 90<RTE又はATE<105 

 90(Y) 

規定しない 

規定しない 

105<RTE又はATE<120 

105(A) 

120 

130 

120<RTE又はATE<130 

120(E) 

135 

145 

130<RTE又はATE<155 

130(B) 

170 

155 

155<RTE又はATE<180 

155(F) 

195 

180 

180<RTE又はATE<200 

180(H) 

220 

205 

200<RTE又はATE<220 

200(N) 

240 

225 

220<RTE又はATE<250 

220(R) 

260 

245 

250<RTE又はATE 

250 

規定しない 

規定しない 

注a) 浸せきタイプの絶縁システムの温度限度は,絶縁材料の酸化が抑制されるので乾式タイプの絶縁シス

テムより高い。ただし,セルロースを基にした絶縁システム(105 ℃クラス及び120 ℃クラス)は例
外で,温度限度がIEC 60076-7に規定されている。 

b) 乾式タイプの最高温度は,IEC 60076-12:2008の表2による。 

 

種別2 

表3A−種別2の固体材料の温度限度 

冷却方式 

耐熱 

クラス 

温度限度 

長期間運転温度上昇(巻線平均) 

短時間最高温度(ホットスポット) 

℃ 

浸せきタイプ 

 85 

170 

特別A 

125 

270 

乾式タイプ 

155 

195 

180 

220 

注記 浸せきタイプのA種及び特別A種は強制導油循環式を前提とし,この表で規定する温度限度に十分

耐える材料で構成された耐熱クラスをいう。例えば,A種の場合は,耐熱処理紙などで構成されたも
のをいう。特別A種の場合は,シリコーン油,ポリアミド絶縁物などで構成されたものをいう。 

 

幾つかの絶縁材料を組み合わせた場合の温度限度は,受渡当事者間の協定があれば,表3と異なる値を

採用してもよい。 

一つの絶縁システムの中で異なった耐熱クラスの材料を組み合わせて使用するときは,熱容量について

の総合的な評価が特に必要である。絶縁寿命は,附属書B及び附属書Cを参考に評価する。 

10.3 液体材料の温度限度 

液体材料の温度は,表4に示す限度値を超えてはならない。 

 

表4−液体材料の温度限度 

単位 ℃ 

項目 

鉱油 

(JIS C 2320) 

合成エステル油 

(IEC 61099) 

シリコーン油 

(JIS C 2320) 

燃焼点等級(IEC 61039) 

長期間負荷状態での最高温度 

105 

130 

155 


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この温度値は,IEC 60076-14に基づく。推奨の温度限度は特定の環境下の絶縁システムにも有効である。

密閉システムでは,代表的な劣化要因である酸化及び吸湿による影響を抑制している。開放システムでは,

確実な保守が必要である。 

10.4 他の部品の温度限度 

タンクの表面最高温度については,受渡当事者間で協定する。 

いかなる場合でも,変圧器又はリアクトルの鉄心又はその他の部分の温度が上昇して,隣接部品の損傷

及び絶縁油に過度の劣化を与えないようにしなければならない。 

 

11 機械設計 

設計の妥当性は,受渡当事者間で協定した有限要素法(FEA)による数値解析(設計法,モデル校正,

疲労限度など)又は振動及び衝撃試験によって立証する。FEAで実施する場合は,静的負荷解析,60 Hz

以下のモーダル解析及び入力値として,JIS E 4031に定義された加速度スペクトル密度(ASD)負荷を基

にした疲労解析を実施するのが望ましい。このような損傷調査は,広く認められている規格の方法(例え

ば,シングルモーメント,レイリー法など)で実施する。このときの材料データは,この規格に適合する

ものを使用して,計算は,溶接を考慮する必要がある。安全率は,受渡当事者間で協定した適切な規格に

従ったものを使用しなければならない。流体についても考慮し,シミュレーション方法も実証する。 

 

12 銘板 

受渡当事者間の協定がない限り,独立して扱われる各装置は少なくとも次の項目を示す銘板を付けなけ

ればならない。 

a) 製造業者名 

b) 製造社形式名又は番号 

c) 製造番号 

d) 製造年及び製造所 

e) 結線図 

f) 

タップ 

g) 各巻線の定格容量,定格電圧及び定格周波数 

h) 定格電流(実効値又は平均直流電流) 

i) 

インダクタンス値(一つ又はそれ以上の指定基準電流値にて) 

j) 

冷却媒体の内容量及び種類(油入だけ記載) 

k) 冷却媒体の名称(油入だけ記載) 

l) 

冷却方式 

m) 総質量 

変圧器及びリアクトルが最終的に車両などに搭載された場合,それらに付けた銘板は,通常の保守作業

時における清掃作業及び調査が容易な位置に取り付ける。 

 

13 試験 

13.1 試験の種類 

13.1.1 一般 

試験は,次の3種類とし,13.1.2〜13.1.4による。 


10 

E 5007:2019  

 

a) 形式試験 

b) 受渡試験 

c) 調査試験 

13.1.2 形式試験 

形式試験は,同一設計の装置の1台について行う。この試験は,最初の製品ロットの中から1台を選ん

で実施する。量産品の場合は,製造業者がそれ以前に製造した同一の装置についての形式試験成績書の提

出によって,形式試験に合格したものとみなす。任意の形式試験は,発注書に明記された場合に限り行う。 

13.1.3 受渡試験 

受渡試験は,同一発注の全ての装置について行う。ある特定の装置については,受渡当事者間で協定し

て,受渡試験に代えて任意に抜き取った数台の装置に対して試験を行ってもよい。 

13.1.4 調査試験 

調査試験は,追加情報を得るために1台の装置に対して行われる任意の特別な試験である。これは発注

時に,発注書に明記されている場合に限り行う。発注書に特別の協定が示されていない限り,この試験の

結果を装置の受渡しの条件とはしない。 

13.2 変圧器に関する試験 

注記 この細分箇条は変圧器に関する規定であるが,リアクトルについても共通することが多く,13.3

では多くの箇所でこの細分箇条を参照する記載となっている。 

13.2.1 試験項目 

変圧器の検査,測定及び試験の項目は,表5による。また,表5に試験の種類及び該当する箇条番号を

示す。変圧器から切り離せないリアクトルの場合,その試験は可能な限り当該変圧器の試験と同時に実施

する。この規格の要求を全て満足することを保証するために,必要な場合には,これらのリアクトルを別

個の装置として実施すべき試験について,受渡当事者間で協定しなければならない。 

 

表5−変圧器に適用する試験項目,試験の種類及び該当箇条番号 

試験項目 

試験の種類 

該当箇条番号 

形式 

受渡 

調査 

目視調査 

○ 

○ 

− 

13.2.3 

機能試験 

△ 

△ 

− 

13.2.3 

質量 

○ 

△ 

− 

13.2.4 

巻線抵抗測定 

○ 

○ 

− 

13.2.5 

変圧比,極性及び位相変位測定 

○ 

○ 

− 

13.2.6 

無負荷一次電流及び無負荷損失の測定 

○ 

○ 

− 

13.2.7.2,13.2.7.3 

インピーダンス電圧又は短絡インピーダンスの
測定 

○ 

○ 

− 

13.2.8 

基本負荷損の測定 

○ 

○ 

− 

13.2.9.2,13.2.9.3 

全損失の算定 

○ 

− 

− 

13.2.10 

温度上昇試験 

○ 

− 

− 

13.2.11 

絶縁抵抗試験 

△ 

△ 

− 

13.2.12 

耐湿性試験 

▲ 

▲ 

▲ 

13.2.13.1 

誘導耐電圧試験 

○ 

○ 

− 

13.2.13.2 

商用周波耐電圧試験 

○ 

○ 

− 

13.2.13.3 

雷インパルス耐電圧試験 

○ 

− 

− 

13.2.13.4 


11 

E 5007:2019  

 

表5−変圧器に適用する試験項目,試験の種類及び該当箇条番号(続き) 

試験項目 

試験の種類 

該当箇条番号 

形式 

受渡 

調査 

層間絶縁試験 

△ 

− 

− 

13.2.13.5 

ケーブル耐電圧試験 

○ 

○ 

− 

13.2.13.6 

部分放電試験 

● 

▲ 

◎ 

13.2.14 

短絡強度試験 

△ 

− 

− 

13.2.15 

振動及び衝撃試験 

△ 

− 

− 

13.2.16 

電圧移行率VTR 

△ 

− 

− 

13.2.17 

騒音測定 

○ 

− 

− 

13.2.18 

漏れ磁束密度測定 

△ 

− 

− 

13.2.19 

周波数応答分析FRA 

− 

− 

○ 

13.2.20 

突入電流測定 

△ 

− 

− 

13.2.21 

注記 ○:実施,●:乾式タイプだけ実施,◎:油入タイプだけ実施,△:任意,▲:乾式タイプだけ任意 

 

13.2.2 裕度 

製造業者がこの規格によって定格及びその他の特性を保証する場合に,適用できる裕度を表6に示す。

表中の裕度の片側が記載されていない場合は,その側には制限を設けていないことを意味する。 

 

表6−裕度 

項目 

参照箇条 

裕度 

1 巻線抵抗 

13.2.5 

+10 %以下 a) 

2 損失 

a) 全損失 
b) 部分損失 

13.2.7, 
13.2.9, 
13.2.10 

全損失の+10 %以下。 
全損失に対する裕度を超えないことを条件に各部分
機器の損失の+15 %以下。 

3 定格タップにおける無負荷変圧比
(定格電圧比) 

13.2.6 

銘板に記載の保証値の±0.5 %又は定格負荷時の%イ
ンピーダンス電圧の1/10のうち,いずれか少ない値。 

4 インピーダンス電圧(定格タップ) 

13.2.8 

定格タップに対するインピーダンス電圧の保証値の
±10 %。 
変圧器内の同じ種類の巻線間では,受渡当事者間の協
定がなければ,各巻線は平均値の±3 %とするb)。 

5 無負荷電流 

13.2.7 

無負荷電流の保証値の+30 %以下 

6 総質量 

13.2.4 

形式試験 
±10 %(100 kg>総質量) 
±5 %(1 000 kg>総質量≧100 kg) 
±3 %(総質量≧1 000 kg) 
量産品:±3 % 

注a) 量産品では,導体サイズ及び巻線の工作精度が向上するので,裕度は小さくなることが期待される。こ

のため製造業者が裕度を小さく決めることができる。 

b) 受渡当事者間の協定によって,更に厳しい裕度を設定することができる。 

 

13.2.3 目視調査(形式試験及び受渡試験)及び機能試験(任意の形式試験及び任意の受渡試験) 

寸法,記号,構成配置及び銘板を目視確認する。また,油流計,電圧・電流測定装置,冷却装置などの

附属品の機能試験を行う。受渡当事者間の協定によって,さらに,形式試験の内容を追加してもよい。 

13.2.4 質量(形式試験及び任意の受渡試験) 

変圧器の質量は,注文書類に含まれる全ての附属品を含む。附属品を含めた全質量を測定できない場合


12 

E 5007:2019  

 

は,各附属品の質量は個別に測定する。 

13.2.5 巻線抵抗測定(形式試験及び受渡試験) 

各巻線の測定可能な端子間の抵抗を,冷状態のときに直流電源で測定する。自己誘導の影響を最小化し,

巻線の温度を正しく測定するために,注意を払わなければならない事項は,IEC 60076-1を参照すること

が望ましい。測定時の温度も記録する。 

巻線抵抗は,表7(IEC 60076-1:2011の附属書E)に示す基準巻線温度に換算する。 

種別1 

表7−基準巻線温度 

単位 ℃ 

絶縁システムの耐熱クラス 

基準巻線温度 

105(A) 

 85 

120(E) 

130(B) 

130 

155(F) 

150 

180(H) 

200(N) 

220(R) 

250 

 

なお,10.2で表3Aを選択した場合は,次による。 

種別2 

表7A−基準巻線温度 

単位 ℃ 

絶縁システムの耐熱クラス 

基準巻線温度 

 85 

特別A,F,H 

150 

 

IEC 60076-1及びIEC 60076-11に示される表7及び表7A以外の基準巻線温度を,受渡当事者間の協定

によって変圧器及びリアクトルに使用できる。 

形式試験の場合は,次による。 

a) 巻線に主回路の電圧調整用のタップがある場合,その巻線の活線部の全抵抗を各タップについて測定

する。 

b) 補助巻線が,幾つかに分割されている場合,各々の抵抗を測定する。 

受渡試験の場合は,次による。 

c) a)の測定は巻線の定格タップについてだけでもよい。 

d) b)の測定は補助巻線全体についてだけでもよい。 

13.2.6 変圧比,極性及び位相変位測定(形式試験及び受渡試験) 

一次巻線と対となる巻線間の測定可能な全てのタップに対して,変圧比を測定する。 

変圧比測定とともに実施する極性試験及び位相変位測定は,IEC 60076-1によって実施する。 

13.2.7 無負荷一次電流及び無負荷損失の測定(形式試験及び受渡試験) 

13.2.7.1 一般 

測定は,印加電圧波形を正弦波とし,定格周波数にて行う。 


13 

E 5007:2019  

 

試験用の正弦波形電圧がない場合は,補正方法についてIEC 60076-1を参照するのが望ましい。 

変圧器の任意の巻線に電圧を印加する。高圧タップ制御の変圧器の場合には,タップ切換器及び固定比

率の主変圧器の一次巻線側は接続したままとする。しかし,いかなる場合でも他の全ての巻線は開路とす

る。 

電流は,平均値及び実効値を測定する。 

13.2.7.2 形式試験 

無負荷電流及び無負荷損失の測定は,IEC 60850に示すUmin2,Umin1,Un,Umax1及びUmax2の一次電圧に

て行う。受渡当事者間の協定があれば,他の値も考慮してもよい。 

補助変圧器の場合,ピーク無負荷電流は,定格電圧Urで測定する。必要であれば1.1Urと1.2Urとでも

測定する。 

変圧器にタップがある場合又は複電圧仕様である場合は,指定のタップ又は電圧で測定し,そのうち一

つは定格タップに相当する電圧で測定する。 

発注者は,電圧,電流波形及び高調波分析を要求してもよい。 

13.2.7.3 受渡試験 

測定は,13.2.7.2によるが,定格電圧Ur及び定格タップについてだけ測定を行う。 

13.2.8 インピーダンス電圧又は短絡インピーダンスの測定(形式試験及び受渡試験) 

13.2.8.1 一般 

主変圧器及び補助変圧器の巻線配置は様々なので,インピーダンス電圧を測定すべき巻線対の組合せは,

受渡当事者間で協定する。このときの形式試験は,故障電流の計算のほかに,タップ切換器の全てのポジ

ションにおける負荷特性曲線が作成できる十分なデータを得るのが望ましい。インピーダンス電圧は,次

の組合せに対して,IEC 60076-1の手順に従って測定する。 

a) 一次巻線と全ての主回路巻線を一括で直列接続して測定する(形式試験及び受渡試験)。 

b) 一次巻線とほぼ同時に転流する巻線の各グループを測定する(形式試験)。 

c) 一次巻線とそれぞれ独立した主回路巻線を別々に測定する(形式試験及び受渡試験)。 

d) 一次巻線とそれぞれの補助巻線を別々に測定する(形式試験)。 

e) それぞれの主回路巻線とそれぞれの補助巻線を別々に測定する(形式試験)。 

a),b)及びc)の形式試験では,全タップについて測定する。一方,d)及びe)の形式試験,及び他の受渡

試験については,一次巻線の定格タップ及び補助巻線の指定のタップだけで測定する。 

他のタップでの追加測定及び他の巻線組合せが必要な場合は,受渡当事者間の協定による。 

インピーダンス電圧は,定格周波数で,ほぼ正弦波の電源によって測定する。測定は25 %〜100 %の間

のどの電流で測定してもよい。 

どの巻線に印加される電圧も,当該巻線の定格電圧の50 %を超過しないことが望ましい。また,巻線の

定格電流値を超えないことが望ましい。 

測定値は,試験電流と定格電流との比で補正し,それで得られた値は,表7又は表7Aに規定する基準

巻線温度によって,補正する。 

短絡インピーダンスは,インピーダンス電圧から算出して短絡抵抗とインダクタンスとに分離する(IEC 

60076-1:2011の3.7参照)。 

13.2.8.2 過渡インダクタンスの測定(形式試験) 

必要ならば,非線形短絡インダクタンス特性として,過渡インダクタンスを13.3.7.4によって測定する。 

発注者は,インピーダンス(抵抗値及びインダクタンス)の周波数特性の測定を要求してもよい。 


14 

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13.2.9 基本負荷損の測定(形式試験及び受渡試験) 

13.2.9.1 一般 

基本負荷損は,インピーダンス電圧測定(13.2.8参照)の形式試験及び受渡試験の際に記録する。測定

値は,測定電流に対する定格電流の比の二乗を乗じて補正する。 

これによって得られた基本負荷損は,13.2.5で与えられる適切な基準巻線温度で補正する。I2R(Rは直

流抵抗値)はRに比例変化し,他の全ての損失は抵抗に反比例する。抵抗値は,13.2.5の規定によって求

める。 

基本負荷損は,次の巻線の組合せによって決定する。 

a) 一次巻線及び全ての主回路巻線を直列又は並列に接続して測定する。 

b) 一次巻線及びそれぞれの補助巻線に対して測定する。 

基本負荷損は,IEC 60076-1:2011の附属書Eを基にした表7の基準巻線温度で補正する。 

注記1 全損失は,a)及びb)で規定した巻線対で測定された損失の算術和では求めることができない。 

注記2 全損失は,場合によっては,各巻線の直流抵抗及び電流から得られる損失試験で得られた付

加損失を加えて,求めることができる。 

13.2.9.2 形式試験 

基本負荷損は,13.2.9.1で規定したa)及びb)の組合せについて算定する。a)の組合せについては,タッ

プ切換器の次の3点でそれぞれの負荷損を算定する。 

a) 定格タップ 

b) 主回路負荷損が最大となるタップ 

c) その他の1タップ 

13.2.9.3 受渡試験 

基本負荷損は,13.2.9.1で規定したa)の組合せ及び定格タップに限定して算定する。 

13.2.10 全損失の算定(形式試験) 

全損失は,無負荷損失(13.2.7参照)と,表7に定めた基準巻線温度で換算された負荷損[基本負荷損

(13.2.9)及び高調波損失]との和である。 

電力変換装置によって誘導された高調波損失は,IEC 61378-1:2011の附属書Aによる方法,又は受渡当

事者間で協定した方法によって計算し,基本周波数で測定した損失に加える。 

主変圧器の主回路に対する全損失は,定格タップ及び主回路負荷損が最大となるタップに対して計算す

る。主変圧器の全損失は,主回路の定格負荷と補助回路の定格負荷との組合せに対して計算する。受渡当

事者間の協定にもよるが,列車の暖房負荷による損失は,通常,この計算に含む。変圧器の補機(油ポン

プ,ファンなど)の電力消費は,全損失に含まない。特別な指定がなければ,補助変圧器については,全

損失は全ての巻線に同時にかかる定格負荷に対して計算する。 

13.2.11 温度上昇試験(形式試験) 

13.2.11.1 一般 

温度上昇試験は,次によって実施する。 

なお,温度上昇試験条件の詳細は,受渡当事者間で協定する。 

a) 試験成績書上の温度パラメータを決定するために,変圧器及びリアクトルの定格容量又は電流(箇条

6参照)にて実施する。 

b) 受渡当事者間で協定がない場合は,短時間最高温度が表3又は表3A,及び表4の限界値を超えないこ

とを検証するため,過負荷条件で実施する。そして,次の2ステップによる。 


15 

E 5007:2019  

 

1) ステップ1 製造業者が指定の波形を再現ができない限り,温度上昇試験は,製造業者にて,一定

の交流又は直流の定格電流又は容量で試験をする。 

2) ステップ2 ステップ1で指定の波形で試験ができない場合,追加試験として電力変換装置を組み

合わせた試験を行う。 

注記1 箱内に収納された乾式変圧器及びリアクトルに対しては,電力変換装置に接続して等価

な負荷を提供するステップ2のような温度上昇試験は,温度上昇における収納の影響を

評価することにも使われる。 

注記2 油入変圧器及びリアクトルに対しては,ステップ2の目的は,高調波損失を測定するこ

とである。 

タップのある巻線は,最大損失となるタップ又は他の指定されたタップで試験を実施する。 

試験の間,冷却媒体の循環及び冷却用の全ての附属品は,実際の車両と同等の状態にする(例えば,指

定された熱交換器の目詰まり及び外部圧力損失など)。 

動作温度範囲に対して,変圧器及びリアクトルに搭載された油ポンプ,送風機モータ,熱交換器などの

温度を測定し,確認する。 

冷却システムの異なる冷却モードを確認するために,特殊温度試験について受渡当事者間で協定しても

よい(例えば,送風機モータの減速及び1台だけの油ポンプ駆動など)。 

強制風冷の変圧器及びリアクトル,又は9.2.3で示した同様の冷却方式の変圧器及びリアクトルにおいて

は,指定風量,又は風速での試験及び車両に搭載されたことによる付加的な外部圧力損を考慮し算出した

通風量での試験を実施する。 

発注者は,変圧器及びリアクトルの入気口における冷媒温度を指定する必要がある。 

13.2.11.2 温度の決定法 

実施する試験によって,次の三つの温度決定方法を用いる。 

a) 直接温度測定 温度センサで直接温度を測定する(抵抗温度計,熱電対法,光ファイバ,サーモラベ

ル,赤外線カメラなど)。 

b) 間接温度測定 電圧,電流,抵抗などのような他の物理的なパラメータを測定して算出する。例えば,

平均巻線温度は,直流抵抗の変化で求める。 

c) 温度計算法 温度の直接測定で最高温度が発生する位置を特定することは難しい場合がある。この場

合,温度が上がりそうな場所の近傍を直接測定する。そのとき,最高温度が発生しそうな場所の温度

上昇値は,計算によって求める。製造業者は,参考として類似の変圧器並びにリアクトルの試験結果

及び計算法について,情報を提示しなければならない。 

13.2.11.3 油入変圧器及び油入リアクトルの温度上昇試験 

油入の場合,必ずしもホットスポット温度を直接測定することはできない。受渡当事者間の協定を基に,

特殊試験として巻線のホットスポット部の温度を直接測定するように決めることができる。 

直接測定しない場合は,次のような温度上昇試験結果を基にした計算から,ホットスポット部の巻線最

高温度上昇を算定する。 

− 巻線平均温度を測定(直流抵抗の変化による間接温度測定) 

− 製造業者は,ホットスポットの位置,及びホットスポット温度と巻線平均温度との関係の調査結果を

発注者に提示する。 

調査は,次に基づき実施するのが望ましい。 

− 漏れ磁束及び付加的損失分布 


16 

E 5007:2019  

 

− 付加的損失が高い場所における巻線内部の絶縁油の循環状態 

製造工場内の温度上昇試験は,次の3ステップで実施する。 

a) ステップ1−油温上昇試験 試験は,変圧器及びリアクトル(タンク内に他の部品がある場合はこれ

も含めて)に全損失(13.2.10参照)を巻線内に生じさせる試験電流を注入することで実施する。受渡

当事者間の協定があれば,試験は低減損失で実施できる。ただし,全損失の80 %以下にならないこと

とし,13.2.10に従って全損失での結果を外挿によって換算する。複電圧対応の変圧器及びリアクトル

の場合,最も大きな損失を生じる電圧にて実施して,次のデータを測定する。 

1) 熱交換器の出入口における油温 

2) 入気口での冷媒温度及び風量 

b) ステップ2−巻線温度上昇試験 この試験は,IEC 60076-2に従った方法で,定格電流注入法によって

実施する。受渡当事者間の協定があれば,この試験は指定の過負荷状態でも実施する。 

c) ステップ3−結果の集約 温度上昇試験後,製造業者は結果を集約し,仕様条件(車両搭載上の制約

を含む。)での油と巻線の温度とを計算し,試験成績書として発注者に提示する。 

この段階では,前のステップ1及びステップ2で再現できない(例えば,高調波損失),通常の動作

状態で鉄心及び巻線の温度に影響する全ての電流成分を含む計算になる。 

負荷プロファイルによる温度は,これらの試験結果を基に計算する。 

巻線温度上昇値を決める標準的な方法は,電流注入法である。変圧器における電流注入法は,IEC 60076-2

の短絡負荷法によって実施する。 

特殊な場合として,協定があれば,試験は適切な負荷を接続することで定格電圧及び定格電流を印加し

て実施する。この方法は,主に低定格容量の変圧器に適用できる。協定によって返還負荷法を用いてもよ

い。この方法は,試験する変圧器1台を含む2台の変圧器を並列接続し,定格電圧で励磁する。異なった

電圧比とするか又は電圧の注入によって,定格電流が試験用の変圧器の巻線内に流れる。 

IEC 60076-2には,次に示す幾つかのガイダンスが含まれる。 

− 用語及び定義 

− 種々の温度測定法 

− 試験時間 

− 油温度及び巻線温度の決定 

− 測定値の必要な補正 

13.2.11.4 乾式変圧器及び乾式リアクトルの温度上昇試験 

乾式変圧器及び乾式リアクトルの温度上昇は,次の特徴がある。 

− ホットスポットと平均巻線温度,又は巻線の表面温度との差は極めて大きい。 

− 鉄心と巻線との間の熱的結合は強い。 

− 温度センサは容易にセットできる。 

温度を直接測定する場合,受渡当事者間の協定の基に温度センサの測定位置を決める。加えて平均巻線

温度を,直流抵抗の変化で間接的に測定する。温度センサの読みと平均巻線温度との差は,各巻線のホッ

トスポット測定値を確定するために使う。 

受渡当事者間の協定がなければ,製造業者は次の3ステップによって温度上昇値を確定する。 

a) ステップ1−電流通電試験 13.2.10に示すとおり,巻線及び鉄心の温度が定常状態に達するまで,変

圧器及びリアクトルの全損失を生じさせる試験電流を巻線に通電する。変圧器では,短絡負荷法で行

う。巻線及び鉄心の温度上昇値が1時間で2 K以内の変化になったときに最終温度上昇値に達したと


17 

E 5007:2019  

 

考える。巻線温度はこのとき測定する。受渡当事者間の協定があれば,試験は低減損失で実施でき,

全損失の80 %以下とならない条件で実施して,13.2.10に示すように全損失での結果を外挿によって

換算する。 

b) ステップ2−開回路試験(変圧器にだけ適用) 巻線及び鉄心の温度が定常状態になるまで,定格電

圧及び定格周波数で開回路試験を続ける。個々の巻線温度上昇値は,そのときに測定する。開回路試

験は,電流通電試験の前又は後に実施できる。 

c) ステップ3−結果の集約 各巻線の全温度上昇(巻線及び通常励磁の鉄心の損失による。)は,製造業

者が算出し,発注者に試験成績書として提示する。 

この計算には,ステップ1及びステップ2で再現できない実際の装置の動作状態時に発生する,鉄

心及び巻線温度に影響する全ての電流成分を含めなければならない。例えば,高調波による鉄心及び

巻線の損失は,この段階で含まれる。適用できるならば,鉄心に生じる高周波損失の寄与(例えば,

変圧器と統合されたリアクトルの分路鉄心)にも特別な注意を払う。 

無負荷時の巻線のホットスポット温度上昇への鉄心の影響は,次の値又は変圧器及びリアクトルの

温度上昇試験中に製造業者によって測定された値とするのが望ましい。 

− 外周側巻線で5 K 

− 内周側巻線で25 K 

負荷プロファイルによる温度は,試験結果を基に計算する。特殊な場合として,受渡当事者間の協定が

あれば,適切な負荷を接続することで,定格電圧及び定格電流を適用して実施する。これは主に低定格容

量の変圧器に適用できる。受渡当事者間の協定によって返還負荷法を用いてもよい。 

13.2.11.5 温度補正 

温度の測定値を限度値と比較する前に,次のように測定値の補正が必要になることがある。 

a) 巻線の平均温度が直流抵抗を基にして決定する場合,IEC 60076-2によって,遮断の瞬間の値に外挿

する。 

b) 温度上昇試験中に指定の容量又は電流を得ることができなかった場合,油入変圧器及びリアクトルで

はIEC 60076-2によって結果を補正する。また,乾式変圧器及びリアクトルではIEC 60076-12によっ

て補正する。この補正は,直流抵抗による温度の影響,及びその結果としての損失への影響も含む(こ

れは繰り返し計算によって行う。)。 

c) 温度上昇試験が指定の冷却媒体の温度で実施できなかった場合,温度の直流抵抗への影響,及びその

結果としての損失への影響を考慮して補正する(これは繰返し計算によって行う。)。13.2.9.1のガイダ

ンスを参照。 

13.2.11.6 温度上昇試験の判定基準 

変圧器及びリアクトルが,次に適合した場合,合格とする。 

a) 定格電流及び定格容量(6.2及び7.3参照),並びに冷媒基準温度における集約したホットスポット温

度は次のいずれかとする。 

1) 受渡当事者間で協定の温度限界を超えていない。 

2) 指定された絶縁物の寿命に適合する。絶縁物の寿命を評価する方法及び例を,それぞれ附属書B及

び,附属書Cに示す。 

b) 集約したホットスポット温度が,最も厳しい条件でも表3又は表3A,及び表4の温度限度を超えない。 

13.2.12 絶縁抵抗試験(任意の形式試験及び任意の受渡試験) 

耐電圧試験を始める前に,絶縁抵抗計によって,巻線間及び巻線と接地との間の絶縁抵抗を,少なくと


18 

E 5007:2019  

 

も直流1 000 Vを印加して測定する。試験時は油温を記録する。必要によって絶縁抵抗測定を耐電圧試験

完了後に再度実施する。絶縁抵抗値は,受渡当事者間の協定値以上とする。 

13.2.13 耐電圧試験 

13.2.13.1 一般 

耐電圧試験は,試験に影響のある変圧器及びリアクトルの附属装置を取り付けた状態で,製造業者が工

場内の室温で行う(関連する規格は,IEC 60060-1,IEC 60060-2及びIEC 60076-3)。 

絶縁油内に浸せきしていない全ての部品は,間隙及び沿面距離を,IEC 62497-1に従って確認するのが

望ましい。試験のバリエーションを考慮して,試験に適用する結線は,各種の条件ごとに適宜決定する。 

なお,接地及びタップ切換器の接続は,次のとおりとする。 

− 実使用状態にて,接地点のある巻線については,その点で接地する。 

− 試験をしない導通部(鉄心,フレーム,タンク,変圧器及びリアクトルのケース,温度センサ,並び

に誘電体遮蔽板)は接地する。 

− 高圧制御付き主変圧器では,タップ切換器は,定格タップに接続する。 

耐電圧試験は,次による。 

a) 誘導耐電圧試験(13.2.13.2参照) 

b) 商用周波耐電圧試験(13.2.13.3参照) 

c) 乾式変圧器及びリアクトルでは,発注者の要求に応じて附属書Dに示すような耐湿性試験をしてもよ

い。 

d) 雷インパルス耐電圧試験(13.2.13.4参照) 

e) 層間絶縁試験(13.2.13.5参照) 

f) 

部分放電試験(13.2.14参照) 

誘導耐電圧及び商用周波耐電圧試験として使用する電圧(実効値)は,受渡当事者間の協定によって,

表8(種別1)又は表8A若しくは表8B(種別2)のいずれかによる。実効値電圧の直接測定は,電圧のピ

ーク値を測定することで置き換えてもよい。このピーク値を2で除した値が,表8,表8A又は表8Bに

示した試験電圧(Ua)に等しい。表8,表8A又は表8Bの耐電圧試験電圧は,変圧器及びリアクトルの基

礎絶縁の強度を示す。 

急しゅん(峻)な電圧波形が生じる電力変換装置につながる全ての巻線では, 

− 発注者は繰返しピーク電圧の振幅(UmT,UmG),直流リンク電圧,電圧上昇速度及び繰返し周波数を

指定する。 

− 高いdv/dt及びそれによる電圧のオーバシュートによって生じる繰返し絶縁ストレスが考慮されてい

ることを確認するため,詳細な設計検討を実施するのが望ましい。 

 


19 

E 5007:2019  

 

種別1 

表8−種別1の耐電圧試験電圧 

公称電圧 

Un 

定格絶縁電圧a) 

UNm(以下) 

OV3 d)に従い保護された巻線 

Ua(実効値)/ UNi(波高値) 

kVr.m.s/kVpeak 

OV2 e)に従い保護された巻線 

Ua(実効値)/ UNi(波高値) 

kVr.m.s / kVpeak 

600 

720 

3.3 / 5 

2.8 / 4 

750 

900 

4.0 / 6 

3.4 / 5 

 1 500 

1 800 

6.0 / 12 

5.6 / 10 

− 

2 300b) 

7 / 15.5 

6.6 / 12 

 3 000 

3 700 

11.5 / 25 

10 / 18 

− 

4 800b) 

13 / 25 

11.6 / 18 

− 

6 500b) 

17 / 30 

15 / 25 

11 000 

17 250 

38 / 95 

適用外 

12 000 

17 250 

38 / 95 

適用外 

12 500 

17 250 

38 / 95 

適用外 

15 000 

17 250 

38 / 95 

適用外 

20 000 

24 000 

44 / 125 

適用外 

25 000 

27 500c) 

60 / 150 

適用外 

50 000 

60 000 

120 / 300 

適用外 

直接電車線に接続される巻線は,過電圧保護されていなければならない。過電圧保護分類のOV2及びOV3

を考慮する。 
注a) 表より低い電圧は,JIS E 5004-1による。 

b) この電圧は中間直流リンク電圧として使われている。 

c) UNmの表より高い電圧としての試験電圧は,受渡当事者間の協定による。 

d) OV3:電車線に直接接続されているが,過電圧保護がある回路であり,外部の過電圧にはさらされるこ

とのない回路。 

e) OV2:電車線に直接接続されていない回路で,過電圧保護のある回路。 

 

種別2 

表8A−種別2の電車線に直結された巻線の耐電圧試験電圧 

単位 V 

標準電圧 

定格絶縁電圧 

UNm(以下) 

試験電圧 

誘導耐電圧試験 

Ua(実効値) 

全波雷インパルス耐電圧試験 

UNi(波高値) 

20 000 

24 000 

50 000 

120 000 

25 000 

27 500 

60 000 

150 000 

注記1 特例として,受渡当事者間の協定によって,表中の値を変更してもよい。 
注記2 避雷器が使用されている場合は,受渡当事者間の協定によって,その避雷器の特性に応じて雷インパ

ルス耐電圧試験の試験値を引き下げてもよい。 

 

表8B−種別2の電車線に直結されていない巻線の耐電圧試験電圧Ua 

(誘導耐電圧又は商用周波耐電圧試験)(実効値) 

単位 V 

電車線に直結の別巻線をもっている 

車両用主変圧器及び補助変圧器 

その他の変圧器 

Ua=2.25 U+2 000, 

最低は,2 500 

Ua=2 U+1 000, 

最低は,1 500 

注記 上記の式中,Uは該当巻線の定格電圧(箇条7参照) 


20 

E 5007:2019  

 

13.2.13.2 誘導耐電圧試験(形式試験及び受渡試験) 

この試験は,全ての巻線のターン間,巻線間及びタップ間の絶縁の検査に適用する。 

巻線の片側端子又はタップが常時接地されている全ての巻線に対しては,この試験は非接地側の巻線端

子部に対する商用耐電圧試験も同時に兼ねている。 

試験の際に,給電用以外の接続巻線は,それらの端子の一端を接地する。 

試験電圧Uaは,受渡当事者間の協定がない限りは,表8,表8A又は表8Bによって実施する。 

変圧器の一つの巻線に交流電圧を印加する。電圧波形は極力正弦波に近づけ,試験中の過励磁を防ぐた

め,周波数は定格より十分高くする。 

試験電圧のピーク値を測定し,その値を2で除したものが試験電圧と等しいことを確認する。 

試験は試験電圧の1/3を超えない電圧から開始し,素早く試験値まで増加させ一致させる。試験終了後

は,電圧を素早く試験電圧の1/3以下にし,スイッチを切る。 

特段の指定がない限りは,フル試験電圧での試験時間は,試験周波数が定格周波数の2倍以下の場合は,

60秒間とする。試験周波数が定格周波数の2倍を超える場合は,次の式によって求めた試験時間tとする。

ただし,15秒間を下まわらないものとする。 

 

2

1

120ff

t

 

ここに, 

t: 試験時間(s) 

 

f1: 定格周波数(Hz) 

 

f2: 試験周波数(Hz) 

 

ある巻線の誘導電圧試験中は,同じ磁気回路の他の巻線に誘導する電圧が最大試験電圧値を超えないよ

うに注意する。補助変圧器において,受渡当事者間の協定がない限りは,誘導電圧は2×Urとする(IEC 

60076-3参照)。 

主変圧器の一次巻線の試験電圧を,表8,表8A又は表8Bに示す。 

補助変圧器の誘導耐電圧試験では,層間絶縁試験も実施する。 

主変圧器及び補助変圧器の誘導耐電圧試験の試験回路を図1に示す。補助変圧器の場合,試験電圧は一

次側から印加される場合と二次側から印加される場合とがある。試験中,電圧及び電流が安定していれば,

試験は合格とする。 

 

 

 

 

a) 主変圧器二次巻線に印加 

b) 補助変圧器のデルタ 

結線側に印加 

c) 補助変圧器のスター 

結線側に印加 

図1−誘導耐電圧試験の試験回路例 


21 

E 5007:2019  

 

13.2.13.3 商用周波耐電圧試験(形式試験及び受渡試験) 

この試験の目的は,巻線グループ,タップと接地との間の絶縁性を確認するものである(図2参照)。 

この試験は,全ての変圧器巻線に適用できる。商用周波耐電圧試験は,単相交流電圧電源を用いて行い,

試験される各巻線と接地箇所に接続された全ての巻線との間に規定電圧を順次印加する。試験電圧の波形,

最低周波数,及び印加試験電圧の詳細については,IEC 60076-3を参照するのが望ましい。 

表8又は表8BのUaによる試験電圧を60秒間印加する。電車線に接続される段絶縁された回路構成に

よって接地されない場合がある巻線は,受渡当事者間で協定した試験電圧で商用周波耐電圧試験を行う。 

試験中,電圧及び電流が安定していれば,合格とする。 

 

 

 

 

 

a) 主変圧器一次巻線 

に印加 

b) 主変圧器二次巻線 

に印加 

c) 補助変圧器のスター 

結線側に印加 

d) 補助変圧器のデルタ 

結線側に印加 

図2−商用周波耐電圧試験の試験回路例 

 

13.2.13.4 雷インパルス耐電圧試験(形式試験) 

13.2.13.4.1 一般 

この試験の目的は,雷過電圧及び高速過渡電圧に対して,巻線内部,コイル間及びコイルと接地との間

の絶縁を確認することである。この試験は,架線から直接接続される主変圧器及び補助変圧器の巻線に対

して,必須の試験である。雷インパルス耐電圧試験は,次による。 

a) 試験しない全ての端子は直接接地する(図3参照)。 

b) 電車線側巻線の接地端は,直接又は低いインピーダンス線を通して接地する。 

c) 使用時に電車線側端子につながる過電圧保護装置は外すか又は接続を切り放す。 

d) 高圧側タップ制御が使われている場合は,タップ切換器は定格タップとする。 

 

 

 

 


22 

E 5007:2019  

 

 

 

 

a) 主変圧器一次巻線 

に印加 

b) 主変圧器二次巻線 

に印加 

c) リアクトル巻線 

に印加 

 

 

 

d) 補助変圧器のスター 

結線側に印加 

e) 補助変圧器のデルタ 

結線側に印加 

図3−主変圧器,リアクトル,補助変圧器のインパルス試験結線図例 

 

インパルス試験は,1.2 μs(±30 %)/50 μs(±20 %)の全波標準雷インパルス波形で実施する。 

受渡当事者間の協定がない限りは,印加電圧のピーク値は表8又は表8AのUNiを使用する。 

しかし,巻線インダクタンスが小さい場合及び対地キャパシタンスが大きい場合には,この標準的なイ

ンパルス波形が得られないこともある。その結果,インパルス波形はしばしば振動することがある。この

ような場合は,受渡当事者間の協定によって,幅広い裕度が認められる(IEC 60076-4参照)。 

低圧巻線が,低圧システム側から雷過電圧にさらされない場合でも,受渡当事者間の協定に基づき,こ

の巻線において高圧巻線からのサージ移行率を考慮したインパルス試験をしてもよい。この方法はIEC 

60076-3に示されている。中性点が接地されている場合は,中性点でのインパルス耐電圧試験は必要ない。

巻線の中性点に,インパルス耐電圧が指定されているときは,IEC 60076-3によって実施する。さい断波

試験は,受渡当事者間の協定による。 

13.2.13.4.2 試験順序 

試験順序は,フル試験電圧の50 %〜75 %で1回,それに続き,フル電圧で3回印加する。試験中に,回

路に外部せん(閃)絡若しくはブッシング間にスパークが生じた場合,又はオシログラフの記録がうまく

いかない場合は,もう一度実施する。 

13.2.13.4.3 試験結果の判定 

低減試験電圧にて記録された電圧及び電流波形とフル試験電圧で記録された波形とに重大な違いがない

ことは,絶縁が試験に耐えた証拠となる。更なる情報は,IEC 60076-4にある。波形の差異の解釈に疑念

がある場合は,フル試験電圧で更に3回印加するか,又は端子上での全てのインパルス試験を繰り返す。 


23 

E 5007:2019  

 

波形の差異の拡大が見られなければ,試験は合格と判定する。試験中に過渡的記録の状況が説明ができ

るように,参考として追加的な観察(異音など)をしてもよい。低減試験電圧とフル試験電圧との波形の

違いは,無害な原因によるもの(保護装置の動作,鉄心磁気飽和,変圧器外部の試験回路の状態など)か

もしれないので,十分に調査し,再度低減試験電圧及びフル試験電圧での試験を実施して判断するのが望

ましい。 

13.2.13.5 層間絶縁試験(任意の形式試験) 

層間絶縁試験は,13.3.10.4に従い実施する。この試験は,急しゅん(峻)電圧波形に繰り返しさらされ

る変圧器巻線にだけ適用できる。 

注記 この試験は,主変圧器の一次巻線及び正弦波フィルタを通して供給される三相変圧器巻線など

には適用しない。 

13.2.13.6 ケーブル耐電圧試験(形式試験及び受渡試験) 

低電圧ケーブル(附属品)は,IEC 62497-1に示す電圧で試験をする。この試験は,低圧回路及び附属

品(例えば,温度センサ,ポンプなど)に使われる絶縁導体にだけ適用する。 

13.2.14 部分放電試験[形式試験,任意の受渡試験(乾式)又は調査試験(油入)] 

この試験の目的は,寿命期間を通じての絶縁システムの性能を評価するものである。部分放電測定を実

施することで,変圧器及びリアクトルが通常状態において安全に稼働することができることを評価する。

油入変圧器及びリアクトルにおいては,受渡当事者間の協定によって,IEC 60076-3の誘導耐電圧試験に

従って,部分放電調査試験を実施してもよい。プラグインブッシングの変圧器及びリアクトルの場合,ブ

ッシング内での部分放電を避けるため,適切な方法を採用する。部分放電測定に関しての更なる情報は,

IEC 60270で得られる。乾式変圧器及びリアクトルにおいては,形式試験とする。発注者の要求によって,

この試験を受渡試験としてもよい。実効値交流電圧(50 Hz又は60 Hz)を商用周波電圧として,試験する

各巻線と残りの接地につながった巻線とに印加し,放電電荷量Qのレベル及び電圧を測定する。 

試験では,図4及び表9に従い,試験の種類に応じて六つ又は三つの値を測定する。 

 

 

図4−部分放電試験:電圧−時間 

 


24 

E 5007:2019  

 

表9−部分放電測定 

手順 

測定 

条件 

判定 

形式試験又は調査試験 

受渡試験 

a) 

QBG 

− 

QBGがQmaxより非常に小さい 

○ 

○ 

b) 

Ui 

Qmax 

U2を超える 

○ 

− 

c) 

Q1 

U1 

− 

○ 

○ 

d) 

Ue 

Qmax 

U2以上 

○ 

− 

e) 

Q2 

U2 

Qmax以下及びt2間で 

連続した増加傾向がない。 

○ 

○ 

f) 

Ue-tot 

QBG 

− 

○ 

− 

注記 記号の説明は,次のa)〜f)参照 

 

手順を,次に示す。 

a) 部分放電のバックグラウンドノイズQBGを測定する。QBGは,部分放電開始及び消滅電圧,並びに最

大許容部分放電電荷量Qmaxの十分な感度及び正確な測定を可能にするため,基準値Qmaxより相当程度

低くすることが望ましい。 

b) 電圧を10秒間でU1(上限試験電圧)まで上昇する。U1は受渡当事者間であらかじめ決めておくが,

1.5 UmG/2以上の値とする。 

なお,UmGは,試験対象の絶縁物に印加される最大繰返しピーク電圧である。電圧上昇中にQが

Qmax以上になったときの電圧(部分放電開始電圧Ui)を記録する。 

c) 電圧上昇後t1=1分間保持する。このt1の間に部分放電が見られることもある。U1での部分放電電荷

量レベルQ1を記録する。 

d) t1後,電圧を10秒間でU2(下限試験電圧)に降下する。U2は受渡当事者間であらかじめ決めておく

が,1.1 UmG/2以上の値とする。この間に,QがQmax以下になったときの電圧(部分放電消滅電圧

Ue)を記録する。 

e) 電圧降下後t2=30秒間保持する。t2の最後の5秒間での部分放電電荷量レベルQ2を記録する。 

f) U2印加時に問題になるような放電が見られるなら,放電がなくなるまで(バックグラウンドノイズ

QBGとなるまで)試験電圧を更に下げる。そのときの電圧Ue-totを記録する。 

試験の判定基準は,次の条件で合格となる。 

− 試験電圧に急しゅん(峻)な降下がない。 

− U2時の部分放電が連続的上昇傾向を示さない。 

− 最後の5秒間,U2時の放電電荷量Qの連続レベルが,受渡当事者間で協定された許容レベルQmaxを

超えない。 

例えば,乾式の場合,Qmaxは通常10 pC〜50 pC間が選ばれる。消滅がはっきりしていれば,Qmaxの値は

重要ではない。形式試験又は調査試験において,U1に印加時に大きな放電が見られない場合,試験電圧を,

放電が放電限度のQmaxに到達するか,又は電圧が商用周波耐電圧試験若しくは誘導耐電圧試験の試験電圧

値になるまで,上昇させる。 

形式試験は熱時(例えば,D.4.1参照)及び冷時(例えば,周囲温度)の両方で実施するのが望ましい。 

熱時に部分放電開始電圧及び消滅電圧が低下することがある。受渡試験を冷時で実施する場合,上限試

験電圧及び下限試験電圧(U1及びU2)は,受渡当事者間の協定による(ただし,U1はUaを超えない。)。 


25 

E 5007:2019  

 

13.2.15 短絡強度試験(任意の形式試験) 

13.2.15.1 一般 

この試験は,入札時に仕様書で求められて,発注時に受渡当事者間の協定がある場合に実施する。方法

は,IEC 60076-5による。全ての装置及び附属品と一体となった変圧器及びリアクトルは,外部短絡の熱

的及び機械的作用によって損傷することなく,耐えられるように設計・製造されていなければならない。

そのため,回路内にインピーダンス及び/又は保護装置(ヒューズ,開閉器など)を設けることを考慮す

る。き電システム上での変圧器及びリアクトルの短絡容量については,設計及び試験で使われる短絡電流

を決めるために,発注者が指定する。熱的設計は,IEC 60076-5による。車両の受電点において可能な最

大短絡容量は,発注者が製造業者に指定する。鉄道システムで考慮する最大電圧Umax1は,IEC 60850で規

定される。 

変圧器における試験電流ピーク値及び対称分短絡電流値は,IEC 60076-5によって算出する。 

リアクトルの短絡電流は発注者が定める。受渡当事者間の協定がない限りは,保護装置(放圧装置など)

を取り付けて試験する。巻線にタップがある場合は,短絡試験を実施するタップ位置で,リアクタンス又

はインダクタンスの測定及び必要に応じ抵抗も測定する。 

全てのリアクタンス又はインダクタンスの測定値の再現性は,±0.2 %以下とする。受渡試験の結果を含

む試験成績書は,短絡試験の開始時に完成していなければならない。 

13.2.15.2 試験 

各相巻線の初期ピーク電流値を得るため,スイッチオンの瞬間をシンクロナススイッチによって調整す

る。試験電流値を確認するために,オシログラフ記録器が使われる。各相巻線の最大非対称分電流を得る

ため,相巻線に印加する電圧がゼロとなる瞬間に,スイッチオン状態とする。 

単相変圧器及びリアクトルの場合は3回試験し,三相変圧器及びリアクトルの場合は9回試験する。 

それぞれの試験時間は,0.25 s±10 %である。各試験ごとにオシログラフで印加電圧,及び電流を記録し,

確認する。 

13.2.15.3 試験結果の評価 

試験が完了した後は,変圧器及びリアクトルの外部部品を確認する。また,短絡リアクタンス又はイン

ダクタンス測定結果及び他の各試験ステージ中のオシログラフの結果から,試験中に異常な兆候がないか,

特に短絡リアクタンス又はインダクタンスの変化の異常な兆候がないかを調べる。 

受渡当事者間の協定がない限りは,変圧器及びリアクトルの中身部分をタンク(油入変圧器及びリアク

トルだけ)から取り出し,鉄心及び巻線を調べ,試験前の状態と比較して,リード線の位置のずれ,部品

のずれなどのような異常があるか調べる。これは受渡試験に合格したにもかかわらず,変圧器及びリアク

トルの安全な稼働を支障するかもしれないからである。 

支持構造の目視調査によって,変圧器及びリアクトルの機能を害する機械的変化の兆しを調べる。短絡

試験後に,巻線クランプ装置が損傷していたり,また,表面クラックの本数及び長さが著しく増加してい

た場合,変圧器及びリアクトルは短絡試験に不合格とする。疑わしい場合は,更に3回までのフルオフセ

ット電流での短絡試験を実施して,観察された状態が安定した状態であることを確証する。損傷が進行す

る場合,変圧器及びリアクトルは不合格とする。2回〜3回の追加の短絡試験でも状態が安定し,加えて短

絡試験後の受渡試験に合格すれば,変圧器及びリアクトルの短絡試験は合格とする。 

表8(種別1),又は表8A若しくは表8Bに示す試験電圧値の80 %での耐電圧試験を含む全ての受渡試

験を再実施する。雷インパルス試験が指定されていれば,この段階で実施する。 

変圧器及びリアクトルが短絡試験に合格するためには,次の状態を満たす必要がある。 


26 

E 5007:2019  

 

a) 短絡試験の結果,測定結果及び状態の確認において,異常がない。 

b) 受渡試験に再度合格し,指定されていれば,雷インパルス試験,乾式変圧器及びリアクトルの耐湿性

試験に合格する。 

c) 周波数応答分析(FRA)で,巻線の機械的状態を評価する必要があれば,短絡試験前後の測定結果を

受渡当事者間で検討する。この方法は,13.2.20又はIEC 60076-18による。 

d) タンク取出し調査で,部品の移動,鉄心ずれ,巻線の変形,支持構造の結合などの変圧器及びリアク

トルの安全な稼働に重要な問題を発生させるような異常がない。 

e) 内部の電気的な放電痕がない。 

f) 

試験後の各相の短絡リアクタンスの値(Ω),又はインダクタンスの値(mH)を初期値と比較し,次

の値以上の差がない。 

1) 円形同心配置巻線及び交互配線巻線をもつ変圧器及びリアクトルでは,2 %。 

2) 非円形同心配置で短絡インピーダンスが3 %以上の変圧器及びリアクトルでは,7.5 %。 

3) 7.5 %の値は,受渡当事者間の協定によって減じてもよい。ただし,4 %以下にならない。 

加えて乾式変圧器では,発注者は,附属書Dによる耐湿性試験の実施を要求してもよい。 

13.2.16 振動及び衝撃試験(任意の形式試験) 

13.2.16.1 一般 

この試験は,入札時に仕様書で求められて,発注時に受渡当事者間の協定がある場合に実施する。 

試験は,JIS E 4031による。この試験は,鉄道車両が稼働時に発生することが知られている振動及び衝

撃のある環境下で使用する場合の結果として,問題が生じる弱点部及び不適合部を明らかにすることを目

的とする。これは,寿命試験を目的にするものではない。ただし,試験条件は,鉄道車両の使用状態にお

いて機器が指定の寿命を全うするような適切な信頼度を与えるのに十分である。JIS E 4031に次の試験が

規定されている。 

a) 振動機能試験 変圧器及びリアクトルとしては要求されてない。 

b) 振動耐久試験 この試験は,通常使用を超える振動レベルにおいて,機器の機械的完全性を立証する

ことを目的とする。これらの条件下で機能する能力を実証する必要はない。 

c) 衝撃試験 衝撃試験は,使用時にまれに発生する事象を模擬することを目的としている。試験中に電

気的に機能する能力を実証する必要はない。ただし,稼働状態で,変化が生じないことを立証する必

要がある。それは,機械的完全性が変化してないことを立証し,最終の試験成績書に明確に記載する。 

試験の前後において,機械的完全性及び共振モードを検証するために,機械的伝達関数を検証する。受

渡当事者間の協定によって,JIS E 4031の附属書JA(正弦波振動試験方法)及び附属書JB(前後衝撃を

想定した衝撃試験方法)で行ってもよい。 

13.2.16.2 試験 

13.2.16.2.1 振動耐久試験 

振動耐久試験は,トータルで15時間の試験時間とし,通常は互いに垂直な3軸方向(x,y,z)各5時

間ずつ行う。3方向同時のマルチ試験装置がある場合,全試験時間は5時間になる。 

変圧器及びリアクトルは,防振支持なしで試験することを推奨する。 

試験中に装置の過熱が問題になると考えられる場合は,装置の回復を考慮して,一定の時間,試験を中

断することができる。ただし,5時間の試験時間は達成しなければならない。試験を中断した場合は,こ

の試験状況を試験成績書に記録する。試験は,発注者の指定によって,JIS E 4031の振動耐久試験の区分

1の等級A,又は等級Bによって実施する。 


27 

E 5007:2019  

 

13.2.16.2.2 衝撃試験 

発注者の指定で,JIS E 4031の区分1の等級A,又は等級Bによって,単発の正弦波半波パルス試験の

手順で実施する。実用上の理由で50 m/s2で実施できない場合は,速度変化割合に配慮し,30 m/s2未満に

ならない範囲で値を減じてもよい。 

13.2.16.2.3 故障の検出及び試験結果の評価 

変圧器及びリアクトルの目視検査では,損傷がないことを確認する。機械的及び電気的締付け部の締付

けトルクを確認する。油入変圧器及びリアクトルの場合は,中身を目視で検査する。 

変圧器及びリアクトルに関連する可動部品(油流計,油面計,ポンプ,ファンなど)は,機能試験を実

施する。受渡当事者間で協定がない限りは,振動及び衝撃試験の後に次の試験を再度実施する。 

変圧器: 

a) 巻線抵抗の測定。 

b) 無負荷電流及び無負荷電流損失の測定。 

c) インピーダンス電圧の測定。 

d) 誘導耐電圧試験及び/又は商用周波耐電圧試験。 

e) 乾式変圧器の場合,発注者は附属書Dに従い,耐湿性試験を要求してもよい。 

リアクトル: 

f) 

巻線抵抗測定。 

g) インダクタンス測定。 

h) 損失測定。 

i) 

商用周波耐電圧試験。 

j) 

乾式リアクトルの場合,発注者は附属書Dに従い,耐湿性試験を要求してもよい。 

a),b),c)及び/又はf),g),h)の試験結果の数値が,初めの測定結果に対して2 %以内の差異であれば,

変圧器及びリアクトルは振動及び衝撃試験に合格したとみなす。 

d),e),i)及びj)の試験に対しては,試験電圧を初めの試験値に対して80 %とする。巻線の機械的状態

を評価するために,周波数応答分析が要求された場合は,受渡当事者間で,振動及び衝撃試験前後の測定

結果に対して協議する。その方法は,13.2.20又はIEC 60076-18による。 

13.2.17 電圧移行率VTR(任意の形式試験) 

この試験の目的は,一次巻線と隣接する巻線との間の,最も高い静電的移行電圧を評価することであり,

併せて,それらの巻線が正しい定格絶縁電圧(UNm)クラスであるか確認することである。移行電圧につ

いては,IEC 60076-3を参照する。 

低電圧のインパルス又は交流く(矩)形波(例えば,10 V:1 A)を,最大1.5 μsの最大立ち上がり時間

にて,一次巻線の印加側端子と一方の接地端子との間に印加する。 

二次巻線電圧の測定箇所は,発注者が指定する二次巻線の接地状態(直接接地,容量接地,高抵抗接地

及び非接地)によって決まる。構成の分類及び試験方法(試験A〜試験C)を図5に示す。 

一次定格インパルス電圧(UNi)に対して,電圧移行率によって計算された初期ピーク電圧は,二次側定

格インパルス電圧(UNi),又は発注者が指定した耐圧値より低くなければならない。 

 

 

 

 


28 

E 5007:2019  

 

 

図5−VTR試験 

 

13.2.18 騒音測定(形式試験) 

騒音レベルの測定は,IEC 60076-10によって指定された冷却状態で実施する。 

音響インテンシティ測定法として,JIS Z 8736-1又はJIS Z 8736-2(試験台での設置時,装置の周りの測

定者の存在を許容している。)を適用する。音圧測定法としては,ISO 3746を適用する。発注者の要求精

度によっては,マイクロホンの数を増やしてもよい。また,平行6面体測定法を採用した場合,5面で測

定する。試験は,次のステップで実施する。 

a) ステップ1 製造業者による騒音試験で,指定の電圧波形を再現できなければ,正弦波電源にて,IEC 

60076-10に規定される条件で実施する。 

b) ステップ2 ステップ1の試験を指定の波形で実施しなかった場合は,関連する電力変換装置ととも

に,試験台又は車両上で追加試験を実施する。 

13.2.19 漏れ磁束密度測定(任意の形式試験) 

漏れ磁束密度は,指定の電流を通電して指定の部位で測定し,指定値以下であることを確認する。 

測定点及び指定値は,受渡当事者間の協定による。 

13.2.20 周波数応答分析FRA(調査試験) 

FRAは,診断目的で電力変換装置と接続される二次側から一次側へ誘導される高周波電流を評価するこ

とである。推奨するFRA関数は,変圧器に印加された二次電圧で一次側電流を除した比率である。二次側

の端子と大地との間及び短絡した二次側端子と大地との間に電圧を印加する。少なくとも500 kHzまでの

周波数範囲にわたって測定する。 

詳細な測定方法は,受渡当事者間の協定による。 


29 

E 5007:2019  

 

13.2.21 突入電流測定(任意の形式試験) 

突入電流とは,変圧器を交流電源システムに接続した直後に流れる過渡的磁化電流のことである。 

この電流は,非対称性が強く,変圧器の接続前の残留磁気及び接続した瞬間の電圧の位相に依存する。

この電流は,き電系からの要求によって制限される場合がある。突入電流の測定には,精密な記録装置と

オン/オフ制御システムをもった十分なエネルギー源が必要である。 

測定の手順を,次に示す。 

a) 正確な電圧位相での適切なスイッチ遮断によって,変圧器鉄心内の残留磁気を作る。 

b) 変圧器に電圧レベルUmax1で正確に0 V点を交差するタイミングでスイッチを投入する。 

c) 一次ピーク電流及び供給電圧を記録する。 

d) 過渡電流の減少を考慮し,規定された間隔で最大電流を得られるように,何度か測定する。 

一次突入電流の許容値は,受渡当事者間の協定による(試験回路の例:図6参照。)。 

e) 正確な突入電流を得るために十分な電源容量が望ましい。 

f) 

二次巻線は開放しておく。 

 

 

 

注a) 試験中は変圧器の二次巻線を開放しておく。 

 

図6−試験回路例 

 

13.3 リアクトル試験 

13.3.1 試験項目 

リアクトルの検査,測定及び試験項目は,表10による。表10に試験の種類及び該当箇条番号を示す。 

 

CT 変流器 

PT 計器用変圧器 

E  同期スイッチ 


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表10−リアクトルに適用する試験項目,試験の種類及び該当箇条番号 

試験の項目 

試験の種類 

該当箇条番号 

形式試験 

受渡試験 

調査試験 

目視調査 

○ 

○ 

− 

13.3.3 

質量 

○ 

△ 

− 

13.3.4 

巻線抵抗測定 

○ 

○ 

− 

13.3.5 

損失の決定 

○ 

− 

− 

13.3.6 

インダクタンス測定 

○ 

○ 

− 

13.3.7 

温度上昇試験 

○ 

− 

− 

13.3.8 

絶縁抵抗試験 

△ 

△ 

− 

13.3.9 

耐湿性試験 

▲ 

▲ 

▲ 

13.3.10.1 

商用周波耐電圧試験 

○ 

○ 

− 

13.3.10.2 

雷インパルス耐電圧試験 

○ 

− 

− 

13.3.10.3 

層間絶縁試験 

○ 

○ 

− 

13.3.10.4 

部分放電試験 

● 

▲ 

− 

13.3.11 

短絡強度試験 

△ 

− 

− 

13.3.12 

振動及び衝撃試験 

△ 

− 

− 

13.3.13 

通電時の振動特性試験 

− 

− 

○ 

13.3.14 

騒音測定 

○ 

− 

− 

13.3.15 

漏れ磁束密度測定 

△ 

− 

− 

13.3.16 

注記 ○:実施,●:乾式タイプだけ実施,△:任意,▲:乾式タイプだけ任意 

 

13.3.2 裕度 

製造業者がこの規格によって定格及びその他の特性を保証する場合に適用できる裕度を,表11に示す。 

表中の裕度の片側が記載されていない場合は,その側には制限を設けていないことを意味する。 

 

表11−裕度 

項目 

参照箇条 

裕度 

1 巻線抵抗 

13.3.5 

+10 %以下 a) 

2 損失 

13.3.6 

全損失の+10 %以下,かつ,各部分機器の損失の+15 %以下 

3 インダクタンス 

13.3.7 

インダクタンス保証値の±10 % 
同一のリアクトル間のばらつきは,平均値の±3 % b) 

4 質量 

13.3.4 

形式試験: 
±10 %(100 kg>総質量) 
±5 %(1 000 kg>総質量≧100 kg) 
±3 %(総質量≧1 000 kg) 
量産品においては:±3 %  

注記 裕度は,設計時に検討するが,形式試験の結果によって量産品について定める。 
注a) 量産品において,導体サイズ及び巻線の工作精度が向上するので,裕度は小さくなることが期

待される。このため製造業者が裕度を小さく決めることができる。 

b) 同調フィルタ回路用リアクトルなどで更に厳しい裕度が必要な場合は,受渡当事者間の協定に

よって設定する。 

 

他の項目についての裕度は,IEC 60076-6による。 


31 

E 5007:2019  

 

13.3.3 目視調査(形式試験及び受渡試験) 

目視調査は,13.2.3に従い実施する。 

13.3.4 質量(形式試験及び任意の受渡試験) 

リアクトルの質量は,供給範囲内の全附属品を含む。 

13.3.5 巻線抵抗測定(形式試験及び受渡試験) 

巻線抵抗は,周囲温度において自己インダクタンスの影響が最小化するよう注意して,直流電流で測定

し,基準巻線温度(13.2.5,表7及び表7A参照)の抵抗値に換算する。また,測定時の温度を記録する。 

13.3.6 損失の決定(形式試験) 

交流及び脈流リアクトルの損失は,動作電流に等しい周波数の交流で測定する。脈流リアクトルは,直

流又は脈流で測定してもよい。試験電流は,発注者が指定した高調波,又は波形及び渦電流による損失を

考慮した等価実効電流とし,試験状態と運転状態との損失の相異の影響について考慮する。 

直流リアクトルは,損失を直流で測定する。磁気鉄心の損失計算も示さなければならない。 

損失は,式I2Rによって算出する。抵抗Rは基準温度に対して補正された値とする。 

磁気鉄心又は磁気シールドをもつリアクトルについては,受渡当事者間の協定がない場合には,実現可

能な損失が使用時に近い周波数及び/又は波形で測定する。 

13.3.7 インダクタンス測定(形式試験及び受渡試験) 

13.3.7.1 一般 

一般的に,受渡試験では交流電流だけ又は直流に重畳した電流を用いてよいが,形式試験では,リアク

トルのタイプに応じて適切な電流を用いて行う。異なる条件では,インダクタンスの規定値又は測定値は

同一とは限らない。受渡当事者は,形式試験の結果に基づき受渡試験に採用する数値を事前に協定してお

く。組み合わされたリアクトルの場合には,発注者は,相互インダクタンスの測定を形式試験として要求

してもよい(IEC 60076-6参照)。 

発注者は,次の試験を追加の形式試験として要求してもよい。 

a) 周波数変化に伴うインダクタンスの測定。 

b) 温度変化に伴うインダクタンスの測定(例えば,フェライトコアについて。)。 

13.3.7.2 交流インダクタンス測定 

13.3.7.2.1 一般 

この試験は,基本的に高調波電流が少ない交流電流で使用されるリアクトルに適用する。また,この試

験法は,他の種類のリアクトルでも,受渡試験としても使われる。 

測定に対応するインダクタンスは,交流インダクタンスで,電圧及び電流が共に正弦波実効値として与

えられるリアクタンスから導かれる(IEC 60076-6参照)。 

13.3.2を参照して,温度上昇が重大な測定誤差の原因とならないように,測定は素早く実施する。巻線

の直流抵抗は記録中の損失測定結果から間接的に測定するか,又はインダクタンス測定の前(この場合は

参考値)若しくは記録直後に直接測定する。 

13.3.7.2.2 形式試験 

リアクトルは,定格周波数の交流電源(単相電源又は三相電源)を用い,インピーダンス又はインダク

タンス曲線をリアクトルの全使用域の電流に対して作成する。発注者が要求した場合には,飽和曲線につ

いて,量産開始前に受渡当事者間で協定しなければならない。空心リアクトルの試験は,定格電流及び最

大電流だけで実施する。特定のリアクトルは,Q値(IEC 60076-6:2007の9.4.11参照)の決定を要求して

もよい。 


32 

E 5007:2019  

 

13.3.7.2.3 受渡試験 

交流インピーダンスは,定格電流及び受渡当事者間で協定した周波数で測定する。 

13.3.7.3 脈流インダクタンス測定 

13.3.7.3.1 一般 

この試験は,交流が重畳した直流電流(脈流)で使用される可飽和リアクトルに適用する。 

ここで測定するインダクタンスは,脈流インダクタンスで,指定の脈流電流がリアクトルを通過したと

きの端子電圧の測定から導かれる(IEC 60076-6参照)。 

13.3.2を参照して,温度上昇が重大な測定誤差の原因とならないように素早く測定する。巻線の直流抵

抗は,記録中の損失測定結果から間接的に測定するか,又はインダクタンス測定の前(この場合は参考値)

若しくは直後に直接測定する。 

13.3.7.3.2 形式試験 

脈流インダクタンスは,直流電流に指定された高調波電流を重畳して測定する。これを直流電流値を指

定の範囲内で変化させて行う。 

注記 直流電流に比べ交流電流が小さい場合(10 %以下),交流試験電流の厳密な値は,測定におい

ては重要ではない。 

受渡当事者間の協定によって,過渡インダクタンスを脈流インダクタンスの代わりに用いてもよい。 

脈流インダクタンス曲線は,リアクトルの全使用域の電流に対して作成する。 

受渡試験を交流インピーダンスによって実施した場合,上記の形式試験を合格したリアクトルは,受渡

当事者間で協定した商用周波数の交流を用い,過電圧にならない数点の電流値に対して,インピーダンス

及びインダクタンスを測定し記録する。インピーダンス曲線上の一点を受渡当事者間の協定によって定め,

以降の受渡試験に対する基準点として用いる。 

空心リアクトルの試験は,定格電流及び最大電流でだけ実施する。 

13.3.7.3.3 受渡試験 

受渡当事者間の協定によって,受渡試験は指定の1点(直流電流及びリップル電流)での脈流インダク

タンス値の測定,又は上記と同じ点での交流インピーダンス値の測定としてもよい。 

13.3.7.4 過渡インダクタンスの測定 

13.3.7.4.1 一般 

この試験は,高調波電流が重畳した交流又は直流電流で使用する可飽和リアクトルに適用する。 

この方法は,空心リアクトルに適用してもよい。 

測定するインダクタンスは,過渡インダクタンスでリアクトルの過渡電圧及び電流を測定して求める。 

 

dt

di

t

i

R

t

u

di

i

d

i

L

/

)

(

)

(

)(

)(

d

 

ここに, 

Ld: 過渡インダクタンス 

 

Ψ: 磁束 

 

R: 直流抵抗 

 

u: 電圧 

 

i: 電流 

 

注記 この定義は最も適用範囲が広く,可飽和リアクトルの磁気特性をよく表している。インダクタ

ンスについての別の定義は,この特性から導かれる。 

正確な結果を得るためには,次による。 


33 

E 5007:2019  

 

a) Ldを規定する電流範囲より高いピーク電流を発生させ,鉄心を飽和させるように,電圧を調整する。 

b) 13.3.2を参照して,温度上昇が重大な誤差の原因とならないように,素早く測定する。巻線の直流抵

抗は,記録中の損失測定結果から,間接的に測定するか,又はインダクタンス測定の前(この場合は

参考値)若しくは直後に直接測定する。 

c) 生のデジタルデータは,Ld(i) 特性が得られるように十分なフィルタリングを用いる。 

13.3.7.4.2 形式試験 

過渡電圧及び電流(三相リアクトルの各相の)は,デジタル記録計に記録する。指定範囲内のそれぞれ

の電流値に対して過渡インダクタンスは,13.3.7.4.1の式によって算出する。 

試験方法の詳細は,受渡当事者間の協定による。 

幾つかの試験方法を次に示す。 

a) 方法1:交流電圧 単相(又は三相)交流電圧を,リアクトルの端子間に印加する。ピーク電流がLd

に対して指定された範囲より大きくなり鉄心を飽和させる周波数を選ぶ。ただし,印加電圧は最大動

作電圧を超えてはならない。 

方法2〜方法5では,三相リアクトルの場合,電流は各相に順番に流す。接続方法によっては,電流は,

通常の三相が稼働している状態での他の相の影響を考慮した適切な係数によって増やす。 

b) 方法2:直流分極を伴う単相交流電流の注入 この試験方法は直流リアクトルの脈流インダクタンス

の測定と基本的に同じである。ただし,測定は,実効値でなく瞬時値に基づく。過渡インダクタンス

は,直流電流に指定の高調波電流を重畳して測定し,これを直流電流値を指定の範囲内で変化させて

測定を行う。 

c) 方法3:単相共振コンデンサの放電 コンデンサに蓄えた電荷を,リアクトルで放電する。この方法

の利点は,次のとおりである。 

1) 大電流及び大きな電源容量が不要である。 

2) 巻線温度上昇を無視できる。インダクタンス測定の前(この場合は参考値),及び直後の巻線の直流

抵抗測定で十分である。 

d) 方法4:単相直流電圧パルス 直流電圧パルスを,リアクトル端子間に印加する。電圧振幅及びパル

スの継続時間は,指定の最大電流以上になるように調整する。この方法の利点は,方法3と同様であ

る。 

e) 方法5:直流電流の充電−放電 試験は,回路を急に閉じて行うか,又はリアクトルを急に短絡して,

直流電流を流して行う(IEC 60076-6:2007の附属書B参照)。 

受渡試験を交流インピーダンスによって実施した場合,この形式試験に合格したリアクトルは,受渡当

事者間で協定した商用周波数の交流を用い,過電圧にならない数点の電流値に対してインピーダンス及び

インダクタンスを測定し記録する。インピーダンス曲線上の1点を受渡当事者間の協定によって定め,以

降の受渡試験に対する基準点として用いる。 

13.3.7.4.3 受渡試験 

受渡試験は,受渡当事者間の協定によって,任意の1点での過渡インダクタンス値の測定又は上記と同

じ点での交流インピーダンス値の測定としてもよい。 

13.3.8 温度上昇試験(形式試験) 

温度上昇試験は,13.2.11に従い実施する。 

13.3.9 絶縁抵抗試験(任意の形式試験及び任意の受渡試験) 

耐電圧試験前に1 000 V絶縁抵抗計によって,巻線間及び巻線と大地との間で絶縁抵抗を測定し,同時


34 

E 5007:2019  

 

に,冷媒温度を記録する。 

13.3.10 耐電圧試験 

13.3.10.1 一般 

リアクトルの耐電圧試験は,室温において,試験に影響を与え得る附属品を装備した状態で,製造業者

が行う。耐電圧試験は,次による。 

a) 商用周波耐電圧試験(13.3.10.2参照) 

b) 乾式リアクトルでは,附属書Dに従い,耐湿性試験を発注者が要求してもよい。 

c) 雷インパルス耐電圧試験(13.3.10.3参照) 

d) 層間絶縁試験(13.3.10.4参照) 

e) 部分放電試験(13.3.11参照) 

試験対象でない全ての導電部(例えば,鉄心,フレーム,リアクトルのタンク及びケース,温度センサ

など)は,試験時には接地する。 

13.3.10.2 商用周波耐電圧試験(形式試験及び受渡試験) 

商用周波耐電圧試験は,13.2.13.3に従い実施する。 

13.3.10.3 雷インパルス耐電圧試験(形式試験) 

雷インパルス耐電圧試験は,13.2.13.4に従い実施する。 

13.3.10.4 層間絶縁試験(形式試験及び受渡試験) 

この試験の主な目的は,巻線ターン間及び端子間の絶縁性を確認することである。特に,急しゅん(峻)

な電圧波形に繰り返しさらされる巻線に関する。この試験は,通常時又は故障時に,端子間に電圧ストレ

スにさらされる可能性のある変圧器及びリアクトルについて実施する。 

変圧器及びリアクトルの稼働時のストレス条件に対応するために,幾つかの方法を表12に示す。試験方

法及び試験条件の選定は,受渡当事者間の協定による。 

 

表12−層間絶縁試験の方法 

試験方法 

稼働条件 

パルス電圧 

(PWM電圧が印加される巻線,チョ

ッパリアクトル,過渡リアクトル,三

相フィルタリアクトルなど) 

正弦波交流 

(同調フィルタ回路
用リアクトルなど) 

純粋な直流 

(フィルタリアク

トルなど) 

インパルス試験: 
表8にてUNmを基に試
験電圧を選ぶ 

UNiで3回実施 

コンデンサ放電共振a) 

Uaで3回実施 

正弦波電圧b) 

Uaで,試験時間(s):T=120×fassigned(定格周波数)/ftest(試験周波数) 

(最小15 s,最大60 s) 

繰返し電圧パルス発
生器: 
5 kV/μs以上の急しゅ
ん(峻)な立ち上がり
電圧波形c) 

U=2×UmG 

N≧3 000パルス 

適用しない 

注a) IEC 60076-6:2007の附属書Eによる(減衰によってサイクル数は,受渡当事者間の協定による。)。 

b) 小さなインダクタンス値のときは,電源及びリアクトルに対して十分小さな電流を保つために,試験周

波数を高くすることが必要な場合がある[T:試験時間(s),f:周波数(Hz)]。 

c) dv/dtは,指定の運用状態以上であることが望ましい。 


35 

E 5007:2019  

 

13.3.11 部分放電試験[形式試験(乾式),任意の受渡試験(乾式)] 

部分放電試験は,13.2.14に従い実施する。 

13.3.12 短絡強度試験(任意の形式試験) 

短絡試験は,13.2.15に従い実施する。直流主回路フィルタリアクトルにおいて,印加電圧の0点設定は

不要である。最大短絡電流及び持続時間は発注者が指定する。 

受渡当事者間の協定に基づき,短絡試験をコンデンサ放電によって行ってもよい。 

13.3.13 振動及び衝撃試験(任意の形式試験) 

振動及び衝撃試験は,13.2.16に従い実施する。 

13.3.14 通電時の振動特性試験(調査試験) 

通電時の振動特性の測定は,リアクトル単体に電流を通電して,加速度振幅及び変位を測定する。試験

条件は,受渡当事者間の協定による。 

13.3.15 騒音測定(形式試験) 

騒音測定は,13.2.18に従い実施する。 

13.3.16 漏れ磁束密度測定(任意の形式試験) 

漏れ磁束密度測定は,13.2.19に従い実施する。 

 


36 

E 5007:2019  

 

附属書A 

(参考) 

受渡当事者間で協定が必要な項目,並びに発注者又は製造業者から 

提供する補足情報及び仕様明細の項目 

 

A.1 受渡当事者間で協定が必要な項目 

A.1.1 変圧器及びリアクトル 

規格の適用範囲の拡大 

特殊使用条件 

10.2 

固体材料の温度限度:耐熱クラス,種別1(表3)又は種別2(表3A) 

10.4 

タンクの表面最高温度 

11 

FEA計算によって立証された機械的挙動(設計,モデル校正,疲労限度など) 

11 

機械設計の安全率 

12 

銘板の項目 

13.1.3 

受渡試験に代わる抜取試験 

13.2.1 

変圧器と切り離せない過渡リアクトルの単独装置としての試験 

13.2.5 

基準巻線温度:種別1(表7)又は種別2(表7A) 

13.2.11.1 

温度上昇試験:試験条件の詳細 

13.2.11.1 

過負荷条件又は他の条件での温度上昇試験 

13.2.11.1 

特殊温度試験 

13.2.11.3 

油入変圧器及びリアクトル:直接測定による巻線のホットスポット温度 

13.2.11.3 

低減損失での油温上昇試験 

13.2.11.3 

指定の過負荷条件での巻線温度上昇試験 

13.2.11.4 

乾式変圧器及びリアクトル:温度センサの位置 

13.2.11.4 

温度上昇試験の他の方法 

13.2.11.4 

低減損失での電流通電試験 

13.2.11.6 

定格電流及び定格容量での温度上昇試験判定基準 

13.2.13 

各種の条件ごとの耐電圧試験の接続配置 

13.2.13.1 

耐電圧試験電圧:種別1(表8)又は種別2(表8A及び表8B) 

13.2.13.4.1 雷インパルス耐電圧試験:表8以外の電圧ピーク値 

13.2.13.4.1 インパルス波形の裕度の緩和 

13.2.14 

部分放電試験:許容レベルQmax 

13.2.14 

上限試験電圧U1,下限試験電圧U2 

13.2.15.1 

任意の短絡強度試験 

13.2.15.3 

(短絡試験後確認のため)中身をタンクから取り出すか否か 

13.2.16.1 

車両に弾性固定された変圧器の挙動確認 

13.2.16.1 

JIS E 4031の附属書JA及び附属書JBによる振動及び衝撃試験 

13.2.16.2.3 任意の衝撃,振動試験後の他の試験項目 

13.2.19 

漏れ磁束密度測定点及び指定値 


37 

E 5007:2019  

 

B.4.4 

乾式変圧器及びリアクトルの巻線内の温度センサ位置 

D.2 

乾式変圧器及びリアクトルの任意の耐湿性試験1:抜取試験による浸せき試験 

D.3 

任意の耐湿性試験2:湿潤状態で商用周波耐電圧試験の印加時間 

D.4.2 

任意の耐湿性試験3:電流注入条件 

D.5 

任意の耐湿性試験:同一箇所に再現しない短時間アーク電流の承諾 

D.5 

絶縁抵抗の基準値(RIS-DRY-24H) 

D.5 

漏れ電流の最大変動値 

D.5 

絶縁抵抗の最小値(RIS-WET-0及びRIS-WET-1) 

D.5 

目標基準値の変更の同意 

 

A.1.2 変圧器 

7.1 

駆動システムの公称電圧以外の定格一次電圧 

13.2.1 

表5:実施する試験項目 

13.2.2 

表6:基準タップでのインピーダンス電圧のより小さい裕度 

13.2.3 

任意の機能試験(形式試験及び受渡試験) 

13.2.7.2 

無負荷電流及び無負荷損失を測定する他の一次電圧 

13.2.8.1 

インピーダンス電圧を測定する全ての巻線の組合せ 

13.2.8.1 

インピーダンス電圧を追加測定する他のタップ位置及び巻線の組合せ 

13.2.10 

高調波損失の別の計算方法 

13.2.10 

列車暖房用負荷に関係する損失 

13.2.11.3 

油入変圧器:適切な負荷をつなげ,定格電圧及び定格電流を印加する温度上昇試験 

13.2.11.3 

返還負荷法による温度上昇試験 

13.2.11.4 

乾式変圧器:適切な負荷をつなげ,定格電圧及び定格電流を印加する温度上昇試験 

13.2.11.4 

返還負荷法 

13.2.12 

絶縁抵抗の最小値 

13.2.13 

表8:UNmより高い耐電圧試験電圧 

13.2.13.1 

任意の耐湿性試験 

13.2.13.2 

誘導耐電圧試験:表8以外の試験電圧 

13.2.13.3 

商用周波耐電圧試験:表8以外の非均等絶縁巻線の試験電圧 

13.2.13.4.1 低電圧巻線の雷インパルス耐電圧試験:高電圧巻線からの移行サージ試験 

13.2.14 

油入変圧器の随意の部分放電調査試験 

13.2.15.3 

短絡試験前後のFRA測定結果 

13.2.15.3 

非円形同心配置コイルで,7.5 %以下の短絡リアクタンス変化基準値の低減 

13.2.16.2.3 振動及び衝撃試験前後のFRA測定結果 

13.2.20 

周波数応答分析FRA:詳細な測定法 

13.2.21 

一次突入電流:許容値(任意) 

 

A.1.3 リアクトル 

13.3.1 

表10:実施する試験項目 

13.3.2 

表11:量産品の裕度の緩和 


38 

E 5007:2019  

 

13.3.6 

使用時に近い周波数及び/又は波形以外で測定の損失 

13.3.7.1 

受渡試験時に使われるインダクタンス値 

13.3.7.2.2 

交流インダクタンス測定:飽和曲線 

13.3.7.2.3 

交流インピーダンス測定のための周波数 

13.3.7.3.2 

脈流インダクタンス測定:脈流インダクタンスの代わりの過渡インダクタンスの使用 

13.3.7.3.2 

形式試験時の交流電流でのインピーダンス及びインダクタンス測定のための商用周波数 

13.3.7.3.2 

形式試験でのインピーダンス曲線上の任意の点の選定 

13.3.7.3.3 

指定された1点での脈流インダクタンス測定,又は同じ点での交流インピーダンス測定によ

る受渡試験 

13.3.7.4.2 

過渡インダクタンス測定:形式試験のための試験法 

13.3.7.4.2 

形式試験時の交流電流でのインピーダンス及びインダクタンス測定用の商用周波数 

13.3.7.4.2 

形式試験でのインピーダンス曲線上の任意の点の選定 

13.3.7.4.3 

指定された1点での過渡インダクタンス測定,又は同じ点での交流インピーダンス測定によ

る受渡試験 

13.3.10.1 

任意の耐湿性試験 

13.3.10.4 

層間絶縁試験の電圧:試験方法及び試験条件の選択 

13.3.12 

コンデンサ放電法による短絡試験 

13.3.14 

通電時の振動特性試験の試験条件 

 

A.2 発注者から製造業者に提供する情報又は仕様明細 

A.2.1 変圧器及びリアクトル 

6.1 

負荷プロファイル 

6.1 

電流頻度スペクトラム 

6.2 

連続負荷時の基準温度,又は温度分布 

中間タップ 

9.2.3 

装置の定格運転状態における基準となる空気流量(又は流速) 

13.1.2 

任意の形式試験 

13.1.4 

調査試験 

13.1.4 

調査試験結果の扱い 

13.2.11.1 

変圧器及びリアクトルの外部との境界での冷媒温度 

13.2.12 

試験完了後の絶縁抵抗の再測定 

13.2.13 

急しゅん(峻)な電圧波形を発生する電力変換装置に接続する全ての巻線に関して: 

 

繰返しピーク電圧振幅(UmT,UmG),直流リンク電圧,電圧上昇速度及び繰返し周波数 

13.2.15.1 

き電システム上での短絡容量 

13.2.15.1 

車両受電点で可能な最大短絡容量 

13.2.15.3 

短絡試験後の雷インパルス試験の任意要求 

13.2.15.3 

短絡試験後の耐湿性試験の任意要求 

13.2.16.2.1 任意振動及び衝撃形式試験:増大したランダム振動レベルでの模擬的長期寿命試験の 

 

区分1の等級A又は等級Bの指定 

13.2.16.2.3 振動及び衝撃試験後の乾式変圧器及びリアクトルの耐湿性試験の任意要求 


39 

E 5007:2019  

 

13.2.18 

騒音測定の精度等級 

B.4.1 

過負荷で運用する時間,すなわち負荷プロファイル及び電流頻度スペクトラム 

B.4.2 

変圧器及びリアクトルの外部との境界での冷媒温度分布,又は寿命計算のための基準冷媒温

度 

C.3.2 

熱的耐久性計算のための運転条件 

附属書E 

負荷プロファイル:過負荷運用状態の持続期間及び頻度 

 

A.2.2 変圧器 

13.2.1 

表5:任意又は調査試験の要求 

13.2.7.2 

無負荷電圧及び電流波形の記録並びに高調波分析の任意要求 

13.2.8.2 

非線形短絡インダクタンス特性に関する過渡インダクタンス測定の任意要求 

13.2.8.2 

周波数に対するインピーダンス変化(抵抗値及びインダクタンス)測定の任意要求 

13.2.10 

補助変圧器に関する全損失計算のための別条件 

13.2.13.2 

60秒間以外の最大試験電圧での試験時間 

13.2.13.2 

補助変圧器に対する定格電圧Urの2倍以外の誘導試験電圧 

13.2.14 

部分放電 

 

乾式変圧器に対する受渡試験としての任意要求 

 

油入変圧器に対する調査試験としての任意要求 

13.2.17 

VTR試験の構成選択のための接続構成 

13.2.17 

VTRの最大値 

 

A.2.3 リアクトル 

13.2.15.1 

リアクトルの短絡電流 

13.3.1 

表10:任意又は調査試験の要求 

13.3.6 

損失決定のための電流波形 

13.3.7.1 

組み合わされたリアクトルの形式試験としての相互インダクタンス測定の任意要求 

13.3.7.1 

追加の形式試験の任意要求:周波数と温度に対するインダクタンス変化の測定 

13.3.7.2.2 

Q値決定の任意要求 

13.3.11 

部分放電 

 

乾式リアクトルに対する受渡試験としての任意要求 

13.3.12 

短絡強度試験の形式試験としての任意要求 

13.3.12 

最大短絡電流及び持続時間 

13.3.14 

通電時の振動特性試験の調査試験としての任意要求 

 

A.3 製造業者から発注者に提供する情報又は仕様明細 

A.3.1 変圧器及びリアクトル 

6.1 

電流頻度スペクトラム 

6.2 

連続負荷時の計算された基準温度 

9.1 

冷却媒体の種類 

9.2.1 

各冷却方式に対する定格及び冷却記号 


40 

E 5007:2019  

 

10.1 

固体材料の耐熱クラス 

11 

機械的挙動に関するFEA計算:流体のシミュレーション方法 

13.1.2 

以前に製造した同一の装置で実施した形式試験成績書 

13.2.11.2 

参考として使用する,同様の変圧器並びにリアクトルの試験結果及び温度計算法 

13.2.11.3 

ホットスポットの位置,及びホットスポット温度と巻線平均温度との関係の調査結果 

13.2.11.3 

油入変圧器及びリアクトルの温度上昇試験:試験結果集約及び試験成績書 

13.2.11.4 

乾式変圧器及びリアクトルの温度上昇試験:試験結果集約及び試験成績書 

B.4.2 

寿命計算のための,計算した冷媒基準温度 

B.5 

適用仕様での絶縁システムの適合性 

B.6 

寿命の基準:CEP>100 %でも許容できることの説明 

附属書C 

熱的耐久性計算 

C.3.3 

熱的温度耐久特性 

D.5 

耐湿性試験:目標の基準を変更する場合は,調査結果 

 

A.3.2 変圧器 

13.2.2 

表6:量産品の巻線抵抗の裕度の緩和 

13.2.16.1 

衝撃試験後でも,稼働状態に問題がないことを確認する。 

 

A.3.3 リアクトル 

13.3.2 

表11:量産品における巻線抵抗のより小さい裕度 

 


41 

E 5007:2019  

 

附属書B 

(参考) 

絶縁物の寿命及び熱劣化 

 

B.1 

絶縁物の寿命及び熱劣化 

絶縁物の寿命は,初期状態と通常の使用で遭遇又は発生する多くの要因に起因して,電気的故障の高い

リスクがある最終状態になるまでの間の総時間と定義される。 

劣化要因は,IEC 60505に記載されている[熱劣化,電気的及び機械的ストレス(振動,熱サイクルな

ど),有害な大気及び化学物質,湿気,じんあい,放射線など]。 

温度は,多くの場合,支配的な劣化要因となるので,規格では,耐熱クラス(JIS C 4003)及び耐熱特

性の試験及び評価方法(JIS C 2143-1)を導入している。 

電気絶縁材料(EIM)又は電気絶縁システム(EIS)は,耐熱特性(機械的強度,耐電圧強度,熱サイク

ル耐性,密封性など)によって特徴付けられる。耐熱特性は,温度指数(TI)及び半減温度幅(HIC)と

いう二つの指標で表される。 

EIMの熱的耐久性には,通常指定の特性及び終点がある。これを無視すると,熱劣化にさらされる材料

の特性は,同じ速度で劣化するとは限らないので,熱的耐久特性を参照することは意味をなくする。その

結果,材料は,例えば,他の特性の測定結果によって,それより上の温度指数又は半減温度幅を割り当て

られるかもしれない。 

変圧器及びリアクトルの特定の耐熱クラスに関する記載は,構造材に使用する個々のEIMが同じ熱的耐

久性のものであることを意味するものではない。 

a) 変圧器及びリアクトルの部品は,全て同じ温度になるわけでもなく,また,同じ耐熱クラスの材料を

必要とするものでもない。 

b) EISの耐熱クラスは,機器内の個々のEIMの熱的耐久性と直接関連するわけではない。 

c) EISの耐熱クラスを,システム中の個々の構成部品のうち最低の耐熱クラスから決めることは望まし

くない。むしろ,熱容量は,しばしば最高温度の部品で決まる。ただし,個々の部品の耐熱クラスは,

絶縁設計における,種々の材料の選択及び配置についてのガイダンスを与える。 

絶縁材料の劣化速度は,高温領域が最も高い。これらの領域は,最初に寿命に達し変圧器及びリアクト

ル全体の使用上の信頼性を決定する。そこで熱的耐久性の計算は,ホットスポット温度に基づく。 

 

B.2 

熱的耐久性に関する用語及び定義 

この規格では,絶縁材料及び絶縁システムの熱的耐久特性に関する,次の用語及び定義を用いている。 

B.2.1 

熱的耐久性(thermal endurance) 

与えられた温度で,選択された特性(電気的特性,機械的特性など)の劣化が指定の終点に到達するま

での時間。特段の指定がなければ,終点には初期値の50 %の値が使われる。 

注記 絶縁材料は,主に導体絶縁での電気的特性(耐電圧強度)を確保している。一方,含浸樹脂,

注型樹脂,シール材,コート材などの材料は,主に巻線の機械的特性を確保している(水密性,

熱的サイクル及び熱衝撃への耐性,振動及び衝撃への耐性,熱伝導性など)。 


42 

E 5007:2019  

 

B.2.2 

温度指数,TI(temperature index) 

特定の指定がなければ,熱的耐久性が2万時間となる温度(℃)。 

注記 TIは,JIS C 2143-5で使用されている,RTE(相対熱的耐久性指数),又はATE(実績熱的耐久

性指数)を参照する。 

B.2.3 

半減温度幅,HIC(halving interval) 

TIの温度での終点までの時間が半分となる温度間隔(K)。 

 

B.3 

熱的耐久性の計算 

この附属書では,次の追加の用語及び定義を用いている。 

注記 熱的耐久性計算に関して,IEC 60076-12には, 

− 熱劣化の基本の説明 

− 稼働温度,時間及び負荷の関数としての,変圧器及びリアクトルの絶縁の劣化速度及び消

費寿命の推定方法 

が記載されている。特定の期間に消費した寿命時間を推定するために,ホットスポット温度

が使われる。 

B.3.1 

連続運転時の熱的耐久性,ECO(thermal endurance in continuous operation) 

ホットスポット温度θHS(℃)に対して,連続運転時の熱的耐久性は,次のようなアレニウスプロット

(TI及びHICを用いて)を簡略化した式によって求められる。 

 

HIC

TI

h

ECO

HS

2

000

20

)

(

 

 

TI及びHICの概念を理解するには,この簡略式は非常に便利である。しかし,この式は厳密な式に比べ,

ややECOが短めに算出される傾向がある。 

可能であれば,耐久性グラフから算出した次の正確なアレニウス式を使うのが望ましい。 

 

)

(

log

)

(

log

HSK

T

B

A

h

E

 

ここに, 

E(h): 熱的耐久性 

 

THS(K)=θHS(℃)+273.15: 熱力学的ホットスポット温度(絶対温

度) 

 

A: 定数 

 

B: 定数 

 

又は, 

 

HS

exp

)

(

T

b

a

h

E

 

ここに, 

a: 定数 

 

b: 定数 

 


43 

E 5007:2019  

 

この式は,熱的耐久性の値を直接示す。 

B.3.2 

実際の運転時間,AOT(actual operating time) 

絶縁システムが,与えられたホットスポット温度で稼働した実際の時間(h)。 

B.3.3 

耐熱寿命消費率,CEP(consumed endurance potential) 

与えられたホットスポット温度に対して,次の式で求められる。 

 

100

(%)

AOT

CEP

 

 

B.4 

熱的設計及び試験への特別な配慮 

B.4.1 一般 

熱的耐久性を検討する場合,次のことは重要であるので留意する。 

a) 寿命は,温度の指数関数の逆数となる。 

例 HICが10 Kであれば,温度が10 ℃増加するごとに,寿命が半減する。 

b) 巻線温度は,外部との境界での冷媒温度の影響を直接受ける。 

c) 巻線の温度上昇は,おおむね負荷損に比例する。負荷損は,抵抗損及び付加的損失からなる。抵抗損

は,電流の二乗及び直流抵抗に比例する。付加的損失は,電流頻度スペクトラムと関係があり,直流

抵抗に反比例する。巻線の直流抵抗は,温度に比例する。 

発注者は,時間に対する電流,すなわち電流頻度スペクトラムを含む負荷プロファイル及び外部との境

界での温度分布を指定できる。ただし,変圧器及びリアクトルの損失及び温度上昇は,製造業者の設計に

左右される。温度上昇試験で,規定の寿命を満足していることを確認できるように,冷却媒体の基準温度

及び各巻線の連続定格電流を正確に定義することが重要である。 

B.4.2 外部との境界での冷却媒体の温度 

外部との境界での冷却媒体の温度を考える上で,次のことは重要であるので留意する。 

冷却媒体の温度分布: 

− 変圧器及びリアクトルの外部との境界での冷却媒体の温度分布は,発注者が提供するのが望ましい。

それができない場合は,発注者は寿命計算のための冷却媒体の基準温度を直接提供する。 

寿命時間計算のための,冷却媒体の基準温度: 

− 寿命計算のため,変圧器及びリアクトルの外部との境界での冷却媒体の基準温度は,寿命期間の指定

された温度分布による場合と材料の熱劣化の影響とが等価な恒久的な温度である。 

− この基準温度は,製造業者が計算するか,又は発注者が提供する。 

注記 熱劣化は温度の指数関数になる。すなわち,寿命計算のための基準温度は,巻線温度に基づ

く指数関数的加重平均になり,算術平均温度よりも高い。 

B.4.3 定格電流 

巻線の定格電流とは,材料の熱劣化の影響が,寿命期間中の指定された負荷プロファイルによる場合と

等価な寿命計算用の冷却媒体の基準温度において,この巻線が恒久的に耐えることができる電流である。 

注記 定格電流は,巻線温度に基づく指数関数的加重平均である。 


44 

E 5007:2019  

 

B.4.4 乾式変圧器及びリアクトルの温度上昇試験 

温度を直接測定するために,温度センサをホットスポットと推定される巻線内の位置に受渡当事者間で

協定して取り付ける。 

 

B.5 

絶縁システムの熱的適合性 

製造業者は,指定の条件において絶縁システムが適合することを立証するのが望ましい。具体的には,

絶縁システムの熱的耐久性計算(アレニウスプロット及び公式定数,又は少なくとも,JIS C 2143-1及び

JIS C 2143-5によるATE若しくはRTE及びHIC)によって実施する。詳細な計算例を,附属書Cに示す。 

注記 ATE及びRTEは,B.2.2の注記に示す。 

 

B.6 

寿命の基準 

JIS C 2143-1に示す終点の定義は,主に形式的で機能的ではない。材料の劣化は徐々に起き,終点は明

確な限度値として現れない。実務的には熱的耐久性の実験において,試験したサンプルの半分が,選択し

た基準(例えば,交流絶縁破壊電圧の初期値の50 %)で不合格となった場合,終点に到達したと考える。

発注者に指定された信頼性及び寿命を達成するために,設計余裕を考慮することは,製造業者の判断によ

る。 

この状況の下で,全ての使用条件,関係する電気的特性及び機械的特性に対する耐熱寿命消費率(CEP)

の合計が100 %以下か又はほぼ同等であれば,変圧器又はリアクトルは,熱的耐久性について合格である

とみなす。100 %を超えても,製造業者が結果が許容されると考える場合は,その理由を説明しなければ

ならない。 

 


45 

E 5007:2019  

 

附属書C 
(参考) 

指定の用途での絶縁システムの適合性を実証するための 

熱的耐久性計算の例 

 

C.1 一般 

附属書Bに示した計算法を理解しやすくするため,例を次に示す。 

TI,HICなどの数値は,例示であり実際の熱的耐久性試験データで裏付けられなければ,実際の適用の

参考としないことが望ましい。理解を容易にするため,アレニウスの簡略式を使っている。 

 

C.2 例1−乾式変圧器及びリアクトルの温度限度 

表C.1の例では,異なる二つの耐熱クラスの絶縁システムを示しており,各耐熱クラスでの下限値での

TI及びこれに対応するHICを示す。 

 

表C.1−乾式変圧器及びリアクトルの温度限度値及び期待寿命(例) 

耐熱 

クラス 

熱的耐久特性の例 

最高ホットスポット温度での短時間運転 

連続運転(210 000 h) 

TI 

℃ 

HIC 

最高ホットスポット温度 

 

期待寿命a) 

最高ホットスポット温度b) 

℃ 

105(A) 

105 

 6 

130 

1 100 

 85 

180(H) 

180 

11 

205 

4 100 

143 

注a) 期待寿命は,絶縁システムが,表3の最高ホットスポット温度で連続運転した場合の期待寿命を示す。

期待寿命は,100 %CEPの計算値である。 

b) 最高ホットスポット温度は,指定の寿命210 000 h(7 000 h/年で30年間)に対する絶縁システムの

連続運転時の最高温度を示す。 

 

C.3 例2−熱的耐久性計算 

C.3.1 一般 

主変圧器及びリアクトルの温度時定数は鉄道車両の走行サイクル(力行,惰行,ブレーキ及び停車)と

比べて通常は長いので,多くの場合その運転状態を少ない種類の等価負荷状態の組合せで表すことが可能

である。負荷サイクル分布及び冷却媒体の温度分布を,等価負荷状態の種類として用いる。 

この例では,強制風冷,乾式で,直流フィルタとして用いる主回路用空心リアクトルを想定している。 

C.3.2 発注者が提示する運転条件 

寿命までの総運転時間:180 000 h(16 h/日で30年間) 

負荷サイクルの分布:二つの主な条件は,リアクトルを流れる電流による温度上昇を決める。 

指定された通常状態,過負荷状態の割合及びそれぞれの寿命までの運転時間を表C.2に示す。 

 


46 

E 5007:2019  

 

表C.2−負荷サイクル分布 

負荷サイクル 

電流 

 

Ar.m.s. 

総運転時間 

割合 

AOT 

通常 

425 

 90 

162 000 

過負荷 

495 

 10 

 18 000 

総計 

100 

180 000 

 

外部との境界での冷媒温度分布:リアクトルの入り口側の冷却空気の温度分布を表C.3に示す。 

 

表C.3−冷却風温度分布 

θCOOL AIR 

 

℃ 

総運転時間 

割合 

AOT 

20 

 50 

 90 000 

30 

 35 

 63 000 

40 

 15 

 27 000 

総計 

100 

180 000 

 

C.3.3 製造業者が提示する温度耐久特性 

製造業者が提示する温度耐久特性は,次による。 

a) JIS C 2143-5による基準及び実際に使用した絶縁システムについての情報:材料の種類,試験証明書 

b) 耐熱クラス,耐熱グラフ(アレニウス式の定数,ATE又はRTE,HIC) 

この例では,TI=180 ℃及びHIC=11 Kとする。 

C.3.4 温度上昇試験結果 

表C.4は,表C.2に示された電流で冷却風温度(θCOOL AIR)20 ℃で実施した温度上昇試験で測定された

平均値及びホットスポット温度並びに温度上昇値を示す。 

 

表C.4−温度上昇試験結果 

負荷サイクル 

電流 

 
 

A r.m.s. 

温度 

温度上昇 

θCOOL AIR=20 ℃ 時 

平均値 

℃ 

ホットスポット値 

℃ 

平均値 

ホットスポット値 

通常 

425 

72 

117 

52 

 97 

過負荷 

495 

98 

160 

78 

140 

注記1 この例では,リアクトルの設計によって,ホットスポットの温度は,巻線平均温度に比べ極めて高

い。 

注記2 昇温による巻線の直流抵抗の増加によって,通常時と過負荷時との温度上昇の違いは,電流の二乗

比例より大きくなっている。 

 

C.3.5 計算 

表C.5は,二つの負荷サイクルでの,リアクトルの熱劣化への冷却風温度(θCOOL AIR)の影響を示す。 

この表は,計算によって表C.4から算出する。冷却風温度が30 ℃及び40 ℃の場合の巻線温度は,

13.2.11.5の反復法によって,20 ℃の値から外挿している。 


47 

E 5007:2019  

 

表C.5−熱的耐久性計算 

負荷 

サイクル 

θCOOL AIR 

 

℃ 

総運転時間 

温度 

熱的耐久性 

割合a) 

AOT 

平均値 

℃ 

ホットスポット値 

℃ 

ECO 

CEP 

通常 

20 

45.0 

81 000 

 72 

117 

1 089 000 

 7.4 

30 

31.5 

56 700 

 85 

130 

456 000 

12.4 

40 

13.5 

24 300 

 97 

144 

191 000 

12.7 

小計 

90.0 

162 000 

− 

− 

− 

32.5 

過負荷 

20 

 5.0 

9 000 

 98 

160 

69 000 

13.0 

30 

 3.5 

6 300 

112 

176 

25 900 

24.3 

40 

 1.5 

2 700 

125 

191 

9 700 

27.7 

小計 

10.0 

18 000 

− 

− 

− 

65.0 

総計 

100 

180 000 

− 

− 

− 

97.5 

注記 この例で選択されたリアクトルの設計では,過負荷運転時間は指定された運転時間の10 %である

が,絶縁システムの耐熱寿命の65 %を消費している。 

注a) この表は,温度分布の割合(表C.3)と負荷サイクル分布の割合(表C.2)とを組み合わせた結果で

ある。 

 

CEPの総計は,100 %以下である。よって,このリアクトルは,熱的耐久性の観点から合格である。 

表C.5に基づき,耐熱寿命を同等に消費する等価電流及び等価冷却風温度を計算することができる。 

これは,定格電流(IRATED)及び寿命計算のための冷媒の基準温度(θCOOL AIR REF)になる。 

結果を,表C.6に示す。 

表C.6は,表C.5から次の2段階によって求められる。 

a) ステップ1 二つの負荷サイクルに対し,CEP総計を消費する温度θCOOL AIR REFを決定する。これは,

表C.5と同様な方法を使用し,反復計算によって実施する。 

b) ステップ2 θCOOL AIR REFにてCEP総計を消費する電流IRATEDを決定する。これは,13.2.11.5による反

復計算を使って実施する。 

 

表C.6−等価電流及び温度 

IRATED 

 

A r.m.s. 

θCOOL AIR REF 

 

℃ 

総運転時間 

温度 

熱的耐久性 

割合 

AOT 

平均値 

℃ 

ホットスポット値 

℃ 

ECO 

CEP 

491 

29.3 

100 

180 000 

93 

145 

184 500 

97.5 

 


48 

E 5007:2019  

 

附属書D 
(参考) 

乾式変圧器及びリアクトルの耐湿性試験 

 

D.1 一般 

次のような湿潤状態での数年間の使用の後に,乾式巻線の絶縁破壊がときどき発生する。 

a) 雨の日の霧雨(細かい水滴)又は車体洗浄作業。 

b) 強制風冷によって吸い込まれた雪の巻線上での融解。 

c) 例えば,寒い時期にトンネルに入ったとき又は寒く乾燥した日の後の暑く湿った気候による結露。 

d) 冬期の解氷作業。 

これらの故障は,巻線が乾燥状態での耐電圧試験に問題なく合格していたにもかかわらず発生する。 

この附属書の目的は,要求寿命時間を通じて,湿潤状態で運転する能力を評価するために,経験に基づ

いた任意試験を提案することである。 

基本は,次の商用周波耐電圧試験の追加である。 

− 霧の発生中又はそれを模擬した状態 

− 熱衝撃前後 

− 水浸せき後 

次に記載する耐湿性試験1〜耐湿性試験3は,順番に過酷さのレベルが増加している。IEC 62497-1によ

る汚損程度は,湿気及びじんあいにさらされる指定の使用環境に依存する調査試験,形式試験又は受渡試

験として,湿潤試験の必要性を判断するガイドラインとして使うことができる。 

複数の試験が必要な場合,耐湿性試験の1,2,3の順番に試験を実施しなければならない。 

詳細な手順及び基準は,次による。 

− 特段の記載がなければ,試験する巻線又は試験時に使う水は,冷時の温度,すなわち室温状態とする。 

− 耐電圧試験電圧及び絶縁抵抗試験は,商用周波耐電圧試験と同じ方法で巻線に実施する。 

 

D.2 耐湿性試験1(任意の形式試験又は任意の受渡試験):短期浸せき 

13.2.13.3の乾燥状態での商用周波耐電圧試験の後で,それぞれの冷時の巻線を指定の時間全体を冷水に

浸す。次に,巻線を水から引き上げ,10分間以内に,通常の取付け状態で,絶縁抵抗測定及び湿式商用周

波耐電圧試験を実施する。試験電圧は,1分間印加する。 

受渡試験として要求された場合に,数ロットの受渡試験で高い製造工程の安定性を示すことができれば,

この浸せき試験は,受渡当事者間の協定によって,抜取試験とすることができる。 

 

D.3 耐湿性試験2(調査試験又は任意の形式試験):噴霧 

冷時の巻線を通常の取付け状態で換気された箱内に置いて,噴霧器を使って水をスプレーする。これは

巻線に直接水をスプレーすることとは違う。例えば,微細な水霧を生じさせるために,ファンと巻線との

間に置いたスプレーノズルから水を噴射する。巻線の表面全体が非常に微細な水滴の連続的な膜に覆われ

るまで,最低2時間実施する。次に,ファン及び水の噴射を止め,巻線の絶縁抵抗測定を行い,受渡当事

者間で協定した印加時間(最低1分間)で商用周波耐電圧試験を実施する。 

調査試験の場合は,商用周波耐電圧試験の前後に,部分放電の発生及び消滅電圧を13.2.14に従い測定す


49 

E 5007:2019  

 

る。 

 

D.4 耐湿性試験3(調査試験):熱的衝撃−長期間浸せき−噴霧 

D.4.1 一般 

この試験は,汚れ及び水分の蓄積と結び付いた熱サイクルの影響を模擬するものである。 

D.4.2 温度調整 

受渡当事者間の協定に基づき(例えば,熱衝撃試験として,IEC 60076-11によって,定格電流の2倍),

最初に巻線に電流を流して加熱する。浸せき直前に直流抵抗の変化を測定することによって,各巻線の平

均温度を確認する。各々の巻線平均温度は,次のいずれかとする。 

a) 耐熱クラス−30 ℃,公差±15 ℃(例えば,クラス180絶縁システムでは150 ℃±15 ℃) 

b) より高く,寿命計算用の冷媒基準温度での,定格条件で実際の運転時の巻線平均温度(±15 ℃)にす

る。 

D.4.3 熱的衝撃 

供試品を,加熱直後15分間以内に,速やかに全体を冷水中に浸せきする。水槽は,少なくとも巻線質量

の半分の質量で,全体を浸すのに十分な高さの水量とする。 

注記 例えば,鉄心のある機器については,水槽の各寸法が巻線機器の大きさの20 %以上大きく,ま

た,水槽が水で満杯になっていればよい。 

D.4.4 耐電圧試験 

指定の浸せき時間の後,冷たい巻線を水から取り出し,D.3によって噴霧試験を実施する。 

 

D.5 耐湿性試験の共通試験手順及び基準 

巻線を水から取り出した後,余分な水を排除するために,1分間傾けて水を切ってもよい。ただし,ど

の部分も,拭取り及び乾燥をしてはならない。絶縁抵抗を測定する。測定値をRIS-WET-0とする。 

商用周波耐電圧試験を行う。電圧は,乾燥時の試験電圧の80 %とする。 

電圧が確立してから耐電圧試験中に,漏れ電流を周期的に(例えば,30秒間ごとに)測定する。 

試験直後に再度絶縁抵抗RIS-WET-1を測定する。試験の基準は,次の例による。 

a) 合格の基準 

1) 耐電圧試験中は,目視上及び聴感上,アークの発生があってはならない。ただし,同じ点での非繰

返しの微小アークは,発注者の同意によって合格としてよい。 

2) RIS-WET-1が受渡当事者間で協定したRIS-DRY-24Hの判定基準以下ならば,最大24時間の大気中での自然

乾燥の間,一定の間隔で,絶縁抵抗を再測定する。絶縁抵抗が依然判定基準RIS-DRY-24H以下ならば,

その部品は不合格となる。 

b) 目標の基準 

1) 試験中,又は部品間の漏れ電流の変化が,受渡当事者間の協定値を下回るのが望ましい。 

2) 絶縁抵抗値(RIS-WET-0及びRIS-WET-1)が,受渡当事者間の協定値を上回るのが望ましい。 

目標の基準に到達しなくても,供試品を一律的に排除するものではない。ただし,製造業者は逸

脱した理由及び次のことを調査し,発注業者と協議して,合意があれば合格とすることができる。 

3) 各試験中のILEAKの変化幅,ロット間の平均値ILEAK AVGのばらつき。 

4) ロット内,ロット間のRIS-WET-0及びRIS-WET-1の安定性。 

 


50 

E 5007:2019  

 

附属書E 

(参考) 

負荷プロファイル 

 

負荷プロファイルは,次の使用条件を考慮して規定する。 

a) 通常負荷プロファイルは,全ての機器が正常に運転しているときと定義する。 

b) 過負荷プロファイル。主回路又は補助回路の供給システムに冗長性がある場合,一部の機器が故障す

ると,残りの機器が,通常状態より大きい電力(電流)を供給しなければならない。発注者は過負荷

運転の期間及び頻度を指定する。 

c) ピーク過渡(又はサージ)電力(電流)。このサージ容量は,通常状態及び過負荷状態のいずれでも発

生する最大短時間電流(例えば,コンプレッサの起動)によって決まる。発注者は過渡運転の頻度及

び期間を指定する。 

d) 冬場,夏場の電流及び容量の負荷プロファイル。対応する冷却媒体の温度範囲に関係。 

e) 自冷式(AN)変圧器及びリアクトルの場合の冷却風速度。 

f) 

風冷式(AF)変圧器及びリアクトルの場合のファンの制御(ファン回転数の調整,又は中断動作)及

び最高車両速度。 

 

 

 

 

参考文献  

IEC 60050-411:2007,International Electrotechnical Vocabulary−Part 411: Rotating machinery 

IEC 60050-421,International Electrotechnical Vocabulary−Chapter 421: Power transformers and reactors 

IEC 60050-811,International Electrotechnical Vocabulary (IEV)−Chapter 811: Electric traction 

IEC 60060-1,High-voltage test techniques−Part 1: General definitions and test requirements 

IEC 60060-2,High-voltage test techniques−Part 2: Measuring systems 

IEC 60076-7,Power transformers−Part 7: Loading guide for oil-immersed power transformers 

JIS C 2143-1 電気絶縁材料−熱的耐久性−第1部:劣化処理手順及び試験結果の評価 

注記 対応国際規格:IEC 60216-1,Electrical insulating materials−Thermal endurance properties−Part 1: 

Ageing procedures and evaluation of test results 

JIS C 2143-5 電気絶縁材料−熱的耐久性−第5部:相対熱的耐久性指数(RTE)の求め方 

注記 対応国際規格:IEC 60216-5,Electrical insulating materials−Thermal endurance properties−Part 5: 

Determination of relative thermal endurance index(RTE)of an insulating material 

IEC 60296,Fluids for electrotechnical applications−Unused mineral insulating oils for transformers and switchgear 

IEC 60505,Evaluation and qualification of electrical insulation systems 

IEC 60836,Specifications for unused silicone insulating liquids for electrotechnical purposes 

JIS E 5008 鉄道車両−電力変換装置 

注記 対応国際規格:IEC 61287-1,Railway applications−Power converters installed on board rolling stock

−Part 1: Characteristics and test methods 


51 

E 5007:2019  

 

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

 

JIS E 5007:2019 鉄道車両−変圧器及びリアクトル 

IEC 60310:2016,Railway applications−Traction transformers and inductors on board 
rolling stock 

 

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範囲 附属書Aと本文の

関連について 

 

JISとほぼ同じ 

追加 

IEC規格では,附属書Aと本文の
関連について説明がないので,JIS
では関連性を説明した。 

技術的差異はない。 

5 使用条件 使用条件について

の規定 

 

JISとほぼ同じ 

選択 

IEC規格では,世界各国の気候条件
に対応したIEC 62498-1を引用して
いるが,JISでは日本国内の気候条
件に対応したJIS E 5004-1を追加
し,選択できるようにした。 

日本の実情に合わせたもので,
IECには提案しない。 

10 温度限
度 

10.2 固体材料の温
度限度 

 

10.2 

JISとほぼ同じ 

選択 

JISでは日本で採用している耐熱ク
ラスに関して,長時間運転時の温度
上昇限度値として種別2の表3Aを
追加し,選択できるようにした。 

日本の実情に合わせたもので,
IECには提案しない。 

13 試験 

13.2.5 巻線抵抗測
定 

 

13.2.5 

JISとほぼ同じ 

選択 

JISでは10.2で種別2の表3Aを選
択した場合として,表7Aを追加し
た。 

日本の実情に合わせたもので,
IECには提案しない。 

 

13.2.6 変圧比,極性
及び位相変位測定 

 

13.2.6 

JISとほぼ同じ 

削除 

対応国際規格では,高圧タップ制御
付き変圧器についても規定してい
るが,日本では使用されていないの
でJISでは削除した。 

日本の実情に合わせたもので,
IECには提案しない。 

 

13.2.8.1 一般 
(インピーダンス
電圧,短絡インピー
ダンスの測定) 

 

13.2.8.1 

JISとほぼ同じ 

追加 

JISでは主回路巻線と補助巻線相互
のインピーダンス特性が必要にな
るので,その測定方法を追加した。 

次回IEC改正時にIEC規格への反
映を提案する。 

 

2

 

E

 5

0

0

7

2

0

1

9

 

 

 

 

 


52 

E 5007:2019  

 

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

13 試験 
(続き) 

13.2.13.1 一般 
(耐電圧試験) 

 

13.2.13.1 

JISとほぼ同じ 

選択 

JISでは旧規格で採用していた日本
で実績のある耐電圧試験として種
別2を選択できるようにしたため,
表8A及び表8Bを追加した。 

日本の実情に合わせたもので,
IECには提案しない。 

 

 

 

 

 

 

 

 

変更 

表8で,IEC規格では“定格絶縁電
圧UNm(未満)”となっているが,
値を含める必要があると判断し,
JISでは“(以下)”と変更した。 

IECの国際ワーキングに訂正を申
請中。 

 

13.2.13.2 誘導耐電
圧試験 

 

13.2.13.2 

JISとほぼ同じ 

選択 

JISでは旧規格で採用していた日本
で実績のある耐電圧試験として種
別2を選択できるようにしたため,
表8A及び表8Bを追加した。 

日本の実情に合わせたもので,
IECには提案しない。 

 

13.2.13.3 商用周波
耐電圧試験 

 

13.2.13.3 

JISとほぼ同じ 

選択 

JISでは旧規格で採用していた日本
で実績のある耐電圧試験として種
別2を選択できるようにしたため,
表8Bを追加した。 

日本の実情に合わせたもので,
IECには提案しない。 

 

13.2.13.4.1 一般 
(雷インパルス耐
電圧試験) 

 

13.2.13.4.1  JISとほぼ同じ 

追加 

JISでは旧規格で採用していた,日
本で実績のある耐電圧試験として
種別2を選択できるようにしたた
め,表8Aを追加した。 

日本の実情に合わせたもので,
IECには提案しない。 

JISでは,さい断波試験は,受渡当
事者間の協定によると追加した。 

 

13.2.16.1 一般 
(振動及び衝撃試
験) 

 

13.2.16.1 

JISとほぼ同じ 

選択 

JISでは日本で実績のある試験とし
てJIS E 4031の附属書JA及び附属
書JBを選択できるようにした。 

日本の実情に合わせたもので,
IECには提案しない。 

 

 

 

2

 

E

 5

0

0

7

2

0

1

9

 

 

 

 

 


53 

E 5007:2019  

 

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

13 試験 
(続き) 

13.3.6 損失の決定 

 

13.3.6 

JISとほぼ同じ 

追加 

JISでは,技術的精度を上げるため,
“渦電流による損失を考慮する”こ
とを追加した。 

技術的精度を上げるため,次回
IEC改正時に修正を提案する。 

 

 

 

 

 

JISでは,“脈流リアクトルは,直
流又は脈流電流で測定してもよい”
ことを追加した。 

日本で広く実施している方法であ
り,次回IEC改正時に本案の検討
を提案する。 

 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 60310:2016,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 削除  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
− 追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更  国際規格の規定内容を変更している。 
− 選択  国際規格の規定内容とは異なる規定内容を追加し,それらのいずれかを選択するとしている。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD  国際規格を修正している。 

 

2

 

E

 5

0

0

7

2

0

1

9