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E 5006:2016

1)

目  次

ページ

序文  

1

1  適用範囲  

1

1.1A  電力回路用機器と電子機器との区分  

2

1.1B  電子機器の分類  

2

2  引用規格  

2

3  用語及び定義  

4

4  使用時の環境条件  

6

4.1  通常の使用条件  

6

4.2  特殊な使用条件  

8

5  電気的使用条件  

8

5.1  電源  

8

5.2  電源過電圧  

10

5.3  取付け  

10

5.4  サージ,静電放電及び過渡バースト感受性試験  

10

5.5  電磁両立性  

10

6  信頼性,保全性及び寿命  

10

6.1  機器の信頼性  

10

6.2  寿命  

11

6.3  保全性  

11

6.4  保守レベル  

11

6.5  組込み形診断  

12

6.6  自動試験装置  

12

6.7  故障診断装置の代替手段  

12

6.8  専用試験装置及び特殊工具  

12

7  設計 

12

7.1  一般  

12

7.2  詳細な具体策-ハードウェア  

12

7.3  詳細な具体策-ソフトウェア  

15

7.4  機器の特徴  

17

8  部品 

18

8.1  発注  

18

8.2  適用  

18

9  構造 

19

9.1  機器の構造  

19

9.2  部品の装着  

19


E 5006:2016  目次

2)

ページ

9.3  電気接続  

20

9.4  (電気的及び光学的)フレキシブル内部接続  

20

9.5  フレキシブル・プリント配線  

21

9.6  プリント基板-フレキシブル及びリジッド  

21

9.7  プリント基板組立品用保護コーティング  

22

9.8  識別  

22

9.9  取付け  

22

9.10  冷却及び換気  

22

9.11  材料及び仕上げ  

23

10  安全性  

23

10.1  留意事項  

23

10.2  一般  

23

10.3  機能上の安全性  

23

10.4  人体の安全  

23

11  文書化  

23

11.1  一般  

23

11.2  文書の提供及び保管  

23

11.3  ハードウェア及びソフトウェアに関する文書化  

23

11.4  文書化の要求  

25

12  試験  

26

12.1  試験の種類  

26

12.2  試験項目  

27

附属書 A(参考)受渡当事者間(例えば,使用者及び製造業者)の協定についての記載項目  

38

附属書 JA(参考)JIS と対応国際規格との対比表  

40


E 5006:2016

3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第

14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

鉄道車輌工業会(

JARI)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規

格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規

格である。これによって,JIS E 5006:2005 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 E

5006

2016

鉄道車両-電子機器

Rolling stock-Electronic equipment

序文 

この規格は,

2012 年に第 3 版として発行された IEC 60571 を基とし,日本の実情に即して対応国際規格

にはない,“電力回路用機器と電子機器との区分”及び“電子機器の分類”についての説明の追加,サージ

電圧試験方法の追加など,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書 JA に示す。

この規格では,蓄電池による給電の電圧の変動範囲,静止形変換装置又は回転機から給電の電圧の変動

範囲,図記号,低温起動(耐寒性)試験,高温(耐熱性)試験,サージ試験,ノイズ試験,耐電圧試験に

ついて,種別

1 に IEC 60571 の規定内容を,種別 2 に日本の実情に即した内容を規定し,いずれかを選択

できるようにした。

適用範囲 

この規格は,鉄道車両に搭載される制御,調整,保護,給電用など及び次の事項に関係する全ての電子

機器について適用する。

a)

鉄道車両用蓄電池

b)  電車線への直接接続あり又はなしの低電圧電源(主変圧器,分圧抵抗器,補助電源)

ただし,JIS E 5008 又は JIS E 6402 の適用範囲となるエレクトロニクス回路を除く。

この規格は,電子機器の運用,設計,製造及び試験条件を包含し,さらに,有用かつ信頼性の高い電子

機器のために必要と考えられる基本的なハードウェア及びソフトウェアの要求をも包含する。

正当な理由があれば,他の規格又は個々の仕様にある追加要求事項で,この規格を補足してもよい。

機能上の安全性に関して,規定レベルにあることを立証するために必要な方法に関する特定の要求は,

IEC 62278 の 4.6.3(リスクの評価及び受入れ)及び附属書 A(RAMS 仕様の概要-例)に規定されている。

ソフトウェアは,次の c)  及び d)  の事項に限り,その安全インテグリティを 1 又はそれ以上と考える。

c)

安全性に関わるリスクが残っている場合。

d)  ソフトウェアで動かすプログラマブル電子システムによって実行する場合。そうした場合(ソフトウ

ェアの安全インテグリティが

1 又はそれ以上のとき),IEC 62279 を適用できる。

この規格の目的から,電子機器とは,主に半導体デバイス及び関連部品で構成される機器と定義する。

これらの部品は,主にプリント基板に実装されるものである。

電力デバイス用センサ(電流,電圧,速度などの検出用)及び駆動ユニット用プリント基板は,この規

格に包含されているが,電力デバイスの駆動ユニット全体としては,JIS E 5008 又は JIS E 6402 が適用さ

れる。


2

E 5006:2016

注記

  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60571:2012,Railway applications-Electronic equipment used on rolling stock(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“

MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,“修正している”

ことを示す。

1.1A  電力回路用機器と電子機器との区分 

電力回路用機器と制御用電子機器との境界線は,この間の電気的な絶縁を確実にする構成要素

(例えば,

計測用トランス,パルストランス,フォトカプラなど)によって決まる。一般に,電力回路用機器の近傍

又はその内部に設けられる絶縁要素は,この電子機器に属するものとみなされる。

1.1B  電子機器の分類 

電子機器の分類の例を,次に示す。この分類においては,可能な限り回路の種類(主回路,補助回路,

空気回路)に従って,電子機器をグループ分けしている。

a)

主回路用機器(主遮断器,タップ切換器,起動又は制動接触器など)又は補助回路用機器(電空弁,

継電器など)を制御,照査又は表示する電子機器

b)  電力変換装置(コンバータ,インバータ,チョッパなど)の制御機器

c)

回転機(電動機,発電機)の励磁制御装置

d)  空気ブレーキ制御器

e)

戸閉め装置

f)

監視・安全装置(電流・電圧検知装置,車上信号保安装置,自動列車運転装置,運転台マンマシン,

運転状況記録装置など)

g)

センサ(速度,電圧,電流,温度など)

h)  情報伝達装置(無線,電話連絡,車内放送,速度制御,モニタ,旅客情報,列車内制御情報伝送系な

ど)

i)

環境装置(暖房装置,空気調和装置,照明装置など)

j)

その他の装置

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 0617(規格群)  電気用図記号

注記

  対応国際規格:IEC 60617,Graphical symbols for diagrams(MOD)

JIS C 0920  電気機械器具の外郭による保護等級(IP コード)

注記

  対応国際規格:IEC 60529,Degrees of protection provided by enclosures (IP Code)(IDT)

JIS C 1082(規格群)  電気技術文書

注記

  対応国際規格:IEC 61082 (all parts),Preparation of documents used in electrotechnology(MOD)

JIS C 5014  多層プリント配線板

JIS C 5750-3-5  ディペンダビリティ管理-第 3-5 部:適用の指針-信頼性試験条件及び統計的方法に

基づく試験原則

注記

  対応国際規格:IEC 60300-3-5,Dependability management-Part 3-5: Application guide-

Reliability test conditions and statistical test principles(IDT)


3

E 5006:2016

JIS C 6484  プリント配線板用銅張積層板-耐熱性ガラス布基材エポキシ樹脂

注記

  対応国際規格:IEC 61249-2-7,Materials for printed boards and other interconnecting structures-

Part 2-7: Reinforced base materials clad and unclad-Epoxide woven E-glass laminated sheet of

defined flammability (vertical burning test), copper-clad 及び IEC 61249-2-8,Materials for printed

boards and other interconnecting structures-Part 2-8: Reinforced base materials clad and unclad-

Modified brominated epoxide woven fibreglass reinforced laminated sheets of defined flammability

(vertical burning test), copper-clad(MOD)

JIS C 6489  プリント配線板用銅張積層板-耐熱性ガラス布・ガラス不織布複合基材エポキシ樹脂銅

張積層板

JIS C 60068-2-1  環境試験方法-電気・電子-第 2-1 部:低温(耐寒性)試験方法(試験記号:A)

注記

  対応国際規格:IEC 60068-2-1,Environmental testing-Part 2-1: Tests-Test A: Cold(IDT)

JIS C 60068-2-2  環境試験方法-電気・電子-第 2-2 部:高温(耐熱性)試験方法(試験記号:B)

注記

  対応国際規格:IEC 60068-2-2,Environmental testing-Part 2-2: Tests-Test B: Dry heat(IDT)

JIS C 60068-2-30  環境試験方法-電気・電子-第 2-30 部:温湿度サイクル(12+12 時間サイクル)

試験方法(試験記号:

Db)

注記

  対応国際規格:IEC 60068-2-30,Environmental testing-Part 2-30: Tests-Test Db: Damp heat,

cyclic (12h+12h cycle)(IDT)

JIS E 4001  鉄道車両-用語

JIS E 4017  鉄道車両-電気用図記号

注記

  対応国際規格:IEC 60617,Graphical symbols for diagrams(MOD)

JIS E 4031  鉄道車両用品-振動及び衝撃試験方法

注記

  対応国際規格:IEC 61373,Railway applications-Rolling stock equipment-Shock and vibration

tests(MOD)

JIS E 5004-1  鉄道車両-電気品-第 1 部:一般使用条件及び一般規則

注記

  対応国際規格:IEC 60077-1,Railway applications-Electric equipment for rolling stock-Part 1:

General service conditions and general rules(MOD)

JIS E 5008  鉄道車両-電力変換装置

注記

  対応国際規格:IEC 61287-1,Railway applications-Power convertors installed on board rolling

stock-Part 1: Characteristics and test methods(MOD)

JIS E 6402  鉄道車両-静止形補助電源装置-試験方法

JIS Q 9001  品質マネジメントシステム-要求事項

注記

  対応国際規格:ISO 9001,Quality management systems-Requirements(IDT)

ISO 90003,Software engineering-Guidelines for the application of ISO 9001:2008 to computer software

IEC 60297 (all parts),Mechanical structures for electronic equipment-Dimensions of mechanical structures of

the 482.6mm (19 in) series

IEC 60352-1,Solderless connections-Part 1: Wrapped connections-General requirements, test methods and

practical guidance

IEC 60352-2,Solderless connections-Part 2: Crimped connections-General requirements, test methods and

practical guidance

IEC 60605-2,Equipment reliability testing-Part 2: Design of test cycles


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E 5006:2016

IEC 60605-4,Equipment reliability testing-Part 4: Statistical procedures for exponential distribution-Point

estimates, confidence intervals, prediction intervals and tolerance intervals

IEC 60605-6,Equipment reliability testing-Part 6: Tests for the validity and estimation of the constant failure

rate and constant failure intensity

IEC 60850,Railway applications-Supply voltages of traction systems

IEC 61124,Reliability testing-Compliance tests for constant failure rate and constant failure intensity

IEC 61188-5 (all parts),Printed boards and printed board assemblies-Design and use-Part 5: Attachment

(land/joint) considerations

IEC 61249-2-22,Materials for printed boards and other interconnecting structures-Part 2-22: Reinforced base

materials clad and unclad-Modified non-halogenated epoxide woven E-glass laminated sheets of defined

flammability (vertical burning test), copper-clad

IEC 62236-3-2,Railway applications-Electromagnetic compatibility-Part 3-2: Rolling stock-Apparatus

IEC 62278,Railway applications-Specification and demonstration of reliability, availability, maintainability

and safety (RAMS)

IEC 62498-1,Railway applications-Environmental conditions for equipment-Part 1: Equipment on board

rolling stock

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS E 4001 によるほか,次による。

3.1 

プリント基板(

printed board)

全てのホールと

1 個以上の導体パターンのある,規定の寸法に切断した基板材料。プリント基板は通常,

次のように細分化される。

a)

構造(例えば,片面,両面,多層)

b)  素材の性質(例えば,リジッド,フレキシブル)

3.2 

プリント基板組立品(

printed board assembly)

電気部品及び機械部品及び/又は別のプリント基板を搭載したプリント基板で,全ての製造工程,はん

だ付け,コーティングなどを完了した組立品。

3.3 

プラグインユニット(

plug-in unit)

サブラックに挿入され,ガイドで支持されたユニット。これらのユニットには,プラグイン接続用に設

計された様々な様式があり,フレーム形式又は箱形ユニットに組み込まれた部品付きのプリント基板まで

含まれる。

3.4 

サブラック(

subrack)

プリント基板組立品及び/又はプラグインユニットを収納する構造体。

3.5 

ラック(

rack)

電気部品及び電子部品を支持する移動式又は固定の構造物(例えば,サブラック類)。


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E 5006:2016

3.6 

キュービクル(

cubicle)

電気機器及び/又は電子機器を収納するきょう(筐)体。

3.7 

ライン交換可能ユニット(

line replaceable unit)

車上故障診断の結果で,不良品を交換できるように設計されたユニット(例えば,サブラック,プラグ

インユニット)。

注記 1  ライン交換可能ユニットは,LRU と略されることがある。

注記 2  通常の診断システムには,不良ユニットを的確に識別できる能力はない。

3.8 

性能確認(

performance check)

環境試験の実施中及び終了後に実施する簡易な性能試験。電子機器が動作限度内にあること及び環境試

験に合格したことを証明する。

3.9 

制御システム電源(

control system voltage supply)

車両用制御装置へ電力を供給するために使用される電源。

注記

  電源は車両の蓄電池から供給しても差し支えない。蓄電池は充電器,補助インバータ及び電子

調整装置を備えた電動発電機から充電しても差し支えない。

制御システム電圧が蓄電池から供給される場合,制御システムの公称電圧及び定格電圧は 5.1

で規定する。蓄電池を装備していない場合には,制御システムの公称電圧は,通常,制御され

たレベルの電圧とする。

3.10 

車両配線(

vehicle wiring)

車両内の配置場所には関係なく,制御システム電源に接続される可能性のある全ての配線及び対象とす

る電子機器へ接続される他の全ての外部配線。

3.11 

電源過電圧(

supply overvoltage)

電源を制御する装置によって生じる車両用制御機器の電圧変動。電源過電圧は,電源電圧を制御するシ

ステムの正常な範囲(電圧及び/又は継続時間)で生じる。

注記

  正常な範囲とは,公称電圧を超え 5.2 で規定する電圧及び継続時間である。

3.12 

サージ(

surge)

二つの定常状態の間に生じる,非周期的で比較的短い正,負若しくは両極性の電圧又は電流の変動。

注記

  サージは,通常,誘導回路の開路時にエネルギーを放出して引き起こされるので,車両に搭載

してある装置の正常な運転によっても生じる場合がある。

サージは制御システムの電源,開閉される誘導回路に直接接続される配線又はこれらの配線

から他の配線への静電的又は電磁的に結合された配線に生じることがある。

電源の過渡インピーダンスの有効値は,その発生及び結合の方法に依存する。

3.13 

バースト(

burst)


6

E 5006:2016

一定の時間内に生じる繰返しパルス。バーストは,通常の車両の運転中,特に不安定なアーク状態の結

果として,生じることがある。

3.14 

故障(

failure)

要求された機能の一部又は全てが失われる状態。

注記 1  次に規定するような一時的な機能停止は故障とみなさない。

a)  機能停止の後,装置が自動的に正常運転に回復する場合。

b)  機能停止が車両運転者に分からない場合:例えば,故障表示灯が点灯しない場合。

注記 2  機器に接続された他の部品が一時的に機能停止した結果として,機器のある部品が重大な故

障を引き起こす可能性について注意が必要である。

3.15 

損傷(

damage)

外観又は機械的完全さの何らかの状態変化。

3.16 

寿命(

useful life)

与えられた条件の下で,供与開始時点から故障率が許容できなくなったり,故障,その他の関連要因で

修理不能と判断されるなどして終了を迎えるまでの時間間隔。

注記

  修理可能と考えていた部品についても,何らかの理由で修理不能とみなされる故障が発生して,

個々の寿命が終了する場合がある。

3.16A 

安全インテグリティ(

safety integrity level)

安全性の高さを階段状のレベルに区分し,高さに応じてレベルに整数値を振った表現様式。

注記 1  安全インテグリティは,通常,SIL(safety integrity level)で表現する。

注記 2  ハードウェアの SIL は,SIL1~SIL4 に分類される。各レベルの危険側故障率は,次による。

a) SIL1:10

5

/h~10

6

/h

b) SIL2:10

6

/h~10

7

/h

c) SIL3:10

7

/h~10

8

/h

d) SIL4:10

8

/h~10

9

/h

注記 3  ソフトウェアの SIL は,SIL1~SIL4 に分類される。SIL4 が最も安全性の高いレベルである。

各レベルの違いは,IEC 62279 においてソフトウェアの開発手法及び開発業務プロセスの違

いによって規定されている。

使用時の環境条件 

4.1 

通常の使用条件 

4.1.1 

標高 

電子機器が正常に動作する標高は,IEC 62498-1 による。標高がこの値を超える場合は,受渡当事者間

で協定して要求条件を規定する。

4.1.2 

周囲温度 

電子機器は,表 に示す中から選択した温度カテゴリにおいて,全ての性能仕様要求を満たすように設

計し,製造する。


7

E 5006:2016

設計者はキュービクル内の温度上昇を考慮して,部品が確実にその規定温度を超えないように設計する。

さらに,電子機器は表 の“欄 3”に規定する起動時の特別な短時間温度条件を,満たさなければならな

い。この短時間内では全性能の定格は緩めてもよいが,プリント基板組立品周囲の最高空気温度は“欄

4”

の値を超えてはならない。

表 1-周囲温度 

等級

1

2

3

4

車体外部の

周囲温度

キュービクルの

内部温度

a)

10 分間のキュービ

クル内部温度の

超過分

K

プリント基板

組立品周囲の

空気温度

T1

25~+40

25~+55

15

25~+70

T2

40~+35

40~+55

15

40~+70

T3

25~+45

25~+70

15

25~+85

T4

10~+40

10~+70

15

10~+85

T5

  5~+45

  5~+70

15

  5~+85

T6

20~+55

20~+75

(注記 2

20~+(注記 2

TX

40~+50

40~+70

15

40~+85

注記 1  この表の欄 2 と IEC 62498-1 の表 の欄 3 との値は,次の理由によって違いがある。

IEC 62498-1 は温度設計を前提としない一般的な温度クラスだけを提示するのに対し,電子機器は使

用する電子部品の最高使用温度及び最低使用温度を満足する温度設計が通常必要である。

注記 2  等級 T6 の場合,欄 3 及び欄 4 の温度を規定すると製造上の品質に対して影響が出る上限温度を超える

ため,好ましくない。

この温度は,高温が寿命,信頼性及び熱設計コストに与える影響を考慮し,受渡当事者間で協定し

てもよい。

a)

  キュービクルとは,プリント基板を囲み,周辺から熱的にある程度独立したきょう体を指す。

一つのきょう体内にサブユニットが存在する場合,キュービクルはサブユニットを指す。

電子機器の周辺ユニット(計測用変換器など)が分散配置されている場合,又は一つの電子機器が複数

の部分ユニットに分散配置されている場合で,いずれかの部分が表 の周囲温度を超えているとき,当該

電子機器の設置位置で生じる実際の温度を使用して設計する。

トンネル通過による急激な外部の周囲温度の変化をも考慮する。この目的のために,外部温度の変化率

3  ℃/秒と想定するとともに,最大変化を 40 K と仮定するのがよい。

4.1.3 

振動及び衝撃 

電子機器は車両の運用中に生じる振動及び衝撃に対して,損傷又は故障が発生することなく耐えられる

ようにする。

実際の使用条件の下で,規定の寿命の間,使用できることを合理的に確認するために,12.2.12 に規定の

振動,衝撃及びバンプ試験を満足しなければならない。

注記

  バンプとは,“試験のために何回も繰り返される急しゅん(峻)でない衝撃”を意味する。

この目的のために,電子機器側では電子ユニット完成品の取付け及び防振取付けを要する場合には,設

計どおりに支持するように規定する。

実際の車両の運用中の振動及び衝撃の代表的な数値は,JIS E 4031 を参照する。

4.1.4 

相対湿度 

電子機器の周囲の相対湿度は,IEC 62498-1 による。


8

E 5006:2016

電子機器は 4.1.2 に規定する外部の周囲温度の適合範囲全体にわたり,次の湿度ストレスに対して設計す

るものとする。

a)

年平均湿度:

75 %以下

b)  年間の連続した 30 日間の湿度:95 %

さらに,使用中に発生するいかなる結露(特に,トンネル通過時の結露)条件に対しても,損傷又は故

障を生じてはならない。

電子機器の周辺ユニット(計測用変換器など)が分散配置されている場合,又は一つの電子機器が複数

の部分ユニットに分散配置されている場合で,いずれかの部分が上記の湿度ストレスを超えているとき,

当該電子機器の設置位置で生じる実際の湿度を使用して設計する。

4.2 

特殊な使用条件 

4.2.1 

一般 

適用する使用条件が 4.1 の規定事項と異なることが判明した場合には,その特殊な使用条件について,

関係する当事者間で協定する(例えば,台車に搭載する電子機器,電力変換装置に組み込まれた電子機器

など)。

特殊な使用条件の有効性については,必要があれば受渡当事者間で協定した方法で,車両を使用した追

加の形式試験として確認することができる。

4.2.2 

大気汚染物質 

電子機器はその全使用寿命期間にわたって,様々な汚染物質にさら(曝)されると考えられる(例えば,

油霧,塩霧,導電性ほこり,硫黄酸化物)。汚染物質の種類及び濃度は,発注者が作成する仕様書で規定す

ることが望ましい。

電気的使用条件 

5.1 

電源 

5.1.1 

蓄電池による給電 

5.1.1.1 

一般 

電子機器に供給される公称電圧(U

n

)は,次の中から選択する。

24 V,32 V,36 V,48 V,64 V,72 V,87 V,96 V,110 V

注記

  これらの公称電圧値は,電子機器の設計用の標準値として規定される。蓄電池から電子機器に

給電される電圧は,その蓄電池に規定された公称電圧である。ただし,蓄電池の電圧は,蓄電

池の種類,セル数及び動作条件に依存するので,無負荷時の蓄電池電圧と考えてはならない。

JIS E 5004-1 に従って上記の電圧とは異なる電圧を使用する場合,受渡当事者間の協定によって規定す

る。

5.1.1.2 

電圧供給の変動範囲 

種別 

電圧安定デバイスのない蓄電池を電源とする電子機器は,次に規定する変動範囲内のあらゆる電圧

で正常に動作するものとする(電子機器の入力側端子で測定した電圧)。

電子機器の供給者は,蓄電池用配線ケーブルサイズの計算ができるように,その消費電力を規定す

る。

最低電圧:

  k U

n

公称電圧:

  U

n


9

E 5006:2016

定格電圧:

 1.15 U

n

最高電圧:

 1.25 U

n

(例えば,補助装置の起動時の電圧変動又は蓄電池充電器の電圧変動のように)

0.6 U

n

1.4 U

n

の間

にあり,かつ,その継続時間が

0.1 秒間を超えない電圧変動に対しては,機能の逸脱があってはなら

ない。

電圧変動が,

1.25  U

n

1.4  U

n

の間にあり,かつ,その継続時間が

1 秒間を超えない電圧変動に対し

て電子機器は,故障が発生してはならない。ただし,こうした電圧変動中は,電子機器は全ての機能

を十分に発揮できない可能性がある。

内燃機関の場合は,5.1.1.4 を参照する。

注記

  の値は,蓄電池の種類によって決まり,例えば,従来形の蓄電池は 0.7,ニッケルカドミ

ウム蓄電池などは

0.8 が使われている。

種別 

浮動充電がなく蓄電池だけから給電される場合,及び浮動充電される蓄電池から給電される場合の

いずれにおいても,電子機器は定格電圧(電子機器の入力側端子で測定した電圧)の

0.7 倍~1.1 倍の

変動範囲内のあらゆる電圧で正常に動作しなければならない。

5.1.1.3 

電源中断 

次のように,等級によって

10 ms 以内の電源中断が発生する可能性がある。

a) S1:中断なし

b) S2:10 ms の中断

この電源中断によって電子機器に故障が発生してはならない。ここに規定する中断時間は,公称電圧に

対して規定している。また,等級の選択は,車両システム設計者が規定する。

5.1.1.4 

内燃機関で駆動する動力車の電源電圧変動 

内燃機関の起動の際には,起動シーケンス全般にわたって,電源システムは主要な電子機器の電源供給

を保証できるように設計する。

5.1.1.5 

直流リプル率 

全ての蓄電池には,充電中に脈動電圧がある。他の規定がない場合,次の計算式で求めた直流リプル率

の値は

15 %を超えてはならない。

r

100

min

max

min

max

×

+

U

U

U

U

ここに,

r

直流リプル率(

%)

U

max

: リプル電圧の最高値(

V)

U

min

: リプル電圧の最低値(

V)

ただし,最高電圧~最低電圧は,5.1.1.2 で規定する範囲を満足しなければならない。

5.1.2 

静止形変換装置又は回転機からの給電 

安定した電源(例えば,静止形変換装置又は調整装置付きの電動発電機)から電力の供給を受ける電子

機器の場合,

0.9  U

n

から

1.1  U

n

までの電圧変動に対しては,機能の逸脱があってはならない。ここに,U

n

は公称電圧であり,交流又は直流のいずれにも適用できる。

動作中の電子機器に対して,許容される電圧変動は,次による。

種別 

a)

電圧変動が

0.7 U

n

1.25 U

n

の間にあり,その継続時間が

1 秒間を超えない場合,及び,


10

E 5006:2016

b)  電圧変動が 0.6 U

n

1.4 U

n

の間にあり,かつ,その継続時間が

0.1 秒間を超えない場合。

種別 

電圧変動は,定格電圧(電子機器の入力側端子で測定した電圧)の

0.7 倍~1.1 倍とする。

5.1.3 

電源切換 

蓄電池及び安定電源(直流)からの電力が交互に供給される電子機器の場合,5.1.1.15.1.1.25.1.1.5

及び 5.1.2 に規定する条件による電源切換時においても,次の電源切換等級で正常に動作できるものとし,

いずれの等級を選択するかを受渡当事者間で協定する。

a)  等級 C1:  時間 100 ms の間,電圧低下 0.6 U

n

(ただし,中断はない)

b)  等級 C2:  時間 30 ms の間,給電停止(中断あり)

5.1.4 

架空電車線又は第三軌条からの給電 

架空電車線又は第三軌条から直接電源の供給を受ける電子機器(例えば,直接電源を受けて始動する静

止形変換装置の制御電子装置)の場合には,架空電車線又は第三軌条の電圧の変動範囲内において正常に

動作できるものとする。架空電車線又は第三軌条から給電される電圧の変動範囲は,IEC 60850 による。

5.2 

電源過電圧 

制御システム電源に接続することができる電子機器の全ての接続は,次の条件に耐えなければならない。

a)

5.1.1.2 及び/又は 5.1.2 で規定する継続時間及び/又は最高電圧値の範囲の電源過電圧

b)  12.2.7 に規定する電源過電圧

過電圧は,制御システム電源の帰線側電位に関係して発生し,また,過電圧前後に存在すると思われる

制御システム電圧のレベルが単に上昇して発生するものと仮定している。制御システム電源の反対側極性

の電圧変化は,考慮する必要はない。電圧変動が

1.25 U

n

を超え,かつ,その継続時間が

0.1 秒間を超える

過電圧は,制御システム電源に故障が発生した場合にだけ発生するものとみなす。

5.3 

取付け 

電子機器への電源供給は,可能な限り電源に直結された別個の導体を用いて配線するのが望ましい。こ

の導体は,電子回路の供給だけに使用するのが望ましい。

電子機器の取付けは,可能な限り外部の電気的妨害の影響を低減するように配置することが望ましい。

抑圧装置は,電気的障害の発生源に設けることが望ましい。

車両に搭載した蓄電池の片方の電極が車体に接続されている場合には,仕様書に明記する。

複数の製造業者が共通の直接接続部をもつ電子機器を納入する場合には,受渡当事者間の協定によって

基準電位点

1 か所を決める。

5.4 

サージ,静電放電及び過渡バースト感受性試験 

全ての電子機器は,IEC 62236-3-2 で規定するサージ,静電放電及び過渡バースト感受性試験に耐えなけ

ればならない。試験は 12.2.8 による。

5.5 

電磁両立性 

電子機器は,IEC 62236-3-2 で規定する伝導及び/又は放射による電磁障害によって悪影響を受けないよ

うに防護され,かつ,IEC 62236-3-2 で規定するレベルを超える無線周波帯のノイズを放射してはならない。

試験は 12.2.9 による。

信頼性,保全性及び寿命 

6.1 

機器の信頼性 

6.1.1 

予想される信頼性 


11

E 5006:2016

使用者は,製造業者の信頼性に関する予測値又は使用者が規定する信頼性の目標値を満足することを製

造業者に要求してもよい。計算方法は,引合時に受渡当事者間で協定し,かつ,正式に承認されている規

格に準拠しているものとする。

6.1.2 

信頼性の証明 

使用者が信頼性の要求レベルを規定する場合には,次の具体的方策が必要となる。

a)  電子機器の性能を慎重にモニタする。

b)  当該電子機器に関して,実施した全活動を記録することを,電子機器の受渡当事者間で協定する。

c)

電子機器の信頼性レベルを実証するために,取り替えた部品を識別し(回路の参照番号,種類,製造

業者,製造ロット番号,走行距離及び/又は運転時間など),かつ,故障の定義及び原因(設計上の弱

点,ソフトウェア,部品の問題など)を記述した不具合報告書を,受渡当事者間で協定した期間(走

行距離又は運転時間)の終了時点に提出する。

d)  電子機器が規定された信頼性に関する要求事項を満足しているかを示すために,当該電子機器に関す

る信頼性評価を実施することが望ましい。このための指針として,JIS C 5750-3-5IEC 60605-2IEC 

60605-4IEC 60605-6 及び IEC 61124 を適用してもよい。

e)

信頼性評価の詳細手順を契約書に規定する。

6.2 

寿命 

電子機器の寿命は,引合時に電子機器の受渡当事者間で合意した使用条件の下で協定する。また,電子

機器より寿命が短いことがあらかじめ知られている部品を使用する場合,当該部品の用途及び定期交換の

手順について,受渡当事者間で協定する。

注記

  “寿命”の意味は,“設備の経済性を検討する場合に使用される推定使用可能年数”である。

6.3 

保全性 

別段の協定がない限り,定期的な保守を必要としないように電子機器を設計することが望ましい。保守

に関する特別な要求事項がある場合には,使用者は,かかる要求事項を引合時に明示する。プリント基板

組立品及び/又はサブラックは,個別に試験ができるものとする。電子機器の製造業者は,必要な保守手

順又は保守上の禁止事項を明示する。

注記

  超音波洗浄,診断試験装置の接続,電気絶縁試験及び輸送用こん包の手配のような保守の過程

で,組立品及び部品に余分なストレスが加わり,電子機器の信頼性レベルを低下させてしまう

可能性があるので注意を要する。

6.4 

保守レベル 

6.4.1 

車上診断及び修理 

受渡当事者は,車上の故障診断結果に従って,交換すべきユニットの種類(例えば,サブラック又はプ

ラグインユニット)について協定する。

“ライン交換可能ユニット”と定義されるこれらのユニットは,容

易に交換できるように設計する。受渡当事者は,この保守手順に必要な特殊工具の使用についても協定す

る。適切な可搬形試験装置又は組込み形診断機能を使用し,その附属試験の要領書によって,故障したラ

イン交換可能ユニットを識別できるように電子機器を設計することが望ましい。

このレベルの保守手順又は診断手順では,ライン交換可能ユニットの中にある部品類の取外し又は交換

を要求してはならない。

6.4.2 

車両から取り外して行う装置の診断及び修理 

試験装置を使用し,その試験要領書によって,車両から取り外した各種車載電子機器の十分な診断及び

性能確認を有資格者が修理センタで実施できるように電子機器を設計する。部品又は配線に損傷を与えず


12

E 5006:2016

に,診断及び修理に必要なアクセスができるように電子機器を製作する。また,プリント基板組立品には,

診断及び修理のプロセスを手助けする,

(例えば,試験用プラグ,試験パッドなど)試験用端子などを装備

する。

6.5 

組込み形診断 

入力データ,出力データ,主要制御機能,電源などの状態を表示するために,必要に応じ,診断保守を

支援する表示装置を使用する。自己試験は,電子機器の動作状態を明確に表示できるものとする。電子機

器をモニタするだけでなく,動作させることができる組込み形診断装置は,試験状態以外では電子機器が

通常の運転を中断することがないように,適切なインタロックを設ける。組込み形診断のために別の部品

を追加して使用する場合には,これによって電子機器の信頼性が大きく影響されてはならず,かつ,その

ような部品を使用するときには信頼性に関する計算で考慮する。

6.6 

自動試験装置 

使用者は,電子機器を鉄道車両に取り付けた状態又は鉄道車両から取り外して電子機器の故障箇所を特

定するために,特殊な自動試験装置の使用を要求する場合がある。このような要求がある場合,使用者は

そのような自動試験装置及びそれと車載電子機器とのインタフェイス,例えば,ベッドオブネイル又はガ

イドプローブ(プリント基板を車両から取り外しての点検用),電子機器の(車上診断用)コネクタなどの

詳細情報を,引合時に提供する。自動試験装置の接続を容易にするために,電子機器の機能に影響しない

プラグインユニットは取り外してもよい。

6.7 

故障診断装置の代替手段 

製造業者が所有している試験装置を使用して車載電子機器を開発又は試験した場合,かかる試験装置の

使用が当該電子機器にとって実用的であり,かつ,使用者が製造業者のサポートを全て利用できるならば,

製造業者は修理センタ内の故障診断装置の代替手段としてこれを提案してもよい。

6.8 

専用試験装置及び特殊工具 

市販の工具以外の電子装置に必要な工具を使用する場合,使用者の事前承認を得る。使用者が正規の保

守手順を実施するために,専用試験装置及び/又は特殊工具を必要とする場合,製造業者は使用者に対す

るその専用試験装置及び/又は特殊工具の販売提案を行う。その専用試験装置及び/又は特殊工具を販売

するための製造及び調達に関する詳細情報を提供する。ただし,専用試験装置自体は,必ずしもこの規格

に準拠する必要はない。

設計 

7.1 

一般 

7.1.1 

品質管理 

全ての設計は,JIS Q 9001 に従って実施する。設計の過程は見て分かるようにし,かつ,監査可能とす

る。使用者が,引合の評価用に設計過程の詳細情報を要求する場合,その旨を引合文書に明記しなければ

ならない。

全ての,システム,ハードウェア及びソフトウェアの設計に対して,機能仕様及びインタフェイス仕様

を明確に規定する場合,JIS Q 9001 の要求に特に留意する。

7.1.2 

ライフサイクル 

全ての設計は,品質計画書に規定するライフサイクルモデルに従って進める。

7.2 

詳細な具体策-ハードウェア 

7.2.1 

インタフェイス 


13

E 5006:2016

全てのインタフェイスは,機器が次に示す要求事項を満足できるようにし,かつ,外部の故障に起因し

て電子機器の損傷が広がらないようにする。

a)  電磁両立性(EMC)

b)  電位差

c)

関係者の安全

使用者は,これらの要求事項を満足するための特定の電気絶縁を要求してもよい。その場合,使用者は

製造業者に対し,関連する要求事項及び適用範囲を引合の段階で明らかにする。

様々な

EMC エリアとのシステムインタフェイスの例を図 に示す。


14

E 5006:2016

エリア

A=主要な電磁障害源が存在する車両内エリア(例えば,コンバータ/接触器室)

エリア

B=電磁障害に対して部分的に保護されている周辺電子機器エリア(例えば,キュービクル,シールドケー

ブル内の信号)

エリア

C=電磁障害に対して保護されている信号処理エリア(例えば,サブラック)

図 1-代表的な EMC エリア A及び とのシステムインタフェイス 

7.2.2 

故障保護 

出力線のケーブルサイズは,当該回路用保護デバイスの制限電流値以上の定格とする。

電子機器は,

(例えば,短絡又は開路のような)外部故障に対する保護を設ける。

電子機器用の安定化電源には,電流制限機能を設け,できるだけヒューズを使用しないようにする。

使用者が電子機器内部にヒューズの使用を禁止したい場合,引合の段階でその旨を規定する。

トリップ式保護デバイスが出力回路に組み込まれている場合,当該出力回路に,当該保護デバイスを動

作させるのに十分な短絡電流が流れるものとする。また,手動リセット付きデバイスの場合,手動操作機


15

E 5006:2016

構に容易にアクセスできるようにする。

使用される保護デバイスは,全て電子機器内での火災の危険性が最小となるように配置する。

7.2.3 

基準電源 

一次側と二次側との間が電気的に絶縁された電源ユニットの出力は,フロート系としないことが望まし

い。

これらの出力が(例えば,蓄電池又は電源装置のような)電圧源を基準としていない場合,給電系の一

方を車両構体又は車上の規定の接地点に接続することが望ましい。また,こうした基準及び接続方法を明

示して受渡当事者間で協定することが望ましい。

7.2.4 

互換性 

あるシステムの一部を構成する個々のプリント基板組立品は,全て機能的に完備しており,同一機能を

もつ別の同一ユニットのプリント基板に,ハードウェアを再調整せずに差し替えても完全な互換性をもつ

ものとする。

7.2.5 

電源電圧の低下 

電源が規定の電源電圧の下限値又はそれ以下に低下した場合にも,電圧変化率の大小とは無関係に,電

子機器が損傷してはならない。また,電子機器はそのような条件下で他の電子機器を故障させる可能性の

ある異常な出力を発生してはならない。

7.2.6 

極性反転 

入力電源の極性反転があっても,電子機器の損傷を確実に防止するための電気的又は機械的な保護手段

を設ける。

7.2.7 

突入電流 

スイッチ投入直後に生じる突入電流によって,保護デバイスがトリップ又は損傷しないように,電子機

器は突入電流を考慮して設計する。

7.2.8 

予備スペース 

電子機器のライフサイクル中のシステム拡張又は変更のため(例えば,入力,出力,

CPU 負荷などの追

加予備用として),予備スペースを求める場合,使用者は引合時にその旨を規定する。これらの要求事項の

遵守は,設計過程において確認される。

7.3 

詳細な具体策-ソフトウェア 

7.3.1 

一般 

ソフトウェアに JIS Q 9001 を適用する場合,ISO 90003 も適用する。

システム構成の管理手順は,製品に組み込むソフトウェア全体並びにその開発・保守に使用するソフト

ウェア及びツールを全て含め,ライフサイクル中の諸活動と平行して実施する。

システム構成の管理手順は,ライフサイクルの課題及びソフトウェア開発の文書化を含む。

ソフトウェアの開発は,定義された複数のフェーズ及び活動で構成される。

ソフトウェアの設計に関連する情報は,全て記録する。

最低限のフェーズ及び必要な文書を,次に示す。

a)  ソフトウェアの要求フェーズ  このフェーズでは,システム環境及び他のソフトウェアとのインタフ

ェイスを含む,ソフトウェアの要求事項を全て把握して,ソフトウェアの要求仕様書として文書化す

る。

b)  ソフトウェアの設計フェーズ  このフェーズでは,ソフトウェアのアーキテクチャを定義し,モジュ

ールを規定し,更にコーディングを行い,ソフトウェアの要求仕様書に記載された要求事項を全ての


16

E 5006:2016

要素が満足していることを確かめる。また,7.3.2 も考慮する。

c) 

ソフトウェアの試験フェーズ  このフェーズは,ソフトウェアの各設計レベルにおけるソフトウェア

の試験を取り扱うものであり,ソフトウェアが適正であり,かつ,仕様と整合したものであることを

確認するものである。試験結果は記録する。

d)  ソフトウェア/ハードウェアの統合フェーズ  このフェーズでは,

(例えば,ソフトウェアの要求仕

様書に規定されているような)システムの要求事項を満足していることを確認するために,ハードウ

ェア及びソフトウェアを統合して試験を行う。試験結果は記録する。

e) 

ソフトウェアの保守フェーズ  修正,拡張又は補正によってソフトウェアのディペンダビリティが損

なわれないことが重要である。処置した対策を明確にし,文書化する。

注記

  “ディペンダビリティ”は,アベイラビリティ性能及びこれに影響を与える要因,すなわち,

信頼性性能,保全性性能及び保全性支援能力を記述するために用いられる包括的な用語で,

非定量的用語として一般的記述に限り用いられる。

7.3.2 

ソフトウェア設計の手段 

7.3.2.1 

一般 

代替策の正当性が文書化されていない場合,又は文書化されているが使用者の合意を得ていない場合,

7.3.2.27.3.2.9 の手段による。

注記

  これらの手段及び他の有用な手段に関する詳細については,IEC 62279(附属書 B)を参照する。

7.3.2.2 

モジュール化手法 

ソフトウェアの複雑さを管理するために,理解しやすい小部分にソフトウェアを分解する。これにはモ

ジュールサイズの制限及び十分に定義されたインタフェイスのような対策を講じることも含まれる。

7.3.2.3 

実績のあるトランスレータ 

ソフトウェアパッケージの開発,検証及び保守の段階で発生する可能性のあるトランスレータの不具合

による障害を回避するために,実績のあるトランスレータを適用する。

7.3.2.4 

記録 

ソフトウェアプロジェクトのデータ,決定事項及び論理的根拠を全て,容易に検証,妥当性確認,評価

及び保守が実施できるように記録する。

7.3.2.5 

構造化技法 

ライフサイクルの初期の段階に集中して,高品質のソフトウェア開発を推進するために,構造化技法を

適用する。この方法は,(コンピュータに支援されて,)正確で直観的な手順及び表記法を使用して,該当

する要求事項及び実現上の特徴を論理的な順序及び構造化された方法で識別することによって,その目的

の達成を図るものである。

7.3.2.6 

設計及びコーディング方法 

設計文書及び作成したコードが統一したレイアウトになり,自己流のプログラミングが行われないこと

及び標準の設計法が確実に実施されるようにするために,設計及びコーディング方法を定義する。

7.3.2.7 

構造化プログラミング及び解析 

プログラムの解析がしやすいように,プログラムを設計し,実現する。

プログラムの挙動は,解析の下,完全に試験できるものとする。

7.3.2.8 

プログラム言語 

選択されたプログラム言語は,最小の努力でコードの検証が容易にでき,かつ,プログラムの開発,検

証及び保守を支援するものとする。


17

E 5006:2016

7.3.2.9 

検証済みの手法 

検証済みの手法を使用する。このような手法の例には,次のようなものがある。

a)

セミフォーマルメソッド,例えば

1)  論理/機能ブロック図

2)  シーケンス図

3)  データフロー図

4)  決定表/真理表

b)  試験法,例えば

1)  限界値分析

2)  同値分析及び入力分割試験

3)  プロセスシミュレーション

7.4 

機器の特徴 

7.4.1 

一般 

あらゆる条件下で運転可能となることを意図し,7.4.27.4.6 の特徴をもつように電子機器を製作する。

7.4.2 

メモリの確認 

電源投入時及び初期化中に,電子機器は次の事項を確認できるものとする。

a)

必要なメモリが全て存在し,機能している。

b)  各集積回路又はプリント基板組立品に分割して割り当てられる場合もある,全てのプログラムメモリ

は機能的に相互に矛盾なく動作する。

メモリをプリント基板組立品に正しく関連付けたり,プリント基板組立品をサブラックに関連付けたり

するための手段を,デバイス本体上に目視できる表記又は内部コードのいずれかの方法で設ける。採用し

た方法を使用者に明らかにする。

7.4.3 

自己診断機能 

初期化が行われるたびにシステムが運転可能であることを検証できる,自己診断機能をできるだけ電子

機器に設ける。自己診断で不合格の場合には,故障箇所の範囲を示すために,できる限り診断情報を提供

する。できれば,システムが復旧状態に入れるようにする。

7.4.4 

ウォッチドッグ 

実行させるソフトウェアの故障(例えば,異常な過渡的妨害によって,ソフトウェアが予期しないルー

プに入り込んでしまうこと)が発生した場合,復旧状態に入れるようにするために,電子機器にはウォッ

チドック機能を設ける。

7.4.5 

エラー表示 

プロセッサがエラーを検出したら直ちに,当該現象の発生を記録又は表示する。その後に,復旧状態に

入るようにする。

7.4.6 

復旧 

電子機器はできる限り,発生した故障又はエラーの状態から,強制的にでも,最小限の機能停止で復旧

できるものとする。この復旧は,プロセッサの初期化を必要とするものであってもよい。こうした状態か

ら復旧することが安全でない場合又は実用的でない場合には,製造業者は当該電子機器への影響を示すよ

うにする。


18

E 5006:2016

部品 

8.1 

発注 

8.1.1 

機能パラメータ及び物理的パラメータ 

全ての部品は,部品類の機能パラメータ及び物理的パラメータを規定した詳細仕様に適合する。

8.1.2 

品質システム 

使用する全ての部品は,関連する JIS Q 9001 の要求事項又はこれらと同等の品質システムに従って製作

する。

8.1.3 

部品の仕様 

8.1.1 及び 8.1.2 に基づく部品仕様は,次に示すいずれかの規格又は文書による。

a)

IEC 規格の仕様

b)  国際規格,地域標準若しくは国家規格又は仕様書

c)

部品製造業者の仕様書

d)  機器製造業者の仕様書

c)  及び d)  の文書は,可能な限り IEC 規格の共通仕様を参照する。

8.1.4 

部品の互換性 

8.1.5 に該当する場合を除き,複数の供給先から調達可能な部品を使用する。この規格の目的に沿って“複

数の供給先”は,8.1.1 に従って,取付け及び機能に関して完全に互換性のある部品を提供する。

8.1.5 

単一供給先からの部品 

単一供給先からの部品の使用が不可避の場合,引合の段階で,このことの妥当性も含めて使用者に提示

する。

8.1.6 

部品の供給 

使用する部品は,6.2 で合意した電子機器の寿命の少なくとも半分以上の期間,追加供給ができる限り可

能なものを選択する。もし,こうした事前の対策にもかかわらず,電子機器の納入契約で規定した期間中

に供給ができなくなった場合,当該電子機器の製造業者は使用者に通知し,代替の解決法で提供する。ま

た,その提案に先立って,部品製造業者は電子機器製造業者の調達部門に対し,供給終了に関する情報を

連絡する。

8.1.7 

特殊部品 

カスタムハイブリッド回路及び特定用途向け集積回路(

ASIC)のような特殊部品は,将来の再設計又は

別の部品供給者から完全互換デバイスの調達ができるように,十分に正確な詳細仕様による。

注記

  “ASIC”は,application specific integrated circuits の略語である。

8.2 

適用 

8.2.1 

一般 

使用する全ての部品は,適用する用途に適した等級のもので,かつ,この規格で規定する(例えば,環

境,品質,期待寿命など)要求事項を満足する。

8.2.2 

適用実績のない場合 

鉄道への適用実績のない部品又は技術については,使用者は当該部品又は技術がこの規格の要求事項を

満足することの資料(根拠)を要求してもよい。

8.2.3 

使用条件 

全ての部品は,次のような考慮を払って使用する。

a)

部品製造業者の基本仕様に従う。


19

E 5006:2016

b)  機器の寿命又は性能を損なわないようにする。

8.2.4 

信頼性及び寿命の要求 

部品の温度範囲,ディレーティング,取付け,スクリーニングなどの選択は,全て製造業者の責任とす

る。

使用者が要求した場合,製造業者は,電子機器がこの規格に規定する要求事項を全て満足すること,特

に,箇条 に規定の部品の信頼性及び寿命に関して(例えば,計算又はその他の応用によって),引合時に

十分に説明する。6.2 に規定する既知の寿命である部品を除き,部品の期待寿命は電子機器の寿命以下であ

ってはならない。

構造 

9.1 

機器の構造 

9.1.1 

一般 

電子機器は,次のような構造要求に従う。

9.1.2 

機械的保護 

全てのライン交換可能ユニットは,どの部品にも機械的な損傷を与えずに,平らな表面にどの面を上に

しても,置くことができるようにする。そのために必要な箇所には機械的保護を設ける。

9.1.3 

極性化又はコード化 

使用者の要求があれば,全てのライン交換可能ユニットは,誤挿入防止の極性化又はコード化の機械的

手段を設ける。

9.1.4 

寸法要求 

ラック,サブラック及びプラグインユニットは,IEC 60297 規格群の寸法要求を満足する。

注記

  IEC 60297 規格群でよく使われるプリント基板の寸法は,高さが 3U 及び 6U で,基板奥行きが

160 mm 又は 220 mm である。

9.1.5 

ソケット及びコネクタ 

引合時,使用者は集積回路用ソケット及び/又はエッジコネクタの使用を禁止してもよい。

9.2 

部品の装着 

9.2.1 

一般 

電子機器は,IEC 61188-5 規格群及び次の構造要求に従う。

9.2.2 

レイアウト 

電子機器の部品は,他の部品又は配線に損傷又は不必要な支障を与えずに検査,取外し又は交換ができ

るように,部品相互及び構造フレームに配慮して,位置決め,固定,配列する。

装着した部品上の表示は,できるだけ目視できるようにする。電子機器は,適切な締付具又は附属の補

助プリント基板を使用しない限り,かつ,部品の識別ができない限り,部品を配線端子ブロックに取り付

けないように設計する。発熱する部品は,プリント基板又は他の部品に損傷を与えないように取り付ける。

9.2.3 

固定 

次の部品は,プリント基板に確実に固定する。

a)

特別な機械的固定器具を使わない部品。

b)  部品質量が機器の寿命期間中に受ける振動で,はんだ接続部にストレス又は損傷を及ぼすおそれのあ

る部品。

ただし,その確実に固定する方法は,プリント基板に損傷を与えずに部品交換できるようにする。


20

E 5006:2016

全ての部品は,部品製造業者の推奨する方法で取り付ける。また,そのような推奨がない場合,固定方

法がはんだ接合部を含む部品又はユニットの性能に悪影響を与えない方法で取り付ける。

9.2.4 

部品端子 

部品の接続は,部品に指定された機械的又は熱的ストレスの上限値を超えないようする。

部品のリード線の折り曲げが,部品本体又はリード線の接続部に損傷又は永久ストレスを与えないよう

にする。

9.2.5 

プリセット制御 

運転中の調整(すなわち,内部の校正ではない。)のために,プリセット制御が必要とみなされる場合,

動作中の電子機器の完全な状態で,かつ,隣接した装置が動作中でも,プリセット制御ができるようにす

る。

このような制御は,通常の動作中には設定値を保持でき,かつ,偶発的な調整ずれが起きないように保

護する。

9.2.6 SOT 部品 

SOT 部品は,再調整のために簡単に取り外せるように,部品に取り付けてピンにはんだ付けをする。

注記

  “SOT”は,Select-on-test の略語である。

9.3 

電気接続 

9.3.1 

一般 

次のような種類の接続法とする。

9.3.2 

はんだ接続 

はんだ付け接続は,特に,はんだ付け接続を前提として設計された部品に限るものとする。フレキシブ

ルより線導体及び曲げられるように設計された金属製編組導体は,はんだ付けではなく,圧着端子で取り

付けるようにする。ただし,これらは電気接続を行う前にひずみ(歪)を除去する。

銀めっき又は金めっきした配線又は部品は,接続部に悪影響を与えないほどの薄いめっき処理でない限

り,はんだ付けをしてはならない。はんだ付けをした配線及び部品は,できるだけ,他の接続に支障をき

たさないで取外しができるようにする。はんだ溶剤は,腐食性のないものとする。鉛フリーはんだに起因

するウィスカ対策について,十分に考慮する。

9.3.3 

圧着接続 

圧着接続は,圧着端子の一般要求,試験方法及び実施概要を規定した IEC 60352-2 による。

9.3.4 

ワイヤラップ接続 

全てのワイヤラップ接続は,最低限 IEC 60352-1 及びその改良した方法による。同一箇所をはんだ付け

で配線接続及びワイヤラップ配線で接続してはならない。ワイヤラップ配線に使用するワイヤは,使用す

るラッピング工程に適したものであり,ワイヤは

3 ターン以上,密着させて巻く。

9.3.5 

その他の接続 

例えば,絶縁物除去,圧着はめ込みなどのその他の接続方法は,使用者との間で事前の協定がある場合

に限り採用できる。

9.4 

(電気的及び光学的)フレキシブル内部接続 

曲げることを前提とした配線には,端子の近く及び経路の途中の適切な箇所に,適切な締め具,外装管

又は支えを設ける。

配線は,使用温度限度においても,性能に影響されないような配置にする。

配線は,ケーブル製造業者が指定した最小許容曲げ半径値以下で曲げてはならない。配線ケーブルの最


21

E 5006:2016

小曲げ半径が規定されていない場合には,曲げの内寸半径は,ケーブルの絶縁被覆を含めた仕上り直径以

上とする。

グロメット又はブシュは,摩耗破損を起こす可能性がある材料の箇所を配線が貫通するところに使用す

る。また,内部配線は,適切に支持する。

配線は,コネクタ内側の接続が正常な運転及び取扱いで,有害な引張応力又はねじり応力を受けないよ

うな方法で,プラグ及びソケットに圧着する。

実用上,配線の両端は接続処理をやり直せるように,配線に十分な余裕をもたせる。

シールド線は,絶縁被覆付きとする。

全ての配線は,それぞれの配線ケーブルの両端間を配線図又は配線リストでトレースできるようにする。

9.5 

フレキシブル・プリント配線 

フレキシブル・プリント配線には,コネクタ以外の部品を使用してはならない。

基板材料は,適切な温度範囲をもち,かつ,用途に適した機械的性質をもつものとする。また,基板材

料は,難燃性及び防滴タイプとする。

とがった小さな曲げは,できるだけ避ける。最小曲げ半径は,基板材料又は材料の表面に貼り付けた薄

板の割れ又は破損の原因となるような小さい半径であってはならない。

基板材料又は積層材料の剝離が起きないように,渡り配線の処理には適切な支えを設けるようにする。

この技法を使用した配線処理は,配線システムを損傷しないで再配線できるようにする。

9.6 

プリント基板-フレキシブル及びリジッド 

9.6.1 

プリント基板の種類 

次の種類のプリント基板を使用してもよい。

a)

片面又は両面の,リジッドプリント基板

b)  片面又は両面の,フレキシブル又はフレキシリジッド・プリント基板

c)

リジッド多層プリント基板

外部の故障条件に対する特別な保護がない場合,車両配線に直接接続する場所に,多層基板の内側の層

にある信号線を使用してはならない。

はんだ接続用の全ての配線ホールは,両面にパッドを付けた,めっきしたスルーホールとする。

他の種類は,使用者の事前の承認を得れば,使用してもよい。

9.6.2 

発注 

プリント基板は,受渡当事者間で協定した規格に従って手配し製造する。

9.6.3 

プリント基板のレイアウト 

この規格で規定した使用条件の点検・修理条件を十分に考慮して,プリント基板のレイアウトは JIS C 

5014 に従って行う。

9.6.4 

材料 

基板材料は,リジッドプリント基板用及び多層プリント基板の製造用には,指定の難燃性(鉛直燃焼試

験)であるエポキシ繊維・ガラス繊維を織り込んだ積層シート構造とし,必要に応じて,JIS C 6484JIS 

C 6489 及び IEC 61249-2-22 による。

フレキシブル・プリント基板に使用する基板材料は,規定の難燃性(鉛直燃焼試験)であるフレキシブ

ル銅張りポリイミド・フィルムとする。

上記に規定する基板材料の性能と同等以上の性能であるならば,他の材料を使用してもよい。


22

E 5006:2016

9.7 

プリント基板組立品用保護コーティング 

全てのプリント基板組立品は,湿気,大気中の汚染物などが原因で起こる劣化又は損傷を防ぐ目的で,

両面を透明な保護コーティングで防護する。このコーティングは使用している他の材料又は部品に悪影響

を及ぼす反応を起こすものであってはならない。

この保護コーティングは,集積回路のソケット,試験端子,コネクタ接点の接触面などに塗ってはなら

ない。

コーティングを完全に剝がさなくても,コーティングしたプリント基板組立品を修理できるようにする。

修理後,そのプリント基板は,部分的に再コーティングする。

9.8 

識別 

9.8.1 

生基板の識別 

アートワークは,変更番号を含めて,正確に識別できる十分な情報を複製できるようにする。

注記 1  生基板とは,部品の載っていないプリント基板を意味する。

注記 2  アートワークとは,部品のレイアウトを決める作業を意味する。

9.8.2 

サブラック及びプリント基板組立品の識別 

サブラック及びプリント基板組立品のラベル付けは,製造番号及び変更番号を含めて,正確に識別でき

るものとする。ラベルは全て太字体で明瞭,簡潔で,耐久性がなければならない。さらに,ライン交換可

能ユニットのラベルには,識別名,製造業者名又は商標及びシリアル番号を含むものとする。サブラック

及びプリント基板組立品には,取付け,形式又は機能に関するあらゆる変更を記録できる手段を設けてお

く。識別ラベルはできるだけ,プラグインユニットの前面パネルに配置する。保守用に,変更ラベルはこ

の前面パネルに取り付けることが望ましい。

9.8.3 

サブラック及びプリント基板組立品の取付位置 

各々の取付位置には,サブラック又はプリント基板組立品の形式を表示する。

9.8.4 

ヒューズ及び電池の識別 

全てのヒューズ定格は,そのヒューズの近くに表示する。機器内部に電池を使用している場合,電池が

設置されているモジュールの前面パネルに,電池が取り付いていること及び推奨する交換時期を表示する。

9.9 

取付け 

機器は,規定の使用条件で確実に動作する能力があるように取り付ける。このような取付けは,次の装

置に適用してもよい。

a)

主要機器に対して:きょう体,ラック,サブラック及びプリント基板組立品

b)  小形機器,周辺機器に対して:個々の密閉収納箱

どの場合でも,収納箱は,使用条件に対して必要なレベルの防護を設け(JIS C 0920 による IP コード),

かつ,収納された機器の取外し及び修理ができるようにする。

さらに,保護を施すためのカプセル化(プリント基板組立品を,例えば,シリコンラバー,樹脂又は他

の材料で覆うこと)は採用しない。ただし,特殊環境条件として規定された場合(例えば,離れた場所に

取り付けられるトランスデューサの場合)に限り,使用するものとする。

製造業者がカプセル化を採用しようとした場合,できるだけ早い段階で,使用者に相談する。

この細分箇条で要求している内容は,ハイブリッド回路,

ASIC(特定用途向け集積回路)などのような

個々の部品には適用しない。

9.10  冷却及び換気 

汚染物を含む空気によっても電子機器の寿命には悪影響を及ぼさないと受渡当事者間で協定した取決め


23

E 5006:2016

がない限り,強制通風によって外気を電子機器きょう体に取り込んで冷却してはならない。ファンを付け

て冷却を助ける場合,冷却システムが故障しても,いかなる損傷も生じないように電子機器を保護するよ

うに設計する。関連する保護デバイスが動作するまでの間は,正規の性能仕様を維持できるようにする。

注記 1  この規定条項における“損傷”には,いずれの部品に関しても,その部品の仕様上の最大定

格以上で使用したことによる電子機器の寿命への影響が含まれる。

注記 2  冷却システムの故障に対する電子機器の保護方法には,電子機器の停止,出力の抑制,アラ

ームなどがある。

9.11  材料及び仕上げ 

材料及び仕上げは,使用条件に合致しており,環境,摩耗及び経年劣化並びに人体に対する毒性の危険

性の影響を考慮して選定する。

全ての材料は,寸法に狂いがなく,非吸湿性及び抗菌性の抵抗力があり,更に非発火性又は難燃性のも

のとする。使用者は,国の法律で禁止又は管理されている材料の一覧表を準備する。

さらに,製造業者は,毒性のある全ての部品の廃棄手順を規定する。

10  安全性 

10.1  留意事項 

この規定は主要な電子機器に限らず,全てのメンテナンス用の電子機器,ツール又はマニュアルによる

手順にも関係する。

10.2  一般 

電子機器は,自国又は当該電子機器を使用する国の使用者が定める国家安全法規に準拠し,契約に沿っ

た設計,組立て及び設置を行う。

注記

  日本では上記に該当する法規として,例えば,“電気用品安全法”がある。

10.3  機能上の安全性 

機器又はシステムに対して,特定の機能安全要求は,IEC 62278 の 4.3(鉄道の RAMS の要素),4.6(リ

スク)及び 4.7(安全インテグリティ)によって規定する。

10.4  人体の安全 

使用者は,電子機器,構造及び使用材料に関し,人体の安全に関わる特別の要求事項を引合時に明確に

する。

11  文書化 

11.1  一般 

箇条 に規定のとおり,機器の設計は JIS Q 9001 の規定に従い,文書化する。

11.2  文書の提供及び保管 

受渡当事者は,次の事項に関して,書面で協定する。

契約に盛り込まれている場合に限り,このような書面による協定を考慮する。

a)

使用者が求める文書の部数,適用範囲,内容,提出方法,媒体及びアップデートの方法

b)  製造業者による文書の保管に関して,適用範囲,条件及び保管期間

11.3  ハードウェア及びソフトウェアに関する文書化 

11.3.1  一般 

次の項目は,使用者が要求する可能性のある文書に関する,チェックリストである。この中から提供す


24

E 5006:2016

る文書について受渡当事者間で協定する。

11.3.2  ハードウェアに関する文書化 

次の項目は,ハードウェアに関する文書化すべき書類のチェックリストである。

a)

電子機器名及び形式

b)  電子機器の機能上の目的

c)

電子機器一式の構成

d)  動作原理

e)

コミッショニングの要領書及び初期設定データ

注記

  コミッショニングの要領書とは,装置を適正に使用開始するための電子機器の立上げ要領書

などの意味である。

f)

必要に応じて,電圧波形,電流波形,立ち上がり時間などを含む回路動作の説明

g)

機能上のインタフェイスの説明

h)  変更の状態

i)

製造に関する書類(回路図,配線図など)

j)

車上診断,車両から取り外して行う診断手順及び必要な試験機器

k)  保管に関する注意事項

l)

注釈付きの機能ブロック図

m)  レイアウト図及び機器配置図

n)  部品リスト

o)

部品仕様及び供給元(例えば,製造業者)に関する情報

p)  試験端子

q)  電子機器より寿命が短いことがあらかじめ知られている部品の一覧

r)

電子機器の内部に存在する可能性があり,使用者が承認済みの全ての危険物質に関する情報

s)

電子機器の内部に存在する可能性のある又は使用中若しくは取扱い中に起こる可能性のある,全ての

爆縮又は爆発の危険性に関する情報

t)

保守に関する文書

11.3.3  ソフトウェアに関する文書化 

次の項目は,ソフトウェアに関する文書化すべき書類のチェックリストである。

a)

システムの要求仕様への製造業者の取組みを記述したソフトウェアの要求仕様

b)  ソフトウェアの要求仕様を満足するためのソフトウェアのアーキテクチャ及び設計を記述したソフト

ウェアの説明書

c)

各モジュールについて

1)  性能の説明(例えば,入力,出力,機能)

2)  文書化したソースコード(必要に応じて,アセンブラ又は上位階層レベル)

3)  試験仕様及び試験結果

d)  全てのグローバル変数及びグローバル定数を定義したデータ一覧

e)

システム・メモリ・マップ

f)

ハードウェアの依存関係(すなわち,ソフトウェアに対するハードウェアの要求事項)

g)

使用する開発システムの詳細

h)  ソフトウェア開発のために使用する,全てのツールの詳細な参考資料


25

E 5006:2016

i)

組込み試験の要求条件及び結果

j)

保守に関する文書

11.4  文書化の要求 

11.4.1  文書 

使用者に提出する全ての文書には,文書中に記述された内容を特定し,図面の種類を表す適切な図面番

号,日付,改定副番及び表題を付ける。全ての文書及び部品表には,発行番号又は変更の見出し及び変更

履歴を付ける。

図記号は種別

1 又は種別 2 のいずれかによる。

種別 

全ての図記号は,JIS C 0617 規格群による。

種別 

全ての図記号は,JIS E 4017 による。

11.4.2  回路図 

回路図は当該電子機器全体の各プリント基板組立品及びプラグインユニットごとに作成する。可能な場

合には,全ての回路図は信号経路上で,信号の主な流れは左から右へ(及び配置上必要のあるところでは,

上から下に)描く。

同様に,可能な場合には,どの

1 ユニットでも回路図は完全に自己完結形で,一目瞭然に理解でき,他

の回路図への関連付けが分かりやすく,かつ,次の事項を示すものとする。

a)

供給電源電圧レベル及び相互接続

b)  低電圧回路間の接続

c)

これらの回路,電子機器,変換器及び制御デバイス又はモニタデバイス間の接続

d)  各金属部のそれぞれの接地接続

e)

電子的零電位ライン間の接続

f) 

ケーシング及びそれらの接続

g)

シールド線又はツイスト線

プリント基板組立品又はプラグインユニットに対して,外付けの個別部品で,動作上必須のものは,回

路図上でその範囲を点線で示し,適確に識別する。全ての部品の記号には,その回路参照記号を付け,部

品表が回路図に記載されていない場合は,部品の公称値を示す。

3 か所又はそれ以上の接続のある部品の接続点は,各接続点自身を識別できるようにするか,記号を接

続点に付ける。

全ての制御機能,スイッチ機能及び表示デバイスの機能は,その機器に付けられた表示と一致させる。

回転形の制御部品(可変抵抗器,ロータリスイッチなど)についての記号は,設定位置の端部から見て,

時計回りの回転を示す矢印を付ける。

リレーは,無励磁の位置で示す。

11.4.3  部品表 

部品表には,各部品に対して一意に識別できる参照番号及び仕様を記載する。

11.4.4  部品配置図 

部品配置図には,プリント基板組立品又はプラグインユニットで使用される個々の部品配置を示し,使

用されている箇所に回路参照番号,外形及び極性の詳細を併せて示す。


26

E 5006:2016

11.4.5  ブロック図 

ブロック図は,システムの中で識別できる部分と部分との間の情報の流れを示す。使用する図記号は,

種別

1 又は種別 2 のいずれかによる。

種別 

JIS C 0617 規格群及び JIS C 1082 規格群に従った図記号を使う。

種別 

JIS E 4017 に従った図記号を使う。

11.4.6  配線図 

配線図及び図表は,電子機器きょう体内の内部配線を示し,更に周辺から供給される電源,配線,警報

信号などを示す。

11.4.7  相互接続図 

相互接続図及び図表には,電子機器きょう体と,外部ケーブルによって当該電子機器に接続される全て

の装置との間に必要な接続を示す。相互接続図及び図表には,これらの接続に用いられるケーブルの種類

を示し,電磁障害を低減するための特別な終端接続方法又は特別な配線配置方法がある場合にはそれらも

示す。

11.4.8  電子機器の組立図 

電子機器の組立図は,次の内容を示す。

a)

ラック又はサブラックに収納される電子機器の配置

b)  きょう体内のユニット及びサブユニットの配置

c)

全てのキュービクル,ラック,サブラック,プラグインユニット及びプリント基板組立品の重要な機

構的特徴

12  試験 

12.1  試験の種類 

12.1.1  一般 

試験には,次の

3 種類がある。

a)

形式試験

b)  受渡試験

c)

調査試験

引合時に,使用者は協定すべき試験項目を特定する(12.2 参照)。

実施すべき全ての試験内容をリストアップした試験計画及び試験仕様は,製造業者が作成する。

形式試験及び受渡試験中に,機器は誤動作することなく,性能を満足するものとする。

協定すべき試験項目が費用の増加となる場合には,必要となる試験項目だけについて実施する取決めを

契約に含める。

12.1.2  形式試験 

形式試験は,電子機器が要求仕様に合致していることを検証するために行う。形式試験は同一の設計及

び製造手順の中の電子機器

1 台について行う。電子機器の完成品又は電子機器の一部が,以前に試験した

電子機器とほとんど同一である場合には,製造業者はこの規格で規定されている試験を,最低限,カバー

している前回の試験の証明書を提出してもよい。この場合,使用者の了解を得ることができた場合には,

そのユニットについて再試験の必要はない。これらの試験の全て又は幾つかは,製品の品質が要求された


27

E 5006:2016

仕様に常に合致していることを確認するために,受渡当事者間で協定して,製造中及び納入する製品から

抜き取ったサンプルに対して適宜,試験してもよい。

さらに,次に示す場合には,使用者は全体又は部分的のいずれかに対する形式試験の再試験を要求して

もよい。

a)  その機能又は操作方法に影響を与えそうな電子機器の変更

b)  形式試験又は受渡試験中に発生した故障又は変化

c)

5 年以上製造を中断していた後の製造の再開

d)  製造場所の変更

12.1.3  受渡試験 

受渡試験は,電子機器の特性が形式試験で測定された特性に一致することを検証するために行う。受渡

試験は,全ての電子機器に対して製造業者が行う。

12.1.4  調査試験 

調査試験は,規定されている要求以外の電子機器の性能に関する追加情報を得ることを目的としている。

調査試験は,使用者又は製造業者が特別に要求し,契約上の協定による。

ただし,調査試験の結果を機器の受取拒否又はペナルティを行使する理由にしてはならない。

注記

  調査試験は,この規格では規定していない。

12.2  試験項目 

12.2.1  一般 

表 に電子機器の形式試験及び受渡試験の項目一覧を示す。この表に“○”で示す試験は,必ず行う。

これらの試験時の周囲温度は,+

25  ℃±10  ℃に設定する。

表 2-試験項目 

試験項目

形式試験

受渡試験

適用箇条番号

1

目視検査

12.2.2 

2

性能試験

12.2.3 

3

低温起動(耐寒性)試験

*

12.2.4 

4

高温(耐熱性)試験

*

12.2.5 

5

温湿度サイクル試験

*

*

12.2.6 

6

電源過電圧

*

12.2.7 

7

サージ,静電放電(

ESD)及び過渡バースト感受性試験

*

12.2.8 

8

無線周波試験

*

*

12.2.9 

8.1

無線周波イミュニティ試験

*

*

12.2.9.1 

8.2

無線周波エミッション試験

*

*

12.2.9.2 

9

絶縁試験

12.2.10 

10

塩霧試験

*

*

12.2.11 

11

振動,衝撃及びバンプ試験

*

12.2.12 

12

防水試験

*

*

12.2.13 

13

電子機器のストレス・スクリーニング

*

*

12.2.14 

14

低温保存試験

*

*

12.2.15 

注記

  “*”で示す試験は,受渡当事者間の契約協定による。

12.2.2  目視検査 

目視検査は,電子機器が強固な構造であること及び規定された要求に合致していることをできる限り確


28

E 5006:2016

認するために行う。目視検査は,形式試験を行った後,損傷又は劣化が生じていないかを確認するために

も行う。

12.2.3  性能試験 

測定は,周囲温度の下で行う。形式試験としての性能試験は,その性能が個々の仕様のいかなる特別な

要求及びこの規格の一般要求を含む,関連する特定の機器の機能要求に従っていることを確認するための,

包括的な一連の機器特性の測定である。受渡試験としての性能試験は,次の電源変動試験及び電源瞬断試

験を除き,形式試験と同じである。

別途,協定されている場合を除き,形式試験には次の項目を含める。

a)  電源変動試験

直流を電源とする機器:  試験は,公称電源電圧及び規定の上限値と下限値とで,正常に機能して

いることを証明するために行う。

交流を電源とする機器:  試験は,次の条件で正常に機能していることを証明するために行う。

1)  公称電圧及び周波数

2)  電圧並びに周波数の上限値及び下限値の全ての組合せ

b)  電源瞬断試験

試験は,公称電圧で行う。

試験中に電子機器へ供給する電力は,必要に応じて 5.1.1.3 及び 5.1.3 に示す分類に従った時間の間,瞬

断させる。

その際,電子機器は操作者が調整又はリセットをしなくても,正常に機能及び表示し続けなければなら

ない。

試験は,操作の全てのモードを網羅して,ランダムに

10 回繰り返す。

電子機器の出力は,異常な動作が発生していないことを確認するために,試験中監視する。

試験は,5.1.1.3 で定義する等級 S1 の場合には適用しない。

電気的に同一である出力信号が複数ある場合,これらの出力信号のうちの四つの信号又は全数の

20 %の

数のいずれか多い数の信号を監視する必要がある。

電子機器が主回路電源に接続されているが,蓄電池を介して給電されていないところでは,電源瞬断の

影響を模擬するために試験を行う。

12.2.4  低温起動(耐寒性)試験 

低温起動(耐寒性)試験は,種別

1 又は種別 2 のいずれかによる。

種別 

試験は,JIS C 60068-2-1 の試験 Ad によって行う。

プリント基板組立品,プラグインユニット,サブラック又はラックは無電圧で試験槽内に置く。

周囲温度は表 において,使用者が指定する等級に従って選ぶ。

まず,供試品をその試験槽内に置く。試験槽内の温度が安定した後,供試品の温度が安定するまで放置

する。放置する時間は

2 時間以上とする。

供試品の温度が安定してから,供試品を低温に維持したままで,電源を投入し,性能確認を行う。

復帰後,通常の室温で性能確認を再度行う。

判定基準:

a)

損傷が発生していない。

b)  故障又は損傷がなく,許容値を逸脱した結果が出ていない。


29

E 5006:2016

試験仕様書には,判定基準の詳細を記載する。

種別 

試験は,表 2A によって行う。

表 2A-低温起動(耐寒性)試験温度 

単位  ℃

適用区分

a)

低温試験

保存温度の

最低値

対象機器

動作保証温度

性能保証温度

10

室内機器

0

5

室外機器

10

10

室外機器で他装置

に収納される機器

25

室内機器

20

5

室外機器

10

室外機器で他装置

に収納される機器

a)

  適用区分は,受渡当事者間の協定による。

12.2.5  高温(耐熱性)試験 

高温(耐熱性)試験は,種別

1 又は種別 2 のいずれかによる。

種別 

試験は,JIS C 60068-2-2 の試験 Bd によって,自然換気で行う。ただし,強制換気を常用する電子機器

は除く。

試験に適用する温度条件は,供試品の種類及び使用者が設定する温度範囲(詳細については表 参照)

によって決まる。キュービクル,ラック,サブラック,プラグインユニット又はプリント基板組立品を内

蔵している電子機器の場合,温度は 4.1.2 に規定する適切な温度を採用する。

比較的小さな機能ユニット(例えば,プリント基板組立品,プラグインユニット又はサブラック)で,

高温(耐熱性)試験を行うことが望ましいが,放熱装置を作動させるか,又は試験用に用意できない場合

には模擬するか,のどちらかを確実に行うように注意を払う。

給電した状態の電子機器を試験槽内に置き,その試験槽内の温度を設定した温度範囲の上限まで徐々に

上昇させる。試験槽内の温度が安定してから

6 時間放置し,その温度状態で性能確認を行う。この試験が

終了したら,電子機器は周囲温度まで冷却し,更に性能確認を行う。

キュービクルの場合,特別な性能確認は“

10 分間の過温度値”を用いて行う(詳細については表 の欄

3 参照)。

上記の試験中,前もって仕様が決定している部品の温度は,動作限度値又はこの規格で規定する限度値

を超えていないことを確認する。

判定基準:

a)

故障又は損傷が発生していない。

b)  許容値を逸脱した結果が出ていない。

試験仕様書には,判定基準の詳細を記載する。


30

E 5006:2016

種別 

試験は,表 2B によって行う。

表 2B-高温(耐熱性)試験温度 

単位  ℃

適用区分

a)

高温試験

動作保証温度

性能保証温度

室内機器

55

40

室外機器

室外機器で他装置

に収納される機器

60

55

a)

  適用区分は,受渡当事者間の協定による。

12.2.6  温湿度サイクル試験 

試験槽内の空気の温度及び湿度は,制御可能で,かつ,これらの値を継続的に記録する手段を装備する。

気中の湿気が結露した水は,試験槽から除去し,再使用しない。

水のスプレーによって空気を加湿する場合,

500 Ω・m 以上の抵抗率をもつ水を使用する。

試験槽内の環境条件は,可能な限り(必要なら循環によって)均一に保ち,かつ,供試品が指定された

許容値を超えて(熱放散,湿気の吸収,その他)条件を変化させない。

供試品には,結露水を滴下させない。試験は,JIS C 60068-2-30 によって行う。

供試品には,性能確認中を除いて給電しない。

温度

:+

55  ℃及び+25  ℃

サイクル回数

  :2(呼吸効果)

時間

2×24 時間(1 サイクル 24 時間を 2 回)

中間測定

:第

2 サイクルの始めに,結露状態で性能試験を行う。

試験品の熱的慣性が小さく,第

2 サイクルの始めに結露が生じていない場合,温度変化の速度を上げる

ことができる(ただし,

1  ℃/min を超えず,かつ,一定の相対湿度を維持する。)。

周囲温度への復帰は,制御された復帰条件の下で行う。

確認及び最終測定:

a)

絶縁試験(耐電圧試験及び絶縁測定試験)

b)  性能試験

c)

目視検査

判定基準:

全ての絶縁及び性能確認の結果(第

1 サイクル及び第 2 サイクル後の結果)は,保証した許容値内にあ

るものとする。

12.2.7  電源過電圧 

電源過電圧は,図 に示す台形の過電圧とする。

試験波形は,試験波形を印加する前後の,制御システム電源電圧と同極性とする。

電圧は制御システム電源の帰線電位に関連させて測定する。

上記の代替法として,製造業者は使用者が承認した計算によって,電子機器が試験波形に耐えることを

証明してもよい。


31

E 5006:2016

上記に加えて,次の試験の要求事項が適用される。

全ての電源過電圧試験は,供試品から切り離された状態で試験用電源発生器の電圧レベル及び試験波形

の時間を測定する。

供試品は,指定された電圧レベル及び極性で

5 回試験を受ける。試験波形の連続適用の間隔は,1 分を

超えないものとする。試験中,電子機器は故障又は誤動作の発生が監視される。

試験要求:

a)  故障が発生していない。

b)  非線形サージアブゾーバがサージ抑制に使用される場合,試験シーケンスの最後に劣化が発生してい

ないことを確認する。

a)  試験回路 

b)  試験電圧波形 

電圧レベル 

(最小)

継続時間 d

(最大)

継続時間 D

(最小)

電圧波形発生器の

内部抵抗

(許容誤差  ±

10 %)

1.4 U

n

a)

0.1 s

1.0 s

1 Ω

a)

  U

n

は,5.1.1.1 で規定した公称電圧である。

図 2-電源過電圧 

12.2.8  サージ,静電放電(ESD)及び過渡バースト感受性試験 

12.2.8.1  サージ 

サージ電圧試験は,種別

1 又は種別 2 のいずれかによる。

種別 1  サージ波形(5.4 参照)を発生し,IEC 62236-3-2 で規定する電圧波形発生器及び波形を用いる。

種別 

12.2.8.1A  サージ試験 

サージ電圧は,図 の b)  に示す台形波又は図 2A に示す三角波とし,無通電状態にある電子機器と外部

回路との間の接合点に印加する。サージ電圧は,

2 方向(順・逆)に印加され,非繰返しで行う。


32

E 5006:2016

サージ電圧の条件は,表 2C のいずれかとするが,受渡当事者間で特に規定がない場合,a の条件とする。

表 2C-サージ電圧 

試験条件

電圧レベル U

継続時間 D

継続時間 d

a

1 500 V

45±9

μs

0.1 以内

b

800 V

100±20

μs

図 2A-三角波サージ波形 

サージに対する試験要求は,上記に加え,次の試験要件を適用する。全ての場合,試験波形の電圧レベ

ル及び継続時間は,供試品から切り離した,試験電圧発生器で測定する。

その試験電圧発生器と供試品との間を接続するリード線のループ・インダクタンスを最小にするために,

リード線の長さは

3 m 以下とし,その長さの大部分をまとめて束ねる。

各適用波形に対して,規定の各電圧レベル及び極性による

5 回の印加試験を行う。

試験波形の連続印加の間隔は

1 分を超えてはならない。

試験波形は,次の接続部に印加する。

a)

制御システム電源に接続することができる電子機器の全ての接続部。

b)  制御システム電源には接続されないが,鉄道車両の配線に接続され,かつ,他の配線からの電磁結合

の影響を受ける可能性のある電子機器への全ての接続部。ただし,電子機器への配線が(例えば,シ

ールド線で)電磁遮蔽されている場合,これらの接続には上記の要求は免除される。

試験中の機器を監視して,故障又は誤作動を検知できるようにする。

判定基準:

a)

故障が起きてはならない。

b)  サージ抑制用に非線形サージ吸収器を使用する場合,試験の終了に引き続き,点検によってサージ吸

収器の品質が低下していないことを検証する。

12.2.8.1B 

ノイズ試験 

ノイズ試験の電圧波形は,図 の b)  又は図 2A のいずれかによる。

電子機器は,通電状態とする。

ノイズ試験の接続は,図 2B 及び図 2C による。


33

E 5006:2016

図 2B は,試験電圧波形を電子機器の外箱と,電子機器の電源入力端から 1 m 離れた電源入力線の箇所

との間に加える方法である。

図 2C は,試験電圧波形を電子機器の電源入力端から 1 m 離れた箇所において,正・負の電源入力線間

に加える方法である。

それぞれの試験条件は表 2D によるものとし,試験電圧の繰返し周波数は 50 Hz 以上,印加時間は 10 分

間とする。試験装置の内部インピーダンスは,表 2D の各電圧に対して 50 Ω とする。また,図 の b),図

2A 及び表 2D による電圧は,

試験装置を被試験装置及びその電源に接続しない場合に満足するものとする。

表 2D で規定されていない電圧での試験,その他必要な事項については,受渡当事者間の協定による。

表 2D-ノイズ試験電圧 

試験区分

電圧レベル U

継続時間 D

継続時間 d

a

300 V

1±0.5

μs

0.1 以内

b

500 V

c

800 V

d

1 000 V

ノイズ試験の印加電圧区分については,適用される電子機器の要求する信頼度,搭載される車両のノイ

ズ環境などの使用条件によって区分される。ノイズ試験の印加電圧区分について受渡当事者間の既存の協

定がない場合,表 2E に示す概略的な目安に基づき,受渡当事者間で協定する。ここで,最大入力電圧は,

電子機器の内部に入力される全ての入力電圧のうちの最大値(ただし,瞬時的なサージ電圧を含まない。)

とする。

表 2E-適用区分 

試験区分

 a

b

c

d

印加電圧

300 V

500 V

800 V

1 000 V

適用条件

(最大入力電圧)

直流

50 V

以下

直流

250 V

以下又は

交流

250 V

以下

直流

2 000 V

以下又は

交流

2 000 V

以下

最大試験

ノイズ電圧

図 2B-ノイズ試験接続図 


34

E 5006:2016

図 2C-ノイズ試験接続図 

12.2.8.2  静電放電試験 

この試験は,通常,列車乗務員及び乗客が触れる可能性のある電子機器に対してだけ行う。機器は,正

規のハウジング内にあり,そのハウジングの全てのカバー及び点検パネルは,正規に取り付けてあり,か

つ,接地接続する。試験は IEC 62236-3-2 の表 9(イミュニティ-きょう体ポート)に従って行う。

12.2.8.3  過渡バースト感受性試験 

この試験は,供試品の入出力回路及び/又は電源配線の電磁界との結合効果を模擬するために行う。

試験は,IEC 62236-3-2 の表 7[イミュニティ-バッテリ電圧ポート(パワー出力部を除く。),交流補助

電源入力ポート(定格電圧≦

400 V

r.m.s

)]及び IEC 62236-3-2 の表 8(イミュニティ-信号・通信,プロセ

ス計測・制御ポート)によって行う。

12.2.9  無線周波試験 

12.2.9.1  無線周波イミュニティ試験 

全ての試験は供試品を使用して関連する配線及び合意した端末処理を含めて,できる限り正規の取付条

件に近い状態に配置して行う。電子機器は,正規のハウジング内にあり,そのハウジングの全てのカバー

及び点検パネルは,正規に取り付ける。ただし,使用者が同意すればその限りではない。

無線周波の電磁界による伝導妨害に関しては,IEC 62236-3-2 の表 7[イミュニティ-バッテリ電圧ポー

ト(パワー出力部を除く。

,交流補助電源入力ポート(定格電圧≦

400 V

r.m.s

)]及び IEC 62236-3-2 の表 8

(イミュニティ-信号・通信,プロセス計測・制御ポート)を参照する。

無線周波の電磁界による放射妨害に関しては,IEC 62236-3-2 の表 9(イミュニティ-きょう体ポート)

を参照する。

12.2.9.2  無線周波エミッション試験 

全ての試験は,供試品を使用して関連する配線及び合意した端末処理を含めて,できる限り正規の取付

条件に近い状態に配置して行う。

電子機器は,正規のハウジング内にあり,そのハウジングの全てのカバー及び点検パネルは,正規に取

り付ける。ただし,使用者が協定すればその限りではない。

当該機器は,IEC 62236-3-2 の表 3(エミッション-交流又は直流の補助電源ポート),IEC 62236-3-2 

表 4(エミッション-バッテリ電圧ポート),IEC 62236-3-2 の表 5(エミッション-プロセス計測・制御ポ

ート)及び IEC 62236-3-2 の表 6(エミッション-きょう体ポート)に規定の要件によって試験する。

12.2.10 

絶縁試験 

12.2.10.1 

一般 

絶縁試験は,絶縁抵抗試験(耐電圧試験の前後に実施)及び耐電圧試験の二つの試験からなる。


35

E 5006:2016

試験は,次のものが周辺の金具又は固定用部材に近過ぎない位置にあることを確認する。

a)  部品,部品の電気接続部及び部品のケース

b)  配線経路及びプリント基板のパターン経路

さらに,この試験は電気絶縁の要件として,回路設計上の空間距離を検証することである。

試験は,組立てが終了した機器の部品及び/又は供給範囲に応じた機器の完備品に対し行う。

絶縁抵抗試験及び耐電圧試験は,次に示す二つの試験法から一つを選んで行う。

c)

それぞれのサブラック及び/又はプリント基板組立品,サブラック又はプリント基板組立品のないラ

ック及びキュービクル,

d)  全てのサブラック及びプリント基板組立品を備えたラック及びキュービクルの完備品。

電気絶縁が必要な場合,絶縁抵抗値を測定した後に,試験電圧を隔離バリヤーの両側に印加する。

さらに,絶縁抵抗試験を繰り返す。

耐電圧試験の手順は,それぞれの回路に試験電圧の加圧が最少回数で済むように準備する。

人が触れる可能性がある又は電気絶縁を必要とする露出した金属部品,フレーム,前面パネル,又は金

属製の取付金具の付いたサブラック及びプリント基板組立品に対しては,試験は全ての接続箇所をまとめ

て短絡した部分と,これらの金属部品との間で行う。

絶縁試験が受渡試験の一部として実施済みである場合には,形式試験中に絶縁試験を繰り返す必要はな

い。

12.2.10.2 

絶縁抵抗試験 

絶縁抵抗試験は,直流電圧

500 V で行い,測定値を記録する。ただし,電子機器が特別高圧電圧及び/

又は高圧電圧の電力回路に接続されている場合,その機器の当該部分の絶縁抵抗試験は直流電圧

1 000  V

で行う。

絶縁抵抗試験は,耐電圧試験終了後に,再度行う。

判定基準:最初の測定から本質的な絶縁劣化があってはならない。

12.2.10.3 

耐電圧試験 

可能な限り

50 Hz 又は 60 Hz の交流電圧を使用する。万一,適用できない場合には,交流電圧のピーク

値に対応する直流電圧を使用する。

試験電圧は,電圧の振幅を規定の試験電圧まで徐々に増加させた後,

1 分間又は受渡当事者間で協定し

た時間で規定のレベルに維持する。

耐電圧試験は,種別

1 又は種別 2 のいずれかによる。

種別 

公称直流入力電圧又は交流入力電圧が,試験電圧を決定する制御要素である。

試験電圧の正弦波実効値は,次の数値とする:

a)

蓄電池の公称直流電圧が

72 V(交流電圧では 50 V)未満に対して:500 V

b)  蓄電池の公称直流電圧が 72 V 以上 125 V 未満(交流電圧では 50 V 以上 90 V 未満)に対して:1 000 V

c)

蓄電池の公称直流電圧が

125 V 以上 315 V 未満(交流電圧では 90 V 以上 225 V 未満)に対して:1 500

V

例外として,電源回路の二次回路であり,電気的に一次側と絶縁されている場合には,低い電圧範囲に

対応する電圧で試験してもよい。

電子機器の部品が電力回路に接続されている場合,その機器の当該部分は,その電力回路と同じ耐電圧

試験に耐えるものとする。


36

E 5006:2016

判定基準:

破壊的放電又はフラッシオーバが発生してはならない。

種別 

JIS E 5004-1 の 9.3.3.3.2(試験電圧)の種別 2 による。

12.2.11 

塩霧試験 

12.2.11.1 

塩水 

塩霧を生成する溶液は,分析試薬用塩化ナトリウム(

NaCl)を質量(50±1)g,蒸留水又はミネラル分

を除去した水に溶解,調整して,

20  ℃において(1±0.02)リットルの塩化ナトリウム(NaCl)溶液を作

る。

pH 値が 6.5 と 7.2 との間にない場合には,溶液を作り直す。

12.2.11.2 

試験手順 

試験中,試験槽の温度は(

35±2)℃を継続する。

塩霧を生成するために使用する溶液及び空気の温度は,試験槽の温度と同じとする。

電子機器は実際に使用されると予想される状態で試験する。すなわち,防護用のカバーを正規に取り付

け,かつ,電子機器は実際の使用時に占有する場所にできるだけ近い状態に配置する。

試験槽は閉じたままとし,指定の全時間にわたって,間断なく塩水を噴霧し続ける。

試験時間は次のとおりとする:

a)

等級

ST1 では,  4 時間,

b)  等級 ST2 では,16 時間,

c)

等級

ST3 では,48 時間,

d)  等級 ST4 では,96 時間。

試験終了後,電子機器には

5 分間,水道水を流して洗浄し,更に蒸留水又はミネラル分を除いた水でゆ

すぎ,試験室の標準的な大気の状態の下で,水滴を除去するために,放置して乾燥させる。その時間は

1

時間以上,

2 時間未満とする。

その後,電子機器は目視検査を行う。

判定基準:

a)

大きな損傷は発生していない。

b)  性能確認の試験(3.8 参照)で故障又は損傷が発生していなく,許容値を逸脱した結果が出ていない。

12.2.12 

振動,衝撃及びバンプ試験 

振動,衝撃及びバンプ試験は,次による。

キュービクル又はラック完成品は,補助装置及び取付附属品(機器が衝撃吸収装置に取り付けるように

設計してある場合には,その衝撃吸収装置も含む。)とともに,JIS E 4031 で示す試験による。

注記

  バンプの意味は,4.1.3 の注記を参照。

12.2.13 

防水試験 

電子機器は,通常,車体の内部又は車体の外部に取り付けたきょう体内のいずれかに取り付けられてい

るので,防水試験を実施する必要はない。ただし,受渡当事者間で取り決めた例外的な場合を除く。

12.2.14 

電子機器のストレス・スクリーニング 

使用者は製造上又は部品の潜在的な欠陥を排除する目的で,完成した電子機器又はその一部に電子機器

ストレス・スクリーニングの手順を要求してもよい。

このプロセスには,次のものを含めてよい:

a)

温度を高くした状態における動作


37

E 5006:2016

b)  熱サイクル

c)

振動

対象とする機器にこのプロセスを必要とする場合,受渡当事者間で当該電子機器に行うプロセス及びそ

の試験内容を引合時に協定する。

この手順で定めた条件は,当該電子機器又は構成部品に定めた使用条件を超えてはならない。

12.2.15 

低温保存試験 

電子機器がその仕様書の最低動作温度未満の温度に置かれる場合,更に低温保存のための試験を実施し

てもよい。試験は,JIS C 60068-2-1 の試験 Ad による。

試験の温度値は,-

40  ℃とし,試験の時間は,16 時間以上とする。

回復後,性能試験を通常の周囲温度で実施する。

判定基準:

a)  損傷が生じていない。

b)  機能検査の結果でいかなる故障の兆候又は規定の許容値を超える結果を示していない。

試験仕様書には,判定基準の詳細を記載する。


38

E 5006:2016

附属書 A

(参考)

受渡当事者間(例えば,使用者及び製造業者)の協定についての記載項目

4.1.1  標高

4.1.2  周囲温度

4.2  特殊な使用条件

5.1.1  蓄電池による給電

5.1.1.2  電圧供給の変動範囲

5.1.1.3  電源中断の等級

5.1.2  静止形変換装置又は回転機からの給電

5.1.3  電源切換の等級

5.3  取付け

6.1.1  予想される信頼性

6.1.2  信頼性の証明

6.2  寿命

6.3  保全性

6.4.1  車上診断及び修理

7.2.3  基準電源

7.3.2  ソフトウェア設計の手段

9.3.5  その他の接続

9.6.2  プリント基板の適用規格

11.2  文書の提供及び保管

11.3  ハードウェア及びソフトウェアに関する文書化

11.4.1  文書

11.4.5  ブロック図

12.1.1  試験の種類

12.1.2  形式試験

12.1.4  調査試験

12.2.1  試験項目

12.2.3  性能試験

12.2.4  低温起動(耐寒性)試験

12.2.5  高温(耐熱性)試験

12.2.8.1  サージ

12.2.8.1A  サージ試験

12.2.8.1B  ノイズ試験

12.2.9.1  無線周波イミュニティ試験

12.2.9.2  無線周波エミッション試験

12.2.10.3  耐電圧試験


39

E 5006:2016

12.2.13

防水試験

12.2.14

電子機器のストレス・スクリーニング

参考文献   

JIS E 5004-2  鉄道車両-電気品-第 2 部:開閉機器・制御機器及びヒューズの一般規則

注記

  対応国際規格:IEC 60077-2,Railway applications-Electric equipment for rolling stock-Part 2:

Electrotechnical components-General rules(MOD)

JIS E 5004-3  鉄道車両-電気品-第 3 部:直流遮断器

注記

  対応国際規格:IEC 60077-3,Railway applications-Electric equipment for rolling stock-Part 3:

Electrotechnical components-Rules for d.c. circuit-breakers(MOD)

JIS E 5004-4  鉄道車両-電気品-第 4 部:交流遮断器

注記

  対応国際規格:IEC 60077-4,Railway applications-Electric equipment for rolling stock-Part 4:

Electrotechnical components-Rules for AC circuit-breakers(MOD)

JIS E 5004-5  鉄道車両-電気品-第 5 部:高圧ヒューズ

注記

  対応国際規格:IEC 60077-5,Railway applications-Electric equipment for rolling stock-Part 5:

Electrotechnical components-Rules for HV fuses(MOD)

IEC 62279,Railway applications-Communications, signalling and processing systems-Software for railway

control and protection systems


40

E 5006:2016

附属書 JA

(参考)

JIS と対応国際規格との対比表

JIS E 5006:2016  鉄道車両-電子機器

IEC 60571:2012,Railway applications-Electronic equipment used on rolling stock

(

I)JIS の規定

(

II)

国際
規格
番号

(

III)国際規格の規定

(

IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

(

V)JIS と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

1  適用範囲

1.1A  電力回路用機
器 と 電 子 機 器 と の
区分

追加

電子機器の範囲について規定し
た。

日本で広く使われている区分を追
加した。

日本の事情であるため,IEC への追
加の提案は行わない。

1.1B  電子機器の分

追加

電子機器の分類について規定し
た。

日本で広く使われている分類を追
加した。

日本の事情であるため,IEC への追
加の提案は行わない。

2  引用規格

3  用語及び
定義

3.7  ライン交換可能
ユニット

3.7

追加

注記

1 で“ライン交換可能ユニ

ット”の説明を追加した。

注記

2 で“通常の診断システム

には,不良ユニットを的確に識
別できる能力はない”ことを追
加した。

次回の IEC 規格の見直しの際,注記
の追加を提案する。

3.11  電源過電圧

3.11

追加

注記で“正常な範囲”の説明を
追加した。

次回の IEC 規格の見直しの際,注記
の追加を提案する。

3.16A  安全インテグ
リティ

追加

箇条 で使われている“安全イ
ンテグリティ”は日本国内では
な じ み の う す い 用 語 で あ る た
め,追加した。

日本の事情であるため,IEC への追
加の提案は行わない。

40

E 50

06

201

6


41

E 5006:2016

(

I)JIS の規定

(

II)

国際
規格
番号

(

III)国際規格の規定

(

IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

(

V)JIS と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

4  使用時の
環境条件

1  周囲温度の等

T6 欄 1  車体外部

の周囲温度

20~+55

4.1.2

1  周囲温度の等級 T6 欄

1  車体外部の周囲温度 

20~+45

変更

誤記のため,修正した。

次回の IEC 規格の見直しの際,修正
を提案する。

1  周囲温度  欄 2

の キ ュ ー ビ ク ル の
内部温度について,

a)

を追加。

追加

キュービクルの定義を明確にし
た。

次回の IEC 規格の見直しの際,注の
追加を提案する。

4.1.3 振動及び衝撃

4.1.3

追加

注記で“バンプ”の説明を追加
した。

次回の IEC 規格の見直しの際,注記
の追加を提案する。

5  電気的使
用条件

5.1.1.2  電 圧 供 給 の
変動範囲

5.1.1.2

選択

IEC 規格の規定を種別 1 とし,
日本で広く採用されている電圧
の変動範囲を種別

2 とし,いず

れかを選択できるようにした。

日本の実情であるため,IEC への追
加の提案は行わない。

5.1.2  静止形変換装
置 又 は 回 転 機 か ら
の給電

5.1.2

選択

IEC 規格の規定を種別 1 とし,
日本で広く採用されている電圧
の変動範囲を種別

2 とし,いず

れかを選択できるようにした。

日本の実情であるため,IEC への追
加の提案は行わない。

5.1.3  電源切換 
等 級 の 選 択 に つ い
ては,受渡当事者間
で協定する。

5.1.3

蓄電池及び安定電源から
交互に電子機器へ電力が
供給される場合,等級

C1

及び等級

C2 があり,いず

れの場合でも正常に動作
できるものとする。

変更

IEC 規格では,電力切換の等級
は規定しているが,等級の選択
方法に関する規定がない。

日本の実情であるため,IEC への変
更の提案は行わない。

6  信頼性,
保全性及び
寿命

6.2  寿命

6.2

追加

注記で“寿命の意味”を追加し
た。

日本の考え方であるため,IEC への
追加の提案は行わない。

7  設計

7.3.1  一般

7.3.1

追加

日本では,“ディペンダビリテ
ィ”の用語がなじんでいないた
め,注記で“ディペンダビリテ
ィ”の説明を追加した。

用語の説明である。

日本の JIS 利用者への参考情報であ
るため,IEC への追加の提案は行わ
ない。

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201

6


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E 5006:2016

(

I)JIS の規定

(

II)

国際
規格
番号

(

III)国際規格の規定

(

IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

(

V)JIS と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

8  部品

8.1.7  特殊部品

8.1.7

追加

注記で“

ASIC”の原文説明を追

加した。

略語の説明である。

日本の JIS 利用者への参考情報であ
るため,IEC への追加の提案は行わ
ない。

9  構造

9.2.6 SOT 部品

9.2.6

追加

注記で“

SOT”の原文説明を追

加した。

略語の説明である。

日本の JIS 利用者への参考情報であ
るため,IEC への追加の提案は行わ
ない。

9.3.2  はんだ接続

9.3.2

追加

鉛フリーはんだの“ウィスカ対
策”についての説明を追加した。

日本の JIS 利用者への参考情報であ
るため,IEC への追加の提案は行わ
ない。

9.6.2  発注

9.6.2

プ リ ン ト 基 板 は , IEC 

62326 規格群に従って手
配し製造する。

変更

適用する規格は,受渡当事者間
で協定した規格とした。

日 本 の 鉄 道 車 両 分 野 で は , IEC 

62326 規格群を適用していない。 
日本の実情のため,IEC への改正提
案はしない。

9.6.3  プリント基板
のレイアウト

9.6.3

プリント基板のレイアウ
トは,IEC 62326 規格群に
従って行う。

変更

プリント基板のレイアウトは,

JIS C 5014 によって行うとし
た。

日 本 の 鉄 道 車 両 分 野 で は , IEC 

62326 規格群を適用していない。 
日本の実情のため,IEC への改正提
案はしない。

9.6.4  材料

9.6.4

基板材料は,必要に応じ,

IEC 61249-2-7 , IEC 

61249-2-22 及び IEC 62326
規格群による。

変更

削除

基板材料は,必要に応じ,JIS C 

6484 , JIS C 6489 及 び IEC 

61249-2-22 によることとした。

日 本 の 鉄 道 車 両 分 野 で は , IEC 

62326 規格群を適用していない。 
日本の実情のため,IEC への改正提
案はしない。

9.8.1  生基板の識別

9.8.1

追加

注記で“生基板”及び“アート
ワーク”の説明を追加した。

用語の説明である。

日本の JIS 利用者への参考情報であ
るため,IEC への追加の提案は行わ
ない。

9.10  冷却及び換気

9.10

追加

注記

2 で“冷却システムの故障

に対する電子機器の保護方法”
の説明を追加した。

保護方法の事例を説明した。

日本の JIS 利用者への参考情報であ
るため,IEC への追加の提案は行わ
ない。

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06

201

6


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E 5006:2016

(

I)JIS の規定

(

II)

国際
規格
番号

(

III)国際規格の規定

(

IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

(

V)JIS と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

10  安全性

10.3  機 能 上 の 安 全

10.3

削除

鉄道車両用安全関連電子機器の
市場取引において,ソフトウェ
アの安全度水準ゼロが許容され
ることはないため,削除した。

次回の IEC 規格の見直しの際,注記
の削除を提案する。

11  文書化

11.3.1  一般

11.3.1

追加

使用者が要求する文書について
は,受渡当事者間で協定するこ
ととした。

日本の実情であるため,IEC への追
加の提案は行わない。

11.3.2  ハ ー ド ウ ェ
アに関する文書化

11.3.2

追加

注記で“コミッショニングの要
領書”の説明を追加した。

用語の説明である。

日本の JIS 利用者への参考情報であ
るため,IEC への追加の提案は行わ
ない。

11.4.1  文書

11.4.1

選択

日本で広く用いられている図記
号を種別

2 として追加した。

日本の実情であるため,IEC への追
加の提案は行わない。

11.4.5  ブロック図

11.4.5

選択

日本で広く用いられている電気
用図記号を種別

2 として追加し

た。

日本の実情であるため,IEC への追
加の提案は行わない。

12  試験

12.2.4  低温起動(耐
寒性)試験

12.2.4

選択

日本で広く用いられている低温
起動(耐寒性)試験の内容を種

2 として追加した。

日本の実情であるため,IEC への追
加の提案は行わない。

12.2.5  高 温 ( 耐 熱
性)試験

12.2.5

選択

日本で広く用いられている高温
(耐熱性)試験の内容を種別

2

として追加した。

日本の実情であるため,IEC への追
加の提案は行わない。

12.2.8.1  サージ

12.2.8.1

選択

IEC 規格の規定を種別 1 とし,
日本で広く用いられている試験
方法を種別

2 とし,いずれかを

選択できるようにした。

日本の実情であるため,IEC への追
加の提案は行わない。

12.2.8.1A  サ ー ジ 試

追加

日本で広く用いられている試験
方法を追加した。

日本の実情であるため,IEC への追
加の提案は行わない。

12.2.8.1B  ノ イ ズ 試

追加

日本で広く用いられている試験
方法を追加した。

日本の実情であるため,IEC への追
加の提案は行わない。

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E 5006:2016

(

I)JIS の規定

(

II)

国際
規格
番号

(

III)国際規格の規定

(

IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

(

V)JIS と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

12  試験 
(続き)

12.2.10.2  絶 縁 抵 抗
試験

12.2.10.2

追加

電子機器が特別高圧電圧及び/
又は高電圧の電力回路に接続さ
れ て い る 場 合 の 規 定 を 追 加 し
た。

日本の実情であるため,IEC への追
加の提案は行わない。

12.2.10.3  耐 電 圧 試

12.2.10.3

選択

IEC 規格の規定を種別 1 とし,
日本で広く用いられている試験
方法を種別

2 とし,いずれかを

選択できるようにした。

日本の実情であるため,IEC への追
加の提案は行わない。

12.2.12  振動,衝撃
及びバンプ試験

12.2.12

追加

注記で“パンブ”の説明を追加
した。

用語の説明である。

日本の JIS 利用者への参考情報であ
るため,IEC への追加の提案は行わ
ない。

JIS と国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 60571:2012,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

  削除  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

  追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

  変更  国際規格の規定内容を変更している。

  選択  国際規格の規定内容とは異なる規定内容を追加し,それらのいずれかを選択するとしている。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

 MOD

国際規格を修正している。

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