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E 5004-1

:2006

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本鉄道車輌工業会(JARI)/財団法

人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標

準調査会の審議を経て,国土交通大臣が制定した日本工業規格である。

これによって,JIS E 5004:2000 は廃止され,JIS E 5004-1 及び JIS E 5004-2 に置き換えられる。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 60077-1:1999,Railway applications

−Electric equipment for rolling stock−Part 1: General service conditions and general rules を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS E 5004-1

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(規定)沿面距離及び空間距離の測定

附属書 B(参考)定義した用語間の関係

附属書 C(参考)空間距離及び沿面距離の決め方

附属書 1(参考)環境条件の分類

附属書 2(参考)電気絶縁材料の耐トラッキング性の等級

附属書 3(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS E 5004

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS E 5004-1

  第 1 部:一般使用条件及び一般規則

JIS E 5004-2

  第 2 部:開閉機器・制御機器及びヒューズの一般規則


E 5004-1

:2006

(2)

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

2

3.

  定義

3

4.

  試験の省略 

5

5.

  特性値の規定 

5

5.1

  定格電圧 

5

5.2

  装置の定格電圧

6

5.3

  装置の定格電流

7

5.4

  定格動作周波数

7

5.5

  定格空気圧 

7

6.

  製品情報

7

6.1

  情報の性質 

7

6.2

  表記

8

6.3

  保管,ぎ装,運転及び保守 

8

7.

  通常の使用条件 

8

7.1

  概要

8

7.2

  標高

8

7.3

  温度

9

7.4

  湿度

9

7.5

  生物学的条件 

9

7.6

  化学的作用物質

9

7.7

  機械的作用物質

9

7.8

  振動及び衝撃 

9

7.9

  汚損環境に対する暴露 

10

7.10

  過電圧にさらされる条件 

10

8.

  構造上及び性能上の要求 

11

8.1

  構造上の要求 

11

8.2

  性能上の要求 

13

9.

  試験

24

9.1

  試験の種類 

24

9.2

  構造上の要求に対する検証 

27

9.3

  性能上の要求に対する検証 

27

附属書 A(規定)沿面距離及び空間距離の測定

38

附属書 B(参考)定義した用語間の関係

42


E 5004-1

:2006

(3)

附属書 C(参考)空間距離及び沿面距離の決め方

44

附属書 1(参考)環境条件の分類

47

附属書 2(参考)電気絶縁材料の耐トラッキング性の等級 

51

附属書 3(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

56

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


日本工業規格

JIS

 E

5004-1

:2006

鉄道車両−電気品−

第 1 部:一般使用条件及び一般規則

Electric equipment for rolling stock-

Part 1: General service conditions and general rules

序文  この規格は,1999 年に第 1 版として発行された IEC 60077-1,Railway applications−Electric equipment

for rolling stock−Part 1: General service conditions and general rules を翻訳し,技術的内容を変更して作成した

日本工業規格である。また,定格電圧,標高,周囲温度,温度上昇などについて,種別 1 に IEC 60077-1

を,種別 2 に改正前の日本工業規格などを併せて規定し,いずれかを選択できるようにした。今後,この

規格を適用する場合は,国際規格との整合化の主旨から種別 1 を優先的に適用することが望ましい。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。変更の一

覧表をその説明を付けて,

附属書 3(参考)に示す。

1. 

適用範囲  この規格は,車両に組み込まれた電力回路,補助回路,制御回路,表示回路などのすべて

の電気品に対する一般使用条件全般と一般規則について規定する。

備考  使用者と製造業者(以下,受渡当事者という。)間の協定があれば,これらの規則の一部を鉱山

用機関車,無軌条電車などのような,他の車両に搭載する電気品に適用してもよい。

この規格の目的は,車両用電気品に適用できる一般的特性に関するすべての規則と要求事項について,

できるだけ実用的に調和を図ることである。これは関係する電気品の間で,異なる規格による試験要求が

でないように,要求事項と試験を統一させるものである。

次の各項に関係するすべての要求事項は,この規格による。

a) 

通常の使用条件を通して予想される環境ストレス

b)

構造

c) 

一般的に考えられる性能及び試験

例えば,温度上昇,耐電圧特性などのような,広範囲にわたる要求事項と適用に関する特定の規定を含

めこの規格による。

備考  この規格の対応国際規格を次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

IEC 60077-1:1999

,Railway applications−Electric equipment for rolling stock−Part 1: General service

conditions and general rules (MOD)


2

E 5004-1

:2006

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発効年又は発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格

の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年又は発行年を付記してい

ない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 0364-4-41:1997

  建築電気設備  第 4 部:安全保護  第 41 章:感電保護

備考  IEC 60364-4-41:1992    Electrical insulations of buildings – Part 4: Protection for safety – Chapter

41: Protection against electric shock が,この規格と一致している。

JIS C 0920:2003

  電気機械器具の外郭による保護等級(IP  コード)

備考  IEC 60529: 2001    Degrees of protection provided by enclosures(IP Code)が,この規格と一致して

いる。

JIS C 2134:1996

  湿潤条件下の固体絶縁材料の比較トラッキング指数及び保証トラッキング指数を決

定する試験方法

備考  IEC 60112:1979  Method of determining the comparative and the proof tracking indices of solid

insulating materials under moist conditions が,この規格と一致している。

JIS C 4003:1998

  電気絶縁の耐熱クラス及び耐熱性評価

備考  IEC 60085:1984    Thermal evaluation and classification of electrical insulation が,この規格と一致

している。

JIS C 60068-2-1:1995

  環境試験方法−電気・電子−低温(耐寒性)試験方法

備考  IEC 60068-2-1:1990  Environmental testing−Part 2: Tests−Tests A: Cold が,この規格と一致し

ている。

JIS C 60068-2-2:1995

  環境試験方法−電気・電子−高温(耐熱性)試験方法

備考  IEC 60068-2-2:1974  Environmental testing−Part 2: Tests−Tests B: Dry heat が,この規格と一

致している。

JIS C 60068-2-3:1987

  環境試験方法(電気・電子)高温高湿(定常)試験方法

備考  IEC 60068-2-3:1969  Environmental testing−Part 2: Tests−Tests Ca: Damp heat, steady state が,

この規格と一致している。

JIS C 60068-2-52:2000

  環境試験方法−電気・電子−塩水噴霧(サイクル)試験方法(塩化ナトリウ

ム水溶液)

備考  IEC 60068-2-52:1996  Environmental testing−Part 2: Tests−Tests Kb: Salt mist,cyclic (sodium

chloride solution)が,この規格と一致している。

JIS C 60721-3-5:2004

  環境条件の分類−第 3-5 部:環境パラメータとその厳しさのグループ分類−車

載機器の条件

備考 IEC 

60721-3-5:1997

  Classification of environmental conditions – Part 3: Classification of groups

of environmental parameters and their severities – Section 5: Ground vehicle installations が,この規

格と一致している。

備考  抜粋した内容は,この規格の附属書 参照。

JIS E 4001:1999

  鉄道車両用語

備考  IEC 60050(811):1991  International Electrotechnical Vocabulary(IEV) – Chapter 811: Electric

traction からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS E 4014:1989

  鉄道車両の絶縁抵抗及び耐電圧試験方法


3

E 5004-1

:2006

JIS E 4031:1994

  鉄道車両部品−振動試験方法

JIS E 4032:1994

  鉄道車両部品−衝撃試験方法

JIS E 4041:1999

  電車の組立後の試験通則

備考  IEC 61133:1992    Electric traction – Rolling stock – Test methods for electric and thermal/electric

rolling stock on completion of construction and before entry into service からの引用事項は,この規

格の該当事項と同等である。

JIS E 4042:1999

  電気機関車の組立後の試験通則

備考  IEC 61133:1992    Electric traction – Rolling stock – Test methods for electric and thermal/electric

rolling stock on completion of construction and before entry into service からの引用事項は,この規

格の該当事項と同等である。

JIS Z 8703:1983

  試験場所の標準状態

IEC 60050(151):1978

  International Electrotechnical Vocabulary(IEV) – Chapter 151: Electrical and magnetic

devices

IEC 60050(441):1984

  International Electrotechnical Vocabulary(IEV)–Chapter 441: Switchgear, controlgear

and fuses

IEC 60056:1987

  High-voltage alternating-current circuit-breakers

IEC 60071-1:1993

  Insulation co-ordination – Part 1: Definitions,principles and rules

IEC/TR 60536:1976

  Classification of electrical and electronic equipment with regard to protection against

electric shock

IEC 60587:1984

  Test method for evaluating resistance to tracking and erosion of electrical insulating

materials used under severe ambient conditions

備考  抜粋した内容は,この規格の附属書 参照。

IEC 60664-1:1992

  Insulation co-ordination for equipment within low-voltage systems – Part 1: Principles,

requirements and tests

IEC 60850: 2000

  Railway applications−Supply voltages of traction systems

IEC 61373:1999

  Railway applications−Rolling stock equipment−Shock and vibration tests

3. 

定義  (附属書 も参照)この規格では,JIS E 4001IEC 60050IEC 60056 及び IEC/TR 60536 

規定の用語と定義によるほか,次による。

3.1 

全般(general)

3.1.1 

鉄道車両(rolling stock)  主電動機の有無とは関係なく,車両全般を表す一般用語。

3.1.2 

車両(vehicle)  鉄道車両の一つの項目を表す一般用語,例えば,機関車,客車,貨車。

3.2

回路(circuits)

3.2.1 

電力回路(power circuit)  例えば,引張力及びブレーキ力を出す主電動機及びコンバータのような

装置に電流を流す回路。

3.2.2 

主回路(main circuit)  ある機器が使用されて機能するために電流を流す機器の導電部全体。

3.2.3 

補助回路(auxiliary circuit)  例えば,空気圧縮機及び送風機のような補機に電流を流す回路。

3.2.4 

制御回路(control circuit)  電力装置又は補助装置を機能させるために使われる回路。

3.2.5 

表示回路(indicating circuit)  例えば,電気装置内の故障を表示する信号のような,特定の動作条

件の有無を表示又は記録用の信号を伝達する回路。


4

E 5004-1

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3.3

蓄電池(battery)  受け取った電気エネルギーを化学的形態の変化で貯蔵でき,かつ,そのエネルギ

ーを逆に放出できる電気化学システム。

3.4 

試験の分類(test categories)

3.4.1 

形式試験(type test)  ある設計のもとで製造した一個又は複数の機器を試験して,その設計が規

定の仕様を満足していることを示すための試験。

3.4.2 

受渡試験(routine test)  個々の機器を製造過程の段階又は製造後に試験して,一定の合格判定基

準を満たしていることを確かめるための試験。

3.4.3 

抜取試験(sampling test)  ある生産ロットから,任意に抜き取った規定数の機器に対して行う試

験。

3.4.4 

調査試験(investigation test)  追加の情報を得るために実施する任意の特別な試験。

3.5 

露出導電部(exposed conductive part)  通常は課電されていないが,故障条件によっては活電部とな

る可能性のある人が容易に触れられる導電部。

3.6 

特性を表す数値(characteristic quantities)

3.6.1 

限度値(limiting value)  仕様書上で,ある数値に対する最大又は最小の許容値。

3.6.2 

公称値(nominal value)(U

n

)  機器又は装置の電圧を示したり,識別するために使用する適切な

おおよその数値。

備考  この規格においては,“公称”という用語は,電車線電圧回路及び蓄電池電圧回路の電圧を示す

ときだけに使用する。

参考  国土交通省の“鉄道に関する技術上の基準を定める省令(以下、省令という。)”にある標準電

圧に合わせて,この規格では,電車線電圧の公称電圧を標準電圧と呼ぶ。

3.6.3 

定格値(rated value)  通常,製造業者が指定する動作条件に対して,機器又は装置に規定する数

値。

3.6.4 

使用電圧(working voltage)  回路開放条件又は正常な動作条件下で,過渡値は除外して,電車線

電圧をかけたときに,

絶縁部を挟んで発生する可能性のある最高の交流 rms 電圧値又は最高の直流電圧値。

備考  装置内のある部分にかかる使用電圧は,供給電圧とは違うことがある。例えば,

a) 

装置の一部分であると考えられる場合(変圧器やコンバータのあとにある。

b) 

回路の導電部が,車体構体に直接接続されていない場合

c) 

電圧が供給電圧の一部である場合(直列に機器がある。

d) 

二次絶縁又は二重絶縁が考えられる場合

3.6.5 

等価連続責務(equivalent continuous duty)  通常,電流値,電圧値,空気圧値など時間とともに変

化する特性で表され,

車両に搭載される電気装置の責務。

  満たされるべき条件・仕様を網羅してはじめて,

装置の様々な部分が規定される。しかし,場合によっては,考えられる使用条件からの電気的,機械的又

は熱ストレスのいずれかの観点から,相当する等価責務及び実際の使用条件と等価であると知られている

等価責務を規定すれば十分である。関連する試験に引用してあるのは,その等価連続責務である。

3.6.6 

等価連続定格電流(equivalent continuous rated current)  等価連続責務に相当する電流(値)。

3.6.7 

等価連続定格電圧(equivalent continuous rated voltage)  等価連続責務に相当する電圧(値)。

3.6.7A 

耐久力(durability)  修繕又は部品の交換をすることなく,その装置が性能を維持できる期待寿命

(時間又はサイクル数)を表す。

参考  修繕又は部品を交換して使用できる限度を耐用年数という(JIS E 5006 の 1.3.16 参照)。

3.7 

絶縁(insulations)


5

E 5004-1

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3.7.1 

機能絶縁(functional insulation)ある装置本来の機能のためだけに必要な,導電部間の絶縁。

3.7.2 

基礎絶縁(basic insulation)  人間の安全性にかかわる感電に対する基本的防護を施した活電部の

絶縁。

備考  基礎絶縁には,機能絶縁を必ずしも含める必要はない。

3.7.3 

補強絶縁(supplementary insulation)  基礎絶縁が損傷したときの感電防止のために,基礎絶縁のほ

かに設ける独立した絶縁。

3.7.4 

強化絶縁(reinforced insulation)  二重絶縁と同等程度の感電防止策がとれるようにした,活電部

に施す単一絶縁システム。

備考  単一絶縁システムとは,“絶縁に同質の材料を使わなければならない”という意味ではない。複

数の層に構成されていて,基礎絶縁又は補強絶縁として,別個に試験できない場合もある。

3.7.5 

二重絶縁(double insulation)  二段階の絶縁で,第一段部は導電部と中間枠間,第二段部は中間枠

と車体間である。

4.

試験の省略  電気品の特性のうち,製造業者が仕様上の情報を提供できる場合,そのリストを提出し,

試験を省略してもよい。

5. 

特性値の規定(附属書 も参照)  電気品は使用目的を定め,関係する製品別規格に規定する。次の

一つ又は複数のパラメータで特性を示す。

a) 

電流(単数又は複数の規定値)

b) 

電圧(単数又は複数の規定値)

c) 

周波数(単数又は複数の規定値)

d) 

空気圧(単数又は複数の規定値)

備考  これらのパラメータがすべてではなく,適宜,他のパラメータを追加してもよい。

5.1 

定格電圧(rated voltage)

5.1.1 

一般  定格電圧は,一般的に電気品の入力値と出力値の両方に規定する。その数値は通常,製造業

者が規定する。

5.1.2 

定格動作電圧(rated operational voltage)  (U

e

)  電気品の定格動作電圧は,定格動作電流と定格動作

周波数とを組み合わせて電気品の用途を規定し,関連する試験及び特性値を規定する電圧値である。

5.1.3 

定格絶縁電圧(rated insulation voltage)(U

i

)  定格絶縁電圧値は,耐電圧試験の試験電圧及び,沿面

距離を規定する電圧値である。使用電圧又は定格動作電圧の最大値は,いかなる場合でも定格絶縁電圧の

最大値を超えてはならない。定格絶縁電圧は,例えば,電車線に 5 分間以上という,ある規定の時間,電

極間及び沿面距離を介して存在する電圧の最高 rms 値以上とする。ただし,非繰返しの過渡電圧は,除外

する。電圧が純正弦波又は連続波形でない場合,rms 値又は平均値だけで,その機器の定格絶縁電圧を規

定してはならない。耐電圧強度に影響する次のような規定がない場合,この電圧は実際の rms 値と等しく

てよいが,ピーク値の 70  %以上であることが望ましい。

a)

周期的インパルスの流れる時間及びその発生頻度との比率

b)

それぞれ発生する時間内のインパルス数

c)

インパルスの上昇電圧比(dv/dt)

5.1.4 

定格商用周波の耐電圧(rated power-frequency withstand voltage)(U

50

又は U

60

)  定格商用周波の耐

電圧は,試験の規定条件では絶縁破壊を起こさない電圧であり,商用周波の正弦波電圧の rms 値である。


6

E 5004-1

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5.1.5 

定格インパルス耐電圧(rated impulse withstand voltage)(U

imp

)  定格インパルス耐電圧は,試験の規

定条件及び規定の空間距離値で,絶縁破壊を起こさずに耐えることのできる電圧値であり,規定の波形と

極性のインパルス電圧の最高のピーク値である(U 1.2/50 μs)。

電気品の定格インパルス耐電圧は,その電気品が組み込まれている回路に発生する過渡的な過電圧仕様

値と同等以上でなければならない。

5.2 

装置の定格電圧

5.2.1

電車線からの電力供給  電車線から電力供給を受ける場合の装置の定格動作電圧 U

e

は,次の種別

1 又は種別 2 のいずれかによる。

種別 1

装置の定格動作電圧 U

e

は,IEC 60850 に規定されている電車線供給電圧の連続する最高電圧値である。

参考1.  定格動作電圧 U

e

は,

表 0A の最高電圧の欄の種別 1 の欄に,これらの数値を示してある。

2. IEC 

60850(2000)

に規定する継続する最高電圧の値(U

max1

)が,通常,耐電圧試験の試験電圧及

び沿面距離を規定する根拠となる定格絶縁電圧(U

i

)である(5.1.3 及び附属書 参照)。

種別 2

定格動作電圧 U

e

は,

表 0A の最高電圧の欄の種別 2 の欄に示す数値とする。この電車線電圧の標準電圧

を耐電圧試験の試験電圧値算定に用いるときの定格回路電圧(U)とする(9.3.3.3.2 の種別 2 参照)

 0A  電車線標準電圧及び周波数並びにそれらの変動範囲

電車線電圧

V

商用周波数

Hz

最低電圧

最高電圧

定格周波数

変動範囲

種別 1

種別 2

標準電圧

種別 1

種別 2

400 360

直流 600

720

720

500 450

直流 750 900

900

1 000

900

直流 1 500

1 800

1 800

2 000

直流 3 000

3 600

− 400

交流 600

− 595

50 又は 60

49∼51 又は

59∼61

12 000

交流 15 000

17 500

16 2/3

16 1/6∼17

(16 000) 16

000 交流 20 000

(22 000) 22

000

19 000

22 500

交流 25 000

27 500

30 000

38 000

交流 50 000

55 000

50 又は 60

49∼51 又は

59∼61

参考1.  これらの数値は,JIS E 5008 の表 及び表 の種別 2 の数値と一致している。

2.

(  )は IEC 60850(2000)には規定されていないが,次期改正に対して日本が提案中の数値である。

5.2.2 

主変圧器からの電力供給  主変圧器巻線から給電される装置の定格動作電圧 U

e

は,主変圧器の一

次側巻線に定格動作電圧を印加したときに当該巻線端子における rms 電圧である。第二変圧器が上記の主

変圧器と当該装置の間に接続されている場合,その定格動作電圧 U

e

は,上記の定格動作電圧に,第二変圧

器の変圧比を乗じた電圧である。

5.2.3 

独立した発電装置又はコンバータからの電力供給  独立した発電装置又はコンバータから供給さ

れる装置の定格動作電圧 U

e

は,その電源装置が発生する最高限度の電圧である。

5.2.4

浮動充電している蓄電池からの電力供給  蓄電池回路公称電圧 U

n

は,次に示す電圧値から選択す

るものとする。


7

E 5004-1

:2006

                  24 V          48 V          72 V            87 V            96 V            110 V

備考1.  これらの公称電圧値は,装置設計用の標準値としてだけ規定したものであり,これらの数値

を無負荷時の蓄電池電圧と考えてはならない。蓄電池電圧は,蓄電池の種類,セル数及び動

作条件から決まる。

2. 

公称電圧 26.5 V の蓄電池は,公称電圧 24 V 用の装置への電源供給用に使ってもよい。これ

らの公称電圧値と異なる蓄電池を用いる場合には,要求条件については受渡当事者間で協定

して規定するものとする。

参考  追加した U

n

=87 V は,日本国内で広く採用されている定格(動作)電圧(U

e

)100 V に対応する

公称電圧である。

浮動充電されている蓄電池から供給される装置の定格動作電圧 U

e

は,1.15U

n

に等しい。

備考  この定格動作電圧に相当する電圧値は,通常の運転条件における充電装置の最高限度電圧であ

る。

5.2.5 

蓄電池からの電力供給  浮動充電しない蓄電池からだけ電源供給される装置の定格動作電圧 U

e

は,

1.1U

n

に等しい。この電圧は,その種類と動作条件に適していて,合意した定格の電流を装置に供給する蓄

電池の完全充電したときの端子電圧である。

備考  ここでいう蓄電池は,放電に限定して使われるもので,充電中に使われることはない。

5.3 

装置の定格電流

5.3.1 

定格動作電流(I

e

)  電気品の定格動作電流は,定格動作電圧と定格動作周波数を勘案して製造業者

が規定する。

5.3.2 

定格短時間耐電流(I

cw

)  電気品の定格短時間耐電流は,関係する製品別規格に規定された試験条件

のもとで,その電気品が損傷せずに通電できる電流として,製造業者がその電気品に規定した短時間耐電

流値である。

5.4 

定格動作周波数  電気品の定格動作周波数は,定格動作電圧を勘案して製造業者が規定する。

5.5 

定格空気圧  空気機器又は電空機器に供給する空気の定格空気圧は,調圧器の調整範囲の最大限度

値で,かつ,関連する試験に規定する数値である。空気機器及び電空機器の定格空気圧は,受渡当事者間

の協定による。

6. 

製品情報

6.1 

情報の性質  製造業者は電気品の各用品に関係する製品別規格が規定されている場合,各用品ごと

に,次に示す情報を提供する。

a) 

識別

1) 

製造業者名又は商標

2)

電気品の名称又は製造番号

3)

製品の変更状況

4)

適用する製品別規格

b) 

特性  次の項目から,必要な項目内容を規定する。

1)

定格動作電圧(単数又は複数の規定値)

2)

定格絶縁電圧

3)

定格インパルス耐電圧

4) 

定格動作電圧(単数又は複数の規定値)点における定格動作電流(単数又は複数の規定値)


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E 5004-1

:2006

5) 

定格動作周波数(単数又は複数の規定値)

6)

最大入力電流

7)

関係する製品別規格の規定による機械的及び電気的耐量に関する動作回数

8)

関係する製品別規格の規定による過負荷及び/又は故障条件における定格性能

9)

装置をきょう(筐)体に収納した場合の IP コード(JIS C 0920 による。

10) 

装置が受け入れられる汚損度(7.9 による。

11) 

各制御回路の定格電圧,定格周波数及び定格電流(それぞれに単数又は複数の規定値がある。

12)

(空気式制御装置に対して)定格空気圧及び変動範囲

13) 

最大寸法

14)

きょう体の最小寸法及び必要な場合には,定格点における冷却換気に関するデータ

15) 

当該装置とそのきょう体間の最小距離

16) 

きょう体なしで使用する電気品の場合には,当該電気品と車両構体に接続されている金属部間の最

小距離

17)

質量

上記の仕様特性値の中には,

当該電気品が温度換算した周囲の空気温度値で補正されている場合がある。

6.2 

表記  6.1 に規定する項目のうちで,当該電気品に表記すべき事項は,すべて関係する製品別規格に

規定する。少なくとも次の項目を当該電気品に表記する。

a) 

製造業者名又は商標

b) 

電気品の名称,形式

c) 

製造番号,製造年月又は製造コード

これらは,製造業者から完全な履歴データが得られるように,銘板がある場合には,その銘板上に表記

するのが望ましい。これらの表記は明りょう,かつ,消えないようにする。

6.3 

保管,ぎ装,運転及び保守  製造業者は,提供する資料,カタログなど何らかの形で,運用中及び

故障発生後の当該電気品の保管,ぎ装,運転及び保守に関する取扱説明書を提出する。

当該装置の保管,輸送,ぎ装及び運転に関する説明書には,必要なら,当該電気品の適切,かつ,正確

な取付ぎ装,コミッショニング(参考の項参照)及び運転に関する特に重要な処置法を示すようにする。

これらの資料には,製造業者が推奨する保守の程度と点検周期が必要な場合には,記載する。

備考  この規格が適用されるすべての電気品は,必ずしも,保守を前提に設計されているわけではな

い。

参考  コミッショニングは,装置を適正に使用開始できるようにするための始動要領書などの意味で

ある。

6.3A

取付け  車両への取付場所及び取付方法に関しては,車両が通常の運転中に受けるようなじんあい,

雨及び雪(特に粉雪)に対して,機器が正常に動作できるように防護しなければならない。

7. 

通常の使用条件

7.1 

概要  特別の規定がない場合,通常の使用条件は,JIS C 60721-3-5 に記載されている環境条件から

選択する。

参考  JIS C 60721-3-5 の抜粋した内容は,附属書 参照。

通常の使用条件とは,環境,運転及びぎ装条件の組合せである。

7.2 

標高  装置が正常に機能する標高は,次の種別 1 又は種別 2 のいずれかによる。


9

E 5004-1

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種別 1  標高は,1 400 m を超えないものとする。

種別 2  標高は,1 200 m を超えないものとする。

備考  これ以上の標高で使用するぎ装品に対しては,耐電圧強度及び空気の冷却効果の低下を考慮す

る必要がある。そのような用途の装置は,受渡当事者間で協定して,設計又は使用するのが望

ましい。

7.3 

温度

7.3A

  周囲の空気温度(T

a

)

  周囲温度の規定は,次の種別 1 又は種別 2 のいずれかによる。ただし,周囲

温度がこれらの規定の範囲外にある場合には,受渡当事者間の協定による。

種別 1  環境上の周囲温度は,

JIS C 60721-3-5

の等級 5K2 から引用した規定であり,

その範囲は,

−25  ℃

から+40  ℃である。

参考  等級 5K2 の内容については,附属書 の附属書 表 参照。

種別 2  外気温度の範囲は−10  ℃から+40  ℃とする。

きょう体,発熱源又は日射の影響のため,周囲の空気温度より高い温度の空気中に当該電気品が設置さ

れている場合には,必要に応じ高い温度に対する定格を定める。

7.3B

  基準温度(T

r

)

絶縁材料の経年劣化に影響する継続する一定温度が,全寿命期間中の気候上の温度と等価であるとされ

ている基準温度 T

r

は,次の種別 1 又は種別 2 のいずれかによる。

種別 1  基準温度 T

r

= 25  ℃とする。

種別 2  基準温度 T

r

= 20  ℃とする。

備考  保管時の温度は,特別に記載されていない限り,通常の使用条件とは考えない。

7.4 

湿度  湿度条件は,次の種別 1 又は種別 2 のいずれかによる。

種別 1  JIS C 60721-3-5,等級 5K2 に規定されている次の湿度条件を適用する。

a) 

相対湿度は,温度変化がなければ 40  ℃で 95  %とする。

b) 

−25  ℃から+30  ℃までの範囲で,急激な温度変化がある場合の相対湿度は,95  %とする。ただし,

最高の絶対湿度は 30 g/m

3

とする。

参考  等級 5K2 の内容については,附属書 の附属書 表 参照。

種別 2  特に指定がない限り,湿度の範囲は,40∼90  %とし,標準湿度は 65  %とする。

7.5 

生物学的条件  生物学的に不調となる危険度は,JIS C 60721-3-5,等級 5B2 を適用する。

参考  等級 5B2 の内容については,附属書 の附属書 表 参照。

7.6 

化学的作用物質  化学的作用物質は,JIS C 60721-3-5,等級 5C2 を適用する。

参考  等級 5C2 の内容については,附属書 の附属書 表 参照。

7.7 

機械的作用物質  機械的作用物質は,JIS C 60721-3-5,等級 5S2 を適用する。

参考  等級 5S2 の内容については,附属書 の附属書 表 参照。

7.8 

振動及び衝撃  電気品が動作中に受ける振動及び衝撃に関する特別の規定がない場合には,次の種

別 1 又は種別 2 のいずれかによる。

種別 1  電気品は,IEC 61373 に規定されているように,使用中に受ける可能性のある振動及び衝撃の

範囲全体にわたる周波数と加速度レベルに耐えなければならない。

種別 2  振動試験は JIS E 4031,衝撃試験は JIS E 4032 による。


10

E 5004-1

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7.9 

汚損環境に対する暴露  電気品は,その設置場所によって,さまざまな汚損度の環境にさらされる。

電気品及び構成機器は,配置場所や方向によって,ほこり,ごみ,水などが付着して,空間距離や沿面距

離の効果が減少するので,特に空間距離及び沿面距離に関しては汚損条件を考慮して設計する。

空間距離又は沿面距離が小さい場合には,小さな固体物質,ほこり,ごみ及び水で,電気的に完全につ

ながり,絶縁不良となることがあるので,最小空間距離及び最小沿面距離を確保することが必要である。

空間距離や沿面距離に対する汚損の影響を少なくするために,収納箱,カプセル化又は密封シールの効果

的な採用を適切に考慮することが望ましい。

耐電圧性能に対する汚損の影響を汚損度として,次のように 4 段階に分類する。

a) 

汚損度 PD1

汚損なし又は乾燥状態だけの場合で,導電性の汚損は起きないので,汚損の影響はない。

備考  JIS C 0920 に基づく IP コードが,IP65 のような適切な密封処置をしない限り,車両用にこの汚

損度を採用することは推奨しない。

参考 IP65 は,耐じん(じんあいの侵入がない)構造で,あらゆる方向からのジェット噴流水によっ

ても有害な影響を及ぼさないレベル。

b)

汚損度 PD2

通常,非導電性の汚損が起きるだけである。しかし,装置が使用されていないときに,結露して一

時的な導電性を生じることが,ときたま起きることがある。

例  きょう(筐)体内に配置して,確実に効果的な汚損対策をとるためには,JIS C 0920 による IP コ

ードで IP54 以上が必要である。

参考 IP54 は,じんあいの侵入を完全には防止できないが,器具の動作及び安全性を阻害する量の侵

入のない防じん構造で,機器のあらゆる方向からの水の飛まつによっても有害な影響を及ぼさ

ないレベル。

c)

汚損度 PD3

導電性のある汚損又は乾燥した非導電性汚損であるが,結露すると導電性となる可能性がある。

例  降雨,降雪,厳しいほこり,ごみなどに直接,暴露されることのない機器室内又は収納箱内に配

置される場合。

d)

汚損度 PD4

汚損によって導電性が継続して生じる。

例  車両の外側,屋根,床下など。

備考  汚損の厚み/大きさが重要な問題となる場合,最小空間距離及び最小沿面距離を適切な等級ま

で増やすことが望ましい。

7.10 

過電圧にさらされる条件  電気品は,外部電源である電車線ネットワークからの過電圧又は電気品

自体が発生する過電圧,例えば,開閉サージ,雷サージなどにさらされる。しかし,その程度は対象とな

る電気品の部位によって異なる。電気品を設計する場合,こうした過電圧条件を考慮して空間距離を決め

る必要がある。

過電圧の影響は,次のように 4 段階に分類する。

a) 

過電圧分類 OV1

装置の外部及び内部に過電圧保護のある回路で,回路内では次のような理由で,限られた過電圧だ

けしか起こらない場合。

1)

電車線に直接接続されていない。


11

E 5004-1

:2006

2)

内部だけで動作している。

3)

装置又は機器の中にある。

b)

過電圧分類 OV2

電車線に直接接続されていない回路で,過電圧保護のある回路。

c)

過電圧分類 OV3

電車線に直接接続されているが,過電圧保護がある回路であり,外部の過電圧にはさらされること

のない回路。

d)

過電圧分類 OV4

電車線に直接接続されていて,接続点に近い位置には過電圧保護装置のない回路であり,雷又は開

閉過電圧にさらされる可能性のある回路。

備考  過電圧分類については,次のように区別を説明できる。

1.

車両は通常,ある電圧保護レベルの過電圧保護装置を装備しており,その電圧保護レベルは

その装置特性から決まる。したがって,開閉機器又は遮断器によって隔離できる回路で,そ

の過電圧保護装置の上流部に位置して集電装置にいたるまでの部分だけが,過電圧分類 OV4

の条件であると考えられる。

2.

避雷器以外に過電圧を低減できる保護装置のない電力回路は,過電圧分類 OV3 の条件を満

足していると考えられる。

3.

フィルタによる追加の保護がある場合又は機器(例えば,半導体)によって本質的に保護さ

れている電力回路で,過電圧サージレベルが既知でない場合は,過電圧分類 OV2 の条件で

あると考えられる。

4.

当該回路が電気的に絶縁されているか,何段かの連続したフィルタがあるか又は同様な役割

をもつ機器があって,大電力回路から当該回路が隔離されている場合には,過電圧分類 OV1

の条件である。

8. 

構造上及び性能上の要求

8.1 

構造上の要求

8.1.1 

電気的な危険性  人が触れる可能性のある導電部は,等電位接続を確実に行う。つまり,乗客又は

関係者が次のような部位に触れた場合,電気品が感電又は火災を引き起こす危険性のない構成であるよう

に注意を払う。

a)

装置又は電気導体の活電部

b)

故障などのときに活電部となる金属体

故障時以外には電位がかかることはないが,人が触れる可能性のある露出導電部は,金属又は他の導電

材料であっても,車体又は車体を構成する箇所に,直接又は防護ボンディング導体を経由してボンディン

グ処置を行う。特に腐食又は疲労劣化が原因で,時間が経過するとボンディング抵抗値が増加することの

ないように,十分に注意しなければならない。

公称電圧が直流 60 V 又は交流 25 V 以上又は当該適用国の法律で規定されている装置に対する限度値よ

り高い電圧の場合,JIS C 0364-4-41 による適切な感電保護対策によって,直接又は間接であっても装置の

活電部には人が触れられないようにしなければならない。

コンデンサに危険な残留電位がある場所に触れる可能性がある場合には,そのコンデンサが接続されて

いる回路に触れる前に,コンデンサを放電できる放電システムを設けなければならない。


12

E 5004-1

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いかなる故障が発生した場合にも,ヒューズ又は遮断器いずれかの保護の選定及び接地回路の電気抵抗

を選定して,同時に触れる可能性のある 2 か所の金属部位間に直流 120 V 又は交流 50 V 以上の電圧が生じ

ないようにしなければならない。

8.1.2 

帰線電流回路及び防護ボンディング

8.1.2.1 

一般  回路の全電流は,損傷又は感電の危険がなく,電源側へ確実に戻るように回路を設計する。

回路には,帰線電流回路及び防護ボンディングの両方に対して,2 回路以上の隔離された経路があり,一

方の経路が故障でも,損傷又は感電の危険性がないように構成する。防護ボンディングと帰線電流の回路

は,合体してもよい。いずれの経路も目視点検できる場所に設ける。

レールなどの地上設備への接続は,走行用レール又は特別の帰線用レールに対して,2 軸以上の輪軸に

設けた列車当たり 2 組以上の接地ブラシ又は 2 組以上の帰線用集電装置を設ける。

損傷又は感電防止のために,帰線電流経路の故障は,例えば,マニュアル又はモニタ装置のような適切

な手段で検知できるようにする。

そうした通電経路は,

当該経路を流れる全電流を通電できる寸法とする。

また,電流は,すべて走行レールへ流れるものとする。

8.1.2.2 

電力回路の帰線電流  電力回路の帰線電流回路は,次のいずれかの方法による。

a)

車体から及び露出した導電部から絶縁されている接地端子板に,全回路を個別に接続し,その端子板

から帰線用集電器(接地ブラシ/帰線用集電装置)へ接続する。

b)

又は全電力回路を車体に接続し,その車体から帰線用集電器(接地ブラシ/帰線用集電装置)に接続

する。電力回路の帰線電流回路は,車両内に故障が発生したときに,短絡保護回路システムの性能に

悪影響を与えてはならない。

8.1.2.3 

車両の接地  車両の車体及び接地を必要とする台車枠には,帰線用の接地端子板,帰線用集電装

置又は(例えば,軸受損傷の危険性がないことが実証されている小電流の場合で)妥当なら,車軸軸受の

いずれかに直接接続する。次のような場合,保護回路は,車体構体を抵抗器又はリアクトルを介して,帰

線用電流集電器に接続することが必要な場合がある。

a)

帰線用の電流経路より高インピーダンスの回路が必要な場合。

b)

車軸軸受を流れる電流を制限する場合。

これは接地ブラシを装備していない車軸軸受の場合,特に配慮を必要とする。

8.1.2.4 

防護ボンディングの定格  防護ボンディングは適切な強度と通電容量をもつ寸法とし,露出導電

部は故障条件においても,感電事故を起こさないようにする。防護ボンディング用コネクタは,あらゆる

条件において,確実にそのボンディング効果を維持できるものとする。

8.1.3 

蓄電池  蓄電池の充放電のときに,水の電気分解によって生じる水素ガス濃度を確実に 4  %以下

にするため,蓄電池室は換気を必要とする場合がある。換気の障害を最小にすることは,重要であり,換

気空気の出口は大気へ開くようにする。空気の入口と出口の開口部は,できるだけ最良の場所に,つまり

換気の入口及び出口は,それぞれ蓄電池収納箱の反対側の壁に設けるように配置する。また,蓄電池から

出力側ヒューズまでのケーブルは,最短となるようにする。

8.1.4 

電磁界  装置類が発生する電磁界は,仕様書に規定値がある場合には,確実にその規定値の限度内

にあるように,設計及び装置の配置について配慮するのが望ましい。

8.1.5 

火災に対する防護  発火の危険性のある回路及び装置は,効果的に防護する。使用する非金属材料

は,省令第 83 条の規定による耐燃焼性に優れているものを選択する。

火災延焼防止のために,取付ぎ装に関して,防火仕切り壁,消火器などの特別な事項を規定してもよい。


13

E 5004-1

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8.1.6 

その他の危険性  通常の運転中に,表 に規定された限度を超える温度上昇が予想され,かつ,人

が触れる可能性のある部分は,障害物となる仕切り壁で防護する。その仕切り壁の温度は,規定の最高温

度を超えてはならない。連続運転している送風機,回転機などの部分又は予期しない動作で,人が触れる

と危険となる可能性がある部分へのアクセスは,JIS C 0920 による IP コードで IP20 以上の適切な仕切り

壁を設ける。

参考 IP20 は,危険箇所に指が入らないように防護されているレベルで,直径 12 mm,長さ 80 mm の

関節付き試験指が危険箇所まで届かないレベル。

8.2 

性能上の要求

8.2.1 

運転条件

8.2.1.1 

一般  運転に影響を与える供給電圧,空気圧,空気温度などのすべての限度値が,同時に起きる

可能性がある。つまり,すべての電気品が,こうした最悪条件の組合せの条件下でも,満足して動作する

ようにする。次に述べる要求は,周囲の空気温度が,8.2.2.2 の規定範囲で適用する。

8.2.1.2 

電車線  電車線から電力を直接供給される電気品は,5.2.1 による種別 1 又は種別 2 による電車線

供給電圧の変動範囲内のどの値に対しても,満足に運転できるものとする。

8.2.1.3 

主変圧器が電力を供給するシステム  主変圧器から電力供給を受ける電気品は,電車線電圧の変

動範囲内にある電圧に,変圧器の変圧比(変圧比が複数の場合もある。

)を乗じた,いかなる電圧値でも満

足に動作できるものとする。

8.2.1.4 

独立して運転される直流発電機,交流発電機又はコンバータ  独立して運転される直流発電機,

交流発電機又はコンバータのいずれかから,電力供給を受ける電気品は,0.85U

e

から 1.1U

e

までの電圧範

囲で満足な運転ができるものとする。

コンバータから電力供給を受ける電気品は,当該コンバータが出力できる最小値から最大値までの電圧

と周波数の関係する範囲内で,満足に運転できるものとする。

電圧変動が 0.7U

e

から 1.25U

e

の間にあり,かつ,その持続時間が 1 秒を超えない場合の電圧変動におい

ては,電気品は,その機能を逸脱してはならない。

電圧変動が,0.6U

e

から 1.4U

e

までの間にあり,かつ,その持続時間が 0.1 秒を超えない場合の電圧変動

においては,電気品は損傷を受けてはならない。ただし,この電圧変動では,電気品は機能を完全に発揮

できなくてもよい。

8.2.1.5 

浮動充電されている蓄電池  通常は浮動充電されているが,最悪の場合,充電装置を切り離して

使われる蓄電池から電力供給を受ける電気品は,最低電圧から最高電圧までの範囲で満足に運転できるも

のとする。電気品の公称電圧 U

n

は 5.2.4 に規定されている。

a)

電気品の最低電圧は,種別 1 又は種別 2 のいずれかによる。

種別 1   電気品の最低電圧      0.7U

n

種別 2   電気品の最低電圧      0.8U

n

b)

電気品の最高電圧は,次による。

電気品の最高電圧     1.25U

n

例えば,補助電気品の起動時又は蓄電池充電器の電圧変動が,0.6  U

n

から 1.4  U

n

の間にあり,かつ,そ

の持続時間が 0.1 秒を超えない電圧変動においては,機能の逸脱があってはならない。

電圧変動が,1.25U

n

から 1.4  U

n

の間にあり,かつ,その持続時間が 1 秒を超えない電圧変動において,

電気品は損傷してはならない。ただし,こうした電圧変動では,当該電気品は完全に機能を発揮できなく

てもよい。


14

E 5004-1

:2006

ディーゼルエンジンなどの熱機関の場合,8.2.1.9 を参照する。

8.2.1.6 

蓄電池  充電中に使用されることはなく,充電済みの蓄電池だけから電力供給を受ける電気品は,

0.7 U

n

から 1.1 U

n

の電圧範囲で満足に運転できるものとする。

8.2.1.7 

駆動用蓄電池  駆動用電力供給電圧が,特別な仕組みで電圧変化を修正できる蓄電池による場合

(つまり充電時と放電時で,異なるセル数のグループとなる場合)

,受渡当事者間で協定すれば 8.2.1.5 

規定した限度値を緩めることが認められる。

8.2.1.8 

リプル率  蓄電池の充電は,パルス電圧でも受け入れる。ただし,特別の規定がない限り,その

直流リプル率は,次の計算式による計算で 5  %以内とする。

直流リプル率  =

100

min

max

min

max

×

+

U

U

U

U

ここに,

U

max

リプル電圧の最高値(V)

U

min

リプル電圧の最低値(V)

8.2.1.9 

蓄電池電圧の低下  蓄電池が,順次放電して完全放電に到ることによって又は電力供給の遮断に

よって生じる電圧の低下と正常な範囲へ戻るという電圧変動が原因で,装置が損傷しないように注意する。

特に,エンジン起動のときには,エンジン起動シーケンス全般にわたって,装置に誤動作があってはなら

ない。

8.2.1.10 

空気圧  空気機器及び電空機器は,製造業者が規定する次の限度値内を変化する空気圧で満足に

動作するものとする。

a)

供給電圧が短時間中断して,空気圧縮機が停止したときにも,車両を起動させることができ,かつ,

運転機能の継続を保証できる空気圧の最低限度値。

b)  5.5

に規定する定格空気圧の最大限度値。

通常,空気圧の最大値と最小値との比率は 1.8 を超えてはならない。しかし,圧力調整装置が故障

した場合,装置へは安全弁動作圧力の最高空気圧が供給される場合がある。

8.2.2 

温度上昇限度

8.2.2.1 

一般  ある装置の一部分を動作させることによる温度上昇及び 9.3.2 に規定された条件で,等価

連続定格電流を流して行う試験中に測定する温度上昇は,種別 1 又は種別 2 のいずれかによる。

種別 1

表 の種別 1,表 の種別 1 及び表 による。

種別 2

表 の種別 2,表 の種別 2 及び表 による。

ただし,いずれの場合にも,

表 1,表 及び表 に規定した温度の限度を超えてはならない。

備考1.  表 1,表 及び表 に規定した温度上昇限度は,新品で汚れていない電気品を試験する場合

に適用する。製品別規格には, 別の試験条件に対する別の数値が記載されている場合がある。

2.

通常の使用条件における温度上昇は,取付ぎ装条件と接続する導体寸法によって,試験値と

は違う場合がある。

3.

電流値が時間によって異なる断続使用の実際の使用条件における追加温度上昇試験は,様々

な過負荷条件でも装置に損傷を与えないことを確認するために,受渡当事者間で協定して実

施してもよい。こうした試験に対しては,温度上昇限度は,

表 1,表 及び表 に規定の数

値と違う場合があり,かつ,使用した材料の応力限度に左右される場合がある。

4.

過渡的な熱ストレスを検討するために,次のような追加要求を必要とする場合がある。


15

E 5004-1

:2006

a) 

装置の起動・停止のときの,短時間の冷却能力不足。

b)

効率が低下した冷却システム,例えば,フィルタの目詰まり。

こうした特定の要求は,使用条件として使用者が適切に規定することが望ましい(8.2.3 参照)

8.2.2.2 

周囲の空気温度  温度上昇限度は,7.3A 及び 7.3B の規定による種別 1 又は種別 2 の周囲温度及

び基準温度とする。

周囲の空気とは,機器類を取り囲む空気と考えるべきで,機器の取り付けてある場所によって変わる。

外部に配置する場合,周囲の空気温度(T

a

)は,基準温度 T

r

に等しい。

内部に配置する場合,周囲の空気温度(T

a

)は,基準温度に正常な冷却条件を考慮したときの局部的な

発熱のために起きる空気の温度上昇を加えた温度である。

車体内部の各部分,例えば,機関室,キュービクル,収納箱など,場所によって空気の温度上昇が異な

る場合がある。その温度が関連する規格に規定していない場合又は未知の場合,動作中の温度上昇は 30 K

を超えないものとみなす。したがって,例えば,外部の周囲温度は T

a

=25  ℃の場合,対象となる内部の

空気の周囲温度は,T

a

 = 55  ℃(25  ℃+30 K)  であり,予想される最高温度は,70  ℃(40  ℃+30 K)である。

備考  こうした内部に配置して使用される機器が,例えば,T

a

 = 25  ℃で設計されている場合,その定

格性能を下げる必要がある。

8.2.2.3 

主回路  装置の主回路に定格動作電流を通電して,9.3.2 の規定によって試験したときに,表 1

表 及び表 に規定した温度上昇限度を超える温度上昇をしてはならない。

8.2.2.4 

制御回路  ある装置の制御回路は,その装置の起動/停止制御に使う制御回路の機器を含めて,

定格動作電圧における責務を果たすものとする。装置は,9.3.2 の規定によって試験したときに,

表 1,表

2

及び

表 に規定した温度上昇限度を超えずに満足できるものとする。

8.2.2.5 

補助回路  装置の補助回路は,補助スイッチ類を含めて,9.3.2 の規定によって試験したときに,

表 1,表 及び表 に規定した温度上昇限度を超えずに,定格動作電流を通電できるものとする。

備考  ある補助回路が装置の一部を構成している場合は,実際の動作電流を通電した主要装置試験と

同時に試験すれば十分である。

8.2.2.6 

絶縁材料  試験で得られる温度上昇は,通電部分又は電気品の近くにある部品に損傷を与えては

ならない。特に,絶縁材料の温度は,JIS C 4003 に規定の絶縁材の温度指数で与えられた数値を超えては

ならない。許容最高温度上昇は,絶縁材の温度指数から,8.2.2.2 に規定された周囲の空気温度を差し引い

た温度と同じである。限度値は,

表 に規定してあり,次の場合に対応して,各絶縁材の温度指数に対す

る例を示している。

a)

周囲温度 T

a

は,7.3B による基準温度 T

r

に等しい場合。

b) 30

K の内部温度上昇をもつ収納箱又はキュービクル内部の周囲の空気温度の場合。

参考  周囲温度に温度上昇値を加えた数値は,絶縁温度指数を超えないように注意する。

備考  表 1,表 及び表 は,液体絶縁物に浸した装置を構成する部品の温度上昇に対しては,適用

しない。液体の絶縁材を採用した箇所の最高使用温度は,個別の規格で規定するものとする。

8.2.2.7 

端子などの導電部  端子部の温度上昇は,製造業者が規定した接続材料(バー又はコア,絶縁及

びセクションの種類)によるが,

表 に規定する数値を超えてはならない。また,たわみ導体及び普通導

電部の温度上昇限度は,T

a

 = 90  ℃のとき,温度計による測定法で 90 K を超えてはならない。


16

E 5004-1

:2006

  1  絶縁材料の温度上昇限度

周囲の最高空気温度に対する温度上昇限度

K

40  ℃ 70

種別 1

種別 2

種別 1

種別 2

耐熱クラス

絶縁温度指数

T

a

=25  ℃のとき

T

a

=20  ℃のとき

T

a

=55  ℃のとき

T

a

=50  ℃のとき

Y 90 65 70

A 105  80  85 50  55

E 120  95  100 65  70 
B 130  105 110 75  80 
F 155  130 135 100  105

H 180  155 160 125  130

200 200  175  180 145  150 
220 220  195  200 165  170 
250 250  225  230 195  200

備考1.  耐熱クラスは,通常,年間を通した妥当な平均温度の最高値を表す。これは温度指数値であり,そ

の数値は,通常 20 000 時間(JIS C 4003 参照)とする規定の時間に対する熱的耐久指数から推論で
きる℃で表された温度値に等しい。

2. 

温度上昇限度は,大気中に置く場合(40  ℃)及び装置内部に置く場合(70  ℃)は,内部の局部的

発熱による温度上昇を 30℃としたときの例である(8.2.2.2 参照)

3. 

上表の温度上昇限度は,抵抗法で測定した場合であり,温度計法で測定した場合は,上表の数値か
ら 20  ℃を差し引いたものとする。 

8.2.2.8 

人が触れる可能性のある部分  通常の装置において,人が触れる可能性のある部分の温度上昇は,

表 に規定する数値を超えてはならない。

8.2.2.9 

その他の部分  電圧が印加されているその他の部分の温度上昇は,隣接する部分が安全で,損傷

を与えないように制限される。

8.2.3 

運用休止から運用投入する場合  車両が運用休止状態から通常の動作状態に投入するには,若干の

時間を要する。この準備時間中に電気品は,一応動くが,一部の性能面では,必ずしも完全な状態ではな

い場合がある。そのような場合には,必要なら受渡当事者間で協定するか,特別に規定しておく。

例えば,装置を構成する部品類の温度は,通常運転時の許容最高又は最低温度と比較して,短時間なら

高低様々な場合がある。そのような場合があっても,電気品自体を損傷してはならず,更に,隣接する部

分に危険な状態を生じてはならない。保管条件は過渡動作とはみなされないので,通常の保管条件の範囲

外である場合には,受渡当事者間で協定しておく。


17

E 5004-1

:2006

  2  端子の温度上昇限度

単位  K

周囲の最高空気に対する温度上昇限度

40  ℃ 70

種別 1

種別 2

種別 1

種別 2

端子の材質

T

a

=25  ℃のとき

T

a

=20  ℃のとき

T

a

=55  ℃のとき

T

a

=50  ℃のとき

最高温度

裸銅 60

65 30 35

裸真ちゅう 65

70 35 40

すずめっき処理の銅又
は真ちゅう

105

銀又はニッケルめっき
処理の銅又は真ちゅう

70

(備考 2.参照)

75

(備考 2.参照)

40

(備考 2.参照)

45

(備考 2.参照)

その他の材料 70

(備考 3.参照)

75

(備考 3.参照)

40

(備考 3.参照)

45

(備考 3.参照)

備考1.  温度上昇限度は,大気中に配置する場合及び装置内部に配置して,内部の局部的発熱による空気の温度上

昇を 30  ℃としたときの場合である(8.2.2.2 及びその

備考参照)。これらの限度値は,新しいサンプルに

適用する(8.2.2.1 

備考 1.参照)。

2. 

端子の温度上昇限度は,ケーブル接続した状態を基本としており,当該ケーブルの絶縁温度指数は,90  ℃

としている。ケーブルの絶縁温度指数が,この数値と違うときには,別の数値が必要な場合がある。

3. 

温度上昇は,使用実績又は寿命試験を基本としているが,上表の数値を超えないものとする(

備考 2.も参

照)

 

  3  人が触れる可能性のある部分の温度上昇限度

周囲の最高空気温度に対する

温度上昇限度

K

人が触れる危険性のある部分

40  ℃ 70

最高温度 T

a

手動操作する部分

a)  金属部 15

適用しない 55

b)  非金属部 25

適用しない 65

人が触れるように作られているが,手で持つことはない部

a)  金属部 30

推奨しない 70

b)  非金属部 40

10

80

通常の運転では人が触れる必要はない部分

a)  金属部 40

10

80

b)  非金属部 50

20

90

通常の運転では人が触れないようにしてある部分 

備考参照)

ケーブル入口に近い部分の収納箱外側

a)  金属部

40 10 80

b)  非金属部

50 20 90

電気品の収納箱の外側に取り付けた機器。例えば,抵抗器

200

備考参照)

電気品収納箱の換気孔から出てくる,例えば,抵抗器から
の熱した空気

200

備考参照)

備考  電気品は,可燃材料に触れたり又は人が誤って触れることのないように防護する。受渡当事者間の協定

がある場合は,200 K の温度上昇限度を超えてもよい。危険防止のための防護物やその取付場所は,それ
を取り付けた製造業者の責任である。製造業者は,6.3 に従って適切な注意銘板を付ける。


18

E 5004-1

:2006

8.2.4 

電磁両立性(EMC)

8.2.4.1 

一般  EMC 要求は,車両レベルで規定し,電気品に対しては,その車両レベルから推測した特

定の仕様書で規定する。

8.2.4.2 

内部障害  例えば,コイルのある誘導回路を消磁したとき又は防護ボンディングが車両構体に対

して効果的でないときに,内部障害が起きる可能性がある。

例えば,近くの電気回路に影響を与えるコイル又はケーブルからの誘導放射によって,内部放射障害が

起きることがある。電気的又は磁気的結合の仕方は,容量結合又は誘導結合のいずれかである。

内部障害によるノイズエミッションに対して,十分なイミュニティをもつようにする。

参考  “エミッション”は,“ある発生源から電磁エネルギーが放出する現象”,また,“イミュニティ”

とは,

“電磁妨害が存在する環境で,機器,装置又はシステムが性能を低下せずに動作すること

ができる能力”の意味である。

8.2.4.3 

外部障害  導電による外部障害は,例えば,車両内の電力回路から出る高調波電流が,軌道信号

回路で使用している周波数の信号電流に障害を起こす可能性がある。

放射による外部障害は,例えば,車両に搭載されたリアクトルからの誘導放射が,沿線の通信ケーブル

又は軌道上の信号制御コイルに,直接障害を起こす可能性がある。

電気品から発生する導電及び放射障害は,特定の仕様書に規定されるレベル以下とする。

8.2.5 

可聴騒音の発生  電気品が発生する最大可聴騒音レベルは,使用者が要求する車両全体のレベル及

び客室の内外部など取付場所に対して満足できるように,車両設計者が規定する。

このための要求があれば,機器の製造業者は,規定された条件で電気品が発生する騒音レベルを提示する。

8.2.6 

絶縁特性(附属書 も参照)  空間距離及び沿面距離にかかわる絶縁特性は,次の種別 1 又は種

別 2 のいずれかによる。

種別 1  8.2.6.18.2.6.3 による。

種別 2  8.2.6.3A による。

8.2.6.1 

一般(種別 1)  空間距離及び沿面距離の数値は,次に示す電気品に適用する。

a)

直流用電気品で,正負両極の導電部が,絶縁されているシステムにおいて,活電部と車両構体間,正

極と負極間及び両極と車両構体間に,定格絶縁電圧を超えない電圧で動作しているもの。

b)

交流用電気品で,交流電源の相間並びに絶縁した各相及び車両構体間に,定格絶縁電圧を超えない電

圧で動作しているもの。

空間距離は,IEC 60071-1 及び IEC 60664-1 による回路の過電圧分類に対する定格インパルス耐電圧値で

決められるが,通常の条件における汚損環境での暴露条件も考慮する。

製造業者は,電気品に対して,インパルス耐電圧値を規定する(8.2.7 参照)

電車線の標準電圧に対する定格絶縁電圧と,4 段階に区分した過電圧分類に対応する定格インパルス耐

電圧との関係を

表 に示す。

過電圧分類は,定格インパルス耐電圧を決めるために使用する。

他の条件が加わると,更に高いインパルス耐電圧が必要となる場合がある。

表 で得た定格インパルス耐電圧値を用いて,表 に示す最小空間距離と同等又はそれ以上が確保され

ている場合には,インパルス耐電圧試験による検証なしで使用することができる。

しかし,汚損環境によって空間距離及び沿面距離が実質的に減少することが,予想される場合には,寸

法を増やすものとする。このことは,車両の外側,例えば,屋根上電気品で汚損物付着の厚み/サイズが

問題となる場合には,空間距離や沿面距離を増やすことが特に必要となる。


19

E 5004-1

:2006

8.2.6.2 

空間距離(種別 1)

8.2.6.2.1 

一般  空間距離は,予想される過電圧(7.10 による 4 段階の過電圧分類で表示)及び機器の周

囲条件(7.9 による 4 段階の汚損度で表示)で決められる。

定格インパルス耐電圧に対する空間距離を汚損度別に

表 に示す。

8.2.6.2.2 

機能絶縁  機能絶縁としての空間距離は,表 及び表 に示す定格インパルス耐電圧から求ま

るが,これらは“望ましい”数値を示すものである。

特に,均質な箇所では,表に示すより小さな数値を採用してもよいが,その場合に,

表 の定格インパ

ルス耐電圧の規定値を満足していることを,実構成又は類似の構成による試験で検証する。

8.2.6.2.3 

基礎絶縁及び補強絶縁  基礎絶縁及び補強絶縁としての最小空間距離は,表 及び表 の定格

インパルス耐電圧から求まるが,これらは,

“望ましい”数値を示すものである。ただし,人の安全にかか

わる場合は,空間距離を狭めることは認められない。

8.2.6.2.4 

強化絶縁  強化絶縁を図る寸法の場合,その定格インパルス耐電圧を基礎絶縁の場合に要求さ

れている定格インパルス耐電圧の 1.6 倍にして,

8.2.6.2.3

を適用する。

ただし,

人の安全にかかわる場合は,

空間距離を狭めることは認められない。

8.2.6.2.5 

二重絶縁  二重絶縁の寸法を決める場合,用途によってそれぞれの絶縁段には,機能絶縁又は

基礎絶縁のいずれかの絶縁とする。

  4  定格インパルス耐電圧を決める方法

定格絶縁電圧  U

i

IEC 60850

による

定格インパルス耐電圧 U

imp

  (U 1.2/50 μs)

(交流 rms 値又は直流)

電車線電圧

過電圧分類

から

V

まで

V

交流

V

直流

V

OV1

kV

OV2

kV

OV3

kV

OV4

kV

 50

(

1

)

  0.33 0.5 0.8 1.5

50 100

  0.5 0.8 1.5 2.5

100 150

  0.8  1.5  2.5  4

150 300

  1.5  2.5  4  6

300 660

  2.5  4  6  8

660

900  600 4  5  6 10

900 1

200

750  5

6

8

12

1 200

1 600

6

8

10

15

1 600

2 300

1 500

8

10

12

18

2 300

3 000

10

12

15

20

3 000

3 700

12

15

3 700

4 800

3 000

15

18

25

40

4 800

6 500

20

25

6 500

8 300

6 250

25

30

40

60

8

300

10

000

   30 35

15

000

   75

95

20

000

  100 136

25

000

125

170

50

000

250

300

(

1

開閉過電圧に影響されない回路にだけ適用可能。

参考  この表にある U

i

は,電気品の耐電圧試験の試験電圧値を求める計算式(

表 7,表 8  参照)に使用する。

そのときに採用する U

i

値は,IEC 60850 の規定による電車線電圧の場合,5.1.3 及び 5.2.1 の規定から

U

max1

の数値である。例えば,直流 1 500 V の場合,U

i

 = 1 800 V である。[表 の U

i

 = 2 300 V が必ず

しも必す(須)の電圧値ではないことに注意]

 


20

E 5004-1

:2006

  5  空気中の最小空間距離

汚損度別の最小空間距離

mm

定格インパルス耐電圧

U

imp

kV

PD1 PD2 PD3 PD4

0.33 0.01

0.5 0.04 
0.8 0.1

0.2

1.5 0.5

0.8

2.5 1.5

3 2

5.5

3.5 2.5

6.2

4 3

7

4.5 3.5

8

5 4

8.5

6 5.5

10

8 8

14

10 11

18

12 14

22

15 18

27

18 22

32

20 25

36

25 32

45

30 40

54

40 60

100

(

2

)

60 90

110

75 120

135

95 160

175

100 170 185 
125 210

230

136 235 250 
145 260

265

170 310 
200 370 
250 480 
300 600

(

2

理論値は 75 mm であるが,

直流 3 kV 電化システムで実際に受け入れられている最小値が 100

mm であるので,その数値を採用してある。 

8.2.6.3 

沿面距離(種別 1)  沿面距離は,定格絶縁電圧,装置の置かれる環境及び絶縁材料で基本的に

決まる。環境条件は 7.9 で規定されている PD1 から PD4 までで表示する汚損度による。

最小沿面距離は,

表 6a,表 6b によって決まる。

それぞれの特定の場合における最短沿面距離は,対応する空間距離以下であってはならない。

絶縁材料の品質は,次のような定義された材料グループ別に決められる。


21

E 5004-1

:2006

a)  JIS C 2134

による比較トラッキング指数(CTI)別による。又は,

b)  IEC 60587

による次の等級別による。

      ・  材料グループ  I

600 ≦ CTI

又は等級  1 A 4.5

      ・  材料グループ  II

400 ≦ CTI < 600

又は等級  1 A 3.5

      ・  材料グループ  IIIa

175 ≦ CTI < 400

又は等級  1 A 2.5

      ・  材料グループ  IIIb

100 ≦ CTI < 175

又は等級  1 A 0

備考 CTI と等級間の等価性は,証明されていない。

参考1. IEC 

60587

による電気絶縁材料の耐トラッキング性の等級は,

附属書 参照。

2. 

比較トラッキング指数(CTI)とは,

“材料がトラッキングを生じることなく,50 滴の滴下に

耐えるボルトで表した最高電圧の数値”と定義されている(JIS C 2134 の 2.3 による)

。した

がって,数値の大きいほうが,良い品質ということになる。


22

E 5004-1

:2006

 6a  定格絶縁電圧が 1 000 V 以下の場合の沿面距離

汚損度別の沿面距離

mm

PD1

PD2 PD3 PD4

材料グループ

材料グループ

材料グループ

材料グループ

定格絶縁電圧

U

i

V

I

II

III a+b

I

II

III a+b

I

II

III a    (

3

)

I

II

III a  (

3

)

          10

0.08 0.4

1.0

          12.5

0.09 0.42  1.05

          16

0.1 0.45  1.1

          20

0.11 0.48

1.2

1.6

          25

0.125

0.5 1.25 1.7

          32

0.14 0.53

1.3

1.8

          40

0.16

0.56 0.8 1.1 1.4 1.6 1.8 1.9 2.4 3.0

          50

0.18

0.6 0.85 1.2  1.5  1.7 1.9 2.0 2.5 3.2

          63

0.2

0.63 0.9 1.25 1.6  1.8 2.0 2.1 2.6 3.4

          80

0.22 0.67

0.95

1.3

1.7

1.9 2.1 2.2 2.8 3.6

    100

0.25

0.71 1.0 1.4 1.8 2.0 2.2 2.4 3.0 3.8

    125

0.28 0.75

1.05

1.5

1.9

2.1 2.4 2.5 3.2 4.0

    160

0.32

0.8 1.1 1.6 2.0 2.2 2.5 3.2 4.0 5.0

    200

0.42

1.0 1.4 2.0 2.5 2.8 3.2 4.0 5.0 6.3

    250

0.56

1.25 1.8 2.5 3.2 3.6 4.0 5.0 6.3 8.0

    320

0.75

1.6 2.2 3.2 4.0 4.5 5.0 6.3 8.0 10.0

    400

1.0

2.0 2.8 4.0 5.0 5.6 6.3 8.0 10.0 12.5

    500

1.3

2.5 3.6 5.0 6.3 7.1  8.0  10.0 12.5 16.0

    630

1.8

3.2 4.5 6.3 8.0 9.0  10.0 12.5 16.0 20.0

    800

2.4

4.0 5.6 8.0 10.0 11.0 12.5 16.0 20.0 25.0

  1 000

3.2 5.0

7.1

10.0

12.5

14.0 16.0 20.0 25.0 32.0

(

3

前後の数値による直線近似は,許容される。

備考  材料グループ III b  の材料は,PD3 及び PD4 の汚損度レベルにおける使用には推奨しない。

22

E 5004-1


 2005


23

E 5004-1

:2006

 6b  定格絶縁電圧が 1 000 V を超える場合の沿面距離

汚損度別の沿面距離

mm/kV

材料グループ

PD1 PD2 PD3 PD4

Ⅰ 3.2

5.0

12.5

20.0

Ⅱ 3.2

7.1

14.0

25.0

備考1.  材料グループ III の材料は,推奨しない。

2. 

特定の直流電車線では,使用者によっては使用実績から最大 45 mm/kV までを要求する場合がある。

8.2.6.3A 

絶縁距離(種別 2)  表 6c の設置場所による絶縁環境の級別に従い,表 6d に示す電車線電圧

による絶縁に関係する空間距離及び沿面距離を確保する。

 6c  絶縁環境の級別

級別

周囲条件

割増し係数

具体例

A

室内又は箱内に収納され,じんあいの侵入が軽
度で,雨水の浸入のない環境に設置される場合。

1

配電箱,高圧機器箱及び

低圧ツナギ箱

B

室内に収納され,じんあいの侵入が考えられる
が,雨水の浸入のない環境に設置される場合。

1.5

配電盤及び端子台

C

じんあいが多く,雨水や塩害が考えられる環境
に設置される場合。

2

屋上機器及び床下機器

表 6d  絶縁距離

A 級

B 級

C 級

標準電圧

V

空間距離

mm

沿面距離

mm

空間距離

mm

沿面距離

mm

空間距離

mm

沿面距離

mm

直流又は交流

   50

4

6

6

6

8

12

  100

6

9

9

14

12

18

  200

8

12

12

18

16

24

  300

10

15

15

23

20

30

  750

12

18

18

27

24

36

1

000

14 20 20 30 28 40

1

500

20 30 30 45 40 60

交流 20 kV

(−)

(+)

(−)

(+) 250 (+)

交流 25 kV

270

(+)

(−)

(+) 300 (+)

備考1.  氷結及び結露のおそれがある場合には,絶縁距離の割増を考慮する。

2. 

(−)は,使用実績が少ないため現状では規定しない。

(+)は,高電圧用がい子の選定にかかわる

ので規定しない。 

実証したときは,

表 6d に示す絶縁距離以下であってもよい。

8.2.7 

開閉過電圧  電気品は,定格インパルス耐電圧以上の開閉過電圧にさらされないようにする。さら

に,電気品は関係する製品別規格に規定している過電圧以上の開閉過電圧を発生してはならない。製品別

規格がない場合には,当該電気品は定格インパルス耐電圧以上の開閉過電圧を発生してはならない。

複数の定格動作電圧及び/又は異なる過渡過電圧レベルの場所で使う目的の電気品では,対応する定格

動作電圧点における最低過渡過電圧レベルより高い動作過電圧を発生してはならない。


24

E 5004-1

:2006

8.2.8 

動作性能  電気品には,関係する要求仕様に対応する条件のもとで,その定格責務を果たせる能力

をもたせる。仕様上の要求及び試験条件は,受渡当事者間の協定によって,関係する製品別規格又は試験

仕様書に記載し,次のような事項を含めてもよい。

a)

当該電気品に規定の供給電圧の上限値及び下限値及び/又は規定の空気圧を加えたときに,動作条件

を満足していることを証明するための無負荷時の動作性能。

b)

当該電気品が動作する規定の責務点における負荷時の動作性能。

c)

過負荷条件又は故障条件における性能。

d)

機械的及び電気的な耐久力。

動作性能の検証は,関係する製品別規格に規定がある場合,単独試験又は他の試験に引き続いた組合せ

試験でもよい。

8.2.9 

耐振動及び耐衝撃能力  当該電気品は,要求する振動試験及び衝撃試験に耐えられるものとする

9.3.5 参照)

9. 

試験

9.1 

試験の種類

9.1.1 

一般  試験は,この規格及び関係する製品別規格に規定の要求事項を満足していることを証明する

ために行う。

試験の種類は,次のとおりである。

a)

当該電気品の代表的な 1 個のサンプルで行う形式試験。

b)

この規格及び関係する製品別規格に従って製造した電気品を,1 台ごとに実施する受渡試験。

c)

関係する製品別規格に規定がある場合の抜取試験。

d)

設計上の特別な内容について詳細な試験を行うことを,製造業者又は使用者が要求した場合に限り,

特別な試験として実施する調査試験。

試験は,当該電気品を車両に搭載する前に,製造業者がその工場又は製造業者が選ぶ適正な試験機関で

行う。


25

E 5004-1

:2006

9.1.1A

  試験項目  表 6e に電気品の形式試験,受渡試験及び調査試験の項目一覧を示す。

表 6e  試験項目

試験・検査項目

形式試験

受渡試験

調査試験

該当箇条番号

目視検査

(

4

)

9.2.3 

抵抗及びインピーダンスの測定

9.2.3 

動作限界試験

9.3.1 

温度上昇試験

9.3.2 

空間距離検証

9.3.3.2.1 

沿面距離検証

9.3.3.2.4 

耐電圧試験

9.3.3.3 

空気機器の気密試験

9.3.4.2 

校正

(

4

) (

4

)

9.3.4.3.1 

油圧装置の漏れ試験

9.3.4.3.2 

機械的耐久力試験

9.3.4.4.2 

電気的耐久力試験

9.3.4.4.3 

保護装置,リレー類の設定及び動作試験

9.3.4.5 

振動及び衝撃試験

9.3.5 

電磁両立性試験

9.3.6 

可聴騒音の測定

9.3.7 

環境試験

9.3.8 

電気的な危険性

(

4

)

9.2.2 a) 

帰線電流回路と防護ボンティング

(

4

)

9.2.2 b)

蓄電池の換気

(

4

)

9.2.2 c)

火災と発煙に対する防護

(

4

)

9.2.2 e)

その他の危険性

(

4

)

9.2.2 g)

(

4

)

必要に応じて実施する。

9.1.2 

形式試験  形式試験は,当該電気品の設計がこの規格及び関係する製品別規格を満足していること

を実証することを目的とする。

形式試験は,

製造業者がそれ以前に製造した同一の電気品について形式試験成績書を提出する場合には,

これらの試験を省いて,形式試験に合格したものとみなす。

これらの試験は適宜,次のような検証項目で構成してもよい。

a)

構造上の要求事項

b)

性能上の要求事項

1)

動作限界

2)

温度上昇

3)

絶縁特性

4)

動作性能

5)

振動及び衝撃

6)

電磁両立性(EMC)

7)

可聴騒音の発生

備考  上記はすべての項目をカバーしているものではない。

製造業者は,形式試験に関して,試験を満足していることを証明する記録資料を準備する。


26

E 5004-1

:2006

形式試験として,電気品を損傷するおそれのある過負荷又は故障条件による機械的又は電気的な耐久力

試験又は性能検証試験である場合には,形式試験を別のサンプルで試験してもよい。ただし,このサンプ

ルを試験終了後に車両に搭載して,実際の使用に供しようとする場合には,受渡当事者間で協定して使用

上で容認できる最低条件を規定する。

機器の摩耗を起こさない単なる通常の機能試験及び検証試験である場合,試験は,製造する電気品のう

ちの 1 台に対して行う。

9.1.3 

受渡試験  受渡試験は,材料や製造作業上の欠陥を見付け,かつ,当該電気品が正常に機能するこ

とを確かめることを目的としている。受渡試験は,形式試験を行う電気品を含めて,電気品の 1 台ごとに

行う。これらの試験は適宜,次のような検証項目からなる。

a)

目視

b)

動作

c)

耐電圧

d)

校正

e)

空気機器の場合は,気密性

f)

油圧機器の場合は,油漏れ

g)

抵抗及びインピーダンス測定

備考  上記はすべての項目をカバーしているものではない。

受渡試験とその試験条件の詳細は,

この規格の関係する項目及び/又は関係する製品別規格に記載する。

受渡試験で当該電気品に損傷を与えてはならない。

9.1.4 

抜取試験  技術的及び統計的な分析の結果,製品 1 台ごとの受渡試験が不要と判明し,関係する製

品別規格にその旨の規定がある場合には,

代わりに抜取試験としてもよい。

その場合の抜取試験の内容は,

一連の受渡試験と同じとする。

9.1.5 

調査試験  調査試験は,製造業者自身の自発的又は受渡当事者間の協定によって,電気品の特別な

特性を検証する場合もある任意の試験である。

したがって,調査試験は,電気品の発注以前に受渡当事者間で協定がある場合に限り行う。ただし,こ

れらの試験の結果は電気品の受渡条件とはしない。

9.1.6 

一般的な試験条件  電気品は,設計上の詳細な機能に適合することを検証するために試験を行う。

この規格又は関係する製品別規格に規定がない場合には,次の条件とする。

a)

試験は,試験を行う場所の通常の状態で行う(9.1.6A 参照)

b)

一連の試験は,清潔,かつ,新品の条件にある電気品で行う。

c)

試験する電気品は,製造業者が規定した条件又は予定する車両の取付ぎ装条件のいずれかで取り付け

る。

試験結果は,関係する製品別規格で規定してある許容範囲にあるものとする。

9.1.6A 

試験場所の共通的条件  試験場所の条件は,特に指定がない場合,次の標準状態とする。

a)

標準温度状態(

5

)  基準温度:20  ℃  温度範囲:5∼35  ℃

b)

標準湿度状態(

6

)  基準湿度:65  %  湿度範囲:45∼85  %

c)

標準気圧(

7

)  標準気圧:86 kPa 以上 106 kPa 以下

備考  範囲は特に規定しない。

なお,試験は,そのときの気圧で行う。

d)

常温常湿(

8

)  温度 5∼35  ℃,湿度範囲 45∼85  %の組み合わせたすべての状態を常温常湿とする。

(

5

) JIS 

8703

表 の 15 級に一致する。


27

E 5004-1

:2006

(

6

) JIS 

8703

表 の 20 級に一致する。

(

7

) JIS 

8703

の 2.3 に一致する。

(

8

) JIS 

8703

表 及び表 の備考に一致する。

9.2 

構造上の要求に対する検証

9.2.1 

一般  製品別規格又は仕様書に特定の要求がない場合,当該電気品及び構成部品の設計は,この規

格の 8.に規定してある要求に従うものとする。この規定による試験を行うことが適切でない場合には,こ

の特性の適合性を目視,測定などによって証明するものとする。

9.2.2

形式試験  形式試験としては,次の項目がある。

a)

電気的な危険性

b)

帰線電流回路と防護ボンディング

c)

蓄電池の換気

d)

電磁界

e)

火災と発煙に対する防護

f)

沿面距離と空間距離

g)

その他の危険性

h)

環境試験

備考  上記は,すべての項目をカバーしているものではない。

9.2.3

受渡試験  受渡試験としては,次の項目がある。

a)

目視検査

b)

抵抗及びインピーダンスの測定

巻線抵抗の測定は,あらゆる電空式又は電磁式制御機器に対して実施する。ただし,この抵抗変化が動

作に影響する可能性がある場合は,

“コールド状態”で行う。代表的な電気品には,電磁弁,サーボモータ,

電圧リレー及び,電磁接触器がある。

供試の巻線で得られた測定抵抗値は,20  ℃換算に補正したときに,規定値又は最初に完成した製品 10

台の測定値平均の許容誤差を超えてはならない。特定の製品別規格がない場合の許容誤差は,±8  %とす

る。

抵抗測定は,制御回路,表示回路,補助回路に挿入されている様々な抵抗器に対して“コールド状態”

で行う。許容誤差については,用途によって異なるので受渡当事者間の協定による。

交流回路の電気品の正規動作にインピーダンスが影響する箇所では,抵抗測定と同時に,規定の周波数

による交流電源でインピーダンス測定を実施する。

主回路の抵抗測定は,直流電源によって端子間の電圧降下を記録して行う。ただし,試験電流は,定格

電流までとする。

いかなる電気品の抵抗値も製造業者が決めた限度値を超えてはならない。

9.3 

性能上の要求に対する検証

9.3.1

動作限界  動作限界の検証は,形式試験及び受渡試験として行う。

形式試験は,電気品が使用中にさらされる可能性のある又は正規動作ができる最低の周囲温度点と,到

達する可能性のある最高の周囲温度点との両方の温度で行う。

例えば,変圧器,電動機,キュービクルなどのような大形の電気品は,受渡当事者間の協定による環境

試験だけとする。

電気品の温度上昇が安定してから,試験はそれぞれの組合せに対して,連続して 20 回の動作確認を行う


28

E 5004-1

:2006

場合,当該電気品は 8.2.1 の規定による電源電圧と空気圧の限度内で正常に動作するものとする。

8.2.1

に規定した限度内にある電圧,空気圧及び温度の最も厳しい組合せ条件のもとで試験しても,電気

品は満足に動作することを確認する。複数の異なる周波数で動作する電気品の場合は,試験周波数を規定

する。

備考  電磁式電気品又は電空式電気品の場合,当該電気品が“コールド状態”で,ある電圧で動作 1

時間後に機器を流れる電流と同じ電流を供給して正常に動作する場合,

“ホット状態”でもその

電圧で動作は満足できると考える。ただし,列車の運転準備機器(パンタグラフ用電磁弁,補

助回転機の起動接触器類など)の電気品には,通常,特別な要求仕様があるのでこの方法は適

用しない。

受渡試験は,常温状態で,8.2.1 に規定する定格電源電圧と空気圧において,又は別の適切な電圧と空気

圧で電気品が,正常に動作できる能力を検証する。

9.3.2 

温度上昇

9.3.2.1 

周囲の空気温度  周囲の空気温度の記録は試験時間の残り 1/4(25  %)の時間を,試験している

電気品の周囲に均等に配置し,電気品の約半分の高さの点で,かつ,電気品から約 1 m 離れた位置の温度

を,例えば,温度計と熱電対のような 2 組以上の温度センサを用いて行う。温度センサは気流,ふく(輻)

射熱及び温度の急激な変化が原因で表示誤差がないように防護する。

試験中の周囲の空気温度は,+10  ℃から+40  ℃の範囲にあり,10 K 以上変化してはならない。しかし,

周囲の空気温度の変化が 3 K を超えた場合,

“ホット状態”における定数を考慮した適切な補正係数を用い

て,電気品の当該部品の測定温度を補正する。

9.3.2.2 

部品温度の測定  コイル以外の部品に対しては,適当な温度センサによって,最高温度になると

予想される複数の異なる部品温度を測定する。測定点は,試験電流より小さい電流を流す予備試験中に決

めておいてもよい。ただし,このことは,試験報告書に記載する。

温度センサー自体が,当該部品の温度上昇に重大な影響を与えてはならない。また,温度センサーと試

験する部品の表面との間は,良好な熱伝導性を確保する。

電磁コイルの場合,抵抗値の変化で温度を測定する方法を通常,採用する。この抵抗法の採用が,実用

的でない場合に限り他の方法の採用を認める。

試験開始前のコイル温度は,周囲の環境温度と 3 K 以上の差があってはならない。

銅又はアルミニウム導体の場合,

“ホット状態”における温度値 T

2

“コールド状態”における温度値 T

1

及び“ホット状態”の抵抗値 R

2

と“コールド状態”の抵抗値 R

1

との比から,次の式で求まる。

T

T

T

R

R

T

+

=

)

(

1

1

2

2

ここに,

T

1

“コールド状態”における温度  (℃)

T

2

“ホット状態”における温度  (℃)

R

1

T

1

℃のときの抵抗値  (

Ω)

R

2

T

2

℃のときの抵抗値  (

Ω)

T

定数(銅では 235,アルミニウムでは 230)

温度上昇試験は,温度上昇値が定常値に到達するのに十分な時間をとって行うが,8 時間を超えてはな

らない。その温度変化が 1 時間当たり 1 K を超えない温度に到達した状態を“定常値”とみなす。


29

E 5004-1

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9.3.2.3 

部品の温度上昇  部品の温度上昇とは,9.3.2.2 によって測定した当該部品温度と,9.3.2.1 によっ

て測定した周囲の空気温度との差である。

9.3.2.4 

主回路の温度上昇  電気品は 9.1.6 の規定によって取り付け,外部からの異常な加熱又は冷却に

対して防護する。

一体形のきょう(筐)体の電気品及び指定のきょう(筐)体だけで使用される電気品は,きょう(筐)

体に入れた状態で定格電流を流して試験を行う。誤った換気方法となる開口部を設けてはならない。

多相電流による試験では,電流バランスは各相±5  %以内となるようにし,かつ,その平均電流は,適

正な試験電流以上とする。

関係する製品別規格に規定がない限り,主回路の温度上昇試験は,定格動作電流で行うが,適当な電圧

としてもよい。温度上昇を決める場合には,電流波形に含まれる高調波成分の影響を考慮しなければなら

ない場合がある。

主回路,制御回路,補助回路間で熱の移動が問題となる場合,9.3.2.5 から 9.3.2.7 までで規定した温度上

昇試験は,関係する当該製品別規格が許容する限り同時に行う。

直流定格の電気品でも,製造業者の同意があれば試験の便宜上,交流電源で試験をしてもよい。試験終

了時点において,主回路各部分の温度上昇は,関係する製品別規格に特別の規定がない限り,8.2.2.3 に示

す数値を超えてはならない。

定格動作電流値によって,次のいずれかの試験回路接続方法を採用する。

a)

試験電流値が 400 A 又はそれ以下の場合

試験電流がケーブル電流定格の 50  %となる断面積をもつサイズの単心銅ケーブルを用いて,大気

中において回路接続を行う。

b)

試験電流値が 400 A を超える場合

上記要求の試験電流に対応するケーブル 2 本を並列接続するか,製造業者が指定する等価な 1 本の

裸銅導体によって接続する。

試験の詳細,例えば,供給電源の種類,相数及び指定が必要な場合の周波数,接続導体の断面積な

どは,試験成績表に記載する。

9.3.2.5 

制御回路の温度上昇  制御回路の温度上昇試験は,規定の電流で行う。特に,交流の場合には定

格周波数で行う。制御回路は,その定格電圧で試験する。

連続動作させる回路の温度上昇試験では,温度上昇が安定値に到るまで十分な時間をとる。

断続動作させる制御回路では,関係する製品別規格で規定されたとおりに試験する。

これらの試験終了時点において,制御回路各部の温度上昇は,関係する製品別規格に規定がない限り

8.2.2.4

の規定値を超えてはならない。

9.3.2.6 

電磁石のコイル  コイル及び電磁石は,8.2.2.5 の条件によって試験する。

温度上昇試験では,温度上昇が定常値に到るまで十分な時間をとる。

温度測定は,主回路及び電磁石のコイルの双方が熱平衡に達してから行う。

断続動作させる電気品のコイル及び電磁石では,関係する製品別規格に記載されたとおりに試験する。

これらの試験終了時点で,各部の温度上昇は,8.2.2.5 の規定値を超えてはならない。

9.3.2.7 

補助回路の温度上昇  補助回路の温度上昇試験は,9.3.2.4 の規定と同じ条件で行うが,適当な電

圧で実施してもよい。

これらの試験終了時点で,補助回路の温度上昇は,8.2.2.5 の規定値を超えてはならない。

9.3.3 

絶縁特性


30

E 5004-1

:2006

9.3.3.1 

一般条件  9.3.3.2 及び 9.3.3.3 に規定した試験要求事項は,製造業者が 8.2.6 によって規定した定

格インパルス耐電圧値をもつ電気品に適用する。

この定格インパルス耐電圧値を決めていない電気品に対しては,関係する製品別規格の試験要求事項を

適用する。

供試の電気品は,金属板の上に設置し,通常の使用状態で車両構体に取り付ける機器枠などの露出した

導電部は,すべてその金属板に接続する。

絶縁材で作られたアクチュエータ類及び通常の運転で手を触れる可能性のある一体形の非金属製の外部

材は,金属はく(箔)で覆いこれを取付け枠に接続する。この金属はく(箔)ですべての表面を覆い,標

準試験針で触れることができるようにする。ただし,通常の使用条件で車両構体に結合されている導電部

によって,活電部が隔離されている箇所,二重絶縁(構造)の部品である箇所又は絶縁破壊があっても直

流 120 V 以下又は交流 50 V 以下の電圧しか生じる可能性がない箇所は,金属はく(箔)でこれらの部分を

覆う必要はない。

試験中の電気的ストレスを避けるため,電気品を部分的に切り離したり,短絡したりすることが必要な

場合がある。ただし,これらは受渡当事者間の協定による。

9.3.3.2 

形式試験

9.3.3.2.1 

空間距離及び関連する固体絶縁の検証  空間距離は,附属書 に記載の方法による測定で検証

する。ただし,複雑に入組んだ電気品に対して,この方法では不適切と思われる場合,9.3.3.2.2 と 9.3.3.2.3

による電気試験を採用してもよい。

表 及び表 の規定値より小さい空間距離を機能絶縁に採用する場合又は当該電気品の定格インパルス

耐電圧が 30 kV 又はそれ以上の場合,インパルス試験は必す(須)であり,その試験値は定格インパルス

耐電圧とする。

9.3.3.2.2 

試験電圧  規定を満足していることを証明するには,次の三つの方法がある。

a)

インパルス電圧試験による空間距離の検証

定格インパルス耐電圧に等しい 1.2/50 μs インパルス試験電圧を,各極性に対して 1 秒以上の間隔を

おいて,各三回印加する。

試験電圧を維持できれば,この試験は合格である。

備考  公称電圧が 15 kV,20 kV,25 kV 又は 50 kV の電気品に対するインパルス電圧試験は,IEC 60056

による試験方法を適用する。

b)

商用周波の電源による空間距離の検証

試験電圧は,

表 の U

ac

値とする。これは同表の定格インパルス耐電圧値による試験と同等である

とみなされる。

試験周波数は,50 Hz±10  %又は,60 Hz±10  %とする。

この試験値を 5 秒間かけて規定の試験電圧までに上昇させた後,その試験値を 5 秒間維持する。

過大な漏れ電流が流れず試験電圧を維持できれば,この試験は合格である。

c)

直流電圧試験による空間距離の検証

試験電圧は,

表 の U

dc

値とする。これは,同表の定格インパルス耐電圧値による試験と同等であ

るとみなされる。

試験は,5 秒間かけて規定の試験電圧値まで上昇させた後,その試験値を 5 秒間維持する。

リプル率は三相ブリッジ(整流回路)のリプル率(4.2  %)を超えてはならない。

過大な漏れ電流が流れず,試験電圧を維持できれば,この試験は合格である。


31

E 5004-1

:2006

望ましい電気試験は,インパルス電圧試験である。ただし,コンデンサで接続されている場合は,

これに代えて直流電圧試験が望ましい。ただし,過電圧保護のある電気品では,過電圧保護のエネル

ギー定格を超えないインパルス電圧で試験する。

特に電子装置の場合には,試験中の損傷を避けるための準備が必要な場合がある。

試験中に破壊放電があってはならない。ただし,過渡過電圧保護による破壊放電は除く。

  7  空間距離を検証するための試験電圧

空間距離

mm

U

imp

kV

U

ac

kV

U

dc

kV

0.01 0.33 0.23 0.33 
0.04 0.52 0.37 0.52

0.1 0.81 0.5  0.7 
0.5  1.55 0.84 1.19 
1.5  2.56 1.39 1.97 
2.0 3.1 1.69 2.39 
2.5 3.6 1.96 2.77 
3.0  4.06 2.21 3.13 
3.5  4.51 2.45 3.47 
4.0  4.93 2.68 3.79 
5.5  6.09 3.32 4.69 
8.0  7.82 4.26 6.02

11.0 9.95  5.4  7.63 
14.0 12.2 6.61 9.35 
18.0 15.1 8.17 11.6 
22.0 17.8 9.68 13.7 
25.0 19.9 10.8 15.3 
32.0 24.5 13.3 18.8 
40.0 29.5 16.0 22.7 
60.0 41.6 22.6 31.9 
90.0 58.5 31.7 44.9

120  74.6 40.5 57.2 
160 95 51.5 72.9 
260 143 77.6 110 
310 166 90 127 
370 193 104 148 
480 240 130 184 
600 289 157 222

備考  前後の数値による直線近似をしてもよい。 
参考  表から,ほぼ次のような関係にあることが分かる。(ただし,U

imp

 

は空間距離 0.5 mm 以上に

対し)

U

imp

 = 1.84U

ac

,及び  U

dc

 =

2 ×U

ac

9.3.3.2.3 

試験電圧のかけ方  電気品を 9.3.3.1 の規定によって金属板上に取り付けてから,試験電圧は,

次のように印加する。

a)

接触部をすべて運転時の正常位置とした状態にして,

主回路の端子部をすべて一つにまとめた部分

(主

回路に接続されている制御回路及び補助回路を含む。

)と,枠又は取付け板との間に電圧をかける。

b)

接触部をすべて運転時の正常位置とした状態にして,主回路の各極及びその他の極をまとめた部分と,

枠又は取付け板にまとめて接続した部分との間に電圧をかける。

c)

通常,主回路に接続されていない各制御回路及び補助回路と次に述べる部分との間,

1)

主回路

2)

その他の制御回路及び補助回路

3)

露出導電部

4)

装置枠又は取付け板


32

E 5004-1

:2006

これらは,可能なら一緒にまとめてもよい。

d)

主回路の極を開いて,回路を開放できる電気品では,入力側端子と出力側端子間。

試験電圧は,接触部をすべて開位置とした電気品の入力側端子と出力側端子部間にかける。

9.3.3.2.4 

沿面距離の検証  各相間,異なる回路導体間及び電圧の印加されている露出導電部の最小沿面

距離を測定する。測定した沿面距離は,材料グループ及び汚損度の区分による 8.2.6 の要求事項を満足す

るものとする。沿面距離の測定法を

附属書 に示す。

備考  雨,塩分を含む湿気,降雪のような汚損した大気中における他の試験方法は,関係する製品別

規格に規定してもよい。

9.3.3.3 

受渡試験

9.3.3.3.1 

一般条件  すべての電気品に対して,定格商用周波の電源による耐電圧試験を 1 台ごとに行う。

受渡当事者間で協定がある場合には,この試験は複数の電気品をグループにまとめて試験してもよい。車

両に搭載した電気品の試験詳細については,JIS E 4041JIS E 4042 を参照する。

50 Hz 又は 60 Hz の周波数による試験電圧は,ほぼ,正弦波であるものとする。

試験方法及び試験電圧の rms 値は,次のように規定する。

a)

試験電圧は,10 秒かけて順次規定値まで上げた後,60±5 秒間その値を維持し,その後,電圧を順次

零まで下げる。

b)

受渡当事者間に協定があれば,直流電圧を採用してもよい。その試験電圧値は,要求される交流電圧

のピーク値に等しいものとする(

表 参照)。

備考  9.3.3.3.2 において,種別 1 の試験電圧を決める表 の計算式では,U

i

は試験する電気品の定格

絶縁電圧(5.1 及び

附属書 参照)を表す。

これらの試験は,一連の形式試験の中で,試験後に電気品が損傷を受けていないことの検証を要求され

る場合もある。

9.3.3.3.2 

試験電圧  それぞれの電気品についての耐電圧試験は,次の種別 1 又は種別 2 のいずれかによ

る。

種別 1

a) 10

000

V 未満の交流及び直流の定格絶縁電圧の電気品に対しては,表 による。

b)

特別高電圧の架空式交流電車線に接続される電気品に対しては,

表 による。その試験電圧のかけ方

は,次による。

1)

主回路又は閉位置の接触部と接地を含むその他の回路,及び,

2)

開位置にしたときの接触部間

備考  絶縁が経年劣化していると考えられる電気品に対して,更新又は修理後に耐電圧試験を行う場

合には,定格絶縁電圧の 1.5 倍以下の電圧で試験をしてもよい。


  8  それぞれの電気品単体にかける耐電圧試験

単位  V

定格絶縁電圧 U

i

に対する商用周波の耐電圧試験電圧 U

50

又は U

60

題目

36 以下(

9

)

36∼60 60∼300 300∼660 660∼1 200

1 200∼10 000

すべての電気品単体に対する耐電圧試験は,異なる電圧の各回路及びその
他の各回路と接地間にかける。

750

1 000

1 500

2 500

2U

i

 + 1 500

2U

i

 + 2 000

回路遮断を目的とするすべての電気品(

10

)単体に対して,耐電圧試験は,

電気品の入力側と出力側間にかける。ただし,電気品の接触部は開き,ア

ークシュートは,正規の位置に取り付けた状態とする。 
抵抗器と並列に接続される遮断機器すべてに対する試験電圧は,抵抗器へ
の接続を外した状態で,規定値の 0.75 倍に制限する。

750

1 000

1 500

1.6U

i

+ 1 500

電力回路には接続されていない他の回路に,電気的に接続されている単体
電気品又は部品すべてに対して,耐電圧試験は,これらの部分と対地間に
かける。

750 1

000

2U

i

 + 1 000

ただし,1 500 以上

二重絶縁されている電気品すべてに対して,次のように耐電圧試験を行
う。

a)

絶縁された枠と接地間

b)

回路と接地から絶縁された枠との間

備考  回路と接地から絶縁された枠の間に主絶縁がある場合,試験電

圧は,a)b)の規定値を逆にかける。

 

1 500 
1 500

 

2 500 
1 500

 

2U

i

 +1 500

1.6U

i

 + 500

 

2U

i

 + 2 000

1.6U

i

 + 1 000

(

9

)  36 V

以下の定格絶縁電圧 U

i

をもつ電子装置に対しては,耐圧試験電圧は 500 V に下げられる。

(

10

回路遮断に必要なら,複数の部品を含めてもよい。

 
 
 
 
 
 
 
 

33

E 5004-1


 2005


34

E 5004-1

:2006

  9  特別高電圧の架空式交流電車線に接続される電気品の耐電圧試験

単位  kV

電車線の標準電圧(交流 rms 値)

定格商用周波数の耐電圧(rms 値)

15 
20 
25 
50

38 
64 
75

130

種別 2

試験箇所及び試験電圧は,

表 9A による。

試験に先立ち,絶縁抵抗を測定し耐電圧試験に支障がないかを調べる。試験は,商用周波数の交流電圧

で行い,まず,試験電圧の 1/2 以下の電圧を加え,その後,試験電圧まで電圧計で,そのときの電圧を読

み取ることができる程度にできるだけ早く上昇させる。試験電圧に達した後,1 分間連続して加え,これ

に耐えるかどうかを調べる。

表 9A  耐電圧試験

単位  V

試験箇所

試験電圧

高電圧導体部と接地部との間

高電圧導体部と低電圧導体部との間

高電圧導体部と二重絶縁の枠との間

二重絶縁の枠と接地部との間

2.25U+2 000

非充電部(

11

)と低電圧導体部との間

2 U

アークシュートのないとき 2.25 U  +2 000

主接触部の極間

アークシュートのあるとき

低電圧導体部と二重絶縁の枠との間(

12

)

2 U

低電圧導体部と接地部との間

補助(低電圧)接触部の極間

2 U  +1 000

50 V 未満の回路(

13

)と接地部との間 500

交流特別高電圧導体部と接地部との間

交流特別高電圧主接触部の極間

2.2 U  +20 000

(

11

機器がアークを発生したとき,高電圧及び低電圧両導体部間の耐圧に有害な影響を

与えるとみなされる非充電の金属部をいう。

(

12

大きなアークを発生する断流器又はこれに類する機器に適用する。

(

13

変圧器などで 50 V 以上の回路から絶縁され,独立している回路も含む。

備考1.  U  は定格回路電圧を表し,製造業者が規定する。

2. 

直流 600 V 及び 750 V の主回路導体部は,高電圧導体部とする。

9.3.3.3.3 

取付ぎ装前又は取付ぎ装後の電気品グループへの適用  電気品は,内蔵する個々の部品の試験

は終了していても,グループにまとめた電気品として耐電圧試験を行う。そのとき,試験で損傷を受ける

可能性又は試験電圧に対して負荷となる可能性のある機器は取り外しておく。

この耐電圧試験は,次の種別 1 又は種別 2 のいずれかによる。

種別 1

表 8,表 による回路の定格絶縁電圧で要求される試験電圧の 0.85 倍の電圧で行う。ただし,その回路

に中性点接地がある場合の U

i

は,中性点接地がない場合に用いる定格絶縁電圧の 1/2 とする。

種別 2


35

E 5004-1

:2006

JIS E 4014

による。

9.3.4 

動作性能の能力

9.3.4.1 

一般  試験は,8.2.8 の要求事項を満足していることを検証するために行う。詳細な試験条件は,

関係する製品別規格に規定する。

9.3.4.2 

空気機器の気密試験  空気機器の気密試験は,形式試験及び受渡試験として行い,次の種別 1 又

は種別 2 のいずれかによる。

種別 1

試験は,空気シリンダ又は電磁弁など,1 個のサンプルで形式試験を行うが,受渡試験は,サンプル数

が 10 個以下の同一品に対して,同時に行ってもよい。

空気機器,シリンダ又は電磁弁の各ユニットの空気漏れは,当該ユニットを容器 に接続して試験時間

T

を経過した後,その容器の空気圧が,1 分間当たり 1  %以上の圧力低下を生じていないことを検証する

ために試験を行う。

試験開始時点における当該容器の空気圧は,試験するユニットの定格空気圧 に等しくする。

“コールド状態”のコイル巻線には,定格電圧時にその巻線に流れる定常電流に等しい電流を流す。

試験は,電気品のあらゆる異なる状態に対して,必要に応じて通電又は非通電を繰り返す。

複数の空気シリンダ又は電磁弁が付いていて,分離しては試験できない電気品に対しては,電気品全体

の空気漏れが,各ユニットに許容される漏れ量の合計以下であることを確認すればよい。

試験時間 は,次の各パラメータによる計算で決める,

)

5

.

0

(

100

n

m

V

P

dP

T

+

×

=

ここに,

m

試験する電磁弁の数

n

試験中に,空気圧が供給される空気シリンダの数

T

分(min)で表す時間。ただし,1 分以上とする。

V

空気圧回路の容積には,容器及び空気シリンダがあ
る場合はその容積を加え,更に,空気配管内の容積
が無視できない場合は,その容積も加えて,リット
ル(L)で表示する容積の合計。ただし,その総容積は
試験する電気品の空気回路容積の 5 倍以下とする。

P

単位 MPa(1 MPa = 10 bar)で表示する定格空気圧

dP

空気漏れ試験の終了時における空気圧容器の圧力変
化で,単位 MPa で表示する。この変化は,0.1 
超えてはならないが,使用する空気圧測定器は,こ
れを測定できる精度をもたなければならない。

備考  空気圧の変化と空気漏れ試験時間の条件を満足できる容量をもつ空気圧容器を選択する。

種別 2

空気機器の気密試験は,電磁弁及び空気シリンダに適用する。

a)

形式試験  選択された機器について行う。次の試験方法以外の簡略化した同等の試験を行ってもよい。

1)

電磁弁  “ホット状態”(通電 1 時間後)の巻線に流れる電流と同じ電流を“コールド状態”の巻線

に流したときと消磁したときの試験を行う。

電磁弁は,

最大圧で充てんされた 1 L の容器と接続し,

容器内の圧力が 10 分後に最大圧力の 10  %

以上減少していないことを確認する。


36

E 5004-1

:2006

2)

空気シリンダ  ピストン又は膜板を装着したシリンダは,最大圧力に充てんした 1 L 以上の容積を

もち,当該シリンダ直径を mm で表示した数値の 0.02 倍の数値をリットル表示した容積を超えない

空気だめに接続する。気密性は,空気だめ内の圧力が試験の 10 分後に最大圧力の 5  %以上減少し

ていないことを確認する。

b)

受渡試験  受渡試験は,空気の漏れが形式試験に規定されている値よりも少ないことを確認する。次

の方法のほか,受渡当事者間で合意した簡略化された試験方法又は 9.3.4.2A による漏れ試験で代用し

てもよい。

1)

電磁弁  ホット状態(通電 1 時間後)の巻線に流れる電流と同じ電流をコールド状態の巻線に通電

する。次に 10 個の電磁弁を最大圧で充てんされた 1 L の容器に接続する。1 分後の圧力変化は,形

式試験と同等の値とする。

2)

空気シリンダ  各シリンダにピストン又は膜板を装着し,最大圧力に充てんした 1 L の容器に接続

し,試験の 10 分後に最大圧の 5  %以上減少していないことを確認する。個々に試験することが不

可能な幾つかのシリンダをもつ機器については,全体の漏れが構成要素の許容漏れの合計量より少

ないことを確認する。

9.3.4.2A 

空気漏れ試験  定格空気圧の 120  %を加えた機器の気密接合部に,せっけん液などの適切な表面

張力のある液を塗布し,気泡の発生によって空気漏れの有無を調べる。

9.3.4.3 

油圧装置の漏れ試験

9.3.4.3.1 

形式試験  機器の機能低下や液圧流体の補充を要するような漏れがないことを実証するために,

受渡当事者間で合意した運転サイクルで,液圧機器の完成品について 3 か月間の耐久試験を行う。

試験期間は,両者の合意によって 3 か月以外の期間とすることができる。

9.3.4.3.2 

受渡試験

9.3.4.3.2.1 

シリンダ  パッキン,リング及びガスケットを装着したピストンを取り付け,ピストンロッ

ドに外部から最大荷重をかけて,シリンダから実用上支障のある漏れがないことを確認する。

9.3.4.3.2.2 

弁類及び油圧システム  弁類及び油圧システムは,最大定格流量並びに最大定格圧力状態と

し,この状態における漏れは,10 MPa 当たりに換算した最大定格流量の 0.35  %/分を超えないことを確

認する。

9.3.4.4 

耐久力

9.3.4.4.1 

一般  耐久力試験は,形式試験であり,修繕又は部品の交換をしないで性能を発揮できる電気

品の動作サイクル回数を検証することを目的とする。

耐久力試験は,製造した数量から予測できる場合の統計的な寿命推定の基本を形づくる。

9.3.4.4.2 

機械的耐久力  試験中は,主回路には電圧の印加や通電をしてはならない。当該電気品が通常

の使用状態でも,潤滑油の補給が規定されている場合には,試験前に潤滑油を補給してもよい。

制御回路には,定格電圧及び交流の場合には定格周波数を加える。

空気機器及び電空機器には,定格空気圧を供給する。

手動操作の装置は,通常の使用時と同じように操作する。

動作サイクル回数は,関係する製品別規格に規定された回数以上とする。

動作リレー類又は引き外し装置付きの電気品には,それら複数のリレー又は引き外し装置類が果たすべ

き動作総回数を,関係する製品別規格に規定する。

試験結果の評価は,関係する製品別規格に規定する。


37

E 5004-1

:2006

9.3.4.4.3 

電気的耐久力  試験条件は,9.3.4.4.2 の規定と同じとする。ただし,主回路は関係する製品別

規格の規定によって加圧する。

試験結果の評価は,関係する製品別規格に規定する。

9.3.4.5 

保護装置,リレー類の設定及び動作の確認  保護装置,リレー類の設定及び動作の確認は,受渡

試験である。通常,すべての装置は,設定範囲の最大設定値の許容誤差±5  %以内で動作しなければなら

ない。

9.3.5 

振動及び衝撃  それぞれの電気品に対する振動及び衝撃試験は,次の種別 1 又は種別 2 のいずれか

による。

種別 1  振動試験及び衝撃試験は,IEC 61373  による。

種別 2  振動試験は JIS E 4031,衝撃試験は JIS E 4032 による。

9.3.6 

電磁両立性  鉄道のおかれている環境には,例えば,無線送信機,携帯電話が発生させる電磁界も

ある。鉄道車両の電子装置は,このような電磁界に対し十分なイミュニティがあるようにする。

一方,車両自体が電界,磁界及び電磁界を発生させる可能性がある。このようなエミッションの発生は,

鉄道沿線にある鋭敏な電子装置,例えば,無線受信機,テレビなどに影響する可能性がある。

車両と信号装置間の電磁両立性については,特に配慮する。事業者が個々に採用している信号装置によ

っては,車両の伝導性又は放射性のエミッションの限度を配慮する。

9.3.7 

可聴騒音の発生  受渡当事者間で協定があれば 8.2.5 の限度を検証するために,可聴騒音の騒音試

験を行ってもよい。

9.3.8 

環境試験  環境条件に適合できる能力を示すため,必要な場合には,次に示す JIS による一連の試

験を行うことができる。

a)

低温(耐寒性)試験方法:

JIS C 60068-2-1

b) 

高温(耐熱性)試験方法: 

JIS C 60068-2-2

c) 

高温・高湿(定常)試験方法: 

JIS C 60068-2-3

d) 

塩水噴霧(サイクル)試験方法: 

JIS C 60068-2-52

更に,特別な環境条件を規定して,このほかの試験を試験仕様書に規定してもよい。

それぞれの試験において,特定のパラメータを試験成績書に記録する。

必要な場合には,高温及び低温の環境に暴露した状態に放置した後に,9.3.4.2 による気密試験を行う。

それぞれの試験には新品の試験サンプルを使用する。しかし,その同一サンプルを手入れして製造業者

が新品同様と判断した場合には,同じサンプルを複数の試験に使用してもよい。

関連規格  JIS E 5006:2005  鉄道車両−電子機器

JIS E 5008:1999

  鉄道車両用変換装置−特性及び試験方法


38

E 5004-1

:2006

附属書 A(規定)沿面距離及び空間距離の測定

A.1

  基本原則

例 から例 11 までのすべてに規定してある溝の幅  X  は,汚損度レベルに対応して次の表の最小溝幅値

をすべての例に適用する。

汚損度

溝幅  X  の最小値

mm

PD1 1.0 
PD2 1.5 
PD3 2.5 
PD4 4.0

沿面距離と空間距離の測定方法は,次の

例 1.から例 11.までに示してある。これらの例は,ギャップと溝

の間又は絶縁種類間で差別はない。

さらに,

−  コーナー部はすべて,最も不利な位置で幅  X mm の絶縁されたリンクでつながれているとみなされる。

例 3.参照)

−  溝幅が  X mm 又はそれ以上である場合には,沿面距離は,その溝の輪郭線に沿って測定した距離であ

る。

例 2.参照)

−  相対的に動く関係にある部分間の沿面距離及び空間距離は,これらの部分が最も厳しい位置にきた時

に測定する。

A.2

  リブの使用

汚損の影響及び乾燥しやすい効果のため,リブによって漏れ電流は,かなり減らすことができる。その

ため,リブ部の高さが  2X mm 以上とれれば,絶縁沿面距離は,要求値の 0.8 倍に低減できる。

 A.1  リブの測定

最低高さ 
2X mm 以上


39

E 5004-1

:2006

1.

例 2.

条件:この沿面距離の経路は,様々な深さの平行な側面をもつ溝及び X mm 又はそれ以上の幅をもつ溝を含む。 
規則:空間距離は直線距離。沿面距離は溝の輪郭線をなぞった経路。

例 3.

条件:この沿面距離の経路には,X mm 以上の幅をもつ V 字形の溝を含む。

規則:空間距離は直線距離。沿面距離は溝の輪郭線をなぞる経路だが,溝の底辺を X mm のリンクで短絡した形と

なる。

例 4.

条件:この沿面距離の経路には,リブ部を含む。

規則:空間距離はリブの頂点を越えて最短で直接の空間経路である。沿面距離はリブの輪郭線をなぞった経路であ

る。

条件:この沿面距離の経路は,X mm 以下の幅の平行又は集中した様々な深さをもつ溝部を含む。 
規則:沿面距離及び空間距離は,この図のように直接溝をまたいで測定する。


40

E 5004-1

:2006

例 5.

条件:この沿面距離の経路には,両側に X mm 未満の溝のあるセメントなしの結合部を含む。

規則:沿面距離及び空間距離の経路は,この図に示す直線距離である。

例 6.

条件:この沿面距離の経路は,両側に X mm 以上の幅をもつ溝のあるセメントなしの接合部を含む。 
規則:空間距離は直線距離である。沿面距離は溝の輪郭線をなぞった経路である。

例 7.

条件:この沿面距離の経路は,片側の溝幅が X mm 未満,反対側の溝幅が X mm 以上のセメントなしの接合部を含む。
規則:沿面距離及び空間距離の経路は,この図に示すとおり。

例 8.

条件:セメントなしの接合部のある沿面距離は,障壁越えの沿面距離より小さい。 
規則:空間距離は障壁の頂点を経由する最短直接の空間経路である。

X mm


41

E 5004-1

:2006

例 9.

条件:ボルト頭と凹部の壁部との空間は十分に広い。

規則:空間距離及び沿面距離の経路は,この図に示すとおり。

例 10.

条件:ねじ頭及び凹部の壁との間の空間が小さすぎる。

規則:沿面距離測定は,距離が X mm に等しい場合ねじ部から壁までである。

例 11.


42

E 5004-1

:2006

附属書 B(参考)定義した用語間の関係

この附属書の目的は,専門用語の定義及び特性を明確にするためである。

次の文中にある太字による専門用語又は表現は,本体の 3.及び 5.による。

通常,数値は,二つの許容できる

限度値と限度値の間の範囲で変わる。しかし,この数値を指定又は確

認するために,おおよその数値が使用される;これが

公称値である(図 B.1 参照)。

この範囲の最大値又は最高値が,試験要求を決めるために選択される;これを

定格値と呼ぶ。

最小値もまた試験値として使われるが,それは運転上の要求だけに限られる。

装置又は機器の仕様は,設計上で製造業者が,規定及び/又は合意した電圧及び電流という二つの数値

で基本的に定義できる;必要な場合には,定格周波数を規定した

定格動作電圧と定格動作電流で規定する

図 B.2 参照)。

調整装置付きの電源から仕様値が規定される場合,たとえ運転上からは大きな範囲が必要である場合が

あっても,その調整装置による調整範囲の最大値が定格動作電圧である場合がある。

動作上の要求は,このような調整装置が調整できなくなったときの,一時的な電圧を考えることが必要

な場合がある。

これらの二つの定格値は,試験に対する基準値として使われる;これらで

利用上の分類を定義する(図

B.2

参照)

装置又は機器は,複数の利用上の分類をもつ場合がある。この場合,電圧/電流の利用範囲の中に含ま

れる複数の定格動作電圧値及び複数の定格動作電流値がある。その中には,

a)

(熱的限度に対応する)連続責務で得られるものが,許容電流の上限値である。短時間耐用なら,こ

の上限の電流を超えてもよい。特にこの場合を過電流と呼ぶ。

b)

連続して許容できる電圧の上限値は,インパルス電圧に関係し,設計者が選定する沿面距離及び空間

距離から決まる。これが

定格絶縁電圧である。絶縁耐力試験は,商用周波の耐電圧値で行う。

すべての動作条件において,次の諸条件を確実に満足できるようにする(

図 B.3 参照)。

c)

定格動作電圧は,常に定格絶縁電圧より低くする。

d)

過渡過電圧は,絶縁破壊が起きないように常に

インパルス耐電圧より低くする。

e)

定格動作電流は,常に熱的限度より低くする。

f)

過負荷条件における電流は,

定格短時間耐電流値より大きくしない。


43

E 5004-1

:2006

 B.1

 B.2

 B.3

定格値 
公称値

限度値

定格動作電圧

定格動作電流

商用周波の耐電圧

定格絶縁電圧

一時的な過電圧

          熱的限界

        定格短時間耐電流

インパルス

耐電圧

過負荷電流

過渡過電圧

公称電圧

利用上の分類


44

E 5004-1

:2006

附属書 C(参考)空間距離及び沿面距離の決め方

この附属書の目的は,

本体の 8.2.6 によって空間距離及び沿面距離を決める場合の方法及びその手助けと

なるものである。

本体の 8.2.6 では,単に最低値が示してあり,それ以下に対しては,車両が使われる環境における耐電圧

能力を試験で検証しなければならないが,ほかの数値がしばしば必要となる。

電気品の絶縁特性は,その空間距離及び沿面距離で決まる。これら二つのパラメータは,絶縁という観

点から回路を特性付ける次の数値で決まる。

a) 

定格インパルス耐電圧

b) 

定格絶縁電圧

空間距離は,本来,回路の中で外部からの要因又はユニット自体の開閉動作の,いずれかの原因で起こ

る可能性のあるインパルス電圧で決まる。こうしたインパルス電圧から得た経験は重要であるが,いつも

既知値とは限らない。

製造業者は,電気品又は機器が耐えることのできるインパルス電圧を規定する。同様に,回路がインパ

ルス耐電圧より高いインパルス電圧を生じないようにする。

こうした理由から,定格インパルス耐電圧を決める必要がある。エレクトロニクス回路においては,イ

ンパルス電圧レベルが正確に分かる場合がある。同様にして,起きる可能性のあるインパルス電圧が,例

えば,避雷器によって制限される場合には,そのレベルが分かる。したがって,空間距離は,本体の

表 5

を使って決めることができる。

多くの場合,予測するインパルス電圧レベルは,未知である。設計者の手助けとするために,定格絶縁

電圧の関数として,本体の

表 に絶対に超えそうにない定格インパルス耐電圧が示してある。

実際の空間距離は,本体の

表 から決められる。本体の表 及び本体の表 で決まる数値は,理論的に

使用できる空間距離の最低値である。

実際には,製造業者は経験から安全係数を考慮して空間距離を決める。

絶縁に影響する可能性のあるすべてのパラメータを考慮したこの安全係数は,理論的考察から求めた数

値と実際の使用条件に必要とみなされる数値との間の差異を与えるものである。

これらのパラメータは,例えば,次のような要件を含む。

a) 

大気条件(特別な汚損の程度)

b) 

イオン化した環境

c) 

内部環境における局部的な変化度

d) 

ぎ装上の品質

e) 

接続のために占める空間

f) 

製品寿命のなかで,製品品質の変動

g) 

人の安全性

h) 

装置の製造とメンテナンスプロセスにおける変化


45

E 5004-1

:2006

i) 

使用による劣化

j) 

故障状況及びその他の例外的なケース

k) 

その他

空間距離をチェックする電気試験(本体の 9.3.3.2.1 参照)が必要な場合には,インパルス耐電圧試験に

よるのが望ましい。しかし,極めて便利なことに,本体の

表 に規定された商用周波の電源による電圧試

験又は直流電圧試験の採用が認められていることである。

沿面距離については,本体の

表 6a 及び本体の表 6b を使った定格絶縁電圧から,沿面距離値を決めるこ

とができる。電気品に対して製造業者は,定格動作電圧以上又は特別な場合には,このようなストレスが

かかる時間間隔が関係しており,かつ,複数ある場合には,5 分未満持続する定格電圧の最高値に等しい

定格絶縁電圧を選定する。

必要な場合には,沿面距離は規定の最小空間距離以上を採用する。

図 C.1 には,空間距離及び沿面距離を決めるために必要な方法と要求事項のフローをまとめてある。


46

E 5004-1

:2006

 C.1  空間距離及び沿面距離の決め方

限度のある非繰返し過電圧のあ

る電圧。したがって,未知。

電圧変動範囲内の最高値が定格

動作電圧 U

e

を決める。

等価電圧 U

e

は,実際の rms 実効

値に等しくピーク値の 70  %以

上として決める。

定格絶縁電圧 U

i

は,少なくとも

定格動作電圧 U

e

以上として決め

る。

定格絶縁電圧 U

i

は,少なくとも

定格動作電圧 U

e

以上として決め

る。

        定格絶縁電圧 U

i

は,

        少なくとも電圧 U

e

        以上として決める。

定 格 イ ン パ ル ス 耐 電 圧 U

imp

は,既知の保護レベル以上と

して決める。

 
      定格インパルス耐電圧

U

imp

は,定格絶縁電圧及び

      過電圧分類レベルから表 で決める。

空間距離は,定格インパルス耐電圧 U

imp

と汚損度レベルから

表 で決める。

沿面距離は,定格絶縁電圧 U

i

と汚損度レベルで,

本体の

表 6a 及び表 6b から決める。

ただし,空間距離以上でなければならない。

電圧変動範囲内の最高値が定格

動作電圧 U

e

を決める。

他に非繰返し過電圧のない,繰

返し波形の電圧。

      非繰返し過電圧のある電圧。

      したがって,未知。


47

E 5004-1

:2006

附属書 1(参考)環境条件の分類

この附属書は,JIS C 60721-3-5(2004)に規定する鉄道車両を含む陸上車両用の装置一般に適用する。環境

条件の分類別等級の関係指標を,次のように

附属書 表 から附属書 表 にそれぞれの等級別に示した

ものである。

附属書 表 

気候条件の等級(K)

附属書 表 1A  特別な気候条件の等級(Z)

附属書 表 

生物学的条件の等級(B)

附属書 表 

化学的作用物質の等級(C)

附属書 表 

機械的作用物質の等級(S)

附属書 表 

汚染液体の等級(F)

附属書 表 

機械的条件の等級(M)

なお,最高又は最低などと明記していないが,記載してある数値は最高,最低又は限度値を表している。

附属書   1  気候条件の等級(K)

等級

環境のパラメータ

単位

5K1

5K2 5K3 5K4 5K4H

5K4L 5K5

8)

5K6

8)

a)  空気の最低温度

+5 -25 -40 -65 -25 -65  +5  -20

b)  換気されている室内空気又は外気の最高温

度  (エンジン室は除く)

1)

+40

+40 +40 +55 +55 +40 +40 +55

c)  換気されていない室内空気の最高温度(エン

ジン室を除く)

2)

+70 +70 +85 +85 +70 +70 +85

d)  空気の最高温度(エンジン室内空気)

+60

+70 +70 +85 +85 +70 +70 +85

e)  空気/空気の温度変化の限度

3)

-25/+30 -40/+30 -65/+30 -25/+30 -65/+30  +5/+30

-20/+30

f)  空気/空気のゆるやかな温度変化の限度(エ

ンジン室を除く)

℃/min

-25/+30

5

-40/+30

5

-65/+30

5

-25/+30

5

-65/+30

5

+5/+30

5

-20/+30

5

g)  空気/空気のゆるやかな温度変化の限度(エ

ンジン室)

℃/min

-25/+60

10

-40/+70

10

-65/+70

10

-25/+70

10

-65/+70

10

+5/+70

10

-20/+70

10

h)  空気/水の温度の限度(エンジン室を除く)

3)  ,4)

+40/+5

+55/+5

+55/+5 +40/+5 +40/+5

+55/+5

i)  空気/水の温度変化の限度(エンジン室)

3)  ,

4)

+60/+5

+70/+5

+85/+5

+85/+5 +70/+5 +70/+5

+85/-5

j)  空気/雪の温度変化の限度(エンジン室に限

る)

+60/-5 +70/-5 +70/-5 +70/-5 +70/-5 +70/-5 +70/-5

k)  急激な温度変化を伴わない場合の相対湿度

(エンジン駆動車両のエンジン室を除く)

75

+30

95

+40

95

+45

95

+50

95

+50

95

+45

95

+45

95

+50

l)  急激な温度変化を伴わない場合の相対湿度

(エンジン駆動車両のエンジン室)

95

+70

95

+85

95

+85

95

+70

95

+85

95

+85

(注記は表末に表示)


48

E 5004-1

:2006

附属書   1  気候条件の等級(K)(続き)

等級

環境のパラメータ

単位

5K1

5K2 5K3 5K4 5K4H 5K4L

5K5

8)

5K6

8)

m)  急激な温度変化を伴う相対湿度の高い空気/

空気の相対湿度(空調システム機器周辺を除
く)

95

-25/+30

95

-40/+30

95

-65/+30

95

-25/+30

95

-65/+30

95

+5/+30

95

-20/+30

n)  急激な温度変化を伴う相対湿度の高い空気/

空気の相対湿度(空調システム機器周辺)

95

+10/+70

95

+10/+70

95

+10/+85

95

+10/+85

95

+10/+70

95

+10/+85

95

+10/+85

o)  急激な温度変化を伴う場合で,含水率の高い空

気/空気の絶対湿度

5)

空気の

g/m

3

60

+70/+15

60

+70/+15

80

+85/+15

80

+85/+15

60

+70/+15

60

+70/+15

60

+85/+15

p)  最低相対湿度

10

+30

10

+30

10

+30

10

+30

10

+30

10

+30

10

+30

10

+30

q)  最低大気圧

6)

kPa 70 70  70  70  70  70  70 70

r)  周囲媒体としての空気の移動速度

m/s

20 20 30 30  30 30 30

s)  降雨量

mm/min

6 15 15 6 15 15

t)  日射

W/m

2

700

1 120

1 120

1 120

1 120

1 120

1 120

u)  熱放射(エンジン室を除く)

W/m

2

600 600 600 600  600 600 600

v)  熱放射(エンジン室)

W/m

2

600

600

1 200

1 200

1 200

1 200

1 200

1 200

w)  降雨以外による水

7)

m/s

0.3 1  3  3  3  3  3

x)  湿り

表面が湿っている状態

1)

製品表面の高い温度は,ここに示す周囲の空気温度及び上表の t)  日射の影響を受けた可能性がある。

2)

製品表面の高い温度は,ここに示す周囲の空気温度及び窓又は他の開口部からの日射の影響を受けた可能性がある。

3)

与えられた 2 温度間で,当該製品は直接の熱移動があると仮定する。

4)

低温側の規定値は,水道栓出口の水温に等しい。

5)

当該製品では,温度の急激な降下だけを課題とすればよい(急激な温度上昇は,考慮の対象外である)

。含水量の数値は,露点ま

で下げた温度に適用する。つまり,低い温度範囲では,相対湿度はほぼ 100  %とみなせる。

6)

最低大気圧 70 kPa は,ほぼ全世界への適用をカバーする(標高 3 000 m まで)

。特定の制約がある適用に対しては,

附属書 表 1A

の数値を選択してよい。

7)

数値は,流水の速度を示しており,水が蓄積される高さではないことに注意。

8)

等級 5K5(熱帯,高温高湿)及び等級 5K6(熱帯,乾燥)  に関する詳細情報は,JIS C 60721-3-5 

附属書 を参照。

附属書  1A  特別な気候条件の等級(Z)

環境パラメータ

等級

単位

特別条件 Z

q)  最低大気圧

1)

5Z1 kPa

84

1)

  等級 5Z1 は

おおよそ標高 1 400 m に対応する。

附属書   2  生物学的条件の等級(B)

等級

環境パラメータ

単位

5B1 5B2

5B3

a)  植物相

かび,菌類などの存在

製品をかじるなど有害なねずみ又はその他
の動物の存在

b)  動物相

白アリを含む

白アリを含まず


49

E 5004-1

:2006

附属書   3  化学的作用物質の等級(C)

等級

環境パラメータ

単位

5C1 5C2  5C3

a)  海水

塩霧の状態

b)  道路上の塩分

固形塩及び塩水の状態

c)  硫黄酸化物 mg/m

3

0.1 1.0(0.3) 10(5.0)

d)  硫化水素 mg/m

3

 0.01 0.5(0.1) 10(3.0)

e)  窒素酸化物(窒素酸化物

の等価値で表示)

mg/m

3

 0.1 1.0(0.5)

10(3.0)

f)  オゾン mg/m

3

 0.01 0.1(0.05)

0.3(0.1)

g)  塩化水素 mg/m

3

 0.1 0.5(0.1)

5.0(1.0)

h)  ふっ化水素 mg/m

3

 0.003

0.03(0.01)

2.0(0.1)

i)  アンモニア mg/m

3

 0.3 3.0(1.0)

35(10)

備考1.  数値は,1 日当たり 30 分以上発生する最大値で示す。

2. 

(  )内は平均値を示す。

3. 

(20  ℃及び 101.3 kPa 時に)対応する cm

3

/m

3

表示の数値は,JIS 60721-1 参照。

附属書   4  機械的作用物質の等級(S)

等級

環境パラメータ

単位

5S1 5S2 5S3

a)  砂(砂じんを含む)

空気中の g/m

3

無 0.1 10

b)  降下ばいじん mg/(m

2

・h) 1.0

3.0

3.0

附属書   5  汚染液体の等級(F)

等級

環境パラメータ

5F1 5F2 5F3

a)  回転機油

b)  歯車箱油

c)  油圧機器油

d)  変圧器油

e)  ブレーキ用液体

f)  冷却液

g)  グリース

h)  燃料

i)  電池の電解液


50

E 5004-1

:2006

附属書   6  機械的条件の等級(M)

等級

環境パラメータ

単位

5M1 5M2  5M3

a)  定常振動,正弦波

1)

振幅値 
加速値 
振動数範囲

mm

m/s

2

Hz

 
1.5 
                  5 
2- 9      9-200

 
3.3 
          10          15 
2- 9  9-200  200-500

 
7.5 
          20          40 
2- 8  8-200  200-500

b)  定常振動,ランダム

1)

加速度スペクトル密度 
振動数範囲

m

2

/s

3

Hz

 
0.3      0.1 
10-200   200-500

 
1           0.3 
10-200      200-500

 
3                      1 
10-200    200-500

c)  非定常振動,衝撃を含む

2)

衝撃応答スペクトル(タイプⅠ)

加速度ピーク値  â

衝撃応答スペクトル(タイプⅡ)

加速度ピーク値  â

 

m/s

2

m/s

2

 

50

 

100

300

 

300

1 000

d)  他の車体,石からの衝撃

J

5 20

1)

  振動数範囲は,高い制振機構をもつ構造物に取り付けた製品で,等級 5M2 及び等級 5M3 に対しては,200 Hz に制

限してもよい。

2)

    附属書 図 参照。

正弦半波の持続時間の例

スペクトル  タイプ I  :  持続時間 11 ms

スペクトル  タイプ II  :  持続時間  6 ms

附属書   1  代表的な衝撃応答スペクトル(第一次最大衝撃応答スペクトル)

この説明については,JIS 60721-1 

表 付記事項 6.参照

関連規格  JIS C 60721-1:1995  環境条件の分類−環境パラメータとその厳しさの分類

最大応答加速度

a

(m/s

2

)

振動数


51

E 5004-1

:2006

附属書 2(参考)電気絶縁材料の耐トラッキング性の等級

この附属書は,IEC 60587(1984)による,電気絶縁材料の耐トラッキング性の等級に関する規定から要点

だけを抜粋して参考に供するものである。

備考  実際に試験を行う場合には,IEC 60587 の詳細条件による。

1. 

電気絶縁材料の耐トラッキング性の等級表示の例

      1 又は 2 で,試験方法の違いを示す(2.参照)

      A 又は B で,判定基準の違いを示す(3.参照)

      試験電圧を kV で表した数値(

附属書 表 参照)

上記の表示例は,試験方法 1,判定基準 A 及び試験電圧 4.5kV の等級であることを表している。

2. 

試験の概要

試験片は,

附属書 図 に示す寸法に加工して準備する。その試験片の望ましい厚さは,6 mm である。

試験片は,各 5 個を準備し,試験片の表面を微細な紙やすりで軽く粗し,つや消し状態にして一様に湿潤

状態になるようにする。それぞれに同一試験を新品の試験片を用いて行う。

備考  判定基準 B の場合に用いる基準マークについては,附属書 図 を参照。

附属書 図 に示すような,試験片を 45°に傾けてセットした試験装置を使用する。試験片への電極の

取付け詳細は,

附属書 図 による。商用周波の試験電源を使用する電気回路を附属書 図 に示す。

附属書 表 から試験する試験片の合格すべき試験電圧の予想レベルを決める。それに対応する液体汚

染物質を上方電極の取付けボルトで共締めされているろ紙パッド部に流し続けるようにセットしてから,

試験方法 又は試験方法 による指定の試験電圧を印加する。

試験結果は,指定の時間内で次の現象が起きた場合,当該絶縁材料の試験は不合格と判定される。

a)

判定基準 では,60 mA を超える漏れ電流が 2 秒以上流れた場合,又は,

b)

判定基準 では,試験片表面に底部電極端から電極の先端間の中央(基準マーク)を超えてトラッキ

ングが生成された場合,

なお,5 個中 1 個でも不合格であると,当該等級の絶縁材料は不合格となる。つまり,5 個の試験片すべ

てが合格の場合に限り,その等級は合格となる。

液体汚染物質は,質量比 0.1  %の塩化アンモニウム溶液に非イオン性湿潤剤を添加したもので,23  ℃に

おいて抵抗率 3.95  Ωm とする。

1  A  4.5


52

E 5004-1

:2006

附属書   1  試験電圧及び関連する条件

試験電圧

(1)

kV

試験方法 1 に対する

望ましい試験電圧

kV

汚染流体の流速

mL/min

直列抵抗器の抵抗値

Ω

1.0  ∼ 1.75 
2.0  ∼ 2.75 
3.0  ∼ 3.75 
4.0  ∼ 4.75

5.0  ∼ 6.0

2.5 
3.5 
4.5

0.075

0.15 
0.30 
0.60 
0.90

1

10 
22 
33 
33

(

1

)

商用周波の交流電源による。

3. 

試験方法

試験方法 1  定電圧によるトラッキング電圧試験法

附属書 表 の試験電圧及び液体汚染物質に対応する“試験方法 1 に対する望ましい試験電圧”を 6 時

間連続して印加する。

万一,不合格の場合には,一段低い“試験方法 1 に対する望ましい試験電圧”及び汚染流体による試験

を行い,合格すれば当該材料は,その等級にランク付けされる。反対に,合格した場合,更に高い“試験

方法 1 の望ましい試験電圧”及び液体汚染物質による試験に合格すれば等級は上がる。

試験方法 2  段階的電圧によるトラッキング電圧試験法

まず,250 V の整数倍から選択した試験電圧を印加して 1 時間維持できれば合格である。次に試験電圧

を 250 V だけ増加して,更に 1 時間維持し,順次 250 V ずつ試験電圧を上げて各 1 時間維持し,不合格と

なるまで試験を繰り返す。

なお,試験電圧が高くなると,

附属書 表 によって液体汚染物質の流速及び直列抵抗器(附属書 

4

の R)の数値も増加することに注意する。

4. 

判定基準

通常は,

判定基準 による。判定基準 は,当該材料規格に規定されている場合に限る。

同一試験を行う 5 個の試験片のうち,1 個でも結果が不合格となると,その等級は不合格の判定となる。

判定基準 A

試験片上を流れる漏れ電流が,60 mA を超えて 2 秒間以上流れた時点で,その試験は不合格で終了とな

る。電気試験回路の過電流装置によって電源スイッチを開く。

備考1.  複数個を同時に試験する自動試験装置を使用してもよい。

2. 

耐トラッキング性の等級を決める試験結果の表示例(判定基準 A の例)

1) 

等級 1A0 又は 1B0  試験電圧 2.5 kV の連続印加が,6 時間未満で不合格となった場合。

2) 

等級 1A2.5 又は 1B2.5  5 個の試験片すべてが,試験電圧 2.5 kV の連続印加 6 時間に合格


53

E 5004-1

:2006

したが,

1 ランク上位の試験電圧 3.5kV の印加試験では,6 時間未満で不合格となった場合。

3) 

等級 1A3.5 又は 1B3.5  5 個の試験片すべてが,試験電圧 3.5 kV の連続印加 6 時間に合格

したが,

1 ランク上位の試験電圧 4.5kV の印加試験では,6 時間未満で不合格となった場合。

4) 

等級 1A4.5 又は 1B4.5  5 個の試験片すべてが,試験電圧 4.5kV の連続印加 6 時間に合格し

た場合。

判定基準 B

試験片の表面に,1 時間未満で,底部電極側から 25 mm(電極間中央部,

附属書 図 及び附属書 

2

参照)に付けた基準マークのレベルまで,トラッキングが到達した時点で,その試験は不合格終了とな

る。

備考1.  この判定は,目視と手動制御による。

2. 

耐トラッキング性の等級を決める試験結果の表示例(判定基準 B の例)

等級 2A x

ここに,は試験片が 1 時間維持できた最高の試験電圧を kV で表示したもの。

単位  mm

附属書   1  電極固定用の孔を加工した試験片

  95

 10

 5

少なくとも 120

 25

少なくとも

50

基準マーク


54

E 5004-1

:2006

附属書   2  試験装置の説明図

附属書   3  試験片への電極の取付け方


55

E 5004-1

:2006

附属書   4  試験回路図

V

S

:電源スイッチ

VT

:可変比変圧器

T

:高圧変圧器

R

:直流抵抗器

V

:電圧計

Sp

:試験片

F

:過電流器具,ヒューズ又はリレー


56

E 5004-1

:2006

附属書 3(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS E 5004-1

:2005  鉄道車両−電気品−第 1 部:一般使用条件及び一般規則

IEC 60077-1

:1999,鉄道車両−電気品−第 1 部:一般使用条件及び一般規則

(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅱ)  国際
規格番号

(Ⅲ)  国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体,附属書 
  表示方法:側線又は点線の下線

(Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策

項目 
番号

内容

項目 
番号

内容

項目ごとの
評価

技術的差異の内容

1.適用範囲

 

IEC 

60077-1


JIS

と同じ

IDT

2.引用規格 

引用規格一覧

IEC 

60077-1

2

引用規格一覧 MOD/変更

旧 JIS で引用していた

JIS

を 4 件追加した。

− 

3.定義 
3.1  全般 
3.2  回路 
3.3  蓄電池 
3.4  試 験 の
分類 
3.5  露 出 導
電部 
3.6  特 性 を
表す数値

 
用語全般について規定 
回路について規定 
蓄電池について規定

試験分類について規定 
 
露出導電部について規定 
 
特性を表す数値について
規定

IEC 

60077-1


3.1 
3.2 
3.3 
3.4 
 
3.5 
 
3.6

JIS

と同じ

IDT

3.6.7A  耐 久
力 

耐久力の定義について規

規定なし

規定なし MOD/追加

旧 JIS で定義され,国
内 で 広 く 使 用 さ れ て

き て い る 用 語 で あ る
ので追加した。

次回 IEC 改正時に IEC 規格への反映を
提案する。

 

56

E 5004-1

 200

5


57

E 5004-1

:2006

(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅱ)  国際
規格番号

(Ⅲ)  国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容

  表示箇所:本体,附属書 
  表示方法:側線又は点線の下線

(Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策

項目

番号

内容

項目

番号

内容

項目ごとの

評価

技術的差異の内容

4.  試験の省
略 
 
5.  特性値の
規定 
5.1  定 格 電
圧 
5.2  装 置 の
定格電圧

情報の分類について規定

電圧,電流,周波数及び空
気圧について規定 
定格電圧について規定 
 
装置の定格電圧について
規定

IEC 

60077-1


 
 

 
5.1 
 
5.2 

JIS

と同じ IDT  −

5.2.1  電車線
か ら の 電 力
供給

電車線からの電力供給

について規定

IEC 

60077-1

5.2.1 

JIS

と同じ MOD/選択

IEC 60077-1

の規定を

種別 1 とし,  旧 JIS
で 採 用 し て い た 日 本
で 実 績 の あ る 規 定 を

種別 2 として残し,種
別 1,2 は,選択でき
るようにした。

次回 IEC 改正時に IEC 規格への反映を

提案中。

5.2.2  主変圧
器 か ら の 電

力供給 
5.2.3  独立し
た 発 電 装 置

又 は コ ン バ
ー タ か ら の
電力供給

主変圧器からの電力供給
について規定 
 
独立した発電装置又はコ
ンバータからの電力供給

について規定

IEC 

60077-1

5.2.2 
 
 
5.2.3 

JIS

と同じ IDT  −

 

57

E 5004-1

 200

5


58

E 5004-1

:2006

(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅱ)  国際
規格番号

(Ⅲ)  国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体,附属書

  表示方法:側線又は点線の下線

(Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策

項目 
番号

内容

項目 
番号

内容

項目ごとの
評価

技術的差異の内容

5.2.4  浮動充
電 し て い る

蓄 電 池 か ら
の電力供給

浮動充電している蓄電池
からの電力供給について

規定

IEC 

60077-1 

5.2.4 

JIS

と同じ MOD/変更

国 内 で 広 く 使 用 さ れ
ている定格 100 V の電

池 電 圧 に 相 当 す る 公
称電圧値 87 V を追加
した。

次回 IEC 改正時に IEC 規格への反映を
提案する。

5.2.5  蓄電池
か ら の 電 力
供給 
5.3  装 置 の
定格電流 
 
5.4  定 格 動
作周波数 
 
5.5  定 格 空
気圧

浮動充電しない蓄電池か
らの電力供給について規

装置の定格電流について
規定 
 
定格動作周波数について
規定 
 
定格空気圧について規定

IEC 

60077-1

5.2.5 
 
 
5.3 
 
 
5.4 
 
 
5.5

JIS

と同じ IDT  −

6.  製品に関
する情報

製品に関する情報につい
て規定 

IEC 

60077-1

6

JIS

と同じ IDT  −

6.1  情 報 の
性質

情報の性質について規定 

6.1

6.2  表記

表記について規定

6.2

58

E 5004-1

 200

5


59

E 5004-1

:2006

(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅱ)  国際
規格番号

(Ⅲ)  国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容

  表示箇所:本体,附属書 
  表示方法:側線又は点線の下線

(Ⅴ) JIS と国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策

項目

番号

内容

項目

番号

内容

項目ごとの

評価

技術的差異の内容

6.3 保管,取
付ぎ装,運転
及び保守

保管,取付ぎ装運転及び保

守について規定

6.3

JIS

と同じ IDT  −

6.3A 取付け

取付けについて規定

規定なし MOD/追加

旧 JIS で定義され,国

内 で 広 く 使 用 さ れ て
き て い る 規 定 で あ る
ので追加した。

次回 IEC 改正時に IEC 規格への反映

を提案する。

7.  通常の使
用条件 
7.1  概要

通常の使用条件について
規定

IEC 

60077-1


 
7.1

JIS

と同じ IDT  −

7.2  標高

標高について規定

IEC 

60077-1

7.2 

JIS

と同じ MOD/選択

IEC 60077-1

の規定

(1 400 m)を種別 1 と
し,旧 JIS で採用して
い た 日 本 で 実 績 の あ
る規定(1 200 m)を種別
2 として残し,種別 1,
2 は,選択できるよう
にした。

日本の地理的条件から IEC に合わせる
必要はなく,将来とも種別 1,2 とする

か,種別 1 に統一するか次回改正時に
審議する。

7.3  温度

温度について規定

IEC 

60077-1 

7.3

JIS

と同じ IDT  −

59

E 5004-1

 200

5


60

E 5004-1

:2006

(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅱ)  国際
規格番号

(Ⅲ)  国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容

  表示箇所:本体,附属書 
  表示方法:側線又は点線の下線

(Ⅴ) JIS と国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策

項目

番号

内容

項目

番号

内容

項目ごとの

評価

技術的差異の内容

7.3A  周囲温
度(T

a

周囲温度について規定

規定なし MOD/選択

IEC 60077-1

の規定値

と旧 JIS で採用してい
た 日 本 で 実 績 の あ る
規定とは異なるので,

IEC 60077-1

の規定を

種別 1 とし,旧 JIS 
定を種別 2 とした。種

別 1,2 は,選択でき
るようにした。

日本の地理的条件から必ずしも IEC 

合わせる必要はなく,将来とも種別 1,
2 とするか種別 1 に統一するか次回改
正時に審議する。

7.3B  基準温
度(T

r

基準温度について規定

規定なし MOD/選択

IEC 60077-1

の規定値

と旧 JIS で採用してい
た 日 本 で 実 績 の あ る
規定とは異なるので,

IEC 60077-1

の規定を

種別 1 とし,旧 JIS 
定を種別 2 とした。種

別 1,2 は,選択でき
るようにした。

日本の地理的条件から必ずしも IEC 

合わせる必要はなく,将来とも種別 1,
2 とするか種別 1 に統一するか次回改
正時に審議する。

7.4  湿度

湿度について規定

IEC 

60077-1

7.4 

JIS

と同じ MOD/選択

IEC 60077-1

の規定を

種別 1 とし,旧 JIS 
採 用 し て い た 日 本 で

実 績 の あ る 規 定 を 種
別 2 として残し,種別
1,2 は,選択できるよ
うにした。

日本の地理的条件から必ずしも IEC 
合わせる必要はなく,将来とも種別 1,
2 とするか種別 1 に統一するか次回改
正時に審議する。

7.5  生 物 学
的条件

生物学的条件について規

IEC 

60077-1

7.5

JIS

と同じ IDT  −

60

E 5004-1

 200

5


61

E 5004-1

:2006

(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅱ)  国際
規格番号

(Ⅲ)  国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容

  表示箇所:本体,附属書 
  表示方法:側線又は点線の下線

(Ⅴ) JIS と国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策

項目

番号

内容

項目

番号

内容

項目ごとの

評価

技術的差異の内容

7.6  化 学 的
作用物質 

化学的作用物質について

規定

7.6

JIS

と同じ IDT  −

7.7  機 械 的
作用物質 

機械的作用物質について
規定

7.7

7.8  振 動 及
び衝撃 

振動及び衝撃について規

IEC 

60077-1

7.8

JIS

と同じ MOD/選択

IEC 60077-1

の規定を

種別 1 とし,旧 JIS 
採 用 し て い た 日 本 で

実 績 の あ る 規 定 を 種
別 2 として残し,種別
1,2 は,選択できるよ
うにした。

種別 1,2 は全く異なる試験方法であ
り,しかも種別 2 は日本における長年
の実績があり,しばらくは種別 1,2

の選択となる。

7.9  汚 染 環
境 に 対 す る
暴露

汚染環境に対する暴露に

ついて規定

IEC 

60077-1

7.9 
 

JIS

と同じ IDT  −

7.10  過電圧
に さ ら さ れ
る条件 

過電圧にさらされる条件

について規定

7.10

8  構 造 上 及
び 性 能 上 の
要求 

構造上及び性能上の要求

について規定

8

8.1  構 造 上
の要求 

構造上の要求について規

8.1

8.2  性 能 上
の要求 

性能上の要求について規

8.2

8.2.1  運転条

運転条件について規定 

IEC 

60077-1

8.2.1 

 IDT

61

E 5004-1

 200

5


62

E 5004-1

:2006

(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅱ)  国際
規格番号

(Ⅲ)  国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容

  表示箇所:本体,附属書 
  表示方法:側線又は点線の下線

(Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策

項目

番号

内容

項目

番号

内容

項目ごとの

評価

技術的差異の内容

8.2.2  温度上
昇限度

温度上昇限度について規

8.2.2

JIS

と同じ 

IDT

8.2.2.1  一般

温度上昇一般についての
規定

IEC 

60077-1

8.2.2.1 

JIS

と同じ MOD/選択

IEC 60077-1

の規定値

と旧 JIS で採用してい

た 日 本 で 実 績 の あ る
規定とは異なるので,

IEC 60077-1

の規定を

種別 1 とし,旧 JIS 
定を種別 2 とした。種
別 1,2 は,選択でき

るようにした。

次回 IEC 改正時に IEC 規格への反映を
検討する。

8.2.2.2  周 囲
の 空 気 温 度
T

a

8.2.2.3  主 回
路 
8.2.2.4  制 御
回路 
8.2.2.5  補 助
回路 
8.2.2.6  絶 縁
材料 
8.2.2.7  端 子
な ど の 導 電

周囲の空気温度(T

a

)につ

いて規定 
 
主回路について規定 
 
制御回路について規定 
 
補助回路について規定 
 
絶縁材料について規定 
 
端子などの導電部につい
て規定

IEC 

60077-1

8.2.2.2 
 
 
8.2.2.3 
 
8.2.2.4 
 
8.2.2.5 
 
8.2.2.6 
 
8.2.2.7 

JIS

と同じ IDT  −

 

62

E 5004-1

 200

5


63

E 5004-1

:2006

(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅱ)  国際
規格番号

(Ⅲ)  国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容

  表示箇所:本体,附属書 
  表示方法:側線又は点線の下線

(Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理由及
び今後の対策

項目

番号

内容

項目

番号

内容

項目ごとの

評価

技術的差異の内容

8.2.2.8  人 が
触 れ る 可 能
性 の あ る 部
分 
8.2.2.9  そ の
他の部分 
8.2.3  運用休
止 か ら 運 用
投 入 す る 場
合 
8.2.4  電磁両
立性(EMC)
8.2.5  可聴騒
音の発生

人が触れる可能性のある

部分について規定 
 
 
その他の部分について規
定 
運用休止状態から運用投

入する場合について規定 
 
 
電磁両立性(EMC)につ
いて規定 
可聴騒音の発生について

規定

IEC 

60077-1

8.2.2.8 
 
 
 
8.2.2.9 
 
8.2.3 
 
 
 
8.2.4 
 
8.2.5 

JIS

と同じ IDT  −

8.2.6  絶縁特

絶縁特性一般について規

IEC 

60077-1

8.2.6

JIS

と同じ MOD/選択

IEC 60077-1

の規定値

と旧 JIS で採用してい

た 日 本 で 実 績 の あ る
規定とは異なるので,

IEC 60077-1

の規定を

種別 1 とし,旧 JIS 
定を種別 2 とした。種
別 1,2 は,選択でき

るようにした。

次回 IEC 改正時に IEC 規格への反映を検
討する。

 

63

E 5004-1

 200

5


64

E 5004-1

:2006

(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅱ)  国際
規格番号

(Ⅲ)  国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容

  表示箇所:本体,附属書 
  表示方法:側線又は点線の下線

(Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策

項目

番号

内容

項目

番号

内容

項目ごとの

評価

技術的差異の内容

8.2.6.3A  絶
縁距離

絶縁距離について規定

規定なし MOD/追加

絶縁特性の種別 2 の規

定として追加した。

次回 IEC 改正時に IEC 規格への反映を

検討する。

8.2.7  開閉過
電圧

開閉動作時の過電圧につ
いて規定

IEC 

60077-1 

8.2.7 

JIS

と同じ 

IDT

8.2.8  動作性
 

動作性能について規定

8.2.8

8.2.9  耐振動
及 び 耐 衝 撃
能力 

耐振動及び耐衝撃能力に
ついて規定

8.2.9

9.  試験 

試験について規定

9

9.1  試 験 の
種類 

試験の種類について規定

9.1

9.1.1  一般 

試験一般について規定

9.1.1

9.1.1A  試 験
項目

試験項目についての規定

規定なし MOD/追加

IEC 60077-1

では記載

がないが,旧 JIS に合
わ せ て 分 か り や す い

ように追加した。

次回 IEC 改正時に IEC 規格への反映を
提案する。

9.1.2  形式試
験 
9.1.3  受渡試
験 
9.1.4  抜取試

形式試験について規定 
 
受渡試験について規定 
 
抜取試験について規定

IEC 

60077-1 

9.1.2 
 
9.1.3 
 
9.1.4

JIS

と同じ 

IDT

9.1.5  調査試

調査試験について規定 

IEC 

60077-1 

9.1.5 

JIS

と同じ 

IDT

64

E 5004-1

 200

5


65

E 5004-1

:2006

(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅱ)  国際
規格番号

(Ⅲ)  国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容

  表示箇所:本体,附属書 
  表示方法:側線又は点線の下線

(Ⅴ) JIS と国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策

項目

番号

内容

項目

番号

内容

項目ごとの

評価

技術的差異の内容

9.1.6  一般的
な試験条件 

一般的な試験条件につい

て規定

9.1.6 JIS と同じ IDT  −

9.1.6A  試 験
場 所 の 共 通

的条件

試験場所の共通的条件に
ついて規定

規定なし MOD/追加

IEC 60077-1

では記載

がないが,旧 JIS に合

わせて追加した。

次回 IEC 改正時に IEC 規格への反映
を検討する。

9.2  構 造 上
の 要 求 に 対
する検証 
9.3  性 能 上
の 要 求 に 対
する検証 
9.3.1  動作限
界 
9.3.2  温度上
昇 
9.3.3  絶縁特
性 
9.3.3.1  一 般
条件

構造上の要求に対する検

証について規定 
 
性能上の要求に対する検

証について規定 
 
動作限界について規定 
 
温度上昇について規定 
 
絶縁特性について規定 
 
絶縁の一般条件について

規定

IEC 

60077-1 

9.2 
 
 
9.3 
 
 
9.3.1 
 
9.3.2 
 
9.3.3 
 
9.3.3.1

JIS

と同じ IDT  −

9.3.3.2  形 式
試験

形式試験について規定 

9.3.3.2

JIS

と同じ IDT  −

 
 

65

E 5004-1

 200

5


66

E 5004-1

:2006

(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅱ)  国際
規格番号

(Ⅲ)  国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容

  表示箇所:本体,附属書 
  表示方法:側線又は点線の下線

(Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策

項目

番号

内容

項目

番号

内容

項目ごとの

評価

技術的差異の内容

9.3.3.2.1  空
間 距 離 及 び
関 連 す る 固
体 絶 縁 の 検

 

空間距離及び関連する固

体絶縁の検証について規

9.3.3.2.1 JIS と同じ IDT  −

9.3.3.2.2  試
験電圧 

試験電圧について規定

9.3.3.2.2 

9.3.3.2.3  試
験 電 圧 の か
け方 

試験電圧のかけ方につい
て規定

9.3.3.2.3 

9.3.3.2.4  沿
面 距 離 の 検
 

沿面距離の検証について
規定

9.3.3.2.4 

9.3.3.3  受 渡
試験 

受渡試験について規定

9.3.3.3 

9.3.3.3.1  一
般条件 

一般条件について規定

9.3.3.3.1 

9.3.3.3.2  試
験電圧

試験電圧について規定

IEC 

60077-1 

9.3.3.3.2

JIS

と同じ 

MOD/選択

IEC 60077-1

の規定値

と旧 JIS で採用してい

た 日 本 で 実 績 の あ る
規定とは異なるので,

IEC 60077-1

の規定を

種別 1 とし,旧 JIS 
定を種別 2 とした。種
別 1,2 は,選択でき

るようにした。

次回 IEC 改正時に IEC 規格への反映を
検討する。

 

66

E 5004-1

 200

5


67

E 5004-1

:2006

(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅱ)  国際
規格番号

(Ⅲ)  国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容

  表示箇所:本体,附属書 
  表示方法:側線又は点線の下線

(Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策

項目

番号

内容

項目

番号

内容

項目ごとの

評価

技術的差異の内容

9.3.3.3.3  取
付 ぎ 装 前 又
は 取 付 ぎ 装
後 の 電 気 品

グ ル ー プ へ
の適用

取付ぎ装前又は取付ぎ装

後の電気品グループへの
適用について規定 

IEC 

60077-1 

9.3.3.3.3 
 
 
 
 

JIS

と同じ 

MOD/選択

IEC 60077-1

の規定値

と旧 JIS で採用してい
た 日 本 で 実 績 の あ る
規定とは異なるので,

IEC 60077-1

の規定を

種別 1 とし,旧 JIS 
定を種別 2 とした。種

別 1,2 は,選択でき
るようにした。

次回 IEC 改正時に IEC 規格への反映を

検討する。

9.3.4  動作性
能の能力 
9.3.4.1  一般

動作性能の能力 
 
一般についての規定

IEC 

60077-1 

9.3.4 
 
9.3.4.1

JIS

と同じ 

IDT

9.3.4.2  空 気
機 器 の 気 密
試験 

空気機器の気密試験の規
定 

IEC 

60077-1 

9.3.4.2

JIS

と同じ 

MOD/選択

IEC 60077-1

の規定値

と旧 JIS で採用してい
た 日 本 で 実 績 の あ る

規定とは異なるので,

IEC 60077-1

の規定を

種別 1 とし,旧 JIS 

定を種別 2 とした。種
別 1,2 は,選択でき
るようにした。

次回 IEC 改正時に IEC 規格への反映を
提案する。

 
 

67

E 5004-1

 200

5


68

E 5004-1

:2006

(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅱ)  国際
規格番号

(Ⅲ)  国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容

  表示箇所:本体,附属書 
  表示方法:側線又は点線の下線

(Ⅴ) JIS と国際規格との技術的差異の理由及
び今後の対策

項目

番号

内容

項目

番号

内容

項目ごとの

評価

技術的差異の内容

9.3.4.2A  空
気漏れ試験

空気漏れ試験について規

規定なし MOD/追加

IEC 60077-1

では記載

がないが,旧 JIS に合
わせて追加した。

次回 IEC 改正時に IEC 規格への反映を

提案する。

9.3.4.3  油 圧
装 置 の 漏 れ

試験 
9.3.4.4  耐 久
力 
 
9.3.4.5  保 護
装置,リレー

類 の 設 定 及
び 動 作 の 確

油圧装置の漏れ試験につ
いて規定 
 
耐久力一般についての規
定 
 
保護装置,リレー類の設定
及び動作の確認について

の規定

IEC 

60077-1 

9.3.4.3 
 
 
9.3.4.4 
 
 
9.3.4.5 
 

JIS

と同じ 

IDT

9.3.5  振動及
び衝撃

振動及び衝撃についての
規定

IEC 

60077-1 

9.3.5

JIS

と同じ 

MOD/選択

IEC 60077-1

の規定値

と旧 JIS で採用してい

た 日 本 で 実 績 の あ る
規定とは異なるので,

IEC 60077-1

の規定を

種別 1 とし,旧 JIS 
定を種別 2 とした。種
別 1,2 は,選択でき

るようにした。

種別 1,2 は全く異なる試験方法であり,
しかも種別 2 は日本における長年の実績

があり,しばらくは種別 1,2 の選択と
なる。

9.3.6  電磁両
立性

電磁両立性について規定 

IEC 

60077-1 

9.3.6 

JIS

と同じ 

IDT

68

E 5004-1

 200

5


69

E 5004-1

:2006

(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅱ)  国際
規格番号

(Ⅲ)  国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容

  表示箇所:本体,附属書 
  表示方法:側線又は点線の下線

(Ⅴ) JIS と国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策

項目

番号

内容

項目

番号

内容

項目ごとの

評価

技術的差異の内容

9.3.7  可聴騒
音の発生

可聴音の発生について規

定 

IEC 

60077-1 

9.3.7 
 

JIS

と同じ 

IDT

9.3.8  環境試
 

環境試験について規定

9.3.8 JIS と同じ IDT  −

附属書 A

(規定)

沿面距離及び空間距離の

測定

IEC 

60077-1

附属書 A

JIS

と同じ 

IDT

附属書 B 
(参考)

定義した用語間の関係

IEC 

60077-1

附属書 B

JIS

と同じ 

IDT

附属書 C 
(参考)

空間距離及び沿面距離の
決め方

IEC 

60077-1

附属書 C

JIS

と同じ 

IDT

附属書 1 
(参考)

環境条件の分類 
JIS C 60721-3-5 の抜粋)

 

規定なし MOD/追加

IEC 60721-3-5

の内容の抜粋。

附属書 2 
(参考)

電気絶縁材料の耐トラッ
キング性の等級 
(IEC 60587 の抜粋)

 

規定なし MOD/追加

IEC 60587

の内容の抜粋。

JIS と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD

69

E 5004-1

 200

5


70

E 5004-1

:2006

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  IDT………………  技術的差異がない。

    ―  MOD/削除………  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
    ―  MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    ―  MOD/変更………  国際規格の規定内容を変更している。

    ―  MOD/選択………  国際規格の規定内容と別の選択肢がある。

2.

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  MOD……………  国際規格を修正している。

70

E 5004-1

 200

5