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日本工業規格

JIS

 E

4710

-1995

鉄道車両−防振ゴム通則

Railway rolling stock

−Rubber vibration

isolators

−General requirement

1.

適用範囲  この規格は,主として振動の伝達防止,又は緩衝のため,鉄道車両に用いる防振ゴム(以

下,防振ゴムという。

)の一般事項について規定する。

備考1.  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS B 0405

  普通公差−第 1 部:個々に公差の指示がない長さ寸法及び角度寸法に対する公差

JIS C 1302

  絶縁抵抗計

JIS E 4001

  鉄道車両用語

JIS E 4031

  鉄道車両部品−振動試験方法

JIS G 3101

  一般構造用圧延鋼材

JIS G 3193

  熱間圧延鋼板及び鋼帯の形状,寸法,質量及びその許容差

JIS G 3445

  機械構造用炭素鋼鋼管

JIS K 6256

  加硫ゴムの接着試験方法

JIS K 6385

  防振ゴムの試験方法

JIS K 6386

  防振ゴムのゴム材料

JIS K 6394

  加硫ゴムの動的性質試験方法

2.

この規格中で  {  }  を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,参

考として併記したものである。

2.

用語の定義  この規格で用いる用語の定義は,JIS E 4001 による。

3.

種類  防振ゴムは用途によって表 のとおり区分し,又は使用箇所の区別によって表 のとおり分類

する。

表 1  防振ゴムの区分

区分

備考

1

正確な静的ばね定数を必要とするもの

2

正確な静的荷重−たわみ特性を必要とするもの

3

ゴム硬さの指定を必要とするもの


2

E 4710-1995

表 2  防振ゴムの分類

番号

分類

区分

1

軸ばね本体

1

2

軸ばね・枕ばね防振ゴム

1

種,3 種

3

ボルスタアンカ防振ゴム

1

種,3 種

4

車軸軸受スラスト受防振ゴム

1

種,3 種

5

側受防振ゴム

1

種,3 種

6

オイルダンパ防振ゴム

1

種,2 種,3 種

7

けん引装置用防振ゴム

1

8

主電動機・駆動装置支持防振ゴム

1

種,3 種

9

ディーゼル機関支持防振ゴム

1

10

附属装置支持防振ゴム

1

種,3 種

11

左右動ストッパ防振ゴム

2

12

大歯車用防振ゴム

1

13

弾性軸継手

1

4.

接着の強さ  防振ゴムの金具とゴムとを加硫接着する場合の接着強さは,試験片で JIS K 6256 又は

JIS K 6301

の 8.(金属と加硫ゴムとの接着試験)による試験を行ったとき,

表 のとおりとする。

表 3  接着の強さ

室温

接着の強さ

20

∼30℃ 5.3N/mm

2

{54kgf/cm

2

}

以上

70

(

1

) 3.8N/mm

2

{38.7kgf/cm

2

}

以上

(

1

)

特殊検査の場合に適用する。

5.

形状・寸法  防振ゴムの形状・寸法は,発注者が承認した図面(以下,図面という。)又は受渡当事者

間の協定によるものとし,特に図面に指定がない寸法許容差は

表 のとおりとする。ただし,金具の寸法

許容差は加工時において,JIS B 0405 の中級とし,板厚の許容差は JIS G 3193 による。

表 4  寸法許容差

単位 mm

寸法

寸法許容差

 10

以下

±0.5

10

を超え 20 以下

±0.6

20

を超え 30 以下

±0.8

30

を超え 50 以下

±1.0

50

を超え 80 以下

±1.2

50

を超え120 以下

±1.4

120

を超え180 以下

±1.6

180

を超え250 以下

±2.0

備考  寸法 250mm を超えるものの寸法許容差は,±

0.8%

とする。

6.

外観  防振ゴムの外観は,表面が滑らかで,接着部のはがれその他の欠陥があってはならない。

7.

材料  防振ゴムの材料は,次のとおりとする。


3

E 4710-1995

(1)

防振ゴムに用いるゴム材料は,JIS K 6386 による。

(2)

防振ゴムの金具に用いる材料は,JIS G 3101 の SS400 及び JIS G 3445 の STKM とし,特に指定がある

場合は受渡当事者間の協定による。

8.

試験

8.1

試験項目  防振ゴムの試験項目は,表 のとおりとする。ただし,使用目的によって,受渡当事者

間の協定でその一部を省略することができる。

表 5  試験項目

区分

試験項目

製品による試験

静的ばね定数試験

硬さ試験

接着性試験

静的荷重−たわみ特性試験

絶縁抵抗試験

動的ばね定数−減衰係数測定試験

疲労試験

クリープ試験

ゴム材料試験

引張試験  引張強さ

伸び

低伸張応力試験(

2

)

老化試験(変化率)

オゾン劣化試験

接着強さ試験

圧縮永久ひずみ試験

浸せき試験(変化率)(

3

)

(

2

)

製品による試験において,静的ばね定数試験又は硬さ試験,静的荷
重−たわみ特性試験が指定されている場合は,ゴム材料試験の低伸
張応力試験を省略できる。

(

3

)

浸せき試験(変化率)を行うものは,JIS K 6386 の 3.(呼び)B 及
び C に限る。

8.2

試験方法  防振ゴムの試験方法は,表 の製品による試験及びゴム材料試験について,JIS K 6385

による。ただし,接着性試験,静的荷重−たわみ特性試験,絶縁抵抗試験,動的ばね定数−減衰係数測定

試験,疲労試験及びクリープ試験は,8.2(1)8.2(6)による。

なお,製品による試験の試料は,加硫後 24 時間経過したものでなければならない。

(1)

接着性試験  接着性試験とその試験荷重は,次による。

(a)

引張りによる試験荷重は,

表 のとおりとする。

(b)

せん断による試験荷重は,

表 

3

1

とする。

(c)

引張り又はせん断によって接着性試験を行い難い場合には,圧縮によって試験することができる。

この場合の試験荷重は,

表 の試験荷重の 3 倍とする。


4

E 4710-1995

表 6  試験荷重

接着面積  Acm

2

試験荷重  N {kgf}

30

以下 200A {20.4A}

30

を超え 150 以下 160A {16.3A}

150

を超え 300 以下 120A {12.2A}

300

を超えるもの 100A {10.2A}

備考1.  は,ゴムの接着面積 (cm

2

)

を表す。

2.

接着面積を異にする二つ以上の接着面をもつ場合に
は,最小の接着面積を適用する。

(2)

静的荷重−たわみ特性試験  静的ばね定数試験に準じて,防振ゴムの荷重−たわみ特性を求める。

(3)

絶縁抵抗試験  絶縁抵抗試験は,次による。

(3.1)

試料  試料は,ゴムの表面には水分やごみなどがないよう十分清掃されたものであること。

(3.2)

試験装置  試験装置は,JIS C 1302 に規定する表 の種類のものを使用する。

表 7  種類

定格測定電圧(直流)V

  500

1 000

2 000

有効最大目盛値  M

 1 000

2 000

1 000

5 000

(3.3)

試験方法

(a)

常態試験  試料の製品がゴムだけの場合は,実用の相手部品,又は模擬した金具を電極として測定

する。製品がゴムと金具からなる場合は,相手部品と接する金具を電極として測定する。ただし,

電極とする金具表面は,金属の面とする。

(b)

変形試験  試料の製品を圧縮又はせん断方向に変形させて測定する。変形率は,表 のとおりとす

る。

なお,圧縮装置又はジグを使用して,圧縮又はせん断方向に変形させるときは,絶縁板などを使

用する。

表 8  変形率

方向

変形率

圧縮

圧縮方向のゴム厚さの 15%

せん断

圧縮方向のゴム厚さの 50%

(4)

動的ばね定数−減衰係数測定試験  動的ばね定数−減衰係数測定試験は,JIS K 6394 の 7.1(非共振方

法)による。

(5)

疲労試験  疲労試験は,次による。

(5.1)

試験装置  試験装置は,電気−油圧加振機,又は機械式加振機を用いて,試料に正弦波の繰返し荷

重,又は繰返し変位を与えることができる装置を用いる。

(5.2)

試験方法

(5.2.1)

加振振動数及び繰返し回数  加振振動数は表 から,繰返し回数は表 10 から選択する。また,方向

及び荷重(変位)は,JIS E 4031 の 4.5(振動の与え方)及び 5.3(振動耐久試験)による。試験室

の温度は,20∼30℃とし,試験中における試料の冷却は,空冷とする。

なお,これらによれない場合は,受渡当事者間の協定による。

表 9  加振振動数

加振振動数  Hz 1  1.5  3  5  8  10


5

E 4710-1995

表 10  繰返し回数

繰返し回数  ×10

5

1 2.5 5  10 30 50 100

(5.2.2)

疲労試験の終了  試料が,次のいずれかの条件を満たしたときに,試験を終了する。

(a)

規定の繰返し回数に達したとき。

(b)

静的ばね定数が,初期数値に比較して 30%変化したとき。

(c)

き裂,接着はく離の大きさが,ゴム断面積の 10%に達したとき。

(d)

金具に割れが生じたとき。

(6)

クリープ試験  クリープ試験は,次による。

(a)

試験装置  試験装置は,重錘試験機,又は試験期間中所定の定荷重を加えられる装置を用いる。

(b)

試験方法  試験は,試料に所定の荷重を加え,この時点から時間経過に伴う試料の高さの変化及び

室温を測定する。試験室の温度は,特に指定のない限り 23±2℃に保持しなければならない。

試験荷重及び試験期間は,図面指示又は受渡当事者間の協定による。

9.

検査  防振ゴムの検査は,表 11 のとおりとする。検査の種類は,完成検査,形式検査及び特殊検査の

3

種類とする。

表 11  検査項目

項目

完成検査

形式検査

特殊検査

該当箇条番号

形状・寸法検査

5.

外観検査

6.

静的ばね定数検査

8.2

硬さ検査

8.2

接着性検査

8.2(1)

静的荷重・たわみ特性検査

8.2(2)

絶縁抵抗検査

8.2(3)

動的ばね定数−減衰係数測定検査

8.2(4)

疲労検査

8.2(5)

クリープ検査

8.2(6)

ゴム材料検査

8.2

備考1.  完成検査のうち,外観検査は全数について行い,その他は受渡当事者間の協定

によって,抜取検査とすることができる。

また,静的ばね定数検査,硬さ検査及び静的荷重−たわみ特性検査は,

表 1

(防振ゴムの区分)によって選択する。

なお,特に図面に指定がある場合は,それによる。

2.

形式検査は,新設計ごと,設計変更時及び初回製造時について行う。

3.

特殊検査は,受渡当事者間の協定によって,必要に応じて行う。

10.

表示  防振ゴムには,図面で指定する位置に,次の事項を表示しなければならない。

(1)

製造業者名又はその略号

(2)

製造年月


6

E 4710-1995

鉄道車両−防振ゴム通則 JIS 改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

岡  本      勲

財団法人鉄道総合技術研究所

山  村  修  蔵

工業技術院標準部運輸航空規格室

細  川  幹  夫

通商産業省基礎産業局化学製品課

秋  元  孝  生

運輸省鉄道局技術企画課

箕  田      誠

運輸省鉄道局保安車両課

野  元      浩

東日本旅客鉄道株式会社鉄道事業本部運輸車両部

水  野      勇

東海旅客鉄道株式会社東海鉄道事業本部車両部

杁  江  利  光

西日本旅客鉄道株式会社鉄道本部車両部

柳  生  宏  義

日本貨物鉄道株式会社鉄道事業本部運輸車両部

黒  田  武  定

社団法人日本民営鉄道協会

芳  賀  勝  彦

京王帝都電鉄株式会社車両部

村  上  武  文

阪急電鉄株式会社鉄道本部車両部

片  平  耕  介

株式会社新潟鉄工所交通システム技術室

高  井  英  夫

株式会社日立製作所笠戸工場車両設計部

米  田  源司朗

近畿車輌株式会社車両事業本部設計部

丸  喜  繁  雄

東海ゴム工業株式会社産業用品事業部

(主査)

林      道  雄

東洋ゴム工業株式会社 R&P 営業本部

長  部  欽  一

日立電線株式会社ゴム事業部

竹  口  和  雄

株式会社ブリヂストン工業用品直需本部

相  原  行  雄

横浜ゴム株式会社航空部品事業部航空部品販売部

(事務局)

小笠原  静  夫

社団法人日本鉄道車輌工業会

太  田      治

社団法人日本鉄道車輌工業会

備考  ○印は,小委員会委員を示す。