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E 4603

:2009

(1) 

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義 

1

4

  使用条件

2

4.1

  周囲温度 

2

4.2

  振動及び衝撃 

3

4.3

  湿度

3

4.4

  特殊使用条件 

3

4.5

  電源

3

5

  速度計装置の構成及び種類 

3

5.1

  速度計装置の構成

3

5.2

  発電部

3

5.3

  補償変換部 

4

5.4

  表示部

4

6

  製品情報

4

6.1

  一般

4

6.2

  情報の種類 

4

6.3

  表示

6

7

  性能上の要求事項

6

7.1

  速度計装置 

6

7.2

  発電部

6

7.3

  補償変換部 

6

7.4

  表示部

7

8

  構造上の要求事項

8

8.1

  形状及び寸法 

8

8.2

  外観

8

8.3

  発電部

8

8.4

  補償変換部 

9

8.5

  表示部

9

9

  試験

12

9.1

  試験の種類 

12

9.2

  試験項目 

12

9.3

  試験条件 

13

9.4

  試験方法 

14


E 4603

:2009  目次

(2) 

ページ

10

  製品の呼び方 

16


E 4603

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(3) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本鉄道

車輌工業会(JARI)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS E 4603:1991 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。


   

日本工業規格

JIS

 E

4603

:2009

鉄道車両−速度計装置

Rolling stock-Speedometer equipment

序文 

この規格は,1973 年に制定され,その後 1 回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は 1991 年に

行われたが,その後のデジタル式速度計装置の採用などに対応するために改正した。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

適用範囲 

この規格は,鉄道車両の運転台に走行速度を表示するために用いる速度計装置の特性及び試験方法につ

いて規定する。ただし,この規格の 7.1 d)  を除いて,鉄道事業者での車両の保全後の試験には適用しない。

また,運転台の速度表示に用いない発電部には,この規格は適用しない。

注記  この規格は,速度計装置の特性について規定するものであるが,この規格によって適合性評価

を行うことは,意図していない。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 1102-1

  直動式指示電気計器−第 1 部:定義及び共通する要求事項

JIS C 1102-2

  直動式指示電気計器    第 2 部:電流計及び電圧計に対する要求事項

JIS C 1102-9:1997

  直動式指示電気計器    第 9 部:試験方法

JIS C 1103:1984

  配電盤用指示電気計器寸法

JIS E 4001

  鉄道車両用語

JIS E 4031

  鉄道車両用品−振動及び衝撃試験方法

JIS E 5004-1:2006

  鉄道車両−電気品−第 1 部:一般使用条件及び一般規則

JIS E 5006:2005

  鉄道車両−電子機器

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 1102-1 及び JIS E 4001 によるほか,次による。

3.1 

発電部 

鉄道車両の走行速度を検出するために設けられた出力発生装置。


2

E 4603

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3.2 

補償変換部 

発電部の出力を入力として,発電部の特性補償,車輪径補償などを行い,表示部に出力するのに適切な

電圧,電流又は周波数に変換する構成部。

3.3 

表示部 

補償変換部の出力によって,走行速度を表示する直動式指示計又は電子式表示器。

3.3.1 

直動式指示計 

指示装置が機械的に結合されている可動素子によって駆動される計器で構成し,目盛板を速度目盛とし

た表示部。JIS C 1102-2 による永久磁石可動コイル形の電流計又は電圧計を使用する。

3.3.2 

電子式表示器 

電子的手段を用いて,アナログ又はデジタルの入力量を数字及び/又は図形を用いて,走行速度を表示

する表示部。

3.3.3  

応答時間 

表示速度が走行速度の変化に追随して変化するまでの時間。

3.3.4 

表示の更新時間 

電子式表示器の表示速度を演算結果によって,次の表示に切り替えるまでの時間。これは,補償変換部

の速度サンプリング時間,演算方式及びヒューマンファクタに依存する。

3.4 

総合正確度 

発電部,補償変換部及び表示部を組み合わせたときの走行速度に対する表示速度の正確度。

3.5 

車輪径補償 

車輪径が変化した場合,走行速度に対する表示速度の誤差を削減するように補償する手段。

3.6 

周囲温度 

速度計装置を構成する機器の周囲の空気温度。

使用条件 

4.1 

周囲温度 

速度計装置の動作温度及び保存温度は,

表 による。ただし,受渡当事者間の協定によって,高温又は

低温の限度を別途規定することができる。


3

E 4603

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表 1−速度計装置の動作温度及び保存温度 

単位  ℃

補償変換部

表示部

発電部

アナログ式

デジタル式

直動式指示計

電子式表示器

動作温度

−10∼+50

−10∼+50

−10∼+50

−10∼+50

保存温度

−25∼+50

−20∼+70

−20∼+50

−20∼+70

−20∼+50

注記  保存温度は,速度計装置に電気的な入力を加えない状態で,保存及び放置してよい周囲温

度。

4.2 

振動及び衝撃 

速度計装置は,JIS E 4031 に規定されているように,車両への取付部位に応じて,使用中に受ける可能

性のある振動及び衝撃の範囲全体にわたる周波数及び加速度レべルに耐えなければならない。

4.3 

湿度 

受渡当事者間で特に協定しない限り,気温 40  ℃以下において,相対湿度の上限は,90  %∼95  %の範

囲とする。

注記  JIS E 5006 の種別 参照。

4.4 

特殊使用条件 

使用条件が,4.14.3 と異なる場合は,受渡当事者間の協定によって,特殊条件を定めなければならな

い。

特殊な使用条件の有効性を確認する必要がある場合,受渡当事者間の協定によって,鉄道車両そのもの

で行うための調査試験を規定することができる。

4.5 

電源 

速度計装置に給電される電圧は,

速度計装置の規定された定格動作電圧である。

供給電圧の変動範囲は,

表 による。

表 2−供給電圧の変動範囲 

単位  V

速度計装置の 
定格動作電圧

電源の公称電圧

電圧の変動範囲

100 87

70∼110

28 24

18∼ 32

注記 1  速度計装置の定格動作電圧が 28 V の回路は,国内では通常“24 V 回

路”といわれており,気動車などで使用されている回路である。

注記 2  定格動作電圧及び公称電圧は,JIS E 5004-1 の 5.1 を参照。

速度計装置の構成及び種類

5.1 

速度計装置の構成 

速度計装置は,発電部,補償変換部及び表示部で構成し,それぞれの構成部の機能及び種類は,5.25.4

による。

5.2 

発電部 

5.2.1 

発電部の機能 

発電部は,誘導子式とし,車軸,歯車箱及び主電動機に設けられた歯車又は専用の誘導子を用いて,磁

路の磁気抵抗を変化させ,速度に比例した周波数の交流電圧を出力する。


4

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5.2.2 

発電部の種類 

発電部の種類は,取付部位によって

表 のとおり区分する。

表 3−発電部の取付部位による種類 

種類

取付部位

車軸端取付形

発電部を車軸端の軸受箱に設ける方式。この方式には,車軸に誘導子を直接取り
付ける方式と駆動ピンによって駆動円板で誘導子を回転する方式とがある。

電動機取付形

電動機の鏡ふた(蓋)などに設ける方式。この方式は,電動機の回転子軸端に設

けられた歯車を誘導子に利用する。

歯車箱取付形  歯車箱に設ける方式。この方式は,大歯車又は小歯車を誘導子に利用する。

5.3 

補償変換部 

5.3.1 

補償変換部の機能 

補償変換部は,発電部の出力を入力し,設定された車輪径補正又は演算を行い,表示部に速度を表示す

るためのアナログ信号(電圧又は電流)又はデジタル信号に変換し,出力する。

補償変換部の負荷は,通常表示部(指示計)を 2 個まで接続できるものとする。

5.3.2 

補償変換部の種類 

補償変換部の種類は,演算方式によって

表 のとおり区分する。

表 4−補償変換部の種類 

種類

演算方式

A 形

別電源を必要とするアナログ演算方式

B 形

別電源を必要としないアナログ演算方式

C 形

デジタル演算方式

5.4 

表示部 

5.4.1 

表示部の機能 

表示部は,運転室の運転士に見やすい位置に取り付けられ,表示する鉄道車両の走行速度を容易に読み

取れるものとする。

5.4.2 

表示部の種類 

表示部の種類は,表示方式によって

表 のとおり区分する。

表 5−表示部の種類 

種類

表示方式

直動式指示計

JIS C 1102-2

による電流計又は電圧計で,目盛板を速度目盛として表示するもの。

電子式表示器

電子的手段を用いて,アナログ又はデジタルの入力量を速度の単位で表示するもの。表

示方式には,数字表示,図形表示及び数字・図形の複合表示式がある。

製品情報 

6.1 

一般 

一般的な性能及び要求事項は,この規格によって規定する。受渡当事者間で協定した内容は,図面を含

む仕様書で規定してもよい。

6.2 

情報の種類 

速度計装置は,次の各部の特性項目を製造業者の仕様書又は取扱説明書に記載しなければならない。


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a) 

発電部 

1) 

発電方式

2) 

出力数

3) 

出力位相差

4) 

速度(又は回転速度)と発生周波数との関係

5) 

速度(又は回転速度)又は周波数と出力電圧との関係

6) 

負荷抵抗

7) 

コイル抵抗

8) 

絶縁抵抗及び耐電圧試験

9) 

誘導子とコイルを巻いた磁極との間隔(誘導子を内蔵しない方式の場合。

10) 

質量

b) 

補償変換部 

1) 

最大入力周波数

2) 

車輪基準径

3) 

車輪径補償範囲

4) 

車輪径補正間隔(ピッチ)

5) 

入力周波数−出力電流特性又は出力周波数特性

c) 

表示部 

1) 

直動式指示計 

1.1) 

定格電流

1.2) 

内部抵抗

1.3) 

測定量の単位(km/h)

1.4) 

最高指示速度(最大速度目盛)

1.5)

階級(JIS C 1102-1 による階級指数)

1.6) 

動作原理(JIS C 1102-1 の表示記号による。

1.7) 

計器の取付姿勢(JIS C 1102-1 の表示記号による。

1.8) 

取付板の種類(指定が必要な場合は,JIS C 1102-1 の表示記号を表示する。

2) 

電子式表示器 

2.1) 

表示方式(数字又は図形)

2.2) 

表示デバイス[例えば,LED(発光ダイオード)

,LCD(液晶)など。

2.3) 

表示の大きさ(画面サイズ又は文字サイズ)

2.4) 

表示の色

2.5) 

表示の細かさ(表示分解能)

2.6) 

最大表示(可能)速度

2.7) 

応答時間

2.8) 

表示の更新時間

2.9) 

表示輝度

2.10) 

輝度調整の方法

2.11) 

寿命

2.12) 

表示速度の入力信号


6

E 4603

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6.3 

表示 

速度計装置の各構成部には,次の項目を表示する。表示は,消えずに,かつ,明りょう(瞭)でなけれ

ばならない。

a)

製造業者名又はその略号

b)

形式

c)

製造番号及び/又は製造年月

性能上の要求事項 

7.1 

速度計装置 

速度計装置の性能上の要求事項は,次による。

a) 

絶縁抵抗  電気回路と外箱との間及び電気回路相互間の絶縁抵抗は,9.4.1.1 の試験によって表 の値

以上でなければならない。 

表 6−絶縁抵抗 

単位  MΩ

測定部

絶縁抵抗値

電気回路と外箱との間 10

電気回路相互間 5

b) 

耐電圧  電気回路と外箱との間の耐電圧試験の試験電圧の規定値は,JIS E 5004-1 の 9.3.3.3.2 による。 

c) 

外気温度の影響  9.4.1.5 によって試験したとき,表示速度の差は,表示速度の最大目盛の±1.0  %以

内とする。 

d) 

総合正確度  総合正確度は,9.4.1.4 によって試験を行ったとき,表 による。 

ただし,総合正確度には,実際の車輪径と補償変換部の車輪径の設定値との差に起因する表示速度

の誤差は,含めない。

表 7−総合正確度 

正確度

基準温度 20  ℃における許容差

2.0

速度の最大目盛値の±2.0  %

3.5

a)

速度の最大目盛値の±3.5  %

a)

  最高指示速度が 80 km/h 以下で,更に,やむ

を得ず計器寸法を小形のものとする場合に

だけ用いる。

e) 

耐振動性及び耐衝撃性  4.2 及び 9.4.1.6 に規定される振動及び衝撃に耐えるものとする。 

f) 

耐久性  9.4.1.7  によって試験し,装置の構成部に電気的又は機械的損傷を生じないものとする。 

7.2 

発電部 

発電部の発生電圧は,指定の取付け状態において,9.4.2 によって試験を行ったとき,受渡当事者間で協

定した範囲内でなければならない。

7.3 

補償変換部 

補償変換部の性能上の要求事項は,次による。

a) 

車輪径の補償範囲  最大設定値は,速度計装置を設置する車両の車輪の新製時の車輪径以上とし,最

小設定値は,車輪の使用限界の車輪径以下とする。 


7

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表 に車輪の呼び径に対する補償範囲の例を示す。

表 8−車輪径の補償範囲の例 

単位  mm

車輪の呼び径

補償範囲

660 670∼590 
860 870∼770 
910 920∼830

1 120

1 130∼1 020

b) 

出力電流の許容差  指定の入力電圧及び周波数における出力電流の許容差は,指定の負荷を接続した

とき,指定の電流の±1  %とする。 

c) 

演算方式  表示速度は,表示速度の有効けたの 1 けた下までを演算する。 

7.4 

表示部 

7.4.1 

直動式指示計 

直動式指示計の性能上の要求事項は,JIS C 1102-1 及び JIS C 1102-2 によるほか,次による。

a) 

定格電流  定格電流の値は,表 によって選択し,受渡当事者間で協定する。 

注記  定格電流は,速度の最大目盛値に対する電流とする。

表 9−直動式指示計の定格電流 

単位  mA

指示計の定格電流

2 3 5 6.5

b) 

蛍光発光板の定格電圧  蛍光発光板の定格動作電圧は,交流 100 V とし,周波数は 50 Hz 又は 60 Hz

とする。 

c) 

内部抵抗  内部抵抗の標準抵抗値は,表 10 によって選択し,受渡当事者間で協定する。抵抗値の許容

差は,±1  %とする。 

表 10−直動式指示計の内部抵抗 

単位  Ω

指示計の内部抵抗

50 100 200 300

d) 

直動式指示計の階級及び固有誤差の限度  階級及び固有誤差の限度は,表 11 による。ただし,固有誤

差は,速度の最大目盛値に対する百分率で表す。

表 11−直動式指示計の階級及び固有誤差の限度 

指示計

a)

階級

固有誤差の限度

KW3a,KW3b 1.5

±1.5

KW6 2.5

±2.5

a)

  8.5.1 a)  参照。

e) 

動作原理及び周波数特性  直動式指示計は,可動コイル形とし,単独の試験は,平滑直流電源による

ものとする。ただし,使用する周波数範囲の脈流を流したとき,著しい誤差を生じてはならない。 


8

E 4603

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f) 

制動能力  9.4.4.1 c)によって試験し,指針の静止までの時間は 4 秒以内でなければならない。また,

指針の静止するまでの振動回数は,1 回以内でなければならない。 

g) 

摩擦レベル  9.4.4.1 d)によって試験し,目盛の長さの 0.6  %を超えてはならない。ただし,外形・寸

法が KW6 の直動式指示計は,1.0  %とする。 

h) 

温度の影響  9.4.4.1 e)によって試験を行い,温度による影響変動値の許容限度は 1.0  %とする。 

7.4.2 

電子式表示器 

電子式表示器の性能上の要求事項は,次による。

a) 

固有誤差  速度表示誤差の限度は,9.4.4.2 a)によって試験を行い,最大目盛値の±1.5  %とする。 

b) 

応答時間  9.4.4.2 b)によって試験を行い,4 秒以内にその速度に到達し,かつ,静止する。 

c) 

表示の刻み性能 

1)

数字表示の場合,表示速度の刻みは,1 km/h 以下とする。

2)

図形表示の場合,表示速度の刻みは,2 km/h 以下とする。

d) 

輝度調整性能(表示の明るさ)  運転台に設置した状態で,太陽光下においても容易に視認できる輝

度とする。また,周囲の明るさに応じて,表示輝度を調整できる構造とする。輝度調整性能は,受渡

当事者間の協定による。 

e) 

電源電圧の変動範囲  電源電圧の変動範囲は,表 による。 

f) 

使用温度範囲  電子式表示器の使用温度範囲は,表 による。 

g) 

消費電力量  電子式表示器の消費電力量は,受渡当事者間の協定による。 

h) 

耐ノイズ性  電子式表示器の耐ノイズ性は,受渡当事者間の協定による。 

i) 

耐電源変動特性  瞬時停電,突入電流などの電源変動に対する特性は,受渡当事者間の協定による。 

j) 

寿命  電子式表示器の寿命は,受渡当事者間の協定によって,ヒートサイクル試験,エージング試験

及び加速寿命試験によって確認する。 

構造上の要求事項 

8.1 

形状及び寸法 

装置の構成部の形状及び寸法は,受渡当事者間の協定による。ただし,直動式指示計の寸法は,8.5.1 

a)

による。

8.2 

外観 

速度計装置の構成部は,品質が均一で,仕上がりが良好であり,使用上有害なきず及びその他の欠陥が

あってはならない。

8.3 

発電部 

発電部の構造は,次による。

a)

発電部のコイルは,断線のおそれが少ない構造とする。

b)

発電部の出力取出し用電線は,断線しにくい電線を用い,その出口部には,適切な保持具を設ける。

c)

発電部に用いる永久磁石は,磁力の経年変化が少ない磁石を用いる。

d) 

車軸端取付形の発電部は,軸受箱のグリースによる影響を受けずに,更に,発電部からグリース漏れ

を生じない構造とする。また,車軸の超音波探傷に支障が少ない取付方法とする。

e)

電動機取付形の発電部及び歯車箱取付形の発電部では,歯車箱の潤滑油による影響を受けずに,更に,

発電部から油漏れを生じない構造とする。


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8.4 

補償変換部 

補償変換部の構造は,次による。

a)

部品は,経年変化が少なく,しかも温度の影響を受けにくい部品を使用する。

b)

車輪径の変化に対して,次のように容易に補償できる構造とする。

−  補償のための車輪径の設定は,連続式又は切替式とする。

−  切替式の場合,設定する車輪径の切替え間隔は,最大 10 mm とする。

−  設定した車輪径を容易に確認できる構造とする。

c)

表示部(直動式指示計)の接続個数に応じ,容易に補償変換部の出力側端子のつなぎ替えができるも

のとする。

d)

電源用入力端子,発電部入力端子及び表示部(指示計)用出力端子は,区別ができるように表示する。

8.5 

表示部 

8.5.1 

直動式指示計 

直動式指示計の構造は,次による。

a) 

寸法  直動式指示計の寸法は,表 12 に示す文字記号とし,寸法及び形状は,JIS C 1103 の 4.(寸法及

び形状)による。 

表 12−直動式指示計の寸法 

指示計の文字記号

KW3a KW3b  KW6

なお,形状及び寸法は,KW3a  によることが望ましい。

車内信号付きの指示計の形状及び寸法は,受渡当事者間の協定による。

b) 

表示速度の最大目盛  表示速度の最大目盛は,車両の運転最高速度以上とし,表 13 の値から選択する

ことが望ましい。 

表 13−直動式指示計の表示速度の最大目盛 

単位  km/h

最高表示速度(速度最大目盛)

60 80

(90)

a)

 100 120 130 140 150 160

a)

  なるべく用いない。

c) 

目盛板  直動式指示計の外観は,受渡当事者間の協定がない場合,次による。 

1)

目盛板は,白地,黒地又は銀なし地とし,長時間使用しても,退色及び変色が少ないものとする。

蛍光発光板を用いるものでは,その発光色は淡緑色とする。

2)

指針の先端,目盛板上の文字及び目盛線の色は,通常黒とする。ただし,目盛板が黒地の場合は,

白とする。

3)

目盛の数字及び刻みは,

表 14 による。

最高指示速度が 90,130 及び 150 の直動式指示計では,それぞれ,目盛数字 90,130 及び 150 を

記入してもよい。

目盛板の例は,

図 による。


10

E 4603

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表 14−直動式指示計の目盛の数字及び刻み 

目盛の刻み

指示計
の寸法

表示速度の
最大目盛値

目盛の数字

小目盛

中目盛

大目盛

60 0,10,20,30,40,50,60 1

5

10

KW 3 a ,

KW 3 b

80 
(90)

 a)

100 
120 
130 
140 
150 
160

0,20,40,60,80 
0,20,40,60,80 
0,20,40,60,80,100 
0,20,40,60,80,100,120 
0,20,40,60,80,100,120 
0,20,40,60,80,100,120,140 
0,20,40,60,80,100,120,140 
0,20,40,60,80,100,120,140,160

60 
80

0,20,40,60 
0,20,40,60,80

2 10 20

KW 6

 

(90)

a)

100 
120

0,20,40,60,80 
0,20,40,60,80,100 
0,20,40,60,80,100,120

5 10 20

a)

  なるべく用いない。

図 1−直動式指示計の目盛板の例 

d) 

零位調整器  零位調整器は,構造が堅ろう(牢)で,容易に指針を機械的零位に調整できるものとす

る。また,指示計の電気回路から十分に絶縁されており,その調整範囲は,機械的零位の両側に,そ

れぞれ目盛の長さの 2  %∼10  %とする。 

注記  “目盛の長さ”とは,“ゼロ目盛線と最大の目盛線の間をわたり,目盛線の中心を通る曲線の

長さ”をいう(JIS C 1102-1 の 2.4.1 参照)

 

e) 

接続部  接続端子は,用途に適した構造をもち,端子又はその近くに,その接続を明らかにする記号

を付けなければならない。被測定入力端子は,計器の前面から見て右方の端子を正極とする。正極に

は“+”

,負極には“−”の記号を付ける。ただし,2 端子だけの場合,負極側の表示は省略してもよ

い。 


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なお,蛍光発光板付きの表示部では,被測定入力端子及び蛍光発光板用電源の端子は,明らかに区

別できるように表示する。

入力信号をコネクタ接続する表示部は,コネクタの誤挿入のない構造とし,各ピンの信号の内容は,

受渡当事者間の協定による。

8.5.2 

電子式表示器 

電子式表示器の構造は,次による。

a) 

表示輝度の調整  表示輝度を調整する手段を設ける。ただし,電子式表示器の故障による非表示と区

別できるようにするため,最低の輝度に調整した場合にも表示が全く見えなくならないようにする。 

b) 

表示部の保護  電子式表示器では,表示デバイスを機械的に保護しなければならない。 

なお,保護のための手段は,表示の視認性を妨げない構造とする。

c) 

バックライトの交換  表示光源としてバックライトを使用している場合,運用期間中に交換が必要と

なる場合は,容易に交換できる構造とする。 

d) 

表示方式  電子式表示器の速度の表示は,数字及び/又は図形とし,図形は,容易に速度を認識でき

るものとする。 

なお,直動式指示計の表示と同様の図形表示を行う場合の目盛は,8.5.1 の c) 3)  に準じる。

電子式表示器の例は,

図 及び/又は図 による。

a)  LED

による表示の例 

る表示の例 

b)

  LCD による表示の例 

図 2−電子式表示器の例(数字表示の場合) 

k m / h


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LCD

による表示の例 

図 3−電子式表示器の例(図形表示の場合) 

試験 

9.1 

試験の種類 

試験の種類は,次による。

a) 

形式試験

b) 

受渡試験

c) 

調査試験

9.2 

試験項目 

試験項目は,

表 15 に示す。試験の種類によって○印を付けた項目を実施する。


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表 15−試験の種類及び項目 

試験項目

形式試験

受渡試験

調査試験

該当箇条番号

絶縁抵抗試験

9.4.1.1 

耐電圧試験

9.4.1.2 

許容温度試験

9.4.1.3 

総合正確度試験

9.4.1.4 

外気温度の影響試験

9.4.1.5 

振動試験

9.4.1.6 

衝撃試験

9.4.1.6 

耐久試験

9.4.1.7 

発電部の特性試験

9.4.2 

補償変換部の特性試験

9.4.3 

内部抵抗試験

9.4.4.1 a) 

固有誤差試験

9.4.4.1 b) 

制動試験

9.4.4.1 c) 

摩擦試験

9.4.4.1 d) 

温度の影響試験

9.4.4.1 e) 

直動式指示計

蛍光発光板の発光試験

9.4.4.1 f) 

固有誤差試験

9.4.4.2 a) 

応答時間試験

9.4.4.2 b) 

表示の刻み性能試験

9.4.4.2 c) 

輝度調整性能試験

9.4.4.2 d) 

電源電圧変動試験

9.4.4.2 e) 

電源電圧低下試験

9.4.4.2 f) 

低温試験

9.4.4.2 g) 

高温試験

9.4.4.2 h) 

温度上昇試験

9.4.4.2 i) 

消費電力測定

9.4.4.2 j) 

ノイズ試験

9.4.4.2 k) 

瞬時停電試験

9.4.4.2 l) 

性能試験

突入電流測定

9.4.4.2 m) 

ヒートサイクル試験

9.4.4.2 n) 

エージング試験

9.4.4.2 o) 

耐久試験

︵C形補償変換部を含む︶

電子式表示器

加速寿命試験

9.4.4.2 p) 

構造及び質量検査

9.4.5 

形状及び寸法検査

9.4.6 

外観検査

9.4.7 

9.3 

試験条件 

9.3.1 

試験場所 

試験場所の共通条件は,次による。

a)

室温は,20  ℃を標準状態とし,その許容差は,±15  ℃とする。

b)

湿度は,65  %を標準とし,その許容差は,±20  %とする。

c)

気圧は,86  ∼106 kPa を標準状態とする。

なお,この条件と異なる条件で試験を行う場合には,試験条件について,受渡当事者間で協定する。


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9.3.2 

その他の試験条件

その他の試験条件は,次による。

a)

表示部は,指定された使用状態と同一の取付角度で試験する。特に指定がないものは,標準姿勢で行

う。

b)

試験に用いる計測器は,次のとおりとする。

1)

誘導子の回転速度の測定には,基準回転速度計によって目盛が定められた 0.5 級の標準の回転速度

計を用いる。ただし,回転速度の代わりに発生電圧の周波数を周波数計によって測定してもよい。

2)

発電部の電圧・電流の測定には,通常,整流形 1.0 級の計器を用いる。

3)

直流電流の測定には,可動コイル形 0.5 級の計器を用いる。

9.4 

試験方法 

9.4.1 

速度計装置の特性試験 

9.4.1.1 

絶縁抵抗試験

電気回路と外箱との間の絶縁抵抗は,直流 1 000 V を印加して測定する。

9.4.1.2 

耐電圧試験 

電気回路と外箱との間の耐電圧試験の方法は,JIS E 5004-1 の 9.3.3.3.2 による。

9.4.1.3 

許容温度試験 

−10  ℃及び 50  ℃において速度計装置を連続使用して,電気的損傷又は機械的損傷のないことを確認す

る。連続した試験時間は,受渡当事者間の協定による。

9.4.1.4 

総合正確度試験 

発電部,補償変換部及び表示部を,実際の車両に取り付ける場合と同様に組み合わせ,発電部を最大目

盛値の速度に相当する回転速度で回転し,表示部に表示される速度を観測する。発電部,補償変換部及び

表示部の接続に際しては,実際の車両での接続時と著しく配線インピーダンスが違わないようにする。

なお,発電部を実際に回転する代わりに,補償変換部に,最大目盛値の速度に相当する周波数を加える

方法で,試験してもよい。このとき,発電部の出力特性については,別途試験するものとする。

9.4.1.5 

外気温度の影響試験 

基準温度 20  ℃における指示値と周囲温度を±10  ℃変化させたときの指示値とを測定する。

9.4.1.6 

振動試験及び衝撃試験 

JIS E 4031

による。

9.4.1.7 

耐久試験 

1 000 時間以上運転して,各部の状態に異常がないことを確認する。

9.4.2 

発電部の特性試験 

9.4.2.1 

出力特性発電電圧試験 

9.4.2.1.1 

位相差測定 

位相特性をもつ出力は,定められた最大及び最小のギャップにおいて,指定の出力間の位相差を測定す

る。

9.4.2.1.2 

出力電圧測定 

所定の速度又は周波数に対する出力電圧を測定する。

9.4.2.2 

コイル抵抗試験 

各コイルの抵抗値を,デジタルマルチメータなどで測定する。測定値は,20  ℃の値に換算する。


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9.4.2.3 

絶縁抵抗試験 

各コネクタピンとケースとの間の絶縁抵抗を,直流 500 V を印加して測定する。

9.4.2.4 

絶縁耐力試験 

各コネクタピンとケースとの間に,1 200 V,50 Hz 又は 60 Hz の交流電圧を 1 分間印加する。

9.4.3 

補償変換部の特性試験 

C 形補償変換部の試験は,電子式表示器と組み合わせて行う。

9.4.3.1 

電源電圧試験 

4.5 

に規定する許容電圧変動範囲の最低値,最高値及び定格動作電圧を印加したときの表示速度が変化

しないことを調べる。

9.4.3.2 

車輪径補償試験及び出力電圧試験 

設定できる車輪径の最大値,中間値及び最小値にそれぞれ設定し,入力速度信号を 20 km/h 刻みで変化

させ,出力(電流又は周波数)を測定して記録する。

9.4.4 

表示部の特性試験 

9.4.4.1 

直動式指示計 

直動式指示計の試験は,指示計単体で実施し,次による。

なお,内部抵抗試験及び固有誤差試験では,試験場所の周囲温度は 20±2  ℃(標準状態)とする。

a) 

内部抵抗試験  指示計の最大目盛値に相当する直流電流を入力端子に加え,入力端子間の電圧を測定

することによって,指示計の内部抵抗を算出する。 

b) 

固有誤差試験  固有誤差試験は,JIS C 1102-9 の 2.1(電流計及び電圧計)による。 

c) 

制動試験  最大目盛値の約 2/3 に相当する入力値を急に加え,指針が静止するまでの時間及び指針の

振動回数を測定する。 

d) 

摩擦試験  入力を徐々に増加及び減少させて,ある一定の値にしたときの指示の差の 1/2 の値を求め

る。 

e) 

温度の影響試験  温度の影響試験は,JIS C 1102-9 の 3.2(周囲温度による影響変動値)による。 

f) 

蛍光発光板の発光試験  蛍光発光板に 7.4.1 b)に規定する定格動作電圧を加えて,発光状態を確認する。 

9.4.4.2 

電子式表示器 

電子式表示器の試験は,C 形補償変換部と組み合わせて行い,次による。

a) 

固有誤差試験  最大目盛に相当する速度信号(模擬周波数信号又は速度数値データ)を入力して,表

示される速度を観測し,誤差を測定する。 

さらに,0 km/h から最大目盛の間で選定した 3 点以上の速度について,その速度に相当する速度信

号を入力し,同様に誤差を測定する。

b) 

応答時間試験  速度 0 km/h に相当する速度信号を入力している状態で,最大目盛の 2/3 の速度に相当

する速度信号を入力して,表示が入力速度に到達し,静止するまでの時間を測定する。 

c) 

表示の刻み性能試験  速度一定の状態から入力を最小刻み速度だけ変化させ,速度の表示値の変化を

調べる。 

d) 

輝度調整性能試験  輝度調整を行い,明暗切り替わりを目視又は測定によって確認する。 

e) 

電源電圧変動試験  常温で,電子式速度計への入力電圧を 4.5 に規定する電圧範囲内に変化させ,動

作状況を確認する。 

f) 

電源電圧低下試験  常温で,電子式速度計への入力電圧を規定値から下げていき,装置の動作が停止

したときの入力電圧を測定する。 


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g) 

低温試験  速度計装置を無通電の状態で,動作温度の最低値まで低下させ,この温度の±3  ℃の範囲

で保ち,速度計装置各部の温度が平衡した後に,速やかに特性試験を実施し,動作状況を確認する。 

h) 

高温試験  速度計装置を無通電の状態で,動作温度の最高値まで上昇させ,この温度の±3  ℃の範囲

で保ち,速度計装置各部の温度が平衡した後に,速やかに特性試験を実施し,動作状況を確認する。 

i) 

温度上昇試験  常温,定格電圧で,装置を可能な限り実使用環境に近い状態とし,通電状態で温度上

昇が行われなくなるまで放置後,装置の箱内温度などの計測を行う。 

j) 

消費電力測定  常温,定格電圧で通電後,装置の消費電力を測定する。 

k) 

ノイズ試験  ノイズ試験は,JIS E 5006 の 10.2.6.3A(ノイズ試験)による。 

l) 

瞬時停電試験  受渡当事者間で協定した電源オフタイム後に,電源を(再)投入して,表示状態を確

認する。 

m) 

突入電流測定  電源投入時の突入電流を測定する。 

n) 

ヒートサイクル試験  ヒートサイクル試験の試験方法及び試験条件は,受渡当事者間の協定による。 

o) 

エージング試験  エージング試験の試験方法及び試験条件は,受渡当事者間の協定による。 

p) 

加速寿命試験  加速寿命試験の試験方法及び試験条件は,受渡当事者間の協定による。 

9.4.5 

構造及び質量検査 

構造及び質量が図面などと相違ないことを確認する。

9.4.6 

形状及び寸法検査 

形状及び寸法が図面と相違ないことを確認する。

9.4.7 

外観検査 

外観に異常がないことを,目視によって確認する。

10 

製品の呼び方 

装置の呼び方は,規格番号又は規格名称,発電部の方式及び形式,補償変換部の形式,表示部の寸法及

び速度の最大目盛値による。ただし,発電部の方式及び形式,並びに補償変換部の形式は,省略してもよ

い。

例 1  鉄道車両−速度計装置  車軸端取付形  B 形  KW3a  140  又は

例 2  JIS E 4603  A 形  KW3b  120