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E 4309 : 2001

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本鉄道

車輌工業会 (JARI) /財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべ

きとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。こ

れによって JIS E 4309 : 1991 は改正され,この規格に置き換えられる。


E 4309 : 2001

(1) 

目次

ページ

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

1

4.

  種類及び記号

1

5.

  性能

1

5.1

  圧縮強さ

2

5.2

  シャルピー衝撃強さ

2

5.3

  瞬間摩擦係数

2

5.4

  耐摩耗

2

6.

  構造

2

7.

  形状,寸法及び許容差

3

8.

  外観

3

9.

  材料

3

10.

  製造方法

3

11.

  試験

3

11.1

  圧縮試験

3

11.2

  シャルピー衝撃試験

3

11.3

  瞬間摩擦係数試験

3

11.4

  摩耗試験

4

12.

  検査

4

13.

  製品の呼び方

5

14.

  表示

5

付図 1  踏面用制輪子(例) 6

付図 2  ブレーキディスク用制輪子(例 1)7

付図 3  ブレーキディスク用制輪子(例 2)8


日本工業規格

JIS

 E

4309

 : 2001

鉄道車両用合成制輪子−品質要求

Composition brake shoes for railway rolling stock

−Quality requirements

1.

適用範囲  この規格は,鉄道車両の車輪踏面に用いる合成制輪子(以下,踏面用制輪子という。)及び

鉄道車両のブレーキディスク面に用いる合成制輪子(以下,ブレーキディスク用制輪子という。

)の品質要

求事項について規定する。

また,踏面用制輪子とブレーキディスク用制輪子とを総称して,以下,制輪子という。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS E 5402-1

  鉄道車両用−一体車輪−品質要求

JIS E 5402-2

  鉄道車両用−一体車輪−寸法要求

JIS G 3101

  一般構造用圧延鋼材

JIS G 3131

  熱間圧延軟鋼板及び鋼帯

JIS G 5501

  ねずみ鋳鉄品

JIS K 6911

  熱硬化性プラスチック一般試験方法

JIS K 7111

  プラスチック−シャルピー衝撃強さの試験方法

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

a)

高速車両  最高速度が 95 km/h を超える車両。

b)

一般車両  最高速度が 95 km/h 以下の車両。

c)

瞬間摩擦係数  ブレーキ開始から終了までのブレーキ時における瞬時の摩擦係数。摩擦力を制輪子押

付け力で除した無次元数で表される。

4.

種類及び記号  制輪子の種類及び記号は,用途及び摩擦係数によって,表 による。

表 1  種類及び記号

種類

記号

用途

摩擦係数

摘要

1

種 CBS1

高速車両

2

種 CBS2

高摩擦係数

一般車両

3

種 CBS3

踏面

低摩擦係数

一般車両

4

種 CBS4

高速車両

5

種 CBS5

ブレーキディスク

高摩擦係数

一般車両

5.

性能  制輪子の性能は,次による。


2

E 4309 : 2001

5.1

圧縮強さ  圧縮強さは,11.1 の試験を行ったとき,25N/mm

2

以上とする。

5.2

シャルピー衝撃強さ  シャルピー衝撃強さは,11.2 の試験を行ったとき,1kJ/m

2

以上とする。

5.3

瞬間摩擦係数  瞬間摩擦係数は,11.3 の試験を行ったとき,表 に示す値を満足しなければならな

い。

表 2  瞬間摩擦係数

速度

種類

停止直前 35km/h  65km/h  95km/h  125km/h

1

種 0.28∼0.55 0.24∼0.38 0.21∼0.33 0.18∼0.30 0.18∼0.27

2

3

種 0.20∼0.36 0.13∼0.21 0.10∼0.17 0.09∼0.16

4

種 0.32∼0.58 0.30∼0.46 0.28∼0.42 0.27∼0.41 0.27∼0.40

5

備考1.  1種及び2種の瞬間摩擦係数の値は,押付け力が15kN の場

合のものとし,押付け力が34kN の場合は,下限値を15%

まで下げた値としてもよい。

2.  3

種の瞬間摩擦係数の値は,押付け力が 20kN 及び 29kN

の場合のものとする。

3.  4

種及び 5 種の瞬間摩擦係数の値は,押付け力が,4 種は

25kN

,5 種は 15kN の場合のものとする。

4.  1

種及び 2 種の湿潤条件における瞬間摩擦係数の値は,

乾燥条件での瞬間摩擦係数試験の結果から求める瞬間摩
擦係数の平均値を基準値とし,これに対しブレーキ初速
度が 65km/h を超えるときは 20%,65km/h 以下のときは

30%

それぞれ低下してもよい。ただし,

表 の瞬間摩擦

係数の下限値を 20%を超えて低下してはならない。

5.  1

種及び 4 種の最高速度は 125km/h とするが,125km/h

を超える場合は受渡当事者間の協定による。

5.4

耐摩耗  制輪子の耐摩耗は,11.4 の試験を行ったとき,表 に規定する摩耗量の値を満足しなけれ

ばならない。ただし,1 種及び 4 種において最高速度が 125km/h を超える場合は,受渡当事者間の協定に

よる。

表 3  摩耗量

単位  mm

種類

摩耗量

1

種 0.26 以下

2

種,3 種 0.14 以下

4

種 0.06 以下

5

種 0.02 以下

6.

構造  制輪子の構造は,次による。

a)

踏面用制輪子は,本体,台金,取付板,受金などからなり,制輪子コッタなどで制輪子頭に取り付け

る構造とする。また,ブレーキ性能向上のため,金属ブロックなどの挿入物を入れた踏面用制輪子は,

その挿入物が使用中に脱落しない構造とする。

b)

ブレーキディスク用制輪子は,本体,台金,取付板,受金などからなり,ボルトなどによって制輪子

頭に取り付ける構造とする。


3

E 4309 : 2001

7.

形状,寸法及び許容差  制輪子の形状,寸法及び寸法許容差は,受渡当事者間の協定による。

なお,形状・寸法の例を

付図 1に示す。

8.

外観  制輪子は,使用上有害なきず,割れなどの欠陥があってはならない。

9.

材料  制輪子の材料は,表 に示すもの又は品質がこれらと同等以上のものとする。

表 4  材料

部品名

材料

本体

合成樹脂,金属粉末,黒鉛などを主成分としたもの

挿入物

金属,合成材料など

台金,取付板,受金,当板 JIS G 3101 の SS400

補強板

JIS G 3131

の SPHC

10.

製造方法  制輪子は,合成樹脂,金属粉末,黒鉛などを混合した本体を台金組立品と組み合わせ,こ

れを内部まで均一となるように十分加熱−加圧成形して製造する。

11.

試験  制輪子の試験は,次による。

11.1

圧縮試験  圧縮試験は,JIS K 6911 の 5.19.1(成形材料)の規定による。ただし,試験片は,製品か

ら採り,形状・寸法は,

図 による。

なお,荷重は,成形加圧方向に加える。

図 1  圧縮試験片

11.2

シャルピー衝撃試験  シャルピー衝撃試験は,JIS K 7111 の規定によるものとし,試験片の形状・

寸法は,JIS K 7111

附属書 表 2(フラットワイズ衝撃試験片及び試験片支持台間の距離)の 2 号 F・D(厚

さ 6mm)とする。ただし,試験片は,製品から採る。

なお,衝撃は,成形加圧方向に加える。

11.3

瞬間摩擦係数試験  瞬間摩擦係数試験は,次による。


4

E 4309 : 2001

a)

試験機のはずみ車の慣性モーメントは,1 200∼1 300kg・m

2

とする。

b)

車輪は,JIS E 5402-1 及び JIS E 5402-2 に準じるリム外径 840∼860mm のものを用いる。ブレーキデ

ィスクの材質は,JIS G 5501 の FC250 又は品質がこれと同等以上のものとする。

c)

表 に示すブレーキ初速度での制動開始時の車輪又はディスク摩擦面の温度は,60℃以下とする。

d)

踏面用制輪子の車輪への押付け方式は,1 種及び 2 種の場合は片押し式とし,3 種の場合は両抱き式と

する。

e)

制輪子と車輪踏面又はディスク面とが当たる部分は,摩擦面の面積の 70%以上とする。この場合,こ

の当たる部分が得られるように摩擦面を研磨紙などで研磨してもよい。

f)

試験は,乾燥条件で実施する。

1

種及び 2 種については,受渡当事者間の協定によって湿潤条件も実施する。

湿潤条件の散水量は 200ml/min とし,試験中は連続散水を行うこととする。

g)

試験は,

表 に示すブレーキ初速度での制動及びその順序によって車輪が停止するまで行う。

表 5  制動及びその順序

単位 km/h

種類  環境条件

ブレーキ初速度

乾燥

65, 35, 95, 125E, 65, 125, 35E, 95, 95, 125E, 35, 125, 95E, 65, 65, 125E, 95, 125,

125, 65E, 35, 35, 125E, 65

1

湿潤

35, 35, 35, 65, 65, 65, 95, 95, 95, 125, 125, 125

乾燥

65, 95E, 35, 95, 65, 35E, 95, 95, 35, 95E, 65, 95E, 65, 95, 65E, 35, 95E, 35, 65

2

湿潤

35, 35, 35, 65, 65, 65, 95, 95, 95

3

65, 95E, 35, 95, 65, 35E, 95, 95, 35, 95E, 65, 95E, 65, 95, 65E, 35, 95E, 35, 65

4

65, 35, 95, 65, 125, 95, 95, 35, 125, 65, 65, 95, 125, 125, 35, 35, 65

5

乾燥

65, 35, 65, 95, 35, 35, 95, 95, 65

備考1.  制輪子1個当たりの押付け力は,1種及び2種の場合15kN とし,3種の場合20kN,4種の場合は25kN,5

種の場合は15kN とする。ただし,ブレーキ初速度に E が付けてあるものは,1種及び2種の場合は34kN
とし,3種の場合は29kN とする。

2.

ブレーキ初速度の許容差は,

3

0

km/h

とする。

3.

押付け力の立ち上がり時間は,押付け力の設定値の 65%になるまでの時間を 0.8 秒以下とする。押付
け力の許容差は,±2.5%とする。

4.  1

種及び 4 種の最高速度は 125km/h とするが,125km/h を超える場合は受渡当事者間の協定による。

11.4

摩耗試験  摩耗試験は,11.3 に規定する乾燥条件の瞬間摩擦係数試験の前後の質量を測定し,摩耗

量を測定する。ただし,摩耗量は,次の式によって算出する。

ρ

δ

=

S

Δm

ここに,

δ

摩耗量 (mm)

Δ

m: 制輪子の摩耗質量 (g)

S: 制輪子の摩擦面積 (mm

2

)

ρ

制輪子本体の密度 (g/mm

3

)

12.

検査  制輪子の検査は,表 の検査項目について行う。


5

E 4309 : 2001

表 6  検査項目

項目

該当箇条番号

性能検査

5.1

5.411.111.4

構造検査

6.

形状及び寸法検査

7.

外観検査

8.

13.

製品の呼び方  制輪子の呼び方は,規格番号又は規格の名称,及び記号又は種類による。

1.  JIS E 4309  CBS1

2.  鉄道車両用合成制輪子  1種

14.

表示  制輪子には,次の事項を表示する。

a)

記号又は受渡当事者間の協定による識別表記

b)

製造業者名又はその略号

c)

製造年月又はその略号


6

E 4309 : 2001

付図 1  踏面用制輪子(例)


7

E 4309 : 2001

付図 2  ブレーキディスク用制輪子(例 1


8

E 4309 : 2001

付図 3  ブレーキディスク用制輪子(例 2 


9

E 4309 : 2001

JIS E 4309

(鉄道車両用合成制輪子)改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

高  尾  忠  明

日本交通機械株式会社

池  川  澄  夫

工業技術院標準部

新  津  武  史

運輸省鉄道局

山  村  修  蔵

財団法人日本規格協会

保  田  秀  行

財団法人鉄道総合技術研究所

山  田  幸  一

東海旅客鉄道株式会社

岸  本  博  之

西日本旅客鉄道株式会社

鈴    木      肇

社団法人日本民営鉄道協会

小  林  一  美

東武鉄道株式会社

吉  川  富  雄

近畿日本鉄道株式会社

滝  田  晴  之

東急車輛製造株式会社

新    井      浩

東日本旅客鉄道株式会社

西    海      隆

日本信号株式会社

脇  田  明  位

住友金属工業株式会社

野  崎  展  世

株式会社ナブコ

小野寺  勝  弘

曙ブレーキ工業株式会社

(事務局)

小笠原  静  夫

社団法人日本鉄道車輌工業会

備考  ○印は小委員会委員