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E 4207:2019  

(1) 

目 次 

ページ 

序文  1 

1 適用範囲 1 

2 引用規格 1 

3 用語及び定義  1 

4 設計の共通的な条件の分類  2 

5 負荷荷重条件  2 

5.1 静荷重条件  2 

5.2 動荷重条件  3 

6 強度設計条件  4 

6.1 一般  4 

6.2 応力計算  4 

6.3 許容応力  5 

7 構造設計条件  6 

7.1 形状及び材料  6 

7.2 構造設計及び溶接継手の設計に関して考慮する事項  6 

7.3 管受類溶接部の目安を与える公称応力限界図による評価方法例  6 

7.4 溶接ルート部及び部材の裏側に存在する溶接部の疲労強度の評価方法例  6 

8 剛性設計条件  6 

8.1 曲げこわさ及びねじりこわさ  6 

8.2 ねじり剛性  8 

附属書A(参考)構造設計及び溶接継手の設計に関して考慮する事項  10 

附属書B(参考)管受類溶接部の目安を与える公称応力限界図による評価方法例並びに溶接ルート部 

及び部材の裏側に存在する溶接部の疲労強度の評価方法例  13 

 

 


 

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まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

鉄道車輌工業会(JARI)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規

格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規

格である。これによって,JIS E 4207:2004は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

 

 


 

  

日本工業規格          JIS 

 

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鉄道車両−台車−台車枠強度設計通則 

Rolling stock-Bogie-General rules for design of bogie frame strength 

 

序文 

この規格は,1984年に制定され,その後3回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は2004年に

行われたが,その後の技術の進歩に対応するために改正した。 

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。 

 

適用範囲 

この規格は,鉄道車両(特殊鉄道用を除く。)に用いる台車のうち,主要強度部材(ばね下部品及び車体

取付部品を除く。)を構成する“台車枠”及び“はり”に使用する鋼製部材の強度設計に対する共通的な条

件について規定する。 

なお,この規格は,ゴムタイヤなどを用いる特殊鉄道(例 無軌条電車,モノレール車両,中量軌道シ

ステム車両,磁気浮上車両など)に用いる台車枠には適用しないが,それらの車両の台車枠に用いる材料

の許容応力には,この規格を適用してもよい。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS E 4001 鉄道車両−用語 

JIS G 3106 溶接構造用圧延鋼材 

JIS G 3114 溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材 

JIS G 3445 機械構造用炭素鋼鋼管 

JIS G 5101 炭素鋼鋳鋼品 

JIS G 5102 溶接構造用鋳鋼品 

JIS Z 2273 金属材料の疲れ試験方法通則 

 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS E 4001及びJIS Z 2273によるほか,次による。 

3.1 

台車枠 

車体と輪軸との中間に位置し,輪軸を支持し,車体質量を受け,曲線通過に伴う旋回[偏い(倚)]動作

を行うための構造体。一般に側ばり,横ばり,端ばりなどによって構成される。 


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3.2 

はり 

台車枠を除く主要強度部材で,常に,車体の質量を負担している枕ばり,振子ばり,操だ(舵)ばりな

ど。 

3.3 

枕ばり 

ボルスタ付き台車において,台車の回転偏い及び上下変位に対応するために台車枠と車体との間に設置

する“はり”。 

注記 ボルスタレス台車は,枕ばりを用いていない。 

3.4 

振子ばり 

車体傾斜方式車両のころ式振子台車に備える車体傾斜動作のための“はり”。 

3.5 

操だばり 

輪軸操だ方式の台車に備える輪軸操だ動作のための“はり”。 

3.6 

A寸法 

軸ばね部の基準高さを実測する場合の標点間寸法。 

3.7 

B寸法 

枕ばね部の基準高さを実測する場合の標点間寸法。 

 

設計の共通的な条件の分類 

設計の共通的な条件は,負荷荷重条件,強度設計条件,構造設計条件及び剛性設計条件に分類し,次に

よる。 

a) 負荷荷重条件の分類 負荷荷重条件の分類は,静荷重条件及び動荷重条件とする。 

b) 強度設計条件の分類 強度設計条件の分類は,応力計算及び許容応力とする。 

c) 構造設計条件の分類 構造設計条件の分類は,次による。 

− 形状及び材料 

− 構造設計及び溶接継手の設計に関して考慮する事項 

− 管受類溶接部の目安を与える公称応力限界図による評価方法例 

− 溶接ルート部及び部材の裏側に存在する溶接部の疲労強度の評価方法例 

d) 剛性設計条件の分類 剛性設計条件は,次による。 

− 曲げこわ(強)さ及びねじりこわさ 

− ねじり剛性 

 

負荷荷重条件 

5.1 

静荷重条件 

静荷重条件は,車両が停止した状態で台車枠にかかる力(軸ばねが負担する力)とし,式(1)による。 

W=W1+W2+W3  (1) 


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ここに, 

W: 台車枠にかかる静的な力(N) 

 

W1: 1台車が負担する車体の質量による力(N) 

 

W2: 1台車が負担する表1の積載質量による力(N) 

 

W3: 台車枠及び台車枠部品の質量による力(N) 

なお,“はり”の場合は,式(2)による。 

WB=W1+W2+WB3  (2) 

ここに, 

WB: はりにかかる静的な力(N) 

 

WB3: はり及びはり部品の質量による力(N) 

 

表1−積載質量a) 

区分 

摘要 

旅客車 

乗客b),乗務員,水,燃料,砂,蓄電池,食料(食堂車),荷物(荷物車) 

機関車 

乗務員,水,燃料,砂,蓄電池,荷物 

貨物車 

一般貨物車 

貨物c) 

タンク車 
コンテナ車 

積載物d) 

注a) 台車へ配分される積載質量が車両の中で不均等な場合は,大きい方の配分を採用する。 

b) 定員質量の1倍から3倍までの間の質量(受渡当事者間で協定する倍率) 

c) 最大質量の1倍から1.1倍の間の質量(受渡当事者間で協定する倍率) 

d) 最大質量 

 

5.2 

動荷重条件 

動荷重条件は,車両が走行している状態で台車枠にかかる力で,静荷重と付加係数との積で表示する力

及び取付部品の特性で決まる力があり,その大きさは通常,表2による。 

なお,実際に適用する付加係数の大きさ及び部品の特性による力の大きさは,線路条件及び実際の車両

で発生すると予想される振動の大きさを考慮し,受渡当事者間の協定による。 

 


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表2−動荷重条件 

区分 

種類 

荷重条件 

適用(例) 

上下方向 

負担質量の振動による力 N 

WZ 1:(0.2〜0.5)×W a) 

− 

取付部品の質量の
振動による力 N 

側ばり取付部品 

WZ 2:(1〜2)×Lp b) 

ブレーキ部品 

横ばり取付部品 

WZ 3:(3〜10)×Lp b) 

主電動機,駆動装置 

端ばり取付部品又は
側ばり先端取付部品 

WZ 4:(5〜10)×Lp b) 

ブレーキ部品 
排障器 
雪かきh) 

駆動力によって駆動装置受に作用する力f)  

WZ 5:(0.2〜0.4)×La c) 

歯車箱つり受 
減速機支え受 

ブレーキ力によってブレーキ装置受に作用
する力 N 

WZ 6:p d)×f e) 

ユニットブレーキ,ディ
スクブレーキ 

上下動ダンパ受に作用する力 N 

WZ 7:ダンパ特性による力 

軸ばねダンパ 

アンチローリング装置受に作用する力 N 

WZ 8:アンチローリング装置特

性による力 

アンチローリング装置
軸受部 

左右方向 

負担質量の振動による力及び遠心力による
力 N 

WY 1:(0.2〜0.4)×W a) 

− 

左右動ストッパ受に作用する力 N 

WY 2:WY 1から空気ばねなどが

負担する分を減じた力 

左右動ストッパゴム 

取付部品の質量の振動による力 N 

WY 3:(2〜4)×Lp b) 

主電動機,ブレーキ部品 

左右動ダンパ受に作用する力 N 

WY 4:ダンパ特性による力 

左右動ダンパ 

前後方向 

負担質量の振動による力 N 

WX 1:(0.2〜0.4)×W a) 

− 

けん引力による力 N 

WX 2:(0.2〜0.4)×La c) 

− 

取付部品の質量の振動による力 N 

WX 3:(1〜3)×Lp b) 

主電動機,ブレーキ装置 

ブレーキによる力 N 

WX 4:p d) 

− 

ねじり 

カント逓減などによるねじり変位 mm 

1台車の対角車輪位置で,水平
に対する変位を与える。 

δT g):10〜15 

− 

注a) 台車枠にかかる静的な力[式(1)]。はりの場合は[式(2)]。 

b) 取付部品の質量による静的な力(質量×重力加速度) 

c) 軸重:台車に組み込まれる輪軸一対から軌道(レール)にかかる力 

d) 制輪子押付力 

e) 制輪子と車輪踏面及び/又はブレーキライニングとブレーキディスクとの摩擦係数 

f) 具体的な力の大きさは,車輪とレールとの間の接線力をWZ 5とした後,採用する駆動装置などの減速比,支

え位置などを考慮に入れて算出する。 

g) δT:車輪位置における変位 

h) 雪かき取付け部には,雪かきの振動による力に加えて排雪時だけ発生する排雪抵抗による力を加える。 

 

強度設計条件 

6.1 

一般 

“はり”の場合は,WをWBに置き換える。 

荷重記号の添え字は,上下方向,左右方向及び前後方向でそれぞれZ,Y及びXとする。 

6.2 

応力計算 

応力計算は,台車枠に静荷重及び動荷重をかけた場合の応力を,力の種類ごとに計算し,平均応力及び

変動応力に区分して合成する。応力の合成方法は,次による。 

a) 平均応力 平均応力は,静荷重の種類ごとに算出した複数の応力の代数和とする。ただし,片振りと

なる動荷重がある場合の平均応力は,その荷重による応力の1/2を静荷重による応力に加えたものと


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する。 

b) 変動応力 変動応力は,動荷重による応力を合成したものとし,式(3)による。 

2

2

3

2

2

2

1

n

a

  (3) 

ここに, 

σa: 変動応力(MPa) 

 

σ1,σ2,σ3,…,σn: 動荷重の種類ごとの計算応力(MPa) 

ただし,踏面ブレーキの制輪子押付力と摩擦力のように同期して発生する力による応力については,

個別に二乗して加算すると過小評価となる場合があるため,先に各々の力による応力の代数和を求め

た後それを二乗して加算する方法とする。 

なお,片振りとなる動荷重による応力がある場合は,その1/2の応力を用いて合成したものとし,

式(4)による。 

2

2

2

3

2

2

2

1

2

n

i

a

  (4) 

ここに, 

σa: 変動応力(MPa) 

 

σ1,σ2,σ3,…,σn: 動荷重の種類ごとの計算応力(MPa) 

 

σi: 片振りとなる動荷重による計算応力(MPa) 

6.3 

許容応力 

許容応力は,図1の応力限界図の限界内とする。 

 

 

 

σB:材料の引張強さ(MPa) 
σo:材料の降伏に対する許容応力(MPa) 

σw1〜σw3:疲れ許容応力(MPa) 

 

図1−応力限界図 

 

主な材料の引張強さ(σB),降伏点(σs)及び疲れ許容応力(σw1〜σw3)は,表3による。 

 


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表3−主な材料の引張強さ,降伏点及び疲れ許容応力 

単位 MPa 

項目 

材料の種類 

STKM13A 

STKM13B 

SM400A 
SM400B 

SMA400AW 
SMA400BW 

SM490YA 
SM490YB 

SMA490AW 
SMA490BW 

STKM18B 

SC450 

材料の引張強さ(σB) 

370 

440 

400 

490 

490 

450 

材料の降伏点(σs) 

215 

305 

235 

355 

315 

225 

材料の降伏に対する 
許容応力(σo) 

185 

260 

205 

305 

270 

190 

疲れ 
許容 
応力 

母材(σw1) 

125 

140 

135 

155 

 90 


接 


部 

仕上げる 

場合(σw2) 

110 

 90 

仕上げない 

場合(σw3) 

70 

 

構造設計条件 

7.1 

形状及び材料 

形状及び材料は,次による。 

a) 形状 台車枠の形状は,側ばり及び横ばりを主要部材として構成し,必要に応じて,端ばり,中ばり,

附属品取付座などを設ける。 

b) 材料 材料は,通常,次による。 

JIS G 3106のSM400A,SM400B,SM490YA又はSM490YB 

JIS G 3114のSMA400AW,SMA400 BW,SMA490AW又はSMA490BW 

JIS G 5101のSC410,SC450又はSC480 

JIS G 5102のSCW410,SCW450又はSCW480 

JIS G 3445のSTKM13A,STKM13B又はSTKM18B 

なお,この箇条に記載のない材料についても,受渡当事者間で協定して使用することができる。 

7.2 

構造設計及び溶接継手の設計に関して考慮する事項 

台車枠の構造及び溶接継手を設計するときに考慮すべき事項は,附属書Aを参考にする。 

7.3 

管受類溶接部の目安を与える公称応力限界図による評価方法例 

管受類溶接部の目安を与える公称応力限界図による評価方法例を,B.2に示す。 

7.4 

溶接ルート部及び部材の裏側に存在する溶接部の疲労強度の評価方法例 

過去の台車枠の損傷事例に基づき,溶接ルート部及び部材の裏側に存在する溶接部の疲労強度を表面側

の応力で評価する方法が提案されている。この方法による評価は走行試験を行って応力測定した場合に限

られるが,参考に,その評価方法例を,B.3に示す。 

 

剛性設計条件 

8.1 

曲げこわさ及びねじりこわさ 

曲げこわさ及びねじりこわさの定義及び計算方法は,次による。 

a) 上下曲げこわさは,上下方向に力をかけた場合,着力点でのたわみから,式(5)によって算出する(図


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2参照)。 

v

v

v

W

K

  (5) 

ここに, 

Kv: 上下曲げこわさ(mm/MN) 

 

Wv: 上下方向力(MN) 

 

δv: 上下方向たわみ(mm) 

 

 

図2−上下曲げこわさ 

 

b) 左右曲げこわさは,左右方向に力をかけた場合,着力点でのたわみから,式(6)によって算出する(図

3参照)。 

L

L

L

2

W

δ

K

  (6) 

ここに, 

KL: 左右曲げこわさ(mm/MN) 

 

WL: 左右方向力(MN) 

 

δL: 左右方向たわみ(mm) 

 

a) 

b) 

図3−左右曲げこわさ[a),b)は台車構造によって選択] 

 

c) ねじりこわさは,ねじり力を加えた場合,着力点のたわみから,式(7)によって算出する(図4参照)。 

l

W

K

2

S

S

T

  (7) 

ここに, 

KT: ねじりこわさ[mm/(MN・mm)] 

 

WS: ねじり力(MN) 

 

2l: 台車軸距(mm) 

 

δS: たわみ(表2のδTを軸ばね位置へ換算した値)(mm) 

 

 

 


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図4−ねじりこわさ 

 

8.2 

ねじり剛性 

ねじり剛性は,ねじり軸の方向によって,次のa)及びb)の2種類とする。 

a) レール方向の軸回りのねじり剛性 レール方向の軸回りのねじり剛性は,式(8)によって算出する(図

5参照)。 

S

S

2

X

4 W

b

K

  (8) 

ここに, 

KX: レール方向の軸回りのねじり剛性(N・m/rad) 

 

2b: 左右側ばり間隔(m) 

 

WS: ねじり力(N) 

 

δS: たわみ(m) 

 

φ: X軸回りのローリング角(rad)

b

2

S

 

 

図5−レール方向の軸回りのねじり剛性 

 

b) まくらぎ方向の軸回りのねじり剛性 まくらぎ方向の軸回りのねじり剛性は,式(9)によって算出する

(図6参照)。 

S

S

2

Y

4 W

l

K

  (9) 

ここに, 

KY: まくらぎ方向の軸回りのねじり剛性(N・m/rad) 

 

2l: 台車軸距(m) 

 

WS: ねじり力(N) 

 

δS: たわみ(m) 

 

θ: Y軸回りのピッチング角(rad)

 

 


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図6−まくらぎ方向の軸回りのねじり剛性 


10 

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附属書A 

(参考) 

構造設計及び溶接継手の設計に関して考慮する事項 

 

A.1 構造設計に関して考慮する事項 

台車枠を設計する場合には構造面からは,主に次の点を考慮する。 

a) 車両限界 車両限界は使用線区によって設定されている。複数の線区を走行する車両の設計時には,

全てを考慮する必要がある。 

様々な変位を考慮して,車両限界に対して余裕をもった設計を行う必要がある。補助空気室,ヨー

ダンパ受などは車両限界に近接しているため,静的変位条件を考慮する必要がある。 

b) 台車の可動変位 台車の可動変位としては上下変位,左右変位,前後変位,ピッチング変位,ローリ

ング変位,ヨーイング変位などを考慮する必要がある。 

各変位によって,台車枠と周辺部品(例 軸箱体,左右動ダンパ,車体など)との間で干渉がない

か確認を行う。枕ばねに空気ばねを使用した場合の変動項目の例を表A.1に示す。 

 

表A.1−台車の可動変位の変動項目 

変動項目 

摘要 

上下可動量 

空気ばね変位量 

下降量 

空気ばねストッパ間隔及び空気ばね積層ゴムのたわみを考慮
する。 

上昇量 

上昇量を制限する異常上昇止め及びストッパの隙間を考慮す
る。 

軸ばね変位量 

車体の上下振動による伸び及び縮みを考慮する。 

台車ピッチングによる動き
量 

空気ばねは健全時の状態とし,軸ばねの前後逆位相及び軌道
変位,レール継目変位を考慮する。 

左右可動量 

左右動ストッパ部の隙間及
びゴムのたわみ量 

ストッパ部の初期隙間及びストッパゴムのたわみ量を考慮す
る。 

軸ばね左右移動量 

軸ばね支持剛性及び軸箱の内部隙間を考慮する。 

台車可動部品と
車体との隙間 

平面方向 

台車回転方向及び前後動 

高さ方向 
:台車枠取付部品と車体 

空気ばねパンク時の下降量,台車ピッチングによる動き量 
及び公差(台車及び車体) 

高さ方向 
:車輪上面と車体 

空気ばねパンク時の下降量,軸ばねたわみ,台車ピッチング
による動き量及び公差(台車及び車体) 

 

c) 曲線通過時の旋回角 台車の旋回角は,曲線半径,隣接する心皿間隔,固定軸距,車輪の摩耗,レー

ルの摩耗,スラックなどから計算を行う。 

台車の旋回には車体と連結している部品(例 中心ピン,左右動ダンパ,ブレーキホースなど)と

の接近に注意する。変動項目を表A.2に示す。後位台車が左右方向に平行移動したときの前位側台車

の旋回角の増加を考慮する場合もある。 

 


11 

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表A.2−台車旋回角の変動項目 

変動項目 

摘要 

台車旋回角 

曲線による旋回角 

曲線半径及び隣接する心皿間隔を考慮する。 

フランジとレールとの隙
間による旋回角 

固定軸距,スラック,軌間公差,フランジ遊間など
を考慮する。 

 

d) 車輪及びレールの摩耗 車輪の摩耗及び車輪転削によって台車枠取付け高さ(車軸中心高さ)は下が

るため,車両限界に対して抵触しないように配慮する必要がある。さらにレールの摩耗によってフラ

ンジ遊間が変化するため,曲線通過時の回転変位の量に影響を与える。 

e) 定期検査に対する保守性 台車枠単体時に保管するとき,又は移動するときに配管支えなどの突起物

が邪魔にならないように取付位置,形状など配慮するとよい。また,床下点検時に作業員に傷害を与

えないように取付位置を配慮するのがよい。 

管支え受は取付位置を強度上影響のないところに溶接取付けを行うため場所が限定される場合には,

取外しが可能な構造も考慮するのがよい。 

A寸法及びB寸法は,スケールなどで在姿の状態で容易に測定できるように設計時に配慮するのが

よい。 

 

A.2 溶接継手の設計に関して考慮する事項 

溶接継手の設計に関して考慮する主な事項は,次による。 

a) 溶接継手の形状に関して考慮する事項 

1) 新しい溶接継手構造を採用する場合には,溶接施工性試験によって溶込み性を確認の上,継手形状

及び施工方法を選定する。 

2) 主構造部材の溶接継手は両側溶接を基本とし,片側溶接の場合には,開先溶接とする。 

3) フレア溶接の場合は,溶込み量の確認ができるよう,開先形状を図面上指示する。 

b) 溶接ビードの形状に関して考慮する事項 

1) 高応力部の溶接継手は,過度の応力集中を生じないようにビード形状を考慮するとともに止端部を

グラインダなどによって仕上げる。その仕上げ範囲及びその形状は,図面などで指示する。 

2) 部材の裏側に補強を溶接するとき,本体の溶接ビードと補強の溶接ビードとの間に溝状のノッチを

生じないように配慮する。 

3) 台車枠に部材を溶接するとき,最大主応力に直交する方向の溶接はできるだけ避けるものとし,避

けられない場合には,応力集中を軽減するため溶接部をなだらかな形状にグラインダなどによって

仕上げる。 

c) 溶接の施工方法に関して考慮する事項 

1) 溶接される部材相互の板厚に大きな差があると,熱容量の違いから融合不良を起こすおそれがある

ので,板厚の大きい側は,勾配を付けて板厚を減じるなどの方法を採用するか,又は溶接施工時の

予熱などを指定する。 

2) 部材の突合せ溶接部に永久裏当て金を用いる場合には,裏当て金を途中で分割してはならない。裏

当て金を分割して途中で継ぐ必要のあるときには,事前に裏当て金の継目部を完全に溶け込ませ,

部材の溶接部に高温溶接割れなどの起点となる切欠きを生じさせてはならない。 


12 

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d) 溶接付加物の構造に関して考慮する事項 

1) 台車枠に付加物を溶接する場合には,相対弾性変形の大きな部材間にまたがって付加物を溶接する

ことを避ける。 

2) 台車枠に剛性の大きな部材を溶接する場合には,応力集中が生じやすくなるため,注意する。例え

ば,部品取付座などの付加物で構造体が大きく,かつ,剛性が大きい場合には,台車枠にあらかじ

め取付座を設け,付加物によって生じる応力集中の影響が小さくなるように配慮する。 

3) 台車枠の主部材が,取付座類の溶接で固められるような設計は避けなければならない。その場合,

台車枠に溶接する座類は,溶接部が重ならない構造に設計する必要がある。 

4) 台車枠に管受などの部材を溶接する場合には,次の部位への取付けは,極力避ける。 

− 台車枠各部の主要溶接ビード上,特に溶接止端部を仕上げた箇所 

− 側ばりの下面 

− 台車枠各部の主要溶接ビードに重なる可能性のある部位 

− 定期検査における保守作業のとき,台車枠を取り扱う作業者に対し傷害を与えるおそれのあ

る部位 


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附属書B 

(参考) 

管受類溶接部の目安を与える公称応力限界図による評価方法例並びに 

溶接ルート部及び部材の裏側に存在する溶接部の疲労強度の評価方法例 

 

B.1 

一般 

この附属書は,台車枠の溶接部のうち,管受類溶接部の目安を与える公称応力限界図を用いた評価方法

例並びに溶接ルート部及び部材の裏側に存在する溶接部の疲労強度の評価方法例を記載するものであり,

規定の一部ではない。 

台車枠の管受類を溶接する場合の目安を与える公称応力限界図を用いた評価方法例は,管受類を溶接す

る前の段階で強度評価を行える点で有用である。 

また,溶接ルート部及び部材の裏側に存在する溶接部の疲労強度の評価方法例が,過去の台車枠の損傷

事例を基に提案されている。適用は走行試験を行って応力測定した場合に限られるものの,この規格で規

定していないこれらの溶接部の強度評価を可能とする点で台車枠の損傷防止に有用である。 

 

B.2 

管受類溶接部の目安を与える公称応力限界図による評価方法例 

B.2.1 一般 

台車枠に溶接する管受類は,あらかじめ供試体に施工して溶接部周辺の応力状態を評価することが望ま

しい。しかし,静荷重試験データの評価又は有限要素法(以下,FEMという。)による応力解析から得ら

れる台車枠の公称応力状態が明らかな場合には,供試体で評価していない場所に管受類を取り付けるとき

の目安として,その場所の公称応力状態に応じて溶接施工要領を区別する方法が実用化されているので,

その評価方法の例を次に示す。 

B.2.2 管受類溶接部の目安を与える公称応力限界図の使い方 

公称応力限界図は,次の手順で用いる。 

a) 管受類を取り付ける場所の台車枠の材料の種類によって,図1の応力限界図を適用する。例として,

JIS G 3106のSM400Bの場合を図B.1に示す。 

b) 公称応力は①,②及び③の領域に区分する。 

c) 領域①は,図1に示す応力限界図の領域を1/2に縮小した領域である(ただし,引張強さについては

縮小しない。)。この領域は,溶接後の止端部の仕上げは不要である。 

d) 領域②は,図1に規定されている仕上げる場合の応力限界図の領域を1/2に縮小した領域から,領域

①を除いた領域である。この領域は,溶接後の止端部の仕上げが必要である。 

e) 領域③は,降伏に対する許容応力以下の領域で領域①及び領域②を除いた領域である。この領域には,

管受類を溶接してはならない。 

この評価方法によって台車枠に管受類を溶接するとき,それぞれの領域ごとの溶接施工要領に従うこと

によって,溶接止端部に発生する応力が図1の応力限界図を満足すると予測できる。 

 


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図B.1−管受類溶接部の目安を与える公称応力限界図(材料がSM400Bの場合) 

 

B.3 

溶接ルート部及び部材の裏側に存在する溶接部の疲労強度の評価方法例 

B.3.1 疲労亀裂発生部位 

台車枠を構成する部材どうしを接合する溶接部に発生する疲労亀裂の部位は,一般的には次の3種類に

区分される。それぞれ図B.2及び図B.3の中で代表的な位置を示す。 

a) 部材の表側の溶接部 図B.2及び図B.3の中で矢印“↓”で示している部分(表側溶接止端部) 

b) 溶接ルート部 図B.2の中で○印で示している部分 

c) 部材の裏側に存在する溶接部 図B.3の中で○印で示している部分[裏側溶接止端部及び裏境界1)] 

注1) 裏当て金付き開先溶接継手の裏側における裏当て金と母材と溶接金属との境界又は栓溶接若

しくはスロット溶接継手の裏側における上下母材と溶接金属との境界 

また,発生した疲労亀裂には,溶接金属側に進展するものと,母材側に進展するものとがある。 

 

 

 

 

a) 片側開先突合せ継手 

b) 片側開先直交T継手 

c) 片側開先斜交T継手 

図B.2−溶接部における疲労亀裂発生部位の例(その1) 

 

 

 

 

 

σa 

σm 


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a) 台車側ばり内部(切断面を示している。) 

 

 

b) 両側溶接の裏側溶接 

 

 

 

 

 

c) 裏当て金付き 

片側開先突合せ継手 

d) 裏当て金付き 

片側開先直交T継手 

e) 栓溶接継手 

f) スロット溶接継手 

図B.3−溶接部における疲労亀裂発生部位の例(その2) 

 

B.3.2 疲労強度の評価方法例 

疲労亀裂が発生する部位のうち,部材の表側の溶接部における疲労強度は,図1の応力限界図によって

評価できる。ただし,溶接ルート部及び部材の裏側に存在する溶接部の強度評価には,この方法は適用で

きない。台車枠の損傷防止に役立つように,溶接ルート部については破壊力学的手法の例をB.3.3に示し,

裏側に存在する溶接部については評価方法の例をB.3.4に示す。 

これらの方法は,溶接部周辺の平たん(坦)母材部に貼り付けたひずみゲージによって測定した公称応

力値を用いる。まず,走行試験時に測定した動的応力値から求める応力発生頻度分布を,レインフロー法

によって計数する。次に,台車枠使用期間中における各水準の応力範囲成分Δσi及びその発生回数niの推

定を行えば,亀裂発生に対する判定曲線を用いて線形累積損傷則から累積損傷度Dを算出し,応力発生回

数を考慮した評価を行うことができる。累積損傷度の計算方法の模式図を図B.4に示す。このとき,判定

曲線は繰返し数108回までを考慮する。得られた値が1を超える場合には,強度不足と評価する。本評価

方法例では,累積損傷度の算出に応力発生頻度分布が必要となるため,走行試験が必須となる。走行試験

は営業が想定される線区を営業ダイヤの下で往復走行し,台車枠使用期間中の応力発生回数を推定する。 

なお,走行試験で得られた応力測定データから応力発生頻度分布を求める場合に,応力範囲を等分割す

る間隔は,5 MPa程度又は最大応力範囲の1/20程度を目安とする。 


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一方,走行試験を行わない場合は,累積損傷度による評価はできないため,この評価方法は適用できな

い。 

 

 

図B.4−累積損傷度の計算方法の模式図 

 

B.3.3 溶接ルート部の強度評価例 

B.3.3.1 一般 

本来,溶接部は両側溶接とすることが望ましいが,台車枠においては,裏当て金を使用しない片側開先

溶接が使われることがある。部位によっては必ずしも完全溶込みが求められているわけではないが,完全

溶込みを目指してもルート部には小さな溶込み不良(接合不良)が存在すると考えなくてはならない。こ

の溶込み不良を亀裂とみなして,図B.2に示す荷重伝達形の代表的な片側開先溶接継手について,破壊力

学的手法を用いて強度評価を行う方法の例を,次に示す。この評価に使用する線図を溶接ルート部から溶

接金属への亀裂発生に対する判定曲線(以下,ルート判定曲線という。)とする。 

なお,斜交T継手において,はりなどが裏当て金の代用となり,超音波探傷によって完全溶込みが保証

される場合には,溶接ルート部ではなく裏当て金付き開先継手とみなして評価する。 

B.3.3.2 ルート判定曲線の例 

破壊力学のパラメータである応力拡大係数範囲ΔKは,次の式で表わされる。 

a

Δ

F

ΔK

c

 

ここに, 

π: 円周率 

 

Fc: 補正係数 

 

Δσ: 溶接部近傍母材部の応力範囲2) 

 

a: 溶込み不良深さ3) 

注2) 図B.2及び図B.3の中に“”で例示しているように,溶接部近傍母材部の応力測定位置は,

強度評価の対象とする溶接止端から20〜30 mm離して,溶接線に直交させる。 

なお,その裏側に溶接部などが存在する場合はその位置を避ける。 

3) aの寸法の測り方は,図B.2及び図B.5の中に示している。 

簡易な形状に対するFcは,破壊力学の文献に計算式が紹介されているが,台車枠の溶接継手に適合した

ものはほとんどない。代表的な溶接継手について,拘束の大きい条件の下でFEMによってFcを求めた結

 

Δ

σ

M

P

a)

 

繰返し数 Ni (回) 


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果の例を,図B.5に示す。 

 

   

 

 

 

 

a) 突合せ溶接継手 

b) 直交T溶接継手 

c) 斜交T溶接継手 

 

 

d) 補正係数Fcの計算例 

図B.5−代表的な溶接継手の補正係数Fcの計算結果例 

 

一方,図B.6は,亀裂とみなした溶込み不良のある多数の溶接試験片に対して,一定応力振幅下におけ

る疲労試験によって疲労亀裂が発生する繰返し数Nを求め,全試験結果の下限に対し安全率1.25を考慮し

て求めたΔK0−N曲線の例である。ΔK0は,溶込み不良から亀裂が発生しない限界値を表す。 

 

 

図B.6−溶込み不良のΔK0−N曲線の例 

 

図B.6と継手ごとの補正係数Fcとを用いれば,aをパラメータとしたKの算出式によって,溶込み不良

から亀裂が発生しない応力範囲ΔσとNとの関係を示すルート判定曲線が得られる。また,ここで示した


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判定曲線の作成方法は一例であり,受渡当事者間の協定の下,別の方法によって,線形累積損傷則を適用

できるような判定曲線を求めてもよい。 

a=2 mmの溶込み不良が存在する場合,溶接継手を類形化して求めたルート判定曲線の例を図B.7及び

表B.1に示す。同様に,溶接状態によってaが異なる場合は,aに対応するそれぞれのルート判定曲線を

作成することができる。 

 

 

図B.7−ルート判定曲線の例 

 

表B.1−ルート判定曲線の諸数値の例 

単位 MPa 

繰返し数 

N(回) 

応力範囲Δσ 

突合せ継手及び 

直交T継手 

斜交T継手 

(55〜80°) 

斜交T継手 

(30〜55°) 

1×105 

89 

81 

67 

1×106 

53 

47 

39 

2×106 

50 

45 

38 

1×107 

48 

44 

37 

1×108 

46 

42 

35 

 

B.3.4 裏側に存在する溶接部の強度評価例 

B.3.4.1 一般 

図B.3 a) の側ばりのように,台車枠の主構造部材の裏側に,内部補強の溶接部のような表側から見えな

い溶接部が存在する場合,部材表側の公称応力値から評価する方法の例を,次に示す。この評価に使用す

る線図を溶接止端部などからの亀裂発生に対する判定曲線(以下,止端部等判定曲線という。)とする。 

B.3.4.2 止端部等判定曲線の例 

継手構造を類形化して求めた裏側溶接止端部(形状及び溶接施工姿勢に指定がないもの)及び裏境界の

止端部等判定曲線の例を図B.8及び表B.2に示す。B.3.2によって,この判定曲線に対する累積損傷度を計

  繰返し数 N(回) 

 

Δ

σ

M

P

a)

 


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算して評価を行うことができる。 

注記 この方法で用いる止端部等判定曲線は,鋼橋りょう(梁)を主対象とする多数の疲労試験デー

タを参考とし,台車枠用に作成された曲線である。 

 

 

図B.8−止端部等判定曲線の例 

 

表B.2−止端部等判定曲線の諸数値の例 

繰返し数 

N(回) 

応力範囲 

Δσ(MPa) 

1×105 

217 

1×106 

101 

2×106 

 80 

1×107 

 60 

1×108 

 55 

 

  繰返し数 N(回) 

 

Δ

σ

 

M

P

a)